JP4621949B2 - セメント系充填材 - Google Patents

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Description

本発明は、都市ゴミ焼却灰,下水汚泥焼却灰の一種以上を原料とした焼成物と石膏からなる水硬性組成物(以下、エコセメント)を含むセメント系充填材に関する。
都市部で発生する主たる廃棄物としての都市ゴミは、生活レベルの向上や人口集中に伴い、年々増加している。この膨大な量からなる都市ゴミは、焼却場等により焼却され焼却灰とされることにより大幅に減容化される。しかしながら、年々増加する都市ゴミに対して焼却場や埋め立て処分場の処理能力が不足し、環境汚染等の問題がより深刻化しつつある。
このような問題の有効な解決策の一つとして、都市ゴミ焼却灰を原料とするエコセメントの開発が進展している。このエコセメントとして、都市ゴミ焼却灰中に含まれる塩化物イオンを脱塩素化技術によりセメント質量の0.1%以下に低減した普通エコセメントが一般的に製造され、またJIS規格にも制定されている。普通エコセメントは、通常のセメントとほぼ同様の品質を持ち、生コンクリートとして鉄筋構造物やコンクリート製品をはじめ、地盤改良材等、幅広い用途に使用されることが期待されている。
また従来において、強度や耐久性の向上を図るとともに、付着強度、早期強度発現に優れ、エコセメントを必須の成分とした充填材が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。この充填材は、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料としてなる焼成物であって、カルシウムクロロアルミネート(11CaO・7Al2O3・CaCl2 以下、C11A7CaCl2と略記)、カルシウムフルオロアルミネート(11CaO・7Al2O3・CaF2 以下、C11A7CaF2と略記)およびカルシウムアルミネート(3CaO・Al2O3 以下、C3Aと略記)等のアルミニウム化合物の一種以上を10〜40重量%及びジカルシウムシリケート(2CaO・SiO2 以下、C2Sと略記)およびトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO2 以下C3Sと略記)の一種以上を含む焼成物と石膏からなる水硬性組成物(エコセメント)を必須成分としている。
また、この特許文献1において開示される充填材は、さらに高炉スラグ微粉末を含有させる場合もある。高炉スラグ微粉末は、銑鉄をつくる際にできるスラグを急冷し、更に粉砕して微粉化したもので、比表面積が2000cm/g以上、シリカ含有量が約30重量%である。高炉スラグ微粉末に含有されているシリカがエコセメントから遊離する水酸化カルシウムと結合することにより、充填材全体の強度と水密性を向上させることができ、更には水和熱を減少させることも可能となる。
一方、下水処理場で、日常的かつ大量に発生する下水汚泥は、焼却灰として処理されるが、埋め立てのみに頼っていたのでは、その処理対応が行き詰まり、従来の下水処理システムが成り立たなくなってしまうという問題点があった。ここにおいて、特許文献2に開示される発明は、焼却灰の有効活用を目的とし、粉砕焼却灰をセメント、ベントナイトと混合し、安価なセメントミルクを提供することを可能としている。この粉砕焼却灰をベントナイトと部分的に置き換え使用することは、従来から、充填材の一部に潤滑材として用いられてきたベントナイトの代替として、ベントナイト及び粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合材に潤滑機能を期待できることを示唆するものである。
特開平11−228197号公報 特開2001−354466号公報
ところで、従来のセメント系充填材では、高炉スラグ微粉末の含有量を抑えることが望ましいものとされている。高炉スラグ微粉末の含有量が多くなると、水硬性組成物から生成される水酸化カルシウムの量が不足し、充填材の強度そのものが低下してしまう事をその理由としている。
しかしながら、高炉スラグ微粉末含有量を抑えることなく強度発現を期待することは、この高炉スラグ微粉末が比較的安価であるところから、その充填量を増加させることにより充填材全体のコストを低減させることができる点である。
即ち、充填材全体の強度の劣化を抑えつつ高炉スラグ微粉末の充填量を増加させることにより、強度面とコスト面の双方において改善を図る必要があった。
また、従来のセメント及びセメント系固化材を用いた空洞空隙充填材等において、条件によっては六価クロムが土壌環境基準の0.05mg/lを超える濃度で土壌に溶出するおそれがあるところ、環境汚染を防止するための要請が近年において特に高まっている。このため、エコセメントを利用した充填材を用いる場合においても、同様にその溶出量を極力低減させる必要もあった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、エコセメントを含むセメント系充填材において、特に強度面、コスト面の双方において改善を図るとともに六価クロムの溶出量を極力低減させることが可能なセメント系充填材を提供することにある。
本発明に係るセメント系充填材は、上述した課題を解決するために、都市ゴミ焼却灰,下水汚泥焼却灰の一種以上を原料とした焼成物と石膏からなる水硬性組成物(以下、エコセメント)を含むセメント系充填材において、当該セメント系充填材は、上記エコセメントと高炉スラグ微粉末とからなるセメント材を含有するとともに、更にベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有し、上記セメント材100重量%のうち高炉スラグ微粉末が75重量%以上、90重量%以下含有することを特徴とする。
本発明を適用したセメント系充填材は、都市ゴミ焼却灰,下水汚泥焼却灰の一種以上を原料とした焼成物と石膏からなる水硬性組成物(以下、エコセメント)を含むセメント系充填材において、エコセメントと高炉スラグ微粉末とを含むセメント材を含有させるとともに、更にベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有させる。このとき、セメント材100重量%のうち高炉スラグ微粉末が75重量%以上、90重量%以下含有させる。


このため、本発明を適用したセメント系充填材は、強度面とコスト面の双方において改善を図ることが可能となる。また、本発明により従来から特に低強度セメント系充填材において問題とされていた六価クロムの溶出量そのものを抑制することを可能とした。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、エコセメントを含むセメント系充填材につき図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したセメント系充填材は、エコセメントと高炉スラグ微粉末とを含むセメント材を含有するとともに、更にベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有する。また、このセメント材における100重量%のうち高炉スラグ微粉末が50重量%より多く含有されている。
エコセメントは、貝殼や下水汚泥に生石灰を混合した下水汚泥乾粉、その他の一般廃棄物や産業廃棄物などの都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料としている。このエコセメントは、さらに必要に応じて普通のセメント原料である石灰石、粘土、珪石、アルミ灰、ボーキサイ卜、鉄等を混合して成分調整した原料を用い、これらの原料を1200〜1500℃で焼成して得たクリンカーに石膏を混合して粉砕するか、もしくはクリンカーのみを粉砕し、それに必要に応じて石膏を混合して製造したものである。
このエコセメントは、原料に含まれるアルミニウム分や塩素分に由来する鉱物成分、例えば、C11A7CaCl2やC3A等が含まれている。この他に、通常のセメントに含まれるC2S、C3Sの1種以上が含まれている。このエコセメントに混合される石膏としては、無水石膏、二水石膏、半水石膏の何れも使用することができる。
なお、本発明を適用したセメント系充填材は、上述したエコセメントとともに、その他の水硬性組成物、例えば普通、早強、中庸熱、耐硫酸塩等の各ポルトランドセメントやC2Sを多く含有するビーライトセメント、鉱物質微粉末であるシリカヒューム、石灰石微粉末、シリカ、火山灰、珪藻土等、またはアルミネート鉱物等を添加してもよい。
また、このセメント系充填材におけるセメント材に含有されている高炉スラグ微粉末は、銑鉄を作る際にできる高炉スラグを急冷し、さらに粉砕して微粉化したものであり、比表面積が2000cm/g以上、シリカ含有量が約30重量%である。高炉スラグ微粉末に含有されているシリカがエコセメントから遊離する水酸化カルシウムと結合することにより、充填材全体の強度と水密性を向上させることができ、更には水和熱を減少させることも可能となる。
次に、セメント材の高炉スラグ微粉末の含有率に対する、六価クロムの溶出量並びに圧縮強度の大きさを測定した結果につき説明をする。下記表1における測定サンプルの例は、1mあたりの各成分の配合量(単位:kg)を示している。
Figure 0004621949
従来型の充填材は、250kgのセメントと、62.5kgの群馬産#250ベントナイトとが配合されてなり、水が895kg含まれている。また、セメント系充填材に含まれるセメント材において高炉スラグ0重量%のサンプルは、280kgのエコセメントのみからなり、かかるセメント材中における高炉スラグ25重量%のサンプルは、210kgのエコセメントと70kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなる。またセメント材中における高炉スラグ40重量%のサンプルは、168kgのエコセメントと、112kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなり、またセメント材中における高炉スラグ50重量%のサンプルは、140kgのエコセメントと、140kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなり、また、セメント材中における高炉スラグ75重量%のサンプルは、70kgのエコセメントと、210kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなる。さらに、セメント材中における高炉スラグ90重量%のサンプルは、28kgのエコセメントと、252kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなる。なお、この高炉スラグ0、25、40、50、75、90重量%の各サンプルにおいては、ベントナイト(群馬産#250ベントナイト)と粒度調整された下水汚泥焼却灰との混合物がそれぞれ50kg含まれたセメント系充填材とされるとともに、さらに水が888kg含まれている。
このような各サンプルにつき、六価クロムの溶出量(mg/l)、圧縮強度(N/mm)をそれぞれ測定する。この圧縮強度の測定については、試験機の圧縮速度を1mm/minとし、直径5cm、高さ10cmのサイズで構成される円柱状の3つの試験片につきそれぞれ圧縮試験を行い、その平均値を強度試験値とした。また、この圧縮強度は、一般のコンクリートの測定基準と同様に、材齢28日のサンプルにつき測定した。なお、サンプルによっては、上述した測定を複数回にわたり実行した。また、六価クロムの溶出量の測定については、各サンプル混練り後、材齢7日目の固化物に対して、「土壌汚染に係る環境基準について(平成13年3月28日環境省告示第16号)」で定める手法を用いて行った。
下記表2は、このような各サンプルにおける混練り後の固化物につき六価クロムの溶出量、圧縮強度を測定した結果を示している。
Figure 0004621949
また図1(a)、(b)は、表2に示す測定結果に基づき、各サンプルに対する六価クロムの溶出量、圧縮強度の関係をまとめたグラフである。
これら測定結果のうち、先ず六価クロムの溶出量につき着目する。高炉スラグ25重量%のサンプルは、高炉スラグ0重量%のサンプルと比較して六価クロムの溶出量が著しく低減している。その後高炉スラグ微粉末の含有率が増加するにつれて六価クロムの溶出量は僅かながら減少していくのが分かる。ちなみに、従来型の充填材における六価クロムの溶出量は、0.048mg/lであり、上述した高炉スラグ0重量%のサンプルとほぼ同等の溶出量を示している。即ち、高炉スラグ微粉末を添加することにより六価クロムの溶出量を抑えることができ、ひいては環境汚染そのものを抑制することが可能となる。
ちなみに、高炉スラグ50重量%のサンプルにおいては、六価クロムの溶出量が0.008mg/lまで、さらに高炉スラグ75重量%のサンプルにおいては、六価クロムの溶出量が0.005mg/lまで低下する。この六価クロムの溶出量における土壌環境基準は、0.05mg/lであることから、かかる土壌環境基準で規定される溶出量(=0.05mg/l)の概ね20%以下まで抑えることが可能となることが分かる。これにより、六価クロムの溶出量を最小限に抑えることが可能となることから、環境汚染を極力防止することができる。
次に、上記測定結果のうち、サンプルの圧縮強度につき着目する。高炉スラグ0重量%のサンプルは、従来型の充填材と比較して若干の圧縮強度の低下が見られるものの、その後高炉スラグ微粉末の含有率が増加するにつれて圧縮強度が徐々に増加していくのが分かる。そして高炉スラグ90重量%のサンプルにつき圧縮強度が1.98N/mmと最も大きくなることが分かる。即ち、高炉スラグ微粉末を含有させるとともに、更に膨潤性能(保水性能)に優れたベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有させることにより、充填材全体の圧縮強度を向上させることができる。
次に、ベントナイトと粒度調整された下水汚泥焼却灰との混合物を含有させた下記表3に示すサンプルにつき、同様の測定を行った結果につき説明をする。表3におけるサンプルの例は、1mあたりの各成分の配合量(単位:kg)を示している。
Figure 0004621949
従来型の充填材は、500kgのセメントと、35kgのワイオミング産ベントナイトとが配合されてなり、水が827kg含まれている。また、セメント材中における高炉スラグ0重量%のサンプルは、500kgのエコセメントのみからなり、セメント材中における高炉スラグ25重量%のサンプルは、375kgのエコセメントと125kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなる。またセメント材中における高炉スラグ40重量%のサンプルは、300kgのエコセメントと、200kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなり、またセメント材中における高炉スラグ50重量%のサンプルは、250kgのエコセメントと、250kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなり、さらにセメント材中における高炉スラグ75重量%のサンプルは、125kgのエコセメントと、375kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなり、セメント材中における高炉スラグ90重量%のサンプルは、50kgのエコセメントと、450kgの高炉スラグ微粉末とが配合されてなる。なお、この高炉スラグ0、25、40、50、75、90重量%の各サンプルにおいては、(ワイオミング産又は群馬産の)ベントナイトと粒度調整された下水汚泥焼却灰との混合物がそれぞれ35kg含まれたセメント系充填材とされるとともに、さらに水が827kg含まれている。
下記表4は、この表3に示す各サンプルにつき六価クロムの溶出量、圧縮強度を測定した結果を示している。なお、サンプルによっては、上述した測定を複数回にわたり実行した。
Figure 0004621949
また図2(a)、(b)は、表4に示す測定結果に基づき、各サンプルに対する六価クロムの溶出量、圧縮強度の関係をまとめたグラフである。
これら測定結果のうち、先ず六価クロムの溶出量につき着目する。高炉スラグ25重量%のサンプルは、高炉スラグ0重量%のサンプルと比較して六価クロムの溶出量が著しく低減している。その後高炉スラグ微粉末の含有率が増加するにつれて六価クロムの溶出量は徐々に減少していくのが分かる。ちなみに、従来型の充填材における六価クロムの溶出量は、0.035mg/lであり、上述した高炉スラグ0重量%のサンプルよりも低い溶出量を示している。しかしながら、高炉スラグ25重量%のサンプルの六価クロム溶出量は、0.017mg/lであり、従来型の充填材と比較してその溶出量を低く抑えることができることが分かる。
ちなみに、高炉スラグ50重量%のサンプルにおいては、六価クロムの溶出量が0.010mg/lまで、さらに高炉スラグ75重量%のサンプルにおいては、六価クロムの溶出量が0.005mg/lまで低下する。この場合も同様に、土壌環境基準で規定される溶出量の概ね20%以下まで抑えることが可能となり、ひいては環境汚染を抑えることも可能となる。
次に、上記測定結果のうち、サンプルの圧縮強度につき着目する。高炉スラグ0重量%のサンプルは、従来型の充填材と比較して若干の圧縮強度の低下が見られるものの、その後高炉スラグ微粉末の含有率が増加するにつれて圧縮強度が徐々に増加していくのが分かる。そして高炉スラグ90重量%のサンプルにつき圧縮強度が5.97N/mmと最も大きくなることが分かる。即ち、高炉スラグ微粉末を添加することにより充填材全体の圧縮強度を向上させることができる。また、表1に示すサンプルと比較しても圧縮強度は平均して高くなっていることから、エコセメントに対する高炉スラグの含有率をより高くすることで圧縮強度そのものを向上させることができることが分かる。
上述した測定結果から、セメント材における100重量%のうち高炉スラグ微粉末が50重量%以上含有されるとともに、これにベントナイト等を含有させたセメント系充填材を構成することにより、強度をより増大させることができ、さらには六価クロム溶出量を極力抑えることができる。なお、これらの作用効果をより顕著に発揮させるためには、セメント材100重量%のうち高炉スラグ微粉末を50重量%より多く90重量%以下の範囲で含有させることが望ましい。
特許文献1の開示技術では、あくまで水を含めた充填材100重量部を基準にして定義されているが、本発明では、エコセメントと高炉スラグ微粉末の含有比に着目して特定されており、この含有比を最適化することにより上述の如き顕著な効果を奏する点において、かかる上記特許文献1の開示技術と差異がある。
従来においては、高炉スラグ微粉末の使用量が多いと水硬性組成物から生成される水酸化カルシウムの量が不足し、充填材の強度そのものが低下してしまうと考えられていたが、上述した測定結果により、高炉スラグ微粉末をセメント材中において50重量%より多く含有させるとともに、膨潤性能(保水性能)に優れたベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有させたセメント系充填材を構成することにより、強度を向上させることができることが分かった。
なお、上述したエコセメントと高炉スラグ微粉末からなるセメント材に比しベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物は1〜30重量%含有されていることが望ましい。これにより、かかるベントナイト等から膨潤効果(保水効果)を適度に発揮させることができ、充填材全体の強度を向上させることが可能となる。
また、本発明を適用したセメント系充填材は、例えば、空洞空隙の充填材、又はケーソンコンタクトグラウト材、又はトンネル補修充填材、又はグラウンドアンカー充填材、又はロックボルト充填材としての適用に限定されるものであってもよい。これらの充填材は、材料分離抵抗性の向上、ブリージングの低減のためにベントナイト等を含有させることが重要となってくる。即ち、ベントナイト等の持つ膨潤性(保水性)を機械的強度の増進等の効果に寄与させることが重要となってくる。
なお、高炉スラグ微粉末は、比較的安価であるところ、その充填量を増加させることにより充填材全体のコストを低減させることができる。例えば、セメント材における100重量%のうち高炉スラグ微粉末を50重量%程度含有させることにより、これを全てエコセメントで構成する場合と比較して概ね5%ものコスト低減を図ることができる。同様に、セメント材における100重量%のうち高炉スラグ微粉末を90重量%程度含有させることにより、これを全てエコセメントで構成する場合と比較して概ね10%ものコスト低減を図ることができる。また、グラウト強度の増加を考慮した場合に、配合設計におけるエコセメントと高炉スラグの合計量を減らせる可能性もあるため、さらなるコスト低減の可能性も出てくる。
このため、セメント材における高炉スラグ微粉末の充填量を増加させることにより、強度面とコスト面の双方において改善を図ることが可能となる。
特にこのセメント系充填材では、高炉スラグ微粉末の充填量を増加させることにより、六価クロムの溶出量そのものを抑制することができることから、環境汚染を効果的に防止できる点において、より大きな効果を得ることが可能となる。
なお、上述したベントナイトでは、ワイオミング産又は群馬産のものを使用する場合につき例を挙げて説明をしたが、かかる構成に限定されるものではないことは勿論である。
また、上述したエコセメントの代替として、一般的な各種のセメントを用いても、上述の如き効果を得ることは可能となる。
本発明を適用したセメント系充填材の各サンプルにつき六価クロムの溶出量、圧縮強度を測定した結果を示す図である。 本発明を適用したセメント系充填材の各サンプルにつき六価クロムの溶出量、圧縮強度を測定した結果を示す他の図である。

Claims (5)

  1. 都市ゴミ焼却灰,下水汚泥焼却灰の一種以上を原料とした焼成物と石膏からなる水硬性組成物(以下、エコセメント)を含むセメント系充填材において、
    当該セメント系充填材は、上記エコセメントと高炉スラグ微粉末とからなるセメント材を含有するとともに、更にベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有し、
    上記セメント材100重量%のうち高炉スラグ微粉末が75重量%以上、90重量%以下含有すること
    を特徴とするセメント系充填材。
  2. 上記セメント材100重量%に比しベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物が1〜30重量%含有すること
    を特徴とする請求項1記載のセメント系充填材。
  3. 当該セメント系充填材は、空洞空隙の充填材、又はケーソンコンタクトグラウト材、又はトンネル補修充填材、又はグラウンドアンカー充填材、又はロックボルト充填材として用いられること
    を特徴とする請求項1又は2記載のセメント系充填材。
  4. 当該セメント系充填材における六価クロムの溶出量は、混練り後の固化物において、0.02mg/l以下であること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載のセメント系充填材。
  5. セメントと高炉スラグ微粉末とからなるセメント材を含有するとともに、更にベントナイト、又はベントナイト並びに粒度調整された下水汚泥焼却灰の混合物を含有すること
    を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載のセメント系充填材。
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