JP4621819B2 - ニトロイミダゾール抗菌性化合物およびその使用方法 - Google Patents

ニトロイミダゾール抗菌性化合物およびその使用方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、病原性微生物を殺すのに有用な新規なニトロイミダゾール誘導体、この化合物を含有する組成物、および病原性感染症(例えば、ミコバクテリア、Clostriduim、CryptosporidiumまたはHelicobacterの感染症)の治療において、これらの化合物および組成物を単独でまたは他の抗菌剤と組み合わせて使用することに関する。
発明の背景
数十年間にわたる感染症の割合の低下の後、結核(TB)の発生率の不穏な増加が起こっている。結核は、伝染性が非常に高いために、公衆衛生に深刻な驚異を与える。結核菌は、活性結核を有する患者がくしゃみまたは咳をすると形成される飛沫によって、人からと人へと容易に伝染する。
さらに驚くべきことには、多薬剤耐性結核(MDRTB)が増加している。1984年以前は、米国におけて患者から単離した結核菌の約10%が、単一の抗菌性薬剤に耐性があった。1984年には、52%の患者が、少なくとも1種の薬剤に耐性のあるMycobacterium tuberculosis(これはまた、結核菌と呼ばれている)に感染し、そして32%は、1種またはそれ以上の薬剤に耐性があった。多薬剤耐性結核の大発生は、13州で報告されている。現在までに記録された多薬剤耐性結核の症例の10%は、以前は健康であった人々に起こり、その死亡率は、70〜90%であり、多薬剤耐性結核を持った免疫抑制患者の死亡率とほぼ同じである(SniderおよびRoper、1992年)。
米国疾患抑制センター(CDC)は、ニューヨーク州健康局との共同研究の予備結果を発表し、薬剤耐性結核の症例は、1984年以来、2倍以上になったことを明らかにした。1991年第一四半期のCDCデータから、これらの薬剤耐性株の多くは、最新の結核薬剤であるリファムピンおよびイソニアジドの両方に耐性であることが明らかになった。多薬剤耐性結核の大発生は、マイアミおよびニューヨーク市の病院だけでなく、ニューヨーク州の刑務所でも起こった。ニューヨーク市のある病院では、多薬剤耐性結核の診断と死亡の間の期間の中間値は、僅かに4日間であった。1990年および1991年には、ミシシッピ州、ミズーリ州およびミシガン州からCDCに、多薬剤耐性結核の別のクラスターが報告された。
Mycobacterium tuberculosisに対して非常に効果的であることが知られている5種類の最新薬剤、および1種以上の最新薬剤に耐性であることが検出されたときに使用し得る5種の二次薬剤がある。皮肉なことに、米国では、1992年4月まで、抗結核薬剤が欠乏しており、そのいくつかは、最新薬剤であるリファムピンおよびイソニトジドに対して耐性があるとき、非常に必要とされている。これらの欠乏は、製薬会社数社が、これらの薬剤の生産を中止したために、起こった。
結核菌は、その体内での残留性のために、制御が困難な病原菌として悪名高い。カメロット・ゲランウシ型(BCG)ワクチンは、子供において、重度の結核脳膜炎および播種性結核から保護するものの、大人の肺結核に対する効能は、世界の異なる地域によって、広く変わる。通常の結核の治療は効果的であるが、高価であり、最低で6カ月間、多種類の薬剤で毎日治療する必要がある。結核患者には、薬剤が有益な効果を発揮し始めると、その薬剤を飲むのをやめるか、または断続的に投薬するという一般的な傾向がある。これを行うと、再発が頻繁に起こり、それは、最初の治療過程で生き残った薬剤耐性結核菌により引き起こされる場合が非常に多い。薬剤耐性のM.tuberculosisの発生は、多くの場合、抗結核化学療法に対する個人の協力度の指標であり、また、充分な治療を保証する健康管理の基板が確立していないことの指標である。多くの公衆衛生局は、かつては、この過程にて重要な役割を担ったが、最近では、その予算が大きく削減されており、従って、この重要なサービスを行い得ない。
多薬剤耐性結核は、治療が極めて困難であり、大多数の患者は、療法に応答しない。多薬剤耐性結核を有する患者1人の全治療費用は、旧式の治療の費用の10倍程度になる。治療薬剤の費用だけでも、21倍程になり得る。
古典的な結核の好ましい治療は、イソニアジド、リファムピンおよびピラジアミドを含む。有する結核菌がイソニアジドに耐性があると考えられる患者には、薬剤感受性の結果が知られるまで、一般的には、そのレジメンに、第四の薬剤であるエタムブトールが付け加えられる。イソニアシドおよびリファムピンの療法に耐性のある結核菌(これは、現在、ある都市では、約20%を占める)の隔離には、追加の投薬を伴った特別な治療が必要であり、これには、ほぼ2年間にわたる、ストレプトマイシンおよびシプロフロキサシンが含まれる場合がある。
この結核菌は、成長の遅い微生物である。この細菌が、臨床実験室で生育するには、3〜6週間必要であり、抗生物質抵抗性に対してスクリーニングするには、さらに3〜6週間必要である。このような長期間の実験室操作の結果、診断の遅れが生じ、これは、未確認の薬剤耐性結核の患者が、効率悪く治療され、長期間にわたって感染したままになることを意味する。HIV陽性の患者では、多薬剤耐性結核は、通常、診断してから4〜16週間で死亡を引き起こし、この期間は、しばしば、薬剤感受性および耐性に関する実験室試験が完了する前になる。
最近の結核の致命的大発生の原因が、M.tuberculosis微生物の突然変異速度が増加したことまたはその病原性の増加にあるという証拠はない。結核の治療に必要な抗生物質の6カ月〜12カ月レジメンに、患者が従わないために、薬剤耐性形状の結核が増えている可能性がある。この患者の非従順に対処するために、結核率が高い一部の州では、対策(例えば、直接観察療法(DOT))を考慮している;他の州は、今世紀の第一半期の結核サナトリウムに似た収容施設を再び設置するかも知れない。結核の標準的な治療レジメンもまた、最新化されている。2〜3種類の抗生物質を飲む代わりに、結核患者、現在、4種類の抗生物質を飲んでいる。さらに、先に記したように、米国における抗結核薬剤の現在の欠乏により、標準的な治療さえ困難になっている。
一連のニトロイミダゾ[2,1-b]オキサゾール誘導体は、Sehgal,Kらの「Novel Nitroimidazo[2,1-b]oxazole Formation from Reaction of 2,4(5)-Dinitroimidazole with Oxiranes(1)」(J.Heterocyclic Chem.16:1499-1500(1979))に記述された。このタイプの化合物は、以下の一般式(I)を有する:
Figure 0004621819
これらの化合物は、癌の放射線療法で使用する可能性のある放射線感受性剤として、記述された(Agrawal,Kら、「Potential Radiosensitizing Agents.Dinitroimidazols」、J.Med.Chem.22(5):583-586(1979);Sehgal,Rら、「Potential Radiosensitizing Agents.2.Synthesis and Biological Activity of Derivatives of Dinitroimidazol with Oxiranes」、J.Med.Chem.24:601-604(1981))。さらに最近では、ある種のニトロイミダゾール化合物は、抗菌性(抗結核活性を含めて)を示すことが報告された(例えば、Nagarajan,Kら、「Nitroimidazoles XXI.2,3-dihydro-6-nitroimidazo[2,1-b]」oxazoles with antirubercular activity」,Eur.J.Med.Chem.24:631-633(1989)を参照せよ)。さらに、式(I)の化合物で、Rがエチル(2-エチル-5-ニトロ-2,3-ジヒドロ[2,1-b]イミダゾ-オキサゾール)であるものもまた、Ceiby-Geigy CGI 17341として公知であり、最近では、Mycobacterium tuberculosisに対して活性を示すことが明らかになった(Ashtekar,D.ら、「In Vitro and In Vivo Activities of the Nitroimidazole CGI 17341 against Mycobacterium tuberculosis」、Antimicrobial Agents and Chemotherapy,37(2):183-186(1993))。
偽膜結腸炎(PMC)は、ひどい結腸炎症、下痢、腹部痙攣、および粘膜斑または偽膜により特徴づけられる重度の腸疾患である。偽膜結腸炎は、消化管における毒性Clostridium difficileの過剰産出により、引き起こされる。C.difficileは、胞子形成性の嫌気性菌であり、偽膜結腸炎の主要な院内病原菌である。胃腸道の細菌フローラが、広スペクトル抗生物質を多く使用することにより変性されたとき、C.difficileの過剰成長が起こる。C.difficileにより、2種の毒性物質、AおよびBが産出する。これらの毒性物質は、結腸細胞の膜または微小フィラメントを攻撃し、炎症および壊死を生じる。毒性物質Aは、腸の出血および液体分泌を起こすのに対して、毒性物質Bは、細胞毒性である。
下痢疾患の下位区分としての偽膜結腸炎は、抗生物質使用により頻繁に起こる合併症となっている。偽膜結腸炎は、通常、抗生物質療法の開始から5〜10日で発現する。水状の下痢は、最も一般的な症状であり、偽膜結腸炎の全症例の90〜95%で起こる(Aronsson,B.ら、J.Infect.Dis.151:476-481(1985))。偽膜結腸炎の重症例は、高熱、白血球増加、脱水、電解質不均衡および死亡を引き起こす(Clostrium difficle.Its role in Intestinal Disease.R.D.Rolfe and S.M.Finegold編、Academic Press Inc.、New York(1988)、およびR.Fekety、OAntibiotic-Associated Colitis.Mediguide to Infectious DiseaseO Vol.4、pp.1-7(1984)を参照せよ)。
最も危険性の高い患者には、高齢で衰弱した癌患者、および腹部手術を受けた患者が含まれる。未処理のC.difficileは、高齢または慢性的に衰弱した患者では、死亡率10〜20%である(Dosik,G.M.ら、Am.J.Med.67:646-656(1979))。偽膜結腸炎の全世界にわたる発生率は、適切な研究がないために、分からない。しかしながら、工業国では、C.difficileは、CampylobacterおよびSalmonellaに続いて、急速に、最も一般的な腸の細菌性病原菌になりつつある(Bartlett,J.、Clostrium difficle:Its role in Intestinal Disease、R.D.RolfeおよびS.M.Finegold編、Academic Press Inc.、New York、pp.1-13(1988))。
偽膜結腸炎の治療に最も頻繁に使用される抗生物質には、バンコマイシン、メトロニダゾールおよびバシトラシンが挙げられる。バンコマイシンは、非常に高価な治療であり、10日間の過程で、100〜400ドルかかる。バンコマイシン療法後の再発割合は、実験動物で明らかとなった(Swannson,B.ら、Antimicrobial Agents and Chemotherapy、35:1108-1111(1991)およびBartlett,J.G.ら、Clin.Infect.Dis.(S4)S265-72(1994))。バンコマイシン耐性菌の増加のために、C.difficile感染に対するバンコマイシンの使用は、少なくなるかも知れない。メトロニダゾールは、バンコマイシンほど有効ではないが、また、バンコマイシンより安価である。メトロニダゾールは、経口的に吸収され、患者は、この薬剤に付随した潜在的な副作用に晒される(PHYSICIANS DESK REFERENCE、48TH EDITI0N、1994、PP.1704-1706)。メトロニダゾールは、バンコマイシンと同様の再発率を有する。Bacitracinは、抗生ペプチドであり、9種のペプチドの混合物として、市販されている。それもまた高価であり、便利な経口投薬形状は、利用できない。
Cryptoporadium種の微生物は、消化管および希には呼吸管の微毛上皮ライニングに感染する小さな真正の細胞内球菌寄生体である。Cryptoporadium parvumは、この種の最も一般的な構成要素であるが、Cryptosporidiosisの作用因子である。これらの微生物は、Plasmodium(マラリア原虫)と同じ程度の大きさであるが、生育ライフサイクル、伝染性および疾患し、非常に異なる。寄生虫としては、長い間認められ確認されているものの、ヒトCryptosporidiosisの最初の症例は、1976年に報告された。Cryptosporidiumは、種々のタイプの家畜およびペットにも感染し得る。この寄生虫は、下痢の作用因子として、世界的に認められている。ヒトへの感染源は、人畜伝染(主として、牛であるが、他の動物(例えば、ネズミ類、子犬および子猫))により、また、ヒトとヒトの接触によると考えられている。しかしながら、この様式の伝染だけが、広範囲に及ぶ伝染を説明するものではなく、疫学的研究により、Cryptoporadium parvumは、水媒介病原菌であることが明らかになった。1993年春、ミルウォーキー大都市圏にて、Cryptosporidiosisの大発生が起こり、およそ400,000人が罹患した(北米における、感染症の記録された単一発生の最大のもの)。この大発生は、市の水道に関連していた。
Cryptosporidium感染症の最も一般的な臨床的徴候は、頻繁に起こる水状下痢および微熱である。他の症状には、痙攣、悪心、嘔吐および体重減少がある。症状の持続および疾患の程度およびその結果は、患者の年齢および免疫状況によって、変わる。
免疫のある人では、この感染により、中間値10日間(1〜20日間の範囲)の持続的な水状の下痢を引き起こし、他の症状の発生程度は変わる。この感染は、定型的であるが、子供や幼児では、栄養失調、重症の病態の発生と関連しており、大発生を起こす。
免疫不全の人では、疾患の持続、程度および結果は、免疫不全性の程度および原因に依存する。例えば、特定のエイズ患者では、Cryptosporidiumに感染すると、栄養失調および脱水を伴った重症で長期間続く下痢症状が起こり、過度の水損失のために、主要な死因になり得る。胆管および呼吸器系統の関与もまた起こり得、疾患をさらに複雑にする。他の患者(例えば、ステロイド療法を行っている患者)では、この感染は、免疫抑制剤の中断により、直り得る。
この感染は、回腸および空腸に寄生したこの微生物で開始し、絨毛に対する寄生虫誘発損傷のために、消化不良や吸収不全を引き起こす。分泌性(コレラ様)下痢は、毒性が媒介する消化管への液体の流出を示唆しているが、毒性物質は、未だに、記録されていない。Cryptosporidiumは、世界のどの地域でも、下痢症状に関連している。概算すると、下痢患者におけるCryptosporidiumの全体的な罹患率は、工業国に住んでいる人の2〜2.5%であり、または発展途上国に住んでいる人の7〜8.5%である。北米の種々の研究で報告されたこの全体的な罹患率は、0.6〜4.3%(エイズ患者では、2%)の範囲である。
Cryptosporidiosisの標準的な有効療法は、現在では、存在しない。下痢疾患として、Cryptosporidiosisの治療は、抗クリプトスポリジオシス剤および高度免疫グロブリンを用いた症状軽減および特定療法に依存している。通常の宿主における現在の治療は、症候性である。体液および電解質の置換は、管理上、特に重要である。非特異性の抗下痢剤(例えば、Kaopectate、Loperamide(Immodium)、Phenoxylate(Lomotil)およびPepto-Bismol)は、常に有効であるわけではない。現在のところ、免疫不全のCryptosporidium患者の具体的な治療もまた成功していない。動物モデルを用いて、多くの薬剤が評価されているが、この感染を直す良好な見込みを示すものはない。ウシ透析性白血球抽出液を用いた免疫療法、および高度免疫ウシコルストラムを用いた受動乳汁免疫は、異なる結果を示した。
数種の治療様式が、個々の症例および限定規模の対照研究のいずれかにおいて、試みられており、種々の成功度を示した。例には、以下が包含される:ジロキサミドフロエートおよびフラゾリドン(DNA損傷剤であるニトロフランアナログの抗Giardia剤)、キニン+クリンダマイシン、経口スピラマイシン(マクロライド系)、α−ジフルオロメチル−オルニチン(他の寄生虫およびP.cariniiに対する活性)、およびインターロイキン-2。
上で述べたように、Cryptosporidium感染の有効な治療法は存在しない。一般に、健康な人にとっては、このことは大した問題ではない。下痢は、通常、20日未満続くが、臨床的な症状は、通常、自然に治癒するからである。しかしながら、最近の大発生の復活により、この感染と栄養失調との関連が立証され、治療が確立され得る。安全で有効な治療が利用し得ると、殆どの臨床医は、患者の免疫状態にかかわらず、治療する傾向にあるだろう(この治療は、さらに重症の疾患に進行するのを防止し、そして他の罹患し易い宿主への伝染を妨害するために、行われるだろう)。殆どの免疫不全患者は、しばしば、生命に係わる長期間の感染を起こし、この特定の患者群に対しては、有用な療法が必要とされている。
Helicobacter pyloriは、ヒトの慢性胃炎を引き起こし、胃炎および十二指腸潰瘍、胃癌および非潰瘍性消化不良の病原因子として、関連付けられている。これらは、その罹患率、罹患率および死亡率に対する影響のために、そして健康機関に対する費用のために、重要である。H.pylori感染に関連した疾患は、主として複数要因の原因を伴った慢性症状であるが、H.pyloriを根絶するのに成功した産物は、これらの疾患の発生および罹患率を大幅に低下させるはずである。
全世界の抗潰瘍剤の販売は、65億ドルを超える。H.pyloriに関連した疾患は、製薬会社に、莫大な収入を生み出している。胃腸薬の市場は、現在、ヒスタミンH2レセプタアンタゴニストに支配されている。結果的に、新規な抗H.pylori剤が、医学上必要とされている。2種の新規な抗生物質だけが開発されている。Abbott’s Biaxin(これは、最近、H.pylori感染の治療に対して、認可された)およびAzithromycin(Pfizer製の関連したマクロライド)は、有望であることが分かった。
経済的な見通しから、抗生物質は、十二指腸潰瘍の療法に対して選択される治療を代表する。他の選択事項(H2アンタゴニスト(非常に選択的なバガトミーである)を用いた間欠または維持療法)と比較して、抗生物質は、比較的に安価であり、活性潰瘍に対して、最も短時間で効く。
H.pyloriの有効な根絶に対する主要な障害は、この微生物に到達することである。H.pyloriは、インビボでは、比較的に簡単に死滅する。酸、ビスマスおよび他の抗生物質の影響を受け易いが、インビボでの単一療法に使用すると、これらのいずれも有効ではない。単一療法での根絶割合は、10%をめったに超えない。H.pyloriの効果的な治療には、この感染が存在する胃腸部位の生理および使用する試薬の薬物動力学的な性質を理解する必要がある。この細菌は、胃腸粘膜の下部または内部、胃腸腺、細胞内空間および十二指腸粘膜に存在する。これらの多様な部位は、局部または全身のいずれかによる抗菌剤の効果的な分配を達成するのが困難であることを意味する。ヒトの胃腸粘膜のアモキシリン、ビスマスおよびイミペネム/シラスタチンのレベルは、全て、この微生物のインビトロでのMICを超えることが明らかであるが、これらの試薬のいずれも、インビボでの効能は立証されていない。この理由には、この薬剤が、H.pyloriの全ての定着部位に浸透できないこと、およびこれらの粘膜にて、充分な殺菌レベルを維持できないことが挙げられる。クリンダマイシン、エリスロマイシンおよびキノロン類のような薬剤の不成功は、胃内のpHの影響によると思われる。さらに、H.pyloriでは、耐性の形成が急速に起こっており、これは、フルオロキノロン類、ニトロイミダゾール類およびマクロライド類で記録されている。
しかしながら、当該技術分野では、病原性微生物であるClostridium、CryptosporidiumおよびHelicobacterに対する抗菌活性を示す改良試薬、さらに特定すると、多薬剤耐性結核の治療に極めて有用な試薬およびそれらの誘導体が、引き続いて必要とされている。
発明の要旨
現在、驚くべきことに、病原性ミコバクテリア、および他の病原性微生物(例えば、Clostridium、CryptosporidiumおよびHelicobacter)は、インビトロまたはインビボにおいて、ある種のニトロイミダゾール誘導体により抑制し得ることを発見した。従って、本発明は、式(II)のジニトロイミダゾール化合物および薬学的に受容可能なその塩を用いて、インビトロでの病原性微生物の成長を阻害する方法、およびインビボでの病原性ミコバクテリア感染を治療する方法を提供する:
Figure 0004621819
ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルである;
Xは、酸素、イオウまたはNR2であり、ここで、R2は、水素、低級アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環アルキル、COR3、SO2R4またはCONR4R5であり、ここで、R3、R4およびR5は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルキルヘテロ環、アルコキシヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環、アルキルアリールアリール、アリールアルキルアリール、−NR4COR5、−OCONR4R5、−NR4CONR4R5、−OCO2R5、−NR4SO2R5、−NR4SO2NR4R5、−NR4C=NR4NR5およびNR4R5から選択され、ここで、R4およびR5は、結合して、酸素、窒素またはイオウから選択した1個〜3個のヘテロ原子を含有する三員環〜七員環を形成し得る。この環は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、(C=O)、(SO2)、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシまたは水素から選択した置換基で置換し得る。
nは、1、2または3である;
YおよびZは、独立して、酸素、CH2、CO、CR4R5またはNR4から選択され、ここで、R4およびR5は、上で定義のものと同じである;
但し、nが2または3のとき、本発明の化合物は、さらに、それぞれ、以下の式(IIa)および(IIb)で示すように、さらに置換し得る:
Figure 0004621819
ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択される。
現在、特に好ましい本発明の新規化合物は、式(III)に従った骨格構造(ここで、Xは、酸素である)を有する式(III)の化合物により提供され、その結果、以下の実施態様(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)が得られる(ここで、nは、それぞれ、1、2または3である):
Figure 0004621819
ここで、R1、Y、Zおよびnは、上で定義のものと同じである
Figure 0004621819
ここで、R6、R7、R8およびR9は、上で定義のものと同じである。
結核治療に対して現在好ましい実施態様では、本発明の方法および化合物は、結核(MDRTBを含めて)の治療のための新規な試薬を提供するために、それ単独で、または他の抗Mycobacterium tuberculosis剤(例えば、イソニアジド、リファムピン、ピラジンアミド、リファブチン、ストレプトマイシンおよびシプロフロキサシン)と組み合わせて、使用し得る。
【図面の簡単な説明】
本発明の上述の局面およびそれに付随する多くの利点は、添付と図面と関連させると、以下の発明の詳細な説明を参照することにより容易に認識でき、同様に理解できる。
添付の図面にて、
図1は、本発明の化合物の別の合成経路の概略図である;
図2は、本発明の化合物のさらに他の合成経路の概略図である;
図3は、本発明の化合物の別の合成経路の概略図である;そして
図4および5は、本発明の化合物の別の合成経路の概略図である。
好適な実施態様の詳細な説明
本発明に従って、インビトロまたはインビボのいずれかにおいて、病原性ミコバクテリアの抑制方法が提供される。それゆえ、1局面では、本発明は、インビトロでの病原性微生物(例えば、Mycobacterium sp.、Clostridium、Crytosporidiumおよび/またはHelicobacter)の成長を阻害する方法を提供し、この方法は、微生物と、式(II)のジニトロイミダゾール化合物およびそれらの薬学的に受容可能なその塩の成長阻害量とを接触させる工程を包含する:
Figure 0004621819
ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルである;
Xは、酸素、イオウまたはNR2であり、ここで、R2は、水素、低級アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環アルキル、COR3、SO2R4またはCONR4R5であり、ここで、R3、R4およびR5は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルキルヘテロ環、アルコキシヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環、アルキルアリールアリール、アリールアルキルアリール、−NR4COR5、−OCONR4R5、−NR4CONR4R5、−OCO2R5、−NR4SO2R5、−NR4SO2NR4R5、−NR4C=NR4NR5およびNR4R5から選択され、ここで、R4およびR5は、結合して、酸素、窒素またはイオウから選択した1個〜3個のヘテロ原子を含有する三員環〜七員環を形成し得る。この環は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、(C=O)、(SO2)、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシまたはハロゲンから選択した置換基で置換し得る。
nは、1、2または3である;
YおよびZは、独立して、酸素、CH2、CO、CR4R5またはNR4から選択され、ここで、R4およびR5は、上で定義のものと同じである;
但し、nが2または3のとき、本発明の化合物は、さらに、それぞれ、以下の式(IIa)および(IIb)で示すように、置換し得る:
Figure 0004621819
ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択される。
他の局面では、本発明は、病原性微生物感染(例えば、結核;感受性株起源であろうと多薬剤耐性株(MDRTB)起源であろうと)に罹ったヒトまたは動物の検体を治療する方法を提供する。それゆえ、本発明は、このような治療が必要なヒトまたは動物の検体を治療する方法を提供し、その方法は、その検体に、治療上効果的な量の上記式(II)のニトロイミダゾール化合物を、単独でまたは他の抗菌剤または抗真菌剤と組み合わせて、投与することを包含する。
他の局面では、本発明は、式(II)の新規な抗菌性ニトロイミダゾール化合物および薬学的に受容可能なその塩を提供する:
Figure 0004621819
ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルである;
Xは、酸素、イオウまたはNR2であり、ここで、R2は、水素、低級アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環アルキル、COR3、SO2R4またはCONR4R5であり、ここで、R3、R4およびR5は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルキルヘテロ環、アルコキシヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環、アルキルアリールアリール、アリールアルキルアリール、−NR4COR5、−OCONR4R5、−NR4CONR4R5、−OCO2R5、−NR4SO2R5、−NR4SO2NR4R5、−NR4C=NR4NR5および−NR4R5から選択され、ここで、R4およびR5は、結合して、酸素、窒素またはイオウから選択した1個〜3個のヘテロ原子を含有する三員環〜七員環を形成し得る。この環は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、(C=O)、(SO2)、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシまたはハロゲンから選択した置換基で置換し得る。
nは、1、2または3である;
YおよびZは、独立して、酸素、CH2、CO、CR4R5またはNR4から選択され、ここで、R4およびR5は、上で定義のものと同じである;
但し、nが2または3のとき、本発明の化合物は、さらに、それぞれ、以下の式(IIa)および(IIb)で示すように、置換し得る:
Figure 0004621819
ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択される。
上でおよび本明細書の他の箇所で使用する以下の用語は、以下で定義する意味を有する。
「病原性微生物」との用語は、ヒトまたは動物の宿主には通常存在しない微生物であって、この宿主に疾患状態を引き起こし得るものを意味する。病原性微生物の代表例には、例えば、Mycobacteria tuberculosis、Mycobacteria leprae、Mycobacteria avium複合体など(多薬剤耐性M.tuberculosis株を含めて)、Clostridium difficile、Cryptosporidium parvumおよびHelicobacter pyloriが包含される。
「アミノアシル」との用語は、アミノ基が付加したアシル(CO−)基を意味する。
本明細書中で使用する「低級アルキル」との用語は、1個〜10個の炭素原子を含有する分枝または直鎖アルキル基であって、例えば、1個またはそれ以上のハロゲン基で置換したまたは置換していないものを意味し、これには、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが含まれる。
本明細書中で使用する「アルコキシ」との用語は、RO−(ここで、Rは、上で定義した低級アルキルである)を意味する。低級アルコキシ基の代表例には、メトキシ、エトキシ、t-ブトキシ、トリフルオロメトキシなどが包含される。
本明細書中で使用する「アリール」との用語は、フェニルまたはC9またはC10二環式炭素環式環系(これは、1個またはそれ以上の芳香環を有する)を意味し、これには、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが含まれる。アリール基は、独立して、低級アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルコキシおよびハロから選択した1個、2個、3個、4個または5個の置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。
本明細書中で使用する「アリールアルキル」との用語は、アリール基が付加した低級アルキル基を意味する。代表的なアリールアルキル基には、ベンジル、フェニルエチル、ヒドロキシベンジル、フルオロベンジル、フルオロフェニルエチルなどが挙げられる。
本明細書中で使用する「アリールアルキルアリール」との用語は、先に定義したアリールアルキル基が付加したアリール基を意味する。代表的なアリールアルキルアリール基には、4-ベンジルフェニル、3-ベンジルフェニル、4-フェネチルフェニルなどが挙げられる。
本明細書中で使用する「アリールアリール」との用語は、先に定義のアリール基であって、アリール基が付加したものを意味する。代表的なアリールアリール基には、ビフェニル、4-(1-ナフチル)フェニル、4-(2-ナフチル)フェニルなどが挙げられる。
本明細書中で使用する「アリールオキシ」との用語は、RO−(ここで、Rは、アリール基である)を意味する。代表的なアリールオキシ基には、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどが挙げられる。
本明細書中で使用する「アリールアルコキシ」との用語は、アリール基が付加した低級アルコキシ基を意味する。代表的なアリールアルコキシ基には、ベンジルオキシ、フェニルエトキシなどが挙げられる。
本明細書中で使用する「シクロアルキル」との用語は、3個〜7個の炭素原子を含有する脂環族基を意味し、これには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用する「シクロアルキルアルキル」との用語は、シクロアルキル基が付加した低級アルキル基を意味する。シクロアルキルアルキルの代表例には、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、2-(シクロプロピル)エチルなどが包含される。
本明細書中で使用する「ハロゲン」または「ハロ」との用語は、ヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを意味する。
本明細書中で使用する「ハロアルキル」との用語は、上で定義した低級アルキル基であって、少なくとも1個のハロゲン置換基(例えば、クロロメチル、フルオロエチルまたはトリフルオロメチルなど)を有するものを意味する。
本明細書中で使用する「ヘテロ環基」または「ヘテロ環」との用語は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択した1個〜3個のヘテロ原子を含有する五員環または六員環を意味し、ここで、この五員環は、0個〜2個の二重結合を有し、そしてこの六員環は、0個〜3個の二重結合を有する。ここで、この窒素原子およびイオウ原子は、必要に応じて酸化されていてもよい。ここで、この窒素ヘテロ原子およびイオウヘテロ原子は、必要に応じて、四級化されていてもよい。これには、上記ヘテロ環のいずれかがベンゼン環または上で独立して定義した他の五員環または六員環のヘテロ環と縮合した任意の二環式基を含む。窒素がヘテロ原子であるヘテロ環は、好ましい。完全に飽和のヘテロ環もまた、好ましい。好ましいヘテロ環には、以下が挙げられる:ジアザピニル、ピリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾイル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、N-メチルピペラジニル、アゼチジニル、N-メチルアゼチジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリル、イソアゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、フリル、チエニル、トリアゾリルおよびベンゾチエニル。
ヘテロ環は、ヒドロキシ、ハロ、オキソ(C=O)、アルキルイミノ(RN=、ここで、Rは、低級アルキル基である)、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ポリアルコキシ、低級アルキル、シクロアルキルまたはハロアルキルから選択される置換基で、一置換または二置換されていても置換されていなくてもよい。最も好ましいヘテロ環には、イミダゾリル、ピリジル、ピペラジニル、アゼチジニル、チアゾリル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリルおよび以下が挙げられる:
Figure 0004621819
本発明の化合物は、非対称置換炭素原子を含有する。このような非対称置換炭素原子により、特定の非対称置換炭素原子の複数の立体異性体の混合物または単一の立体異性体を含有する本発明の化合物を得ることができる。結果として、本発明の化合物のラセミ混合物、ジアステレオマーの混合物および単一ジアステレオマーは、本発明に包含される。本明細書中で使用する「S」および「R」立体配置との用語は、IUPAC 1974 RECOMMENDATIONS FOR SECTION E,FUNDAMENTAL STEREOCHEMISTRY、Pure Appl.Chem.45:13-30(1976)により、定義されている。αおよびβとの用語は、環状化合物の環の位置に対して、使用される。参照平面のα側とは、好ましい置換基が少ない数の位置に存在する側である。参照平面の反対側にある置換基は、βの名称を賦与される。この使用は、環状ステレオペアレントについてのものとは異なり、そこで「α」とは、「その平面の下部」を意味し、絶対的な立体配置を示すことに注目すべきである。本明細書中で使用するαおよびβ立体配置という用語は、CHEMICAL ABSTRACTS INDEX GUIDE APPENDIX IV(1987)、203章により定義されている。
本発明の好ましい化合物は、式(III)に従った骨格構造(ここで、Xは、酸素である)を有する式(III)の化合物を包含し、その結果、以下の実施態様(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)が得られる(ここで、nは、それぞれ、1、2または3である):
Figure 0004621819
ここで、R1、Y、Zおよびnは、上で定義のものと同じである
Figure 0004621819
ここで、R6、R7、R8およびR9は、上で定義のものと同じである。
現在、本発明のさらに好ましい化合物には、式(IV)の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる:
Figure 0004621819
ここで、R1、R4、nおよびYは、上で定義のものと同じである。
現在、本発明のさらにより好ましい化合物には、式(IVa)の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる:
Figure 0004621819
ここで、R1、R4およびYは、上で定義のものと同じである。
現在、本発明の最も好ましい化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩は、式(IVb)の化合物が挙げられる:
Figure 0004621819
ここで、R1およびR4は、上で定義のものと同じである。この群の代表的な化合物には、例えば、3S 3-ヒドロキシ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1b]イミダゾピランの4-トリフルオロメトキシベンジルカルバメート(PA No.1343、実施例32)、3S 3-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1b]イミダゾピランの4-(トリフルオロメチル)フェニルカルバメート(PA No.1327、実施例35)、3S 4-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1b]イミダゾピラン(PA No.636、実施例37)、3S 4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1b]イミダゾピラン(PA No.624、実施例41)、3S 3-ヒドロキシ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1b]イミダゾピランの4-ブロモベンジルカルバメート(PA No.1324、実施例47)、および3S 3-アミノ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1b]イミダゾピランの4-クロロフェニル尿素(PA No.1282、実施例48)、およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明はまた、以下で詳細に記述するように、本発明の化合物を調整する方法、およびこのように方法で有用な合成中間体に関する。
本発明のさらに他の局面では、薬学的に受容可能な担体と組み合わせて本発明の化合物を含有する製薬組成物が提供される。一般に、本発明の化合物は、スキームI(図1および2)、II(図3)、III(図4)およびIV(図5)に例示の工程により、調製し得る。反応スキームIに従って、官能化ニトロイミダゾール化合物4、7、10、13、16、18および20は、3つの方法により調製される。第一の方法は、Agrawalらの変性法(J.Med.Chem.24:601-604(1981))を用いた、エポキシド2および11による、2,4-ジニトロイミダゾール(1b、R1=H、Ind.J.of Chem.21B:1022-1026(1982))または2-クロロ-4-ニトロイミダゾール(1a)のアルキル化を包含し、ここで、化合物1aまたは1bおよびエポキシド2または11は、純粋溶液として、70℃まで暖められ、そして70℃で数時間保持される。この反応混合物をジエチルエーテルおよび重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄することにより、粗固形物として、ヒドロキシジニトロイミダゾールまたはクロロニトロイミダゾール生成物3(Z=CR2OH)および12(X=OH)が単離される。この粗ヒドロキシイミダゾール3(Z1=CR2OH)は、エーテル誘導体として保護されており、この誘導体は、2-テトラヒドロピラニル(THP)、トリメチルシリル(TMS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、アセチル(Ac)、ベンジル(Bn)および2,4-ジメトキシベンジルから選択されるが、これらに限定されない。第二の方法は、2-クロロ-4-ニトロイミダゾール1aまたは2,4-ジニトロイミダゾール1bをアルキルハライド5または14またはアルコール5(W=OH)でアルキル化して、置換ジニトロイミダゾール化合物またはクロロニトロイミダゾール化合物6、15、17または19を生成することを包含する。1-アルキル-2,4-ジニトロイミダソール化合物の調製に使用する第三の方法は、1と電子欠乏オレフィン(例えば、8(Z=CCN、CCO2Et、CSO2R))との反応により、イミダゾール9を得ることを包含する。化合物3、6および9からのR3保護基の除去により、アルコール(X=OH)、アミンまたはアミド(X=NR)またはメルカプタン(X=SH)が得られる。Xがメチレンまたはメチンのとき、このR3基は、おそらく存在する。この二環式ニトロイミダゾール化合物4、7、10、13、16、18および20は、不活性の無水有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)またはジメトキシエタン(DME))中にて、3、6、9、12、15、17および19(X=OH、NHR、SH、CHR、X=OCONHR、Y=COまたはCR1R2)と塩基(例えば、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、フッ化セシウム、フッ化テトラブチルアンモニアム(TBAF)など)との反応により、得られる。
二環式ニトロイミダゾール誘導体の調製は、図3に示す。THF水溶液中にて、室温から還流温度までで数時間にわたり、4(例えば、R=THP)を酢酸で脱保護して、アルコール4(R3=H)を得、これは、種々のアシル化試薬およびアルキル化試薬と反応して、類似物21a、21bおよび24を生成し得る。例えば、カルバメート化合物21は、不活性の無水溶媒中にて、4(R3=H)とカルボニルジイミダゾール(CDI)および塩基(例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドなど)とを反応させることにより、調製される。得られたアシルイミダゾール中間体4(R3=C=Oイミダゾール)は、第一級または第二級アミンと反応されて、このカヘバメートが得られる。他方、このカルバメート21aは、塩化銅またはヨウ化銅触媒を用いて、4(R3=H)およびイソシアネートから調製し得る。このエーテル類似物24は、−20℃〜70℃の温度で、非プロトン性無水溶媒中で、強塩基(例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミン)を用いて、アルコール4(R3=H)と種々のアルキル化剤(これは、ヨウ化メチル、ヨウ化オクチル、臭化ベンジル、塩化4-ベンジルオキシベンジル、臭化4-ブチルベンジルなどから選択されるが、これらに限定されない)とを反応させることにより、調製される。このアミノおよびアミド誘導体23および25または26の合成は、それぞれ、中間体であるカルボン酸22およびアルコール4を介して、進行する。塩基(例えば、エタノール中のナトリウムエトキシド)の存在下での、1と、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルのTBDMSエーテル(8、R=H、Org.Synthesis.66:220(1987))との反応、およびTHF中でのテトラブチルアンモニウムを用いたこのシリルエーテルの脱保護により、エチルエステル10(Z=CHCO2Et、X=O、Y=CH2、図1)。このエステルは、水、エタノール水溶液、THF、ジオキサンなどにて、アルカリ金属(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム)で加水分解される。得られたカルボン酸22は、トルエン中にて、70〜150℃で、トリエチルアミンおよびジフェニルホスホリルアジドと反応されて、イソシアネート中間体が得られる。アルコールまたはアミンとこのイソシアネートとの反応により、それぞれ、カルバメート26a(R5=H、R7=R8O)または尿素26b(R5=H、R7=R8R9N)が得られる。このイソシアネート中間体が、t-ブタノールと反応されるとき、その生成物であるカルバメート26a(R5=H、R7=t-BuO)が単離される。このt-ブチルカルバメートの求電子試薬(例えば、アルキルハライドまたはアルキルアリールなど)によるアルキル化、およびこのBoc(t-ブチルカルバメート)基のトリフルオロ酢酸または塩酸による脱保護により、第二級アミン(R5=H、R6=アルキル、アルキルアリール)が得られる。他方、このBocカルバメート26a(R5=H、R7=t-Boc)は、トリフルオロ酢酸または塩酸と反応されて、第一級アミン23(R5=R6=H)が得られ、これは、還元的にアルキル化されて(RCHO、ナトリウムシアノボロハライド)、第二級アミン23(R5=H、R6=RCH2)が得られる。この第二級アミンの求電子試薬(例えば、アルキルハライドまたはアルキルアリールなど)による第二アルキル化により、第三級アミン23(R5=R6=アルキル、アルキルアリール)が得られる。この第一級または第二級アミン23(R5=R6=HまたはR5=H、R6=アルキル、アルキルアリール)が受ける追加の反応には、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネートおよびイソチオシアネートによるアシル化が挙げられ、誘導体26(R5=Hまたはアルキル、アルキルアリール、R6=アルキル、アルキルアリール、ヘテロ環)、23(R5=Hまたはアルキル、アルキルアリール、R6=SO2アルキル、SO2アルキルアリール、SO2アリール、SO2ヘテロ環)、26(R5=Hまたはアルキル、アルキルアリール、R6=NHアルキル、NHアルキルアリール、NHヘテロ環)、および23(R5=Hまたはアルキル、アルキルアリール、R6=アルキルNHC=S、アルキルアリールNHC=S、ヘテロ環NHC=S)が得られる。カルボキサミド誘導体25の合成は、酸22および第一級または第二級アミンとペプチドカップリング剤(例えば、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)/ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または2-[1H-ベンゾトリアゾール-1-イル]-1,13,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU))などとの反応により、達成される。このペプチドカップリング反応は、塩基(例えば、N-メチルモルホリンなど)を用いて、極性非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドおよびN-メチルピロリドン(NMP))中で行ってもよい。アミン23(R5=R6=H)の別の合成は、ピリジン中でのアルコール4(R3=H)とp-トルエンスルホニルクロライドとの反応を包含する。中間体スルホネート4(R3=pCH3C6H4SO2)をナトリウムアジドと反応させる。得られたアジドは、1,3-プロパンジオールおよびトリエチルアミンで還元されて、アミン23が得られる。
図4および5を参照すると、本発明の特定の化合物は、概説した方法に従って、調製される。70℃で純粋溶液として、2-クロロ-4-ニトロイミダゾール1aまたは2,4-ジニトロイミダゾール1b(1当量)とR-またはS-グリシドールTBDMSエーテル(2当量)(実施例1)との反応により、ヒドロキシイミダゾール27aまたはbが得られた。そのテトラヒドロプラニル(DHP、p-TsOH)としてのアルコール27aの保護およびこのTBDMS基のテトラブチルアンモニウムフルオライドによる脱シリル化により、二環式ニトロイミダゾールTHPエーテル28を得た。THP基の脱保護は、THF水溶液中にて、酢酸を用いて行い、得られたアルコールは、室温で、DMF中にて、臭化オクチルおよび水素化ナトリウムでアルキル化した。このオクチルエーテル31aは、白色の結晶性固形物として、得た([α]25D=28.1°)。このエナンチオマーエーテル系の合成もまた、達成され、エント31aが得られた([α]25D=+27.45°)。他方、アルコール27bは、ピリジン中のp-トルエンスルホニルクロライドでトシル化して、トシレート30を得た。このTBDMSエーテル30のTBAFによる処理により、付随する環化を伴って、そのシリル基が開裂し、この環状トシレート31bが得られた。31bとナトリウムアジドとの反応および還元(1,3-プロパンジオール、トリエチルアミン)により、良好な収率で、このアミン31dが得られた。この窒素含有二環式ニトロイミダゾール類似物37の合成は、類似の手法を用いて、達成した。それゆえ、1とBocエポキシドとの反応により、29を得た。このTBDMSエーテル(TBDMSCl、イミダゾール、DMF)としてのアルコール29の保護、およびDMF中での得られたBocアミノエーテルの水素化ナトリウムによる環化により、イミダゾール32が得られた。このBoc保護基およびTBDMS保護基の両方は、化合物32をHClで処理することにより、除去した。このアミノアルコールは、選択的にアルキル化して(水素化ナトリウム、ヨウ化メチル、DMF)、そのN-メチル誘導体34(R=CH3)を得、これを、第二段階でアルキル化して(水素化ナトリウム、4-ベンジルオキシベンジルクロリド、DMF、0℃〜室温)、そのアザニトロイミダゾール化合物35を得た。図5は、環化ラクタム37、アザ誘導体40、環状カルバメート41およびピラン44誘導体の調製を例示する。3-ブロモプロピオンアミドおよび4-ブロモブトラミドを、DMF中にて、1bのナトリウム塩と反応させて、環状アミド36を得た。この環状アミド37aおよび37bは、DMF中にて、36aおよび36bを水素化ナトリウムで処理することにより、得た。37aのカルボニル基の還元は、THF中にて、還元温度で、ボランを用いて行い、良好な収率で、このアザ誘導体40を得た。この環状カルバメート41は、CuIの存在下にて、アルコール38とオクチルイソシアネートとを反応させることによりカルバメート39を得、これを、塩基性条件下にて(水素化ナトリウム、DMF)、環化することにより、調製した。最後に、1bのTBDMSエーテルによるアルキル化に続いて脱保護環化によるか、またはTHF中でリチウムテトラフルオロボレートの存在下にてオキセタンを1bで開環し、続いて、アルコール43の塩基(水素化ナトリウム、DMF)誘導環化によるか、いずれかにより、調製した。
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から誘導した塩の形状で、使用し得る。これらの塩には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、シュウノン酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロ硫酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオネート、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩。また、この塩基性窒素含有基は、例えば、以下のハロゲン化低級アルキルのような試薬で、四級化し得る:塩化−、臭化−およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミルのような硫酸ジアルキル;長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化−、臭化−およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル);臭化ベンジルおよび臭化フェネチルのようなハロゲン化アラルキルなど。それにより、水溶性または油溶性または水分散性または油分散性の生成物が得られる。
薬学的に受容可能な酸付加塩を形成するのに使用し得る酸の例には、塩酸、硫酸およびリン酸のような無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸のような有機酸が挙げられる。塩基性付加塩は、式(I)の化合物の最終的な単離および精製中に、インサイチュで調製し得るか、またはカルボン酸部分を、金属カチオンの薬学的に受容可能な塩基(例えば、水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩)あるいはアンモニア、または有機第一級、第二級または第三級アミンと反応させることにより、別々に調製し得る。薬学的に受容可能な塩には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属に基づくカチオン(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩など)、ならびに非毒性アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオン(これには、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが含まれるが、それらに限定されない)が挙げられるが、それらに限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンには、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。
本発明の化合物は、インビトロで、病原性微生物の成長を阻害する際に有用であり、そしてヒトおよび動物の宿主のインビボで、結核を含めた病原性微生物感染を治療するのに有用である。これらの化合物は、単独で、または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、使用し得る。
単一用量または分割した用量で、宿主に投与される全1日用量は、1日あたり、例えば、0.001〜1000mg/体重1kg、より好ましくは、1日あたり、1.0〜30mg/体重1kgの量であり得る。用量単位の組成物は、この1日用量を構成するために、それらの約量を含有し得る。
このキャリア物質と組み合わせて単一用量形態を製造し得る活性成分の量は、治療する宿主および特定の投与様式に依存して、変わる。
しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、種々の要因に依存し、これには、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与期間、投与経路、排出速度、薬剤の組合せ、および治療を受ける特定の疾患の重篤度が含まれることが理解される。
本発明の化合物は、通常の非毒性で薬学的に受容可能な所望のキャリア、アジュバントおよびビヒクルを含有する用量単位の処方で、経口的、非経口的、舌下的、吸入薬噴霧、直腸的、または局所的に投与し得る。局所投与はまた、経皮的投与(例えば、経皮的パッチまたはイオン泳動装置)の使用を包含し得る。本明細書中で使用する非経口的との用語は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、または輸液法が挙げられる。
注射可能な製剤(例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液)は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知の技術に従って、処方し得る。この無菌の注射可能な製剤はまた、例えば、1,3-プロパンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。使用し得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒または懸濁媒体として、無菌の不揮発性油が従来的に使用されている。この目的には、任意のブランドの不揮発性油が使用でき、これには、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドが含まれる。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、この注射可能な製剤における使用が見出されている。
この薬剤の直腸投与のための坐剤は、この薬剤と、適切な非刺激性の賦形剤(例えば、ココアバターおよびポリエチレングリコール;これらは、室温で固体であるが、直腸温では、液体であり、従って、直腸内で溶解し、この薬剤を放出する)と混合することにより、調製し得る。
経口投与用の固体投薬形態には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤および顆粒が挙げられる。このような固体投薬形態では、この活性化合物は、少なくとも1種の不活性希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプン)と混合し得る。このような投薬形態はまた、通常の診療と同様に、不活性希釈剤以外の別の物質、例えば、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含有し得る。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、この投薬形態はまた、緩衝剤を含有する。錠剤および丸薬は、さらに、腸コーティング(enteric coating)を用いて、調製し得る。
経口投与用の液体形態には、薬学的に受容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が挙げられ、これらは、当該技術分野で通常用いられる不活性希釈剤(例えば、水)を含有する。このような組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、シクロデキストリン、および甘味料、香料および芳香剤)を含有し得る。
本発明の化合物はまた、リポソームの形状で投与し得る。当該技術分野で公知のように、リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体に分散した単一ラメラまたは多重ラメラ水和液晶により、形成される。リポソームを形成し得る任意の非毒性で生理学的に受容可能であり、かつ代謝可能な脂質も、使用し得る。リポソーム形態での本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、防腐剤、賦形剤などを含有し得る。好ましい脂質には、天然または合成の両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)がある。リポソームを形成する方法は、当該技術分野で公知である。例えば、Prescott著、Methods in Cell Biology、XIV巻、Academic Press、New York、N.W.、p.33以下(1976)を参照せよ。
本発明の化合物は、単独の活性薬剤として投与し得るものの、それらはまた、病原性微生物感染の治療に使用される1種またはそれ以上の他の試薬と組み合わせて、使用し得る。M.tuberculosisの治療用に本発明の化合物と組み合わせて有用な代表的な試薬には、例えば、イソニアジド、リファムピン、ピラジンアミド、エタムブトール、リファブチン、ストレプトマイシン、シプロフロキサシンなどが挙げられる。Clostridiumの治療用に本発明の化合物と組み合わせて有用な代表的な試薬には、例えば、バンコマイシン、メトロニダゾール、バシトラシンなどが挙げられる。Cryptosporidiumの治療用に本発明の化合物と組み合わせて有用な代表的な試薬には、例えば、フロエート、フラゾリドン、キニン、スピラマイシン、α−ジフルオロメチル−オルニチン、インターロイキン-2などが挙げられる。Helicobacterの治療用に本発明の化合物と組み合わせて有用な代表的な試薬には、例えば、アジスロマイシン、アモキシシリン、クラリスロマイシンなどが挙げられる。
本発明のニトロイミダゾール化合物と組み合わせて使用されるべき上記化合物は、PHYSICIAN’S DESK REFERENCE(PDR)、47版(1993)(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)に示した治療量、または当業者に公知の治療的に有用な量で、使用される。
本発明の化合物および他の抗感染剤は、推奨される最大臨床用量またはそれより低い用量で、投与し得る。本発明の組成物中の活性化合物の投薬量レベルは、所望の治療応答を得るために、投与経路、疾患の重篤度および患者の応答に依存して、変わり得る。この組み合わせは、別個の組成物として、または両方の試薬を含有する単一投薬形態として、投与し得る。組み合わせとして投与するとき、この治療薬剤は、同時にまたは異なる時間に投与される別個の組成物として処方でき、あるいは治療試薬は、単一組成物として、投与し得る。
上述の記載は、以下の実施例を参照すると、さらによく理解でき、これらの実施例は、例示のために提供しており、本発明の概念の範囲を限定する意図はない。
実施例1
(3S) 1-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルジメチルシリルオキシ)-プロピル-2,4-ジニトロイミダゾール
Figure 0004621819
(S)-グリシドール-tert-ブチルジメチルシリルエーテル(Liu,Hら、J.Org.Chem.、57:2471(1992))1.93g(10.5mmol)および2,4-ジニトロイミダゾール1.1g(7.0mmol)のEtOH(0.5mL)中の混合物を、70℃で18時間加熱した。この混合物を冷却し、そしてシリカゲルカラムに直接添加した。この生成物を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1:4)を使用して精製して、黄色のオイルとして、(3S)1-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルジメチルシリルオキシ)-プロピル-2,4-ジニトロイミダゾール1.28g(53%)を得た。
Figure 0004621819
実施例2
3S テトラヒドロピラニルオキシ-7-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例1で調製した化合物(1.24g、3.6mmol)、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(0.61g、7.16mmol)およびピリジニウムp-トルエンスルホネート1.35g(5.37mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を、室温で20時間撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCO3および水で洗浄した。この有機層を乾燥し(MgSO4)、その溶媒を蒸発させた。この残留物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(10:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、79%収率で、中間体THP保護エーテル1.21gを得た。
このTHPエーテル1.21g(2.81mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオライド(THF中の1.0M溶液)8.4mL(8.4mmol)を滴下した。この反応混合物を1時間撹拌し、その後、この溶媒を蒸発させた。この残留物を、CHCl3で希釈し、そして飽和NaHCO3および水で洗浄した。この有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、この溶媒を蒸発させた。この粗混合物を、溶離液としてEtOAc:MeOH(97:3)を使用したカラムクロマトグラフィーにかけて、表題化合物0.55g(73%)を得た。
Figure 0004621819
実施例3
3S ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例2で調製したTHPエーテル4.06g(15mmol)、水(16mL)および酢酸(64mL)のTHF(32mL)溶液を、45℃で18時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、その残留物を沸騰MeOHから再結晶して、表題化合物2.18g(79%)を得た。
Figure 0004621819
実施例4
3S n-オクチルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランアルキルハライドによるアルコール4(R 3 =H)のアルキル化の一般方法
Figure 0004621819
実施例3で調製したアルコール(1.03g、5.55mmol)の0℃まで冷却したDMF(7mL)溶液に、NaH(オイル中60%)0.26g(6.66mmol)を添加した。0.5時間後、1-ヨードオクタン1.03mL(5.68mmol)を添加し、この反応混合物を、室温で20時間撹拌した。反応を水で停止させ、EtOAcで抽出した。この有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、この溶媒を蒸発させた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)にかけて、表題化合物0.49g(30%)を得た。
Figure 0004621819
C14H23N3O4に対する分析計算値:C、56.55;H、7.80;N、14.13。実測値:C、56.66;H、7.97;N、14.00。
実施例5
(3R)1-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルジメチルシリルオキシ)-プロピル-2,4-ジニトロイミダゾール
Figure 0004621819
実施例1に記述の手順を用い、(S)-グリシドール t-ブチルジメチルシリルエーテルを(R)-グリシドール-t-ブチルジメチルシリルエーテルで置換して、(3R)1-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルジメチルシリルオキシ)プロピル-2,4-ジニトロイミダゾールを得た。
Figure 0004621819
実施例6
3R テトラヒドロピラニルオキシ-7-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例2で概説した手順を使用して表題化合物を調製するが、実施例1で調製したアルコールを実施例5で調製したアルコールで置き換えて、この環状THPエーテルを得た。
Figure 0004621819
実施例7
3R ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例3で概説した手順を使用し、実施例2で調製したTHPエーテルを実施例6に由来のTHPエーテルで置き換えて、3R ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランを調製した。融点208℃(分解)
Figure 0004621819
実施例8
3R n-オクチルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例4で概説した一般的なアルキル化手順および実施例8に由来の生成物を使用して、3R n-オクチルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランを調製した。
Figure 0004621819
C14H23N3O4に対する分析計算値:C、56.55;H、7.80;N、14.13。実測値:C、56.37;H、7.86;N、13.97。
実施例9
1-(2’-ヒドロキシ-3’-N-tert-ブチルオキシカルボニル)プロピル-2,4-ジニトロイミダゾール
Figure 0004621819
N-(tert-ブチルオキシカルボニル)アリルアミンエポキシド
室温でN2下にて、新たに蒸留したテトラヒドロフラン(THF)130mLおよびジ-tert-ブチルジカーボネート28.4g(0.13mol)の溶液に、アリルアミン5.72g(0.1mol)の溶液を滴下した。3時間後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、透明なオイルとして、このBocアミンを得た。
Figure 0004621819
このデータは所望生成物が合成されたことを示す。
ジクロロメタン700mL中の粗N-(tert-ブチルオキシカルボニル)アリルアミンに、無水リン酸ナトリウム二塩基63g(0.44mol)およびm-クロロ過安息香酸84g(0.489mol)を添加した。この反応系を、24時間にわたって機械的に撹拌し、そして飽和重炭酸ナトリウムおよび飽和チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)で反応停止し、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下にて濃縮した。CH3OH:CHCl3(1:4)で溶出するシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、60%の収率(10.3g)で、N-(tert-ブチルオキシカルボニル)アリルアミンエポキシドを得た。
Figure 0004621819
1-(2’-ヒドロキシ-3’-N-tert-ブチルオキシカルボニル)-プロピル-2,4-ジニトロイミダゾール
2,4-ジニトロイミダゾール(158mg、1mmol)およびN-(tert-ブチルオキシカルボニル)アリルアミンエポキシド(885mg、5mmol)の混合物を、室温でN2下にて、19時間撹拌した。アセトン:ヘキサン(1:2)を使用したシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、41%の収率で、表題化合物を得た。
Figure 0004621819
実施例10
N-(tert-ブチルカルボニルオキシ)3S-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,2−a]イミダゾピリミジン
Figure 0004621819
1-(2’-ヒドロキシ-3’-N-tert-ブチルオキシカルボニル)-プロピル 2,4-ジニトロイミダゾールTBDMSエーテル
乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)30mL中の実施例9で調製したイミダゾール化合物(1.32g、34.3mmol)および実施例9で調製した化合物1.82g(5.5mmol)の混合物に、tert-ブチルジメチルシリルクロライド2.20g(14.6mmol)の乾燥DMF(20mL)溶液を添加した。48時間後、等容量のエーテルを添加し、この混合物を、0.5M HClで3回、飽和重炭酸ナトリウムで2回およびブラインで1回洗浄した。この有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下にて濃縮した。アセトン:ヘキサン(1:4)を使用したシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、93%の収率で、表題化合物を得た。
Figure 0004621819
N-tert-ブチルカルボニルオキシ 3S-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[2,1−b]イミダゾピリミジン
実施例10で調製したTBDMSエーテル5.11g(11.5mmol)の乾燥DMF(100mL)(0℃に冷却した)溶液に、水素化ナトリウム1.0g(25mmol、60%)を少しずつ添加した。一旦、添加が完了すると、0℃でさらに15分間保ち、その後、この反応混合物を室温までゆっくりと暖めた。4時間後、この反応を水で停止し、この混合物をエーテル:トルエン(1:1)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。この粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン、1:4)で精製すると、51%の収率で、表題化合物が得られた。
Figure 0004621819
実施例11
3R-ヒドロキシ-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,2−a]イミダゾピリミジン
Figure 0004621819
実施例10で調製したTBDMSエーテル(21.2mg、49mmol)のTHF(5ml)溶液に、2N HCl(1ml)を添加した。室温で18時間撹拌した後、この反応混合物を乾燥状態まで濃縮し、CHCl3に溶解し、そしてシリカゲルカラム(CH3OH:CH2Cl2、1:4)上で精製して、黄色の固形物として、3R-ヒドロキシ-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[2,1−b]イミダゾピリミジン9.2mg(収率85.0%)を得た。
Figure 0004621819
実施例12
3R-ヒドロキシ-1-メチル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,2−a]イミダゾピリミジン
Figure 0004621819
実施例11で調製したアミノアルコールのDMF溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム1当量を添加する。この反応混合物を10分間撹拌し、ヨウ化メチル2当量を添加し、この反応混合物を室温まで暖め、そしてさらに1時間撹拌する。水を添加し、クロロホルム抽出により、3R-ヒドロキシ-1-メチル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[2,1−b]イミダゾピリミジンを得る。
実施例13
3R-4-ベンジルオキシベンジルオキシ-1-メチル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,2−a]イミダゾピリミジン
Figure 0004621819
実施例4に記述の一般アルキル化方法に従い、実施例3で調製したアルコールを実施例12で調製したアルコールで置き換え、ヨウ化n-オクチルを塩化4-ベンジルオキシベンジルで置き換えて、3R-4-ベンジルオキシベンジルオキシ-1-メチル-6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-[2,1−b]イミダゾピリミジンを得る。
実施例14
オクチル 4-(2,4-ジニトロイミダゾ-1-イル)ブトラミド
Figure 0004621819
2,4-ジニトロイミダゾール682mg(4.3mmol)の無水DMF(4mL)溶液に、50〜60%水素化ナトリウム(173mg、4.3mmol)を添加した。この混合物を室温で10分間撹拌し、無水DMF(2ml)中のN-オクチル-4-ブロモブチラミド1g(3.6mmol)を添加した。この反応混合物の温度を90℃まで上げ、この混合物を18時間撹拌した。この反応混合物を、冷0.005N HCl(100mL)で反応停止し、そして酢酸エチルで抽出した。この有機層を、重炭酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、そして無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶媒を除去し、その残留物をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:3)で精製して、オクチル 4-(2,4-ジニトロイミダゾ-1-イル)ブトラミド1.04gを収率81%で得た。
Figure 0004621819
実施例15
ニトロイミダゾールオクチルラクタム
Figure 0004621819
水素化ナトリウム148mg(3.66mmol)を無水DMF(30mL)に懸濁し、無水DMF(10mL)中の実施例14で調製したアミド650mg(1.83mmol)を滴下した。この暗青色の溶液を室温で一晩撹拌し、0.005N HCl(100mL)を添加した。この生成物を、酢酸エチル抽出で単離した。この有機抽出物を、重炭酸ナトリウム、水で洗浄し、そして乾燥した(MgSO4)。この溶媒を除去した後、その残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、2:3)により精製した。環状アミドが収率36%(204mg)で得られた。酢酸エチル/ヘキサンから試料を再結晶して、淡黄色の針状物として、このアミドを得た。
Figure 0004621819
実施例16
ニトロイミダゾールオクチルアザピン
Figure 0004621819
1.0Mボラン0.2mL(0.2mmol)の氷水浴で冷却したTHF(5mL)溶液に、実施例15で調製したアミド31mg(0.1mmol)を添加した。この混合物を、還流温度で1.5時間加熱し、そして室温まで冷却した。水中の濃HClの滴下により、過剰のボランおよびボラン錯体の分解を行った。このHCl水溶液を洗浄して中性化合物を除去した後、この水層を重炭酸ナトリウムで処理し、そして酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を濃縮した。この生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、4:1)により精製して、33%で還元アミド10mgを得た。
Figure 0004621819
実施例17
1-(2-ヒドロキシブチル)-2,4-ジニトロイミダゾールのN-オクチルカルバメート
Figure 0004621819
無水DMF(10mL)中の1-(2’-ヒドロキシブチル)-2,4-ジニトロイミダゾール(500mg、2.17mmol、Eur.J.Med.Chem.24:631-633(1989))およびCuI(258mg、2.60mmol)の不均一混合物に、オクチルイソシアネート767μL(4.34mmol)を添加した。この混合物を2時間撹拌し、エチルエーテル40mLで希釈し、この有機溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン:酢酸エチル、6:1)のクロマトグラフィーにより精製して、n-オクチルカルバメート502mg(60%)を得た。
Figure 0004621819
実施例18
ニトロイミダゾールオクチル環状カルバメート
Figure 0004621819
実施例17で調製した化合物(500mg、1.30mmol)の無水DMF(5mL)溶液および50〜60%水素化ナトリウム(78mg、1.95mmol)を、室温で1時間撹拌した。この反応を0.05N塩酸20mLで停止し、そして酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル抽出物を重炭酸ナトリウム、水で洗浄し、そして濃縮した。この残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、3:1)により精製して、この環状カルバメート260mg(収率59%)を得た。
Figure 0004621819
実施例19
3R-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ベンジルオキシベンジルカルバメート
Figure 0004621819
実施例4の手順を使用して、1-ヨードオクタンを1,1-カルボニルジイミダゾールで置き換えて、アシルイミダゾール13mg(収率9%)を得た。
Figure 0004621819
このアシルイミダゾール(1当量)の無水THF溶液に、4-ベンジルオキシベンジルアミン(1.1当量、Pandey、G.D.ら、Pol.J.Chem.54:763(1980))を添加する。この反応が完結した後、3R-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ベンジルオキシベンジルカルバメートを得る。
実施例20
3R カルボエトキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
2,4-ジニトロイミダゾール(1当量)、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルのTBSエーテル(1.1当量、Org.Syn.66:220(1987))およびナトリウムエトキシドのエタノール溶液を、室温で撹拌する。通常の様式でのワークアップにより、生成物を得る。先に記述のように、テトラブチルアンモニウムフルオライドとの反応により、TBDMSエーテル中間体の環化を行う。
実施例21
3R-カルボキシレート-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例20で調製したエステルおよび水酸化ナトリウム(1当量)のEtOH溶液を、室温で撹拌する。HCl水溶液を添加して、3R-カルボキシレート-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランを得る。
実施例22
3R-カルボキシレート-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ベンジルオキシベンジルアミンアミド
Figure 0004621819
実施例21で調製したカルボン酸のDMF溶液に、HBTU(2当量)、4-ベンジルオキシベンジルアミン(1.1当量)およびN-メチルモルホリン(NMM、1.5当量)を添加する。ワークアップおよび精製後、この3R-カルボキシレート-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ベンジルオキシベンジルアミンアミドを得る。
実施例23
3R-アミノ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ベンジルオキシベンズアミド
Figure 0004621819
3R-カルボキシレート-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン(実施例21、1当量)、トリエチルアミン(1当量)およびジフェニルホスホリルアジド(1当量)のトルエン溶液を、80℃で4時間加熱し、冷却し、そしてt-ブタノールを添加する。この反応系を、さらに1時間にわたって、70℃まで加温する。標準的な様式のワークアップにより、Bocアミンを得る。このBoc基の脱保護(トリフルオロ酢酸:ジクロロメタン、1:1)および4-ベンジルオキシベンゾイルクロライドおよびトリエチルアミンの添加により、3R-アミノ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ベンジルオキシベンズアミドを得る。
実施例24
N-メチル、N-4-ベンジルオキシベンジル 3R-アミノ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例23で調製されたN-Boc保護アミンを、水素化ナトリウム(1.1当量)およびヨウ化メチルとともに、0℃〜室温で撹拌する。混合(workup)後、N-メチルアミドを単離する。実施例23に記載される通りにBoc基を除去し、そして得られたメチルアミンを、4-ベンゾジルオキシベンズアルデヒド、水素化シアノホウ素ナトリウム(sodium cyanoborohydride)とともにメタノール中で撹拌し、N-メチル、N-4-ベンジルオキシベンジル 3R-アミノ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランを得る。
実施例25
3(R)置換6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン抗細菌性化合物の、M.bovis、M.tuberculosis(感受性および多剤耐性)およびClostridium difficileに対する最小阻害濃度(MIC)
Clostridium difficileのインビトロ阻害
試験薬物の、Clostridium difficile(ATCC 17857)に対する最小阻害濃度(MIC;μg/mL)をブロスマイクロ希釈法(broth microdilution method)により決定した。このブロスマイクロ希釈法は、以下の改変以外は、播種物、培地、インキュベーション条件およびエンドポイント[これらは、National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS,Nationl Committee for Clinical Laboratory Standards,1993.Methods for antimicrobial susceptibility testing of anaerobic bacteria.M11-A3.第3版.National Committee for Clinical Laboratory Standards,Villanova,PA))の認可された標準に従う]を用いた:嫌気性条件を生成しそして嫌気性雰囲気インキュベーションのためのいずれの必要性をも排除するために、Oxyrase▲R▼酵素(Oxyrase inc.,mansfield,OH)を、Wilkins-Chalgenブロス(Remel,lenexa,KS)中に配合した(Spangler,S.Kら、「Oxyrase、CO2により影響を受ける抗生物質の嫌気性感受性試験のために、インキュベーション雰囲気においてCO2を排除する方法(Oxyrase,a method which avoids CO2 in the incubation atmosphere for anaerobic susceptibility testing of antibiotics affected by CO2)」J.Clim.Microbiol.31:460-462(1993);Spangler,S.K.ら、「Oxyrase寒天希釈およびE-試験方法による、201種の嫌気性菌の、エリトロマイシン、アジスロマイシン、クラリトロマイシンおよびロキシトロマイシンに対する感受性(Susceptibilities of 201 anaerobes to erythromycin,azithromycin,clarithromycin and roxithromycin by Oxyrase agar dilution and E-test methodologies)」J.Clim.Microbiol.33:1366-1367(1995))。従って、この使用は、嫌気性チャンバーおよびジャーの中に通常存在するCO2、H2およびN2が豊富な雰囲気よりも、外気中でのインキュベーションを可能にした。Oxyraseブロス希釈法(Oxyrase both dilution method)は、このような装置の必要性を排除し、そして培地のpHへのCO2の影響次いで試験化合物の活性へのCO2の影響を回避するメカニズムを提供した。CO2依存性のpHの減少に起因する誤ったMICの上昇が以前に示されている(Barry,A.L.ら、「インビトロにおけるグラム陰性菌に対するアジスロマイシンの効力は方法に依存する(In-vitro potency azithromycin against gram-negative bacilli is method-dependent)」J.Antimicrob.Chemother,28:607-610(1991)、Hansen,S.L.ら、「二酸化炭素およびpHの、エリトロマイシンに対するBacteroides fragilis群の感受性への影響(Effect of carbon dioxide and pH on susceptibility of Bacteroides fragilis group to erythromycin)」Antimicrob.Agents Chemother,19:335-336(1981)、Retsema,J.A.ら、「アジスロマイシンのインビトロ効力に対する環境因子の重要性(Significance of environmental factors on the in vitro potency of azithromycin)」Eur.J.Clin.Microbiol.Infect Dis.,10:834-842(1991))。この問題はOxyraseの使用により取り除かれた。なぜなら、この酵素が、有毒な中間体なしでO2をH2Oに迅速に変換しながらO2を取り除いたためである。品質管理用嫌気性微生物(Bacterioides thetaiotamicrons(ATCC 29741);Eubacterium lentum(ATCC 43055))を、品質保証のために、シリンダマイシン、メトロニダゾール、メゾロシリンおよびバンコマイシン対してOxyraseブロスマイクロ希釈法で試験した。これらの推奨株のMICが、NCCLSにより公表されている受容可能な範囲(Nationl Committee for Clinical Laboratory Standards,Methods for antimicrobial susceptibility testing of anaerobic bacteria.M11-A3.第3版.National Committee for Clinical Laboratory Standards,Villanova,Pa,1993))内にあった場合に、結果を受け入れた。
(rBCC)LUX法を用いるインビトロ阻害
ジメチルスルホキシド(DMSO; Sigma)中で、試験化合物のストック溶液を調製した。これらのストックをさらにDMSOで希釈して、最小阻害濃度(MIC)測定またはスクリーニング測定に適した濃度を得た。MIC試験のために、8.0μg/mL〜0.002μg/mLの範囲の2倍希釈物を用いた。スクリーニング目的のために、4つの濃度(25.0、5.0、1.0および0.2μg/mL)を試験した。
Mycobacterium bovis bacille Calmette Guerinの組換え株(rBCG)を、チャレンジ生物(challenge organism)として用いた。この株を、ホタルルシフェラーゼ(lux)発現カセットを有する組込みシャトルベクターで形質転換した。このベクターをpMV361-luxと命名した。
rBCC:pMV361-lux株の対数増殖期培養物を、10%(v/v)ADC富化物(BBL)および0.5%(v/v)グリセロールで補充したMiddlebrook 7H9ブロス(Difco)中で調製した。培養物を希釈し、1mL当たり1×105コロニー形成単位を有する最終細菌播種物を得た。2mLの培養物容量を、各濃度の試験化合物50μLとともに播種した。rBCG:pMV361-luxを含有し抗生物質を含有しないコントロールチューブを含めた。イソニアジド(Sigma)を各アッセイの実行時にコントロールとして含めた。アッセイチューブを37℃で6日間インキュベートした。
不透明な白色の96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、各チューブ由来の0.1mLアリコートをアッセイすることにより、ルシフェラーゼ活性を評価した。Wallac Autolumatモデル96Pルミノメーター中で0.1mLルシフェリン(1mM)を自動注入することにより、反応を開始した。MIC値または最小活性濃度の値を、発光の読みとり値が≦1/100(この値は、抗生物質を含まないの増殖コントロールに対して得られる)を示す化合物の最小濃度として規定した。
BACTEC ▲R▼ 法により決定された場合の最小阻害濃度(MIC)
BACTEC▲R▼システム(Becton-Dickenson Diagonostic Instrument Systems,Sparks,MDより入手可能)は、放射線呼吸の原理(radiorespirometric principle)を用い、それにより、14C標識したパルミチン酸の異化により放出される二酸化炭素を、分光光度的に検出し、そして増殖指数(GI)単位と呼ばれる、測定の任意の単位で定量する。BACTECプロトコルにおけるエンドポイント決定の基準は、従来の1%耐性カットオフに基づく。ここで、監視される生物は、1%を越える細菌集団の増殖が観察される場合に、試験される薬物の濃度に対して耐性とみなす。従って、抗菌剤の存在下での増殖と薬物を含まない培地中の10-2希釈された同じ生物の増殖との間で比較が行われる。BACTECのバイアルに、0.1mLの生物(最終細菌濃度、1mL当たり1〜5×105コロニー形成単位)および種々の濃度の抗菌剤0.1mLを播種した。GI値を、≧30の値が10-2コントロールに対して達成されるまで毎日モニターした。次いで、GI値(GI)の変化を用いて、試験された各薬剤濃度に対する生物の感受性を決定した。コントロールのGIが薬物のGIよりも大きい場合には、生物はその濃度に対して感受性であると考えられる。対照的に、コントロールのGIが薬物のGIより小さい値を有する場合、これは耐性を示す。薬物は、コントロールおよび薬物のGI値が等しい場合、特定の濃度で境界活性(borderline activity)を有すると考えられる。
最小阻害濃度(MIC)
種々の3(S)置換6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン抗細菌性化合物の、M.bovis BCG(組換え株、上記のLUX法を用いる)、M.tuberculosis(H37Rv感受性株および多剤耐性、両方ともBACTEC法を用いる)およびClostridium difficileに対する最小阻害濃度(MIC)を、以下の一般構造、
Figure 0004621819
(ここで、Rは表1に示される置換基である)を有し、本明細書中に記載される手順を用いて合成される化合物に対して決定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004621819
実施例26
3(R)置換6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン抗細菌性化合物の、M.bovis、M.tuberculosis(感受性および多剤耐性)およびClostridium difficileに対する最小阻害濃度(MIC)
種々の3(R)置換6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン抗細菌性化合物の最小阻害濃度を決定するために、実施例25の手順に従った。この化合物は、以下の一般式、
Figure 0004621819
(ここで、Rは表1に示される置換基である)を有し、本明細書中に記載される手順を用いて調製される。結果を表2に示す。
Figure 0004621819
実施例27
ミコバクテリウム種のインビボ阻害
ミコバクテリア株に対するインビボ活性に関して、化合物を試験した。ミコバクテリア株は、ホタルルシフェラーゼ遺伝子(lux)を有するベクターで形質転換されている。初期の実験は、組換えMycobacterium bovis bacille Calmette Guerin(rBCG)株を用いたが、後の研究は、組換えmycobacterium tuberculosis Erdman(rMTB)株を用いて実施した。rBCG株は染色体外ベクター(pMH30と呼ばれる)で形質転換されており;rMYB株は組込みベクター(pHM46と呼ばれる)で形質転換されている。4〜6週齢の雌性BALB/cマウスを用いた。各試験群には、5匹の動物が含まれた。1つの群は、いかなる薬物治療も受けていないものが含まれた。ミコバクテリア株の対数増殖期の培養物を、10%(v/v)ADC富化物(BBL)、0.5%(v/v)グリセロールおよび20μg/mLカナマイシンで補充したMiddlebrook 7H9ブロス(Difco)中で調製した。
1mL当たり約1×107コロニー形成単位を含む培養物の150μl容量を、各マウスの尾静脈に注射した。それぞれrBCGまたはrMTB株で感染させてから1日または7日後に、薬物治療を開始した。試験化合物を、経口ガバージュにより毎日投与した。rBCG実験のために、試験化合物をDMSO/ゴマ油に溶解し、そして50mg/kgでマウスに投与した。Mycobacterium tuberculosis Erdman(rMTB)マウス保護研究のために、試験化合物を、25mg/kgの用量でCM-2処方物(実施例52を参照のこと)で送達した。治療開始の10日後、動物を、頚椎脱臼(dislocation)により屠殺した。各動物から、脾臓および肺を取り出し、そして1%のTriton X-100を含む滅菌Dulbecco’s PBS(Gibco)中でホモジナイズした。ホモジネートの二連の200μLアリコートを、Wallac Autolumatモデル953Bルミノメーターでアッセイした。平均のRLU値、この平均からの標準偏差および統計的有意性(2点の(paired)、両側(two-tailed)t検定)を計算した。結果を、以下の表3a〜3cに示す。
Figure 0004621819
Figure 0004621819
Figure 0004621819
実施例28
(3S)-アジド-7-ニトロ-3,4-ジヒドロ-2H-イミダゾ[2,1-b][1,3]オキサジン
Figure 0004621819
方法A:
3R-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン p-トルエンスルホネート
実施例7で調製されたアルコール1g(5.4mmol)の乾燥ピリジン(5mL)溶液とp-トルエンスルホニルクロライド2g(10.5mmol)とを、40〜50℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷水中に注ぎ、そして沈殿を濾過により集め、メタノールで洗浄し、そして乾燥(MgSO4)して、1.54g(83%)の表題化合物を得た:
Figure 0004621819
上で調製されたトシレート430mg(1.27mmol)およびアジ化ナトリウム100mg(1.53mmol)の乾燥DMSO(5mL)溶液を、24時間、油浴中で加熱(65℃)した。反応物を室温まで冷却し、水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機抽出物を、乾燥(MgSO4)し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、淡黄色の針状晶(needle)としてアジドを得た:融点157.5℃(分解):[α]25D(DMF、c=1.0)=−84.2°;
Figure 0004621819
方法B:
(3R)1-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルジメチルシリルオキシ)-プロピル-2,4-ジニトロイミダゾール p-トルエンスルホネート
実施例5から得られた粗製アルコール(12.4g)を50mLの乾燥ピリジンに溶解し、そしてp-トルエンスルホニルクロライド14g(73.5mmol)を添加した。反応物を60℃で6時間撹拌した。減圧下でのエバポレートによりピリジンを除去し、そして残渣を、300mLの酢酸エチルと300mLの0.01NHCl水溶液との間で分配した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶により精製し、8.1gのトシレートを得た。トシレートの第2のクロップを、母液よりカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 6:1)により得た:収量2.9g。61%(11g)の合計収率を得た:融点139〜141.5℃;
Figure 0004621819
3R-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン p-トルエンスルホネート
上で調製されたトシレート(9.4g、18.8mmol)を、60mLの乾燥THFに溶解し、そして室温で、THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリド19mL(1.0M)を反応混合物に添加した。得られた溶液を5分間撹拌(この時点で生成物が沈殿した)した。この沈殿をメタノールで洗浄し、そしてP2O5で乾燥し、4.66g(73%)のトシレート(これは、実施例28で調製されたサンプルと同一である)を得た。
実施例29
3S-アミノ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例28で調製したアジド化合物(105mg,0.5mmol)の新鮮な蒸留乾燥メタノール(マグネシウム金属)(2.5mL)溶液に、5倍過剰のプロパン-1,3-ジチオール(0.25mL)およびトリエチルアミン(0.348mL)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌し、その間に反応溶液は透明になった。溶媒を減圧エバポレーションにより除去し、そして残渣をDowex 50(メタノール中H+型)カラムにかけ、メタノールで洗浄し、残留チオールを除去した。メタノール:トリエチルアミン(19:1)でカラムを溶出することにより生成物を得た。溶媒の除去後、残渣を0.5mLの1N HClでpH6に中和し、そして溶液を乾燥するまでエバポレートし、110mgの表題化合物(100%)を得た。
Figure 0004621819
実施例30
3S-(4-アミノ)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-トリフルオロメトキシフェニルアセトアミド
Figure 0004621819
4-トリフルオロメトキシベンジルシアニド。10mL乾燥DMF中に2.085g(8.18mmol)の4-トリフルオロメトキシベンジルブロミドを含む溶液に441mg(8.99mmol)のシアン化ナトリウムを添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、水に注ぎ、そして酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、エバポレートした。粗生成物を更なる精製をせずに次の反応に用いた。
4-トリフルオロメトキシフェニル酢酸。上記の反応から得られたシアン化物を50mL 1N NaOH水溶液中にて還流温度で1時間加熱し、室温まで冷却し、そして1N H2SO4でpH3に酸性化した。白い固形物を回収し、P2O5で乾燥し、1.6gの酸(2工程の全収率88.9%)を得た。融点85-86℃。
Figure 0004621819
5mlのDMF中の、4-トリフルオロメトキシフェニル酢酸(110mg、0.5mmol)、実施例29で調製した110mg(0.5mmol)のアミン塩酸塩、227mg(0.6mmol)のHBTU、および121mg(1.2mmol)のN-メチルモルフォリン(NMM)溶液を室温で4時間撹拌した。生成物を酢酸エチルで抽出し、0.01N HCl、飽和NaHCO3、および水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥(MgSO4)し、そして減圧下で濃縮した。残渣を溶出液として酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製し、136mg(70%)の表題化合物を得た。融点167-168℃(分解)
Figure 0004621819
実施例31
3S-アミノ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランのフェニルアセトアミド
Figure 0004621819
実施例30に記載の手順を用い、そして4-トリフルオロメトキシフェニル酢酸をフェニル酢酸に置換し、表題化合物を得た。融点182.5℃(分解)
Figure 0004621819
実施例32
(S)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル2-ニトロ-6,7-ジヒドロ-5H-イミダゾ[2,1-b][1,3]オキサジン-6-イルカルバメート
Figure 0004621819
0.39mL(0.75mmol)のホスゲン(トルエン中1.93M)および96mg(0.5mmol)のトリフルオロメトキシベンジルアルコールを含んだフラスコを水浴中で冷却し、そして65μL(0.5mmol)のジイソプロピルエチルアミンを添加した。反応物を30分撹拌した後、過剰のホスゲンを減圧下で除去した。粗クロロホルメートを2mLのジクロロメタンおよび実施例29で調製した110mg(0.5mmol)のアミン塩に溶解し、そして129μLのジイソプロピルエチルアミンを添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、そして溶媒を除去した。粗カルバメートをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:3)により精製し、表題化合物(実施例25においてPA No.1343といわれる)を得た。収量:117mg(収率:58%);融点132.5-133.5℃
Figure 0004621819
実施例33
3S ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ブロモフェニルカルバメート
Figure 0004621819
実施例3で調製した210mg(1.13mmol)のアルコールおよび246mg(1.24mmol)の4-ブロモフェニルイソシアネートの乾燥DMF(5mL)溶液に塩化銅(0.11mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、室温まで冷却し、そしてEtOAc(50mL)を添加した。有機溶液を0.2M HCl(20mL)、および水(2×40mL)で洗浄した。
有機抽出物を分離し、乾燥(MgSO4)し、そして溶媒をエバポレートした。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)により精製し、334mg(77%)の表題化合物を得た。融点235℃(分解)
Figure 0004621819
実施例34
3S-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-(トリフルオロメトキシ)フェニルカルバメート
Figure 0004621819
実施例33に記載の手順を用い、そして4-ブロモフェニルイソシアネートを4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネートに置換し、表題化合物を得た。融点220℃(分解)
Figure 0004621819
実施例35
3S ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-(トリフルオロメチル)フェニルカルバメート
Figure 0004621819
実施例33に記載の手順を用い、そして4-ブロモフェニルイソシアネートを4-(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネートに置換し、表題化合物(実施例25においてPA No.1327といわれる)を得た。融点240℃(分解)
Figure 0004621819
実施例36
3S ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルカルバメート
Figure 0004621819
実施例3で調製した207mg(1.12mmol)のアルコールおよび217mg(1.34mmol)の1,1-カルボニルジイミダゾールの-60℃の乾燥DMF(5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.34mmol)を分けて添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンを添加し、そして反応物を室温で1時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈し、0.2M HCl(40mL)でクエンチし、有機層を分離し、水(2×40mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして溶媒をエバポレートした。残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)に供し、82mg(18%)の表題化合物を得た。融点182℃(分解)
Figure 0004621819
実施例37
3S 4-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例41に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルブロミドを4-トリフルオロメチルベンジルクロリドに置換し、表題化合物(実施例25においてPA No.636といわれる)を収率68%で得た。融点215-216℃
Figure 0004621819
実施例38
3S-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニルカルバメート
Figure 0004621819
実施例36に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンを4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)アニリン(Chem.Pharm.Bull.,44(2):314-327(1996))に置換して、表題化合物を得る。
実施例39
3S-ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニルカルバメート
Figure 0004621819
実施例36に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンを4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)アニリン(Chem.Pharm.Bull.,44(2):314-327(1996))に置換し、表題化合物を得る。
実施例40
3S ヒドロキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ)フェニルカルバメート
Figure 0004621819
実施例36に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンを4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ)アニリン(Chem.Pharm.Bull.,44(2):314-327(1996))に置換して、表題化合物を得る。
実施例41
3S 4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルブロミド(0.09mol)および実施例3で調製したアルコール(0.075mol)の-60℃まで冷却した乾燥DMF(90mL)溶液に水素化ナトリウム(0.09mmol)を5分かけて添加した。1時間後、反応混合物を室温まで加熱し、さらに2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(400mL)で希釈し、水(3×200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして溶媒をエバポレートした。残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)に供し、得られた生成物を沸騰メタノールから再結晶し、18.6g(70%)の表題化合物(実施例25においてPA No.824といわれる)を得た。融点149-150℃
Figure 0004621819
実施例42
3S 4-(ヨード)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例41に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ))ベンジルブロミドを4-ヨードベンジルブロミド(THF中のボランによる酸の還元および続いて0℃におけるTHF中のPBr3によるベンジルアルコールのブロモ化により、4-ヨード安息香酸から2工程で調製される)に置換し、表題化合物を得る。
実施例43
3S 4-(トリフルオロエトキシ)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例41に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ))ベンジルブロミドを4-(トリフルオロエトキシ)ベンジルブロミド(水素化アルミニウムリチウム還元および得られたベンジルアルコールのPBr3によるブロモ化による、エチル 4-(トリフルオロエトキシ)ベンゾエート(Chem.Pharm.Bull.,44(2):314-327(1996)から調製される)に置換し、表題化合物を得る。
実施例44
3S 4-(2,2,3,3-テトラトリフルオロプロポキシ)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例41に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ))ベンジルブロミドを4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)ベンジルブロミド(これは、エチル 4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)ベンゾエート(Chem.Pharm.Bull.,44(2):314-327(1996))、水素化アルミニウムリチウム還元および得られたベンジルアルコールのPBr3によるブロモ化より調製される)に置換し、表題化合物を得る。
実施例45
3S 4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ)ベンジルオキシ-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン
Figure 0004621819
実施例41に記載の手順を用い、そして4-(トリフルオロメトキシ))ベンジルブロミドを4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシベンジルブロミド(これは、エチル 4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ)ベンゾエート(Chem.Pharm.Bull.,44(2):314-327(1996)、水素化アルミニウムリチウム還元および得られたベンジルアルコールのPBr3によるブロモ化より調製される)に置換し、表題化合物を得る。
実施例46
3S 3-アミノ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-クロロベンジルカルバメート
Figure 0004621819
実施例32に記載の手順を用い、そして4-トリフルオロメトキシベンジルアルコールを4-クロロベンジルアルコールに置換し、表題化合物を得る。
実施例47
3S 3-ヒドロキシ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-ブロモベンジルカルバメート
Figure 0004621819
実施例32に記載の手順を用い、そして4-トリフルオロメトキシベンジルアルコールを4-ブロモベンジルアルコールに置換し、表題化合物(実施例25においてPA No.1324といわれる)を得る。
実施例48
3S 3-アミノ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの4-クロロフェニル尿素
Figure 0004621819
DMF中の、実施例29で調製した69mg(0.312mmol)のアミン塩酸塩および63mg(0.624mmol)のN-メチルモルホリンを含んだフラスコに、DMF中の95mgの4-クロロベンジルイソシアネートを添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、0.01NのHClに注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液および水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そしてエバポレートした。残渣を溶出液として酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製し、93mg(88%)の表題化合物(実施例25においてPA No.1282といわれる)を得た。
Figure 0004621819
実施例49
3S 3-アミノ-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピランの2-(5-クロロベンズイミダゾール)誘導体
Figure 0004621819
表題化合物を、英国特許第1015937号に記載の手順を用いて、実施例29で調製したアミノ化合物と2,5-ジクロロベンズイミダゾールとを反応させて調製する。
実施例50
嫌気条件下でのMycobacterium bovis(rBCG)の阻害
Mycobacterium bovis bacilleのカルメットゲラン桿菌(rBCG)の組換え株を試験生物として用いる。この菌株をホタルルシフェラーゼ(lux)発現カセットを有する組み込みするシャトルベクターで形質転換した。rBCG:361-luxの対数期培養物を10%(v/v)ADC集積(BBL)を補充したMiddlebrook 7H9ブロス(Difco)中で調製した。2mlアリコートを15mlのスクリューキャップのプラスチック試験管に入れ、そして40μl肉汁用オキシラーゼ(Oxyrase、Inc.、Masfield、OH)の添加により、酸素を除去した。37℃で24時間の培養後、表4に挙げた化合物を0、0.15、0.31、0.62、1.25、2.5、または5.0μg/mlの最終濃度になるまで添加した。37℃で薬物とともに嫌気的培養を72時間続けた後、バチルスを10秒間、高(high)でボルテックスし、遠心分離(Beckman GS-6R遠心分離器で250RPMで10分間)によりペレット化し、そして上記の新鮮な培地中に再懸濁させた。嫌気的環境を再生しながら、この手順により薬物を除去した。mycobacteriaは、阻害化合物が存在しなくても、酸素なしでは成長しないので、適切な回復期間の後、嫌気条件下での薬物の効果のみを測定し得る。従って、再通気させ、薬物のないバチルスを37℃で48時間インキュベートし、その後、培養物の100μLのアリコートを2連でWallac Microlumat LB 96Pルミノメーターにおいてアッセイした。結果を表4に示す。
Figure 0004621819
実施例51
Helicobacter pyloriのインビトロでの阻害
Helicobacter pyloriの参考株をMike Osato博士(Department of Gastroenterology,Baylor College of Medicine,Huston,TX)より得た。試験薬剤の最小阻止濃度(MIC、μg/mL)を、以下の改変を除いて、National Committee for Clinical Laboratory Standardsの承認された標準法およびそれに記載の参考文献(Coudron、P.E.およびC.W.Stratton、J.Clin.Microbiol 33(4):1028-1030(1995);DeCross,A.J.,B.J.Marshall、R.W.McCallum、S.R.Hoffman、L.J.Barrett、およびR.L.Guerrant,J.Clin.Microbiol 31(8):1971-1974(1993); Malanoski,G.J.,G.M.Eliopoulous,M.J.Ferraro,R.C.Moellering,Eur.J.Clin.Microbiol.Infect.Dis.12(2):131-133(1993),およびNational Committee for Clinical Laboratory Standards,Methods for anitimicrobial susceptibility testing of anaerobic bacteria.Mll-A3,第3版,National Committee for Clinical Laboratory Standards,Villanova,PA.(1993))に、従った手順を用いる液体微小希釈法により決定した。
1.培地:10%エキリン血清および0.25%酵母抽出物を補充した脳心臓浸出液
2.培養気体:35℃、10%CO2
3.接種物:1 McFarland濁度に調整した1:20希釈の懸濁液
4.培養時間:72時間
試験プレートを、培養の最後に視覚的に試験し、MIC値を増殖の完全な阻害を生じる、最も低い濃度として決定した。
アモキシシリン、メトロニダゾール、およびクラリトロマイシンを上記の条件を用いてH.pylori ATCC 43に対して試験した。得られたMICは、これらの薬物の予想される値の範囲内にあった。H.pylori ATCC 43に対する、種々の3(S)-置換-6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン抗菌性化合物の最小阻止濃度(MIC)は、本明細書中に記載の手順を用いて合成された、以下の一般式を有する化合物について決定した:
Figure 0004621819
ここでRは表1に示した置換基である。その結果を表5に示す。
Figure 0004621819
実施例52
経口投与および静脈内投与用のCM-2製剤
PA824(実施例41、10mg)を1mLの10%(w/v)水溶性ヒドロキシプロピル-B-シクロデキストリン溶液(Aldrich)に添加し、そして室温で24時間撹拌した。得られた懸濁液を、25%増幅のプローブチップセッティングを用いて、Vibra Cell超音波処理器(Sonics and Material Inc.)で10分間超音波処理した。冷凍されたレシチン(100mg、10%、(w/v)、Sigma)を添加し、そして懸濁液を室温で10分間撹拌し、氷水浴で冷却し、そして溶液温度を50℃未満に維持しながら、30%増幅で15分間超音波処理した。
実施例53
ヒトマクロファージにおけるM.tuberculosisに対するPA824のインビトロでの活性
M.tuberculosisは、マクロファージ細胞内の生存が非常に巧みである。従って、効果を発揮するために、抗生物質は、哺乳動物の細胞膜を貫通し得なければならない。そして敵の細胞環境内で安定性を維持する。さらに、病原体が存在する細胞内部位における抗生物質の濃度は、効果を発揮するために十分な高レベルに達しなければならない。病気の過程の間のマクロファージ内の病原体量(burden)は、生存可能な生物のかなり大きな源であり、その結果、抗生物質がこれらの生物に有効かどうかを確認する能力は、治療効果を予見する有用な標準である。これらの研究において、バイオルミネセンスアッセイを用いて、細菌生存率を評価した。M.tuberculosis H37RVをホタルルシフェラーゼ遺伝子を有するインテグレートベクターで形質転換した。
ヒトTHP-1単核球性細胞(ATCC TIB-202)を、50ng/mlのホルボール12ミリスチン酸13酢酸塩(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)での処理によりマクロファージに分化し、そして1ml中に4×105個の細胞という密度で、48ウェル平底マイクロタイタープレートのウェルに分布した。5%CO2大気中での37℃における48時間のインキュベーションの後、細胞の単層を10%熱不活性化胎児ウシ血清(FBS; HyClone Laboratories,Logan,UT)を含むRPMI1640培地(GIBCO BRL,Grand Island,NY)で洗浄し、そして1:1の感染多重度にて対数増殖期細菌培養で感染した。5%CO2大気中での37℃における4時間のインキュベーションの後、細胞外環境での細菌を除去するために、この細胞をHanks平衡化塩(balanced salt)溶液(GIBCO BRL)で5度洗浄した。真核生物細胞を、1% TritonX-100を含む0.2mlのリン酸緩衝化生理食塩水を添加することにより溶解した。0.1mlの溶解物のアリコートを不透明白のマイクロタイタープレート(MicroLite#1,Dynatech Inc.,Chantilly,VA)に移し、そして発光測定をWallac Mocrolumat LB96Pルミノメーター(Wallac Instruments,Gaithersburg,MD)中で行い0日目の処理前リーディングを得た。あるいは、0.2mlアリコートをFalcon 2054試験管に移し、そしてRLU測定をWallac Autolumat LB 953機器において行った。ルミノメーターは、0.1Mクエン酸3ナトリウム塩(pH5.1)中で調製された0.1mlの1mMルシフェリン(R&D Systems,Minneapolis,MN)を、自動的に各チューブまたはウェルに注入した。発光を15秒間測定し、相対的光単位(RLU)として表した。新しい培地(RPMI+10%FBS)を残りのウェルに加えた。抗放線菌薬物の効果を調べるために、滅菌脱イオン水またはジメチルスルホキシド(Sigma)でそれぞれ調製された選択された濃度のイソニアジドまたはリファンピン(Sigma)で培地を補充した。薬物を実験の間を通して細胞と接触させたままにしたかまたは1.5時間後に単層を新しいRPMI培地で洗浄することによって除去した。複製ウェル中の細胞を所望の日周間隔で溶解し、上記の生物発光アッセイを行った。イソニアジドおよびPA824の両方を、そのインビトロMIC値に同価な濃度、ならびにこの値より高い濃度および低い濃度で試験した。薬物処理されなかったコントロールを含んだが、それらをイソニアジドおよびPA824それぞれを調製するために使用した希釈液の効果を模倣するために滅菌脱イオン水またはDMSOで処理した。
マクロファージそれ自体は、発光反応に貢献しなかった。なぜなら、感染されなかった細胞のRLUレベルは、実験の間を通して背景値(background value)に残ったからである。この時間の間、組換えM.tuberculosis株で感染されたマクロファージのRLU値は、劇的に増加し、組換え細菌の細胞内増殖を反映した。表6〜8に示すように、PA824の濃度0.25μg/ml以上は、M.tuberculosisの細胞内増殖を防止するのに十分であった。明白な容量関連応答を、2.0μg/mlまでの濃度で観察した。イソニアジドは、0.06μg/mlより上の濃度で類似の阻害を達成した。
Figure 0004621819
Figure 0004621819
Figure 0004621819
実施例54
3(S)置換6-ニトロ-2H-3,4-ジヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン化合物の腸内原生動物Cryptosporidium parvumに対する阻害濃度値
Cryptosporidiumに対する感受性試験を、公開された手順(K.Woods,M.Nesterenko,S.Upton,”Development of a microtiter ELISA to quantify development of Cryptosporidium parvum in vitro”,FEMS Microbiology Letters,128:89-94(1995))に従い行った。
化合物を、100%DMSO中で100mg/mlの濃度に可溶化した。試験化合物のDMSO溶液を、マイクロプレートの試験ウェルに、DMSOの最終濃度が0.2%になる容量だけ添加した。ヒト回盲腺ガン細胞(HCT-8)の単層を、96ウェル組織培養トレイ中のRPMI1640培地における24時間の増殖によって調製した。C.parvumの卵母細胞を使用前に10分間10%漂白剤中でexcystすることを可能にした。次いで、単層を1ウェルあたり2〜3×104個の卵母細胞で感染し、化合物の存在下または非存在化で5%CO2および湿度95%で35℃において48時間インキュベートした。背景は死んだ卵母細胞(30秒間の液体窒素への曝露に続く凍結解凍サイクル)を含むウェルからなった。増殖制御ウェルを1ウェルあたり2〜3×104個の卵母細胞で試験化合物の非存在化で感染した。インキュベーションの最後に、ウェルを洗浄し、そして1ウェルあたりリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.3)中の4%ホルマリンを100ul添加することにより2時間固定化した。1%ウシ血清アルブミン、0.002%Tween20でブロックした後、50uLのラット抗Cryptosporidium膜タンパク質抗血清を添加した。30分後、ウェルをPBS中で洗浄し、そして50uLの二次抗体(西洋ワサビペルオキシターで接合されたヤギ抗ラット抗体)を添加した。20〜30分後、ウェルを再びPBS中で洗浄しそして50uLの3,3’5,5’-テトラメチルベンジヂン溶液を添加した。プレートを10〜15分間現像し、そして光学密度を630nmにて読んだ。パーセント阻害を、薬物処置グループの光学密度を未処置のコントロールの光学密度と比較することにより算出した。表9に示すように、25μg/mlの濃度のPA824は、増殖を52%(IC50=25μg/mL)阻害した。明白な容量関連応答を、1PA824についてもまた観察した。
上記の方法を用いた種々の3(S)置換6-ニトロ-2H-3,4-ジ-ヒドロ-[2,1−b]イミダゾピラン抗細菌化合物のCryptosporidium parvumに対する阻害濃度を、本明細書中で記載される手順を用いて合成される以下の構造を有する化合物について測定した:
Figure 0004621819
ここで、Rは表1に示す置換基である。結果を表9に示す。
Figure 0004621819

Claims (15)

  1. 式(III)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
    Figure 0004621819
    ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルである;
    nは、1、2または3である;
    YおよびZは、独立して、酸素、CH2、CO、CR45またはNR4から選択され、ここで、R4およびR5は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルキルヘテロ環、およびアルコキシヘテロ環から選択される;
    但し、nが2または3のとき、本発明の化合物は、それぞれ、以下の式(IIa)および(IIb)で示すように、さらに置換し得る:
    Figure 0004621819
    ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択され、Xは、酸素である。
  2. 式(IV)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
    Figure 0004621819
    ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルからなる群から選択される;Yは、酸素、CH2、CO、CR45またはNR4から選択される;そしてR4およびR5は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルキルヘテロ環、およびアルコキシヘテロ環から選択される;nは、1、2または3である。
  3. 4が、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルコキシおよびアルコキシアルコキシアリールからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. 式(IVb)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
    Figure 0004621819
    ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルからなる群から選択される;R4は、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環からなる群から選択される。
  5. mycobacteriumから選択した病原性微生物の成長を阻害するための組成物であって、該組成物は、成長を阻害する量の式(II)の二環式ニトロイミダゾール化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する:
    Figure 0004621819
    ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルである;
    Xは、酸素である;
    nは、1、2または3である;
    YおよびZは、独立して、酸素、CH2、CO、CR45またはNR4から選択され、ここで、R4およびR5は、請求項1記載の定義のものと同じである;
    但し、nが2または3のとき、本発明の化合物は、以下の式(IIa)および(IIb)で示すように、さらに置換し得る:
    Figure 0004621819
    ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択される、
    組成物。
  6. 前記二環式ニトロイミダゾールが、式(III)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項5に記載の組成物:
    Figure 0004621819
  7. 前記二環式ニトロイミダゾールが、式(IV)の化合物またはそれらの薬学的に適切な塩である、請求項5に記載の組成物:
    Figure 0004621819
    ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環およびヘテロ環アルキルからなる群から選択される;Yは、酸素、CH2、CO、CR45またはNR4から選択される;そしてR4およびR5は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクルアルキルアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環、およびアルコキシヘテロ環から選択される;nは、1、2または3である。
  8. 前記病原性微生物が、Mycobacteria tuberculosis、Mycobacteria leprae、およびMycobacteria avium複合体からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
  9. 前記病原性微生物が、Mycobacteria tuberculosisである、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記病原性微生物が、Mycobacteria tuberculosisの多薬剤耐性株である、請求項9に記載の組成物。
  11. mycobacteriaから選択した病原性微生物による感染に罹ったヒトまたは動物の検体を治療するための組成物であって、該組成物は、治療上効果的な量の式(II)の二環式ニトロイミダゾール化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を、単独でまたは薬学的に受容可能な担体と組み合わせて、含有する:
    Figure 0004621819
    ここで、R1は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環またはヘテロ環アルキルである;
    Xは、酸素である;
    nは、1、2または3である;
    YおよびZは、独立して、酸素、CH2、CO、CR45またはNR4から選択され、ここで、R4およびR5は、請求項1記載の定義のものと同じである;
    但し、nが2または3のとき、式IIの化合物は、以下の式(IIa)および(IIb)で示すように、さらに置換し得る:
    Figure 0004621819
    ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択される。
  12. 前記二環式ニトロイミダゾールが、以下の式(IIIa)、式(IIIb)または式(IIIc)の化合物である、請求項5に記載の組成物:
    Figure 0004621819
    ここで、R6、R7、R8およびR9は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルアリール、アルコキシアルキルヘテロ環、アルキルアリールアルキルアリール、アルキルアリールアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルコキシ、アルキルヘテロ環およびアルコキシヘテロ環から選択され、Y、ZおよびR 1 は、請求項1記載の定義のものと同じである、組成物。
  13. 前記ヒトまたは動物の検体が、Mycobacteria tuberculosis、Mycobacteria leprae、およびMycobacteria avium複合体からなる群から選択した病原性微生物による感染に罹っている、請求項6に記載の組成物。
  14. 前記病原性微生物が、Mycobacteria tuberculosisである、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記病原性微生物が、Mycobacteria tuberculosisの多薬剤耐性株である、請求項13に記載の組成物。
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