JP3966415B2 - 抗ヘリコバクター剤、ヘリコバクター属細菌が関与する消化器疾患の予防剤、再発予防剤又は治療剤 - Google Patents
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Description
[実施例]
微量液体希釈法による最小発育阻止濃度(MIC;Minimum Inhibitory Concentration)測定法、または寒天平板希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)測定法を用いた。MICに関しては、完全に発育が阻止された最低濃度をもってMIC値とした。
1) Helicobacter pylori TK1029 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:杏林大学医学部感染症学教室)
2) Helicobacter pylori ATCC43504 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:米国ティッシュ・カルチャー・コレクション American Tissue Culture Collection)
3) Helicobacter pylori TK1104 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:杏林大学医学部感染症学教室)
4) Helicobacter pylori TK1047 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:杏林大学医学部感染症学教室)
5) Helicobacter pylori TK1402 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:杏林大学医学部感染症学教室)
6) Helicobacter pylori ATCC43579 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:米国ティッシュ・カルチャー・コレクション American Tissue Culture Collection)
7) Helicobacter pylori NCTC11638 (日本名:ヘリコバクター・ピロリ、入手先:組織培養国立コレクション National Collection for Tissue Culture)
8) Helicobacter mustelae (日本名:ヘリコバクター・ムステラ、入手先:組織培養国立コレクション National Collection for Tissue Culture)
各菌株は、深冷凍庫(型番 ウルトラ・フローMDF-392、三洋電機株式会社製)にて、−80℃でグリセロールストックされたものである。
100mLの50mM濃度のオルトアミノフェノール(東京化成工業株式会社製)溶液(0.1規定水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和したもの)を1Lのウシヘモグロビン溶液に添加し十分に攪拌した後、37℃、6日間放置した。6日後に、該反応液に対して5Lの100%メタノールを添加し、ヘモグロビンとタンパク質とを変性させた。変性したヘモグロビンとタンパク質は遠心分離器(SCR−20BS型、株式会社日立製作所)で遠心分離し(10,000 x g、5分)、上澄みを得た。この上澄みを回収したのち、ロータリーエバポレーター(NE型、東京理化器械株式会社製)を用いて、水とメタノールを蒸発させ濃縮した。残った粉末に対して、300mlの100%メタノールを加え、溶解させた。この溶解液を、50%エタノールで予め膨潤させて平衡化したセファデックスLH20樹脂(アマルシャム・ファルマシア・ジャパン株式会社製)を充填したカラム(内径7cm×高さ30cm)に付し分離精製を行った。溶出は、50%エタノール(容量/容量)で行い、一定時間毎に分画した。第3番目に出てくる分画(赤褐色)部分を回収した。この分画を再びエバポレータで濃縮し、粉末を得た。該粉末に対して、50mlの100%メタノールを加え完全に溶解させた。この溶解液を、50%エタノールで予め膨潤させて平衡化したセファデックスLH20樹脂を充填したカラム(内径4cm×高さ50cm)に付し分離精製を行った。溶出は、50%エタノール(容量/容量)で行い、一定時間毎に分画した。赤褐色の分画を回収し、この分画を再びエバポレータで濃縮し、赤褐色の粉末を約3.5g得た。この粉末のUV、IR、1H-NMR(270MHz)、13C-NMR(50.3MHz)の各データ値を、標品の2−アミノフェノキサジン−3−オンのそれらと比較することにより、該粉末は2−アミノフェノキサジン−3−オンであると同定された。
(1) 試験化合物
上記製造例で製造された2−アミノフェノキサジン−3−オンを用いた。
1mlのエタノール(特級、和光純薬株式会社製)に1.5mgの2−アミノフェノキサジン−3−オンを含む原液を作製した。これを7%仔ウシ胎児血清(ギブコGibco社製)添加ブルセラブロス(ディフコDifco社製)を用いて、7.5倍希釈して、200μg/ml 溶液を作製した。さらに同じ培地を使用して、2倍段階希釈を行った。この薬剤液50μl に、同量の菌液(7%仔ウシ胎児血清添加ブルセラブロスにて懸濁)を加えた。試験化合物の終濃度は、以下の通りであった。
終濃度:100, 50, 25, 12.5, 6.25, 3.125, 1.563, 0.781, 0.391, 0.195, 0.098, 0.049, 0.024μg/ml
対照として、2−アミノフェノキサジン−3−オンを含まない同量のエタノールを用い、同様に希釈して用いた。
ブルセラ寒天培地を所定量はかり、精製水で溶解し、121℃、15分間滅菌する。滅菌終了後50℃に保温しておく。これに馬脱繊維血を7%の割合で混入し、馬血液寒天培地とする。
深冷凍(−80℃)された各グリセロールストック菌液を溶解後、その各0.1mlを直ちに、前記の7%馬脱繊維血添加プルセラ寒天培地に塗布し、37℃、5日間、CO2 10%、O2 5%、N2 85%の微好気条件下(商品名:微好気培養パック「ヘリコパック」、株式会社スギヤマゲン製)で培養した。培養器は、三洋電機株式会社製、三洋インキュベーターMIR-252を使用した。
1mlのエタノール(特級、和光純薬株式会社製)に1.5mgの2−アミノフェノキサジン−3−オンを含む原液を作製した。これを7%仔ウシ胎児血清(ギブコGibco社製)添加ブルセラブロス(ディフコDifco社製)を用いて、7.5倍希釈して、200μg/ml 溶液を作製した。さらに同じ培地を使用して、2倍段階希釈を行った。この薬剤液50μl に、同量の菌液(7%仔ウシ胎児血清添加ブルセラブロスにて懸濁)を加え、96-well microplateにて培養をおこなった。 CO2 10%、O2 5%、N2 85%の微好気条件下(商品名:微好気培養パック「ヘリコパック」、株式会社スギヤマゲン製)で、37℃で培養した。なお、培養3日後に発育不十分の菌株を認めたため、MICの最終判定を培養4日目に行った。その結果を、表1に示す。
(1) 試験化合物
上記製造例で製造された2−アミノフェノキサジン−3−オンを用いた。
薬剤含有寒天平板の作成は、2倍段階希釈した薬剤を含む、7%仔ウシ胎児血清添加ブルセラ寒天培地(試験化合物1ml、FCS 1.4ml、ブルセラ寒天培地17.6ml とした)を作成した。
実施例1と同様に行った。接種には、20時間培養菌の10倍希釈菌液を用いた。
NCCLSガイドラインM100−S9に準じておこなった(National Committee for Clinical Laboratory Standards: Performance standards for antimicrobial susceptibility testing: ninth informational supplement. M100-S9, 1999)。すなわち、CO2 10%、O2 5%、N2 85%の微好気条件下(商品名:微好気培養パック「ヘリコパック」、株式会社スギヤマゲン製)、7%仔ウシ胎児血清添加ブルセラブロスで、37℃、20時間、振とう培養した菌液の10倍希釈液を接種菌液とした。7%仔ウシ胎児血清添加ブルセラブロスで2倍段階希釈した試験化合物を含む寒天平板培地に接種し、微好気条件下(商品名:微好気培養パック「ヘリコパック」、株式会社スギヤマゲン製)を用いて、37℃、72時間培養後、寒天平板培地上に発育したコロニーの有無を観察しMICを判定した、なお、予備実験として、H. pylori TK1029菌株を用い、McFarland No.2 の濁度になるように懸濁した菌液のH. pylori 生菌数を測定し、1.0×107〜1.0〜108 CFU/mlであることを確認した。また、Quality Control株として、H. pyroli ATCC43504を用い、同様にMICを測定し、NCCLSガイドラインの定める精度管理基準を満たしていることを確認した。判定は、37℃、微好気環境下で3日間培養し発育コロニーの有無を観察した。その結果を、表2に示す。
微量液体希釈法による最小発育阻止濃度測定法を使用し、以下の試験をおこなった。
1) 2−アミノフェノキサジン−3−オン誘導体
2−アミノ−4,4a−ジヒドロ−4a,7−ジメチル−3H−フェノキサジン−3−オン(以下、化合物a とする)は、Akio Tomoda et al., An Improved Method for the Rapid Preparation of 2-Amino-4,4a-dihydro-4a,7-dimethyl-3H-phenoxazine-3-one, a Novel Antitumor Agent, Bioorganic & chemistry Letters, 11, 1057-1058 (2001)に記載の方法に従い製造した。
3−アミノ−1,4a−ジヒドロ−4a,8−ジメチル−2H−フェノキサジン−2−オン(以下、化合物b とする)は、Akio Tomoda et al., Oxidative Condensation of 2-Amino-4-Methylphenol to Dihydrophenoxazinone Compound by Human Hemoglobin, J. Biochem. 110, 1004-1007 (1991)に記載の方法に従い製造した。
試験化合物として、2−アミノフェノキサジン-3−オンを使用した以外は、実施例1と同様に実験をおこなった。CO2 10%、O2 5%、N2 85%の微好気条件下(商品名:微好気培養パック「ヘリコパック」、株式会社スギヤマゲン製)で、37℃、4日間培養した。4日間培養後、コントロールに発育が認められることを確認し、MICを判定した。その結果を、表4に示す。
Claims (6)
- 2−アミノフェノキサジン−3−オン又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステルを有効成分として含有する、抗ヘリコバクター剤。
- 前記ヘリコバクターが、ヘリコバクター・ピロリである、請求項1に記載の抗ヘリコバクター剤。
- 2−アミノフェノキサジン−3−オン又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステルを有効成分として含有する、ヘリコバクター属細菌が関与する消化器疾患の予防剤、再発予防剤又は治療剤。
- 前記ヘリコバクター属細菌が、ヘリコバクター・ピロリである、請求項3に記載の消化器疾患の予防剤、再発予防剤又は治療剤。
- 前記ヘリコバクター・ピロリが胃内に存在する、請求項4に記載の消化器疾患の予防剤、再発予防剤又は治療剤。
- ヘリコバクター・ピロリ属細菌が関与する前記消化器疾患が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃癌、MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫、又はRLH(reactive lymphoreticular hyperplasia)である、請求項4に記載の予防剤、再発予防剤又は治療剤。
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