JP4621489B2 - 工具保持装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明によれば、本体と、係止部材と、切換手段とを有する工具保持装置が構成される。本体は、工具ビットが抜き取り可能に挿入されるビット挿入孔を有する。係止部材は、ビット挿入孔に挿入された工具ビットに係止することで当該工具ビットのビット挿入孔からの抜き取りを規制する係止位置と、工具ビットから離間することで当該工具ビットのビット挿入孔からの抜き取りを許容する係止解除位置との間で移動可能とされる。切換手段は、係止部材を、係止位置と係止解除位置とに切換える。なお本発明における「工具保持装置」は、典型的には、ハンマやハンマドリルのように、工具ビットが長軸方向に打撃動作のみを行う、あるいは打撃動作と回転動作とを行う衝撃工具に好適に適用されるが、これに限らず、例えば工具ビットが周方向に回転動作することでねじ締め作業や穴開け作業を行うスクリュードライバ、インパクトドライバ、インパクトレンチ、あるいはドリル等の回転工具に適用しても差し支えない。また「工具ビットに係止する」態様としては、典型的には、係止部材が、工具ビットの外面に形成された長軸方向の溝に嵌り込んで係止する態様がこれに該当する。この場合、「工具保持装置」をハンマやハンマドリルのような衝撃工具に適用する場合であれば、係止部材が溝に対し長軸方向に所定の係止長さを有する(軸方向の移動案内機能を有する)構成であることが好ましい。また「切換手段」としては、本体の外側に配置され、工具ビットの長軸方向に直線状に移動することで当該係止部材を係止位置と係止解除位置とに切換える態様、あるいは周方向に回動することで当該係止部材を係止位置と係止解除位置とに切換える態様のいずれも好適に包含する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の工具保持装置における係止部材は、本体に対し径方向への移動可能に取付けられて一端がビット挿入孔に臨み他端が外側に突出されるとともに、当該突出された突出部には径方向と交差する方向に突出する翼片を有しており、当該翼片は、本体または切換手段と係合し、切換手段の係止位置から係止解除位置への切換操作時には、係止部材を工具ビットの径方向へ離間させ、工具ビットがビット挿入孔から抜き取られた状態では、当該係止部材がビット挿入孔に脱落しないように規制する構成とされる。本発明によれば、翼片が、係止部材を工具ビットの径方向へ離間させる機能と、係止部材のビット挿入孔への脱落防止機能とを兼用する構成のため、構造の簡素化を図る上でより有効とされる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の工具保持装置における工具ビットは、長軸方向に延在する第1および第2の溝を周方向に所定間隔で備えた構成とされる。そして第1の溝には係止部材が係止することで工具ビットのビット挿入孔からの抜き取りが規制され、第2の溝には本体に設けられたトルク伝達用のトルク伝達部が係止することで当該本体の回転力が工具ビットに伝達される構成としている。なお本発明における「工具保持装置」は、ハンマドリルやドリルあるいはスクリュードライバのように「工具ビット」が回転動作することで所定の加工作業を行う作業工具に好適に適用される。本発明によれば、工具ビットに対するトルク伝達と、工具ビットの抜き取り規制とを異なる溝で行う構成であり、係止部材に周方向の負荷が掛からない。なお、第1の溝、第2の溝は、それぞれ複数でもよく、また第1の溝と第2の溝で数が異なっていてもよい。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の工具保持装置における係止部材は、工具ビットに設けた長軸方向に延在する溝と係合することで当該工具ビットのビット挿入孔からの抜き取りを規制するとともに、本体の回転力を工具ビットに伝達するトルク伝達部を兼用する構成とされる。なお本発明における「工具保持装置」は、請求項3に記載の発明と同様、ハンマドリルやドリルあるいはスクリュードライバのように「工具ビット」が回転動作することで所定の加工作業を行う作業工具に好適に適用される。本発明によれば、係止部材が工具ビットのビット挿入孔からの抜き取り規制と回転力の伝達とを兼用する構成のため、工具保持装置の部品点数を減少して構造の簡素化を図ることができる。
本実施の形態は、工具保持装置を電動式ハンマドリルに適用した場合として説明する。図1は電動式のハンマドリル101の全体構成を示す側面図である。図1に示すように、ハンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103、当該本体部103の先端領域(図1の左側)に備えられる工具保持装置104、本体部103の後端部(図1の右側)に取付けられて加工作業時に作業者の手で把持されるハンドグリップ109を主体として構成される。工具保持装置104には、ドリルビット125が長軸方向には相対移動可能とされ、周方向には一体回転するように装着される。ドリルビット125は、本発明における「先端工具」対応する。なお説明の便宜上、ドリルビット125側を前、ハンドグリップ109側を後という。
上述したように、ドリルビット125がツールホルダ131のビット挿入孔133に挿入されていない状態では、圧縮コイルバネ147の付勢力でツールスリーブ137は、前側位置に保持されている。この位置では、ツールスリーブ137側の円板149で外側突出端部135bを押された係止爪135は、カムリング151のカム面151bによって径方向内側へと移動され、内側端部135aがビット挿入孔133に突出している。この状態において、ドリルビット125の軸部をビット挿入孔133に挿入すると、図3に示すように、当該ドリルビット125の軸端部が係止爪135の内側端部135aに当接(図3の下側参照)してこれを押す。このため、内側端部135aを押された係止爪135は、後方(ビット挿入孔133の奥側)へと移動し、この係止爪135の移動により円板149を介してツールスリーブ137が圧縮コイルバネ147を圧縮しつつ後方へと移動される。そして係止爪135は、その傾斜面135cがカムリング151から離間することに伴いドリルビット125の軸端部によって径方向へと押される。すなわち、係止爪135は、軸方向後方へと移動しつつ径方向外側へと移動する(図3の上側参照)。その結果、内側端部135aがビット挿入孔133から引っ込みドリルビット125の更なる挿入を許容する。その後、内側端部135aがドリルビット125の係止溝125bに対向すると、圧縮コイルバネ147の付勢力によって係止爪135およびツールスリーブ137がそれぞれ前方へ移動されるとともに、係止爪135がカムリング151のカム面151bで径方向内側へと移動されることで内側端部135aが係止溝125bに嵌り込み、またツールスリーブ137が初期位置としての前側位置に復帰される。かくして、ドリルビット125は、係止爪135により抜き取りが規制された状態に装着される(図2参照)。なおドリルビット125のビット挿入孔133への挿入は、トルク伝達用突起139にトルク伝達溝125aの位置を合わせた状態で行う。
103 本体部
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
109 ハンドグリップ
111 駆動モータ
113 クランク機構
115 打撃要素
117 動力伝達機構
119 シリンダ
121 トリガ
123 電源スイッチ
125 ドリルビット(工具ビット)
125a トルク伝達溝(第1の溝)
125b 係止溝(第2の溝)
131 ツールホルダ(本体)
133 ビット挿入孔
135 係止爪
135a 内側端部
135b 外側突出端部(突出部)
135c 傾斜面
137 ツールスリーブ
137a 円筒部
139 トルク伝達用突起(トルク伝達部)
141 長孔
143 翼片
145 ガイド面
145a 平面領域
145b 斜面領域
147 圧縮コイルバネ
149 円板
151 カムリング
151a フランジ部
151b カム面
153 円板
155 防塵カバー
Claims (4)
- 工具ビットが抜き取り可能に挿入されるビット挿入孔を有する本体と、
前記ビット挿入孔に挿入された工具ビットに係止することで当該工具ビットの前記ビット挿入孔からの抜き取りを規制する係止位置と、前記工具ビットから離間することで当該工具ビットの前記ビット挿入孔からの抜き取りを許容する係止解除位置との間で移動可能とされた係止部材と、
前記係止部材を、前記係止位置と前記係止解除位置とに切換える切換手段と、を有する工具保持装置であって、
前記係止部材は、前記工具ビットから当該工具ビットの径方向に離間することで当該工具ビットに対する係止を解除する構成とされるとともに、前記本体または切換手段と係合する係合領域を有し、当該係合領域では、前記係止部材、前記本体または前記切換手段の少なくとも1つに前記工具ビットの長軸方向に延在する傾斜部が形成され、
前記係止部材は、前記切換手段の前記係止位置から前記係止解除位置への切換操作に連動して前記傾斜部による乗り上げによって径方向外側へと移動され、これにより当該工具ビットの径方向に離間される構成としたことを特徴とする工具保持装置。 - 請求項1に記載の工具保持装置であって、
前記係止部材は、前記本体に対し径方向への移動可能に取付けられて一端が前記ビット挿入孔に臨み他端が外側に突出されるとともに、当該突出された突出部には径方向と交差する方向に突出する翼片を有しており、当該翼片は、前記本体または前記切換手段と係合し、当該切換手段の係止位置から係止解除位置への切換操作時には、前記係止部材を前記工具ビットの径方向へ離間させ、前記工具ビットが前記ビット挿入孔から抜き取られた状態では、当該係止部材が前記ビット挿入孔に脱落しないように規制する構成としたことを特徴とする工具保持装置。 - 請求項1または2に記載の工具保持装置であって、
前記工具ビットは、長軸方向に延在する第1および第2の溝を周方向に所定間隔で備えており、前記第1の溝には前記係止部材が係止することで当該工具ビットの前記ビット挿入孔からの抜き取りが規制され、前記第2の溝には前記本体に設けられたトルク伝達用のトルク伝達部が係止することで当該本体の回転力が前記工具ビットに伝達される構成としたことを特徴とする工具保持装置。 - 請求項1または2に記載の工具保持装置であって、
前記係止部材は、前記工具ビットに設けた長軸方向に延在する溝と係合することで当該工具ビットの前記ビット挿入孔からの抜き取りを規制するとともに、前記本体の回転力を前記工具ビットに伝達するトルク伝達部を兼用する構成としたことを特徴とする工具保持装置。
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2004
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