JP4621481B2 - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイシング工程において、電極形成された半導体ウエハの裏面を研磨し、この研磨面にダイシングテープを貼り付けて、前記ウエハのみを分割して半導体チップとし、このチップが貼り付いたダイシングテープに紫外線照射を行い、該チップをダイシングテープから剥離する半導体チップの製造方法に係り、特に、紫外線照射後の半導体チップとダイシングテープとの密着性を緩和して剥離する半導体チップの製造方法に関する。
従来、半導体ウエハから半導体チップを製造する方法としては、電極形成された半導体ウエハの裏面を研磨し、この研磨面にダイシングテープに貼り付けて、この密着状態の半導体ウエハをダイシングすることで半導体チップに分割し、このチップが貼り付いたダイシングテープに紫外線を照射し、この半導体チップをダイシングテープから剥離(ピックアップ)する工程を行うことが一般的である。
たとえば、特許文献1には、粘着テープ上に貼り付けられた半導体ウエハを複数の半導体チップに分割し、粘着テープに対して所定のエネルギーを加えて粘着テープの硬度をチップ分割時よりも低くし、半導体チップをピックアップする半導体集積回路装置の製造方法が提案されている。
また、特許文献2には、ダイシングテープに貼り付けられた半導体ウエハをICチップに分割し、ICチップが貼り付いたテープ下面に対して先端が円錐台形状のペパーポットを押しあてて、該ペパーポット内に配置したニードルをテープ下面に対して略垂直方向に突き上げて、ICチップをダイシングテープからピックアップするICチップの取り扱いの方法が提案されている。
特開平5−267450号公報 特開平6−314709号公報
ところで、このような半導体ウエハは、パターニング工程において、ウエハのそり防止と強度確保の目的から、所定厚みを持たせる必要がある。そして、その後のウエハを分割した半導体チップの厚みは、製品ごとに規定されているので、上記パターニング工程後にその厚みを薄くする必要がある。そこで、半導体ウエハを分割して半導体チップにする前に、例えばダイヤモンドなどの砥粒を埋め込んだ砥石を高速回転で回転させて、上記パターニング処理を施していない面、すなわち電極形成された半導体ウエハの裏面(ウエハ裏面)を研磨している。
そして、この研磨面(ウエハ裏面)にダイシングテープを貼り付け、その後ダイシングテープから半導体チップを剥離させる前に、テープの粘着剤の架橋等の反応をさせて凝集力を上げ、粘着力を低下させる目的で、ダイシングテープに紫外線を照射させている。しかし、この研磨面は、表面エネルギーが高まって活性化しており、ダイシングテープとの親和性がよいので、通常のウエハ裏面よりも約150〜200%近くの粘着力が上がることがわかっている。よって、このウエハ裏面は、たとえダイシングテープに紫外線を照射したとしてもテープと密着性が良いので、その後、ダイシングテープからのチップの剥離性が悪くなる。
さらに、研磨条件などによっても、そのウエハ裏面は変化するので、ウエハ裏面の状態に合わせて適切な粘着強度のダンシングテープを選定するのは難しい。そして、上記のように半導体チップをピックアップする際に、ダイシングテープとウエハとの密着性が高い場合には、半導体チップが破損する虞があった。
さらにまた、近年ICを積層する3次元実装技術の開発等に伴い、半導体ウエハの厚みは、数十μmのレベルで要求されており、この厚みになるとウエハは、通常のフィルムのように変形しやすく、かつ非常に脆いため、半導体チップをダイシングテープから剥離する際に、チップを破損し易く、不良率は高かった。これに加え、より多種多様の半導体チップを一度に大量生産するために、半導体ウエハは今後さらに大型化する傾向にあり、このウエハの大型化にともない、研磨したウエハ裏面を均質な状態にすることは難しく、ウエハ裏面とダイシングテープとの粘着力にばらつきが生じやすい。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、紫外線照射後の半導体チップとダイシングテープとの密着性(粘着力)を緩和して、剥離性を向上することができる半導体チップの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、半導体ウエハとダイシングテープとの粘着力が調整可能なダイシングテープを開発するよりも、そのウエハ裏面を安定的に改質する処理を行う方がより確実に上記の課題を解決できると考え、多くの実験と研究を行うことにより、研磨したウエハ裏面とダイシングテープとの親和性は、その活性化された面に形成されるシラノール基(Si−OH)により、表面が親水性を有することに起因するとの知見を得た。そして、発明者らは、この親和性を改質する(親水性を疎水性に改質する)には、シラノール基の水酸基を例えばアルキル基など他の基に置換することが必要であり、この置換反応としてシリル化反応に着眼した。さらに、このシリル化反応を起こすためのシリル化剤としては、ウエハの物性に影響を与えにくいHMDS(ヘキサメチルジシラザン)が好適であるとの知見を得た。
本発明は、本発明者らが得た上記の新たな知見に基づくものであり、本発明に係る半導体チップの製造方法は、ダイシング工程において、電極形成された半導体ウエハの裏面にダイシングテープを貼り付け、該半導体ウエハのみを分割して半導体チップとし、該半導体チップを前記ダイシングテープから剥離する半導体チップの製造方法であって、前記半導体ウエハの前記裏面をHMDSからなるシリル化剤で処理してから、前記半導体ウエハの前記裏面に前記ダイシングテープを貼り付けることを特徴とする。
このような半導体チップの製造方法は、電極形成された面を表面とした半導体ウエハの裏面をHMDSからなるシリル化剤で処理すること、すなわち、HMDSからなるシリル剤を、研磨された半導体ウエハの裏面(ウエハ裏面)に晒すことにより、そのウエハ裏面のシラノール基の水酸基をアルキル基に置換反応させる。この化学反応した表面(ウエハ裏面)は、安定しており、研磨条件によってダイシングテープを選定することなく、ダイシングテープに対する密着性(粘着力)が緩和されて剥離性が向上するので、半導体チップを損傷すること無く、ダイシングテープから容易に剥離することができる。また、短時間で表面改質をすることができるので、半導体チップの生産性は向上する。
好ましい態様としては、本発明に係る半導体チップの製造方法は、前記半導体ウエハの前記裏面を前記シリル化剤で処理するときは、該シリル化剤の蒸気又はガスに接触させて、前記半導体ウエハの前記裏面の処理をおこなう。また、該シリル化剤を飽和蒸気状態にし、該飽和蒸気状態のシリル化剤を前記半導体ウエハの前記裏面に晒すことにより処理を行ってもよい。このように蒸気又はガスの状態のHMDSからなるシリル化剤を用いると、ウエハ裏面は気相反応をすることができるので、ムラ無く均一にウエハ裏面を改質することができる。特に、シリル化剤を飽和蒸気状態にすることで、管理しやすく、シリル化反応の反応速度もよいので、より短時間でウエハ裏面を改質することができる。
また好ましい態様としては、本発明に係る半導体チップの製造方法は、前記半導体ウエハの前記裏面を前記シリル化剤で処理する前に、前記半導体ウエハの前記裏面を活性化する処理を行う。このウエハ裏面の活性化処理により、ウエハ裏面にシラノール基(Si−OH)が増加する。そして、この増加したシラノール基の水酸基をHMDSによりアルキル基に置換反応するので、さらにダイシングテープとの密着性は緩和される。
好ましい態様としては、この活性化処理は、前記半導体ウエハの裏面にプラズマ化したガスを吹付けるプラズマ処理、又は、コロナ放電により生成したガス、すなわちコロナ放電した空間を通過したガスを吹付ける処理である。そして、好適に活性化処理ができるガスとしては、大気、希ガス、窒素、水素、又はこれらの混合ガスが挙げられる。また別の好ましい態様としては、この活性化処理は、前記半導体ウエハの裏面に紫外線を照射する処理である。このように、ウエハ裏面に対して直接的にグロー放電をさせるのではなく、ガスを一旦プラズマ化し、このプラズマ化したガスを吹付けることで、半導体ウエハの電極形成部に損傷なくマイルドに、そのウエハ裏面を活性化することができる。また、ウエハ裏面に紫外線を照射した場合も、同様に、半導体ウエハの電極形成部を損傷することなく、活性化することができる。
本発明の半導体チップ製造方法によると、電極形成された半導体ウエハの裏面を均一に改質して、紫外線照射後の剥離時における半導体チップとダイシングテープとの密着性(粘着力)を緩和することができる。よって、半導体チップを損傷することなくダイシングテープから剥離することができ、半導体チップの歩留まりを向上させることができる。また、この半導体チップ製造方法は、シリル化反応を利用しているので、短時間でウエハ裏面を安定して改質することができ、半導体チップの生産性が向上する。
以下図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による半導体チップの製造方法の一実施形態を示すダイシング工程を説明するための模式図であり、(a)は研磨、(b)は活性化処理、(c)はシリル化処理、(d)はテープ貼り付け、(e)はダイシング、(f)はピックアップの各作業を説明するための図である。また、図1には、本実施形態の半導体チップの製造方法に使用する、研磨装置2、プラズマ処理装置3、処理容器4、ダイシング装置5、ピックアップ装置6を示している。
図1の(a)に示すように、研磨装置2は、前工程でパターニング処理が施され、電極形成された回路部11とシリコン(Si)が素材である基材部12とからなる半導体ウエハ10を固定台に配置して、その基材部12の表面(表の面に電極形成された半導体ウエハの裏面:以降、ウエハ裏面という)12aを研磨する装置であって、装置本体21、砥石22、固定台23を備えている。装置本体21は、固定台23に対して上下方向に移動可能であり、円板状の砥石22を回転駆動させる駆動源(図示せず)を備えている。そして、装置本体21の砥石22の回転軸が、半導体ウエハ10を載置する固定台表面に対して垂直となるように、装置本体21が配置されている。また、装置本体21に回転可能に取り付けられた砥石22の表面には、ダイヤモンドからなる砥粒22aが結合材によって結合している。
図1の(b)に示すプラズマ処理装置3は、研磨されたウエハ裏面(研磨面)12aを活性化するための装置であって、処理ヘッド30と、電源33a、アース33b、ガス供給源34、移動手段35、及び固定台36を備えている。処理ヘッド30には、1対の平行電極31,32が対向配置されており、一方の電極31には、電源33aが接続され、他方の電極32には、アース33bが接続されている。このような構成により、電極間に電圧が印加することができ、電源33aは、印加電圧の周波数および電力を調整できるように構成されている。
また、このガス供給源34には、ガスが充填されており、このガスとしては、大気、希ガス、窒素、水素、又はこれらの混合ガスが用いられ、該ガスは化学的に安定した気体であるので好ましい。そして、このガスは、電極間に形成された間隙に流れるようになっている。さらに、移動手段35は、例えば電気モータなどの駆動源を有して、固定台36に対して処理ヘッド30が相対移動(ウエハ裏面12aをスキャン)するように構成されている。また、半導体ウエハ10と処理ヘッド30とが相対的に移動していればよいので、その移動方向は一方向ばかりではなく双方向に移動してもよく、さらに処理ヘッド30に対して半導体ウエハ10を移動させるような構成にしてもよい。
図1の(c)に示す処理容器4は、容器内に半導体ウエハ10を設置して、上記活性化したウエハ裏面12aをHMDSでシリル化反応をさせるための容器であって、蓋体41、容器本体42、及びシャーレ43からなる。そして、容器本体42は、上部に開口を有し、内部に半導体ウエハ10が設置可能な空間を形成し、上方に蓋体41を配置することで、内部空間が密閉可能となっている。また、その内部空間の底面中央には、液体のHMDS14が入ったシャーレ43が配置されている。さらに、この容器4は、その内部に半導体ウエハ10が横方向に(ウエハ裏面12aが上下方向となる向き)配置可能なように構成されている。しかし、HMDSの蒸気がウエハ裏面12aに接触可能であるならば、半導体ウエハ10の配置構成は特に限定されるものではない。
さらに、この処理容器4は、容器内を加熱する加熱機器と、その温度を管理する温度計とを備えてもよく、このような機器を備えることでHMDS14を飽和蒸気となる温度まで加熱することができる。なお、図1の(d)は、半導体ウエハ10をダイシングテープ13に貼り付けた状態を示しており、このテープ貼り付け工程では、特に装置は使用しないが、均一の圧力で半導体ウエハ10がダイシングテープ13に密着させるような圧着装置を用いて、貼り付け作業を行っても良い。
図1の(e)に示すダイシング装置5は、半導体ウエハ10のみを分割して(後述するダイシングテープ13は分割しない)半導体チップ15にする装置であって、装置本体51とブレード52とを備えている。装置本体51は、その下方に配置した半導体ウエハ10に対して上下方向に移動可能であり、円板状のブレード52を回転駆動させる駆動源(図示せず)を備えている。そして、装置本体51は、回転したブレード52が、半導体ウエハ10を押圧可能な方向に、ブレード52を取り付けている。またこのブレード52の外周表面には、ダイヤモンドからなる砥粒22aが結合材を介して結合している。
図1の(f)に示すピックアップ装置6は、半導体チップ15をダイシングテープ13から剥離し、この剥離した半導体チップ15を把持するための装置であって、主に、ニードル61とコレット62とを備えている。ニードル61は、分割された半導体チップ15を、ダイシングテープ13から剥離するための機器であり、ニードル61の先端は尖っており、チップ15の下方からダイシングテープ13を押圧可能に上下動する構成となっている。また、コレット62は、半導体チップ15を上方へ吸引把持するための機器であり、チップ表面に当接可能に上下動する構成となっている。
上記した装置構成に基づいて、本実施形態に係る半導体チップの製造方法について説明する。
まず、図1の(a)に示すように、半導体ウエハ10の回路部11の表面に表面保護テープ16を貼り付けて、このウエハ裏面12aが砥石表面と対向するように、半導体ウエハ10を固定台23に載置する。次に、装置本体21の駆動源を起動さて砥石22を回転し、さらに、装置本体21を下降させる。そして、砥石22をウエハ裏面12aに押圧し、半導体ウエハ10を必要な厚みになるまで研磨する。
また、1つの砥石22のみを用いて、半導体ウエハ10の研磨をしているが、要求される半導体ウエハ10の基材部12の表面粗度に合わせて、粒度の異なる他の砥石を、段階的に使用して研磨を行っても良い。また、削り代が少ない場合には、ラッピング、ウエットエッチングなどにより、半導体ウエハ10の厚みを調整してもよい。
次に、図1の(b)に示すように、図1の(a)で研磨した半導体ウエハ10を、ウエハ裏面12aが処理ヘッド30の下面に対向するように、固定台36に載置する。そして、平行電極31,32の間に、ガス供給源34からガスを流し、電源33aの印加電圧の周波数および電力を調整して、電極間を通過するガスをプラズマ化する。プラズマ化されたガス3aは、ウエハ裏面12aに吹付けられ、その研磨したウエハ裏面12aの活性化処理を行う。さらに、ウエハ裏面12aの全体に対して、均一にプラズマ化したガス3aを吹付けることが可能なように、移動手段35を用いて、処理ヘッド30を移動させる。
このように、研磨したウエハ裏面12aを活性化することができるので、そのウエハ裏面12aにシラノール基(Si−OH)を増加させることができる。そして、この増加したシラノール基を、後述する工程で、HMDSによりシリル化反応させるので、ウエハ裏面12aとダイシングテープ13との粘着力はさらに緩和する。また、いわゆるリモートタイプのプラズマ処理装置3を用いて、プラズマ化したガス3aをウエハ裏面12aに流しているので、半導体ウエハ10の電極形成部である回路部11にダメージを与えることなく、確実にウエハ裏面12aを活性化することができる。
さらにまた、このウエハ裏面12aの活性化ために、プラズマ処理装置3でプラズマ化したガス3aを吹付ける代わりに、コロナ放電処理装置を用いて、コロナ放電させた空間に、先に示したガスを通過させ、このガス(コロナ放電により生成したガス)をウエハ裏面12aに吹付けても、同様の効果が得られる。また、紫外線照射装置を用いて、紫外線をウエハ裏面12aに照射する処理を行っても、半導体ウエハ10の電極形成部である回路部11にダメージなく活性化することができる。
そして、図1の(c)に示すように、図1の(b)に示す活性化処理をおこなった半導体ウエハ10を、容器本体42内に配置して、活性化したウエハ裏面12aにHMDSの蒸気を接触させる。このとき、容器内に加熱機器があれば、シャーレ43内のHMDS14を30℃まで加熱して、飽和蒸気にすることができ、より効率的にHMDSの蒸気をウエハ裏面12aに接触することができる。
このように、シリル化剤であるHMDSを蒸気(好ましくは飽和蒸気)にし、気相でシリル化剤をウエハ裏面12aに晒し、ウエハ裏面12aのシラノール基の水酸基をアルキル基に置換反応(シリル化反応)する、シリル化処理を行うので、短時間で均一にウエハ裏面12aを改質することができる。また、ウエハ裏面12aにHMDSを均一に塗布できるのであれば、例えば、液体のHMDSをウエハ裏面12aに噴霧して、この裏面のシラノール基を液相反応させてもよい。また、HMDSを気化させたガスを用いて、この裏面のシラノール基を気相反応させてもよい。
さらに、図1の(d)に示すように、半導体ウエハ10の回路部11に貼り付けた表面保護テープ16を剥離し、シリル化処理を行ったウエハ裏面12aに、ダイシングテープ13を貼り付ける。ここに示すダイシングテープ13は、ポリエステルや、伸縮性のあるポリ塩化ビニルやポリエチレンなどのフィルムを支持体に使用し、紫外線によって硬化する粘着剤を使用した粘着テープであり、この他にも、紫外線によって、ウエハとテープの接着界面にガスが発生する粘着剤を使用した自己剥離型粘着テープを用いてもよい。
そして、図1の(e)に示すように、回転させたブレード52を、図1の(d)に示す半導体ウエハ10の表面(回路部11の表面)に押圧し、切削することにより、半導体チップ15に分割する。図では、半導体ウエハ10をフルカットダイシングしているが、ウエハ厚さの途中の深さまでブレード52を用いて切り込みを入れるハーフカットダイシング処理後、この切り込みに沿って割るようなブレーキング処理を行って、半導体チップ15に分割してもよい。そして、図1の(e)の分割後に、図示する下方からダイシングテープ表面に、紫外線を照射させて、粘着剤を硬化させ、粘着力を低下させている(図示せず)。
図1の(f)に示すように、分割した半導体チップ15をダイシングテープ13の下方から、ニードル61を突き上げて、半導体チップ15をダイシングテープ13から剥離させる。この剥離させた半導体チップ15をコレット62で吸引把持する。
このように、半導体チップ15を、ダイシングテープ13から剥離させる場合には、ダイシングテープ13を半導体ウエハ10に貼り付ける前に、ウエハ裏面12aのシラノール基の水酸基をアルキル基に置換反応(シリル化反応)し、ウエハ裏面12aは改質しているので、紫外線照射後の半導体チップ15を損傷すること無く剥離することができる。また、ウエハ裏面12aをシリル化剤で処理する前に、ウエハ裏面12aを活性化処理することで、さらに剥離性を向上ことができる。
上述した本実施形態により実施したいくつかの実施例を以下に示す。
(実施例1〜3)
実施例1:基材部と回路部からなる半導体ウエハを準備し、ウエハ裏面(電極形成された半導体ウエハの裏面)を研磨した。そして、液体のHMDSを30℃に保持し飽和蒸気状態とし、この飽和蒸気状態のHMDSを60秒間接触させた。
実施例2:実施例1と同等の半導体ウエハを準備し、実施例1と同じく、そのウエハ裏面の研磨を行った。そして常圧プラズマ装置AP−T05(積水化学工業製)を用いて、処理幅150mm、クリアランス1mmで配置した電極の間に、電力280W、周波数20KHzの条件で電圧を印加し、この電極間に窒素ガスのみからなるガスを25L/m流してプラズマ化し、該ガスをこの研磨面に吹付けて、活性化処理を行った。さらに、装置の処理ヘッドを、100mm/分の条件で、この活性化したウエハ裏面に対して相対移動させ、実施例1と同条件で、この活性化したウエハ裏面を飽和蒸気状態のHMDSに晒して、シリル化処理をおこなった。
実施例3:実施例1と同等の半導体ウエハを準備し、そのウエハ裏面の研磨を行った。そして、この研磨面に3.1mW/cm、30分の条件で、紫外線を照射し、活性化処理をおこなった。さらに、この活性化したウエハ裏面を実施例1と同条件で、飽和蒸気状態のHMDSに晒して、シリル化処理を行った。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同じ半導体ウエハを準備し、実施例1と同じく、そのウエハ裏面の研磨のみを行った。
実施例1〜3、比較例1のウエハ裏面に対して水を接触させて、その接触角度を測定した。この結果を以下の表1に示す。なお参考例は、上述した研磨を行う前のウエハ裏面の接触角度を示している。
Figure 0004621481
実施例1〜3の処理を行ったものは、比較例1の研磨処理のみのものに比べ、接触角度が大きい。また、実施例2、3の如き活性化処理を行った後にHMDSの処理を行ったものは、実施例1如きHMDSの処理のみを行ったものに比べ、さらに接触角度が大きい。
この結果から、実施例1〜3は、ウエハ裏面にHMDSを接触させたことによって、比較例1に比べ接触角が大きくなったと考えられる。そして、接触角が大きいことから、実施例1〜3のウエハ裏面は、比較例1のウエハ裏面とは異なり、シラノール基の水酸基がアルキル基に置換反応し、ウエハ裏面が改質された(疎水性になった)考えられ、ダイシングテープに対する剥離性が向上する(密着性を緩和する)と考えられる。
さらに、ウエハ裏面をHMDSに接触させる前に、そのウエハ裏面を活性化処理するとシラノール基が増加するので、シリル化反応により、増加したシラノール基の水酸基がアルキル基に置換されるので表面改質の効果がさらに得られ、ダイシングテープに対する剥離性はより向上すると考えられる。なお、比較例1と参考例1を比べると、半導体ウエハの裏面を研磨することで、シラノール基が増加し、その研磨面の性質は、親水性になったと考えられる。
(実施例4)
実施例4は、実施例2と同じ条件で半導体ウエハの裏面を処理し、この処理面に、25mm幅のUV硬化型ダイシングテープSUMILITE−FSL−N4605(住友ベークライト製)を貼り付けて、ダイシングテープに照度80mW/cm、積算光量180〜200J/cmの範囲に収まるように紫外線を照射した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1と同じ半導体ウエハを準備し、実施例1と同じく、そのウエハ裏面の研磨のみを行い、この研磨面に、実施例4と同じダイシングテープを貼り付けて、実施例4と同一条件で作業をおこなった。
そして、実施例4及び比較例2におけるウエハ裏面とダイシングテープとの粘着力を測定した。具体的には、JIS−Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に準じて、引張り試験機を用いて、半導体ウエハに貼り付けたダイシングテープを引き剥がし、180°引き剥がし粘着力を測定した。
Figure 0004621481
実施例4の処理を行ったものは、比較例2のウエハ裏面の研磨処理のみのものに比べ、粘着力は小さかった。この結果から、実施例4は、ウエハ裏面を、活性化処理し、HMDSに晒したことによって、ウエハ裏面が改質し、その結果、比較例2よりも、紫外線照射後の密着性(粘着力)が緩和し、容易にチップをテープから剥離できたと考えられる。
以上、本発明の半導体チップの製造方法の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、電極形成された半導体ウエハの裏面に接触させるシリル化剤からなるHMDSを用いて処理を行ったが、半導体の物性およびHMDSのシリル化反応に影響を与えないものであれば他の物質が介在してもよく、また、HMDSをウエハ裏面に晒すことにより処理ができれば、例えば気相反応中のガス雰囲気が大気以外のガスであってもよく、その処理方法は特に限定されない。
また、ウエハ裏面の活性化処理に常圧プラズマ処理を行ったが、処理時にウエハの電極形成部にダメージを与えることがない処理であれば、例えば、低圧法のプラズマ処理でもよい。
図1は本発明による半導体チップの製造方法の一連の製造工程を説明するための図であり、(a)は研磨、(b)は活性化処理、(c)はシリル化処理、(d)はテープ貼り付け、(e)はダイシング、(f)はピックアップの作業を説明するための図。
符号の説明
2:研磨装置、3:プラズマ処理装置、3a:プラズマ化したガス、4:処理容器、5:ダイシング装置、6:ピックアップ装置、10:半導体ウエハ、11:回路部、12:基材部、12a:ウエハ裏面(基材部の表面)、13:ダイシングテープ、14:HMDS(シリル化剤)、15:半導体チップ、16:表面保護テープ、22:砥石、31,32:平行電極、34:ガス供給源、52:ブレード、61:ニードル、62:コレット

Claims (5)

  1. ダイシング工程において、電極形成された半導体ウエハの裏面にダイシングテープを貼り付け、該半導体ウエハのみを分割して半導体チップとし、該半導体チップを前記ダイシングテープから剥離する半導体チップの製造方法であって、
    前記半導体ウエハの前記裏面にプラズマ化したガスを吹付ける処理により、前記裏面を活性化する処理を行い、
    該活性化処理後に、前記半導体ウエハの前記裏面をHMDSからなるシリル化剤で処理してから、前記半導体ウエハの前記裏面に前記ダイシングテープを貼り付けることを特徴とする半導体チップの製造方法。
  2. ダイシング工程において、電極形成された半導体ウエハの裏面にダイシングテープを貼り付け、該半導体ウエハのみを分割して半導体チップとし、該半導体チップを前記ダイシングテープから剥離する半導体チップの製造方法であって、
    前記半導体ウエハの前記裏面にコロナ放電により生成したガスを吹付ける処理により、前記裏面を活性化する処理を行い、
    該活性化処理後に、前記半導体ウエハの前記裏面をHMDSからなるシリル化剤で処理してから、前記半導体ウエハの前記裏面に前記ダイシングテープを貼り付けることを特徴とする半導体チップの製造方法。
  3. ダイシング工程において、電極形成された半導体ウエハの裏面にダイシングテープを貼り付け、該半導体ウエハのみを分割して半導体チップとし、該半導体チップを前記ダイシングテープから剥離する半導体チップの製造方法であって、
    前記半導体ウエハの前記半導体ウエハの前記裏面に紫外線を照射する処理により、前記裏面を活性化する処理を行い、
    該活性化処理後に、前記半導体ウエハの前記裏面をHMDSからなるシリル化剤で処理してから、前記半導体ウエハの前記裏面に前記ダイシングテープを貼り付けることを特徴とする半導体チップの製造方法。
  4. 前記ガスは、大気、希ガス、窒素、水素、又はこれらの混合ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体チップの製造方法。
  5. 前記半導体ウエハの前記裏面を前記シリル化剤で処理するときは、該シリル化剤の蒸気又はガスに接触させて、前記半導体ウエハの前記裏面の処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
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