JP4621210B2 - 歯科用ブリッジ構造の作製および挿入のためのシステムおよび構成配置 - Google Patents

Description

本発明は、とりわけ、二つまたはそれ以上の異なる当事者に属する機器によって行われる多数の連続的機能ステップを用いて、実際の顎骨構造内で実際の歯科用ブリッジ構造を作製して挿入するためのシステムに関する。該機器は、識別機器、コンピュータ装置、ステレオリソグラフィ機器、物理的テンプレートを作製するための機器、咬合器と協働して作業模型を作製するための機器、歯科用ブリッジ構造を作製するための機器、および歯科用ブリッジ構造を顎骨構造内のインプラント上に嵌合するための挿入機器を含む。顎骨構造はここでは、例えば上顎または下顎の構造に関係することができる。本発明はまた、ステレオリソグラフィによって、かつコンピュータ装置からの情報を用いて作製され、一方では顎骨構造内のインプラント上に適用することのできる歯科用ブリッジ構造を作製するために、他方ではインプラント用の穴を形成するための穴形成手段、例えばドリルを案内するために使用されるテンプレートの構成配置にも関する。

問題の型のシステムは周知であり、とりわけ、同一出願人が出願したスウェーデン特許出願第０００４８８４‐３号を参照することができる。

また、一方では顎骨構造内に穴を形成するために、他方では歯科用ブリッジを作製するために、テンプレートを使用することも周知である。歯科分野でこれまで使用された手順、および基本的にかなりの手先の熟練に基づく構成配置を参考にすることができる。スウェーデン特許第０００４８８５‐０号、第０００４８８６‐８号、第０１０４４３１‐２号、第０１０４４３２‐０号、第０２０３８９８‐２号、第０２０３８９９‐０号、および第０２０３９００‐６号を参照することができる。

これまで使用されてきた手順および構成配置／補助具を例えば時間およびコストの観点から改善する明確な必要性がある。従って、例えばテンプレートの作製は３０〜５０％低減することができるべきであり、とりわけ、ステレオリソグラフィ機の使用時間を低減することができるべきである。時間およびコストの観点からの低減にもかかわらず、作製された製品／歯科用ブリッジの精度は、約０．１〜０．２ｍｍの許容差を維持しなければならない固定機能と同様に、高く維持しなければならない。システムおよび構成配置はまた、優れた作製および挿入結果が達成されるように、取扱いの観点から困難なものであってはならない。加えて、時間がかかりコスト集約的な特定の操作は排除しなければならず、例えば補綴物または作業模型を顎骨に対して正しい関係に戻す際の誤りの発生源を排除すべきである。

本発明は、とりわけこれらの問題を解決することを目的とする。

本発明では、残る操作もまた、市場においてすでに操作している当事者が取扱いかつ実行することのできる、充分に立証された困難でない技術を特徴とするものでなければならない。当事者は、技術および経済的側面から最適な仕方で協働することができなければならない。当事者の数は変動することができなければならず、かつ機能は試験、挿入および取扱い技術、ＳＴＬ（ステレオリソグラフィ技術）による作製および模型作製、ならびに歯科技工士による作製に分割することができなければならない。一つまたはそれ以上の機能の支援および可能な作製のために、例えばＰＲＯＣＥＲＡ（登録商標）型の歯科製品用の全自動生産システムを提供する高位当事者を使用することができる。

本発明はこの問題をも解決することを目的とする。

本発明に係るシステムを特徴付けると主にみなすことのできるものは、とりわけ、コンピュータ装置が、識別機器から送信されかつ顎骨構造の検出に基づく第一情報を受信してスクリーン上に提示するように設計されることである。コンピュータ装置には操作要素が配設され、それによって、一方では随伴する歯および象牙質を持つ視覚的顎骨構造に適用される視覚的歯科用ブリッジ構造に関し、他方では視覚的歯科用ブリッジ構造および視覚的顎骨構造内のインプラントの配向に関する修正情報を視覚的に入力することができる。さらに、コンピュータ装置は、第一情報および修正情報に基づいてＣＡＤファイルを作製しまたは生成させ、かつ該ＣＡＤファイルをステレオリソグラフィ機に送信するように構成される。ステレオリソグラフィ機は、インプラントの埋込み位置および長手方向を決定するように構成されたスリーブ用の貫通穴を随伴する物理的テンプレートを作製するための機器で処理することのできる第二情報を発行するように構成しなければならない。物理的テンプレートは一方では、作業模型の作製のための基礎を形成し、他方では、スリーブにより画定されかつ挿入機器（ドリル）を用いて実際の顎骨構造内に配置される穴形成でテンプレートとして働く。

識別およびコンピュータ装置は、患者を治療する当事者、例えば外科医または歯科医から構成される第一当事者に割り当てられることができる。ステレオリソグラフィ機は第二当事者に割り当てられることができる。テンプレート、作業模型、および実際の歯科用ブリッジ構造を作製するために機器は、第三当事者、例えば歯科技工士に割り当てられることができる。より高位の機器を持つ第四当事者も関与することができ、該第四当事者は、情報の提供および／または前記機能の一つまたはそれ以上もしくはその一部分の取扱いまたは作製を確実にすることができる。ステレオリソグラフィ機は、前記当事者のいずれもがアクセスすることができる。本発明に係るシステムのさらなる実施形態は、添付の特許請求の範囲でシステムに関する従属請求項に記載する。

本発明に係る構成配置は、テンプレートおよび歯科用ブリッジ構造に貫通穴が設けられ、該貫通穴にスリーブが設けられ、それを用いてインプラントの埋込みの程度およびインプラントの配向を決定することができることによって特徴付けられるとみなすことができる。

本発明の概念のさらなる展開では、スリーブには、テンプレートにおける関連する埋込みの程度を達成できるようにするための特殊な特徴を伴って設計される。一実施形態では、スリーブは歯科用セメントにより固定することができる。好適な実施形態では、テンプレートは、歯科用ブリッジが延在するように意図された顎骨上に延在する部分の象牙質または歯肉代用品に対応する材料または部分を再生するかあるいは含むように構成される。テンプレートは、前記機械で非常に低い収縮係数を持つプラスチック材から作製される。さらなる例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲で新規の構成配置に関する従属請求項に記載する。

上に提案したものを用いて、フィクスチャ計画（ｆｉｘｔｕｒｅ ｐｌａｎｎｉｎｇ）後に、計画ファイルをＣＡＤファイルに変換することができ、ＳＬＡ模型（高速プロトタイピング）はいわゆるＳＴＬ技術で注文することができる。模型の一部は患者の上顎または下顎をシミュレートすることができる一方、別の部分は患者の歯科用補綴物をシミュレートする。その後、作業模型が歯科技工所で作製される。テンプレートはＣＡＤを使用してコンピュータ上で計画することができ、全てのデータ情報を含む。これはＳＴＬ技術を用いてテンプレートを注文することができることを意味する。テンプレートが物理的な形に作製されるときに、それにドリル、インプラント、および固定用ピンを案内するためのスリーブを設けることができる。スリーブは、歯科用セメントで所定の位置に固定することができる。

その後、テンプレートは、対向する顎／顎骨の歯科用模型に対する咬合指標を用いて咬合器に装着される石膏の作業模型を作製するための印象として使用することができる。歯科用ブリッジは、得られた作業模型上で作製することができる。テンプレートはまた、作業模型の作製に関連して、顎骨内のインプラント上およびスペーサの周囲の歯肉代用品を形成する。

本発明に係るシステムおよび構成配置の現在提案する実施形態について、添付の図面を参照しながら以下で説明する。
図１は関係する機器および当事者をブロック図の形で示す。
図２は図１に係る機能チェーンの一部を図１に対して拡大した側面図および水平面図で示す。
図３はテンプレートに使用されるスリーブの二つの異なる実施形態を縦断面図で示す。
図４はインプラントに対するスリーブの適用、ならびにスリーブおよびインプラントの固定用ねじを縦断面図で示す。
図５はインプラント間の象牙質内に水平方向に延びる関連する固定用管および固定用ピンによりインプラントが適用される上顎の模型を下から示す。
図６は図５に係る模型の平面図を示す。
図７は上顎におけるインプラントおよび固定用ピンのための配向を側面から斜視図で示す。

テンプレートは、走査された患者の補綴物を修正することによって、ＣＡＤを使用してコンピュータ上に形成することができる。この方法で、テンプレートを歯科技工所で作製しなければならないという問題を回避することができ、そこではテンプレートは、特定の収縮傾向を持ちその結果精度の低下を生じるアクリルまたはプラスチックで作製されるので、これは利点である。本発明では、テンプレートは咬合指標を用いて咬合器に装着することができる。この方法で、顎の咬合関係を記録する問題を解決することが可能である。テンプレートは外科医によって使用され、患者の口の計画された部位にインプラントを配置する問題を解決する。テンプレートは、計画されたインプラントの間に側部から挿入される固定用ピンによるその固定のための構成配置を有する。この方法で、テンプレートは、咬合器で歯科技工士によって作製される咬合指標を用いて、口内の所定の位置に保持される。これは、手術後に歯科用ブリッジと対向する顎との間の正しい咬合関係を得る問題を解決する。テンプレートは計画のための全てのデータを含むので、患者の顎の骨部を作製する必要が無い。これは、ステレオリソグラフィ機における作製時間およびコストを低減する。補綴物模型を骨部に対して正しい関係に配置しなければならないという形の誤りの発生源は排除される。

図１において、第一当事者は象徴的に１で示され、第二当事者は２で、第三当事者は３で示される。第一当事者は、患者４に対して歯科用ブリッジを試験し嵌め込む、外科医、歯科医等とすることができる。第二当事者はステレオリソグラフィ機の所有者とすることができる。第三当事者は歯科技工士とすることができる。図１はまた、歯科製品用の全自動生産システムによって表される第四当事者を示す。例示的実施形態では、当事者５はＰＲＯＣＥＲＡ（登録商標）として指定される。第一当事者は識別機器６にアクセスすることができる。加えて、第一当事者はコンピュータ装置７にアクセスすることができる。ステレオリソグラフィ機は８で象徴される。歯科技工士は、物理的テンプレート９を作製するための機器、および咬合器の機能と協働して作業模型を作製するための機器１０にアクセスすることができる。加えて、歯科技工士は機器１１で最終歯科用ブリッジを作製する。

識別機器６はそれ自体公知の型のものとすることができる。従って、例えば当事者１は、それ自体公知の仕方で従来の手段を使用して印象を作製することができる。代替的に、カメラ、レーザ機器等を使用することができる。コンピュータ装置７は、それ自体の公知の仕方でコンピュータスクリーン７ａおよび操作要素７ｂを備え、操作要素はキーボード、音声通信ユニット等から構成することができる。識別に応じて、患者４の関連する顎／顎骨（この例では上顎）を示すことができる。上顎構造は７ｃで象徴される。加えて、第一当事者はスクリーン上で顎骨構造を修正し、顎骨に適用される歯冠構造を構築することができる。そのような構造は７ｄで示される。分かり易くするために、上顎７ｃおよび完全な構造７ｄは二つの同時表現として示されている。言うまでも無く、前記表現は一度に一つずつ示すことができる。表現７ｄには、インプラントの配向およびそれらの方向が７ｅによって示される。コンピュータ装置は、市販されている従来のプログラム（ＣＡＤプログラム）、およびファイル管理システムにより動作することができる。ステレオリソグラフィ機はそれ自体公知の型とすることができ、したがって本書では詳述しない。

走査機器６は、走査された顎骨構造を表す第一情報１２をコンピュータ装置に提供する。これはコンピュータ装置にエクスポートされる。次に、コンピュータ装置は、図１に１３で表されるＣＡＤファイルを生成する。ＣＡＤファイルはステレオリソグラフィ機によって受信され、それは、とりわけスリーブを適用するために歯科技工士９に転送される物理的模型のための条件を設定する。この転送は１４で表される。物理的模型は１５で示される。歯科技工士はこの模型１５を作業模型１６の作製のために使用し、ユニット９および１０間の転送機能は１７で象徴される。作業模型の作製は、１８で表される咬合器の機能と一緒に行われる。咬合器の機能のための咬合指標は、患者４、コンピュータ装置７、および／または識別機器６から転送することができる。前記転送は１９、２０、および２１で表される。咬合器の機能の入口で、咬合指標の転送は２２で象徴されている。

実際の歯科用ブリッジ２３は、当事者３によって機器１１で作製される。機器９から、物理的テンプレート１５を外科医または同等のものに転送することができる。この転送は２４で表される。当事者１はまた、１Ａで象徴される機器にもアクセスすることができる。この機器は、テンプレートおよび歯科用ブリッジを患者４に嵌め込むための穿孔機器および挿入機器から構成することができる。完成した歯科用ブリッジは、転送矢印２６によって表されているように、第一当事者に転送することができる。テンプレートを用いて患者の顎骨に穴を形成し、完成した歯科用ブリッジを挿入することは、それ自体公知の方法で行うことができ、したがって本書では詳述しない。

図１によると、第四当事者５は支援機能、または前記機能ステップの一つまたはそれ以上の作製を提供することができる。これは、この図の自動システムが適応ユニット２７、２８、２９、および３０を含む部分に示されている。適応ユニット３１、３２、３３、３４、３５、３６、３７、および３８を介して他の当事者の機器を接続することもできる。転送は、一般的通信手段３９、例えば通信ネットワーク、インターネット、コンピュータネットワーク等を介して行うことができる。転送機能は、双方向通信が存在することを示す双方向矢印によって表される。該矢印は４０で表される。

図２において、患者の上顎は４１で示され、下顎は４２で示される。上顎には、当事者１がインプラント４３を挿入しており、そこに歯科用ブリッジが固定される。患者の下顎の一組の歯は４４で示され、上述したものに従って、インプラントされる歯科用ブリッジと下顎の歯との間の咬合関係は、咬合指数を用いて達成される。参照番号４５は上記に係るテンプレートを示す。テンプレートはとりわけ、インプラント４３がねじ込まれるかあるいは埋め込まれる穴４８を形成するための案内部材として使用されるスリーブ４７用の陥凹を含む。参照番号４９は、上顎のインプラント４３上に固定される完成した歯科用ブリッジ構造を示す。顎構造の水平面内に実質的に延びる固定用ピン５１の配向を示すために、上顎は参照番号５０によって下からも模式的に示される。図３は、インプラント穴４８を形成するためのドリル５３を案内するために使用されるスリーブ５２の第一実施形態を示す。スリーブは、テンプレート５４の止め面５４ａを介してテンプレート５４と協働することのできる止め縁５２ａを有する。図３はまた、スリット５６ａを備えたスリーブ５６の第二実施形態５５を示す。この例におけるテンプレート５７は内部陥凹５７ａを有し、スリーブがテンプレート５７におけるその最終位置を占めるときに、その中にスリーブのスナップ留めフランジ５６がスナップ嵌合されることができる。

図４は、顎骨および象牙質５９に適用されたインプラント６０を示す。該インプラントはアタッチメント部品６１と協働することができ、その上に上述したスリーブ６２を係合することができる。構成部品は押さえねじ６３により一体に保持することができる。スリーブ６２は、６４によって示されるテンプレートまたは歯科用ブリッジ部内に装着される。該部分は、分かり易くするために分解された状態で示されている。該部分は、矢印６５の方向に一体に結合することができる。テンプレート６４の貫通穴は６４ａで示される。スリーブをテンプレートに固定するために使用されるセメントは、象徴的に５２ｂで示される。

物理的テンプレートの構造的構成は６６で示される。本例の場合、インプラント６７はテンプレートにしっかりとねじ込まれる。図４と比較されたい。固定用のピンは６８で示される。図６は図５に係るテンプレートを下から示す。固定用ピン６８は手動操作部材を持つように設計され、それによってピンを問題の顎骨にねじ込むことができる。図は、固定用ピンがインプラント６７の間に延びることを示す。

図７は、顎骨６９に適用された図５および６に係るテンプレートを側面から斜視図で示す。

本発明は、例として上に示した実施形態に限定されず、代わりに添付の特許請求の範囲および発明の概念の範囲内で変形することができる。

関係する機器および当事者をブロック図の形で示す。 図１に係る機能チェーンの一部を図１に対して拡大した側面図および水平面図で示す。 テンプレートに使用されるスリーブの二つの異なる実施形態を縦断面図で示す。 インプラントに対するスリーブの適用、ならびにスリーブおよびインプラントの固定用ねじを縦断面図で示す。 インプラント間の象牙質内に水平方向に延びる関連する固定用管および固定用ピンによりインプラントが適用される上顎の模型を下から示す。 図５に係る模型の平面図を示す。 上顎におけるインプラントおよび固定用ピンのための配向を側面から斜視図で示す。

Claims (8)

1. インプラント（７ｅ）用の穴を形成するための穴形成手段（２５）を案内するために構成されるテンプレート（１５）を、コンピュータ装置（７ａ、７ｂ）からの情報を使用して作製すること、
   前記テンプレート（１５）を、石膏の作業模型を作製するための印象として使用すること、
   得られた前記作業模型を使用して、顎骨構造内のインプラント上に適用することのできる歯科用ブリッジ構造（２３）を作製すること、
   前記テンプレート（１５）および前記歯科用ブリッジ構造（２３）に貫通穴を設けること、および
   前記テンプレート（１５）の前記貫通穴にスリーブ（６２）を設けること
   を含む歯科方法。
2. 前記スリーブ（６２）には、前記テンプレート（１５）における前記スリーブ（６２）の埋め込みの程度を決定する弾性部材（５６ｂ）が配設され、前記テンプレート（１５）の前記貫通穴に前記スリーブ（６２）を設けることは、前記テンプレート（１５）の内部陥凹（５７ａ）内に前記弾性部材（５６ｂ）をスナップ嵌合することを含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記夫々のスリーブ（６２）を、セメント（５２ｂ）を用いて前記テンプレート（１５）に固定またはロックすることを含む、請求項１または２に記載の方法。
4. 前記作業模型の作製に関連して、前記テンプレート（１５）を、顎骨上に延在する部分の歯肉代用品に対応する材料または部分を複製または含むように構成することを含み、前記材料または部分の中に前記歯科用ブリッジ構造（２３）が延在する、請求項１ないし３のいずれかに記載の方法。
5. 前記歯科用ブリッジ構造（２３）を、完成されたときに、前記テンプレート（１５）および前記歯科用ブリッジ構造（２３）に加えられる咬合指標を用いて、対向する顎骨の歯（４４）と協働するように設計することを含む、請求項１ないし４のいずれかに記載の方法。
6. 対向する顎骨の歯科用模型に対する咬合指標を用いて、咬合器に前記作業模型を装着することを含む、請求項１ないし５のいずれかに記載の方法。
7. 前記テンプレート（１５）とアタッチメント部品を、押さえねじにより一体に保持することを含み、前記アタッチメント部品の上に前記スリーブ（６２）が係合され、かつ前記アタッチメント部品とインプラントが協働する、請求項１ないし６のいずれかに記載の方法。
8. 前記テンプレート（１５）を、ステレオリソグラフィ（１４）によって作製することを含む、請求項１ないし７のいずれかに記載の方法。

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