JP4619230B2 - 歪み補償増幅器 - Google Patents

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本発明は、歪み補償増幅器に関し、特に出力に残留する歪みを検出してフィードバックする歪み補償増幅器に関するものである。
図4に従って従来技術であるデジタルプリディストーション方式(以下「DPD方式」)の歪み補償増幅器のブロックを説明する。
1はデジタルプリディストーション信号処理部(DPD信号処理部)、2は振幅・位相変調器、3は電力増幅部(AMP)、4は方向性結合器(カプラー)、5はサーキュレータ、6はデュプレクサ(DUP)、7は歪み検出回路(歪DET)、8は反射波検出回路、10はDPD演算部、11はマルチキャリア変調波IQ生成部、12は歪み補償演算部、13は反射波演算部である。
DPD信号処理部1はDPD演算部10と反射波演算部13とから構成され、更にDPD演算部10はマルチキャリア変調波IQ生成部11と歪み補償演算部12によって構成される。また反射波演算部13は、送信信号電力の進行波と反射波からVSWRを算出レする。
DPD信号処理部1によって生成された送信データのIQデータ(直交データ)は、振幅・位相変調器2で直交変調および高周波信号に周波数変換(UP−CONV)される。
Main−Ampである電力増幅部3は一例として2GHz帯へUP−CONVされたマルチキャリア変調波を所定の出力まで電力増幅する。
方向性結合器4はDPD方式による電力増幅された送信高周波信号に含む歪み検出のために、主変調波及び3次,5次等の相互変調歪み(IM)成分の一部電力を進行波信号として方向性結合するためのものである。(一例では進行波信号レベルに対して30dB減衰点での結合度である。)
歪み検出回路7は方向性結合器4で結合された減衰レベルの送信信号成分および送信信号成分に含まれた歪み成分(3次,5次,7次等)を低周波信号に周波数変換(DOWN−CONV)後、帯域制限してアナログ/デジタル変換器(A/D)にて取り込む回路を包含し、その出力信号は、DPD信号処理部1の歪み補償演算部12へ送りこまれる。
更に、主信号である送信信号電力は、一方の方向信号として方向性結合器4を通過させ、反射波を他方の方向信号として通過させるサーキュレータ5(VSWR算出用)に通過させ、その後、デュプレクサ6(DUP)にて帯域制限されてアンテナ(ANT)へ供給される。
ANTにて生じた反射波が検出されるためには、DUPを逆方向に通過した反射波をサーキュレータ5にて他方の方向信号として通され、この他方の方向信号が反射波検出回路8へ供給され、DOWN−CONV後、帯域制限してA/Dに取り込まれる。
近年、移動体通信システムでは、ユーザ数及びトラフィックの増加に基地局を対応させるために、同一基地局内に同一周波数帯域を用いる複数の通信システムのアンテナが近接して配置されるようなことが起こり、送信周波数が過密になっており、アンテナ間による電波干渉の程度が大きくなってきている。
一方、実際のシステム設備は、3GPPの規格(第3世代移動体通信システムの標準規格)で定めた送信相互変特性より高い値が求められてきている。
従来システムでは、Main−Ampである電力増幅部3で発生した歪みを検出する歪検出回路7にANTから混入した他キャリア(隣接キャリア)等の干渉波によって妨害を受け、本来の送信信号電力に含まれる歪み情報のみを得ることができずに、DPD信号処理部の処理が誤動作して、正しい歪補償の処理ができなくなる。表1に他キャリアから進入した干渉波のレベルダイヤを記す。
表1レベルダイヤに示されるように一例として、電力増幅部3(AMP)の送信信号電力の規定出力が+43dBm(E点、DUP出力端)、ANT干渉波電力が+30.0dBm(規定出力端)である場合、送信信号歪の相対レベルは65.0dBc(規定出力比、歪DET入力端;図4、F点)となり、また、他ANT干渉波の相対レベルは規定出力比で13.0dBcとなる。更に、この逆方向信号は、方向性結合器4(カプラー)およびサーキュレータ5の逆方向減衰をそれぞれ25dBの減衰量を受け、歪検出回路7(歪DET)入力端(図4、F点)では規定出力比63.0dBcとなる。
これでは、干渉波のレベル(規定出力比63.0dBc)が本来希望の送信信号歪のレベル(主として隣接漏洩電力となるIM5、規定出力比65.0dBc)に比べて2dB分大きいことになり、以降の信号処理に誤りを発生させることとなる。
結果的に他ANT干渉波の影響によりスプリアスを発生し、要求された自局の送信機特性が規格を割る可能性がある。
このように他ANTから無視できないような異常なスペクトラムが同一周波数帯域に混入したスペクトラム状態を2信号周波数特性を例として図5に示す。
歪検出回路7(歪DET)入力端での他ANT干渉波が無いような正常なスペクトラム状態では図6に示す。
従来のプリディストーション方式による歪み補償増幅器は、方向性結合器を用いているものがある(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2001−203539号公報 特開2005−142881号公報
ANTから他キャリアの干渉波が混入しても本来の送信信号電力に含む歪み情報を得ることができるようにし、歪み補償の処理が正しく行えることである。
本発明の目的は、ANTから混入される他キャリアの干渉波が存在する場合においても、電力増幅部の歪み成分を検出してDPD信号処理を行い、スプリアス特性が劣化することのない歪み補償増幅器を提供することにある。
本発明の歪み補償増幅器は、出力信号に含まれる歪みを検出し、該検出された歪みが小さくされるように制御を行いながら、無線信号を増幅してアンテナに出力する歪み補償増幅器において、
増幅器と、
前記増幅器から前記アンテナへ向けて出力される信号の一部を取り出す方向性結合器と、
前記アンテナからの戻り信号を減衰させる少なくとも1つの方向性素子と、
前記アンテナからの前記戻り信号を取り出すサーキュレータと、を順次に従属接続して備え、
前記方向性結合器と前記少なくとも1つの方向性素子と前記サーキュレータの方向性のレベル和が50dBより大きくなるように構成されたことことを特徴とするものである。
更に、前記本発明の歪み補償増幅器は、デジタル直交信号を入力し無線周波に変換して増幅するデジタルプリディストーション増幅器であって、
前記方向性結合器で取り出された信号に基づいて、出力信号に含まれる歪みが小さくされるように増幅器の入力信号に予め歪みを施す歪み補償演算部と、
前記サーキュレータで取り出された戻り信号と、前記デジタル直交信号との相関値に基づいて反射波定在波比を算出する反射波演算部と、を備えたことを特徴とするものである。
更に、前記アンテナからの戻り信号が自己の歪み補償増幅器の出力信号による反射波であるか、他の歪み補償増幅器の出力信号による結合波であるかを識別して、該識別されたアラーム情報を出力する反射波演算部を備えることができる。
本発明によれば、電力増幅部の歪み成分のレベルに対して、ANTから混入される他キャリアの干渉波のレベルが歪検出回路の入力端にて十分低く抑えられるので、干渉波
が存在する場合においても、電力増幅部の歪み成分を誤り無く検出し、高精度のDPD方式の歪み補償増幅器が可能になり、送信相互変調が規格に対して十分なマージンを得ることができる。
また相互変調特性が向上されれば結果的に複数のANT間の離隔距離を短くするなどしてANTシステム設置作業が簡素化され、作業時間を短縮することが可能になる。
図1に本発明の第一の実施例である歪み補償増幅器のブロック図を示し、図1に従って発明の構成及び作用の説明を行う。
1はデジタルプリディストーション信号処理部(DPD信号処理部)、2は振幅・位相変調器(アナログ直交変調器)、3は電力増幅部(AMP)、4は方向性結合器(カプラー)、20はアイソレータ、5はサーキュレータ、6はデュプレクサ(DUP)、7は歪み検出回路(歪DET)、8は反射波検出回路、10はDPD演算部、11はマルチキャリア変調波IQ生成部、12は歪み補償演算部、13は反射波演算部である。
DPD信号処理部1は、送信データを入力とし、DPD演算部10と反射波演算部13とから構成され、更にDPD演算部10は、マルチキャリアIQ変調波信号を生成するマルチキャリア変調波IQ生成部11と歪み検出回路7によって検出された送信信号電力の歪みを補償させる動作を行う歪み補償演算部12によって構成される。また反射波演算部13は、送信信号電力のアンテナからの反射波レベルを検出する。このとき他のアンテナから当該アンテナへ干渉波のレベルを含んだものが誘起されることがある。
DPD信号処理部1によってIQデータ(直交データ)に生成された送信データは、振幅・位相変調器2で直交変調および高周波信号に周波数変換(UP−CONV)される。
一例として2GHz帯へUP−CONVされたマルチキャリア変調波である送信高周波信号は、Main−Ampである電力増幅部3に入力され、所定の出力まで電力増幅する。
方向性結合器4は、電力増幅部3の出力である電力増幅された送信高周波信号の一部電力を分岐して取り出すためのものであり、この電力増幅された送信高周波信号に含む増幅時に発生した歪み成分を検出するために、主変調波及び3次,5次等の相互変調歪み(IM)成分の進行波の一部電力を方向性結合するためのものである。(一例では進行波信号に対して30dB減衰点での結合度である。なお、反射波等(逆方向からの信号)に対しては、結合度30dBに加え、逆方向減衰として更に25dB有する。)
アイソレータ20は、進行方向に対しては方向性結合器4の出力である送信信号電力を入力とし、ほとんど減衰することなく出力させるものである。アンテナから入る干渉波などの逆方向からの信号に対しては、一例として20dB減衰させる。
歪み検出回路7は、方向性結合器4で約30dB減衰させて分岐されたレベルの送信信号成分および送信信号成分に含まれた歪み成分(3次,5次,7次等)を低周波信号に周波数変換(DOWN−CONV)して、帯域制限してアナログ/デジタル変換器(A/D)にて取り込むものであり。その出力信号は、DPD信号処理部1の歪み補償演算部12へ送りこまれる。
サーキュレータ5は3つの端子を有し、アイソレータ20との接続端を(イ)端子とし、デュプレクサ6との接続端を(ロ)端子とし、反射波検出回路8との接続端を(ハ)端子としたとき、主信号である送信信号電力が、(イ)から(ロ)への進行波信号として概ね減衰させずに通過しデュプレクサ6に入力される。
反射波および干渉波は(ロ)から(イ)への逆方向信号として減衰させて通過する。減衰レベルは一例として25dBである。更に、反射波および干渉波が(ロ)から(ハ)への進行波信号として減衰させずに通過し、これが反射波検出回路8に入力される。反射波検出回路8は進行波電力対反射波電力の比(VSWR)を算出するために、DOWN−CONV後、帯域制限してA/Dに取り込まれ、反射波レベルを検出するものである。VSWRの算出は、IQデータなどの本来の信号成分との相関値のレベルを検出して、干渉波の影響を避けるようにして反射波演算部13で行われる。本来の信号成分との遅延合わせには、例えばDLL(Delay Locked Loop)を用いる。VSWRが規定値を越えた時は、アラーム発生、電力増幅部3の停止等を行う。
デュプレクサ6に入力された送信信号電力は所定の送信信号帯域を備えた帯域通過フィルタに通されて、帯域制限された規定出力の送信信号電力とされて出力される。
デュプレクサ6から出力された送信信号電力は規定出力端の端子を経由してアンテナ(ANT)へ供給される。
従って、アイソレータ20から出力された送信高周波信号はサーキュレータ5(VSWR算出用)、デュプレクサ6(DUP)をほぼ無損失で通過して帯域制限された規定出力の送信信号電力としてアンテナ(ANT)から放射される。
表2レベルダイヤに示されるように一例として、電力増幅部3(AMP)の送信信号電力の規定出力が+43dBm(E点、規定出力端=DUP出力端)であり、ANT干渉波電力が+30.0dBm(規定出力端=DUP出力端)であり、送信信号歪の相対レベルは65.0dBc(規定出力比、歪DET入力端;図1、F点)であり、また、他ANT干渉波の相対レベルは規定出力比で13.0dBcであるとする。
他ANT干渉波である逆方向信号は、サーキュレータ5の逆方向減衰として25dB、アイソレータ20の逆方向減衰として20dB、カプラー4の逆方向減衰として25dBのそれぞれの減衰量が加算されて70dBの値を得る。
従って、歪検出回路7(歪DET)入力端(図4、F点)では規定出力比83.0dBc(13+70)となる。
そこで、干渉波のレベル(規定出力比83.0dBc)が本来の送信信号歪のレベル(主として隣接漏洩電力となるIM5、規定出力比65.0dBc)に比べて18dB分少ないことになり、この18dBの差が確保されていれば、正しい歪み成分を用いてのDPD動作が可能になり、十分に誤りのない信号処理が行える。
結果的に他ANT干渉波の影響によりスプリアスの発生を抑え、要求された自局の送信機特性に規格を十分に満足させる。
図2に本発明の第二の実施例である歪み補償増幅器のブロック図を示す。
21はサーキュレータである。22は無反射終端器である。図2は、図1に備えたアイソレータ20に代え無反射終端器22で第3の端子を終端したサーキュレータ21にされ、それ以外の構成は図1に同じである。
この第二の実施例の構成の説明およびレベルダイヤは第一の実施例にほとんど同じである。
図3に本発明の第三の実施例である歪み補償増幅器のブロック図を示す。
図3は、図2に備えたデュプレクサ6を省略し、それ以外の構成は図2に同じである。
この第三の実施例の構成の説明およびレベルダイヤは第一の実施例にほとんど同じである。
なお、受信信号を得るために、サーキュレータ5の第3の端子から、受信用帯域フィルタを接続して、その出力から受信器へ供給される。
図7に本発明の第四の実施例である歪み補償増幅器のブロック図を示す。
図7は、本発明をフィードフォワード増幅器30に適用したものであり、それ以外の構成は図1に同じである。
本実施例では、フィードフォワード増幅器30内に備わるエラーアンプがメインアンプで発生した歪みを逆位相で生成されるように、制御部が歪み検出回路7の検出レベルを監視しながら位相・振幅調整器によって歪みのベクトル調整量を最適化する。
次に、本発明の第五の実施例である反射波演算部のブロック図を図8に示す。本実施例は、相関処理によるVSWR検出の詳細を説明するものであって、前述の実施例1ないし4のいずれの構成にも適用可能である。
例えばマルチキャリア変調波IQ生成部11からの出力を変調処理信号として反射波演算部13に入力される。
131は、反射波演算部13に入力された送信する信号(同相成分と直交成分を有するベースバンド信号)である送信信号が信号Aとしての波形データを蓄積し、及び信号処理部(DSP)とのデータ授受、DSP処理データの蓄積を行うメモリAである。メモリAはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイLSI)により実現してもよい。
一方、アンテナ(ANT)を介しての戻り信号には、自己の歪み補償増幅器の出力信号の反射波に加え他の歪み補償増幅器の出力信号による結合波の合成波とされることがある。
このような戻り信号はサーキュレータ5、反射波検波回路8を介して検波されたアナログの戻り信号として反射波演算部13に入力される。また、反射波検波回路8は、図示していないが、反射波電力計、アッテネータ、アナログ復調器が直列に接続されて同相成分と直交成分を有するベースバンド信号にする回路に置き換わってもよい。
132は反射波演算部13に入力されたアナログ戻り信号をディジタル変換してディジタル信号とされた信号Bとして出力するAD変換器である。
133はAD変換器から出力された信号Bの波形データを蓄積し、及び信号処理部(DSP)とのデータ授受、DSP処理データの蓄積を行うメモリBである。メモリBはFPGAにより実現してもよい。
134は、メモリAに記憶された変調処理信号の波形データ及びメモリBに記憶された変調処理信号の波形データによってディジタル信号処理を行って、平均電力値の計算、相関値の計算、計算結果の大小判定を行って、アンテナからの戻り信号が自己の歪み補償増幅器の出力信号による反射波であるか他の歪み補償増幅器の出力信号による結合波であるかを識別してアラーム情報を出力するように行われる信号処理部である。信号処理部はDSP(ディジタル信号処理LSI)の素子によって実現される。なおDSPに代え、CPU、FPGAでもよい。
なお、一つのアンテナに複数の歪み補償増幅器を接続させてアンテナを共用するためにアンテナ共用器を用いる場合には、戻り信号がアンテナからの戻り信号のほかアンテナ共用器内部からの戻り信号となることであってもよい。
本発明の第五の実施例である反射波演算部の処理フローチャート図を図8に示す。
S1は、本発明の第五の実施例である反射波演算部の処理を開始し、信号AをメモリAに蓄積し、信号BをメモリBに蓄積する動作開始(Start)のステップである。
S2は、送信信号である信号Aの平均電力値を計算し平均電力Aを得るステップである。メモリAに蓄積された送信信号である信号Aの形態は、同相成分(Re)と直交成分(Im)の和として表わされる。これは、Nサンプル分の同相成分と直交成分の蓄積された信号である。
送信信号の平均電力A(Ptx)は次の式によって算出される。
S3は,戻り信号である信号Bの平均電力値を計算し平均電力Bを得るステップである。メモリBに蓄積された戻り信号である信号Bの形態は、同相成分(Ir)と直交成分(Qr)の和として表わされる。これは、Nサンプル分の同相成分と直交成分の蓄積された信号である。
戻り信号の平均電力B(Prx)は次の式によって算出される。
S4は、送信信号である信号Aの自己相関値を計算し相関値AA(Rtx)を得るステップである。
自己の歪み補償増幅器の出力信号の反射波に加え他の歪み補償増幅器の出力信号による結合波の合成波から他の歪み補償増幅器の出力信号成分を抽出するには、自己の歪み補償増幅器の出力信号と他の歪み補償増幅器の出力信号とではそれぞれの信号構成に欠かすことのできないスクランブルコードが異なることに着眼している。これらを識別する手法として相関演算を行うことで可能となる。
先ず、信号Aの自己相関値を計算し相関値AA(Rtx)は次の式によって算出される。Re*Re、Im*Imは自己相関演算、Re*Im、Im*Reは相互相関演算である。
S5は、送信信号である信号Aと戻り信号である信号Bとの相互相関値を計算し相関値ABを得るステップである。
同様に信号Bの相互相関値を計算し相関値AB(Rrx)は次の式によって算出される。
S6は、得られた相関値AA(Rtx)と相関値AB(Rrx)との比を計算し比AB(α)を得て、更に、比AB(α)に平均電力A(Ptx)を乗算し、平均電力B(Prx)から該乗算した結果の値を減算すれば他の歪み補償増幅器の出力信号の結合された電力成分として検出値が得られるステップである。
これによって他の歪み補償増幅器の出力信号成分である検出値(Px)を算出することができる。
S7は、S6で得られた検出値(Px)と予め定めたしきい値との大小比較する判定ステップである。
S8は、S7の処理でYESと判定、即ち、他の歪み補償増幅器の出力信号の結合された電力成分が所定の値以上であるので他の歪み補償増幅器に異常が発生したと判定し、この状況をアラーム情報としてアラームの警告を行うステップである。
S9は、S7の処理でNOと判定、即ち、他の歪み補償増幅器の出力信号の結合された電力成分が所定の値以下であるので他の歪み補償増幅器は正常であると判定し、又はアラームの警告S8の処理が終了したことを表わす終了(End)するステップである。
次に、判定ステップS7において、自己の送信信号の反射波が規定以上となるアラームについて説明する。デュプレクサ6から出力された規定出力の送信信号は規定出力端Eの端子を経由してアンテナ(ANT)へ供給される。しかしデュプレクサ6とアンテナ間の線路において接続不良または機器などに故障が生じたときに、伝送線路のインピーダンス整合ができなくなり、送信電力の大部分が反射して電力増幅部3に向かって戻されることになり、送信信号が正常に送信されない。
そこで、評価が行える式(5)である検出値(Px)において、信号Bは自己の送信信号であるの出力信号の反射波のみになる。よって、その場合は信号Aと信号Bは相関関係になり、計算誤差を考慮して、相関値AB(Rrx)≒相関値AA(Rtx)となる。即ち、比AB(α)は1に近似される。またデュプレクサ6とアンテナ間の伝送線路はほとんど無損失であるので、減衰された反射波信号に対して反射波演算部13にて補正すると送信信号電力と反射波電力とは計算誤差を考慮して一致するといえる。よってα≒1なので、検出値(Px)は0に収束する。
次に、判定ステップS7において、他の増幅器などから自己の送信系に戻りとされるように侵入した戻り分が規定以上となるアラームについて説明する。
デュプレクサ6から出力された規定出力の送信信号は規定出力端Eの端子を経由してアンテナ(ANT)へ供給される。
デュプレクサ6とアンテナ間の線路において接続および機器が正常であり、伝送線路のインピーダンス整合が正常に行われており、規定の送信電力の送信信号が正常にアンテナに供給されている。
そこで、評価が行える式(5)である検出値(Px)において、信号Bは自己の送信信号であるの出力信号の反射波はほとんど有せず、他の増幅器の出力信号が自己の送信系に戻り信号となるものが存在する。
よって、その場合は信号Aと信号Bは相関関係を有せず、相関値AB(Rrx)は相関値AA(Rtx)に比べて微小な値になり、即ち、比AB(α)は1以下の微小値eとなる。
また、減衰された反射波信号に対して反射波演算部13にて補正された反射電力と送信信号電力は相関関係を有せず、それぞれ独立な電力値をとる。
よって評価が行える式(5)である検出値(Px)は、ある値となる計算値Pを得る。計算値Pは0ではなく、他の増幅器の出力信号によってアンテナから侵入した減衰された信号であり、反射波演算部13にて補正を考慮しても、送信信号電力値Ptxよりは小さな値であり0<P<Ptxとなる。
Px=Prx−e×Ptx≒P e∝1で表わされる。
従って、この評価式により、自己の歪み補償増幅器における接続不良または故障の場合と他の増幅器からの侵入の場合と計算結果の値で区別することができ、要因に応じたアラームを発動することが可能である。
本発明の歪み補償増幅器にてアラームを検出した場合に、これを速やかに基地局に通知する可能な手段として、基地局と歪み補償増幅器との間の回線では、周期的に制御信号または制御メッセージ電文の授受が行われており、特定のパターン電圧信号を利用する物理的な手段または予め、基地局と歪み補償増幅器との間で制御メッセージ電文のフォーマットを取り決めておき、ある特定のビットが“1”か“0”であることを検知する手段または電文にアラームを表わす文字列を伝送することで通知可能となる。
移動体通信システムの基地局、特にユーザ数及びトラフィックの増加に基地局を対応させるために、同一基地局内に同一周波数帯域を用いる複数の通信システムのアンテナが近接して配置されるような基地局における通信事業に利用される。
本発明の第一の実施例である歪み補償増幅器のブロック図である。 本発明の第二の実施例である歪み補償増幅器のブロック図である。 本発明の第三の実施例である歪み補償増幅器のブロック図である。 従来技術であるデジタルプリディストーション方式の歪み補償増幅器のブロック図である。 ANT干渉波が無視できないような異常なスペクトラム状態図である。 他ANT干渉波が無いような正常なスペクトラム状態図である。 本発明の第四の実施例である歪み補償増幅器のブロック図である。 本発明の第五の実施例である反射波演算部のブロック図である。 本発明の第五の実施例である反射波演算部の処理フローチャート図である。
符号の説明
1 デジタルプリディストーション信号処理部(DPD信号処理部)
2 振幅・位相変調器
3 電力増幅部(AMP)
4 方向性結合器(カプラー)
5、21 サーキュレータ
6、23 デュプレクサ(DUP)
7 歪み検出回路(歪DET)
8 反射波検出回路
10 DPD演算部
11 マルチキャリア変調波IQ生成部
12 歪み補償演算部
13 反射波演算部
20 アイソレータ
22 無反射終端器
30 フィードフォワード増幅器
131、133 メモリ
132 AD変換器
134 信号処理部

Claims (2)

  1. 出力信号に含まれる歪みを検出し、該検出された歪みが小さくされるように制御を行いながら、無線信号を増幅してアンテナに出力する歪み補償増幅器において、
    増幅器と、
    前記増幅器から前記アンテナへ向けて出力される信号の一部を取り出す方向性結合器と、
    前記アンテナからの戻り信号を減衰させる少なくとも1つの方向性素子と、
    前記アンテナからの前記戻り信号を取り出すサーキュレータと、を順次に従属接続して備え、
    前記方向性結合器と前記少なくとも1つの方向性素子と前記サーキュレータの方向性のレベル和が50dBより大きくなるように構成されたことを特徴とする歪み補償増幅器。
  2. 前記アンテナからの戻り信号が自己の歪み補償増幅器の出力信号による反射波であるか、他の歪み補償増幅器の出力信号による結合波であるかを識別して、該識別されたアラーム情報を出力する反射波演算部を備えた請求項1に記載された歪み補償増幅器。
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