JP4618588B2 - 携帯電子機器 - Google Patents

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本発明は、携帯電子機器に関し、特に2つの筐体がヒンジで結合されてなる携帯電子機器に関する。
近年、携帯電話機といった携帯電子機器には、折り畳み型、二軸ヒンジ型等の形態がある。折り畳み型携帯電子機器においては、2つの筐体が一軸ヒンジによって連結されて、一方の筐体が他方の筐体に対してその一軸ヒンジによって開閉可能となっている。二軸ヒンジ型の携帯電子機器においては、互いに直交する二軸を有する二軸ヒンジによって2つの筐体が連結され、一方の筐体が他方の筐体に対して二軸ヒンジの一の軸を中心にして開閉可能となっているとともに、一方の筐体が二軸ヒンジの他の軸を中心にして他方の筐体に対して前後反転可能となっている。
ヒンジは筐体とは別にユニット化されており、ネジ等によって筐体に組み付けられている。例えば、特許文献1においては、二軸ヒンジユニット(7)が2つの筐体(1,4)の一部(31a,32a)及びカバー(33,34)等によって覆われ、2つの筐体が二軸ヒンジユニットによって連結されている。
特開2006−10025号公報
ヒンジを筐体に直接結合すると、強度上の問題があるので、金属その他の高剛性素材の補強ケースを筐体内に別途収容し、そのヒンジを結合することが行われている。
一方、携帯電子機器を防水すべく、ゴム製等の防水ケースを筐体内に収容し、回路基板等とともに補強ケースを防水ケースで覆うことが行われている。
ところが、補強ケースが防水ケースで覆われてしまうと、ヒンジを補強ケースに直接結合することができない。
そこで、本発明の課題は、補強ケースが防水ケースによって覆われてもヒンジを補強ケースに結合することができるようにすることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、
第一の筐体と、
第二の筐体と、
前記第一の筐体内に収容され、前記第一の筐体を補強する補強ケースと、
前記第一の筐体内に収容され、前記補強ケースを覆って前記第一の筐体の内面に組み付けられた防水ケースと、
前記第二の筐体に連結されるとともに、前記第一の筐体の内側であって前記防水ケースの外側から前記防水ケースに組み付けられたヒンジと、
前記ヒンジ及び前記防水ケースを前記補強ケースに共締めする締結部材と、を備えることを特徴とする携帯電子機器が提供される。
請求項2に係る発明によれば、
前記防水ケースが、金属ケース本体と、前記金属ケース本体の縁部分に一体成型されたシール部と、を有し、
前記第一の筐体の内面に溝が凹設され、前記溝が前記補強ケースを囲繞し、前記シール部が前記溝に嵌め込まれ、
前記金属ケース本体が前記ヒンジとともに前記締結部材によって前記補強ケースに締め付けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器が提供される。
請求項3に係る発明によれば、
前記第一の筐体から前記第二の筐体にかけて前記ヒンジを通って配索された可撓性ホースを更に備え、
前記金属ケース本体に開口が形成され、前記可撓性ホースが前記開口に通じていることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器が提供される。
請求項4に係る発明によれば、
前記第一の筐体から前記第二の筐体にかけて前記ヒンジを通って配索され、前記シール部と一体成型された可撓性ホースを更に備え、
前記可撓性ホースの端部が前記シール部の内側で開口していることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器が提供される。
請求項5に係る発明によれば、
前記ヒンジが二軸ヒンジであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の携帯電子機器が提供される。
本発明によれば、ヒンジを防水ケースの外側から締結部材によって補強ケースに結合することができ、補強ケースを防水ケースによって覆って防水性を確保することができる。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
<第1の実施の形態>
図1は、携帯電子機器1の斜視図である。この携帯電子機器1は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistance)、電子手帳、携帯無線機その他の携帯電子機器である。
この携帯電子機器1においては、第一の筐体2が二軸ヒンジ部3によって第二の筐体4に連結されている。第一の筐体2の前面には、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイその他の薄型ディスプレイ50(図3に図示)及び透明な表示窓51(図2に図示)等を有する表示部5が設けられている。第二の筐体4の前面にはテンキー等といった操作部6が設けられている。
図2を参照して、第一の筐体2及び二軸ヒンジ部3について説明する。図2は、第一の筐体2を分解した状態で第一の筐体2等を示した分解斜視図である。
第一の筐体2はフロントケース10及びリアケース11からなる。フロントケース10とリアケース11が組み合わせられ、フロントケース10とリアケース11の四つ角において、フロントケース10とリアケース11がネジ12によって結合されている。なお、フロントケース10とリアケース11の結合は爪によるものでもよいし、リベットによるものでもよいし、接着剤によるものでもよい。
第一の筐体2内には、補強ケース13及び防水ケース14が収容されている。補強ケース13は金属その他の高剛性材料からなる。補強ケース13がフロントケース10の内面に突き合わせられ、補強ケース13とフロントケース10の内面との間にはディスプレイ50(図3に図示)が搭載されている。そして、補強ケース13とフロントケース10がネジ17によって結合されている。フロントケース10及びリアケース11が樹脂からなり、フロントケース10及びリアケース11の剛性が低いので、金属の補強ケース13によってディスプレイ、回路基板、フロントケース10及びリアケース11が補強されている。なお、補強ケース13とフロントケース10の結合は爪、リベット又は接着剤によるものでもよい。
防水ケース14は、骨格をなす金属ケース本体15と、金属ケース本体15の縁部分全周にわたってその縁部分を被覆した防水シール部16と、を有する。防水シール部16は、ゴムその他の弾性材料からなる。防水シール部16は、インサート成型法により、金属ケース本体15の縁部分を包み込むようにして金属ケース本体15に一体成型されたものである。
この防水ケース14が補強ケース13を後面側から覆うようにしてフロントケース10の内面に組み付けられている。ここで、図3に示すように、フロントケース10の内面であって補強ケース13の周囲には、溝18が形成されている。図2に示すように、溝18は補強ケース13の周囲全周にわたって形成され、補強ケース13が溝18によって囲繞されている。
防水ケース14がフロントケース10の内面に突き合わせられた状態では、図3に示すように、防水ケース14の縁部分、つまり防水シール部16が溝18に嵌め込まれている。これにより、防水シール部16が僅かながら圧縮されている。防水シール部16が溝18全体にわたって嵌め込まれているから、防水ケース14内への浸水を防止することができる。
図3に示すように、リアケース11の内面であって防水ケース14の縁部分に対応する位置には、リブ19が凸設されている。フロントケース10とリアケース11が突き合わせられると、リブ19の頂部が防水ケース14の縁部分に当接し、リブ19によって防水シール部16が溝18に押し込まれた状態となる。そのため、防水シール部16が溝18から抜けづらくなっている。
防水ケース14のうち金属ケース本体15には、2つの止め穴20が形成されている。止め穴20は、金属ケース本体15の下部に、つまり、第二の筐体4との連結部寄りに形成されている。
補強ケース13の下部には、つまり、第二の筐体4との連結部寄りには、雌ねじ状の2つのねじ穴21が形成されている。ねじ穴21は止め穴20に相対応している。
図1に示された二軸ヒンジ部3は、そのカバーの内側に、図2に示された二軸ヒンジ29を収容したものである。第一の筐体2と第二の筐体4は、二軸ヒンジ29によって連結されている。
二軸ヒンジ29は、回動部材22,24,26及び枢軸23,25を備える。回動部材22はブラケットであり、回動部材22が第二の筐体4に固定されている。枢軸23は、第一の筐体2及び第二の筐体4の幅方向に対して平行となって回動部材22に連結されている。回動部材24が回動可能に枢軸23に連結され、回動部材24が回動部材22に対して枢軸23回りに回動可能になっている。枢軸25は、枢軸23に対して垂直となって回動部材24に連結されている。回動部材26が回動可能に枢軸25に連結され、回動部材26が回動部材24に対して枢軸25回りに回転可能となっている。
回動部材26はブラケットであり、以下のようにして回動部材26が防水ケース14及び補強ケース13に取り付けられている。
回動部材26には2つの通し穴27が形成されている。通し穴27は止め穴20及びねじ穴21に相対応している。回動部材26が第一の筐体2の内側において防水ケース14の外側から金属ケース本体15の外側に組み合わせられ、ねじ穴21、止め穴20及び通し穴27が重なっている。そして、締結ネジ30が通し穴27及び止め穴20に通され、締結ネジ30がねじ穴21に螺合している。ここで、図4に示すように、この締結ネジ30は段ネジである。つまり、締結ネジ30の上部軸部32の径が下部軸部31の径よりも大きく、下部軸部31にネジ山が形成されており、上部軸部32にはネジ山が形成されていない。上部軸部32が止め穴20及び通し穴27に通され、頭部33の座面34が通し穴27の周囲において回動部材26に接して、頭部33と補強ケース13との間に回動部材26及び金属ケース本体15に挟まれ、下部軸部31がねじ穴21に螺合している。これにより、回動部材26及び金属ケース本体15が締結ネジ30によって補強ケース13に共締めされている。また、上部軸部32にはリング状のゴムシール35が巻装され、ゴムシール35が止め穴20に入り込んで、ゴムシール35が上部軸部32と補強ケース13との間に挟まれている。これにより浸水が防止されている。
以上のような携帯電子機器1においては、ユーザが第二の筐体4に対して第一の筐体2を枢軸23回りに回動させることで、携帯電子機器1の折り畳み又は展開をすることができる。また、ユーザが第二の筐体4に対して第一の筐体2を枢軸25回りに回動させることで、第一の筐体2の表裏反転をすることができる。第一の筐体2と第二の筐体4が二軸ヒンジ29によって連結されているから、折り畳み・展開・表裏反転等によって携帯電子機器1の形態を多種多様に変化させることができる。
本実施形態によれば、二軸ヒンジ29の回動部材26を防水ケース14の外側から組み付けられ、締結ネジ30とそれに巻装されているゴムシール35とによって回動部材26及び防水ケース14が補強ケース13に共締めされているので、二軸ヒンジ29を補強ケース13に結合することができるとともに防水ケース14の内側の防水性を確保することができる。
特に、二軸ヒンジ29の回動部材26が金属ケース本体15に組み付けられているから、その結合・締結の強度を確保することができる。
<第2の実施の形態>
第2実施形態における携帯電子機器について図5〜図7を用いて説明する。第2実施形態における携帯電子機器は、第1実施形態における携帯電子機器1とほぼ同様に設けられているので、以下では異なる部分について詳細に説明する。なお、第1実施形態の携帯電子機器1の構成要素と、それに対応する第2実施形態における携帯電子機器の構成要素とには、同一の符号を付す。
第2実施形態においては、金属ケース本体15には嵌合部40が形成され、金属ケース本体15と嵌合部40とが一体となっている。そのため、嵌合部40は金属ケース本体15と同一の金属材料からなる。嵌合部40は、金属ケース本体15の下端面に、つまり、第二の筐体(図5〜図7では図示略)との連結部寄りの端面から下方に向けて突出するよう形成されている。嵌合部40が環状突起であり、嵌合部40には開口41が形成され、その開口41が防水ケース14の外側から内側にまで通じている。
嵌合部40が可撓性ホース43の端部に嵌め込まれている。この可撓性ホース43が二軸ヒンジ(図5では、回動部材26のみ図示)内を通って第二の筐体の内部まで導かれている。この可撓性ホース43内には信号ケーブル(図5〜図7では図示略)が通され、その信号ケーブルが防水ケース14の内側から第二の筐体にかけて配線されている。
以上に説明したことを除いて、第1実施形態の携帯電子機器1の構成要素と、それに対応する第2実施形態における携帯電子機器の構成要素とは、同様に設けられている。
本実施形態においては、金属ケース本体15に開口41が形成されているから、第一の筐体の薄型化・小型化を図ることができる。また、嵌合部40が可撓性ホース43に嵌め込まれているから、防水性を確保することができる。
<第3の実施の形態>
第3実施形態における携帯電子機器について図8〜図10を用いて説明する。第3実施形態における携帯電子機器は、第1実施形態における携帯電子機器1とほぼ同様に設けられているので、以下では異なる部分について詳細に説明する。なお、第1実施形態の携帯電子機器1の構成要素と、それに対応する第3実施形態における携帯電子機器の構成要素とには、同一の符号を付す。
第3実施形態においては、防水シール部16の内面であって、第二の筐体(図8〜図10では図示略)との連結部寄りの部分には、開口45が形成されている。防水シール部16に可撓性ホース44が形成され、可撓性ホース44と防水シール部16が一体となっている。可撓性ホース44は防水シール部16と同時に成型されたものであり、可撓性ホース44と防水シール部16とが同一の材料からなる。可撓性ホース44及び防水シール部16は、ゴムその他の弾性材料からなる。
可撓性ホース44は、防水シール部16の下端面に、つまり、第二の筐体との連結部寄りの端面から延出している。可撓性ホース44の中空が可撓性ホース44の一端の開口45を通じて防水ケース14の内側に通じている。可撓性ホース44が二軸ヒンジ(図8では、回動部材26のみ図示)内を通って第二の筐体の内部まで導かれている。この可撓性ホース44内には信号ケーブル(図8〜図10では図示略)が通され、その信号ケーブルが防水ケース14の内側から第二の筐体にかけて配線されている。
以上に説明したことを除いて、第1実施形態の携帯電子機器1の構成要素と、それに対応する第3実施形態における携帯電子機器の構成要素とは、同様に設けられている。
本実施形態においては、可撓性ホース44が防水シール部16と一体となっているから、部品点数の削減を図ることができるとともに、その部分の防水性が更に高まる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
上記各実施形態では、防水ケース14及び補強ケース13に締め付けられるとともにと第二の筐体4に連結されたヒンジが2つの枢軸23,25を有した二軸ヒンジ29であるが、一軸ヒンジその他のヒンジであってもよい。例えば、回動部材24と回動部材26が固定され、又は一体とされ、そのヒンジが一軸ヒンジである。
また、上記実施形態では、締結部材がネジ30であったが、リベットであってもよい。例えば、頭部を有するリベットを通し穴27、止め穴20及び穴21(但し、穴21は雌ねじ状でなくてもよい。)に通して、リベットの頭部を通し穴27の周囲において回動部材26に引っ掛け、穴21から突出したリベットの先端部をかしめてもよい。
本発明の第1実施形態における携帯電子機器を示した斜視図である。 上記携帯電子機器の第一の筐体等を示した分解斜視図である。 上記第一の筐体の要部を示した断面図である。 上記第一の筐体の要部を示した断面図である。 第2実施形態における携帯電子機器の第一の筐体の一部を示した分解斜視図である。 上記第一の筐体に収容される防水ケース及び可撓性ホースの要部を示した分解斜視図である。 上記第一の筐体の要部を示した断面図である。 第3実施形態における携帯電子機器の第一の筐体の一部を示した分解斜視図である。 上記第一の筐体に収容される防水ケースを金属部分と弾性部材部分に分けて示した斜視図である。 上記第一の筐体の要部を示した断面図である。
符号の説明
1 携帯電子機器
2 第一の筐体
4 第二の筐体
13 補強ケース
14 防水ケース
15 金属ケース本体
16 防水シール部
18 溝
29 二軸ヒンジ
30 締結ネジ
41 開口
43、44 可撓性ホース

Claims (5)

  1. 第一の筐体と、
    第二の筐体と、
    前記第一の筐体内に収容され、前記第一の筐体を補強する補強ケースと、
    前記第一の筐体内に収容され、前記補強ケースを覆って前記第一の筐体の内面に組み付けられた防水ケースと、
    前記第二の筐体に連結されるとともに、前記第一の筐体の内側であって前記防水ケースの外側から前記防水ケースに組み付けられたヒンジと、
    前記ヒンジ及び前記防水ケースを前記補強ケースに共締めする締結部材と、を備えることを特徴とする携帯電子機器。
  2. 前記防水ケースが、金属ケース本体と、前記金属ケース本体の縁部分に一体成型されたシール部と、を有し、
    前記第一の筐体の内面に溝が凹設され、前記溝が前記補強ケースを囲繞し、前記シール部が前記溝に嵌め込まれ、
    前記金属ケース本体が前記ヒンジとともに前記締結部材によって前記補強ケースに締め付けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
  3. 前記第一の筐体から前記第二の筐体にかけて前記ヒンジを通って配索された可撓性ホースを更に備え、
    前記金属ケース本体に開口が形成され、前記可撓性ホースが前記開口に通じていることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
  4. 前記第一の筐体から前記第二の筐体にかけて前記ヒンジを通って配索され、前記シール部と一体成型された可撓性ホースを更に備え、
    前記可撓性ホースの端部が前記シール部の内側で開口していることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
  5. 前記ヒンジが二軸ヒンジであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の携帯電子機器。
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