JP4617614B2 - 中空糸分離膜モジュールおよびガス分離方法 - Google Patents
中空糸分離膜モジュールおよびガス分離方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス選択透過性を有する多数本の中空糸を束ねた中空糸束からなり、混合ガスから特定ガス成分を選択的に分離するための中空糸分離膜モジュールと、それを用いたガス分離方法に関する。特に、本発明は、構造が簡単で加工が極めて容易であり、小型化が可能であり、分離効率が優れた中空糸分離膜モジュールと、それを用いたガス分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中空糸束を容器内に装着した中空糸分離膜モジュールは、膜の有効膜面積を大きくできるため、ガス混合物から特定ガス成分を高効率で分離するための種々の用途で利用されている。
中空糸エレメントは、通常、選択的透過性を持つ多数本の中空糸を束ねた中空糸束と、前記中空糸束の少なくとも一方の端部を中空糸が開口するように樹脂などで固着した管板とを含んで構成されている。
中空糸分離膜モジュールは、通常、前記中空糸エレメントを、少なくとも混合ガス導入口、透過ガス排出口、非透過ガス排出口とを備える容器内に、混合ガス導入口から導入された混合ガスが中空糸表面に接しながら流れ、その間に混合ガス中の特定ガス成分が中空糸の透過側へ選択的に透過して透過ガス排出口から排出され、透過しなかった非透過ガスは非透過ガス排出口から排出されるように、中空糸の内側へ通じる空間と中空糸の外側へ通じる空間とが容器と管板とで隔絶されるように装着されて構成されている。
【0003】
中空糸分離膜モジュールの容器は、通常、少なくとも一方の端部が開口しているシェルとその開口部を蓋うキャップとで構成される。
このシェルとキャップとは、シェルとキャップに取り付けられたフランジによりボルトナットで締付固定したり、シェルの外周部とキャップの内周部にネジを形成してネジにより締付固定したり、シェルとキャップとが嵌め合わせできるようにして嵌合によって固定されて、前記容器を形成している。
【0004】
このような、フランジとボルトナットによる締付固定や、シェルの外周部とキャップの内周部にネジを形成してネジによる締付固定の場合には、高い気密性を得ることができるが、フランジ部やネジ形成部をシェルの外側へ出っ張って設ける必要があり、中空糸分離膜モジュールを小型化するうえで障害になるという問題があった。また、シェルとキャップとを嵌合して固定する場合には、気密性が失われやすく、又、複雑な加工をおこなって嵌合部をシェルとキャップに形成する必要があるという問題があった。
【0005】
一方、中空糸分離膜エレメントに芯棒や芯管を配置することは既に検討されているが、これらは中空糸を配糸集束して中空糸束を製造するときの芯棒とするものや、ガスの通路を形成するために用いられるものであった。
更に、特公平5−9125号公報は、中空糸束の中央に位置した支持棒で中空糸束の両端部の管板と圧力室を形成するエンドキャップとを堅固に取り付けた外殻(シェル)のないガス透過装置(中空糸エレメント)と、この複数個をハウジングにアセンブリングした空気ろ過装置を提案している。しかし、このキャップが締付固定された中空糸エレメントは、別途容器内に収納して使用するものであるのでモジュールを小型化するものではないし、加工が容易なものではない。
また、特開2001−62257号公報は、中空糸束の中央部に中空糸束を支持する機能とパージガスを導入する機能とを併せ持つ芯管を配置した中空糸エレメントを開示している。しかし、中空糸エレメントと容器(シェルとキャップ)とを一体化するものでなく、モジュールの小型化や加工容易性においては十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、構造が簡単で加工が極めて容易であり、小型化が可能であり、高効率でガス分離をおこなうことができる中空糸分離膜モジュールを提供することを課題としている。
また、本発明は、小型の中空糸分離膜モジュールを用いて高効率でガス分離をおこなうことができるガス分離方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中空糸束の略中央部に芯棒を有する中空糸エレメントと、両端部が開口しているシェルと、二つのキャップとを含んで構成され、前記中空糸エレメントは前記シェルと前記キャップとからなる容器内に配置され、前記芯棒と前記キャップとを締付固定手段によって前記シェルと前記キャップとが気密状態を保つように締付且つ固定することによって、前記シェルと前記キャップと前記中空糸エレメントとが一体化されていることを特徴とする中空糸分離膜モジュール、および、中空糸束の略中央部に芯棒を有する中空糸エレメントと、一端部が開口しているシェルと、一つのキャップとを含んで構成され、前記中空糸エレメントは前記シェルと前記キャップとからなる容器内に配置され、前記芯棒と前記キャップとを締付固定手段によって前記シェルと前記キャップとが気密状態を保つように締付且つ固定し、且つ、前記芯棒と前記シェルとを締付固定手段によって締付且つ固定することによって、前記シェルと前記キャップと前記中空糸エレメントとが一体化されていることを特徴とする中空糸分離膜モジュールに関する。
また、前記締付固定手段が、前記芯棒の端部に形成されたネジ穴に前記キャップ又は前記シェルの外側から前記キャップ又は前記シェルに形成された穴を通じて固定ボルトを挿入して締付且つ固定する方法であること、前記芯棒内及び/又は前記固定ボルト内にパージガス導入路が形成されたこと、前記パージガス導入路がモジュール内で生成した非透過ガスの一部を透過側へ導くように、又は、前記パージガス導入路がモジュール外からガスを導入するように構成されたこと、前記中空糸エレメントを構成する中空糸束の外周部の50〜99%がフィルムで覆われていること、前記中空糸束がポリイミド非対称中空糸からなる中空糸束であることに関する。
更に、本発明は、前記中空糸分離膜モジュールを用いて、混合ガスから特定ガス成分を選択的に膜透過させるガス分離方法、特に、混合ガスが空気であり、水分を選択的に透過させて分離し、乾燥空気を得る方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の中空糸分離膜モジュールは、中空糸エレメントの略中心部に配置した芯棒を用いてモジュール全体を締付固定して一体化することによって、中空糸分離膜モジュールの小型化を可能にするものであり、しかも、簡単な構造で、複雑な加工を必要とせず、容易に組立てることができ、且つ、高い気密性を得ることができるものである。
更に、本発明の中空糸分離膜モジュールは、締付固定に用いられる芯棒及び/又は固定ボルト内にパージガス導入路及び/又は流量調整部を形成して、モジュール内で生成した非透過ガスの一部をパージガスとして透過側へ導入したり又はモジュール外からパージガスを透過側へ導入したりできるように構成されたものであり、小型化しても高効率分離性能を併せ持つものである。
【0009】
本発明において、中空糸分離膜モジュールの容器(ハウジング)はシェルとキャップで構成されている。
シェルは、中空糸分離膜モジュールの容器の主たる構成部分であり、中空糸エレメントをシェル内に収納するための少なくとも一つの開口部を持っている。
キャップは、前記開口部を蓋って中空糸分離膜モジュールの容器(ハウジング)を構成するものである。
本発明のパージガスとは、中空糸膜の透過側の透過ガスを希釈して、透過させたい特定ガス成分(空気除湿の場合は水分)の分圧を下げ、且つ、その流れに乗せて透過させたい特定ガス成分をモジュール外へ排出させて分離効率を高めるためのものである。従って、パージガスは、透過させたい特定ガス成分を含まないものが好適であり、透過させたい特定ガス成分を含む場合にはその分圧が小さいほど分離効率を高める効果がある。特に限定はないが、例えば空気、窒素ガス、アルゴンガスなどの無機ガスが好適に用いられる。更に、非透過ガスの一部を循環して用いることも、外部から導入して用いることもできる。スイープガス又はキャリアーガスと称すこともある。
【0010】
本発明の中空糸分離膜モジュールの実施形態を示す概略の縦断面図によって、本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明の中空糸分離膜モジュールはこれらの図面で示された実施形態に限定されるものではない。
図1において、シェル1は両端部が開口した円筒であり、透過ガス排出口12とOリング13を配置するための溝状凹部を備えている。シェル1と前期開口部を蓋うキャップ2、3とでモジュール容器が構成されている。前記モジュール容器内には、多数本の中空糸(図は数本のみを限定して表示)からなり略中央部に芯棒4を持つ中空糸束14と前記中空糸束14の両端部で前記芯棒4と前記中空糸束14とを固着させた管板15、16からなる中空糸エレメントが収納されている。前記芯棒4の管板15、16部分には溝状凹部が二重に形成され、この凹部空間には管板と同じ樹脂が充填されて管板の一部を形成して、前記芯棒4と前記管板15、16とを強固に固定している。中空糸束14の両端部は開口している。芯棒4の両端部にはネジ穴が、キャップ2、3には穴が形成されており、固定ボルト5、6をキャップ2、3の外側から挿入して締付固定することによって、前記中空糸エレメントをシェル1とキャップ2、3とで構成される容器内に収納して一体化し、且つ、シェル1とキャップ2、3との合わせ面で高い気密性を持たせている。気密性をより高めるために、キャップのネジ穴部にはOリングが配置され、シェル1とキャップ2、3との間にはそれぞれパッキン17が挿入されている。
【0011】
また、芯棒4のキャップ3側はキャップ3の内側面に接して固定されている。この芯棒4には、非透過ガスをパージガスとして取入れるための取入口9が、中空糸束14の端部よりも延び出た部分、即ち、前記端部とシェル1とキャップ3とに囲まれた空間に面した部分に設けられている。前記取入口9からガス導入路11が芯棒4の中心部へ延び、ガス導入路内に備えられた流量制御のためのオリフィス10を経て管板16の近傍で管板15、16とシェル1とで囲まれた中空糸の外側の空間へ導かれている。このガス導入路11は固定ボルト6のためのネジ穴に連通しているが、固定ボルト6によって塞がれてキャップ3の外側へは開放されていない。
キャップ2には供給ガスの導入口7があり、ここからモジュールへ混合ガスが導入され、導入された混合ガスはキャップ2と中空糸束14端部とシェル1とで囲まれた空間へ導入され前記中空糸束14端部の開口から各中空糸の内側へ導入され中空糸の内側の表面に接して流れるように構成されている。混合ガスは中空糸の内側を流れる間に混合ガス中の透過成分が選択的に膜を透過するので、膜を透過しなかった非透過ガスは管板16側の中空糸束14端部から前記中空糸束14端部とシェル1とキャップ3で囲まれた空間へ導かれ、一部が前記非透過ガスの取入口9からオリフィス10で流量調整されてパージガス導入路11を経由して管板16の近傍で管板15、16とシェル1とで囲まれた中空糸の外側の空間へ導かれ、一方、前記非透過ガスの取入口9から導入されなかった非透過ガスは、キャップ3に設けられた非透過ガス排出口8からモジュール外へ排出されるように構成されている。また、中空糸を選択的に透過した透過ガスは、前記のパージガス導入路11を経由して導入された非透過ガスとの混合ガスとなってシェル1の管板15近傍に設けられた透過ガス排出口12からモジュール外へ排出されるように構成されている。
【0012】
図2において、芯棒4に非透過ガス取入口9は設けられていない。非透過ガス排出口8を備えるキャップ3を締付固定するための固定ボルト6に、外部からパージガスを導入するための配管が結合できるようにジョイント部19があり、そこからガス導入路が延びて芯棒4内のパージガス導入路11と連通している。即ち、パージガスが、モジュール外部のガス源からジョイント部19とそこから延びたパージガス導入路11に導かれて管板16の近傍で管板15、16とシェル1とで囲まれた中空糸の外側の空間へ導かれるように構成されている。その他の構造は図1のものと同じように構成されている。
【0013】
図1の中空糸分離膜モジュールは、モジュール内で発生した非透過ガスの一部をモジュール内部のガス導入路経由で循環させてパージガスとして用いるためのものである。一方、図2のモジュールは、モジュール内で発生した非透過ガスの一部をモジュール外部の配管を経由してパージガスとして循環させることも、外部のパージガス源からのパージガスを導入することもできるものである。
【0014】
図3において、シェル1は一端部のみが開口した円筒状であり、シェル1と一つのキャップ3とで中空糸分離膜モジュールの容器(ハウジング)を構成している。シェル1の開口部と反対側の壁面(底面部)には固定ボルト5用の穴があり、この穴を通じて芯棒4のネジ穴へ固定ボルト5が挿入され締付固定されている。シェル1の開口部と反対側の壁面(底面部)には供給ガスの導入口7も配置されている。その他の構造は図1のものと同じように構成されている。
【0015】
本発明の中空糸分離膜モジュールにおいて、シェルの材質は混合ガスに不活性であり十分な機械的強度を有するものであれば特に限定されない。混合ガスを高圧で供給する用途では十分な耐圧性も考慮されねばならない。アルマイト処理されたアルミやステンレスなどの各種金属製、又は、繊維強化された又はされない樹脂製のものが好適である。形状は、限定されないが、両端が開口された円筒状のものに必要な加工を施したものが、構造が簡単で成形や加工が容易であり、組立ても容易になるのでより好適である。キャップの材質は混合ガスに不活性であり十分な機械的強度を有するものであれば特に限定されない。アルマイト処理されたアルミやステンレスなどの各種金属製、又は、繊維強化された又はされない樹脂製のものを用いることができる。形状は、限定されないが、円板状のものに必要な加工を施したものが、構造が簡単で加工が容易であり、組立ても容易になるので好適である。
【0016】
本発明の中空糸分離膜モジュールにおいて、芯棒は、中空糸束と管板とシェルとキャップとをしっかりと支持固定する役割を持っており、使用時に生じる圧力や変形力を配慮した上で十分な機械的強度を持たせる必要がある。特に固定ボルトをネジ穴で堅固に保持する必要がある。材質は混合ガスに不活性でなければならない。アルマイト処理したアルミ製などの各種金属製が好適であるが、繊維強化された又はされない樹脂製のものを用いることができる。形状は、限定されないが、加工容易性から丸棒状のものが好適である。金属製の丸棒を切削加工すれば容易にネジ穴やパージガス導入路を形成することができる。更に、丸棒状にすると中空糸を配糸して中空糸束とする際の芯として好適である。
【0017】
本発明の中空糸分離膜モジュールにおいて、締付固定手段はシェルとキャップとを芯棒を利用して締付固定するものであり、芯棒の端部に形成されたネジ穴にキャップ又はシェルの外側からキャップ又はシェルに形成された穴を通じて固定ボルトを挿入して締付且つ固定する方法が、構造が簡単で加工が容易であり十分な締付固定力が得られ取付け取外しが簡単におこなわれるので好適である。キャップ又はシェルに形成された穴はネジ穴でも構わない。この場合、固定ボルトはキャップ又はシェルと芯棒とに形成されたネジ穴に通じて締付且つ固定される。固定ボルトは締付固定した状態で、使用時の耐圧性などを考慮して、十分な機械的強度を持つものなら特に限定はないが、各種金属製特にステンレス製のものを好適に用いることができる。
【0018】
本発明の中空糸ガス分離膜モジュールにおいて、モジュールの気密性を高めるために、図で説明したようにOリングやパッキンを用いる。これらは通常用いられるものでよく形状寸法は用いる箇所とその形状によって決まる。好適には、NBRなどのゴム系材料のものが用いられる。
【0019】
本発明の中空糸ガス分離膜モジュールにおいて、中空糸エレメントは略中心部に芯棒を配置しその周辺に中空糸が配糸され中空糸束を形成し、中空糸束の両端部に管板が配置されて芯棒と中空糸束とを固着して構成されている。
用いられる中空糸は、選択的ガス透過性を持つものであれば、いずれの材料で形成されていても構わない。本発明の中空糸分離膜モジュールが好適に適用される空気から水分を分離して除湿する場合には、高効率で高い除湿性能が得られるガラス状高分子材料からなる中空糸が好ましく、特に、ポリイミドからなる非対称中空糸が高効率で低い露点の乾燥空気が得られるし耐久性も優れるので好適である。前記非対称ポリイミド中空糸は、分離機能を持つ薄い均一層と支持機能を持つ多孔質層とを持つもので、膜厚は5〜500μm、好ましくは10〜200μm、外径は50〜2000μm、好ましくは100〜1000μmのものである。このような非対称性ポリイミド中空糸は、例えば、特開平6−254367号公報や特願2000−370031号公報に記載の方法によって好適に製造することができる。
管板は、特に限定はないが、エポキシ樹脂やウレタン樹脂のような硬化性樹脂及びポリオレフィンやポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好適に用いられる。小型モジュールの場合には、予め中空糸を一定の幅の両端部に熱可塑性樹脂を備えたテープ状の編織物とし、これを芯棒に巻きつけ、両端部の熱可塑性樹脂を加熱融着する方法が、容易に且つ効率良く製造できるので好ましい。また、芯棒の管板が配される部分に凹部を設けそこに予め熱可塑性樹脂を充填しておき、前記テープ状の編織物を巻きつけたあと加熱処理して凹部の樹脂も一体化して管板を形成させることによって、管板が加圧下でも芯棒に強固に固着され位置ずれを起こさないように構成したものが特に好適である。
【0020】
本発明の中空糸エレメントでは、中空糸束の外周部をフィルムで覆うことが好ましい。このフィルムは中空糸の外側の空間に導入されたガスが中空糸束の外側へ向かって放射状に拡散することを防いで中空糸に沿って流れるようにガイドの役を果たし、中空糸内を流れるガスに対して向流に流れるようにすることができる。中空糸の内側又は外側のガスがパージガスを含む場合は、このフィルムが分離効率を著しく高める。本発明では、有効な中空糸束の外周部面積の50〜99%、特に80〜95%をフィルムで覆うのが好ましい。フィルムが覆う面積が50%未満では、中空糸束からガスが放射状に拡散してしまい分離効率を十分高めるのが難しいので好適でなく、フィルムが覆う面積が99%を越えるとフィルムがガスの流れの障害になって分離効率に悪影響があり好適ではない。
【0021】
中空糸分離膜モジュールを小型化したときは、通常、中空フィードタイプ(中空糸の内側へ混合ガスを供給するタイプ)の方がシェルフィードタイプ(中空糸の外側へ混合ガスを供給するタイプ)よりも分離効率が高い。
以下、本発明の中空フィード用の中空糸分離膜モジュールについて説明する。混合ガス導入口はキャップとシェルと中空糸束の一方の端部に囲まれて中空糸内に連通している空間に面して配置され、非透過ガス導入口はキャップとシェルと中空糸束の他方の端部に囲まれて中空糸内に連通している空間に面して配置され、混合ガス導入口から導入された混合ガスが中空糸束の端部の開口から中空糸内を流れて中空糸の他方の端部の開口から流出し非透過ガス排出口から排出できるようになっている。透過ガス排出口はシェルと二つの管板とに囲まれた中空糸の外側の空間に面して配置される。それぞれの開口はシェルに形成されてもキャップに形成されても構わない。パージガスを用いる場合には、透過ガス排出口を混合ガス導入口側の管板の近傍に配置するのが、パージガスを混合ガスの流れに対して向流にすることができ分離効率を高めることができるので好適である。
【0022】
パージガス導入路は、芯棒及び/又は固定ボルト内に形成され、モジュール内で生成した非透過ガスの一部を透過側へ導くように構成されるか、あるいは、モジュール外からガスを導入するように構成される。
モジュール内で生成した非透過ガスの一部を透過側へ導くように構成される場合は、芯棒にパージガス取入口が設けられる。取入口は非透過ガス排出口側の管板(中空糸束の端部)とキャップとシェルとで囲まれた空間に面して配置され、非透過ガスの一部をパージガスとして取入れることができる。そのガスは、芯棒内のパージガス導入路に導かれモジュール内のシェルと管板とに囲まれた中空糸の外側の空間に導入される。パージガス導入路には流量を調整するため例えばオリフィスが備えられ、非透過ガスのうちの一部分のみがパージガスとして用いられる。パージガス導入路はパージガス取入口から芯棒内に延ばされた導入路を通じ、非透過ガス排出口側の管板の近傍で放射状に通路を設けてシェルと管板とに囲まれた中空糸の外側の空間に導くのが、加工容易性及びパージガスを混合ガスの流れに対して向流にして分離効率を高めることができるので好適である。
オリフィスとは、所定の穴径を持ち高圧ガスの一定量を低圧側へ漏出するものである。各種金属や各種樹脂でできた通常のものを好適に用いることができる。尚、パージガス導入路内のオリフィスは、そのオリフィスを挟んで両側がオリフィスの穴を除いて気密になるように装着される。
【0023】
パージガスをモジュール外のガス源から導入するように構成される場合は、パージガス導入路は芯棒から一方のキャップを突き抜けてモジュールの外側へ開口部を持ち、その開口部が外部のガス源からの配管と接続されるように構成される。特に、固定ボルトに外部ガス源からの配管との接続部を形成し、そこから固定ボルトを貫通してパージガス導入路が形成され、更に、芯棒内のネジ穴が延長されたパージガス導入路と連通し、非透過ガス排出口側の管板の近傍で放射状の導入路によりシェルと管板とに囲まれた中空糸の外側の空間に導かれるように構成するのが、簡単な構造のために加工が容易になりモジュールを小型化できるので好適である。
【0024】
本発明の中空糸分離膜モジュールは、以上の説明した中空フィード用だけでなく、シェルフィード用としても可能である。
シェルフィード用の場合には、混合ガス導入口と非透過ガス排出口は、シェルと二つの管板とに囲まれた中空糸の外側の空間に面して配置される。これらはお互いに反対側の管板の近傍に配置されるのが好ましい。また、一方のキャップとシェルと中空糸束の端部とに囲まれた空間に面してパージガス導入口が配され、他方のキャップとシェルと中空糸束の端部とに囲まれた空間に面して透過ガス排出口が配される。中空糸の外側を流れる混合ガスと中空糸の内側を流れるパージガス及び透過ガスが向流となるように配されるのが好ましい。
混合ガス導入口、非透過ガス排出口、透過ガス排出口、パージガス導入口は、シェル、キャップ、芯棒に配置することができる。
また、シェルと二つの管板とに囲まれた中空糸の外側の空間から非透過ガスの一部を取入れて、パージガスを導入する側のキャップとシェルと中空糸束の端部に囲まれた空間に連通したパージガス導入路を芯棒内に形成してもよく、その場合にはパージガス導入路内にオリフィスなどを配置して流量を調整することが好ましい。
図4は、シェルフィード用として用いられる本発明の中空糸分離膜モジュールの実施例の一例を示す概略の横断面図である。尚、本発明の中空糸分離膜モジュールはこの実施形態に限定されるものではない。
【0025】
本発明の中空糸分離膜モジュールを用いた分離方法は、混合ガスから特定ガス成分を分離するのに用いることができる。例えば、各種ガスの除湿、各種ガスの加湿、窒素富化、酸素富化などを好適に挙げることができる。特に、空気から水分を分離して乾燥空気を得る除湿は、乾燥空気が種々の用途で他の機器と組合せたり他の機器に組み込まれたりして使用されるため、小型で高効率で高分離性能のものが特に要求されており、本発明の中空糸分離膜モジュールの用途として特に有用である。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明の中空糸分離膜モジュールが好適に適用される空気を除湿する方法について、実施例で説明する。尚、本発明の中空糸分離膜モジュールを用いたガス分離方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1の形態を有し、膜厚60μm、外径400μmの非対称ポリイミド中空糸の所定本数からなる中空糸束を装着した、長さ80mmで直径30mmの外寸を持つ小型の中空糸分離膜モジュールを用いて大気圧露点が−2℃の空気の除湿をおこなった。前記空気をコンプレッサーで圧力0.5MPaG(ゲージ圧、以下同様)に加圧し、次いで、水分離機で予備的に凝固水滴を除いたあとで、前記モジュールの混合ガス導入口から流量1.2Nm3/hrで導入し、0.6Nm3/hrの非透過ガスを得た。得られた非透過ガスの大気圧露点は−11℃と低露点であった。尚、パージガスとして、非透過ガスの一部(0.6Nm3/hr)を循環させた。
(実施例2)
図2の形態を有し、膜厚60μm、外径400μmの非対称ポリイミド中空糸の所定本数(実施例1と同じ)からなる中空糸束を装着した、長さ80mmで直径30mmの外寸を持つ小型の中空糸分離膜モジュールを用いて大気圧露点が−2℃の空気の除湿をおこなった。前記空気をコンプレッサーで圧力0.5MPaGに加圧し、次いで、水分離機で予備的に凝固水滴を除いたあとで、前記モジュールの混合ガス導入口から流量1.2Nm3/hrで導入し、1.2Nm3/hrの非透過ガスを得た。得られた非透過ガスの大気圧露点は−16℃と低露点であった。尚、非透過ガス排出口から得られた非透過ガスをエアーモータに導いてエアーモーターを駆動させたあとで、その全量をパージガスとして外部から取入れて用いた。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。
即ち、本発明は、構造が簡単で加工が極めて容易であり、小型化が可能であり、高効率でガス分離をおこなうことができる中空糸分離膜モジュールを提供することができる。
また、本発明は、小型の中空糸分離膜モジュールを用いて高効率でガス分離をおこなうことができるガス分離方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸分離膜モジュールの実施形態の一例を示す概略の縦断面図である。
【図2】本発明の中空糸分離膜モジュールの実施形態の一例を示す概略の縦断面図である。
【図3】本発明の中空糸分離膜モジュールの実施形態の一例を示す概略の縦断面図である。
【図4】本発明の中空糸分離膜モジュールの実施形態の一例を示す概略の縦断面図である。
【符号の説明】
1:シェル
2、3:キャップ
4:芯棒
5、6:固定ボルト
7:混合ガス導入口
8:非透過ガス排出口
9:パージガス取入口
10:オリフィス
11:パージガス導入路
12:透過ガス排出口
13:Oリング
14:中空糸束
15、16:管板
17:パッキン
18:フィルム
19:ジョイント部
20:ガス遮蔽リブ
Claims (9)
- 中空糸束の略中央部に端部にネジ穴が形成された芯棒を有する中空糸エレメントと、両端部が開口しているシェルと、二つのキャップとを含んで構成され、前記中空糸エレメントは前記シェルと前記キャップとからなる容器内に配置され、前記芯棒と前記キャップとを前記ネジ穴に前記キャップの外側から前記キャップに形成された穴を通じて固定ボルトを挿入して締付且つ固定することによって、前記シェルと前記キャップと前記中空糸エレメントとが一体化され、前記芯棒内に、前記ネジ穴に連通したガス導入路が形成されていることを特徴とする除湿用または加湿用の中空糸分離膜モジュール。
- 中空糸束の略中央部に端部にネジ穴が形成された芯棒を有する中空糸エレメントと、一端部が開口しているシェルと、キャップとを含んで構成され、前記中空糸エレメントは前記シェルと前記キャップとからなる容器内に配置され、前記芯棒と前記キャップとを前記ネジ穴に前記キャップの外側から前記キャップに形成された穴を通じて固定ボルトを挿入して締付且つ固定し、且つ、前記芯棒と前記シェルとを前記ネジ穴に前記シェルの外側から前記シェルに形成された穴を通じて固定ボルトを挿入して締付且つ固定することによって、前記シェルと前記キャップと前記中空糸エレメントとが一体化され、前記芯棒内に、前記ネジ穴に連通したガス導入路が形成されていることを特徴とする除湿用または加湿用の中空糸分離膜モジュール。
- 固定ボルトを貫通してガス導入路が形成され、ガス導入路が、モジュール外からガスを導入するように構成されたことを特徴とする前記請求項1または2のいずれかに記載の中空糸分離膜モジュール。
- ガス導入路が、芯棒に設けられ、非透過ガス排出口側の管板とキャップとシェルで囲まれた空間に面して配置された取入口からモジュール内で生成した非透過ガスの一部を取り入れ、透過側へ導くように構成されたことを特徴とする前記請求項1または2のいずれかに記載の中空糸分離膜モジュール。
- 中空糸エレメントを構成する中空糸束の外周部の50〜99%がフィルムで覆われていることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸分離膜モジュール。
- 中空糸束が、ポリイミド非対称中空糸からなる中空糸束であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸分離膜モジュール。
- 混合ガスをモジュール内に供給し中空糸の内側又は外側の表面に接して流し、特定ガス成分を選択的に透過させて透過ガスとし、非透過ガスをモジュール外へ排出し、ガスを芯棒内に形成されたガス導入路を通して中空糸の透過側へ導入し前記透過ガスとの混合ガスとしてモジュール外へ排出することを特徴とする前記請求項1〜6のいずれかに記載の中空糸分離膜モジュールを用いるガス分離方法。
- 混合ガスを中空糸エレメントの一方の端部開口から中空糸の内側へ導入し中空糸表面に接して流し、特定ガス成分を選択的に透過させて透過ガスとし、非透過ガスを前記中空糸エレメントの他方の端部開口から排出し、ガスを芯棒内に形成されたガス導入路から中空糸内の流れ方向に対し向流になるように中空糸の外側へ導入し、透過ガスとの混合ガスとしてモジュール外へ排出することを特徴とする請求項7に記載のガス分離方法。
- 空気から水分を選択的に分離して乾燥空気を得ることを特徴とする前記請求項7〜8のいずれかに記載のガス分離方法。
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