JP4617153B2 - 微量塩素イオン濃度分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料溶液中の塩素イオン濃度を分析する方法に関するものであって、さらに詳しくは、高濃度アルカリ性試料溶液中の微量塩素イオンを迅速、正確に分析する方法に関する。
従来、濃度約32重量%の水酸化ナトリウム溶液のような高濃度アルカリ性試料溶液中の塩化ナトリウム濃度を分析するためには、硝酸銀溶液を用いた沈殿滴定法により試料溶液中の塩素イオン濃度を、定量することが一般的であった。
沈澱滴定法では、試料を所定量採取し、これに中和用酸を加えて試料溶液を弱酸性にした後、硝酸銀溶液を滴定試薬として用い、該滴定試薬を試料溶液中に滴下し、含有塩素イオンを塩化銀の沈殿物にすることにより消費、消失させる。当量点に達すると含有塩素イオンが消失し、銀イオンが過剰に存在することになることを利用し、この過剰の銀イオンを銀イオン電極で検出して、銀イオン電極の電位変化から塩素イオンと銀イオンの当量点を検出する。この当量点が検出されるまでに滴下された滴定試薬の量から、塩素イオン濃度を求め、試料溶液中の塩化ナトリウム濃度を算出する。
沈澱滴定法では、硝酸銀溶液で滴定するためにビュレットやシリンジを用いることが必要であった。また、分析を自動化するためにはシリンジをモーターにより駆動させるため、装置として機械的に精密で大型のものとなる。
また、モーターにより駆動されるシリンジを用いるため、シリンジ接液部の磨耗劣化による液漏れやシリンジ容量変化、シリンジ駆動用モーターの破損や伝達部(歯車等)の異物噛み込みによる作動不良、液温変化に伴う溶存空気による気泡発生、ピストン部の磨耗によるエアー吸引等の理由による滴下液量の変化により、分析誤差を生じたり、分析不能になってしまうことがあった。
微量塩素イオン濃度分析方法として特許文献1には、水道水等を試料とし、銀製の陰陽電極を配置した滴定用セル中で、電極間に定電流を流して塩素イオンが消失するまで電解を行い、要した電気量から試料中の塩素イオン濃度を求める塩素濃度の測定方法が記載されている。しかし、高濃度アルカリ性試料中の微量塩素イオンを分析対象とすることについて記載はない。
特開平01−313754号公報
従って本発明の目的は、高濃度アルカリ性試料中の微量塩素イオンについて精度よく分析が行え、故障の少ない装置とすることができる微量塩素イオン濃度分析方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題を解決するため、鋭意検討を行ってきた。その結果、高濃度アルカリ性試料中の微量塩素イオン濃度分析を、銀電極を用いた電量滴定法により行うことによって、精度良く分析が行え、故障の少ない装置とすることができることを見出した。
即ち、本発明方法は、標準液及び高濃度アルカリ性試料を滴定槽にそれぞれ所定量採取し、中和用酸を添加して弱酸性とした後、銀電極を陽電極、金属電極を陰電極にして定電流を流して含有塩素イオンが消失するまで電解を行い、該電解に要した電気量から標準液のみを電解したときの電気量を差し引いて、試料溶液中の塩素イオン量を算出することを特徴とする高濃度アルカリ性試料中の微量塩素イオン濃度分析方法である。
本発明の高濃度アルカリ性試料中の微量塩素イオン濃度分析方法によれば、銀電極を用いた電量滴定とすることにより、シリンジを用いる必要がなくなり、精度良く分析が行え、装置も故障の少ないコンパクトな自動分析装置とすることができる。
本発明の塩素イオン濃度測定方法においては、高濃度アルカリ性試料及び標準液を滴定槽にそれぞれ所定量採取する。
塩素イオン濃度測定の対象とする高濃度アルカリ性試料としては特に限定されないが、本発明の塩素イオン濃度分析方法は、イオン交換膜法で製造されるいわゆる液体苛性ソーダを対象とするのが好適である。イオン交換膜法で製造される液体苛性ソーダは、濃度約32重量%の水酸化ナトリウム溶液であり、高濃度アルカリ性溶液である。該液体苛性ソーダは、25〜40mg/lの塩化ナトリウムを含んでおり、塩素イオン濃度としては、15〜25mg/lである。高濃度アルカリ性試料は分析の際に中和する必要があり、中和後の試料中の塩素イオン濃度が低下する。中和後の試料中の塩素イオン濃度が10mg/l以下の低濃度であると塩素イオン電極により測定される電位と塩素イオン濃度との比例性がなくなり塩素イオン濃度が定量できなくなるため、これを防止するため高濃度アルカリ性試料と共に滴定槽中に標準液を添加する。
本発明の塩素イオン測定方法において用いる標準液は、塩素イオン濃度が既知の水溶液である。標準液としては特に限定されないが、塩化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液、塩化カリウム水溶液等が使用できる。またその濃度は、滴定槽中の試料の塩素イオン濃度が中和用酸による試料の中和後において、電量滴定の定量下限以上の塩素イオン濃度のものであれば特に限定されない。標準液の濃度は、液体苛性ソーダ等を試料とするときは、多量の酸により中和する必要があり試料が希釈されることや、標準液があまり高濃度であると測定誤差が生じやすいなどを勘案すると、50〜500mg/lの範囲であることが望ましい。
高濃度アルカリ性試料及び標準液の採取量は、特に限定されない。塩素イオン濃度が低い場合、採取量を多くして精度向上を図ることが望ましいが、特に高濃度アルカリ性試料においては、中和に必要な酸の量も多くなってしまう。測定装置を小型化するためにも、採取量を1〜10mlとすることが好ましい。
本発明においては、滴定槽に高濃度アルカリ性試料及び標準液を所定量採取した後に、中和用酸により中和する。銀電極を用いて電量滴定するためには、被滴定液を弱酸性にする必要がある。被滴定液がアルカリ性であると、銀を電解して発生した銀イオンが、銀の水酸化物の沈澱となり塩素イオンと反応しなくなる。被滴定液を弱酸性としておけば電解によって発生した銀イオンは、イオンのまま液中に存在し、塩素イオンと定量的に反応する。また中和用の酸は硝酸、塩酸、酢酸等を用いることができる。用いる酸の量はあまり薄いと中和に要する酸の量が多量になり、滴定時の液量の増加により塩素イオン濃度が低下して滴定不能となる恐れがある。また濃い酸は、取扱いに注意を要する。液体苛性ソーダを対象とするときは、5〜10mol/l程度の硝酸を用いることが望ましい。
本発明においては、採取した試料及び標準液の混合液を弱酸性にした後に、電量滴定を行う。硝酸銀溶液を滴下する代わりに銀電極を陽極、金属電極を陰極にし、両電極間に定電流を流し、銀電極から銀イオンを溶解発生させる。金属電極としては、腐食せず電流を流せるものであれば特に限定されない。一般的には、白金電極が用いられる。
発生した銀イオンと被滴定液中の塩素イオンとは反応し、塩化銀となって沈澱する。これに伴い被滴定液中の塩素イオンが減少するので、塩素イオンがなくなるまでに流した電気量を測定し、この電気量から塩素イオン含有量を定量し、塩素イオン濃度を算出する。よって沈澱中和滴定法に必要な滴下装置が不要である。また、試料及び標準液の採取に計量管、6方バルブを用い、これらを共用すると装置をコンパクトにすることができ、故障も減少させることができるので好ましい。
被滴定液中の塩素イオンと銀イオンとの当量点の検出は、塩素イオン電極により塩素イオン電位を測定すること、又は銀イオン電極により銀イオン電位を測定することにより行う。
本発明においては、当量点の電位測定の際に、比較電極としてゲル状の塩化カリウムを内部液とする比較電極を用いると、塩素イオンの比較電極からの液絡量が通常の比較電極や内部液が塩化カリウムと硝酸カリウムよりなる比較電極(ダブルジャンクション型の比較電極)より少ないので、精度良く当量点が検出できる。
本発明においては、電量滴定によって高濃度アルカリ性試料及び標準液に含有されている塩素イオン量に対応する電気量が得られる。そこで、標準液のみを上記方法と同様の方法で電量滴定し、標準液の塩素イオンのみを電量滴定するのに必要な電気量を求め、高濃度アルカリ性微量塩素イオン含有試料溶液及び標準液を電量滴定するに要した電気量から差し引いて、高濃度アルカリ性微量塩素含有試料中の塩素イオン含有量を求め、塩素イオン濃度を算出する。
本発明においては、陽極である銀電極と陰極である金属電極の両極間に流す電流は、パルス状であることが好ましい。定電流をパルス状に流すと、電量滴定に要する電気量はパルス数に比例することとなる。更に、このパルス数は滴定槽中の被滴定液の塩素イオン含有量に比例することとなる。従って、該パルス数から高濃度アルカリ性試料中の塩素イオン濃度を算出することができる。
算出方法を詳しく説明する。まず、標準液のみの電量滴定であるが、標準液を滴定槽に所定量採取し、酸により弱酸性にした後、銀電極を陽電極、金属電極を陰電極にしてパルス状の定電流を流す。酸添加後には、滴定槽中の液量が所定の量になるように、純水を加えることが望ましい。塩素イオンが消失するまで電解を行い、該電解に要したパルス数Pst1を計測する。標準液の塩素イオン濃度とパルス数Pst1から塩素イオン濃度を算出することが可能であるが、高濃度アルカリ性試料の電量滴定条件に近づけ、測定誤差を少なくするためには、その後、滴定槽を洗浄して今度は標準液を滴定槽に所定量の2倍採取し、再び中和、電解を行い、パルス数Pst2を計測し、下記式(1)により1パルス当りの塩素イオン濃度Kを算出することが好ましい。
K=A/(Pst2−Pst1) (1)
(ここで、Aは標準液の塩素イオン濃度)
標準液を所定量の2倍採取する方法としては、所定量を採取できるサンプルループにより2回採取すればよい。
一方、標準液及び高濃度アルカリ性試料を1回ずつ採取した被滴定液を同様に電量滴定し、電解するに要したパルス数Ps+st1を計測すると、これから下記式(2)により高濃度アルカリ性微量塩素イオン含有試料溶液中の塩素イオン濃度Cを算出することができる。
C=K×(Ps+st1−Pst1) (2)
このようにパルス数から塩素イオン濃度を算出することができるので、校正及び分析を自動で行うことも可能である。
定電流をパルス状に流す方法は特に限定されない。例えば、定電流装置をシーケンサで制御することによりパルス状の定電流とすればよい。
上記した本発明の高濃度アルカリ性微量塩素イオン含有試料溶液中の塩素イオン濃度の測定は、以下のような方法により行うことができる。
図1は本発明に関わる自動分析装置の図である。
はじめに、標準液の電量滴定工程を説明する。この工程は、標準液中の塩素イオンをパルス状の定電流により電量滴定し、校正された1パルス当りの塩素イオン量を求めるためのものである。また、電量滴定は標準液を1回採取して行う工程と、2回採取して行う工程の2回行う。
まず標準液を滴定槽にサンプリングするが、その工程は次のとおりである。標準液(4)を、標準液電磁弁(2)を開にして採取ポンプ(3)を稼動させサンプリング用6方バルブ(5)を通しサンプルループ(6)に置換採取する。標準液が採取されるとサンプリング用6方バルブ(5)を図2に示すように60度回転(一周の六分の一回転)させ、流路を変えて純水電磁弁(7)から純水を標準液のたまったサンプルループ(6)に送り込み、送り込んだ純水によってサンプルループ中の標準液を滴定槽(8)へ洗いこむ。その後6方バルブ(5)は60度回転して図1のもとの流路にもどしておく。
このようにして標準液を滴定槽(8)に採取したら採取液を、弱酸性にする工程に移る。中和用酸(9)を、酸ポンプ(10)により滴定槽に添加する。添加する中和用酸の量は、予め試料が弱酸性となる量を決めておけばよい。次に滴定槽(8)の液量を一定とするため液面計(12)で液量を監視しながら純水電磁弁(7)を開いて純水を滴定槽(8)に注入し、液量を所定量とする。
液量を所定量にしたら、滴定の工程に入る。滴定はスターラ(11)を稼動させ滴定槽(8)中の被滴定液を攪拌しながら銀電極(13)と金属電極(14)との間に銀電解用定電流を流して行う。定電流装置(16)は制御器(18)のシーケンサで制御し、パルス状の定電流を流す。このとき塩素イオン電極(20)及び比較電極(21)とイオンメーター(17)により塩素イオン濃度を電位により監視し、発生する銀イオンと分析対象の塩素イオンが当量となる点を検出する。当量点では銀イオンが過剰になり、電位が急激に変化するのでその変化量で当量点を検出し、滴定を終了する。滴定が終了すると排液電磁弁(15)を開いて被滴定液を排液する。このとき、滴定開始から当量点に達するまでのパルス数Pst1を計測する。
以上が、標準液を1回採取して電量滴定する工程であるが、つづいて標準液を2回採取して電量滴定を行い、パルス数Pst2を計測する。その工程は、標準液の採取の工程を2回繰り返して行い、中和用酸を加え、以降は上記工程と同じ工程を行う。
次に、高濃度アルカリ性試料の滴定工程を説明する。
まず、試料を滴定槽にサンプリングするが、その工程は次の通りである。
試料電磁弁(1)を開にして採取ポンプ(3)を稼動させサンプリング用6方バルブ(5)を通しサンプリングループ(6)に置換採取する。試料を採取するとサンプリング用6方バルブ(5)を図2に示すように60度回転(一周の六分の一回転)させ、流路を変えて純水電磁弁(7)から純水を試料のたまったサンプルループ(6)に送り込み、送り込んだ純水によってサンプルループ中の試料を滴定槽(8)へ洗いこむ。その後6方バルブ(5)は60度回転して図1のもとの流路にもどしておく。つづいて、試料をサンプリングした滴定槽へ今度は標準液(4)を上記した同じ工程によってサンプリングする。標準液をサンプリングするときは標準液電磁弁(2)を開にして採取ポンプ(3)を稼動させる。
このようにして、試料と標準液を滴定槽(8)に採取したら試料を中和し、弱酸性にする工程に移る。中和用酸(9)を、酸ポンプ(10)により滴定槽に添加する。添加する中和用酸の量は、あらかじめ試料の濃度がわかっていることから、試料が中和され弱酸性となる量を決めておけばよい。
試料と標準液を滴定槽に採取し弱酸性としたら、滴定槽(8)の液量を一定とするため液面計(12)で液量を監視しながら純水電磁弁(7)を開いて純水を滴定槽(8)に注入し、液量を所定量とする。
液量を所定量にしたら、滴定の工程に入る。滴定は標準液の滴定と同様にして行う。
この工程で行われた滴定により計測されたパルス数Ps+st1は、試料中の塩素イオン量と標準液中の塩素イオン量との合算量に対応することとなる。
上記の各滴定の結果より試料中の塩素イオンを算出する。
まず、標準液だけを採取し滴定した値から1パルス当りの塩素イオン濃度Kを求める。算出式は前述の(1)式による。
K=A/(Pst2−Pst1) (1)
(ここで、Aは標準液の塩素イオン濃度)
次に、試料と標準液を採取して滴定した際のパルス数から標準液だけを採取して滴定した際のパルス数を差し引き、先に求めた1パルス当りの塩素イオン量を乗じて試料中の塩素イオンを算出する。
C=K×(Ps+st1−Pst1) (2)
(実施例)
下記条件により、イオン交換膜で製造された液体苛性ソーダ(濃度約32重量%)溶液中の塩素イオン濃度を分析した。計測されたパルス数を表1に示した。また、塩素イオン濃度の分析結果を表2に示した。
電量滴定条件
高濃度アルカリ性試料溶液:約32重量%液体苛性ソーダ 5ml
標準液:塩素イオン濃度100mg/mlの塩化ナトリウム水溶液 5ml(1回採取時)、10ml(2回採取時)
中和用酸:8M硝酸水溶液 6.6ml
中和後のpH:5
滴定するときのトータルの液量:50ml
銀電極:10mmφ×40mm銀棒
金属電極:6mmφ×50mm白金棒
電流:50mA直流電流を20Hzで供給
塩素イオン電極:HS−205S(東亜電気化学工業製)
比較電極:MR501C(ToKo製)
Figure 0004617153

(参考例)
実施例と同じ試料について沈殿滴定法による手分析も同時に行った。
高濃度アルカリ性試料溶液約20gを正確に秤量し、フェノールフタレインを指示薬として13M硝酸水溶液で苛性ソーダを中和した後、更に13M硝酸水溶液を5ml過剰に加えた。液温を25℃まで冷却した後、0.05M硝酸銀水溶液約5mlを滴下し、塩素イオンを塩化銀として完全に沈殿させた。この溶液に、更に10wt%硫酸第2鉄アンモニウム水溶液を指示薬として3ml加え、撹拌下0.05Mチオシアン酸アンモニウム水溶液で銀イオンを滴定した。高濃度アルカリ性試料溶液の重量、0.05M硝酸銀水溶液の滴下量及び0.05Mチオシアン酸アンモニウム水溶液の滴定所要量から、高濃度アルカリ性試料溶液中の塩素イオン濃度を算出した。滴定法による分析結果を表2に示す。
Figure 0004617153
本発明の分析方法によれば、手分析による沈殿滴定法と同様精度良く高濃度アルカリ性試料溶液中の塩素イオン濃度を測定できる。また、シーケンサにより、標準液を電量滴定することによる校正作業を含めて、高濃度アルカリ性試料中の微量塩素イオンの分析を自動で行うことができる。
本発明の実施態様の一例である自動分析装置図 6方バルブの流路切替図
符号の説明
(1)試料電磁弁 (12)液面計
(2)標準液電磁弁 (13)電量滴定用Ag電極
(3)採取ポンプ (14)電量滴定用金属電極
(4)標準液 (15)排液電磁弁
(5)サンプリング用6方バルブ (16)定電流装置
(6)サンプルループ (17)イオンメーター
(7)純水電磁弁 (18)制御器
(8)滴定槽 (19)操作パネル
(9)中和用酸 (20)Clイオン電極
(10)酸ポンプ (21)比較電極
(11)スターラ

Claims (3)

  1. イオン交換膜法で製造される液体苛性ソーダ中の微量塩素イオン濃度分析方法であって、
    滴定槽、銀電極からなる陽電極、及び金属電極からなる陰電極を有する装置を用い、標準液及び該液体苛性ソーダを滴定槽にそれぞれ所定量採取して混合液を得、該混合液に中和用酸を添加して弱酸性とした後、前記陽電極と陰電極とに定電流を流して含有塩素イオンが消失するまで電解を行い、該電解に要した電気量を求め、
    別途、同一の装置を用い、前記混合液を調製した際と同量の標準液のみを滴定槽に採取し、中和用酸を添加して弱酸性とした後、定電流を流して含有塩素イオンが消失するまで電解を行い、該電解に要した電気量を求め、
    前記混合液を電解するのに要した電気量から標準液のみを電解したときの電気量を差し引いて、試料中の塩素イオン量を算出することを特徴とするイオン交換膜法で製造される液体苛性ソーダ中の微量塩素イオン濃度分析方法。
  2. 混合液及び標準液の電解に際して流す定電流を、パルス状に流す請求項1記載の微量塩素イオン濃度分析方法。
  3. 含有塩素イオンの消失を、比較電極として内部液にゲル状の塩化カリウムを用いた比較電極を用いて、イオン電極により検出することを特徴とする請求項1又は2記載の微量塩素イオン濃度分析方法。
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