JP4616066B2 - 埋め込み微細パターンの形成方法 - Google Patents

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本発明は、偏光子、ファラデー回転子、回折格子等各種の光学素子として用いることができる埋め込み微細パターンの形成方法に関する。
従来、微細加工技術として、フォトリソグラフィーという加工法が用いられてきた。斯かるフォトリソグラフィーを用いて加工される細線はナノメーターのオーダーのスケールで加工できる。しかしこの方法はプロセスが長く、また1個ずつ作製するために製造コストが高いという欠点がある。
そこで、最近、この方法の欠点を補うために、より簡便であるナノインプリントという方法が開発されてきている。この方法は微細凹凸パターン加工を施した加熱原盤を、加熱したガラスやプラスチックなどの対象基板に加圧して、何枚も連続してナノメートル寸法の微細凹凸パターンを対象基板上に形成する方法である。
この方法の問題点として、凹凸パターンを希望する位置に形成するための位置決め精度が低いことが挙げられる。この問題点を解決するものとして、位置参照用のマークを設けるという手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また押しつけた原盤を引き離しやすいように、原盤と対象基板との間に特殊な溶剤に溶ける層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
他に、対象基板を均一に加熱するための方法(例えば、特許文献3参照)や、大面積に均一に転写するために、原盤と対象基板との間にバッファ層を間挿する方法(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、いずれも原盤の凹凸を対象基板に加熱と加圧により転写するのみという方法が開示されているにすぎない。
上述した方法とは全く異なる別の方法として、光ディスクなどの溝をスタンパーによって連続的に成形法によって作製することも知られているが、形成されるのは溝のみである。
特開2000−323461号公報 特開2003−332211号公報 特表2003−524304号公報 特開2003−157520号公報
フォトリソグフィー法では、対象基板上に設けた薄膜をパターン化して、欲しいパターンを凸に残す方法と、欲しいパターンを凹にエッチング(剥離)する方法がある。
これに対し、プラスチック基板凹部に金属などを埋め込んだパターンを得たい場合に、(1)凹部パターンの形成、(2)更に凹部パターンへの埋め込み手段、(3)表面に形成された埋め込み用膜の除去、の3段階の工程が必要となる。この方法をそのまま実施するのでは、プロセスが煩雑となってしまうという問題点がある。
特に、周期が400nm以下の周期構造を形成して、凹部にPVD法:Physical Vapor Deposition(具体的には、真空蒸着法、スパッタ法、MBE法など)やCVD法:Chemical Vapor Depositionなどで埋めこむことは、凹部サイズが小さすぎて困難である。また十分に内部まで均一に詰め込むことは不可能に近いと言える。
上記したようにナノインプリント方法では、原盤の凹凸を対象基板に加熱と加圧により転写する技術が開示されているが、埋め込みパターンを形成する方法は開示されていない。仮に、形成した凹部に金属などを埋め込んだパターンを得たいとすると、上記フォトリソグフィーと同様に埋めこむ工程が増え、また、凹部寸法が小さすぎて埋めこむことが困難という欠点が露呈されるという問題が発生してしまう。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、400nm以下の周期を有する埋め込み型微細パターンを容易に得る方法を提供することであり、特に透明なプラスチックフィルムに一度に埋め込み微細パターンを形成して、精度の良いかつ外圧によって微細凸状パターンのようなパターン倒れがない、換言すれば扱いやすい光学素子を得ることを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の埋め込み微細パターン形成方法の発明は、プラスチックフィルム上に薄膜を設け、前記プラスチックフィルムと薄膜とを加熱して、微細凹凸パターンを設けた加熱原盤を、前記薄膜を介して前記プラスチックフィルムに押圧し、前記加熱原盤の凸部に対応する前記薄膜部を前記プラスチックフィルムに埋設させ、前記原盤の凹部に対応する前記薄膜部を除去することを特徴とする。
請求項に記載の埋め込み微細パターン形成方法の発明は、プラスチックフィルムと薄膜と原盤とを真空槽中に配置し、前記プラスチックフィルムと薄膜を加熱して、微細凹凸パターンを設けた前記原盤を過熱して前記薄膜を介して前記プラスチックフィルムに押圧し、前記原盤の凸部に対応する前記薄膜部を前記プラスチックフィルムに埋設させ、前記原盤の凹部に対応する薄膜部を除去することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項またはにおいて、前記薄膜は、異なる2種類の材質を用いることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜3において、前記プラスチックフィルム上に薄膜をパターン状に形成する際に前記薄膜と前記原盤との間に潤滑剤を層状に形成して前記微細パターンを形成することを特徴とする。
本発明によれば、プラスチックフィルム上に薄膜を設け、これらのプラスチックフィルムと薄膜を共に加熱した状態で、微細凹凸パターンを設けた加熱原盤を前記薄膜に押しつけて、該薄膜を前記加熱原盤の凸部により、プラスチックフィルム実体に埋設させた後、前記原盤の凹部に対応する陥没していない薄膜を除去することを特徴とする埋め込み微細パターンの形成方法により、従来は出来なかった密に埋め込まれた微細パターンを容易に形成することが可能となる。
また、埋め込み微細パターンが、400nm以下の周期を有する周期的格子パターンとしたので、可視光に対して偏光特性やファラデー特性を有する機能素子を容易に形成することが出来た。
また、微細パターンをプラスチックフィルムの上下両面に形成したので、可視光に対して偏光特性やファラデー特性を共に有して、結果としてコントラストを有する光機能素子を容易に形成することが出来た。
また、フィルムを透明としたので、可視光に対して偏光特性やファラデー特性を有する機能素子を容易に形成することが出来た。
さらに、フィルム上薄膜に2種類の異なる薄膜を用いて埋め込み微細パターンを形成したので、より機能を向上させた機能素子を形成することが可能となった。
薄膜上に潤滑剤を設けた、プラスチックフィルムと原盤の引き離しが容易となり、またプラスチックフィルム上の薄膜の剥離が無くなった。
薄膜をアルミニウムとし、可視光に対して偏光特性を有する光機能素子を形成することが出来た。
薄膜を磁性体とし、可視光に対してファラデー特性を有する機能素子を容易に形成することが出来た。
プラスチックフィルムの片方の面にアルミニウムパターンが、もう一方の面に磁性体パターンが設けられた埋め込みパターンを形成し、可視光に対して偏光特性やファラデー特性を共に有して、結果としてコントラストを有する光機能素子を容易に形成することが出来た。
プラスチックフィルム、薄膜および原盤を真空槽の中に配置し、埋め込み薄膜とプラスチックフィルム間に気泡が残ることなく、またゴミが残ることのない光機能素子を容易に形成することが出来た。
以下、図面を参照して、本発明の埋め込みパターン形成方法、該パターンが形成されたプラスチックフィルムを、実施形態により、詳細に説明する。
本発明はプラスチックフィルム上に薄膜を設け、このプラスチックフィルムと薄膜を加熱した状態で、微細凹凸パターンを描かせた加熱原盤を押圧して、薄膜をプラスチックフィルムの内部に前記微細凹凸パターンがプラスチックフィルムと最初に接触する凸部を埋め込んだ後、埋め込まれていない前記微細凹凸パターンの凹部を除去して、埋め込み微細パターンの形成方法を提案するものである。
更に、本発明は埋め込み微細パターンを形成したプラスチックフィルムを提案するものである。
本発明によって作製された埋め込み微細パターン形成プラスチックフィルムは、例えば光学素子として用いられる。埋め込み微細パターンがアルミニウムの周期的格子構造(アルミニウムの幅が60nm、間隔が150nm)である場合には、たとえば偏光子として用いることが出来る。
また磁性体である場合(周期400nm、磁性体幅100nm、高さ100nm)には、ファラデー回転子として用いることが出来る。更に、微細パターンを透明な誘電体上に形成して得られたものは、回折格子として用いることが出来る。
さらに、プラスチック(フィルム)の片面にはアルミニウムを設け、もう一方の面には磁性体の周期構造を設けて、更に磁性体に近接させたコイル層で磁化すると空間変調素子として用いることが出来る。
プラスチック(フィルム)の片面に磁性体を設ける場合、異なっていて且つ相補う性質を有する2種類の膜を重ねて設けた基板を用いると、特殊な磁気センサーが作製できる。たとえば上記2種類の膜の1つを透磁率が高く保磁力の小さい磁性体とし、もう1方の膜を保磁力の大きい磁性体として重ねで設け、且つ、これにコイルと併設すると、良く知られている大バルクハウゼン効果を利用した磁気センサーとすることができる(日本応用磁気学会誌27,406−409,2003)。この場合に保磁力の大きい磁性体は磁化されており、外部磁回によってコイルに電流が流れるようにして、この磁気センサーには、センサー機能が現出される。
本発明に用いられる支持体には、ガラスやセラミックスおよび金属などを用いることも出来るが、以下のような透明プラスチックフィルム(合成ガラスとも言う)を用いることが好ましい。
MMA(メチルメタアクリレート)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン樹脂など。
またポリイミドフィルムのように耐熱性が高いプラスチックフィルムも利用できる。これら透明プラスチックフィルムの厚みは1μm〜1mが好ましい。
さらに、例えば、特許第2538527号、特開平11−247093号公報に開示されている透明ガラス紙を用いることもできる。用いられるオルガノポリシロキ酸は、アルコール可溶性で加水分解可能な有機金属(この場合の金属にはシリコンが含まれる)化合物であり、たとえば、R3SiO(R2SiO)nSiR3、(R2SiO)nなどによって示される化合物として知られ、この内、特に分子量の高いものをいう。
上記プラスチックフィルム上に設けられる薄膜は、有機物膜や無機物膜に限定されるものではなく、たとえば薄膜として、金属膜、酸化物膜、窒化物膜、硫化物膜、弗化物膜などが適宜用いられる。薄膜の厚みも限定されるものではないが、たとえば、10nmから1μmまでが好ましい。
本発明では、特に次のような一般的な透明磁気記録媒体を用いることができる。
コバルトフェライト、Baフェライトなどの酸化物、FeBO3、FeF3、YFeO3、NdFeO3などの複屈折が大きな材料、MnBi、MnCuBi、PtCoなど。上記したような透明磁気記録媒体は、透明性が得られる程度に薄くして(誘電体膜と組み合わせても良い)使用することが可能である。
特に透明度が高い無機磁性材料としては、n型Zn1-xxOやCoをドープしたTiO2などが挙げられる。
可視光全体にわたって均一な、かつ大きな性能指数を有する透明磁性層としては、下記一般式(1)で示される希土類鉄ガーネットである透明磁性体が好ましく使用できる。
3-×A×Fe5-yy12 式(1)
但し、上記式(1)において、xおよびyは、それぞれ、0.2<×<3、0≦y<5で表され、Rは希土類金属であり、該希土類金属としては、Y、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuのうちの少なくとも一種以上であり、AはBi、Ce、Pb、Ca、Ptなどであり、また上記式(1)において、BはAl、Ga、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Tiの少なくとも一種以上である。
磁性材料(透明磁性体)の保磁力は、5〜3000 Oe好ましくは50〜500 Oeにして用いられる。透明磁性体に使用される磁性材料の保磁力は一般的に小さいほど磁気的書き込みの為のエネルギーは小さくて済み、従って磁気ヘッドの作製が簡便となり好ましい。しかしながら、あまり小さいとハンドバッグなどに使用されている永久磁石などに近づいた場合に消去されてしまうなどの不具合が生ずる。保磁力が小さい場合には、巻き数の多いコイル状磁気ヘッドでなくても、直線状配線層によって形成された、格子形状にした矩形の磁気ヘッドでも、十分な磁界強度が得られて、磁性体を磁化できる。透明磁性体で使用される磁性層の厚みは10nm〜10μm程度であり、強磁性体単独では50nm〜2μmの範囲で選択される。
磁気光学効果は、光の進行方向と磁性体のスピンの方向とが平行の場合に、最も大きな効果が得られるので、これらの材料は膜面に垂直に(たとえばスピン方向が現出されるような)磁気異方性を有する膜が好ましい。
以上に記載した磁性材料は、可視光波長以下の寸法の周期溝構造中に設けられると、高い透明性と高い磁気光学効果が同時に得られてより好ましい。溝の周期P(ランドLとスペースS)は、可視光波長を400nm以下とすると、透過光が回折しないために光学素子の中でも直接画像形成するような表示素子に用いることができる。以上で形成された周期構造の形状は必ずしも矩形でなく、波型でも構わない。
透明磁性材料として好ましく利用できる材料に、有機磁性体も挙げられる。たとえばこのような有機磁性体として、バナジウムクロムヘキサシアノ錯体: たとえば、
II 0.63II[CrIII(CN)60.88 7.5H2O 0.4EtOH
や、
I[(VII 0.6III 0.4xCrII 1-x][(CrIII(CN)6
などが挙げられる。後者は金属イオンの組成比:
X=VII/IIICrII
により、青色(X=1)、水色(X=0.3)、緑(X=0.22)、無色透明(X=0)と変化する。膜の作製には、電気化学的な合成方法を用いる。
これらの透明磁性材料は一般的なスパッタ、真空蒸着、MBE、イオンプレーティング、パルスレーザー蒸着、レーザーフラシュ法などのPVD法やCVD法、メッキ法等によって形成される。
他の薄膜の形成方法も特に限定されるものではない。各種のPVD法、CVD法、メッキ法、電気化学的な合成方法などが利用できる。ただ箔を置くだけでも良い場合がある。
上記プラスチックフィルムと上層の薄膜は、微細パターン転写が容易となるように加熱される。この微細パターン転写の温度や時間は適宜選択されるが、たとえば転写温度として、100℃から500℃の範囲が好ましい。微細パターンを形成した原盤も同様な理由で同様に加熱される。加熱方法にも制限はないが、シーズヒーターなどを用いたヒーター方式が好ましく用いられる。
パターン形成後は冷却されて、原盤とプラスチックフィルムとは分離される。冷却する温度は室温であってもよいが、プラスチックフィルムの軟化点程度であっても良い。溝が深いパターンの場合には原盤とプラスチックフィルムとの分離が困難となるので、薄膜の表面に潤滑剤(離形剤)を層状に設けることが好ましい。使用される潤滑剤としては特に限定されないが、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸などの群から選択される少なくとも1以上の金属を含有する脂肪酸金属塩を用いることが出来る。
なお原盤はシリコンウェハを用いて微細パターンを形成した後、Ni鍍金などによってより得られ、このようにすると耐久性のある原盤が形成されるので望ましい。
プラスチックフィルムに転写される埋め込み微細パターンも特に制限されるものではない。非常に小さな例えば数nm程度の点状パターンが規則正しく配列されると、反射防止膜として機能することもできる。更に周期的に格子状に配列されると、上記したような偏光子やファラデー回転子、回折格子のような光学素子が作製できる。
図1はプラスチックフィルム内に薄膜を埋めこんだ構成を示す斜視図であり、図2はその(垂直)断面図である。図1、2に示されているように、プラスチックフィルムの断面に示すように、薄膜材料1がプラスチックフィルム2の表面より下にあり、埋め込まれている。
プラスチックフィルム及び薄膜と原盤を加圧してパターンを転写して、相互に分離した後には埋め込まれなかった薄膜材料がプラスチック表面に残骸として残ることになる。この残骸を剥離して取り除く方法としては、表面研磨方法や薄い刃を備えたヘラ等で擦り取る方法などがある。簡便的に、薄膜に箔や超薄膜を上に乗せただけの場合には、軽く拭くだけでも(除去)処理が可能である。
プラスチックフィルムと原盤とを加圧してパターンを転写する場合に、大気中(空気存在下)では、気泡がプラスチックに残る場合がある。またゴミなどが埋め込まれてしまう場合がある。このためにプラスチックフィルムと原盤とを真空槽中に配置して本発明の埋め込み微細パターンを有するプラスチックフィルムを形成することが好ましい。
図3に、原盤3をプラスチックフィルム2に加圧する際の断面図を示す。埋め込まれた薄膜の形状は、原盤3の(凹凸の)形状によって変化させることが出来る。埋め込まれた後の形状は平坦とは限らない。
以下に実施例によって、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に拘束されて限定解釈すべきものではない。
6インチのシリコンウェハ上に電子線用レジストを設け、電子線を利用してレジストに格子状にパターンを形成し、必要なパターン以外を除去した。得られた格子パターンの周期(格子ピッチ)は100nmであり、残されたレジスト線幅(格子幅)を50nmとした(図1参照)。
その後エッチング処理によってシリコン基板上に図3(b)に示した凸形状を形成した原盤3とした。この原盤3を、加圧装置の上側に設けた(図示せず)。加圧装置の上下押さえ板の内側にはシーズヒーターを用いて加熱できるようにした。下側には厚み200μmのPMMA樹脂フィルム2を配置して固定した。このPMMA樹脂上に200nm厚みのアルミニウム薄膜を、真空蒸着法を用いて形成した。更にPMMA樹脂フィルム上には、潤滑剤として、乾燥後約20nmの厚みのステアリン酸の潤滑剤を層状になるようにスピンコーターにて塗布した。シリコンウェハ及びPMMA樹脂フィルムを、表面温度が約140℃になるまで昇温した後、上下加圧板を80kgf/cm2で押しつけて、アルミニウム薄膜4がPMMA樹脂中に埋め込まれるまで加圧した。
その後シリコンウェハ及びPMMA樹脂フィルム表面温度が常温に戻るまで冷却した後、シリコンウェハとPMMA樹脂フィルムとを引き剥がした。またPMMA樹脂フィルム上に埋め込まれずに残ったアルミニウムは、金属の刃を用いて表面から削りとった。この結果を図3(b)に示す。この図に示したような断面構造を有するPMMA樹脂フィルムが得られた。埋め込まれたのはアルミニウムである。
埋め込まれたアルミニウムの状態を、断面SEM法を用いて観察した。凹部の下部にまでアルミニウムが埋めこまれており、凹部には密にアルミニウムを埋め込むことができたことが観察できた。
このアルミニウム埋め込みフィルムの偏光特性の測定結果を次に示す。
直交偏光(TE)透過率は可視光域で0.1%以下であり、平行偏光(TM)透過率は可視光域で70%以上であった。その結果から、良好な偏光子を得ることが出来たことを確認できた。
シリコンウェハとアルミニウム薄膜付きPMMA樹脂フィルムともに、ガラスベルジャーの中に配置して、10-2Pa以上の真空度にした。埋め込み薄膜とPMMA樹脂フィルムとの間には気泡が残ることなく、またゴミの残存がないことを確認することが出来た。
なお潤滑剤を樹脂表面に設けなかった場合には、埋め込まれたアルミニウムが剥離する個所があった。
〔比較例〕
アルミニウム薄膜をPMMA樹脂表面に設けなかった以外は、実施例1と同様にして原盤による凹部(陥没部)を設けた。この凹部に真空蒸着法によってアルミニウムを埋め込むことを試みた。断面形状を、SEM法を用いて観察した。凹部の下部にはアルミニウムは到達しておらず、凹部には密にアルミニウムを埋め込むことは出来ていなかった。
実施例1と同様にして、シリコン基板上に図3(b)に示した凸形状を形成して原盤とした。但し周期は400nmとし、残されたレジスト線幅は250nmとした。この原盤を加圧装置の上側に設けた。加圧装置の上下押さえ板の内側にはシーズヒーターを用いて加熱できるようにした。下側には厚み200μmのPMMA樹脂フィルムを配置して固定した。このPMMA樹脂基板上に200nm厚みの鉄化合物含有酸化亜鉛薄膜(鉄化合物ドープド酸化亜鉛薄膜)を、以下のようにメッキ法を用いて形成した。
まず下記の工程で触媒を付与した。
(1)脱脂 基板を下記の脱脂剤溶液に50℃で3分間浸漬処理した。
(2)水洗 25℃、15秒間
(3)表面調整 下記表面調整剤溶液に30℃で5分間浸漬処理した。
(4)水洗 25℃、15秒間
(5)センシタイジング
下記のセンシタイジング溶液に20℃で1分間浸漬処理した。
(6)水洗 25℃、15秒間
(7)触媒付与1 下記の銀活性化溶液に20℃で1分間浸漬処理した。
(8)水洗 25℃、15秒間
(9)触媒付与2 下記のパラジウム活性化溶液に20℃で1分間浸漬処理した。
(10)水洗 25℃、15秒間
次いで下記無電界ZnOメッキ液を用いて、pH6.3、68℃で1時間浸漬処理した。
更に下記鉄含有溶液を用いて50℃で30分間の浸漬処理を行った。
鉄含有溶液の調製
脱脂剤 上村工業株式会社製アサヒクリーナーC−4000 5g/L
表面調整剤 上村工業株式会社製スルカップCD−202 50mL/L
センシタイイング溶液(pH 0.5):
SnCl2 15g/L
HCL(36%) 45mL/L
銀活性化溶液(pH7.0):
AgSO4 3g/L
パラジウム活性化溶液(pH2.8)
PdCl2 1.5g/L
HCl(36%) 1.5mL/L
無電解ZnOメッキ溶液(pH6.3):
Zn(NO32 0.1mol/L
DMAB(Di-methyl Ammonium Bromide:(CH3)2N+HBr-
0.005mol/L
作製したZnO薄膜のX線回折図形から(008)面のピークの半値幅であるΔθ50は、2.9degでありc面配向した良好なZnO膜が得られた。ついでこの上に次のようなメッキ法を用いてFeのドーピング処理を行った。
鉄含有溶液の調製
下記鉄含有溶液を用いて50℃で30分間の浸漬処理を行った。
鉄含有溶液(pH3.9):
硝酸鉄 0.1mol/L
DMAB 0.03mol/L
得られた鉄化合物含有酸化亜鉛皮膜の25℃でのVSMによる測定結果を以下に示す。飽和磁化は25emu/cc、膜面に垂直方向に磁界を印加して測定した保磁力は78Oeであり、角型比(残留磁化/飽和磁化)は0.62であった。また膜面に水平方向に磁界を印加して測定した保磁力は34 Oeであり、角型比は0.28であった。
磁気光学効果測定装置(日本分光株製K250、ビーム径2mm角)で測定したファラデー回転角(波長500nm)は4.7度であった。
更に作製した鉄化合物含有酸化亜鉛皮膜上に、潤滑剤としてステアリン酸が乾燥後約20nmの厚みになるようにスピンコーターにて塗布した。
シリコンウェハと鉄化合物含有酸化亜鉛膜付きPMMA樹脂フィルムともに、10-2Pa以上の真空度にしたガラスベルジャーの中に配置した。
シリコンウェハ及びPMMA樹脂フィルムを表面温度が約140℃になるまで加熱した後、上下加圧板を押しつけて鉄化合物含有酸化亜鉛薄膜がPMMA樹脂中に埋め込まれるまで加圧した。その後シリコンウェハ及びPMMA樹脂フィルム表面温度が常温に戻るまで冷却した後、シリコンウェハとPMMA樹脂フィルムを引き剥がした。またPMMA樹脂フィルム上に埋め込まれずに残った鉄化合物含有酸化亜鉛皮膜は、金属の刃を用いて表面から削りとった。
この結果、図3(b)に示すような断面構造を有するPMMA樹脂フィルムが得られた。埋め込まれたアルミニウムの状態を、断面SEM法を用いて観察した。
PMMA樹脂フィルムの凹部の下部にまでアルミニウムが埋めこまれており、この凹部には密にアルミニウムを埋め込むことができたことを確認できた。
この鉄化合物含有酸化亜鉛埋め込みフィルムの磁気特性は、上記値に対して変化は無かったが、ファラデー回転角(波長500nm)は10.3度と向上していた。
埋め込み薄膜には気泡が残ることなく、またゴミの残存のないことを確認することが出来た。
実施例1と同様にしてPMMAの片面に、アルミニウムの偏光子を作成した。
次いで、反対側の表面に実施例2のようにして、鉄化合物含有酸化亜鉛の磁性膜を設けた。埋め込まれたアルミニウム及び鉄化合物含有酸化亜鉛の状態を、断面SEM法を用いて観察した。凹部の下部にまで埋めこまれており、凹部には密にアルミニウム及び鉄化合物含有酸化亜鉛を埋め込むことができたことが確認できた。更にこのようにして作製した鉄化合物含有酸化亜鉛膜の上にアルミニウム反射膜を200nmの厚みになるようにして、真空蒸着法によって設けた。別途銅線で作製したコイルでこの鉄化合物含有酸化亜鉛の側から鉄化合物含有酸化亜鉛膜を磁化した部位をつくった。
アルミニウムの偏光子側から膜面に垂直に入射した波長約500nmの光は、偏光子によって直線偏光となり、ついで鉄化合物含有酸化亜鉛膜の磁化した部位を通過して偏光面が回転して、アルミニウム面で反射した。次いで、鉄化合物含有酸化亜鉛膜を再び通過して更に偏光面が回転して、アルミニウム偏光子を通過できなかった。しかし磁化していない部位に照射した同じ光は、偏光面の回転が無いためにそのまま反射して返ってきたために明るく見えた。
このように明るいところと暗いところを作ることが出来て、コントラスト(画像)が得られることがわかった。
本発明の微細パターンを有するフィルム(プラスチックフィルム(有機ガラス)および無機ガラス)は、偏光子、ファラデー回転子、回折格子等各種の光学素子としても用いることができる広範囲の分野での応用が可能であり、またこの埋め込み微細パターンを有するプラスチックフィルムの製造方法は、その加工精度が高い上、簡単なプロセスであるので、技術的にもコスト的にも有利であり、産業界への寄与は、極めて広い。
本発明の薄膜材料が埋め込まれたプラスチックの斜視図である。 本発明の薄膜材料が埋め込まれたプラスチックの断面図である。 本発明の原盤と薄膜とプラスチックフィルムの関係を示す断面説明図である。
符号の説明
1 薄膜材料
2 プラスチックフィルム
3 原盤
4 薄膜

Claims (4)

  1. プラスチックフィルム上に薄膜を設け、前記プラスチックフィルムと薄膜とを加熱して、微細凹凸パターンを設けた加熱原盤を、前記薄膜を介して前記プラスチックフィルムに押圧し、前記加熱原盤の凸部に対応する前記薄膜部を前記プラスチックフィルムに埋設させ、前記原盤の凹部に対応する前記薄膜部を除去することを特徴とする埋め込み微細パターンの形成方法。
  2. プラスチックフィルムと薄膜と原盤とを真空槽中に配置し、前記プラスチックフィルムと薄膜を加熱して、微細凹凸パターンを設けた前記原盤を過熱して前記薄膜を介して前記プラスチックフィルムに押圧し、前記原盤の凸部に対応する前記薄膜部を前記プラスチックフィルムに埋設させ、前記原盤の凹部に対応する薄膜部を除去することを特徴とする埋め込み微細パターン形成方法。
  3. 前記薄膜は、異なる2種類の材質を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の埋め込み微細パターンの形成方法。
  4. 前記プラスチックフィルム上に薄膜をパターン状に形成する際に前記薄膜と前記原盤との間に潤滑剤を層状に形成して前記微細パターンを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の埋め込み微細パターンの形成方法。
JP2005128167A 2005-04-26 2005-04-26 埋め込み微細パターンの形成方法 Expired - Fee Related JP4616066B2 (ja)

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