JP4615805B2 - Ny−eso−1ペプチド誘導体およびその使用 - Google Patents

Ny−eso−1ペプチド誘導体およびその使用 Download PDF

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Description

【0001】
(関連出願)
本願は、特許出願第08/725,182号(1996年10月3日出願、現米国特許第5,804,381号)の一部継続出願である特許出願第08/937,263号(1997年9月15日出願)の一部継続出願である特許出願第09/062,422号(1998年4月17日出願)の一部継続出願である特許出願第09/165,546号(1998年10月2日出願)の一部継続出願である特許出願第09/440,621号(1999年11月15日出願)の一部継続出願である特許出願第09/514,036号(2000年2月5日出願)の一部継続出願である。これらの出願は全て、参考文献として本明細書の一部を構成する。また本願は、特許出願第09/049,850号(1998年3月27日出願)の一部継続出願である特許出願第09/275,993号(1999年3月25日出願)の一部継続出願でもある。
【0002】
(技術分野)
本発明は、癌関連抗原由来のHLA結合ペプチドに関する。これらのペプチドはクラスI分子に結合し、これらのペプチドが結合した細胞の細胞溶解性Tリンパ球による溶解を誘発する。
【0003】
(背景技術および従来技術)
例えば感染症、癌、自己免疫疾患などといった多くの病理学的状態が、一定の分子の不適切な発現を特徴とすることは、かなり確立された事実である。したがってこれらの分子は、特定の病理学的状態または異常状態の「マーカー」として役立つ。これらの分子は、診断上の「ターゲット」(すなわちこれらの異常状態を診断するために同定されるべき物質)として使用される他、診断薬および/または治療薬を創出するために使用できる試薬としても役立つ。癌マーカーを使って特定のマーカーに特異的な抗体を産生させることはその一例であるが、決してこれに限るわけではない。また、MHC分子と複合体を形成するペプチドを使って、異常細胞に対する細胞溶解性T細胞を生成させることも、その限定されない一例である。
【0004】
このような物質の製造は、もちろん、それら物質の製造に使用される試薬の供給源を前提としている。細胞からの精製は面倒で確実というには程遠い方法である。もう一つの好ましい方法は、特定のマーカーをコードする核酸分子を単離した後、単離されたコード分子を使って所望の分子を発現させることである。
【0005】
今までのところ、例えばヒト腫瘍中のような抗原の検出には、2つの戦略が使用されてきた。以下、これらの戦略を遺伝子的アプローチおよび生化学的アプローチと呼ぶことにする。遺伝子的アプローチは、例えば参考文献として本明細書の一部を構成するdePlaenら,Proc.Natl.Sci.USA 85:2275(1988)などに、その例を見ることができる。このアプローチでは、腫瘍から得たcDNAライブラリーのプラスミド数百プールをCOS細胞などの受容細胞または腫瘍細胞系の抗原陰性変異株にトランスフェクトし、それらの細胞を特異的抗原の発現について調べる。生物学的アプローチは、例えば参考文献として本明細書の一部を構成するO.Mandelboimら,Nature 369:69(1994)などにその例を見ることができるが、このアプローチは、腫瘍細胞のMHCクラスI分子に結合しているペプチドを酸溶出した後、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行うことに基づいている。抗原ペプチドは、抗原処理能力が欠損した突然変異細胞株の空のMHCクラスI分子に抗原ペプチドが結合し、細胞傷害性Tリンパ球との特異的反応を誘発することによって同定される。これらの特異的反応には、MTTアッセイや51Cr放出アッセイで測定することができる例えばCTL増殖の誘導、TNF放出およびターゲット細胞の溶解などがある。
【0006】
抗原の分子的定義を目的とする上記2つのアプローチには次の欠点がある。第1に、これらの方法は著しく煩雑であり、時間と費用を要する。第2に、これらの方法は、所定の特異性を持つ細胞傷害性T細胞株(CTL)の樹立に依存している。
【0007】
抗原の同定および分子的定義を目的とする2つの既知のアプローチが本質的に抱えている課題は、どちらの方法でもヒト腫瘍中の新規抗原を今までにごく少数しか定義づけることに成功していないという事実が如実に物語っている。例えばvan der Bruggenら,Science 254:1643−1647(1991)、Brichardら,J.Exp.Med.178:489−495(1993)、Coulieら,J.Exp.Med.180:35−42(1994)、Kawakamiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3515−3519(1994)などを参照されたい。
【0008】
さらにまた上記の方法論は、問題にしている癌タイプの樹立永久細胞株が入手できることを前提としている。癌タイプによっては細胞株を樹立することが極めて困難であることは、例えばOettgenら,Immunol.Allerg.Clin.North.Am.10:607−637(1990)などに示されているとおりである。また、一部の上皮細胞タイプの癌はインビトロでCTLに対する感受性に乏しいため、常法による分析は不可能であることも知られている。これらの課題に触発されて、当技術分野では、癌関連抗原の新たな同定方法の開発が行われてきた。
【0009】
重要な方法論の一つは、参考文献として本明細書の一部を構成するSahinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:11810−11913(1995)に記載されている。また米国特許第5,698,396号および米国特許出願第08/479,328号(1996年1月3日出願)も参照されたい。これら3つの参考文献はいずれも本明細書の一部を構成する。要約すると、この方法ではcDNAライブラリーを原核宿主中で発現させる。(ライブラリーは腫瘍試料から取得される)。次に、高力価の体液性応答を惹起する抗原を検出するために、発現させたライブラリーを希釈吸収血清によるイムノスクリーニングにかける。この方法論はSEREX法(「Serological identification of antigens by ecombinant Expression Cloning(組換え発現クローニングによる抗原の血清学的同定)」)と呼ばれている。この方法論は、新しい腫瘍関連抗原の検出に使用されていると共に、先に同定された腫瘍関連抗原の発現を確認するためにも使用されている。上記特許出願およびSahinら(前掲)ならびにCrewら,EMBO J 144:2333−2340(1995)を参照されたい。
【0010】
SEREX法は食道癌試料に応用されて現在一つの抗原が同定されており、それをコードする核酸分子が単離、クローニングされている。例えば、前掲の米国特許第5,804,381号を参照されたい。この抗原とその切断型は、癌患者の血清中の抗体と反応することが見出されている。また、この分子に由来するペプチドはMHC分子と結合して、細胞溶解性T細胞応答とヘルパーT細胞応答の両方を誘発することも見出されている。これらのペプチドの変異体も同様に使用できることがわかっている。
【0011】
癌免疫学分野における問題点の1つは、インビボの細胞溶解性Tリンパ球応答を同定し定量するために使用することができる確かなプロトコールがないことである。そのため、免疫応答を特徴づけ、ワクチン試験を監視することは困難である。細胞溶解性T細胞の解析は、複数のT細胞ターゲットを含む複合体を使用することによって著しく容易になることが見いだされた。より具体的に述べると、これらの複合体は2つの結合パートナー、例えばアビジンまたはストレプトアビジンとビオチン間の既知のアビディティーに基づいている。各アビジン/ストレプトアビジンの分子が4つのビオチン分子に結合できることはよく知られている。アビジン/ストレプトアビジン−ビオチン系を使って複数の細胞溶解性T細胞ターゲット、すなわちHLA分子などのMHC分子、β2−ミクログロブリンおよびHLA分子に結合するペプチドを含んでなる複数の免疫複合体を含む複合体が形成される構築物は、参考文献として本明細書の一部を構成する特許出願第09/049,850号(1998年3月27日出願)などに教示されている。この複合体を標識して、試料中の目的とする細胞溶解性T細胞を単離または決定するために使用することができる。以下に説明する発明ではこのような複合体を利用した。
【0012】
(好ましい態様の詳細な説明)
実施例1
例えば米国特許第5,804,381号などに論じられているNY−ESO−1の解析により、この抗原を提示する分子はHLA−A2であることがわかった。そこで、参考文献として本明細書の一部を構成するD’Amaroら,Human Immunol.43:13−18(1995)およびDrijfhoutら,Human Immunol.43:1−12(1995)に記載のモデルを使って、このHLA−A2結合モチーフを満たすペプチドを全て同定するために、NY−ESO−1アミノ酸配列のスクリーニングを行った。これによって推定されたアミノ酸配列に相当するペプチドを全て標準的方法で合成し、参考文献として本明細書の一部を構成するKnuthら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3511−3515(1984)にならって、それらのペプチドを細胞傷害性アッセイに使用した。具体的に述べると、細胞株CEMX721.174.T2(以下「T2」という)を使用した。なぜなら、この細胞株はHLA−A2を発現させるが、抗原をMHC複合体化ペプチドにはプロセシングしないため、ここに述べるタイプの実験には理想的だからである。T2細胞の試料を標準的方法により100μCiのNa(51Cr)O4 で標識した後、3回洗浄し、次に10μg/mlのペプチドおよび2.5μg/mlのβ2−ミクログロブリンと共にインキュベートした。インキュベーションは室温で1時間行った。次に、90:1のエフェクター/ターゲット比でレスポンダー細胞(CTL NW38−IVS−1の懸濁液100μl)を加え、5%CO2 の水飽和雰囲気下に37℃で4時間インキュベートした。次に、プレートを200×gで5分間遠心分離し、上清100μlを取り出し、放射能を測定した。51Cr放出率を既知の方法で決定したところ、ペプチドSLLMWITQCFL(配列番号1)、SLLMWITQC(配列番号2)およびQLSLLMWIT(配列番号3)の3つが、HLA−A2拘束性NY−ESO−1特異的CTLのもっともよい刺激因子であることがわかった。NW−MEL−38ならびに細胞株SK−MEL−37およびMZ−MEL−19をターゲットとして使用した場合も、同様の結果を得た。
【0013】
実施例2
次の実験群では、HLA−A2分子に結合し、CTL溶解を誘発する配列番号1、2および3の能力を確認した。
【0014】
同じ脊椎傍領域に局在した再発性転移を伴う緩徐進行性メラノーマを呈する患者から、リンパ節または転移巣の試料を採取した。被験者の腫瘍から採取したRNAの逆転写により、その腫瘍はNY−ESO−1を発現させることがわかった。さらに患者の血清は、高力価の抗NY−ESO−1抗体を示した。
【0015】
外科的に切除したリンパ節または転移巣を、10%ウシ胎仔血清を補足した滅菌RPMI1640培地中で、細断した。0.24mM Asn、0.55mM Arg、1.5mM Gln、10%ヒトA+プール血清、100U/ml IL−2および10ng/mlのIL−7を補足したイスコフ(Iscove)のダルベッコ培地2mlが入っている24穴組織培養プレートに、細胞の懸濁液を入れた。細胞を2〜3週間培養した後、参考文献として本明細書の一部を構成するCzerkinskyら,J.Immunol.Meth 110:29(1998)に従って、IFN−γELISPOTによるアッセイを行った。簡単に述べると、短期培養物2×103 細胞/ウェルを5×104 細胞/ウェルのT2細胞または同じ数のT2細胞+1μMの配列番号1〜3の一つと混合した。各培養は二連で行った。
【0016】
平均スポット数は、対照培養では19スポット、配列番号2では424スポット、配列番号3では358スポット、配列番号1では396スポットだった。上昇したこれらの数値は、腫瘍浸潤リンパ球20個につきNY−ESO−1特異的T細胞約1個の頻度に相当する。次に、参考文献として本明細書の一部を構成するValmoriら,J.Immunol 161:6956(1998)に従って反応性T細胞を培養して、単クローン性にした。TILに由来する24個のTIL由来クローンのうち5個のクローンは、上記のCTLアッセイで試験すると、NY−ESO−1由来ペプチドと反応することがわかった。
【0017】
実施例3
本実施例の実験では、NY−ESO−1を発現させるA2+ 細胞またはNY−ESO−1を発現させないA2+ 細胞を溶解する能力について、上記CTL ESO5を調べた。上述した51Cr放出アッセイで細胞株NA8−MEL(A2+ ,NY−ESO−1- )、SK−MEL37(A2+ ,NY−ESO−1+ )およびMe275(A2+ ,NY−ESO−1+ )を試験した。
【0018】
その結果、NA8−MelはNY−ESO−1ペプチド配列番号2を加えると溶解されるが、配列番号2が存在しないと溶解されないことがわかった。配列番号2の有無はSK−MEL37とMe275の溶解とは無関係であり、これらの細胞株はどちらも全ての条件で溶解された。これらの結果は、外から加えられた配列番号2または内在する配列番号2をCTL ESO5が認識することを示している。
【0019】
実施例4
次に、配列番号1、2および3のうちのどれがCTLによる認識に最適なT細胞エピトープを構成するかを決定するための実験を行った。この決定を行うために、配列番号1、2および3に相当する合成ペプチドを機能競合結合アッセイで試験し、次に特異的CTLによる認識について試験した。
【0020】
使用した機能競合結合アッセイは、参考文献として本明細書の一部を構成するValmoriら,J.Immunol.161:6956−6962(1998)に教示されているものであるが、本明細書でも詳しく説明する。
【0021】
ペプチドYMDGTMSQV(配列番号4)はHLA−A* 0201分子に結合し、LAU 132/2として知られるHLA−A* 0201拘束性CTLクローンによる溶解を誘発することが知られている。Valmoriら,Canc.Res.59:2167(1999)を参照されたい。T2細胞を抗クラスIモノクローナル抗体W6/32の存在下に51Crで標識した。様々な濃度の配列番号1、2または3(50μl)を標識細胞の試料50μl(1000細胞/ウェル)と共に室温で15分間インキュベートした。次に、最適用量未満(1nM)の配列番号4(50μl)を50μlのT細胞(5000細胞/ウェル)と共に加えた。37℃で4時間のインキュベーション後に51Cr放出を測定した。次に、ターゲット細胞溶解の50%阻害を達成するのに必要な各ペプチドの濃度を[nM]50%として決定した。比較を容易にするために、既知の高親和性HLA−A* 0201結合剤である基準ペプチドFluMA58−66(配列番号5:GILGFVFTL)の[nM]50%を、試験ペプチドに関して決定された[nM]50%値で割った値として、各ペプチドの相対的競合活性を計算した。
【0022】
その結果、配列番号3は競合剤として配列番号4の1/100の効力を持つことがわかった。また配列番号2の効力は1/250だった。意外なことに、それぞれのペプチド長を考えると、配列番号1は配列番号2より10倍強い競合性を持っていた。
【0023】
これらの結果から、配列番号2のカルボキシ末端にあるシステインは、HLA−A2分子に対する弱い結合の原因であることが示唆された。この点を調べるために、アラニン、ロイシンまたはバリンなどの非極性側鎖を持つ様々な疎水性アミノ酸(それぞれ配列番号6〜8)でカルボキシ末端システインを置換することにより、配列番号2の誘導体を3つ作製した。これらのペプチドのそれぞれを使って上記の機能競合アッセイを行った。結果を下記表1に示す。置換は全てペプチド結合を明確かつ劇的に増大させたことから、これら3つの置換ペプチドの全てに関して、この位置の疎水残基はいずれも同様の効果を持つことがわかる。
【0024】
【表1】
Figure 0004615805
実施例5
上記のように、本明細書に記載のペプチドを特異的CTLによる認識に関して試験した。これらの実験では、ターゲットT2細胞を37℃にて1時間51Crで標識した後、2回洗浄した。次に試料(50μl中に1000標識細胞)を様々な濃度のペプチドと共に15分間インキュベートした。次にエフェクター細胞(50μl)を加えた。加えたエフェクター細胞はESO1特異的CTLクローンESO5である。リンパ球:ターゲット比は30:1とした。37℃で4時間のインキュベーション後に、100μlの上澄み試料を調べることによってクロム放出を測定した。
【0025】
特異的溶解率は次式のように計算した:
100×[(実験値−自発的放出)]/(総量−自発的放出)
結果を、50%最大活性を与えるペプチドのナノモル濃度として、下記の表2に記載する。また表2には、ペプチド配列番号2の[nM]50%を試験ペプチドの[nM]50%で割った値として計算される「相対的抗原活性」も記載する。CTLによる類似体ペプチドの認識は親ペプチドと同等以上だった。これらの結果は、天然NY−ESO−1ペプチドのなかでは配列番号2が最適に認識される抗原ペプチドであることを示している。また、置換ペプチドの中では、配列番号8が配列番号2と同じ程度に効率よく認識され、他の置換ペプチドは配列番号2より効率よく認識された。配列番号6は配列番号2よりも1000倍効率よく認識された。
【0026】
【表2】
Figure 0004615805
実施例6
本実施例の実験では、後述の実施例で使用する抗原の四量化複合体を作製するための基本的技術を説明する。所望の四量体を作製するには、最初に、改変HLA−A* 0201分子をコードする構築物を作製する必要があった。これを行うために、HLA−A* 0201陽性細胞から全RNAを抽出し、次に同分子に特異的なプライマーと逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いて、HLA−A* 0201をクローン化した。参考文献として本明細書の一部を構成するAltmanら,Science 274:94−96(1996年10月4日)に従った。ただし新しい3’プライマー、すなわち5’−GCAGGATCCCGGCTCCCATCCTCA GGGTGAGGGGC−3’(配列番号9)を使用した。RT−PCRと同時に、使用するベクターでのタンパク質発現を最適化するために、アミノ末端ヌクレオチド配列を改変した。参考文献として本明細書の一部を構成するGarbocziら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3429(1992)を参照されたい。これを終えてから、当該分子の細胞外コード部分を、再び特異的プライマーを用いて増幅した。得られた構築物を、HLA−A* 0201重鎖の3’末端にBirAビオチン化認識部位をインフレームに生成するベクターに再クローニングした。改変HLA−A* 0201とβ2−ミクログロブリンを別個の大腸菌培養物で過剰発現させた。得られた封入体を精製し、HLA組換えタンパク質とβ2−ミクログロブリン組換えタンパク質を尿素溶液に可溶化した後、リフォールディング溶液中、4℃でリフォールディングさせることにより、複合体を形成させた。(リフォールディング溶液は100mM Tris(pH8.0)、L−アルギニン400mM、EDTA2mM、還元型グルタチオン5mM、酸化型グルタチオン0.5mM、PMSF0.1mM、HLA重鎖およびβ2−ミクログロブリン1μMならびに対象ペプチド10μMを含んだ。)リフォールディング溶液を標準的技術で7.5mlに濃縮した。次に、リフォールディング緩衝液をBirA反応緩衝液(Tris 100mM(pH7.5)、NaCl 200mM、MgCl2 5mM、PMSF 100μM、ロイペプチン1μMおよびペプスタチン1μM)と交換した(最後の3つは使用直前に加えた)。
【0027】
次に、HLA−A2複合体を含むリフォールディング混合物を酵素50μM、200mM Tris中の100mMビオチンおよび100mMアデノシン三リン酸と混合することにより、複合体をビオチンホロ酵素シンターゼ(BirA酵素)でビオチン化した。混合物を一晩、室温でインキュベートした。次に、ビオチン化複合体を精製し、フィコエリトリン標識ストレプトアビジンと混合して、四量体構造を形成させた。これらを単離し、1mg/mlの濃度で少量ずつ再構成した。
【0028】
実施例7
本実施例の実験は、NY−ESO−1特異的T細胞の頻度を評価するために計画した。ビオチン、HLA−A2およびペプチドの蛍光四量体は、特許出願第09/275,993号(1999年3月25日出願)および第09/049,850号(1998年3月27日出願)(どちらも参考文献として本明細書の一部を構成する)と同様に上記実施例6に記載のRomeroら,J.Exp.Med.188:641(1998)およびAltmanら,Science274:94(1996)に従って調製した。抗原ペプチドとして、Flu Ma 58−66(配列番号5)と、アラニンをカルボキシ末端とするESO−1誘導体(配列番号6)を使用した。この誘導体を選択した理由は、その親和性が高いからである。というのも、HLA−A2への結合親和性が高ければ、安定な四量体の作製が容易になるからである。
【0029】
四量体を組み立てた後、各ペプチドに特異的なCTLクローンを2%FCSを含む20μlのPBS中で適当な四量体と混合し、室温で1時間インキュベートした後、FITCで標識した抗CD8抗体またはFITCで標識した抗CD8抗体と「CYC」で標識した抗CD45RA抗体との混合物20μlを加えた。その混合物を4℃で30分間インキュベートした後、細胞を上記と同じ緩衝液で洗浄し、次にフローサイトメトリーによって解析した。
【0030】
NY−ESO−1誘導体(配列番号6)の四量体はESO5を特異的に染色したが、FluMaに特異的なT細胞は染色せず、逆もまた同様だった。
【0031】
実施例8
本実施例の実験は、NY−ESO−1ペプチドを含む四量体を使ったNY−ESO−1特異的T細胞の検出および単離を検証するために計画した。
【0032】
配列番号2またはアラニン末端置換体(配列番号6)で刺激した濃縮CD8+ T細胞試料。(刺激は、自家抗原提示細胞に対象ペプチドを負荷することによって行った。)
上記のように四量体を作製し、それを使って、刺激の14日後にCD8+ 細胞を染色した。細胞を選別し、上記のようにIFN−γELISPOTで試験した。
【0033】
CD8+ 四量体+ 細胞だけがIFN−γ産生細胞を含むことがわかった。
【0034】
選別したCD8+ 四量体+ 細胞とCD8+ 四量体- 細胞をPHA刺激によって2週間増殖させ、両細胞集団を、配列番号2をパルスしたまたは配列番号2をパルスしていないMe275およびT2細胞での51Cr放出アッセイ法で、上述のようにアッセイした。
【0035】
CD8+ 四量体+ 細胞だけが、配列番号2をパルスした細胞とアラニン類似体をパルスした細胞の両方を効果的に殺滅した。
【0036】
実施例9
本実施例の実験は、NY−ESO−1抗原が細胞内でプロセシングされて、HLA−A2分子によって提示されるペプチドを生成し、その結果としてCTLによる溶解を刺激するかどうかを決定するために計画した。
【0037】
上記実施例6に記載の四量体を、配列番号2のペプチドを使って調製した。次に、これらの四量体を使って、NY−ESO−1陽性メラノーマを持つと以前に診断されたことがある患者から採取した細胞の試料を染色した。詳しくは、参考文献として本明細書の一部を構成するDunbarら,J.Immunol 162(12):6959−62(1999)および特許出願第09/049,850号(1998年3月27日)を参照されたいが、簡単に述べると、四量体を使って末梢血リンパ球(「PBL」)試料を37℃で15分間染色した後、37℃のPBS/1%FCS中で洗浄し、次に標識抗CD8抗体と共に氷上で30分間インキュベートした。次に細胞を氷冷PBS/1%FCS中で3回洗浄した後、フローサイトメトリーによって解析した。陽性細胞に10μMの配列番号2のペプチドをパルスし、IL−2(200u/ml)中で5日間培養することにより、陽性細胞をクローン化した。
【0038】
これらの陽性CTLのうち、4つを増殖させ、下記の実験で試験した。
【0039】
実施例10
次に、上記CTLを殺細胞特異性について試験した。この試験を行うために、先にNY−ESO−1陽性と型別されている細胞株、先にNY−ESO−1陰性と型別されている細胞株、1μMの配列番号2のペプチドをパルスしたT2細胞の試料、およびパルスを行っていないT2細胞の試料を、CTLと1:1および0.3:1のエフェクター/ターゲット比で混合した。細胞の殺滅は上記の51Cr放出アッセイ法で決定した。
【0040】
その結果、NY−ESO−1陽性細胞と配列番号2をパルスしたT2細胞はどちらも殺滅され、他の細胞は殺滅されないことがわかった。このことから、NY−ESO−1の細胞内プロセシングは、配列番号2特異的CTLによって認識されるペプチドの生成をもたらすことが実証された。
【0041】
実施例11
この実施例に記載する実験は、異なるCTLの混合物が配列番号1、2および3で得られた陽性結果の原因であるかどうか、または単一のCTLクローンが全てのペプチドを認識するかどうかを決定するために計画した。これらの実験では、配列番号2、配列番号1、またはNY−ESO−1アミノ酸157〜166からなるペプチド、すなわちSLLMWITQCF(配列番号11)のいずれか一つをT2細胞にパルスした。配列番号1の最初の8アミノ酸から構成されるペプチドなので、配列番号3も試験した。様々な濃度のペプチドをT2細胞へのパルス添加に使用した。対照として配列番号5を使用した。上記と同じ51Cr放出アッセイを使用した。CTLを試験する前に、それらがそれぞれ単一のT細胞受容体を発現させているかどうかを決定するためのアッセイを行った。
【0042】
その結果、全てのT細胞は配列番号2、3および11を認識するが、配列番号1または切断型ペプチド157〜164、すなわち配列番号11の最初の8アミノ酸から構成されるペプチドは認識できないことがわかった。これらは、3つのペプチドは全てクローンCTLによって認識されたことを示している。
【0043】
実施例12
この実施例に記載する実験は、配列番号2のペプチドを生成させるために必要な細胞内プロセシングの条件を決定するために計画した。
【0044】
Cerundoloら,Nature 345(6274):449−52(1990)には、MHC Iプロセシング経路に明確な遮断点を持つことを特徴とする突然変異型プロセシング細胞が記載されている。これらの実験ではこれらの細胞を使用した。具体的に述べると、親細胞株すなわち「細胞株45」、TAP、LMP2およびLMP7陰性である「細胞株174」、TAP1およびTAP2をコードするベクターがトランスフェクトされている細胞株174のトランスフェクタント、ならびにTAP1、TAP2およびLMP7をコードするベクターがトランスフェクトされている細胞株174のトランスフェクタントを使用した。(「TAP」という略号は「transporter associated with antigen processing(抗原プロセシング関連輸送タンパク質)」を表し、「LMP」という略号は「low molecular mass polyprotein(低分子量ポリプロテイン)」を表す)。
【0045】
上述したトランスフェクタントの他に、NY−ESO−1をコードするワクシニアウイルス構築物を、全ての細胞に感染多重度(M.O.I.)5で90分間トランスフェクトした。
【0046】
対照として、ワクシニアウイルス構築物を添加する1時間前に、100μMのラクタシスチンを含む50μlの培地に同数の細胞(106 細胞)を懸濁した。90分の感染期間後に細胞を洗浄し、1μMのラクタシスチンを含む5mlの培地に懸濁し、一晩生育してワクシニアベクターの発現を許した。LMP2とLMP7はプロテアソームサブユニットである。
【0047】
次に、上述したタイプの51Cr放出アッセイで、細胞をCTLと混合した。
【0048】
その結果、NY−ESO−1をコードするワクシニアをTAP欠損細胞で発現させても、それらの細胞はCTL溶解感受性にならないことがわかった。一方、プロテアソームサブユニットLMP2およびLMP7の有無はCTLによって認識されるエピトープの提示を損なわなかった。このことは使用した対照によって裏付けられる。なぜなら、174/TAP細胞は、LMP7に依存して提示されることがわかっている配列番号5のペプチドを提示せず、一方、LMP7をコードするベクターのトランスフェクションまたはラクタシスチンの添加により、提示に関する遮断は排除されたからである。
【0049】
これらの結果から、NY−ESO−1エピトープの提示には非プロテアソームプロテアーゼが関与することが極めて強く示唆される。
【0050】
実施例13
本実施例の実験は、C末端システイン残基の改変によって調製した配列番号2のペプチド類似体が変化した免疫原性を持つかどうかを決定するために計画した。上述したタイプの51Cr放出アッセイを行った。このアッセイでは、ペプチド(配列番号2)およびターゲット細胞を200μMのジチオスレイタール(DTT)またはTCEP(トリス(2−カルボキシメチル)ホスフィン)と混合した。
【0051】
その結果、還元剤の存在下で配列番号2の抗原性は10倍増大することがわかった。配列番号8を使って並行実験を行ったが、抗原性の増大はみられなかった。
【0052】
実施例14
上記実施例13で観察された結果を見て、改変ペプチドを試験することにした。配列番号7および8の他に、式:
SLLMWITQI
(配列番号12)を合成し、以下の10merも同様に合成した:
SLLMWITQCV(配列番号13)
SLLMWITQCF(配列番号11(上記))
SLLMWITQCI(配列番号14)
SLLMWITQAL(配列番号15)
SLLMWITQAI(配列番号16)
SLLMWITQAF(配列番号17)。
さらに、C末端システインが−NH2 −CO−CH2 側鎖で修飾されている配列番号2も調製した。これらのペプチドは全て上述したタイプのCTLアッセイで試験した。配列番号7、8および12のペプチドは全て、NY−ESO−1 157−165特異的CTLによる認識を、配列番号2と比較して約1000倍増大させる。配列番号14のペプチドも配列番号2より効率よく認識された。
【0053】
実施例15
本実施例の実験では、NY−ESO−1特異的CTLの増殖を刺激する能力を様々なペプチド類似体について調べた。
【0054】
簡単に述べると、一般的なアッセイ方法で高力価のNY−ESO−1特異抗体を示す2人のメラノーマ患者からPBLを採取した。次に、標準的なプロトコールに従って、これらのPBLを100nMまたは10nMの配列番号2または配列番号8で刺激した。配列番号8は2週間で14倍大きいNY−ESO−1特異的CTLの増殖をもたらした。3週間では増殖は配列番号2を使った場合の54倍に達した。これらのCTLを、配列番号2を使って、上述したタイプの四量体で染色したところ、染色は陽性であったことから、上記CTLは問題のNY−ESO−1エピトープを認識することがわかった。
【0055】
10nMの配列番号8がCTLを刺激したこと、そして天然ペプチドの必要量が実際にこれより高かったことは、注目に値する。さらに、標準的な方法論による追加実験では、この実施例に記載の増殖CTLがNY−ESO−1陽性腫瘍細胞を殺滅する能力を持つことが確認された。
【0056】
実施例16
本実施例の実験は、上記NY−ESO−1由来ペプチドを使った四量体の反応性を評価するために計画した。
【0057】
配列番号2または配列番号6のペプチドを使って、実施例6および7に記載した四量体を調製した。次にこれらを、HLA−A2とNY−ESO−1由来ペプチドとの複合体と反応することがわかっているCTLクローンを染色する能力について調べた。例えば参考文献として本明細書の一部を構成するValmoriら,Canc.Res.(2000)を参照されたい。染色は上述のように行った。
【0058】
その結果、どちらの四量体もCTLクローンを用量依存的に染色することがわかった。試験した最高のペプチド用量(100μg/ml)では、蛍光強度はバックグラウンドより103 高かった。中間強度の蛍光シグナルに必要な四量体の濃度は、配列番号2を使った四量体では約12μg/ml、配列番号6では3μg/mlだった。
【0059】
さらに、上述のように配列番号2で刺激した後、末梢血リンパ球を14日間バルク培養した物の染色を検討した。数個の異なるポリクローナル集団に対して、2つの四量体による平均蛍光強度は同等だった。以下の説明で言及する四量体は配列番号2を使った四量体である。
【0060】
実施例17
この実施例では、HLA−A2分子と配列番号2との複合体に特異的なさらなる細胞溶解性Tリンパ球の単離について説明する。
【0061】
末梢血単核細胞(「PBMC」)を、HLA−A* 0201陽性である2人のメラノーマ患者から単離した。CD8特異抗体で被覆した磁気ビーズを用いる磁気細胞選別法によって、CD8+ 細胞を分離した。CD8- 細胞を放射線照射(3000ラド)した後、抗原提示細胞(「APC」)として使用した。CD8+ 細胞の刺激は、約1×108 細胞/ウェルを2〜4×106 個のAPCおよび1μMの配列番号2のペプチドと混合することによって行った。0.24mM Asn、0.55mM Arg、1.5mM Gln、8%ヒトA+ プール血清、ヒト組換えIL−2(100U/ml)およびヒト組換えIL−7(10ng/ml)を補足した2mlのイスコフのダルベッコ培地で、細胞とペプチドを培養した。細胞は毎週刺激した。週に一度の刺激を2ラウンド行った後、試験した2つの培養物は9.8%および2.5%のCD8+ HLA−A2/NY−ESO−1四量体陽性リンパ球を示した。
【0062】
次に、配列番号2および配列番号6を含む四量化複合体に対して陽性なCTLを見いだすために、陽性培養物を試験した。両者に対して陽性なものを選別し、限界希釈法によってクローン化した。2つのクローンを全集団の代表として選択した。以下、これらのクローンをLAU155/18およびLAU50/13と呼ぶことにする。下記の実験では、これらのクローンをValmoriら(前掲)に記載の細胞株LAU156/5と共に使用する。
【0063】
実施例18
上記実施例に記載した3つのHLA−A2/NY−ESO−1特異的CTLクローンを、そのターゲット細胞溶解能力について、上記実施例1および3に記載した51Cr放出アッセイで試験した。3つの細胞株は全て、飽和濃度の配列番号2でパルスされた上記TAP欠損T2細胞を効率よく溶解することができた。半最大溶解は3:1のリンパ球/ターゲット細胞比で観察された。
【0064】
上記3つのクローンはメラノーマ細胞株Me275も効率よく溶解することができた。この細胞株は3つのCTL株の一つを得た患者と同じ患者から採取したリンパ節転移巣から得られた。すなわちこの細胞株は3つのCTL株の1つにとって自家細胞である。このメラノーマ細胞株は十分なレベルのNY−ESO−1タンパク質、mRNAを発現させると共に、参考文献として本明細書の一部を構成するLetheらの米国特許第5,811,519号に記載されている相同遺伝子LAGE−1も発現させる。
【0065】
これらのCTLはいずれも、同様に上述した同種異系細胞株Me242を認識しなかった。この細胞株もNY−ESO−1とLAGEを発現させるが、HLA−A2陰性である。
【0066】
総合すると、これらのデータは、上記3つのCTLクローンがNY−ESO−1/HLA−A2特異的であり、腫瘍反応性であることを示している。
【0067】
実施例19
本実施例の実験では、HLA−A2分子に対するペプチド結合を評価するために使用した機能競合アッセイを説明する。このアッセイは参考文献として本明細書の一部を構成するValmori ら,J. Immunol 160:1750-1758(1998)に記載されている。このアッセイは、上記実施例4で説明したように配列番号4の認識の阻害に基づいている。下記のペプチドを試験した。競合アッセイの結果を記載する。
【0068】
Figure 0004615805
これらの結果は、50%競合活性には約0.3μMの配列番号2が必要であるのに対して、配列番号3および1ではそれぞれ1/9および1/13の量しか必要でないことを示している。配列番号6および7のペプチドはペプチド結合の著しい増加をもたらし、配列番号8および19も同様であることはわかるだろう。
【0069】
MHC分子への結合およびT細胞受容体相互作用における単一アミノ酸の役割を決定する第一段階として、配列番号20〜27の単一Ala置換ペプチドを合成した。C末端システインが結合にとって不利であることは上に示した通りなので、Ala置換ムテイン配列番号6を基本ペプチドとして使用した。その結果を上に示した。2位の置換は予想通りペプチド結合を1/100に低下させた。5位および6位の置換も結合をかなり低下させた。意外にも、配列番号23のペプチドは格段に高い結合能力を持っていた。
【0070】
実施例20
本実施例の実験は、NY−ESO−1特異的CTLによる抗原認識の効率を評価するために計画した。これを行うために、上述したタイプの4時間51Cr放出アッセイを使用し、同様に上述したT2細胞株を使って、ペプチド滴定を行った。測定の基準は、配列番号2によって達成される50%最大溶解とした。50%溶解に必要な配列番号2の量は試験した3つのCTLクローン、すなわち上述したクローンLAU50/13、LAU155/18および156/5によって異なった(7nM、12nMおよび3nM)。この結果を図1に示す。図1から、配列番号1および3は、3つのクローンのいずれに対しても、抗原として効率が低いことがわかる。1つのクローン(LAU156/5)は配列番号3を検出さえしなかった。
【0071】
C末端に変異を持つ類似体は、概して配列番号2より良い抗原だった。配列番号6は最も効率的な抗原ペプチドであるようだった。最大溶解の50%を得るのに必要な濃度は、これら3つのクローンのいずれについても、配列番号2より3〜4桁低かった。配列番号7および19も配列番号2よりも高い効率で認識されたが、抗原活性の増加率は様々だった。ある例では、配列番号7によって相対的抗原活性は105 倍増加したが、別のCTLにはわずかな効果しかなかった。
【0072】
配列番号8は、3つのクローンのうちの2つによって、より効率よく認識された。
【0073】
配列番号20〜27の単一アラニン置換に関して、各クローンは認識の微細特異性を示した。配列番号27はこれを最も明確に示した。クローンのうちの2つは配列番号27を配列番号2と同程度かそれ以上に認識し、クローンのうちの1つは配列番号27を全く認識しなかった。クローンのうちの2つは、同様の認識パターンを示した。3〜7位のペプチドは全てどのCTLクローンによる認識にとっても極めて重要であるらしかった。
【0074】
実施例21
本実施例の実験は、様々なペプチドの特異的応答誘発能力を評価するために行った。メラノーマ患者のPBMCから取得した高濃縮CD8+ 細胞を、先の実施例で説明したように配列番号1、2、3、6、7、8または19の一つを使ってインビトロで刺激した。刺激の1週間後に、それらの細胞を、上述のように配列番号2を含有する四量体と抗CD8抗体とを使って染色した。
【0075】
1週間後、培養物中のCD8+ リンパ球の約0.1〜0.2%は四量体陽性だった。配列番号3は弱い刺激因子だったが、配列番号1および全てのカルボキシ置換誘導体は、この細胞集団を、配列番号2よりも増殖させた。これらの結果を図2Aに示す。
【0076】
追加実験では、IFN−γELISPOTアッセイにより、製造者の使用説明書に従って、培養物を試験した。簡単に述べると、プレートをIFN−γ特異抗体で一晩コーティングし、6回洗浄した。T2細胞(5×104 細胞/ウェル)をレスポンダーT細胞(2×104 細胞/ウェル)および1μMペプチドと一緒に加えた。正副一対の培養物を調製し、37℃で20時間インキュベートした。次に細胞を除去し、第2のビオチン化IFN−γ抗体およびストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ複合体を使ってプレートを発色させた。立体顕微鏡を使用してスポット数を数えた。このアッセイを行った理由は、四量体を使用してペプチド類似体によるT細胞増殖を試験する方法では、親配列と交差反応しない特異的T細胞を検出できないかもしれないからである。
【0077】
図2Bにこれらの結果を示す。配列番号2を使ってもペプチド類似体を使っても、同等な数の特異的細胞が得られた。この結果から、配列番号3は免疫原性に乏しいこと、およびカルボキシ置換ペプチドで誘発された特異的T細胞の大半は配列番号2と完全に交差反応することが裏付けられる。
【0078】
上記の説明からわかるように、本発明は、
SLLMWITQX(配列番号10)
[ここに、Xはシステイン以外の任意のアミノ酸であり、好ましくは非極性側鎖を持つ疎水性アミノ酸、例えばAla、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、TrpまたはGlyであるか、または非荷電極性側鎖を持つアミノ酸、例えばSer、Asp、Glu、ThrまたはTyrであり、最も好ましくはAla、Ile、Val、LeuまたはSerである]という配列を持つペプチドに関する。これらのペプチドは、HLA−A2陽性であり病変を伴ってNY−ESO−1を発現させる患者への投与によって治療的に使用することができ、また診断的に、すなわちHLA−A2陽性細胞が存在するかどうか、関連CTLが存在するかどうかなどを決定するために使用することもできる。
【0079】
もう一つの態様では、Xは2つのアミノ酸であって、その第1アミノ酸はシステインまたはアラニンであり、かつ第2アミノ酸は任意のアミノ酸である。第2アミノ酸はPhe、Ile、ValまたはLeuであることが好ましい。この態様では、配列番号11または14の場合のように、第1アミノ酸がシステインであり、第2アミノ酸がPheまたはIleであることが最も好ましい。
【0080】
本発明のさらにもう一つの態様は、配列番号6に記載のペプチドの類似体、すなわち配列番号6中のアミノ酸のうちC末端アミノ酸以外の少なくとも1つがアラニンで置換されているペプチドである。配列番号27は特に好ましいが、配列番号20〜26に記載の他のペプチドも本発明の一部である。
【0081】
HLA−A2分子はMHCクラスI分子であり、ペプチドとクラスI分子との複合体に応答するT細胞は一般にCD8+ 細胞である。
【0082】
配列番号6によって定義されるペプチドは、配列番号10のコア配列によって定義されるペプチドの典型例である。このペプチドは、上述のようにHLA−A2分子に結合する。したがって、これはHLA−A2の「マーカー」であると共に、上述のようにCTLの増殖を刺激するペプチド/MHC複合体の一成分でもある。同様に、Ile、LeuまたはValが配列番号10の構造におけるカルボキシ末端であるペプチドも使用することができる。
【0083】
ペプチドを佐剤と混合することにより、治療用組成物を形成させることができる。また、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列からなる核酸分子(いわゆる「ミニ遺伝子」)も本発明の一部である。これらのミニ遺伝子は、プロモーターと作動可能に連結した状態で発現ベクター中に組み込むことができる。1または複数のペプチドの多重コピーを含む2以上の本発明ペプチドをコードする構築物も本発明の一部である。これらの構築物は、例えば組換えベクターまたはいわゆる「裸のDNA」、すなわち1または複数の所望のペプチドをコードする小さい核酸分子などの形をとることができる。同様に、DNAまたはベクターを含む真核細胞または原核細胞などの組換え細胞も、本発明の一部である。
【0084】
これらのペプチドはHLA分子に結合する能力を持つので、本ペプチドが試料中の細胞に結合するかどうかを決定することによってHLA−A2陽性細胞(HLA−A* 0201陽性細胞など)の有無を決定するための試薬として役立つ。この「リガンド/受容体」タイプの反応は当技術分野ではよく知られており、その決定には様々な方法論を利用することができる。
【0085】
本発明のさらなる一側面は、トランスフェクトされた細胞によるペプチドの合成を指図するのに必要な情報を保持している、いわゆる「ミニ遺伝子」である。1または複数の抗原ペプチドをコードするミニ遺伝子を設計し、それをプラスミドを使ったトランスフェクションまたはワクシニアもしくはアデノウイルスへのクローニングによって、宿主細胞ゲノムに導入することができる。例えば参考文献として本明細書の一部を構成するZajacら,Int.J.Cancer 71:496(1997)を参照されたい。組換えワクシニアウイルスベクターなどのこれらの組換えベクターは、融合タンパク質が生成するように構築することができる。例えば上記のように、融合タンパク質の一部分が望ましい腫瘍拒絶抗原前駆体または腫瘍拒絶抗原である融合タンパク質を構築することができ、これに追加のタンパク質またはペプチドセグメントを含めることができる。融合タンパク質に加えることができる追加タンパク質またはペプチドセグメントの典型例は、決してこのタイプに限るわけではないが、レポータータンパク質またはレポーターペプチド、すなわち発現が起こったことがわかるように観察可能なシグナルを与えるタンパク質またはペプチド、例えば緑色蛍光タンパク質である。他のレポータータンパク質には、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、dhfr、および参考文献として本明細書の一部を構成するChengら,Nature Biotechnology 14:606(1996)に記載の「eGFP」すなわち強化緑色蛍光タンパク質などがあるが、これらに限らない。当業者が入手できる様々なレポータータンパク質は様々な方法で使用することができ、また実際、様々な方法で使用されている。例えば「GFP」および「eGFP」を使って感染細胞を可視化することにより、フローサイトメトリーを使った場合の追跡と感染細胞の単離を容易にすることができる。ウェスタンブロッティング、免疫沈降などの方法を使用する場合は、他のレポータータンパク質が役立つ。これらの技術は当技術分野では標準的な技術であり、ここに繰り返して説明する必要はない。融合ペプチドからの腫瘍拒絶抗原前駆体または腫瘍拒絶抗原の切断を容易にするタンパク質またはペプチドセグメントも、含めることができる。融合タンパク質は上述のように2以上の腫瘍拒絶抗原を含むことができ、1または複数の腫瘍拒絶抗原の関連MHC分子への送達を促進するタンパク質またはペプチドを含むこともできる。そのようなタンパク質およびペプチドは当技術分野ではよく知られており、ここで詳しく説明する必要はない。
【0086】
本明細書に記載の組換えレポーターベクターをトランスフェクトした組換え細胞も本発明の一部である。これらの細胞は例えば任意のタイプの真核細胞であることができ、ヒト細胞は特に好ましい。これらの細胞は、例えば腫瘍拒絶抗原前駆体または腫瘍拒絶抗原の製造などに使用することができる。また、これらの細胞はエクスビボで、特定のMHC分子と腫瘍拒絶抗原との複合体に特異的な細胞溶解性T細胞を生成させるためにも使用することができる。これは、融合タンパク質の発現およびTRA(すなわち腫瘍拒絶抗原)のプロセシング後に生成するMHC分子とTRAとの複合体に特異的な試料中の細胞の増殖が誘発されるように、トランスフェクト細胞をT細胞の供給源(例えば血液試料)に接触させるだけで行うことができる。これらの細胞は、本明細書に示すようにその表面に適当な複合体を提示しインビボで同じタイプのT細胞応答を誘発するので、非増殖性にした場合はワクチン物質として使用することもできる。同様に、ベクターをワクチン物質そのものとして使用して、細胞表面上のMHC分子とペプチドとの複合体に対するT細胞応答を必要とする患者に投与することもできる。もちろんエクスビボで生成させたT細胞を患者の処置に使用することもできる。
【0087】
上記のペプチドを他の腫瘍拒絶抗原に由来するペプチドと組み合わせて「ポリトープ」を形成させることができる。代表的なペプチドには、いずれも参考文献として本明細書の一部を構成する米国特許出願第08/672,351号、第08/718,964号(現米国特許第 号)、第08/487,135号(現米国特許第 号)、第08/530,569号および第08/880,963号に記載されているものがある。
【0088】
使用することができる他のペプチドには、いずれも参考文献として本明細書の一部を構成する次の文献に記載されているものがある:米国特許第5,405,940号、第5,487,974号、第5,519,117号、第5,530,096号、第5,554,506号、第5,554,724号、第5,558,995号、第5,585,461号、第5,589,334号、第5,648,226号および第5,683,886号、PCT国際公開第92/20356号、第94/14459号、第96/10577号、第96/21673号、第97/10837号、第97/26535号および第97/31017号ならびに係属中の米国特許出願第08/713,354号。
【0089】
ポリトープは、このタイプの分子が免疫応答を刺激しかつ/または誘発することができるかどうかを決定するために様々な方法で一つに連結することができる、2以上の潜在的に免疫原性または免疫刺激性のペプチド群である。
【0090】
これらのペプチドは直接連結することもできるし、隣接配列を使って連結することもできる。関連エピトープ配列の直接結合を教示しているThompsonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92(13):5845−5849(1995)を参照されたい。ポリトープのワクチンとしての使用はよく知られている。例えばGilbertら,Nat.Biotechnol.15(12):1280−1284(1997)、Thomsonら(前掲)、Thomsonら,J.Immunol.157(2):822−826(1996)、Tamら,J.Exp.Med.171(1):299−306(1990)(いずれも参考文献として本明細書の一部を構成する)を参照されたい。特に前記Tamの文献は、マウスモデルで使用した場合にポリトープが抗体および防御免疫の両方の生成に有用であることを示している。さらにこの文献は、ポリトープが消化されると、MHCによって提示されることが可能であり実際にMHCによって提示されるペプチドが生成することを示している。Tamは、ポリトープ「ストリング」からプロセシングされた個々のエピトープがCTLによって認識されることを示すことによって、これを示している。このアプローチは、例えばどのくらいの数のエピトープであれば1つのポリトープに連結しても認識を誘発することができるかを決定する際に、また様々な組合わせのエピトープの効力を決定するためなどに使用することができる。様々な組合わせは腫瘍拒絶抗原の特定のサブセットを発現させる患者に合わせて「テーラーメード」することができる。これらのポリトープは、ポリペプチド構造として導入するか、核酸送達システムを使って導入することができる。詳しく述べると、当技術分野では、個々のエピトープまたは上述したようなポリトープをコードするDNAを導入するために数多くの様々な方法を利用することができる。例えば参考文献として本明細書の一部を構成するAllsoppら,Eur.J.Immunol.26(8):1951−1959(1996)を参照されたい。アデノウイルス、ポックスウイルス、Tyウイルス様粒子、プラスミド、細菌などを使用することができる。これらのシステムは、ある与えられた同様の状況下でヒトにはどのシステムが最も適当であるかを決定するために、マウスモデルで試験することができる。またヒト臨床試験で試験することもできる。
【0091】
また、試料中の細胞溶解性T細胞の有無を決定するために上記のペプチドを使用することも、本発明の特徴である。上述したように、試料中のCTLはペプチド/MHC複合体と反応する。したがって試料中にCTLが存在することがわかっている場合は、本発明のペプチドをHLA−A2陽性細胞、例えばHLA−A* 0201陽性細胞に加え、次に例えば放射活性クロム放出、TNF産生などを決定するか、またはT細胞活性を決定する他の任意の方法を実施することにより、HLA−A2陽性細胞を「溶解」することができる。同様に、本発明ペプチドの1つをHLA−A2陽性細胞と共に試料に加え、HLA−A2陽性細胞の溶解を、例えば51Cr放出、TNFの存在などによって決定することにより、試料中に特異的腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が存在するかどうかを決定することができる。また、CTLはELISPOT解析によって検出することもできる。例えばSchmittelら(1997)J.Immunol.Methods210:167−174およびLalvaniら(1997)J.Exp.Med.126:859を、またはMHCクラスI/ペプチドの蛍光原性四量化複合体のFACS解析(Dunbarら(1998)Current Biology 8:413−416、Romeroら,J.Exp.Med.188:1641−1650(1998))(前記の文献は全て本明細書の一部を構成する)参照されたい。詳しく述べると、前記複合体は第1結合パートナーと第2結合パートナーを含み、第1および第2結合パートナーは互いに特異的である。これらは、例えばアビジンまたはストレプトアビジンとビオチン、ビオチンに特異的な抗体またはその結合部分などであることができる。重要な特徴は第2結合パートナーが、MHC分子、β2−ミクログロブリン分子および前記MHC分子に特異的に結合するペプチドから構成される複数の複合体に結合されなければならず、前記多成分複合体が標識されなければならないということである。MHC分子はHLA−A2分子であることが好ましいが、任意のHLA分子を使用できることは当業者には理解されるだろう。
【0092】
第2結合パートナーはビオチンであることが好ましいが、例えばHLA/β2−ミクログロブリン/ペプチド複合体の一成分に特異的な抗体、例えばHLA特異抗体、β2−ミクログロブリン特異抗体などであってもよい。同様に、第1結合パートナーは例えば組換えまたは天然プロテインL、組換えまたは天然プロテインA、さらには第2の抗体であることができる。複合体は可溶型であるか、または除去可能な固相、例えば磁気ビーズに結合した形をとることができる。
【0093】
本発明の大分子中のHLA/β2−ミクログロブリン/ペプチド複合体の数は様々である。これは少なくとも2つの複合体を含み、好ましくは少なくとも4つの複合体を含むが、それ以上の複合体が存在してもよい。
【0094】
結合パートナーとHLA/β2−ミクログロブリン/ペプチドとの複合体は、当技術分野で知られている任意のラベルを使って標識することができる。蛍光ラベルの例は上述した。アルカリホスファターゼなどの酵素ラベル、金属粒子、合成物質製の着色プラスチック、放射性ラベルなどは、全て使用することができる。
【0095】
第1結合パートナーに特異的に結合する第3結合パートナーを使用してもよい。例えば第1結合パートナーがストレプトアビジンであり、かつ第2結合パートナーがビオチンである場合、第3結合パートナーはストレプトアビジン特異抗体であることができる。3以上の結合パートナーを使用する場合は、HLA/β2−ミクログロブリン/ペプチド複合体との結合が妨害されない限り、上記のラベルはどの結合パートナーに結合させてもよい。
【0096】
上記複合体は、例えば試料中に存在する、HLA/β2−ミクログロブリン/ペプチド複合体に特異的な細胞溶解性T細胞を同定または単離するために使用することができる。このような細胞溶解性T細胞は、本発明の免疫複合体に結合する。好ましい一態様では、被験試料を細胞溶解性T細胞に特異的に結合する反応物で処理する。この場合、前記ラベルは検出可能なシグナルを与える。次に、標識されたCTLを含む試料を上記複合体と接触させ、結合させる。標識されたCTLは周知の標準的細胞分離法によって分離することができる。好ましくはFACSを使用するが、他の分離方法も当業者には同様に知られている。使用するペプチドは当業者の必要に応じて選択され、問題にしている特定のMHC系の性質などに依存するだろう。
【0097】
また、本方法は、ワクチンなどの特定の治療薬を投与した後の腫瘍の状態を監視するためにも使用することができる。さらに本方法論は、上述のように細胞溶解性T細胞前駆体を同定するためにも使用することができるので、考えうる治療法の候補者を、彼らが適当なT細胞前駆体を持つかどうかを決定することによって同定することもできる。
【0098】
もちろん、本ペプチドはCTLの産生を誘発するために使用することもできる。上述のように、CTL前駆体は適当な複合体に直面するとCTLになる。このようないわば「直面」を引き起すことにより、CTLを生成させることができる。これは、このようなCTLを生成させるためにインビボでもエクスビボでも有用である。
【0099】
複数の異なるペプチドを含みそのうちの少なくとも1つが本発明のペプチドであるいわゆる「カクテル」ならびに「ポリトープ」分子およびそれらをコードする核酸分子も本発明の一部である。本明細書で使用する「ポリトープ」という用語は、細胞内プロセシング後にMHC分子によって提示される複数のペプチド配列を含有するように設計された組換え分子を指す。このようなポリトープは、例えば1つのエピトープの繰返しからなったり、いくつかの異なるエピトープからなったりすることができる。
【0100】
本発明の他の特徴と応用は当業者には明らかであり、本明細書に記載する必要はないだろう。
【0101】
本明細書で使用した用語および表現は、限定ではなく説明のために使用されている。これらの用語および表現の使用に、本明細書に示し説明した特徴またはその一部の等価物を排除する意図はなく、本発明の範囲内で様々な変更態様が可能であると理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NY−ESO−1に関連するペプチドおよびペプチド類似体の抗原性に関するデータ。
【図2】 図2Aおよび図2Bはそれぞれ、NY−ESO−1ペプチドおよび同類似体のインビトロ免疫原性に関する結果(2A)およびELISPOTアッセイの結果(2B)を示す。
【配列表】
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Claims (42)

  1. HLA−A2分子に結合し細胞溶解性T細胞による溶解を誘発する、式:SLLMWITQX(配列番号10)[式中、XはSer、Ala、Val、Leu、またはIleである]の単離されたノナペプチド。
  2. 前記アミノ酸がAla、Val、Ile、又はLeuである請求項1の単離されたノナペプチド。
  3. 前記アミノ酸がSerである請求項1の単離されたノナペプチド。
  4. 互いに特異的な第1および第2結合パートナーを含む、細胞溶解性T細胞の単離に役立つ単離された複合体であって、前記第2結合パートナーがHLA−A2分子、β2−ミクログロブリン分子および請求項1のノナペプチドから構成される複数の複合体に結合される複合体。
  5. 前記複合体が四量体である請求項4の単離された複合体。
  6. 配列番号10のXがSer(配列番号19)である請求項5の単離された複合体。
  7. 請求項1の単離されたノナペプチドおよび佐剤を含む、細胞溶解性T細胞応答の誘発に役立つ組成物。
  8. 請求項1のノナペプチドをコードするヌクレオチド配列からなる単離された核酸分子。
  9. 前記ノナペプチドが配列番号19に記載のアミノ酸配列からなる請求項8の単離された核酸分子。
  10. MHC分子に結合するペプチドをコードする複数のヌクレオチド配列を含む発現ベクターであって、前記ペプチドの少なくとも1つが請求項1のペプチドである発現ベクター。
  11. 前記ペプチドの少なくとも1つが配列番号19のアミノ酸配列からなる請求項10の発現ベクター。
  12. 請求項8の単離された核酸分子で形質転換またはトランスフェクトされた組換え細胞。
  13. 請求項10の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた組換え細胞。
  14. ある細胞がHLA−A2分子をその表面に提示するかどうかを決定する方法であって、前記細胞を含む試料を請求項1のペプチドと接触させて、それらの間の結合を決定することを含み、前記結合が前記細胞の表面上のHLA−A2の指標である方法。
  15. さらに少なくとも1つの追加ペプチドを含む請求項7の組成物。
  16. 少なくとも一部分が請求項1のアミノ酸配列を含む単離されたポリトープ分子。
  17. HLA−A2分子およびペプチドの複合体に特異的な細胞溶解性T細胞が試料中に存在するかどうかを決定する方法であって、前記試料をHLA−A2分子および請求項1のノナペプチドと混合し、前記細胞溶解性T細胞の特異性を決定するために、前記細胞溶解性T細胞と、HLA−A2分子および前記ペプチドの複合体との間の相互作用を決定することを含む方法。
  18. さらにラベルを含む請求項4の単離された複合体。
  19. 前記第1 結合パートナーがアビジンであり、前記第2 結合パートナーがビオチンである請求項18の単離された複合体。
  20. MHC分子、β2−ミクログロブリンおよびペプチドの複合体を含む請求項19の単離された複合体。
  21. 試料中の細胞溶解性T細胞を同定または単離する方法であって、前記試料を請求項4の複合体と混合し、それに結合する細胞溶解性T細胞を同定または単離することを含む方法。
  22. 腫瘍の状態を監視する方法であって、腫瘍を持つ患者から採取した試料を請求項4の単離された複合体と接触させることによって、前記試料中の細胞溶解性T細胞を決定し、得られた値を先に決定した値と比較することによって、前記腫瘍の状態を決定することを含む方法。
  23. 配列番号6中のC末端アミノ酸以外の1アミノ酸がアラニンで置換されている、配列番号6の類似体である単離されたノナペプチド。
  24. 配列番号20、21、22、23、24、25、26および27からなる群より選択される請求項23の単離されたノナペプチド。
  25. 配列番号27からなる請求項24の単離されたノナペプチド。
  26. 請求項23のノナペプチドをコードする単離された核酸分子。
  27. 少なくとも1つが請求項26のヌクレオチド配列である複数のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
  28. 請求項26の単離された核酸分子で形質転換またはトランスフェクトされた組換え細胞。
  29. 請求項27の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた組換え細胞。
  30. ある細胞がHLA−A2分子をその表面に提示するかどうかを決定する方法であって、前記細胞を含む試料を請求項23のペプチドと接触させて、それらの間の結合を決定することを含み、前記結合が前記細胞の表面上のHLA−A2の指標である方法。
  31. 請求項23の単離されたノナペプチドおよび佐剤を含む、細胞溶解性T細胞応答の提供に役立つ組成物。
  32. 少なくとも1つの追加ペプチドを含む請求項31の組成物。
  33. 少なくとも一部分が請求項23のアミノ酸配列を含む単離されたポリトープ分子。
  34. HLA−A2分子およびペプチドの複合体に特異的な細胞溶解性T細胞が試料中に存在するかどうかを決定する方法であって、前記試料をHLA−A2分子および請求項23のノナペプチドと混合し、前記細胞溶解性T細胞の特異性を決定するために、前記細胞溶解性T細胞と、HLA−A2分子および前記ペプチドの複合体との間の相互作用を決定することを含む方法。
  35. 互いに特異的な第1および第2結合パートナーを含む、細胞溶解性T細胞の単離に役立つ単離された複合体であって、前記第2結合パートナーがHLA−A2分子、β2−ミクログロブリン分子および請求項23のノナペプチドから構成される複数の複合体に結合される複合体。
  36. 前記ノナペプチドが配列番号20、21、22、23、24、25、26または27である請求項35の単離された複合体。
  37. 第1結合パートナーがアビジンであり、第2結合パートナーがビオチンである請求項35の単離された複合体。
  38. 試料中の細胞溶解性T細胞を同定または単離する方法であって、前記試料を請求項35の単離された複合体と混合し、それに結合する細胞溶解性T細胞を同定または単離することを含む方法。
  39. 式:SLLMWITQXX(配列番号18)[式中、第1のXはシステインであり、第2のXはIle、ValまたはLeuである]の単離されたデカペプチド。
  40. 第2のXは、Ile(配列番号14)である請求項39の単離されたデカペプチド。
  41. 請求項39の単離されたデカペプチドおよび佐剤を含む、細胞溶解性T細胞応答の誘発に役立つ組成物。
  42. さらに少なくとも1つの追加ペプチドを含む請求項41の組成物。
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