JP4615489B2 - 断熱施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、真空断熱材を構造用面材に取り付ける断熱施工方法に関する。
近年、地球環境保護の観点より、家電製品や産業機器と並び住宅等の建物の省エネルギー化も取り組むべき重要な課題となっている。そのため、様々な断熱材の適用や各種断熱施工法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図28は、特許文献1により開示されている従来の建物1の概略断面図である。図28に示すように、特許文献1における従来の建物1は、断熱材として熱伝導率が0.020W/m・K以下である硬質ポリウレタンフォーム2が外壁仕上材3及び屋根材4の内側部分に設けられていることにより、断熱性を確保している。
硬質ポリウレタンフォーム2は、断熱性能が優れるため、薄くして施工することができる。そのため、施工する際、長い釘やビスを必要とせず、一般に多用される五寸釘等の施工釘を使用することができる。
図29は、従来の断熱施工工程を説明するための図である。従来の断熱施工工程では、図29の従来の建物1の外壁部1aの斜視断面図に示すように、コンクリート基礎5の上の土台柱6に木軸7を組み、木軸7に構造用面材8を貼り、その上に複数の木下地9aを垂直方向に並行に組む。そして、各木下地9aの間に硬質ポリウレタンフォーム2を配置し、硬質ポリウレタンフォーム2の上に合板10を貼り、合板10の上に複数の木下地9bを垂直方向に並行に組み、木下地9bに外壁仕上材3を固定する。
特開2003−278290号公報
しかしながら、従来の建物1の構成では、硬質ポリウレタンフォーム2をカットして複数の木下地9aそれぞれの間に詰める工程を要し、施工に手間がかかる。
本発明は、上記課題を考慮し、手間をかけずに建物を施工するための断熱施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の断熱施工方法は、重なることなく2次元状に配列された板状の複数の芯材を、ラミネートフィルムからなるフレキシブルな二枚の外被材で上下から覆って、各前記芯材が独立した空間に個別に真空封止された真空断熱材を、構造用面材に取り付ける断熱施工方法であって、前記構造用面材における前記真空断熱材を取り付ける側の面に前記真空断熱材の一方の面を対向させ、さらに複数の木下地を前記真空断熱材と対向するように配置し、前記真空断熱材側から前記木下地を介して前記真空断熱材における上下の前記外被材同士が熱で溶けて結合している熱溶着部に釘又はビスを打ち込むことにより、前記真空断熱材を間に挟んで前記木下地と前記構造用面材とを固定する断熱施工方法である。
本発明によれば、構造用面材における真空断熱材を取り付ける側の面に、重なることなく2次元状に配列された板状の複数の芯材が独立した空間に個別に真空封止された真空断熱材の一方の面を対向させ、さらに複数の木下地を前記真空断熱材と対向するように配置し、前記木下地を介して前記真空断熱材に釘又はビスを打ち込むことで断熱施工が完了し、発泡断熱材をカットし詰める工程や発泡断熱材の上に木下地を組む工程をなくすことができる。そのため、全体として木下地の使用量を削減することができる。また、木下地を真空断熱材と対向するように配置されることにより、また、建物に対する真空断熱材の被覆率が大きくなるので建物の断熱性が高まる。また、釘又はビスは、真空断熱材側から木下地を介して真空断熱材における上下の外被材同士が熱で溶けて結合している熱溶着部に打ち込まれるので、真空断熱材の芯材への釘又はビスの突き刺しが起こらない。仮に、釘又はビスがいずれかの芯材を突き刺したとしても、他の芯材の真空度が悪化することはなく全体としての断熱性能は確保される。また、木下地に仕上材を固定することができる。また、構造用面材に、芯材が一つの真空断熱材を複数設ける場合と較べて、構造用面材に真空断熱材を設ける作業の回数が少なくなると共に、構造用面材に真空断熱材を設けるたびに複数の芯材の間隔や複数の芯材の位置関係を調節する必要がなくなるので、断熱施工が容易である。
このとき、真空断熱材の複数の前記芯材の大きさ又は形状が異なるようにしてもよい。真空断熱材は、芯材の区切れでフレキシブルに折り曲げることができるので、芯材の大きさ又は形状を異ならせることにより、折り曲げに関する自由度を調整することができる。
前記真空断熱材は、前記外被材の各前記芯材を挟まない部位の上側部と下側部とは前記芯材の際まで結合していることが好ましい。この場合、外被材の各芯材を挟まない部位の上側部と下側部とが前記芯材の際まで結合しているので、真空断熱材の外周部の芯材のないヒレ部(非芯材部)の幅と隣接する芯材と芯材の間の非芯材部の幅を狭めることができ、真空断熱材表面に占める芯材部の面積比率が大きくなり、断熱効果を高めることができる。
前記構造用面材の一方の面と対向する前記真空断熱材の一方の面は、前記外被材が前記芯材と対向する部分と対向しない部分とで凹凸ができておらず表面が平滑で、前記真空断熱材の他方の面は、前記外被材が前記芯材と対向する部分と対向しない部分とで凹凸ができているものでもよい。この場合、真空断熱材における構造用面材と対向する面が平滑であるので、接着剤などで真空断熱材を構造用面材に固定しやすく、また接着強度を高めることができる。また、真空断熱材における構造用面材と対向する面とは反対側の面は、外被材が芯材と対向する部分と対向しない部分とで凹凸ができているので、現場施工時において、構造用面材に真空断熱材側から釘やビスを打つ時に、凹凸を基に芯材がある部分の上から打たないように注意することができる。
複数の前記真空断熱材は積層された状態で前記構造用面材と一体化していてもよい。この場合、複数の前記真空断熱材は、前記芯材が重ならないように積層されていることが好ましい。この構成で真空断熱材の大きさや数を調整すると、構造用面材全面に芯材を位置させることができるので、断熱効果を向上させることができる。
更にこの時、積層されている複数の前記真空断熱材のうち積層方向の端に位置する前記真空断熱材は、前記真空断熱材同士が対向する面とは反対側の面が、前記外被材が前記芯材と対向する部分と対向しない部分とで凹凸ができておらず表面が平滑であるものでもよく、この場合、積層されている複数の真空断熱材における構造用面材と対向する面が平滑であるので、接着剤などで真空断熱材を構造用面材に固定しやすく、また接着強度を高めることができる。また、積層されている複数の真空断熱材における反構造用面材側の面が平滑であるので、取り扱いが容易である。
更にこの時、積層されている複数の前記真空断熱材は、前記真空断熱材同士が対向する面が、前記外被材が前記芯材と対向する部分と対向しない部分とで凹凸ができていてもよく、この場合、対向する凹凸がうまく係合するようにすれば、真空断熱材を設けている空間における真空断熱材の占める割合を高めて、断熱効果を向上させることができる。
前記真空断熱材は、前記芯材を上下から覆って真空に封じるための外被材を有し、前記外被材は、前記芯材の一方の面側に位置する、金属蒸着層を含む第1ラミネートフィルムと、前記芯材の他方の面側に位置する、金属箔層を含む第2ラミネートフィルムとで構成されていることが好ましい。金属箔層と金属蒸着層との熱容量が異なるので、真空断熱材の適用時に起きる二枚のラミネートフィルムの接着面を通じて発生する熱漏洩(真空断熱材の高温面から低温面への熱の移動)を抑制することができる。特に芯材が複数個存在する場合、二枚のラミネートフィルムの接着面が占める割合が大きく、熱漏洩の影響を防止する効果は大きくなる。
前記第1ラミネートフィルムは、前記金属蒸着層の、前記芯材から遠い方の面の上に設けられたポリアクリル酸系樹脂層を含むことが好ましい。ポリアクリル酸系樹脂層はそれ自身が高いガスバリア性を有するので、金属蒸着層の上にポリアクリル酸系樹脂層を設けると、それぞれを単層で使用した場合のガスバリア性から予測される以上にガスバリア性が向上する。なぜなら、金属蒸着単層では、ラミネート時や屈曲を生じる部位への建築用部材への使用時などにクラックが生じやすいが、ポリアクリル酸系樹脂で金属蒸着層を保護することによって金属蒸着層に生じるクラックを防止できるからである。したがって、本構成により真空断熱材の断熱性能を長期にわたって維持することができる。
前記真空断熱材は、前記芯材を上下から覆って真空に封じるための外被材を有し、前記外被材は、前記芯材の一方の面側に位置する、第1金属蒸着層を含む第1ラミネートフィルムと、前記芯材の他方の面側に位置する、第2金属蒸着層を含む第2ラミネートフィルムとで構成されており、前記第1ラミネートフィルムは、前記第1金属蒸着層の、前記芯材から遠い方の面の上に設けられたポリアクリル酸系樹脂層を含み、前記第2ラミネートフィルムは、前記第2金属蒸着層の、前記芯材から遠い方の面の上に設けられたポリアクリル酸系樹脂層を含むことが好ましい。この構成では、外被材の両面が熱容量の小さい金属蒸着層であるので、接着面を通じて発生する熱漏洩を大きく抑制することが可能となる。更に、外被材がガスバリア性の高いポリアクリル酸系樹脂層が設けられた金属蒸着層で構成されるラミネートフィルムを有するので、断熱材の断熱性能を長期にわたって維持することができる。
前記真空断熱材及び前記構造用面材は、厚み方向に貫通孔を有しており、互いの前記貫通孔が重なる状態で、前記真空断熱材と前記構造用面材とが一体化していてもよい。この場合は、換気扇等の建物内外を貫通させる必要がある設備を設置することができる。
更に、前記真空断熱材の外面に設けられた防水シートを備えることが好ましい。このような構成により、外部の水分が真空断熱材内部へ浸入することを防ぎ、芯材の内圧増加による断熱性能の悪化を抑制することができる。
更に、前記構造用面材の外面に設けられた防湿気密シートを備えることが好ましい。このような構成により、特に冬場において、建物内の湿気を多く含んだ高い温度の空気が、真空断熱材の外側の冷たい壁に触れて結露が発生することを防ぐ。
また、断熱施工する建物に対して、建物が施工される地域の気候条件や建物内における各部屋の用途等に応じて、厚みの異なる複数の真空断熱材を使用して断熱施工しても良く、その場合は、建物の各部位における熱損失係数を最適化することが可能となる。
また、断熱施工する建物に対して、建物が施工される地域の気候条件や建物内における各部屋の用途等に応じて、芯材の面積率の異なる複数の真空断熱材を使用して断熱施工しても良く、その場合は、真空断熱材による断熱効果を最適化することが可能となる。
また、本発明の断熱施工方法で用いられる真空断熱材は、芯材複数個が真空に封じられた、シート状の真空断熱材であって、ロール状に巻かれた状態で保持されているものでも良い。これにより、真空断熱材を所望のサイズに切断しても、切断したことによる破袋(真空度の悪化)の影響を切断した箇所以外の部位へ及ばないようにして、真空断熱材を、廃棄する部分を少なくして切り出すことができる。
また、本発明の断熱施工方法で用いられる真空断熱材は、多孔体である芯材が真空に封じられた、平面状の真空断熱材であって、表面に粘着層が設けられ、前記粘着層の上に剥離紙が設けられている。これにより、作業者は、剥離紙を剥離するだけで、所定の大きさの真空断熱材を、所望する部位に容易に取り付けることができる。
更に、本発明の断熱施工方法で用いられる真空断熱材は、多孔体である芯材複数個が真空に封じられた、平面状の真空断熱材であって、所定の間隔でマークが設けられている。マークを利用すると、大きさが容易に分かるので、建物の施工現場において、作業者は、所望する大きさの真空断熱材を容易に切り出すことができる。また、本発明の断熱施工方法で用いられる真空断熱材は、所望のサイズに切断されても、切断されたことによる破袋(真空度の悪化)の影響を切断された箇所以外の部位へ及ばさない。
本発明によれば、構造用面材における真空断熱材を取り付ける側の面に、重なることなく2次元状に配列された板状の複数の芯材が独立した空間に個別に真空封止された真空断熱材の一方の面を対向させて、前記真空断熱材に釘又はビスを打ち込むことで断熱施工が完了し、発泡断熱材をカットし詰める工程や発泡断熱材の上に木下地を組む工程をなくすことができる。そのため、全体として木下地の使用量を削減することができ、手間をかけずに建物を施工するための断熱施工方法を提供することができる。また、建物に対する真空断熱材の被覆率が大きくなるので建物の断熱性が高まる。また、釘又はビスは、真空断熱材側から真空断熱材における上下の外被材同士が熱で溶けて結合している熱溶着部に打ち込まれるので、真空断熱材の芯材への釘又はビスの突き刺しが起こらない。仮に、釘又はビスがいずれかの芯材を突き刺したとしても、他の芯材の真空度が悪化することはなく全体としての断熱性能は確保される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。その際、背景技術で説明した物と同一の構成物については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。同様に、複数の実施の形態のうちの後の実施の形態では、先の実施の形態で説明した物と同一の構成物については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、以下に示す実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における建物11の概略断面図、図2は建物11の外壁部11aの斜視断面図、図3は建物11の外壁部11aの断面図、図4は建物11に用いられている建築用部材12の外観図、図5は図4の建築用部材12を構成する真空断熱材14のA−A’線における断面図である。
図1に示すように、実施の形態1における建物11は、建築用部材12が外壁仕上材3及び屋根材4の内側部分と床仕上材13の外側部分とに設けられていることにより、断熱性を確保している。
実施の形態1における断熱施工工程では、図2に示すように、コンクリート基礎5の上の土台柱6に木軸7を組み、木軸7に建築用部材12を貼り、その上に複数の木下地9bを垂直方向に並行に組み、木下地9bに外壁仕上材3を固定する。
建築用部材12は、図3に示すように、本体部である板状の構造用面材12aと板状の真空断熱材14とが一体化されている建築用の部材である。構造用面材12aの一方の面と真空断熱材14の一方の面部とが接着剤により接着されることにより、構造用面材12aと真空断熱材14とは一体化されている。図3に示すように、真空断熱材14が木下地9bと対向するように、建築用部材12は木軸7に貼られる。図4に示すように、真空断熱材14の面の大きさは、構造用面材12aの面の大きさよりやや小さい。図3に示すように、真空断熱材14の上(建築用部材12と木下地9bとの間)には防水シート15が配置され、構造用面材12aの上(建築用部材12と木軸7との間)には防湿気密シート16が配置されている。
真空断熱材14は、図4に示すように、真空断熱材14の面の大きさよりやや小さい面を有する一枚の芯材17を備える。真空断熱材14は、図5に示すように、一枚の芯材17をガスバリア性を有する外被材18で被覆し、真空封止することで得られる。
芯材17の材料は、空隙率が高いもの、好ましくは空隙率が80%以上、より好ましくは空隙率が90%以上のものが適しており、工業的に利用することができるものとして、粉体や、発泡体や、繊維体等があり、その使用用途や必要特性に応じていずれかの材料が使用される。
粉体としては、無機系、有機系、及びこれらの混合物があり、工業的には乾式シリカ、湿式シリカ、パーライト等を主成分とするものを利用することができる。
発泡体としては、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォーム等の連続気泡体を利用することができる。
繊維体としては、無機系、有機系、及びこれらの混合物があるが、断熱性能の観点から無機系の繊維を使用することが好ましい。無機系の繊維としては、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール等がある。
真空断熱材14を構成する外被材18は、少なくともガスバリア層及び熱溶着層を有するものであり、ガスバリア層に対して、傷つきや、摩擦、折り曲げ、突き刺し等によるピンホール発生を防ぐ必要がある場合、更に保護層が設けられたラミネートフィルムとする。
真空断熱材14の熱伝導率は、平均温度24℃において、0.005W/m・Kであり、汎用的な断熱材である硬質ウレタンフォームの5倍程度の断熱性能を有する。
以上説明したように、実施の形態1における建物11は、構造用面材12aと真空断熱材14とが一体化された建築用部材12を木軸7に単に貼り付けることで断熱施工が完了する。これにより、従来のように発泡断熱材をカットして木下地9a間に詰める工程をなくすことができる。また、全体として木下地の使用量を削減することができる。更に、断熱性能に優れた真空断熱材14が使用されているので、建物11の断熱性は高く、省エネルギー化が実現されている。
また、実施の形態1では、図2から図4に示すように、木軸7と木下地9bとの間に、面の大きさが真空断熱材14の面の大きさよりやや小さい一枚の芯材17を有する真空断熱材14を備える建築用部材12が配置される。これにより、建物11に対する真空断熱材14の被覆率が大きくなり建物11の断熱性が高まる。
また、実施の形態1では、図3に示すように、真空断熱材14の上に防水シート15が配置されているので、外部の水分が真空断熱材14の内部へ浸入することが防止され、芯材17の内圧増加による断熱性能の悪化を抑制することができる。
また、実施の形態1では、図3に示すように、建築用部材12の構造用面材12aの上、すなわち構造用面材12aと木軸7との間に防湿気密シート16が配置されている。これにより、建物11の内部の湿気を多く含んだ高い温度の空気が構造用面材12aと真空断熱材14との境界面で結露する、という現象が発生することを防止することができる。
また、床下にヒータが設けられている場合、建築用部材12は、ヒータからの放熱効率を向上させるために、ヒータより外側に設けられることが好ましい。
(実施の形態2)
図6は実施の形態2における建築用部材12の外観図、図7は建築用部材12の上に木下地9bを組んだ状態を示す図である。
図6に示すように、実施の形態2における建物11に使用する建築用部材12は、構造用面材12aと複数枚の真空断熱材14とが一体化されている建築用の部材である。更に言うと、構造用面材12aと、構造用面材12aの面の大きさより小さい大きさの面を有する複数枚の真空断熱材14とは、構造用面材12aの上に、複数枚の真空断熱材14が互いに重なることなく2次元に配置された状態で一体化されている。
建築用部材12と木下地9bとは、図7に示すように、真空断熱材14の芯材17を避けるように釘19が打ち込まれることで固定されている。釘19の代わりにビスで固定することも可能である。なお、図7には示されていないが、実施の形態1と同様に、真空断熱材14の上に防水シート15を配置させ、構造用面材12aの上(建築用部材12と木軸7との間)に防湿気密シート16を配置させることが好ましい。この時、真空断熱材14の芯材17を避けることができるよう芯材の位置が分かるようにすることが望ましい。
以上説明したように、構造用面材12aと複数枚の真空断熱材14とが一体化した建築用部材12を建物11に用いると、建物11の施工において、いずれかの真空断熱材14の芯材17の上に釘19が打たれても、それ以外の真空断熱材14の真空度は悪化せず、建築用部材12の全体としての断熱性能の悪化を抑制することができる。
(実施の形態3)
図8は実施の形態3における建築用部材12の外観図、図9は図8の建築用部材12を構成する真空断熱材20のB−B’線における断面図、図10は建築用部材12の上に木下地9bを組んだ状態を示す図である。
図8に示すように、実施の形態3における建物11に使用する建築用部材12は、構造用面材12aと真空断熱材20とが一体化されている建築用の部材である。
真空断熱材20は、重なることなく2次元状に配置された状態の複数個の同一の大きさの芯材17を、二枚の外被材18により上下から覆い真空封止することで得られる。真空断熱材20において、上下の外被材18の間に芯材17が存在しないために大気圧で上下の外被材18が密着できる部分のほとんど全て外被材18の熱溶着部21となっており、各芯材17を個別に真空封止している。熱溶着部21は、外被材18の上側部と下側部とが熱により溶けて結合している部位であって、各芯材17を独立した空間に存在させる。ここで、「全て」と表現せずに「ほとんど全て」と表現したのは、二枚の外被材18の大きさ、形の微妙なズレや、外被材18と熱溶着装置との大きさ、形のズレによって、真空断熱材20の外周の縁の先端ぎりぎりまで、熱溶着できなかったり、わざと先端ぎりぎりまで、熱溶着しないことがあるからであり、また、熱溶着装置における真空断熱材20を加熱加圧する部分の芯材の形状に対する追随性(柔軟性)によっては、芯材の際のぎりぎりまで、熱溶着できないことがあるからである。
図9に示すように、真空断熱材20の外被材18はラミネート構造を有しており、芯材17側から順に熱溶着層22、ガスバリア層(金属箔層23、金属蒸着層24、及びポリアクリル酸系樹脂層25)、保護層26が位置するように構成されている。
熱溶着層22は、加熱及び加圧されることで外被材18の内部を真空封止するものである。熱溶着層22として、低密度ポリエチレンフィルム、鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等、及びこれらの混合物を使用することができる。
ガスバリア層は、外被材18の外表面を通じての芯材17への空気の侵入を防ぐものであり、実施の形態3では、芯材17の一方の面側に設けられた金属箔層23と、芯材17の他方の面側に設けられた金属蒸着層24及びポリアクリル酸系樹脂層25とが、ガスバリア層である。ポリアクリル酸系樹脂層25は、金属蒸着層24の上に設けられている。
保護層26は、外被材18の外表面における埃や塵等による傷つきや、摩擦、折り曲げ、更には釘等の棒状部材の突き刺し等によるガスバリア層におけるピンホールの発生を防ぐものである。保護層26として、ナイロンフィルムやポリエチレンテレフタラートフィルム等を使用することができる。
真空断熱材20の熱伝導率は、平均温度24℃において、0.005W/m・Kであり、汎用的な断熱材である硬質ウレタンフォームの5倍程度の断熱性能を有する。
建築用部材12と木下地9bとは、図10に示すように、真空断熱材20の芯材17を避けるように釘19が打ち込まれることで固定されている。つまり、釘19は熱溶着部21に打ち込まれ、それにより、木下地9bは建築用部材12に固定される。木下地9bは、釘19の代わりにビスで固定することも可能である。なお、図10には示されていないが、実施の形態1と同様に、真空断熱材20の上に防水シート15を配置させ、構造用面材12aの上(建築用部材12と木軸7との間)に防湿気密シート16を配置させることが好ましい。
以上説明したように、実施の形態3では、複数個の芯材17それぞれが独立した空間に存在した状態で真空封止されている真空断熱材20と、構造用面材12aとが一体化された建築用部材12が建物11に用いられる。そのため、建物11の施工において、真空断熱材20のいずれかの芯材17の上に釘やビスが打たれても、他の芯材17における真空度は悪化せず、真空断熱材20全体としての断熱性能の悪化を抑制することができる。
また、実施の形態3では、真空断熱材20の外被材18の一方の面が金属蒸着層24を有するラミネートフィルムであり、他方の面が金属箔層23を有するラミネートフィルムであり、金属箔層23と金属蒸着層24との熱容量が異なる。そのため、真空断熱材20の使用時に起きる二枚のラミネートフィルムの接着面を通じて発生する熱漏洩を抑制することができる。実施の形態3では、真空断熱材20が複数個の芯材17を有するので、二枚のラミネートフィルムの接着面が占める割合が大きく、金属箔層23と金属蒸着層24との熱容量が異なることにより、熱漏洩の影響を防止する効果は大きくなる。
また、実施の形態3では、外被材18の金属蒸着層24の上にポリアクリル酸系樹脂層25が設けられており、金属蒸着層24単層の場合と比較してガスバリア性が向上し、真空断熱材20の断熱性能を長期にわたって維持することができる。
また、実施の形態3では、真空断熱材20の外被材18の芯材17を挟まない部分の全てが熱溶着されている(参照:熱溶着部21)。そのため、図11(A)に示すような、外被材18の芯材17を挟まない部分の一部21xが熱溶着されていない場合の真空断熱材20xの端部のヒレ部(非芯材部)の幅21bxに比べて、図8に示す真空断熱材20の端部のヒレ部(非芯材部)の幅21bを狭めることができる。これにより、真空断熱材20表面における芯材17の占める面積が大きくなるので、真空断熱材20表面の有効断熱面積の比率が大きくなり、断熱効果を高めることができる。
上記の内容を更に説明するために、図11(B)を示す。図11(B)は、図11(A)と比較するための図であって、図11(B)を示すヒレ部(非芯材部)の幅21bを、図11(A)を示すヒレ部(非芯材部)の幅21bxに比べて狭めることができることを説明するための図である。図11(B)に示すように、外被材18の芯材17を挟まない部分の全てが熱溶着されており(参照:熱溶着部21)、図11(A)に示す、熱溶着されていない部分21xが存在しない場合、その部分21xが存在しないことにより、図11(B)を示すヒレ部(非芯材部)の幅21bを、図11(A)を示すヒレ部(非芯材部)の幅21bxに比べて狭めることができる。これにより、図11(A)に示す真空断熱材20xと比較して、真空断熱材20y表面における芯材17の占める面積が大きくなる。そのため、真空断熱材20y表面の有効断熱面積の比率が大きくなり、断熱効果を高めることができる。
また、実施の形態3では、図8に示すように、複数個の芯材17の大きさは同一である。しかしながら、図12に示すように、複数個の芯材17の大きさは異なっていてもよい。例えば、後に釘19が打ち込まれる可能性がある領域の芯材17の大きさをその領域以外のそれよりも小さくする。これにより、釘19が打ち込まれる可能性がある領域のいずれかの芯材17に実際に釘19が打ち込まれても、その芯材17の面積は小さいので、真空状態を喪失した部分の面積は、複数個の芯材17の大きさが同一である場合よりも小さくなる。言い換えると、真空状態が保たれている芯材17の面積が大きくなる。その結果、真空断熱材20全体としての断熱性を高い状態で維持することができる。
また、建築用部材12は、芯材17の区切れ(熱溶着部21)で折り曲げることが可能であるので、芯材17の面積を小さくしておくと、折り曲げの自由度が向上する。また、折り曲げる必要がある部位の芯材17の面積を小さくしておくとともに、折り曲げる必要がない部位の芯材17の面積を大きくしておくと、建築用部材12は、特定の部位でのみ折り曲げることが可能となる。
また、複数個の芯材17の形状及び厚みは、異なっていてもよい。
更に、図13に示すように、建築用部材12は、構造用面材12aの上に、真空断熱材20aと真空断熱材20bとが積層されて一体化されたものであってもよい。その際、真空断熱材20a及び真空断熱材20bは、芯材17が重ならないように、積層されることが好ましい。芯材17の大きさ及び数の一方又は双方を調整することにより、一枚の真空断熱材20を用いたときの熱溶着部21の部分にも芯材17が位置するように、真空断熱材20aと真空断熱材20bとを積層した状態で構造用面材12aと一体化させることができる。その結果、断熱効果が向上する。なお、真空断熱材20は、3枚以上積層した状態で構造用面材12aと一体化していてもよい。
(実施の形態4)
図14は実施の形態4における建築用部材12の外観図、図15は図14の建築用部材12を構成する真空断熱材27のC−C’線における断面図である。
図14に示すように、実施の形態4における建物11に使用する建築用部材12は、構造用面材12aと真空断熱材27とが一体化されている建築用の部材である。
真空断熱材27は、複数個の芯材17を一個の外被材18により覆い真空封止することで得られる。真空断熱材27において、芯材17が存在しない部分は全て外被材18の熱溶着部21となっており、各芯材17は個別に真空封止されている。熱溶着部21は、各芯材17を独立した空間に存在させる。
図15に示すように、真空断熱材27の外被材18はラミネート構造を有しており、芯材17側から順に熱溶着層22、ガスバリア層(金属蒸着層24及びポリアクリル酸系樹脂層25)、保護層26が位置するように構成されている。実施の形態4の真空断熱材27は、実施の形態3の真空断熱材20とガスバリア層の構成以外は同一である。
ガスバリア層は、外被材18の外表面を通じての芯材17への空気の侵入を防ぐものであり、実施の形態4では、外被材18の両面の金属蒸着層24及びポリアクリル酸系樹脂層25がガスバリア層である。ポリアクリル酸系樹脂層25は、金属蒸着層24の上に設けられている。
真空断熱材27の熱伝導率は、平均温度24℃において、0.005W/m・Kであり、汎用的な断熱材である硬質ウレタンフォームの5倍程度の断熱性能を有する。
以上説明したように、実施の形態4では、複数個の芯材17それぞれが独立した空間に存在し真空封止されている真空断熱材27と、構造用面材12aとが一体化された建築用部材12が建物11に用いられる。真空断熱材27の外被材18の両面が熱容量の小さい金属蒸着層24であるので、接着面を通じて発生する熱漏洩を抑制する効果が高く、真空断熱材27の断熱効果を高めることができる。
(実施の形態5)
図16は実施の形態5における建築用部材12の外観図、図17は図16の建築用部材12を構成する硬質ポリウレタンフォーム28のD−D’線における断面図である。
図16に示すように、実施の形態5における建物11に使用する建築用部材12は、構造用面材12aと硬質ポリウレタンフォーム28とが一体化されている建築用の部材である。
硬質ポリウレタンフォーム28は、図17に示すように、実施の形態4における真空断熱材27を内包するようにウレタン分子を発泡させることにより生成される。なお、硬質ポリウレタンフォーム28は、実施の形態1から実施の形態3のいずれの真空断熱材を内包していてもよい。
以上説明したように、実施の形態5では、構造用面材12aと、実施の形態4で説明した真空断熱材27等の真空断熱材を内包する硬質ポリウレタンフォーム28とが一体化された建築用部材12が建物11に用いられる。真空断熱材は露出しないので、施工現場における異物や、取り扱い不良による真空断熱材の破袋を抑制することができる。
また、硬質ポリウレタンフォーム28の使用により断熱性能は一層高まり、建物11の断熱性を更に向上させることができる。
更に、硬質ポリウレタンフォーム28の使用により、建築用部材12の構造的強度が向上し、搬送性や取り扱いの作業性が良くなり、平面性が出る。
硬質ポリウレタンフォーム28は、発泡系断熱材の一例である。
(実施の形態6)
図18は実施の形態6における建築用部材12の外観図である。
図18に示すように、実施の形態6における建物11に使用する建築用部材12は、厚み方向に貫通孔29が設けられている構造用面材12aと、同じく厚み方向に貫通孔29が設けられている真空断熱材30とが、それぞれの貫通孔29が重なるように一体化されている。
なお、真空断熱材30の構成は、貫通孔29を除くと先に説明した実施の形態の真空断熱材と同一である。先に説明した実施の形態の真空断熱材は、真空断熱材20又は真空断熱材27であってもよいし、真空断熱材14であってもよい。
以上説明したように、実施の形態6では、貫通孔29が設けられている建築用部材12が建物11に用いられるので、建物11の内側と外側とを貫通させる必要がある換気扇等の設備を、断熱性を劣化させることなく設置することができる。
(実施の形態7)
図19は実施の形態7における建物11の概略断面図である。
図19に示すように、実施の形態7における建物11は、先に説明した実施の形態と同様の構成であり、壁31及び屋根32の内側部分と、床材33の下側部分とに、真空断熱材14と構造用面材12aとが一体化した構成の、図4に示す建築用部材12A、12B、12Cが配設されている。
真空断熱材14の厚みは、所定の断熱効果が得られるように決定される。
例えば、建物11が寒冷地域に位置すれば真空断熱材14の厚みは大きくなる。また、建物11の部位によって配設される真空断熱材14の厚みが異なることがある。実施の形態7では、建築用部材12Aの真空断熱材14は厚み5mmであり、建築用部材12Bの真空断熱材14は厚み7mmであり、建築用部材12Cの真空断熱材14は厚み3mmである。
以上説明したように、実施の形態7では、真空断熱材14の厚みによって建物11の断熱度を設計している。そのため、建物11が施工される地域の気候条件や建物11内における各部屋の用途等に応じて、建物11の各部位における熱損失係数を最適化することが可能となる。その結果、居住者にとって快適な建物11を建築することができる。
なお、建築用部材12A、12B、12Cは、真空断熱材20,真空断熱材27,又は真空断熱材30と構造用面材12aとが一体化した建築用部材であてもよい。
(実施の形態8)
図20は実施の形態8における建物11の概略断面図、図21から図23はその建物11に用いられている真空断熱材の平面図である。
図20に示すように、実施の形態8における建物11は、先に説明した実施の形態と同様の構成であり、壁31及び屋根32の内側部分と、床材33の下側部分とに、複数個の芯材17で構成された真空断熱材20と構造用面材12aとが一体化した構成の、図8に示す建築用部材12D、12E、12Fが配設されている。
真空断熱材20の表面全体に対する芯材17が占める面積の割合(面積率)は、所定の断熱効果が得られるように決定される。面積率は、芯材17の大きさや熱溶着部21の面積によって決まり、芯材17部の面積率が大きいほど建物11の断熱性が高まる。
例えば、建物11が寒冷地域に位置すれば真空断熱材20の表面全体に対する芯材17が占める面積率は大きくなる。また、建物11の部位によって、配設される真空断熱材20の芯材17部の面積率が異なることがある。
図21は建築用部材12Dの真空断熱材20Dを、図22は建築用部材12Eの真空断熱材20Eを、図23は建築用部材12Fの真空断熱材20Fをそれぞれ表しており、芯材17部の面積率は、それぞれ91.2%、93.8%、80.2%である。
なお、芯材17部の面積率は、施工時における釘打ち等による破袋の影響を考慮して決定する必要がある。
以上説明したように、実施の形態8では、真空断熱材20の表面全体に対する芯材17の面積率を考慮して、建物11の断熱度を設計する。そのため、建物11が施工される地域の気候条件や建物内における各部屋の用途等に応じて、真空断熱材20の断熱効果を最適化することが可能となる。その結果、居住者にとって快適な建物11を建築することができる。
(実施の形態9)
実施の形態3において、図8及び図12を用いて説明した真空断熱材20は、複数個の芯材17を一個の外被材18により覆い真空封止することで得られる。そのため、真空断熱材20は、芯材17が存在しない部分、すなわち熱溶着部21で、容易に折り曲げることができる。
したがって、真空断熱材20は、図24に示すように、例えばドーム球場の天井部分等の曲面を有する壁40に密着した状態で容易に取り付けることができる。図24は、真空断熱材20が曲面を有する壁40に取り付けられた場合の、真空断熱材20及び壁40の断面図である。また、真空断熱材20は、曲面を有する壁40のみならず、平面ではない部分に密着した状態で容易に取り付けることができる。
なお、構造用面材12aが変形可能なものであれば、構造用面材12aと真空断熱材20とが一体化した建築用部材12を、曲面を有する壁等の平面ではない部分に密着した状態で容易に取り付けることができる。例えば、建築用部材12は、浴室に用いることができる。
(実施の形態10)
真空断熱材20は、図25に示すように、ロール状に巻かれていて、所望する大きさで切断できるように保持されていてもよい。これにより、真空断熱材20を、廃棄する部分を少なくして切り出すことができる。真空断熱材20は、図8等を用いて説明したように、2次元状に重なることなく配置された状態の複数個の同一の大きさの芯材17を、一個の外被材18により上下から覆い真空封止することで得られたものである。したがって、真空断熱材20は、所望のサイズに切断されても、切断されたことによる破袋の影響を切断された箇所以外の部位へ及ばさない。そのため、実施の形態10の真空断熱材20は、様々な大きさ、形状で切り出すことができる。
なお、真空断熱材20は、図26に示すように、一方の上面に粘着層50が設けられており、その上に剥離紙51が設けられており、その状態でロール状に巻かれていてもよい。これにより、作業者は、剥離紙51を剥離するだけで、所望の大きさに切断された真空断熱材20を、所望する部位に容易に取り付けることができる。粘着層50及び剥離紙51は、真空断熱材20の両方の面に設けられていてもよい。
また、真空断熱材20は、図27に示すように、例えば30cm間隔等の所定の間隔でマーク60が付けられていてもよい。マーク60を利用すると、大きさが容易に分かるので、建物11の施工現場において、作業者は、所望する大きさの真空断熱材20を容易に切断し、得ることができる。マーク60は、ミシン目等であってもよい。
なお、上述した各実施の形態における真空断熱材及び建築用部材12は、新築の建築物に使用することができるのみならず、建築物をリフォームする際にも使用することができる。
本発明の断熱施工方法は、新築やリフォームにおいて建築物を施工する際等に有用である。また、本発明の断熱施工方法で施工された建物は、住宅用の建物のみならず、商業用の建物等に有用である。
実施の形態1における建物の概略断面図 実施の形態1における建物の外壁部の斜視断面図 実施の形態1における建物の外壁部の断面図 実施の形態1における建物に用いられている建築用部材の外観図 図4の建築用部材を構成する真空断熱材のA−A’線における断面図 実施の形態2における建築用部材の外観図 実施の形態2における建築用部材の上に木下地を組んだ状態を示す斜視図 実施の形態3における建築用部材の外観図 図8の建築用部材を構成する真空断熱材のB−B’線における断面図 実施の形態3における建築用部材12の上に木下地9bを組んだ状態を示す斜視図 真空断熱材20の端部のヒレ部(非芯材部)21bの幅を狭めることができることを示す平面図 実施の形態3の変形例の建築用部材の外観図 実施の形態3の変形例の建築用部材12の分解斜視図 実施の形態4における建築用部材の外観図 図14の建築用部材を構成する真空断熱材のC−C’線における断面図 実施の形態5における建築用部材の外観図 図16の建築用部材12を構成する硬質ポリウレタンフォームのD−D’線における断面図 実施の形態6における構造用面材12の外観図 実施の形態7における建物の概略断面図 実施の形態8における建物の概略断面図 実施の形態8における真空断熱材の平面図 実施の形態8における真空断熱材の平面図 実施の形態8における真空断熱材の平面図 実施の形態9における真空断熱材が曲面を有する壁に取り付けられた状態を示す断面図 実施の形態10におけるロール状に巻かれた状態の真空断熱材20を示す斜視図 実施の形態10におけるロール状に巻かれた状態の真空断熱材20を示す斜視図 実施の形態10におけるロール状に巻かれた状態の真空断熱材20を示す斜視図 従来の建物の概略断面図 従来の建物の外壁部の斜視断面図
符号の説明
3 外壁仕上材
9b 木下地
11 建物
12 建築用部材
12a 構造用面材
14,14A,14B,14C 真空断熱材
15 防水シート
16 防湿気密シート
17 芯材
18 外被材
19 釘
20,20A,20B,20C 真空断熱材
23 金属箔層
24 金属蒸着層
25 ポリアクリル酸系樹脂層
27 真空断熱材
28 硬質ポリウレタンフォーム
29 貫通孔
30 真空断熱材

Claims (1)

  1. 重なることなく2次元状に配列された板状の複数の芯材を、ラミネートフィルムからなるフレキシブルな二枚の外被材で上下から覆って、各前記芯材が独立した空間に個別に真空封止された真空断熱材を、構造用面材に取り付ける断熱施工方法であって、
    前記構造用面材における前記真空断熱材を取り付ける側の面に前記真空断熱材の一方の面を対向させ、さらに複数の木下地を前記真空断熱材と対向するように配置し、前記真空断熱材側から前記木下地を介して前記真空断熱材における上下の前記外被材同士が熱で溶けて結合している熱溶着部に釘又はビスを打ち込むことにより、前記真空断熱材を間に挟んで前記木下地と前記構造用面材とを固定する断熱施工方法。
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