JP4615473B2 - レーザ熱転写装置及びこれを利用したレーザ熱転写法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ熱転写装置、レーザ熱転写法及びこれを利用した有機発光素子の製造方法に関し、より詳細には、レーザ熱転写法を利用してアクセプタ基板上に有機膜層を形成する時、磁石が具備された基板と、磁性体を含む密着フレームを具備することで、磁気力によってアクセプタ基板とドナーフィルムの転写層の間の密着特性を高めることができるレーザ熱転写装置、レーザ熱転写法及びこれを利用した有機発光素子の製造方法である。
有機発光素子の有機膜層を形成する方法において、蒸着法はシャドウマスクを利用して有機発光物質を真空蒸着して有機膜層を形成する方法で、マスクの変形などによって高精細の微細パターンを形成し難く、大面積表示装置に適用し難い。
蒸着法の問題点を解決するために、直接有機膜層をパターニングするインクジェット方式が提案された。インクジェット方式は、発光材料を溶媒に溶解または分散させて吐出液としてインクジェットプリント装置のヘッドから吐出させて有機膜層を形成する方法である。インクジェット方式は、工程が比較的簡単であるが、歩留まり低下や膜厚さの不均一性が発生されて、大面積の表示装置に適用し難いという問題点がある。
一方、レーザ熱転写法を利用して有機膜層を形成する方法が提案された。レーザ熱転写法は、基材基板、光−熱変換層及び転写層を含むドナーフィルムにレーザを照射させて基材基板を通過したレーザを光−熱変換層から熱に変換させて光−熱変換層を膨脹させることで、隣接した転写層を膨脹させ、アクセプタ基板に転写層が接着されて転写させる方法である。
レーザ熱転写法は、レーザで誘導されたイメージングプロセスで、高解像度のパターン形成、フィルム厚さの均一性、多層積層能力、大型マザーガラスへの拡張性のような固有の利点を持っている。
従来においてレーザ熱転写法を行う場合、発光層の転写がなされるチャンバ内部は、発光表示素子形成の時、他の蒸着工程と同調されるようにするために真空状態でなされることが好ましいので、主に真空状態でなされるが、従来の方法によって真空状態でレーザ熱転写を行う場合、ドナーフィルムとアクセプタ基板の間の接合力が弱くなって転写層の転写特性が悪くなるという問題点がある。よって、レーザ熱転写法において、ドナーフィルムとアクセプタ基板をラミネーションさせる方法は、重要な意味を持っており、これを解決するためのさまざまな方案が研究されている。
以下では図面を参照して従来の技術によるレーザ熱転写法及びレーザ熱転写装置を具体的に説明する。
図1は、従来の技術によるレーザ熱転写装置の部分断面図である。
図1を参照すれば、レーザ熱転写装置100は、チャンバ110内部に位置する基板ステージ120及びチャンバ110上部に位置したレーザ照射装置130を含んで構成される。
基板ステージ120は、チャンバ110で導入されるアクセプタ基板140とドナーフィルム150をそれぞれ順次位置させるためのもので、基板ステージ120にはアクセプタ基板140とドナーフィルム150をそれぞれ整列されるようにするための第1装着ホーム121及び第2装着ホーム123が形成されている。
第1装着ホーム121がアクセプタ基板140の周方向に沿って形成されて、第2装着ホーム123はドナーフィルム150の周方向に沿って形成される。通常的に、アクセプタ基板140は、ドナーフィルム150より面積が小さいので、第2装着ホーム123より第1装着ホーム121を小さく形成する。
この時、アクセプタ基板140とドナーフィルム150の間に異物や空間なしにラミネーションさせるために、レーザ熱転写がなされるチャンバ110内部を真空で維持せず、第1装着ホーム121及び第2装着ホーム123の下部の一区間にパイプ161、163を連結し、真空ポンプPで吸いこんでアクセプタ基板140とドナーフィルム150を合着させる。
しかし、真空ポンプによってアクセプタ基板とドナーフィルムを密着させる方法は、有機発光素子を製作する他の工程が真空状態を維持することと違ってチャンバ内部の真空状態を維持することができなくなることにより、製品の信頼性と寿命に良くない影響を及ぼすという問題点がある。
一方、前記従来のレーザ熱転写装置及びこれを利用したレーザ熱転写法に関する技術を記載した文献としては、下記特許文献1ないし3等がある。
特開2004−296224号公報 特開2004−355949号公報 米国特開第4,377,339号明細書
したがって、本発明は前記従来の技術の問題点を解決し、本出願人によって提案された技術的思想をより完全にするために案出されたもので、本発明の目的は、磁気力を利用して真空条件でもアクセプタ基板とドナーフィルムを完全にラミネーティング可能なレーザ熱転写装置を提供することである。
上述した目的を果たすために、本発明の第1側面によるレーザ熱転写装置は、転写層が転写されるアクセプタ基板、前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して永久磁石を含むドナーフィルムが順次に移送されて積層され、前記ドナーフィルムの永久磁石と磁気力を形成する磁性体が含まれた基板ステージと、前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含む。
本発明の第2側面によるレーザ熱転写装置は、転写層が転写されるアクセプタ基板、前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して電磁石を含むドナーフィルムが順次移送されて積層され、前記ドナーフィルムの電磁石と磁気力を形成する磁性体が含まれた基板ステージと、前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含む。
また、本発明の第3側面によるレーザ熱転写装置は、転写層が転写されるアクセプタ基板、前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して磁性体を含むドナーフィルムが順次移送されて積層され、前記ドナーフィルムの磁性体と磁気力を形成する永久磁石が含まれた基板ステージと、前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含む。
そして、本発明の第4側面によるレーザ熱転写装置は、転写層が転写されるアクセプタ基板、前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して磁性体を含むドナーフィルムが順次移送されて積層され、前記ドナーフィルムの磁性体と磁気力を形成する電磁石が含まれた基板ステージと、前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含む。
本発明の第5側面による転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、磁性体を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、前記アクセプタ基板上に永久磁石が形成された前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、前記基板ステージに内蔵した磁性体と前記ドナーフィルムに形成された永久磁石によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、を含む。
本発明の第6側面による転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、磁性体を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、前記アクセプタ基板上に電磁石が形成された前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、前記基板ステージに内蔵した磁性体と前記ドナーフィルムに形成された電磁石によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、を含む。
本発明の第7側面による転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、永久磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、前記アクセプタ基板上に磁性体を含む前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、前記基板ステージに内蔵した永久磁石と前記ドナーフィルムに形成された磁性体によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、を含む。
本発明の第8側面による転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、電磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、前記アクセプタ基板上に磁性体を含む前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、前記基板ステージに内蔵した電磁石と前記ドナーフィルムに形成された磁性体によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、を含む。
以上、説明したように、本発明によるレーザ熱転写装置によれば、真空下で磁力を利用してドナーフィルムとアクセプタ基板をラミネーティングできるようになって有機発光素子の前工程と同じ真空状態を維持することができるだけでなく、ドナーフィルムとアクセプタ基板の間に異物や空いた空間が生じないようにしながらラミネーティングして有機発光素子の発光層転写がより効率的になされるようにする効果がある。
以下では本発明の実施例を示した図面を参照して本発明によるレーザ熱転写装置及びこれを利用したレーザ熱転写法を具体的に説明する。
図2aないし図2hは、本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。
図2aないし図2hを参照し、本発明によるレーザ熱転写装置について説明する。本発明の第1実施例によるレーザ熱転写法を遂行するレーザ熱転写装置は、工程チャンバ200a、200b、基板ステージ220、レーザオシレータ210を含んで構成される。
チャンバは、通常のレーザ熱転写装置で使われる工程チャンバ200aを使うことができ、工程チャンバ200a外部には永久磁石(図示せず)を含むドナーフィルム280と磁性体271を含む基板ステージ220を工程チャンバ200a内部に移送するためのロボットアーム260及びエンドエフェクタ261などを含む移送チャンバ200bが具備される。工程チャンバ200aと移送チャンバ200bの間には、ゲートバルブ250が存在する。ゲートバルブ250は工程チャンバ200aと移送チャンバ200bを遮断する役割をする。
一方、基板ステージ220は移動のための駆動手段(図示せず)をさらに具備することができる。例えば、レーザが縦長方向へ照射される場合、横長方向へ基板ステージ220を移動させる駆動手段をさらに具備することができる。
また、基板ステージ220は、アクセプタ基板270及びドナーフィルム280を収納して装着させるそれぞれの装着手段を具備することができる。装着手段は、移送チャンバ200b内のロボットアーム260及びエンドエフェクタ261のような移送手段によって工程チャンバ200a内に移送されたアクセプタ基板270が基板ステージ220の決まった位置に正確に装着されるようにする。
本実施例で、装着手段は貫通ホール(図示せず)、ガイドバー231、241、移動プレート230、240、支持台(図示せず)及び装着ホーム221、222を含んで構成されうる。この時、ガイドバー231、241は、移動プレート230、240及び支持台に伴って上昇または下降運動するが、ガイドバー231、241が貫通ホールを通過して上昇しながらアクセプタ基板270を収容し、下降しながらアクセプタ基板270を装着ホーム221、222に安着させるようになる構造である。この時、アクセプタ基板270及びドナーフィルム280を正確な位置に安着させるために装着ホーム221、222は、壁面が斜めに形成されることが好ましい。
前記貫通ホールは、ドナーフィルム280及びアクセプタ基板270を支持するガイドバー231、241が上下に移動可能になるように基板ステージ220に形成されたホールである。そして、支持台は、ガイドバー231、241と移動プレート230、240を支持しながら上下に移動可能にさせる役割をして、別途のモーター(図示せず)と連結されている。
レーザオシレータ210は、工程チャンバ200aの外部または内部に設置されうるし、レーザが上部から照らされうるように設置されることが好ましい。
本発明の第1実施例によるレーザ熱転写装置は、工程チャンバ200a内に永久磁石が形成されたドナーフィルム280を挿入して、磁性体が形成された基板ステージ220との磁気力によってより効率的にラミネーティングすることができる。
前記永久磁石は、少なくとも一つの棒または円筒状またはナノパーティクルからなり、前記磁性体を含む前記ドナーフィルム280と前記基板ステージ220に具備された永久磁石の間に磁気力が作用する。前記磁性体は、鉄、ニッケル、クロムまたは磁性を持つ有機物、無機物及び磁性ナノ粒子で構成されるグループより選ばれるいずれか一つである。
前記ドナーフィルム280は、基材基板と、前記基材基板の一面に形成されて、磁性体を含む光-熱変換層と、前記光−熱変換層上に形成された中間挿入層及び前記中間挿入層上に形成された転写層を含む。そして、基板ステージ220は、所定数の貫通ホールを通じて前記アクセプタ基板を上部または下部に移動させる基板支持台をさらに具備する。
以下では本発明の第2実施例ないし第4実施例によるレーザ熱転写装置を説明する。前記第1実施例と同じ構成要素に対する具体的な説明は略する。特に、レーザ熱転写装置のそれぞれの構成に対する説明は略する。
本発明の第2実施例によるレーザ熱転写装置は、工程チャンバ200a内に電磁石が形成されたドナーフィルム280を挿入して、磁性体が形成された基板ステージ220と磁気力によってより効率的にラミネーティングすることができる。
そして、本発明の第3実施例によるレーザ熱転写装置は、工程チャンバ200a内に磁性体が形成されたドナーフィルム280を挿入して、永久磁石が形成された基板ステージ220との磁気力によってより効率的にラミネーティングすることができる。
また、本発明の第4実施例によるレーザ熱転写装置は、工程チャンバ200a内に磁性体が形成されたドナーフィルム280を挿入して、電磁石が形成された基板ステージ220との磁気力によってより効率的にラミネーティングすることができる。
以下では本発明のレーザ熱転写装置を利用したレーザ熱転写法を説明する。
有機発光素子の製作に適用された本発明の第5実施例によるレーザ熱転写法は、アクセプタ基板移送段階、ドナーフィルム移送段階、ラミネーション段階及び転写段階と、を含む。
アクセプタ基板移送段階は、レーザ熱転写装置の工程チャンバ200a内にアクセプタ基板270を位置させる段階で、この時、アクセプタ基板270を移送チャンバ200aの移送手段であるエンドエフェクタ261上に位置させる(図2a)。
そして、ロボットアーム260によってエンドエフェクタ261を工程チャンバ200a内部に進入させて磁性体271が含まれた基板ステージ220上部に位置させる(図2b)。
工程チャンバ200a内に移送されたアクセプタ基板270は、貫通ホールを通じて上昇したガイドバー231によって支えられる。それから、エンドエフェクタ261は、工程チャンバ200aを抜け出て再度移送チャンバ200bに移動する(図2c)。
アクセプタ基板270を支えたガイドバー231は、再度下降しながら、アクセプタ基板270を基板ステージ220の第1装着ホーム222上に正確に位置させる(図2d)。
ドナーフィルム移送段階は、アクセプタ基板移送段階と同様に、移送チャンバ200b内に位置したロボットアーム260に付着したエンドエフェクタ261などの移送手段によって工程チャンバ200a内に移送される(図2e)。この時、永久磁石(図示せず)が付着されたドナーフィルム280は、移送の時にフィルムトレイ290によって移送されることが好ましい。
工程チャンバ200a内に移送されたドナーフィルム280は、貫通ホールを通じて上昇したガイドバー241によって支えられる。ドナーフィルム280がガイドバー241に支えられれば、ロボットアームによってエンドエフェクタ261は、工程チャンバ200aを抜け出て再度移送チャンバ200bに移動する(図2f)。
ドナーフィルム280を支えたガイドバー241は再度下降しながら、ドナーフィルム280を基板ステージ220の第2装着ホーム221上に正確に位置させる(図2g)。
ラミネーション段階は、基板ステージ220に形成された磁性体271とドナーフィルム280に形成される永久磁石(図示せず)の間に発生する磁気的引力でアクセプタ基板270とドナーフィルム280の間を接合させる段階である。
前記永久磁石は、基材基板または光−熱変換層内部に少なくとも一つの棒または円筒状に形成される。この時、工程チャンバ200a内部は、真空状態を維持するので、ドナーフィルム280とアクセプタ基板270の間には異物や空間の発生が極小化されて、転写効率が高くなる。
転写段階は、アクセプタ基板270とラミネーションされたドナーフィルム280上にレーザ照射装置210でレーザを照射してドナーフィルム280に形成された発光層をアクセプタ基板270の画素定義膜の一領域及び開口部に転写する段階である。レーザを照射する場合、ドナーフィルム280の光−熱変換層が脹れ上がるようになり、これによって、隣接した発光層もアクセプタ基板270方向に脹れ上がるようになって発光層がアクセプタ基板270に接触することで転写がなされる(図2h)。
図3aは、本発明による基板ステージを拡大した斜視図で、図3bは図3aの切断線I−I′による断面図である。
図3a及び図3bを参照すれば、前記基板支持台230内部にホーム231が形成される。前記ホーム231内の所定領域には棒または、同心円形状の永久磁石または電磁石232が形成される。この時、前記永久磁石または電磁石232は、ラミネーティングをより有利に遂行するために横及び縦の複数列に形成される。また、前記永久磁石232は、前記ホーム231内部または前記基板ステージ230上部にナノパーティクル(図示せず)に形成されうる。前記ナノパーティクル(図示せず)は、スピンコーティング(spin-coating)、電子線蒸着(E-beam)またはインクジェット工程によって形成される。
以下では本発明の第6実施例ないし第8実施例によるレーザ熱転写法を説明する。説明の重複を避けるために前記第5実施例と同じ構成に対する説明は略する。
本発明の第6実施例によるレーザ熱転写法は、まず、工程チャンバ200a内に磁性体が具備された基板ステージ220を位置させる。そして、前記基板ステージ220上にアクセプタ基板270を位置させて、前記アクセプタ基板270の一面に少なくとも光−熱変換層、転写層及び電磁石が具備されたドナーフィルム280を位置させる。その後、前記ドナーフィルム280を前記アクセプタ基板270上にラミネーションし、前記ドナーフィルム280上にレーザを照射して前記転写層の少なくとも一領域をアクセプタ基板270上に転写させる。
本発明の第7実施例によるレーザ熱転写法は、まず、工程チャンバ200a内に永久磁石が具備された基板ステージ220を位置させる。そして、前記基板ステージ220上にアクセプタ基板270を位置させて、前記アクセプタ基板270の一面に少なくとも光-熱変換層、転写層及び磁性体が具備されたドナーフィルム280を位置させる。その後、前記ドナーフィルム280を前記アクセプタ基板270上にラミネーションし、前記ドナーフィルム280上にレーザを照射して前記転写層の少なくとも一領域をアクセプタ基板270上に転写させる。
そして、本発明の第8実施例によるレーザ熱転写法は、まず、工程チャンバ200a内に電磁石が具備された基板ステージ220を位置させる。そして、前記基板ステージ220上にアクセプタ基板270を位置させて、前記アクセプタ基板270の一面に少なくとも光−熱変換層、転写層及び磁性体が具備されたドナーフィルム280を位置させる。その後、前記ドナーフィルム280を前記アクセプタ基板270上にラミネーションし、前記ドナーフィルム280上にレーザを照射して前記転写層の少なくとも一領域をアクセプタ基板270上に転写させる。
ドナーフィルムに形成される磁石及び磁性体は、基材基板の一面、すなわち、光−熱変換層の一面及び光-熱変換層に含んで形成されたが、前記磁石及び磁性体はこの位置に限定されず、基材基板、光−熱変換層及び中間挿入層の少なくとも一側に形成されうることは勿論である。また、磁石または磁性を帯びる物質を含む基材基板を形成することも可能である。ただし、転写層の一面及び他面に磁石及び磁性体を形成する場合、転写層の特性が変化されることがあり、転写層の一面及びの他面には磁石及び磁性体を形成しない。
図4は、本発明によるレーザオシレータを示した構成図である。
図4のように、レーザオシレータ280は、ドナーフィルム上部に位置されて、チャンバの外部または内部に設置され、レーザが上部から照射されうるように設置される。また、本実施例でレーザオシレータ280は、CWND:YAGレーザ(1604nm)を使い、2個のガルバノメータースキャナ281、282を具備し、スキャンレンズ283及びシリンダレンズ284を具備するが、これに制限されるのではない。前記レーザオシレータ280によって発生されたレーザビームは、前記プロジェクションレンズ284を通過して基板上にラミネーションされたドナーフィルムに照射されうる。
以下では本発明による磁石が含まれるレーザ熱転写ドナーフィルムを説明する。
前記ドナーフィルムは、アクセプタ基板に転写される転写層が具備されたフィルムで、順次積層された基材基板、光−熱変換層及び転写層を含んで構成される。この時、性能向上のために光−熱変換層と転写層の間にバッファー層(図示せず)及び中間挿入層などがさらに含まれることが可能である。
本発明によるレーザ熱転写ドナーフィルムには磁石が含まれる。この場合、磁石はドナーフィルムを成す多くの層の間に少なくとも一層で形成される。
図5は、本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第1実施例を示した断面図である。
図5を参照すれば、ドナーフィルムは、基材基板310、光−熱変換層320、磁石層330、中間挿入層340及び転写層350で構成される。
基材基板310は、ドナーフィルムの支持体の役割を遂行する基板で、透明性高分子からなり、厚さは10μmないし500μmであることが好ましい。この時、ポリエステル、ポリアクリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレンなどを透明性高分子として使用することができるがこれに制限されない。
光−熱変換層320は、レーザ光を吸収して熱に変換させる光吸収性物質からなる層で、光−熱変換層320の厚さは、使われる光吸収性物質及び形成方法によって異なるが、金属または金属の酸化物などからなる場合には、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、またはスパッタリングで100Åないし5000Åに形成され、有機膜に形成される場合には、圧出、グラビア、スピン、ナイフコーティング法で0.1μmないし2μmで形成されることが好ましい。
光−熱変換層320の厚さが前記範囲より薄く形成される場合には、エネルギー吸収率が低くて光に熱に変換されるエネルギーの量が少なくなって膨脹圧力が低くなり、前記範囲より厚く形成される場合には、ドナーフィルムとアクセプタ基板の間で発生する段差によるエッジオープン不良が発生し得る。
金属または金属の酸化物などからなる光吸収性物質としては、光学濃度が0.1ないし0.4のもので、アルミニウム、銀、クロム、タングステン、スズ、ニッケル、チタン、コバルト、亜鉛、金、銅、モリブデン、鉛及びその酸化物等がある。
また、有機膜からなる光合性物質では、カーボンブラック、黒鉛または赤外線染料が添加された高分子がある。この時、高分子結合樹脂を形成する物質では、例示的にアクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーなどのような(メタ)アクリレートオリゴマー、または前記オリゴマー(メタ)アクリレートモノマーの混合物があり、これに制限されるのではない。
前記ドナーフィルムの前記磁石330は、基板ステージに挿入された磁性体と互いに磁気力を形成させるために挿入される層である。前記磁石は、永久磁石または電磁石に形成されて、少なくとも一つの棒または円筒状に形成される。前記永久磁石は、ナノパーティクルからなり、前記磁石が電磁石からなる場合、電圧を印加するための電気配線をさらに含む。
図面には示されなかったが、バッファー層は、転写層の転写特性向上及び転写後のデバイス寿命向上のために磁石330と転写層350の間に導入される層で、金属酸化物、金属硫化物または非金属無機化合物や高分子または低分子有機物が使用されうる。
中間挿入層340は、光−熱変換層320を保護するためのもので、高い熱抵抗を持つことが好ましく、有機または無機膜で構成されうる。
転写層350は、ドナーフィルムから分離してアクセプタ基板に転写される層で、有機発光素子の製作に利用される場合、発光層を形成するためには高分子または低分子有機発光物質からなることができる。また、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、正孔輸送層(HTL)、正孔注入層(HIL)を形成するためには、それぞれに適する材料からなることができる。この時、各転写層の材料は限定的ではなく、当業者が容易に追求できるどんな材料も可能であり、圧出、グラビア、スピン、ナイフコーティング、真空蒸着、CVD等の方法によって形成可能である。
前述したように、磁石330をドナーフィルムに挿入させることで、ドナーフィルムは磁性を持つようになって、アクセプタ基板上部に位置される時、磁性体が挿入されたアクセプタ基板と相互磁気的引力を形成する。よって、ドナーフィルムとアクセプタ基板を磁力によって密着されるようにする。
図6は、本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第2実施例を示した断面図である。
図6を参照すれば、図5において磁石が光−熱変換層と中間挿入層の間に形成されることとは違って、基材基板410と光−熱変換層430の間に磁石420が形成されている。未説明符号440及び450は、それぞれ中間挿入層440と転写層450である。各層の機能は、図5と同様なので、これに対する詳細な説明は略する。
図7ないし図8は、本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第3実施例及び第4実施例を示した断面図である。説明の重複を避けるため、図6で説明した内容は略する。
図7を参照すれば、前記ドナーフィルム370は、基材基板371、前記基材基板371の一面に位置する光−熱変換層372、前記光−熱変換層372上に位置する磁石373と、前記磁石373上に位置する中間挿入層374と、前記中間挿入層374上に位置する転写層375からなる。
図8を参照すれば、前記ドナーフィルム470は、基材基板471、前記基材基板471の一面に位置する磁石ナノパーティクルを含む光−熱変換層472、前記光−熱変換層472上に位置する中間挿入層473と、前記中間挿入層473上に位置する転写層474からなることができる。
前記実施例では基板ステージ内部に磁性体が含まれることについて説明したが、基板ステージ上部に磁性体が形成されるか、基板ステージ自体が磁性を帯びる物質に形成されても良いことは勿論である。
また、本発明によるドナーフィルムの実施例では基板ステージが磁性体に形成されてドナーフィルムに磁石層が形成されたことを説明したが、基板ステージに磁石層が含まれ、ドナーフィルムに磁性体が含まれてアクセプタ基板とドナーフィルムの間に磁気力を利用してラミネーティングすることも可能である。
この時、磁性体は、磁石にくっつく一般的な物質からなり、例えば、鉄、ニッケル、クロム及びこれらの合金(Fe、CoFeO、MnFeO)または磁石にくっつくすべての無機・有機物質からなるグループより選ばれるいずれか一つの物質からなる。
以上添付した図面を参照して本発明について詳細に説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということを理解することができる。
従来の技術によるレーザ熱転写装置の部分断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明によるレーザ熱転写法を説明するための工程の段階別断面図である。 本発明による基板ステージを拡大した斜視図である。 図3aの切断線I−I′による断面図である。 本発明によるレーザオシレータを示した構成図である。 本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第1実施例を示した断面図である。 本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第2実施例を示した断面図である。 本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第3実施例を示した断面図である。 本発明によるレーザ転写用ドナーフィルムの第4実施例を示した断面図である。
符号の説明
200a 工程チャンバ
200b 移送チャンバ
220 基板ステージ
221 第2装着ホーム
222 第1装着ホーム
270 アクセプタ基板
271 磁性体
280 ドナーフィルム
330、420 磁石

Claims (20)

  1. 転写層が転写されるアクセプタ基板と、
    前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して永久磁石を基材基板と転写層との間に含むドナーフィルムが順次移送されて積層され、前記ドナーフィルムの永久磁石と磁気力を形成する磁性体が含まれた基板ステージと、
    前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、
    少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置。
  2. 前記永久磁石は、ナノパーティクルからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
  3. 前記磁性体は、Fe、Ni、Cr、Fe23、Fe34、CoFe2、磁性ナノ粒子及びその混合物で構成されるグループより選ばれるいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
  4. 前記ドナーフィルムは、
    基材基板と、
    前記基材基板上に形成される光−熱変換層と、
    前記光−熱変換層上に形成される転写層と、
    前記光−熱変換層の少なくともいずれか一面に形成された永久磁石と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
  5. 前記基板ステージは、所定数の貫通ホールを通じて前記基板を上部または下部に移動させる基板支持台をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
  6. 前記レーザ熱転写装置は、内部が真空であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写装置。
  7. 転写層が転写されるアクセプタ基板と、
    前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して磁性体を基材基板と転写層との間に含むドナーフィルムが順次移送されて積層され、前記ドナーフィルムの磁性体と磁気力を形成する永久磁石が含まれた基板ステージと、
    前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、
    少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置。
  8. 前記永久磁石は、少なくとも1つの棒または円筒状に形成されることを特徴とする請求項に記載のレーザ熱転写装置。
  9. 前記永久磁石は、ナノパーティクルからなることを特徴とする請求項に記載のレーザ熱転写装置。
  10. 前記磁性体は、鉄、ニッケル、クロムまたは磁性を持つ有機物、無機物及び磁性ナノ粒子で構成されるグループより選ばれるいずれか1つであることを特徴とする請求項に記載のレーザ熱転写装置。
  11. 前記ドナーフィルムは、
    基材基板と、
    前記基材基板上に形成される光−熱変換層と、
    前記光−熱変換層上に形成される転写層と、
    前記光−熱変換層の少なくともいずれか一面に形成された磁性体と、を含むことを特徴とする請求項に記載のレーザ熱転写装置。
  12. 前記基板ステージは、所定数の貫通ホールを通じて前記基板を上部または下部に移動させる基板支持台をさらに具備することを特徴とする請求項に記載のレーザ熱転写装置。
  13. 転写層が転写されるアクセプタ基板と、
    前記アクセプタ基板上に提供される転写層を具備して磁性体を基材基板と転写層との間に含むドナーフィルムが順次移送されて積層され、前記ドナーフィルムの磁性体と磁気力を形成する電磁石が含まれた基板ステージと、
    前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザオシレータと、
    少なくとも前記基板ステージを内部に含むチャンバと、を含んで構成されることを特徴とするレーザ熱転写装置。
  14. 前記磁性体は、Fe、Ni、Cr、Fe、Fe、CoFe、磁性ナノ粒子及びその混合物で構成されるグループより選ばれるいずれか1つであることを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
  15. 前記ドナーフィルムは、
    基材基板と、
    前記基材基板上に形成される光−熱変換層と、
    前記光−熱変換層上に形成される転写層と、
    前記光−熱変換層の少なくともいずれか一面に形成された磁性体と、を含むことを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
  16. 前記基板ステージは、所定数の貫通ホールを通じて前記基板を上部または下部に移動させる基板支持台をさらに具備することを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
  17. 前記レーザ熱転写装置は、内部が真空であることを特徴とする請求項13に記載のレーザ熱転写装置。
  18. 転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
    磁性体を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
    前記アクセプタ基板上に永久磁石が基材基板と転写層との間に形成された前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
    前記基板ステージに内蔵した磁性体と前記ドナーフィルムの基材基板と転写層との間に形成された永久磁石によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
    前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、
    を含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
  19. 転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
    永久磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
    前記アクセプタ基板上に磁性体を基材基板と転写層との間に含む前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
    前記基板ステージに内蔵した永久磁石と前記ドナーフィルムの基材基板と転写層との間に形成された磁性体によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
    前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、
    を含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
  20. 転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
    電磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
    前記アクセプタ基板上に磁性体を基材基板と転写層との間に含む前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
    前記基板ステージに内蔵した電磁石と前記ドナーフィルムの基材基板と転写層との間に形成された磁性体によって前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
    前記ドナーフィルムにレーザを照射して前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階と、
    を含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
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