JP4614378B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリントシステムの画像出力端末として用いられるプリンタやプロッタ、あるいは複写機,ファクシミリなどのプリント装置に適したオンデマンド方式のインクジェットヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オンデマンド方式のインクジェットヘッドには種々のインク吐出方式のものが提案されている。
【0003】
その1つには、熱エネルギを利用した所謂サーマルインクジェット方式があり、インク吐出口内方に設けられた電気熱変換体(吐出ヒータ)を通電加熱し、発生した熱で液体(インク)を発泡させ、発泡の圧力によりインクを例えば小液滴として吐出口から吐出させ、これをプリント媒体上に付着させてプリントを行う方式である。この技術は、例えば特開昭54−59936号公報や、キヤノン(株)製バブルジェットプリンタBJ−10vに添付された操作説明書等に原理図および記録装置の構造などが詳説されている。
【0004】
別のインク吐出方式によるインクジェットヘッドとしては、ピエゾ素子などの圧電体を利用したものがある。これは、ピエゾ素子に通電し、素子の変形により発生した圧力をインクに与えることでインクを小液滴として吐出させるものである。本方式の記録ヘッドは、特開昭47−2006号公報(発明者エドモンド・エル・カイザー)に開示されており、今日のインクジェットヘッドの原点とも言うべき技術である。近年の例としては、特開平5−24189号公報に開示されており、同号公報開示のヘッドはセイコーエプソン社製インクジェットプリンタHG5130,Sty1us800などに搭載されている。
【0005】
さらに他のインク吐出方式によるインクジェットヘッドとしては、静電駆動方式によるものがあり、特開平6−8449号公報などに開示されている。その動作原理は、狭い空間に電位を与え、クーロン力で電極を変位させ、その圧力でインクを押し出すというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら各種方式のうち、サーマルインクジェット方式は、水を主成分として、染料などの色剤と有機溶剤とからなるインクを使用している。このインクを吐出ヒータ上で好ましく発泡させるには約300℃の温度が必要である一方、300℃程度以上の高温では染料が分解して吐出ヒータ表面に分解物が堆積していわゆるコゲーションを生成することがある。コゲーションは発泡の均一性を損ない、吐出されるインクの体積や吐出速度の変動をもたらし、画像品質をさらに向上する上での課題となりつつある。また、泡が消える瞬間に起こるキャビテーション衝撃により吐出ヒータ表面が機械的損傷を受け、インクジェットヘッドの寿命に影響を与えるため、更なる長寿命化技術が望まれている。
【0007】
また、ピエゾ素子方式においては、液滴吐出に必要十分な圧力を発生させるためにはピエゾ素子を大きくしなければならず、多数のノズルを高密度に実装することが困難である。また、インクジェットヘッドの製造工程では、主にセラミックであるピエゾ素子を製作するのに機械加工を伴うが、インクジェットヘッド内の各ノズルのインク吐出量が揃うように精密な機械加工を施すことが比較的困難である。さらに、発生圧力が弱いため、インク中に泡が生成ないし混入すると、この泡に圧力を吸収されてしまい、吐出が不安定になる場合がある。
【0008】
さらに、静電駆動方式のインクジェットヘッドは、ピエゾ方式より簡単な構成を有するものの、クーロン力が極めて微弱であるため、必要なサイズのインク滴を吐出できるようにするためにはアクチュエータ部の寸法を大きくせざるを得ず、従って多数のノズルを高密度に実装することが困難である。また、アクチュエータ部のサイズの大きさがインク流路の設計を制約し、高速記録のための構成に課題を残している。
【0009】
各種の吐出方式にはそれぞれ、長所がある一方で上述のような解決すべき課題もあることに鑑み、本発明者は以上とは異なる吐出方式の採用を検討した。その過程で、電磁力の作用により変位ないし変形する部材を設け、電磁力の作用および解除に伴う部材の変位ないし変形および復原を利用してインクに吐出圧力を付与することでインクを吐出する方式を考慮した。
【0010】
ここで、かかる電磁力を利用したインク吐出方式の従来例として、本発明者は特公昭62−9431号公報に開示されたものがあることを見出した。しかし、近年では数百〜千数百dpi(ドット/インチ。参考値)にも及ぶ記録密度で、数ピコリットルのインク滴を用いての高精細なプリントが望まれており、このような要望に対応するためには多数の吐出口を高密度に実装することが不可欠であるが、同号公報には電磁力を利用したインク吐出方式の基本的な概念の開示はあるものの、上記要望に応え得るようなインクジェットヘッドないしはその製造方法についての具体的な示唆は見られない。
【0011】
本発明の主な目的は、電磁力を利用する吐出方式を採用するとともに、その主要部である電磁力作用部としてのアクチュエータに新規な構成を採用することによって、「従来の技術」の項で述べたような既存の方式のインクジェットヘッドが有していた課題を解決するとともに、高速かつ高精細で経時安定した品質の画像プリントを可能にすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、電磁石部に導通することで発生する磁力の作用に伴って一部が前記電磁石部の側へ変位し、さらに、前記電磁石部への通電を止めることにより、前記一部の変位が戻るときに生じる圧力の作用に応じて、インクを吐出口から吐出することができる変位板を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記電磁石部を備える基板を用意する工程と、
前記電磁石部の上に、アルミニウム層を設ける工程と、
開口部を有する前記変位板を前記アルミニウム層の上に設ける工程と、
前記開口部から前記アルミニウム層を除去し、前記変位板と前記電磁石部との間に間隙を設ける工程と、
を有することを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明は、上記のいずれかのインクジェットヘッドを用いてプリント媒体に対しプリントを行うインクジェットプリント装置であって、前記インクジェットヘッドと前記プリント媒体とを相対的に走査する手段を具えたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0027】
まず、上記従来技術で述べた各種の吐出方式にはそれぞれ、長所がある一方で上述のような解決すべき課題もあることに鑑み、本発明者はそれらとは異なる吐出方式の採用を検討した。その過程で、基板上に薄膜コイルを形成し、その薄膜コイルへの通電に伴って生じる電磁力の作用により変位ないし変形する部材を設け、電磁力の作用および解除に伴う部材の変位ないし変形および復元を利用してインクに圧力を付与することでインクを吐出する方式を考慮した。
【0028】
かかる方式を用いる諸例について、次の手順に従って説明する。
1.平面状コイルを用いる実施形態
(1.1)インクジェットヘッド主要部の構成および吐出動作
(1.2)構成材料および製造工程
(1.3)インクジェットヘッドおよびプリント装置
(1.4)インクジェットヘッド主要部の他の構成例
(1.5)動作評価
2.立体状コイルを用いる実施形態
(2.1)前提
(2.2)インクジェットヘッド主要部の構成および吐出動作
(2.3)構成材料および製造工程
(2.4)動作評価
(2.5)インクジェットヘッド主要部の他の構成例
3.その他
【0029】
1.平面状コイルを用いる実施形態
(1.1)インクジェットヘッド主要部の構造
図1は、平面状に形成した薄膜コイルを用いる実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部をなすアクチュエータおよびインク流路部の基本構成例を示す。
【0030】
本例のアクチュエータ120は、基板100上に形成した絶縁膜101、電磁石コア102、例えばターン数「2」の渦巻き状の薄膜コイル103および電極配線104からなる電磁石部と、その電磁石部をインクから隔離する膜105aと、その膜105aに設けられた凹部105b内で変位ないし変形が可能な磁性材料からなる変位板106(すなわち磁力の作用に応じて少なくとも一部(部分106a)が変位可能に形成された変位板106)とから構成されている。そして、そのアクチュエータ120上に液路壁形成部材107、および吐出口108を形成したオリフィスプレート109を配置してインクジェットヘッドの主要部が構成される。
【0031】
図2は、図1中のA−A’部の断面構成を示す図であり、インクは太線矢印の向きに流れて液路壁形成部材107内に導入されるものとする。また、隔離膜105aの凹部105bと変位板106との間は、変位板106が変位ないし変形し得る距離以上の高さを持つ空隙となっている。110はインクジェットヘッドにインクを供給するためのインク供給路であり、本例ではサンドブラスト法、ICP(Inductively Coupled Plasma)法、異方性エッチング法などによりシリコン基板に直接穴開け加工を施すことにより形成される。
【0032】
図3に基づいて本実施形態のインクジェットヘッドの吐出動作を説明する。
【0033】
アクチュエータ120のコイル103に一方の電極配線104aを介して通電すると、図3(A)に示すように、電流iはコイル本体103内の記号「×」の方向から記号「●」の方向へ流れ、他方の電極配線104bに向けて流れる。これに応じてコア102の軸方向に磁力が発生し、変位板106を図3(A)の矢印で示す方向(コア側)へ変形させる。このとき液路内のインクは変位板106の変形に呼応して、メニスカス150が吐出口内方へ引き込まれる。
【0034】
電流を遮断すると、変位板106がそれ自身の弾性により元の位置へ復帰しようと移動する。このときに変位板106がインクに図3(B)の矢印で示す方向に圧力を作用し、その圧力がインクに運動エネルギを与えてメニスカス150から分離して吐出口から飛翔するインク滴151を生成する。インク滴151は紙,プラスチックフィルム,布などのプリント媒体に着弾し、ドット形成を行う。
【0035】
コイル103に通電する電流をパルス波形状としてこれを繰り返し与えれば、連続吐出が可能となる。また、通電するパルスの電力(パルス幅および/または電流値)を可変とすることで変位板106の変位ないし変形量を変えることができるので、吐出口から種々の大きさの液滴を吐出することが可能となり、ドットの大きさを変調したプリントが可能となる。
【0036】
(1.2)構成材料および製造工程
次に、本実施形態のインクジェットヘッドを構成する各部の形成材料として好適なものを以下に列挙する。
【0037】
基板100は単結晶シリコンが最も好適であり、これを用いることで、インクジェットヘッドを駆動するための配線やトランジスタなどの駆動素子を一体に、半導体と同様の製造工程にて形成することができる。絶縁膜101はシリコン基板100の表面を熱酸化するか、あるいはスパッタリング法やCVD法などの薄膜形成法で作成することができる。
【0038】
電磁石部のコア102は、透磁率の大きな強磁性材料であれば良く、Ni−Fe(パーマロイ)、Fe、Co、Niおよびフェライトなどが好適である。コア102を基板100上に形成するには、コア材の下部層にAuなどの高導電薄膜を形成しておいて、電着法によって形成すること、またはスパッタリング法によって形成することが可能である。
【0039】
コイル103および電極配線104は導電材料であり、Cu,Au,Alなどが用いられるが、基板100上のトランジスタなどの駆動素子と形成工程を共通化する観点からAlを用いることが好適である。また、それらの膜厚は0.5〜1μm程度とすることが好ましい。なお、コイルは渦巻き状に形成することが通常好ましいが、所望量のインク吐出を行うのに好ましい磁束密度から、巻き線数を決定すればよい。
【0040】
水性インクなどの導電性液体を吐出することを考慮して、コア102およびコイル103を通電腐食から保護するために、隔離膜105はSiO2やSiNなどの絶縁性薄膜とすることが好適である。ただし、有機溶媒を主体とするインクなど非導電性液体が吐出される場合は、隔離膜105を形成しなくても実用上問題ない。隔離膜はスパッタリング法やCVD法などの薄膜形成法を用いて形成可能である。
【0041】
変位板106は板面に直交する方向に変位ないし変形(振動)するので、透磁率の大きな磁性材料を用いて構成することが好ましい。コア材料と同じくNi−Fe(パーマロイ)、Fe、Co、Niおよびフェライトなどが好適である。水性インクなどの導電性液体を使用する場合は、磁性材料層をSiO2などの絶縁材料で挟み込んだサンドイッチ構造にするとインクとの接触による腐食を防止する上で効果的である。
【0042】
液路形成部材107は感光性の樹脂フィルムなどが好適に用いられ、フォトリソグラフィー法により所望の液路を形成することができる。
【0043】
オリフィスプレート109にはポリイミドなどの樹脂、あるいはNiなどの金属が使用できる。樹脂を用いる場合は例えばレーザー加工により吐出口108を形成することができる。金属を用いる場合は、例えば吐出口形成のためのレジストによるマスタパターンを形成した後、電鋳法によりプレート形成を行えばよい。
【0044】
図4〜図7に基づいて、本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法について述べる。本実施形態の製造方法は、薄膜の形成とパターニングとを繰り返し組み合わせたマイクロマシン加工方法を基本とするものである。
【0045】
工程1:図4(A)
上記基板100となるシリコン基板300の表面に、絶縁膜101となるSiO2の層301をスパッタリング法にて1μmの厚さに形成する。次にコア材の下部層となるAuの膜302を0.1μmの厚さに蒸着により形成する。
【0046】
工程2:図4(B)
フォトレジスト303Aを塗布し、コアを配置するための開口部をフォトリソグラフィ法にてパターニングする。
【0047】
工程3:図4(C)
Au膜302を電極にしてコア102を形成するためのコア材(Ni−Fe)の層304を5μmの厚さに電着により形成する。
【0048】
工程4:図4(D)
コイル103および電極配線104を形成するためのAlの膜305を1μmの厚さにスパッタリングし、その上にフォトレジスト303Bを塗布し、コイル103および電極配線104の形状にパターニングする。
【0049】
工程5:図4(E)
公知のウエットエッチング法またはドライエッチング法により、フォトレジスト303Bが存在する所定のパターンを残してAlの膜305を除去する。続いてAu膜302の不要部分をエッチングにより除去する。
【0050】
工程6:図5(A)
隔離膜105となるSiO2の膜306を例えばスパッタリングにより3μmの厚さに形成する。
【0051】
工程7:図5(B)
フォトレジスト303Cを塗布し、コア102の上部を除く電磁石部が被覆されるようにパターニングする。
【0052】
工程8:図5(C)
ドライエッチング法などにより、矢印で示すコア102の上側部分のSiO2の膜306を当初の膜厚より薄くする。
【0053】
工程9:図5(D)
フォトレジスト303を付けたまま、Alの膜307を3μmの厚さに形成した後、フォトレジスト303Cを除去する。
【0054】
工程10:図5(E)
変位板106の本体をなす磁性体を挟み込むための下方の層となるSiO2の膜308を1μmの厚さに形成する。
【0055】
工程11:図6(A)
フォトレジスト303Dを塗布し、変位板106の形状にパターニングする。
【0056】
工程12:図6(B)
図の矢印で示す部分のSiO2膜308をドライエッチングにより除去する。
【0057】
工程13:図6(C)
変位板106の本体となるNi−Feの膜309をスパッタリングなどにより1μmの厚さに形成し、フォトレジスト303Eを塗布し、図6(B)の矢印部部分のNi−Fe膜309が露出するようにパターニングする。
【0058】
工程14:図6(D)
公知のウエットエッチング法またはドライエッチング法により、Ni−Fe膜309を変位板106の形状にパターニングし、レジストを除去する。
【0059】
工程15:図6(E)
変位板106の本体をなす磁性体を挟み込むための上方の層となるSiO2の膜310を1μmの厚さに形成する。
【0060】
工程16:図7(A)
フォトレジスト303Fを塗布し、変位板106の形状にパターニングする。
【0061】
工程17:図7(B)
ドライエッチングにより変位板106の開口部の部分に位置するSiO2膜を除去する。
【0062】
工程18:図7(C)
変位板106の開口部を利用して、変位板106の下部にあるAl膜307をウエットエッチングにより除去する。
【0063】
工程19:図7(D)
厚さ30μmの感光性ドライフィルムを貼り着け、フォトリソグラフィにより所定の液路壁形成部材107を形成する。
【0064】
工程20:図7(E)
厚さ50μmのポリイミドフィルムにレーザー加工により吐出口108を形成したものをオリフィスプレート109として、液路壁形成部材107に対し位置決めして貼着し、インクジェットヘッドの主要部構造を完成させる。
【0065】
なお、コイルパタンが交差する部位、例えば電流のリターン側となる電極配線104bに連続するコイルパタン部分がコイルパタンと交差する部位の製造に関しては、当該コイルパタン部分をコイルの下部層として形成し、その上に絶縁層を形成し、さらにその絶縁層に所定のビアホールを形成した上でコイルの主パタンを形成するようにするか、あるいは、当該コイルパタン部分を除いてコイルの主パタンを形成し、その上に絶縁層を形成し、さらにその絶縁層に所定のビアホールを形成した上でコイルパタン部分を形成するようにするようにすればよい。
【0066】
(1.3)インクジェットヘッドおよびプリント装置
図8は上記したアクチュエータ120を構成要素に含むインクジェットヘッドユニットの構成例を示す。このヘッドユニットは、上記アクチュエータ120を同一基板(300)上に複数、同時の工程にて形成し、これに対して液路壁形成部材および一体のオリフィスプレート400を配置してなるインクジェットヘッド部410を有している。図示の例のヘッド部410では、オリフィスプレート400上に吐出口401が2列、各列内で150dpi(ドット/インチ。参考値)のピッチをもって配列され、かつ吐出口401は各列間で配列方向に所定量(例えば上記ピッチの1/2)だけ位置をずらして合計20個設けられており、アクチュエータ120についてもこのような構成に対応して基板上に形成されている。
【0067】
図8中、402はヘッド部410に電力を供給するための端子を有するTAB(Tape Automated Bonding)用のテープ部材であり、プリンタ本体から接点403を介して電力を供給する。404はインクをヘッド部410に供給するためのインクタンクであり、図2に示したインク供給路110と連通する。すなわち、図8のインクジェットヘッドユニットは、プリント装置に装着可能なカートリッジの形態を有するものである。
【0068】
図9は図8のインクジェットヘッドユニットを用いてプリントを行うインクジェットプリント装置の概略構成例を示すものである。
【0069】
図示のインクジェットプリント装置において、キャリッジ200は無端ベルト201に固定され、かつガイドシャフト202に沿って移動可能になっている。無端ベルト201はプーリ203および204に巻回され、プーリ203にはキャリッジ駆動モータ204の駆動軸が連結されている。従って、キャリッジ200は、モータ204の回転駆動に伴いガイドシャフト202に沿って往復方向(A方向)に主走査される。
【0070】
キャリッジ200上には、上記のように複数のインク吐出口が配列されたヘッド部410およびインクタンク404を一体化してなるカートリッジ形態のインクジェットヘッドユニットが搭載されている。ここで、インクジェットヘッドユニットは、ヘッド部410の吐出口401がプリント媒体としての用紙Pと対向し、かつ上記配列方向が主走査方向と異なる方向(例えば用紙Pの搬送方向である副走査方向)に一致するようにキャリッジ200に搭載される。なお、インクジェットヘッド410およびインクタンク404の組は、使用するインク色に対応した個数を設けることができ、図示の例では4色(例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)に対応して4組設けられている。
【0071】
また、図示の装置には、キャリッジの主走査方向上の移動位置を検出するなどの目的でリニアエンコーダ206が設けられている。リニアエンコーダ206の一方の構成要素としてはキャリッジ200の移動方向に沿って設けられたリニアスケール207があり、このリニアスケール207には所定密度で、等間隔にスリットが形成されている。一方、キャリッジ200には、リニアエンコーダ206の他方の構成要素として、例えば、発光部および受光センサを有するスリットの検出系208および信号処理回路が設けられている。従って、リニアエンコーダ206からは、キャリッジ200の移動に伴って、インク吐出タイミングを規定するための吐出タイミング信号およびキャリッジの位置情報が出力される。
【0072】
プリント媒体としての記録紙Pは、キャリッジ200のスキャン方向と直交する矢印B方向に間欠的に搬送される。記録紙Pは搬送方向上流側の一対のローラユニット209および210と、下流側一対のローラユニット211および212とにより支持され、一定の張力を付与されてインクジェットヘッド410に対する平坦性を確保した状態で搬送される。各ローラユニットに対する駆動力は、図示しない用紙搬送モータから伝達される。
【0073】
以上のような構成によって、キャリッジ200の移動に伴いインクジェットヘッド410の吐出口の配列幅に対応した幅のプリントと用紙Pの搬送とを交互に繰り返しながら、用紙P全体に対するプリントが行われる。
【0074】
なお、キャリッジ200は、プリント開始時またはプリント中に必要に応じてホームポジションで停止する。このホームポジションには、各インクジェットヘッド410の吐出口が設けられた面(吐出口面)をキャッピングするキャップ部材213が設けられ、このキャップ部材213には吐出口から強制的にインクを吸引して吐出口の目詰まり等を防止するための吸引回復手段(不図示)が接続されている。
【0075】
(1.4)インクジェットヘッド主要部の他の構成例
次に、図1とは異なるインクジェットヘッド主要部の他の構成例について述べる。この例は、図1の構成ではインクの吐出方向が変位板106の変位方向と実質的に等しい方向(すなわち変位板106の主平面と実質的に垂直な方向)であるのに対して、インクの吐出方向が変位板106の変位方向と実質的に直交する方向(すなわち変位板106の主平面と実質的に平行な方向)となるようにしたものである。
【0076】
図10はかかるインクジェットヘッドの構成例を説明するためにインク流路に沿って示す断面図である。図10において、500はオリフィスプレートであり、上例と同様にレーザ加工などにより形成された吐出口501を有し、アクチュエータ120が形成された基板100に垂直に接合されている。
【0077】
図10のアクチュエータ120も上例と同様な構成である。502および503は液路を形成する壁部材であり、502が液路天井部、503が液路側壁を構成し、いずれもポリアミド、ポリサルホンなどの樹脂で形成することができる。
【0078】
かかる構成によれば、インクはほぼ太線矢印の方向に流れ、変位板106の主平面と実質的に平行に、吐出口501からインク液滴が吐出される。また、本例のインクジェットヘッドの吐出量は、吐出口501の面積、アクチュエータ120を構成する変位板106の主平面の中央と吐出口先端までの距離、変位板106の大きさ、および電磁石部分の大きさなどに応じて、所定の量に調節することができる。
【0079】
(1.5)動作評価
次に、以上のような主要部構成を有するインクジェットヘッドを実際に動作させて得た結果について述べる。
【0080】
主要部として図2に示した構造を持ち、アクチュエータないし吐出口を150dpiのピッチで配列した図8に示す如きヘッド部に対し、水70%、エチレングリコール25%、残部染料からなる粘度2.5mPa・sの水性インクを供給し、図11(A)に示す電流パルスを50Hzの周期で与えて吐出状態を観察した。
【0081】
連続してインクを吐出させたところ、吐出液滴のサイズが常に一定であり、吐出速度の変動もみられなかった。さらに図11(B)に示す電流パルスで駆動したところ、「パルスA」では大きな吐出液滴が、「パルスB」では小さな吐出液滴が安定して吐出可能であり、ドット単位の階調表現が可能であることを確認した。
【0082】
次に、主要部として図10に示した構造を持つヘッド部に対し、上記水性インクを供給し、図11(A)に記載の電流パルスを50Hzの周期で与えて吐出状態を観察した。
【0083】
連続してインクを吐出させたところ、吐出液滴のサイズが常に一定であり、吐出速度の変動もみられなかった。さらに図11(B)に示す電流パルスで駆動したところ、「パルスA」では大きな吐出液滴が、「パルスB」では小さな吐出液滴が安定して吐出可能であり、上記ヘッドと同様にドット単位の階調表現が可能であることを確認した。
【0084】
さらに、これら2種のインクジェットヘッドそれぞれに水70%、グリセリン25%、残部染料からなる粘度4.5mPa・sのインクを供給し、上記と同様の電流パルスで駆動しても、先のインクを用いた場合と同様に安定した連続吐出が可能であった。
【0085】
以上の実施形態は電磁力を利用してインク吐出を行うものであるので、吐出安定性や吐出パワーを従来のインクジェット方式より格段に向上することができる。また、ヘッド主要部をマイクロマシン加工法で作製することができるので、アクチュエータないし吐出口を高密度実装することが容易である。
【0086】
2.立体状コイルを用いる実施形態
(2.1)前提
以上の実施形態例はアクチュエータのコイルを基板上にほぼ平面状に形成したものであり、その動作評価から明らかな通り極めて優れた吐出安定性を得ることができるものである。コイルのターン数は、上述の構成では図1に示したように「2」であるが、所望の吐出量およびその変調範囲に応じたターン数を採用することができる。すなわち、ワンターンコイルを用いても、3ターン以上のコイルを用いてもよい。
【0087】
【外1】
Figure 0004614378
【0088】
の関係にあるので、通常渦巻き状に形成することが好ましく、ターン数を多くする方が、より大きな吐出パワーを得、かつ吐出量をより広い範囲で変調可能とする場合には好ましいと考えられる。上述したような工程を用いてターン数の多いコイルを基板上にほぼ平面状に形成できることは言うまでもない。
【0089】
しかし近年特に要望されているプリントの高速化や高精彩化の観点から、多数の吐出口を高密度に実装することが強く望ましく、そのためにはアクチュエータを小型に構成することが望ましい一方、平面状のコイル構成ではターン数を多くするほど基板上でのアクチュエータコイルの占有面積が増すことになる。
【0090】
そこで、本発明者はコイルを立体的に基板上に形成することを考察した。そして、インクジェット方式に係る技術ではないが、特開平5−55043号公報に開示された技術に着目した。同号公報には、1つの平面内のワンターンコイルを、他の平面内のワンターンコイルとビアホールを介して接続する多層巻き線型の小型コイルの製造方法が開示されている。
【0091】
かかる技術を本発明者が考慮したインクジェットヘッドの製造技術に基本的に適用することで、電磁力を利用するインクジェットヘッドの小型化および多数の吐出口の高密度化に資することができると期待される。
【0092】
しかしながら、特開平5−55043号公報に開示された薄膜コイルの製造方法では、最上部のワンターンコイルから外部配線への接続部を引き出すため、コイルの巻き線の積層数が増加し、コイルの高さが増すと、コイル本体の側面に配線を形成しなければならず、通常の薄膜形成法では十分な導通の得られる配線形成が困難であることがわかった。
【0093】
以下では、基板上に立体的に形成された多層構造の薄膜コイルを有するアクチュエータを用いることで、電磁力を利用するインクジェットヘッドの小型化および多数の吐出口の高密度化を図り、かつ薄膜コイルの巻き線数が増加した場合でも信頼性のある接続構造を作製する方法を提供するための実施形態について述べる。
【0094】
(2.2)インクジェットヘッド主要部の構成および吐出動作
図12は、立体状に形成したコイルを用いる実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部をなすアクチュエータおよびインク流路部の基本構成例を示し、図1の各部と同様に構成できる各部については対応箇所に同一符号を付してある。
【0095】
本例のアクチュエータ1120は、図1と同様の基板100上に形成した絶縁膜101、コイルの軸方向長さに対応した寸法の電磁石コア1102、これを囲繞する多層の巻き線構造の立体的渦巻き状の薄膜コイル1103および電極配線1104からなる電磁石部と、その電磁石部をインクから隔離する膜1105aと、その膜1105aに適切な深さに設けられた凹部1105b内で変位ないし変形が可能な磁性材料からなる変位板1106(すなわち磁力の作用に応じて少なくとも一部(部分1106a)が変位可能に形成された変位部である変位板1106)とから構成されている。そして、そのアクチュエータ1120上に、図1の構成と同様、液路壁形成部材107、および吐出口108を形成したオリフィスプレート109を配置することで、本実施形態のインクジェットヘッドの主要部が構成される。
【0096】
図13は、図12中のA−A’部の断面構成を示す図であり、インクは太線矢印の向きに流れて液路壁形成部材107内に導入されるものとする。また、隔離膜1105aの凹部1105bと変位板1106との間は、コイル1103への通電に応じて発生する電磁力の作用により変位板1106が変位ないし変形し得る距離以上の高さを持つ空隙となっている。インクを供給するためのインク供給路110は、上例と同様、サンドブラスト法、ICP(Inductively Coupled Plasma)法、異方性エッチング法などによりシリコン基板に直接穴開け加工を施すことにより形成することができる。
【0097】
図14は図12に示した薄膜コイル1103および電極配線1104の斜視図、図15は図14のD方向側面図である。これらの図において、1202はコイル1103を形成する環状ループ層、1203は環状ループ層間の絶縁膜、1204は上下の環状ループ層を順次接続するためのビアホールコンタクト部であり、これらがコイル1103の本体1300をなしている。
【0098】
一方の電極配線1104aは最下層の環状ループ層にそのまま連続し、他方の電極配線1104bは最上層の環状ループ層に電極配線1301を介して接続される。
【0099】
電極配線部1301はコイル本体1300より外側の位置に設けられ、かつコイル本体1300と同様の積層構造を持つものであり、電極層1302、電極層間の絶縁層1303、および上下の電極層を順次接続するためのビアホールコンタクト部1205を有している。そして、最上層の電極層1302が最上層の環状ループ層1202に、最下層の電極層1302が電極配線1104bにそれぞれ連続して形成される。
【0100】
以上の構成により、一方の電極配線1104aに通電すると、図15に示すように、電流iはコイル本体1300内の記号「×」の方向から記号「●」の方向へ流れる。すなわち、電流は最下層の環状ループ層1202からビアホールコンタクト部1204を介して順次上層の環状ループ層1202に流れる。そして、電流は最上層の環状ループ層1202から最上層の電極層1302、さらにビアホールコンタクト部1204を介して順次下層の電極層1302に流れて行き、最下層の電極層1302から他方の電極配線1104bに流れることになる。
【0101】
図16に基づいて本実施形態のインクジェットヘッドの吐出動作を説明する。
【0102】
上述のようにアクチュエータ1120のコイル1103に電流を流すとコア1102の軸方向に磁力が発生し、変位板1106を図16(A)の矢印で示す方向(コア側)へ変形させる。このとき液路内のインクは変位板1106の変形に呼応して、メニスカス150が吐出口内方へ引き込まれる。
【0103】
電流を遮断すると、変位板1106がそれ自身の弾性により元の位置へ復帰しようと移動する。このときに変位板1106がインクに図16(B)の矢印で示す方向に圧力を作用し、その圧力がインクに運動エネルギを与えてメニスカス150から分離して吐出口から飛翔するインク滴151を生成する。インク滴151は紙,プラスチックフィルム,布などのプリント媒体に着弾し、ドット形成を行う。
【0104】
コイル1103に通電する電流をパルス波形状としてこれを繰り返し与えれば、連続吐出が可能となる。また、通電するパルスの電力(パルス幅および/または電流値)を可変とすることで変位板1106の変位ないし変形量を変えることができるので、吐出口から種々の大きさの液滴を吐出することが可能となり、ドットの大きさを様々に変調したプリントが可能となる。
【0105】
(2.3)構成材料および製造工程
次に、本実施形態のインクジェットヘッドを構成する各部の形成材料として好適なものを以下に列挙する。
【0106】
基板100、絶縁膜101、液路形成部材107およびオリフィスプレート109については上述と同様の材料および製造方法にて作成することができる。
【0107】
電磁石部のコア1102についても上例のコア102と同様、透磁率の大きな強磁性材料であれば良く、78.5Ni−Fe(パーマロイ)、Fe,Co,Ni、ケイ素鋼(Fe−4Si)およびスーパーマロイ(79Ni−5Mo−0.3Mn−Fe)、ホイッスラー合金(65Cu−25Mn−10Al)などが好適である。コア1102を基板100上に形成するには、コア材の下部層にAuなどの高導電薄膜を形成しておいて、電着法によって形成すること、またはスパッタリング法によって形成することが可能である。
【0108】
コイル1103における環状ループ層1202および電極層1302は導電材料であり、Cu,Au,Alなどが用いられるが、基板100上のトランジスタなどの駆動素子と形成工程を共通化する観点からAlを用いることが好適である。また、それらの膜厚は0.5〜1μm程度とすることが好ましい。
【0109】
水性インクなどの導電性液体を吐出することを考慮して、コア1102およびコイル1103を通電腐食から保護するために、隔離膜1105およびコイルの層間膜1203,1303はSiO2やSiNなどの絶縁性薄膜とすることが好適である。ただし、有機溶媒を主体とするインクなど非導電性液体が吐出される場合は、隔離膜1105を形成しなくても実用上問題ない。隔離膜およびコイルの層間膜は、いずれもスパッタリング法やCVD法などの薄膜形成法を用いて形成可能である。なお、層間膜の膜厚は0.1〜0.5μm程度とすることが好ましい。
【0110】
変位板1106は板面に直交する方向に変位ないし変形(振動)するので、透磁率の大きな磁性材料を用いて構成することが好ましい。コア材料と同じく、78.5Ni−Fe(パーマロイ)、Fe,Co,Ni、ケイ素鋼(Fe−4Si)およびスーパーマロイ(79Ni−5Mo−0.3Mn−Fe)等が好適である。水性インクなどの導電性液体を使用する場合は、磁性材料層を、SiO2などの絶縁材料で挟み込んだサンドイッチ構造にするとインクとの接触による腐食を防止する上で効果的である。
【0111】
図17に基づいて、本実施形態のインクジェットヘッドの特徴をなす薄膜コイル1103の製造方法について述べる。この製造方法は、薄膜の形成とパターニングとを繰り返し組み合わせたフォトリソグラフィ法を基本とするものである。なお、コイル形状は本実施形態では略矩形状のものとしたが、円形状や長円状など適宜の形状を採用できるものであり、図示の例に限られるものではない。
【0112】
(1)シリコン基板100の表面にSiO2でなる1μmの層(絶縁膜101)をスパッタリングにより形成し(不図示)、次にAlでなる厚さ1μmの層をスパッタリングにより形成した後、フォトリソグラフィによって、一方の電極配線部を含む1層目のコイル(環状ループ層1202)のパタン1500と、他方の電極配線部を含む1層目の外部配線(電極層1302)のパタン1503とを形成する(図17(A))。
【0113】
(2)層間絶縁膜(不図示)として、SiO2でなる厚さ0.5μmの層をスパッタリングにより形成し、フォトリソグラフィにより1層目のコイル上にビアホール1501を、同じく1層目の外部配線上にビアホール1502を開口する(図7(A))。
【0114】
(3)2層目のAl膜をスパッタリングにより形成し、フォトリソグラフィによりコイルパタン1504および外部配線1506を作成する。この工程で、1層目の環状ループ層および電極層は、2層目の環状ループ層および電極層とビアホールコンタクト1505および1505Aを介してそれぞれ接続される(図17(B))。
【0115】
(4)層間絶縁膜(不図示)として、SiO2でなる厚さ0.5μmの層をスパッタリングにより形成し、フォトリソグラフィにより2層目のコイル上にビアホール1508を、同じく2層目の外部配線上にビアホール1507を開口する(図17(B))。
【0116】
(5)以下、(3)(4)と同様の工程を所定回繰り返し、コイルパタン1509、1510および1511の各層並びに電極層を形成する(図17(C)〜(E))。
【0117】
以上のような工程によって所望の積層構造を有する本実施形態のコイル1103を形成することができるが、その内側に位置づけられるコア1102は、その前工程として図4(A)〜(C)について説明した上記工程1〜工程3の手順を適用することで形成することができる。ここでその形成態様について説明する。図18は本実施形態のコイル1103およびその内側に形成されたコア1102を示す斜視図である。図示のようなコア1102は、コア材を電着法によって堆積させることで形成することができる。そのために、最下層の配線下部にAuなどの導電性膜1521を0.1μmの厚さに形成し、その導電性膜1521を電極として、電解メッキ浴(例えば高純度化学研究所(株)製のNF−200Eを用いる硫酸酸性浴(浴温度50〜60℃))を行い、電流密度2〜6A/dm2の条件で電力を供給することでコア1102を形成できる。
【0118】
そしてその後図17のようにしてコイル1103を形成し、図18の構成を得ることで、コイル1103およびコア1102を小型薄膜電磁石として機能させることができる。
【0119】
コイル形成以降の工程には、図5〜図7について説明した上記工程6〜工程20の手順を適用することで、インクジェットヘッドの主要部を完成させることができる。
【0120】
また、アクチュエータ1120を同一基板上に複数、同時の工程にて形成し、これに対して液路壁形成部材および一体のオリフィスプレート400を配置することで、図8に示したようなインクジェットヘッド部410ないしはインクジェットヘッドユニットを得ることができる。さらに、そのようなインクジェットヘッドユニットを、図9について説明したようなインクジェットプリント装置において用いることができる。
【0121】
(2.4)動作評価
主要部として図13に示した構造を持ち、アクチュエータないし吐出口を150dpiのピッチで配列した図8に示す如きヘッド部に対し、水70%、エチレングリコール25%、残部染料からなる粘度2.5mPa・sの水性インクを供給し、図11(A)に示す電流パルスを50Hzの周期で与えて吐出状態を観察した。
【0122】
連続してインクを吐出させたところ、吐出液滴のサイズが常に一定であり、吐出速度の変動もみられなかった。さらに図11(B)に示す電流パルスで駆動したところ、「パルスA」では大きな吐出液滴が、「パルスB」では小さな吐出液滴が安定して吐出可能であり、ドット単位の階調表現が可能であることを確認した。
【0123】
連続してインクを吐出させたところ、吐出液滴のサイズが常に一定であり、吐出速度の変動もみられなかった。さらに図11(B)に示す電流パルスで駆動したところ、「パルスA」では大きな吐出液滴が、「パルスB」では小さな吐出液滴が安定して吐出可能であり、上記ヘッドと同様にドット単位の階調表現が可能であることがわかった。
【0124】
また本実施形態のインクジェットヘッドに24時間連続してインク吐出を行わせたが、吐出が不安定になることはなかった。これは本実施形態の薄膜コイルの外部配線と電力供給ライン間の接続安定性が高いことの証左でもある。
【0125】
(2.5)インクジェットヘッド主要部の他の構成例
次に多層構造の薄膜コイルの他の構成例をについて述べる。上例では各層のターン数を「1」としたコイルパタンを用いたが、各層においてターン数を複数としたコイルパタンを用いることもできる。
【0126】
図19は各層においてターン数を「2」としたコイルパタンを有するコイルの説明図であり、第1層は矩形渦状のコイルパタン1512および外部配線パタン(電極層)1514から構成され、さらにその上に層間絶縁膜(不図示)が配置されるとともに、ビアホール1513および1515が開口される(図19(A))。
【0127】
次に第2層の矩形渦状コイルパタン1516は、第1層とビアホールコンタクトを介して接続できる位置で、かつ電流が第1層と同じ向きに流れるような形状とする。図19の例では、1層目の渦状コイルパタンおよび電極層は、2層目の渦状コイルパタンおよび電極層とビアホールコンタクト1517および1517Aを介してそれぞれ接続される(図19(B))。1518および1520はさらに上部ヘコイルを積層する場合に層間絶縁膜(不図示)に形成されるビアホールであり、以下同様の手順を繰り返すことで、各層につき矩形渦状コイルパタンを持つ多層構造のコイルを製造することができる。
【0128】
図20は各層においてターン数を「4」とした円形渦状(スパイラル状)のコイルパタンを有する2層構成のコイルの説明図であり、同図の薄膜コイルは高密度の巻き線型コイルとして製造する場合に適した形状である。
第1層目のスパイラル状コイルパタン1600を図20(A)のような形状に形成し、同時に外部配線層のパタン1602を図示の位置に形成する。さらにその上に層間絶縁膜(不図示)を配置されるとともに、ビアホールが開口される。
【0129】
次に第2層目のスパイラル状コイルパタン1601を図20(B)のような形状に形成することで第1層目および第2層目のコイルパタンの接続がビアホールコンタクト1603を介して行われ、外部配線との接続がビアホールコンタクト1604を介して行われる。
【0130】
3.その他
なお、上述においては、電磁石部への電流の通電/遮断による磁力の発生/解消に伴って生じる変位板の電磁石側への吸着/復原によりインクを吐出するための圧力を作用するように構成したが、必要十分な吐出圧力が得られるのであれば、例えば適切に極性を定めて着磁した変位板を用い、電磁石部への電流の通電による磁力の発生に伴って変位板に斥力を作用させて変位させ、これによってインクを吐出するように構成してもよい。
【0131】
また、本明細書において、「プリント」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する場合、またはプリント媒体の加工を行う場合を言うものである。
【0132】
また、「プリント装置」とは、プリントを行う1つの完結した装置だけでなく、プリントを行う機能を担う装置をも言うものである。
【0133】
また、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物を含む。
【0134】
さらに、「インク」または「液」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきものであり、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、プリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、プリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供される液体を言うものである。
【0135】
さらに、プリント装置がプリントできるプリント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのインクジェットヘッドを構成する場合にも本発明は有効に適用できる。そのようなインクジェットヘッドとしては、複数プリントヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のインクジェットヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0136】
加えて、図9に述べたシリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたインクジェットヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのインクジェットヘッド、あるいはインクジェットヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプのインクジェットヘッドを構成する場合にも本発明は有効である。
【0137】
また、本発明のプリント装置の構成として、インクジェットヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、インクジェットヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、加熱素子を用いて加熱を行う加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0138】
また、搭載されるインクジェットヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリントモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモードだけではなく、インクジェットヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各プリントモードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0139】
さらに加えて、インクジェットプリント装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0140】
さらに加えて、図12〜図20について述べた実施形態に係る多層構造および外部配線との接続構造、ないしはその製造方法は、上述したようなインクジェットインクジェットヘッドないしはその製造方法に有効に適用できるのみならず、小型コイルおよびこれを用いるデバイス(磁気ヘッドなど)ないしはその製造方法に広く適用できるものである。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多層構造の薄膜コイルを用いるアクチュエータが発生する電磁力を利用してインクを吐出する方式を採用したことにより、従来のインクジェットヘッドで課題とされていた従来のインクジェットインクジェットヘッドで課題とされていた吐出安定性および吐出パワーを高めるとともに、ドット単位での幅広い階調表現を得ることができる。また、電磁力を利用する吐出方式の主要部である電磁力作用部としてのアクチュエータないしインクジェットヘッドを、フォトリソグラフィ法ないしマイクロマシン加工法を用いて製造することにより、多数の吐出口の高密度実装が可能となる。そしてこれらにより、高速かつ高精細で経時安定した品質の画像プリントが可能となる。
さらに、本発明に係るコイル構造によれば、薄膜コイルの巻き線数が増加した場合でも、外部配線との接続の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面状に形成した薄膜コイルを用いる実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部をなすアクチュエータおよびインク流路部の基本構成例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1のA−A’部の断面構成を示す断面図である。
【図3】(A)および(B)は、図1および図2に示す主要部構成を有するインクジェットヘッドの吐出動作を説明するための説明図である。
【図4】(A)〜(E)は、図1および図2に示すインクジェットヘッドの主要部の製造工程を説明するための説明図である。
【図5】(A)〜(E)は、図1および図2に示すインクジェットヘッドの主要部の製造工程を説明するための説明図である。
【図6】(A)〜(E)は、図1および図2に示すインクジェットヘッドの主要部の製造工程を説明するための説明図である。
【図7】(A)〜(E)は、図1および図2に示すインクジェットヘッドの主要部の製造工程を説明するための説明図である。
【図8】図1および図2に示したインクジェットヘッドの主要部を構成要素に含むインクジェットヘッドユニットの構成例を示す斜視図である。
【図9】図8のインクジェットヘッドユニットを用いてプリントを行うインクジェットプリント装置の概略構成例を示す斜視図である。
【図10】図1に示した主要部を適用して構成したインクジェットヘッドの他の例を示す断面図である。
【図11】(A)および(B)は、動作評価のために本発明のいくつかの実施形態に係るインクジェットヘッドに与えた駆動信号を示す波形図である。
【図12】立体状に形成したコイルを用いる実施形態に係るインクジェットヘッドの主要部をなすアクチュエータおよびインク流路部の基本構成例を示す模式的斜視図である。
【図13】図12のA−A’部の断面構成を示す断面図である。
【図14】図12に示した薄膜コイルおよび電極配線の斜視図である。
【図15】図14のD方向側面図である。
【図16】(A)および(B)は、図12および図13に示す主要部構成を有するインクジェットヘッドの吐出動作を説明するための説明図である。
【図17】(A)〜(E)は、図12および図13に示すインクジェットヘッド主要部のうち特に薄膜コイルを形成する工程を説明するための説明図である。
【図18】図12および図13に示すインクジェットヘッド主要部のうち特にコアを形成する方法を説明するための斜視図である。
【図19】(A)および(B)は、各層においてターン数を複数とした多層構造コイルの一例を示す説明図である。
【図20】(A)および(B)は、各層においてターン数を複数とした多層構造コイルの他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
100 基板
101 絶縁膜
102 コア
103 コイル
104、104a、104b 電極配線
105、1105a 隔離膜
106、1106 変位板
107 液路壁形成部材
108、401、501 吐出口
109、400、500 オリフィスプレート
110 インク供給路
120、1120 アクチュエータ
150 メニスカス
151 インク滴
301 絶縁層
303A、303B、303C、303D、303E、303F フォトレジスト
304 コア材層
305 コイルおよび電極配線形成用Al膜
306 隔離膜形成用SiO2
309 変位板本体形成用Ni−Fe膜
410 インクジェットヘッド部
404 インクタンク
1103 多層構造の薄膜コイル
1104、1104a、1104b 電極配線
1202 環状ループ層
1203、1303 絶縁膜
1204、1205、1505、1505A、1517、1517A、1603、1604 ビアホールコンタクト部
1300 コイル本体
1301 電極部
1302 電極層
1500、1504、1509、1510、1511、1512、1516、1600、1601 コイルパタン
1503、1506、1514、1602 外部配線パタン
1501、1502、1508、1507、1513、1515、1518、1520 ビアホール

Claims (2)

  1. 電磁石部に導通することで発生する磁力の作用に伴って一部が前記電磁石部の側へ変位し、さらに、前記電磁石部への通電を止めることにより、前記一部の変位が戻るときに生じる圧力の作用に応じて、インクを吐出口から吐出することができる変位板を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記電磁石部を備える基板を用意する工程と、
    前記電磁石部の上に、アルミニウム層を設ける工程と、
    開口部を有する前記変位板を前記アルミニウム層の上に設ける工程と、
    前記開口部から前記アルミニウム層を除去し、前記変位板と前記電磁石部との間に間隙を設ける工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記変位板を設ける工程は、
    前記アルミニウム層の上に、絶縁材料からなる第1の保護層を設ける工程と、
    前記第1の保護層の上に磁性材料からなる磁性材料層を設ける工程と、
    前記磁性材料層を挟み込むように、前記磁性材料層の上に絶縁材料からなる第2の保護層を設ける工程と、
    からなることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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