JP4613454B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度ディスク、コンパクトディスク等の光ディスクを再生しあるいは記録する光ディスク装置であって、光ディスクの記録再生に使用する光ピックアップ装置およびそのアクチュエータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の光ピックアップ装置について図に基づいて説明する。図12は従来の光ピックアップ装置の構成を示す斜視図、図13は図12の光ピックアップ装置のローリング成分を示す図、図14(a)は図12の光ピックアップ装置のフォーカスオフセットなしの状態での力の位置関係を示す図、図14(b)はディスクに近づく方向に移動したフォーカスオフセットありの状態での図14(a)の位置関係を示す図、図14(c)はディスクから離れる方向に移動したフォーカスオフセットありの状態での図14(a)の位置関係を示す図、図15(a)は図14(a)の状態での周波数特性図、図15(b)は図14(b)の状態での周波数特性図、図15(c)は図14(c)の状態での周波数特性図、図16は図14の各状態でのACチルト特性を表す図である。なお、図14(a),(b),(c)はそれぞれ[イ],[ロ],[ハ]の構成部分図を有しており、[イ]は光ピックアップ装置の動作説明のための構成部分図、[ロ]は光ピックアップ装置のトラッキングコイルに及ぼす磁束密度分布を示すための構成部分図、[ハ]は光ピックアップ装置の駆動位置を示す構成部分図である。
【0003】
図12において、1は光ディスクに光を集光させる光ピックアップの対物レンズである。2はレンズホルダーであり、対物レンズ1が接着等により取り付けられている。3は対物レンズ1を搭載したレンズホルダー2をフォーカス方向に移動させるフォーカスコイル3であり、4はトラッキング方向に移動させるトラッキングコイルである。このフォーカスコイル3とトラッキングコイル4は、対物レンズ1と同様に接着等されてレンズホルダー2に取り付けられている。5は、フォーカスコイル3及びトラッキングコイル4に電流を供給する機能を有するとともに、レンズホルダー2を中立位置に保つための4本のワイヤである。
【0004】
6は、ワイヤ5からフォーカスコイル3及びトラッキングコイル4に電流を供給するとき、これを中継するために設けられた中継基板であり、接着等されてレンズホルダー2に取り付けられている。7は、レンズホルダー2を中立位置に保つ4本のワイヤ5が固定されるサスペンションベース、8はフォーカスコイル3及びトラッキングコイル4に磁場を与える2対のマグネットである。マグネット8はヨーク9に接着等により固定され、ヨーク9はサスペンションベース7に接着等もしくはネジ等で螺合して固定されている。なお、マグネット8とヨーク9は磁気回路を構成し、サスペンションベース7がキャリッジに直接接着等されて固定されるのでもよい。
【0005】
以上説明した従来の光ピックアップ装置は、対物レンズ1の光軸の調整を行った後、図示していないキャリッジに接着もしくは半田付け等されて精度よく固定される。フォーカスコイル3及びトラッキングコイル4に流す電流の大きさと向きを変えることにより、フレミングの左手の法則に従い、フォーカスコイル3とトラッキングコイル4を保持しているレンズホルダー2がフォーカス方向とトラッキング方向にそれぞれ動作できる構成になっている。
【0006】
以上説明した構成のうち、より詳しくは、対物レンズ1、レンズホルダー2、ワイヤ5、サスペンションベース7、および磁気回路(マグネット8、ヨーク9、フォーカスコイル3ならびにトラッキングコイル4)をアクチュエータ装置と総称する。さらに、このアクチュエータ装置に、光源、光検出系、および光学部材と電気回路系とを加えてキャリッジ(図示省略)に実装したものを光ピックアップ装置と総称する。
【0007】
ところで、従来の光ピックアップ装置では、アクチュエータ装置に対する1次共振周波数の2倍程度の周波数にてローリング(ねじれ共振)が発生してしまい、レンズホルダー2に接着等で固定されている対物レンズ1が光ディスクのラジアル方向に傾き、読み取りが不安定になってしまう。すなわち、図13に示す方向に対物レンズ1がAC的に傾いてしまう。
【0008】
そこで、従来の光ピックアップ装置のアクチュエータ装置で発生する対物レンズ1のローリングによって生じる傾き(以下、ACチルト)の発生原因について説明する。図14(a)の[イ],[ロ],[ハ],図14(b)の[イ],[ロ],[ハ],図14(c)の[イ],[ロ],[ハ]において、1は対物レンズ、2はレンズホルダー、3はフォーカスコイル、4はトラッキングコイル、8はマグネット、9はヨークであり、図中の記号Gはアクチュエータ装置の重心高さ位置を示し、記号Fはアクチュエータ装置のトラッキング方向の作用点の高さ位置を示す。
【0009】
図14(a)[ロ]はトラッキングコイル4に及ぼす磁気回路による磁束密度の分布状態を示しており、これによって図14(a)[ハ]の高さ位置Fに力が作用する。このように従来のフォーカスオフセットなしの状態での力の位置関係においては、トラッキングの作用点の高さ位置Fは重心高さ位置G上にあって重心周りにモーメントは作用せず、アクチュエータ装置を駆動するので対物レンズ1にACチルトは発生しない。
【0010】
しかし、図14(b)[ロ]は、フォーカスオフセットあるときのトラッキングコイル4に及ぼす磁気回路による磁束密度の分布の状態を表しており、この分布は図14(a)[ロ]の分布と比較して下側にシフトしている。このようにアクチュエータ装置がディスクと近づく方向に移動した状態での力の位置関係においては、図14(b)[イ]、図14(b)[ハ]で示すように、フォーカスオフセット分だけ重心高さ位置Gがずれ、作用点の高さ位置Fはマグネット8とヨーク9にて構成された磁束の分布によって図14(b)[イ]、図14(b)[ハ]で示すような位置となる。従って、トラッキング方向の作用点の高さ位置であるFに対して重心高さ位置Gがずれているためローリングが起き、ACチルトが発生してしまう。
【0011】
次に、図14(c)[ロ]は、図14(b)[イ]と逆方向のフォーカスオフセットであるときのトラッキングコイル4に及ぼす磁気回路による磁束密度の分布の状態を表しており、この分布は図14(a)[ロ]の分布と比較して上側にシフトしている。このようにアクチュエータ装置がディスクと離れる方向に移動した状態での力の位置関係においては、図14(b)[イ]、図14(b)[ハ]と同様に、図14(c)[イ]、図14(c)[ハ]に示す位置関係となり、トラッキング方向の作用点の高さ位置であるFに対して重心高さ位置Gがずれるため、同じくローリングが起き、ACチルトが発生してしまう。
【0012】
このようなローリングの発生はアクチュエータ装置の周波数特性に明瞭に現れる。図15(a)の周波数特性と比較すると、15(b)及び図15(c)に示す周波数特性の一部が乱れていることが分かる。すなわち、比較的低い周波数帯での位相と、100Hz近傍(80Hz〜120Hz)でのゲインが図15(b)と図15(c)とで、大きく乱れている。この周波数特性をチルト角度として表すと、図16に示すように乱れがなお一層明確になる。図16において、横軸はトラッキング方向の駆動の周波数を、縦軸はこのとき発生する対物レンズのACチルトを示している。アクチュエータ装置がフォーカスオフセットした図14(b)の[イ],[ロ],[ハ]と図14(c)の[イ],[ロ],[ハ]の状態で、ACチルトが悪化しているのが明瞭に発現している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
近年、CD−ROMドライブ等光ディスク装置の高速化がすすんでおり、光ディスクの回転数周波数もそれに伴い高くなっている。従って、光ピックアップ装置のローリング成分の周波数がその範囲内に入ってくることが多くなり、ローリング(ねじれ共振)が問題となってきている。すなわち、ローリングによって対物レンズがAC変動で傾くことにより、光学的な収差が発生し、光ディスクの読み取りが不安定となってしまうという問題点が顕在化してきている。
【0014】
また、今後さらなる高速化と薄型化を行うためには、トラッキングコイルに対して駆動のマグネットの高さを小さくしなくてはならず、そうすることでアクチュエータのACチルト特性が益々悪化するおそれがあり、これが薄型化を阻害する大きな要因の1つでもあった。
【0015】
そこで、本発明は、対物レンズのローリングを低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りが不安定になることがなく、高感度で薄型化が可能な光ピックアップ装置およびその光ピックアップ装置を使用した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために本発明の光ピックアップ装置は、キャリッジに取り付けられるサスペンションベースと、複数のサスペンションバネを介して対物レンズを保持するレンズホルダーと、前記キャリッジまたは前記サスペンションベースに取り付けられるヨークとマグネットから構成された磁気回路と、前記レンズホルダーに設けられ、前記磁気回路に配設されるフォーカスコイルとトラッキングコイルとを有し、前記レンズホルダーにチルト用マグネットが設けられるとともに、該チルト用マグネットと対向する位置には前記対物レンズを傾かせるためのチルト用コイルが設けられ、かつ、前記対物レンズの光ディスクのラジアル方向の傾きを検出し前記チルト用コイルへの補正用電流によってこれを励磁して前記ラジアル方向の傾きを制御する検出制御手段が設けられた光ピックアップ装置であって、前記検出制御手段が、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに供給する駆動電流のDC成分と80Hz〜120HzのAC成分を検出するとともに、検出したDA成分とAC成分とに基づいて前記チルト用コイルに供給するACチルトをキャンセルするための補正用電流値を演算しこの補正用電流によって制御を行うことを特徴とする。
【0017】
これにより、対物レンズのローリングを低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りが不安定になることがなく、高感度で薄型化が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、キャリッジに取り付けられるサスペンションベースと、複数のサスペンションバネを介して対物レンズを保持するレンズホルダーと、前記キャリッジまたは前記サスペンションベースに取り付けられるヨークとマグネットから構成された磁気回路と、前記レンズホルダーに設けられ、前記磁気回路に配設されるフォーカスコイルとトラッキングコイルとを有し、前記レンズホルダーにチルト用マグネットが設けられるとともに、該チルト用マグネットと対向する位置には前記対物レンズを傾かせるためのチルト用コイルが設けられ、かつ、前記対物レンズの光ディスクのラジアル方向の傾きを検出し前記チルト用コイルへの補正用電流によってこれを励磁して前記ラジアル方向の傾きを制御する検出制御手段が設けられた光ピックアップ装置であって、前記検出制御手段が、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに供給する駆動電流のDC成分と80Hz〜120HzのAC成分を検出するとともに、検出したDA成分とAC成分とに基づいて前記チルト用コイルに供給するACチルトをキャンセルするための補正用電流値を演算しこの補正用電流によって制御を行うことを特徴とする光ピックアップ装置であるから、チルト用コイルに補正用電流を流して励磁し、チルト用マグネットとの吸引または反発を利用して対物レンズを傾かせることができ、補正用電流の方向と大きさを制御することで対物レンズのローリング成分を低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りは安定化する。電流の方向と大きさをACチルトをキャンセルする方向に制御することで対物レンズのローリングを低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りは安定化する。補正用電流値を演算してチルト用コイルを励磁するため簡単にローリングを低減することができ、ACチルト特性が向上し、読み取りが安定化する。
【0023】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置を使用したことを特徴とする光ディスク装置である。本発明の光ディスク装置によれば、チルト用コイルに補正用電流を流して励磁し、チルト用マグネットとの吸引または反発を利用して対物レンズを傾かせることができ、補正用電流の方向と大きさを制御することで対物レンズのローリング成分を低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りは安定化する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における光ピックアップ装置について説明する。図1は本発明の実施の形態1における光ピックアップ装置の斜視図、図2は図1の光ピックアップ装置の可動部斜視図、図3は図1のサスペンションベース部の斜視図であり、図4は図3の分解図である。従来の光ピックアップ装置と実施の形態1の光ピックアップ装置の説明において、同一符号は同一の部材を示すので、これらに関しては以下詳細な説明は省略する。また、アクチュエータ装置と光ピックアップ装置との関係もまた、従来の技術と同様である。
【0026】
図1に示すように、1は光ディスクに光を集光させる光ピックアップの対物レンズ、3はフォーカスコイル、4はトラッキング方向に移動させるトラッキングコイル、5は4本のワイヤ(実施の形態1における本発明のサスペンションバネ)、6は中継基板である。
【0027】
8はフォーカスコイル3およびトラッキングコイル4に磁場を与えるマグネットであり、マグネット8はヨーク9に接着等により固定されており、ヨーク9は後記するサスペンションベース13に接着もしくはネジ等により固定されている。10はレンズホルダーであり、対物レンズ1が接着等により取り付けられている。11は、レンズホルダー10を中立位置に保つ4本のワイヤ5が固定されている基板、12はネジであり、基板11はネジ12によりサスペンションベース13により固定されている。13はレンズホルダー10を中立位置に保つ4本のワイヤ5が固定されるサスペンションベース、14a,14bは対物レンズ1を搭載したレンズホルダー10に接着により固定された2個のチルト用マグネットである。
【0028】
図3、図4において、15a,15bはチルト用マグネット14a,14bと対向する位置に配置されたチルト用コイル、16a,16bは樹脂により成形・加工されたチルト用コイルボビン、17a,17bはチルト用コイル15a,15bに電流を流した際にできる磁場を作くための鉄芯であり、それぞれのチルト用コイルボビンに接着もしくは一体成形により固定されている。チルト用コイルボビン16a,16bは精度よくサスペンションベース13に固定されている。
【0029】
次に、本発明の実施の形態1の光ピックアップ装置が対物レンズ1を駆動する動作について説明する。フォーカスコイル3およびトラッキングコイル4に流す電流の大きさと向きを変化させると、対物レンズ1を搭載したレンズホルダー10がフォーカス方向、トラッキング方向に動作する。これは従来の光ピックアップ装置の動作と同様である。
【0030】
本実施の形態1の光ピックアップ装置では、レンズホルダー10のチルト角を補正するためのローリング補正機構が付加されている。チルト用マグネット14a,14b、チルト用コイル15a,15b、チルト用コイルボビン16a,16b、鉄芯17a,17bが実施の形態1におけるローリング補正機構を構成している。チルト用コイル15a,15bに、例えば図4に示すような向きに補正用電流を流すとそれぞれのチルト用コイル15a,15bの内部に存在する鉄芯17a,17bが図に示す向きに磁化される。このとき、磁化された鉄芯17a,17bとレンズホルダー10に取り付けられたチルト用マグネット14a,14bの磁気力によって吸引または反発され、レンズホルダー10には図2に示すような力が作用し、レンズホルダー10が傾くように動作する。
【0031】
これにより、ローリングによって発生するチルト角を補正することが可能になる。すなわち、チルト用コイル15a,15bに流す電流の向きおよび大きさを、ローリングを抑える向きと大きさを制御することにより対物レンズ1を搭載しているレンズホルダー10の傾きの向きと傾き角度を制御することが可能となる。
【0032】
このように、フォーカス動作及びトラッキング動作のためのコイルに加えて、本実施の形態1では、チルト用コイル15a,15b等からなるローリング補正機構を設けて、検出制御手段(図示しない)によってレンズホルダー10の傾きを検出し、チルト用コイル15a,15bに流す補正用電流の向きおよび大きさを制御することにより、アクチュエータ装置に発生するローリングによるACチルトを低減することが可能となる。
【0033】
次に、実際にローリング補正機構を設け、検出制御手段の出力信号を送ってチルト用コイル15a,15bに補正用電流を供給し、ACチルトを低減した結果を示す。図5(a)はフォーカスオフセットのない状態における図1の光ピックアップ装置の周波数特性図であり、図5(b)は光ディスクに近づく方向にフォーカスオフセットをした状態における図1の光ピックアップ装置の周波数特性図であり、図5(c)は光ディスクから離れる方向にフォーカスオフセットをした状態における図1の光ピックアップ装置の周波数特性図である。図5(b)と図5(c)から分かるように従来の周波数特性の乱れが改善されているのが分かる。すなわち、比較的低い周波数帯での位相と、100Hz近傍(80Hz〜120Hz)でのゲインが類似形状となっており改善されている。この周波数特性をチルト角度として表すと、図6に示すようにさらに明瞭になる。図6において、横軸はトラッキング方向の駆動の周波数を、縦軸はこのとき発生する対物レンズのACチルトを示している。図6は図5の各状態でのACチルト特性を表す図であり、横軸にトラッキング方向の駆動の周波数を、縦軸に発生する対物レンズ1のACチルトを示している。アクチュエータ装置がフォーカスオフセットした状態でACチルトが悪化していないことが分かる。
【0034】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2の光ピックアップ装置について説明する。実施の形態2の光ピックアップ装置は、実施の形態1の光ピックアップ装置を前提にして、ローリングを抑える検出制御手段に特徴を有すものである。この検出制御手段が、フォーカス、トラッキング方向の各コイルに供給される駆動電流をモニタし、以下説明する演算を行うことによって補正電流値を算出し、チルト用コイル15a,15bに電流を供給している。図7は本実施の形態1におけるフォーカス方向の駆動電流波形図、図8に本実施の形態1におけるトラッキング方向の駆動電流波形図、図9は図7の駆動電流をDC成分とAC成分に電気的に分解した電流波形図、図10は図8の駆動電流をDC成分とAC成分に電気的に分解した電流波形図、図11(a)は本実施の形態1におけるアクチュエータ装置のトラッキング方向にローリングして変位した傾きを示す図、図11(b)は本実施の形態1におけるアクチュエータ装置のフォーカス方向にローリングして変位した傾きを示す図である。
【0035】
図6、図16に示すように、アクチュエータ装置のローリング周波数を100Hzとすると、ローリングの発生が大きい100Hzの近傍(80Hz〜120Hz)でローリングを抑える必要があるため、図9、図10に示すように駆動電流をDC成分とAC成分(85Hz、95Hz、105Hz、115Hz)に電気的に分解する。
【0036】
図9のフォーカス駆動電流(Fo駆動電流)は、
DC成分:FoDC
AC成分(80 〜 90Hz) :FoAC85
AC成分(90 〜100Hz) :FoAC95
AC成分(100〜110Hz) :FoAC105
AC成分(110〜120Hz) :FoAC115
に分解される。
【0037】
また、図10のトラッキング駆動電流は(Tr駆動電流)は、
DC成分:TrDC
AC成分(80 〜 90Hz) :TrAC85
AC成分(90 〜100Hz) :TrAC95
AC成分(100〜110Hz) :TrAC105
AC成分(110〜120Hz) :TrAC115
に分解される。
【0038】
ここで、ローリング(ACチルト)の発生要因を考えると、次の2つのタイプに分けることができる。但し、アクチュエータ装置の高さ(フォーカス)方向の重心位置は合っていると仮定する。
【0039】
(1)アクチュエータ装置が、フォーカスオフセットのある状態でトラッキング方向にローリング周波数近傍で変位した場合である。この場合はアクチュエータ装置のトラッキング方向の供給電流の向きに応じて、図11(a)に示す方向にローリングが発生する。
【0040】
(2)アクチュエータ装置が、トラッキングオフセットのある状態でフォーカス方向にローリング周波数近傍で変位した場合である。この場合はアクチュエータ装置のフォーカス方向の供給電流の向きに応じて、図11(b)に示す方向にローリングが発生する。
【0041】
従って、(1)により発生する対物レンズ1の補正用電流値は(数1)で与えられる。
【0042】
【数1】
【0043】
ここで、K1〜K4は補正係数であり、その周波数にて発生する実際のACチルトにより、実機との合わせ込みにより決まる係数である。また、(2)により発生する対物レンズ1の補正用電流値は(数2)で与えられる。
【0044】
【数2】
【0045】
ここで、K5〜K8は補正係数であり、その周波数にて発生する実際のACチルトにより、実機との合わせ込みにより決まる係数である。
【0046】
上記の発生するACチルトの合計は図11(a)と図11(b)から解るように向きが逆であるため対物レンズ1の総補正用電流値は(数3)で与えられることになる。
【0047】
【数3】
【0048】
従って、(数3)の総補正用電流値を、ローリングをキャンセルさせるためにチルト用コイル15a,15bに加えることにより、アクチュエータ装置の発生するローリングを低減することが可能となる。
【0049】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の光ピックアップ装置について説明する。実施の形態3の光ピックアップ装置は、実施の形態2と同様に、実施の形態1の光ピックアップ装置を前提にして、ローリングを抑える検出制御手段に特徴を有すものである。この検出制御手段は、図2の2個のチルト用マグネット14a,14bの逆起電力を検出してアクチュエータ装置の制御を行うものである。
【0050】
すなわち、図2に示すようにアクチュエータ装置のローリングによりアクチュエータが傾くと、2個のチルト用マグネット14a,14bは、一方がフォーカス(+)側に、他方がフォーカス(−)側に変位する。これによって、2個のチルト用マグネット14a,14bと対向した位置に配置されている2個のチルト用コイル15a,15bには、磁束鎖交数が変化しアクチュエータ装置の傾きに応じたそれぞれ逆向きの逆起電圧が発生する。2個のチルト用コイル15a,15bのそれぞれで発生する逆起電圧の差を取って、増幅回路により増幅して出力し、チルト用コイル15a,15bに供給する補正用電流として使用することでローリングを低減することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の光ピックアップ装置は、レンズホルダーにチルト用マグネットが設けられるとともにチルト用コイルが設けられ、対物レンズの光ディスクのラジアル方向の傾きをチルト用コイルへの補正用電流で制御してACチルトを低減から、チルト用コイルに補正用電流を流して励磁し、チルト用マグネットとの吸引または反発を利用して対物レンズを傾かせることができ、補正用電流の方向と大きさを制御し、電流の方向と大きさをACチルトをキャンセルする方向に制御することで対物レンズのローリング成分を低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りは安定化し、1次共振周波数を低く設定できるため高感度且つ低消費電力で、薄型化が可能になる。補正用電流値を演算してチルト用コイルを励磁するため簡単にローリングを低減することができる。
【0056】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置を使用したことを特徴とする光ディスク装置である。本発明の光ディスク装置によれば、チルト用コイルに補正用電流を流して励磁し、チルト用マグネットとの吸引または反発をレンズを傾かせることができ、補正用電流の方向と大きさを制御することで対物レンズのローリング成分を低減してACチルト特性を向上することができ、読み取りは安定化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光ピックアップ装置の斜視図
【図2】図1の光ピックアップ装置の可動部斜視図
【図3】図1のサスペンションベース部の斜視図
【図4】図3の分解図
【図5】(a)フォーカスオフセットのない状態における図1の光ピックアップ装置の周波数特性図
(b)光ディスクに近づく方向にフォーカスオフセットをした状態における図1の光ピックアップ装置の周波数特性図
(c)光ディスクから離れる方向にフォーカスオフセットをした状態における図1の光ピックアップ装置の周波数特性図
【図6】図5の各状態でのACチルト特性を表す図
【図7】本実施の形態1におけるフォーカス方向の駆動電流波形図
【図8】本実施の形態1におけるトラッキング方向の駆動電流波形図
【図9】図7の駆動電流をDC成分とAC成分に電気的に分解した電流波形図
【図10】図8の駆動電流をDC成分とAC成分に電気的に分解した電流波形図
【図11】(a)本実施の形態1におけるアクチュエータ装置のトラッキング方向にローリングして変位した傾きを示す図
(b)本実施の形態1におけるアクチュエータ装置のフォーカス方向にローリングして変位した傾きを示す図
【図12】従来の光ピックアップ装置の構成を示す斜視図
【図13】図12の光ピックアップ装置のローリング成分を示す図
【図14】(a)図12の光ピックアップ装置のフォーカスオフセットなしの状態での力の位置関係を示す図
(b)ディスクに近づく方向に移動したフォーカスオフセットありの状態での図14(a)の位置関係を示す図
(c)ディスクから離れる方向に移動したフォーカスオフセットありの状態での図14(a)の位置関係を示す図
【図15】(a)図14(a)の状態での周波数特性図
(b)図14(b)の状態での周波数特性図
(c)図14(c)の状態での周波数特性図
【図16】図14の各状態でのACチルト特性を表す図
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 レンズホルダー
3 フォーカスコイル
4 トラッキングコイル
5 ワイヤ
6 中継基板
7 サスペンションベース
8 マグネット
9 ヨーク
10 レンズホルダー
11 基板
12 ネジ
13 サスペンションベース
14a,14b チルト用マグネット
15a,15b チルト用コイル
16a,16b チルト用コイルボビン
17a,17b 鉄芯
Claims (2)
- キャリッジに取り付けられるサスペンションベースと、複数のサスペンションバネを介して対物レンズを保持するレンズホルダーと、前記キャリッジまたは前記サスペンションベースに取り付けられるヨークとマグネットから構成された磁気回路と、前記レンズホルダーに設けられ、前記磁気回路に配設されるフォーカスコイルとトラッキングコイルとを有し、前記レンズホルダーにチルト用マグネットが設けられるとともに、該チルト用マグネットと対向する位置には前記対物レンズを傾かせるためのチルト用コイルが設けられ、かつ、前記対物レンズの光ディスクのラジアル方向の傾きを検出し前記チルト用コイルへの補正用電流によってこれを励磁して前記ラジアル方向の傾きを制御する検出制御手段が設けられた光ピックアップ装置であって、
前記検出制御手段が、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに供給する駆動電流のDC成分と80Hz〜120HzのAC成分を検出するとともに、検出したDA成分とAC成分とに基づいて前記チルト用コイルに供給するACチルトをキャンセルするための補正用電流値を演算しこの補正用電流によって制御を行うことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置を使用したことを特徴とする光ディスク装置。
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