JP4613267B2 - 草酢液と船底や筏等の藻や貝類の付着防止混合液および付着防止方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本願発明は、除虫菊草酢液に関する。更に船底や筏などに付着する藻や貝の付着を防止する塗料および付着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既に木酢液、竹酢液の作り方および成分および限られたその効果については知られている。特に効果については殺菌作用、防腐作用,土壌改質作用、スキンケア、ヘヤケア、除草、土壌殺菌殺虫、根の障害、殺虫殺菌、花粉分化促進、有機物分解、果実着色、糖度向上、窒素過多、成長促進、肥大促進、疲れの回復、活着促進、発芽促進、土壌活性、などが知られている。
【0003】
しかしながら、これらは、地球環境を守るのに必要な木、竹を炭化する際に,煙から捕集してきた。これは、近年地球の温暖化や、地球の砂漠化を防ぐには、木材や竹の伐採を,可能な限り防ぐことが重要であることが叫ばれている。
【0004】
また従来、筏、船底、取水管への藻や貝の付着防止方法としては錫化合物、銅化合物が塗布することなどが知られている.しかしながらこれらの方法では毒性があり地球環境や生物を汚染するという重大な欠点があった.さらに従来技術にはフッ素樹脂、めくれ易い塗膜を形成する方法もあったがこれらには付着防止効果が小さい、高価という欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
筏、船底、取水管の藻や貝の付着防止方法について鋭意検討した結果、次の発明に到達した。特に持続効果、安全性、環境防止、価格の改良された塗料およびその手段を提供することを目的とする。
【0006】
【0007】
他方、わが国は四方八方を海で囲まれて海洋資源による恩恵が極めて大きいが藻、貝の付着が極めて大きな産業上の問題があり、その損失は看過出来ないほど甚大なものである。もしこれが達成出来れば産業に寄与するところは極めて大きいものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願は、先ず「草酢液」なる語を定義する。これまでに前例を見ないからである。
地球上に豊富に有る草を乾燥する。完全乾燥でなくとも良い。生にちかいものでも良い。ある程度乾燥しておいた方が、濃厚な草酢液がえられる。草を蒸し焼き釜に中で、草が炭化するように炭化するような条件で燃焼させるが、湿りがあり、多量の煙を発生する。この煙を煙道などで冷却して液を捕集する。これが草酢である。
【0009】
炭焼き釜の要領で薪で燃して加熱しても良いし、バーナーで加熱しても良い。しかも、草には、それぞれ、特徴があるため、かなり豊富に選べるのが最大の特徴である。それぞれの草に対して、特に強く現れる効果が異なる。しかし以下に述べる共通の独特の効果も発揮する。
【0010】
これを活用すると、船、漁業設備および用具、取水管に塗布する藻、貝付着防止用塗料において、除虫菊草酢を他の塗料との実質的混合液であることを特徴とする藻貝類付着防止混合液が得られる。他の発明は、草酢を他の塗料との実質的混合液を船底、筏、取水間ブイ、係留ロープ群から選ばれた表面に塗布することを特徴とする藻、貝付着防止方法および、少なくとも草酢液を70%以上蒸発減量された濃縮液を3ないし15%となるように他の塗料と混合することを特徴とする船底等の藻や貝類の付着防止用混合液の調整方法である。
【0011】
【0012】
【0013】
船底塗料の場合、木酢、竹酢でも、これらは、地上における知見であり、海中の効果については、まったく知られていなかった。草酢液については、地上はもちろん、海中については全く知られていなかった。
【0014】
しかも巨大な水の流れが絶えずあり、直ちに希釈されるので、これらの効果は、全く期待されるものではなかった。また、これまでの木酢でも竹酢でもその効果には「成長促進、肥大促進、活着促進、発芽促進、土壌活性」があり、以下に述べる本願発明の効果は、全く期待すらされないものであった。
【0015】
本発明は、海中と言う特殊な状況下で、試みた者でしか分からない全く新しい知見に基づくものである。特に単に単体を筏、船底、取水管ブイ、係留ロープ群から選ばれた表面に塗布することではない。なぜなら、直ちに流れ去るだけであるからである。更に効果的には単に塗料に草酢を混合するだけではない。
【0016】
除虫菊という特定した性能の優れている故、油性の塗料との混合が始めて可能になり効果が持続する時間が飛躍的に伸びることを始めて知見した。塗料としては油性塗料、水性塗料、などが挙げられるが塗料の専門誌などに乗っているのでいちいち記載する必要はない。例えば、世界大百貨事典(株式会社日立デジタル平凡社)にも詳細に紹介されている。
【0017】
塗料原料についても詳しく示されている。海洋には油性塗料が広く使われており本発明の対象となる塗料は油性塗料が望ましい。船底塗料には、色々の試みがあるが、例えば、特開2000−226554,2000−143672,2000−143417,2000,119565,2000−005692,2000−001410がある。
【0018】
また特開平11−343427,11−333374,11−292883,11−209206,11−148031,11−131007,11−080166,10−306241,10−306240,10−292153,10−211464,10−158547,10−101969,09−291232,09−124977,09−052803,08−239600,08−218004,08−134153,08−012907,07−315282,07−228805,07−170901,07−102009,07−061903,07−003191,06−320106,06−299097,06−29909606−290095,06−298691,06−235142,06−228468,06−145017、05−286820、05−271009、05−140481、05−112741、05−086309、05−078618、05−078617、05−078616、05−070716、05−017708、05−004903を挙げることができる。しかし、本発明のような目的を果たす内容の示唆も開示もない。
【0019】
草酢の濃縮率は70%から99.5%が好ましく特に好ましくは約99%である。
即ち1%しか残らないことが多い。混合比率は塗料に対し3%ないし15%が好ましく特に好ましくは5%ないし7%であるが用途、目的に応じて増減することが好ましい。
【0020】
塗布はロール塗り、はけ塗り、スプーレー塗り、どぶ付け塗り、重ね塗り、転写塗りなどがすべて含まれる。混ぜる方法は一般的にとられる方法で用いられるが重ね塗りの方法を採用しても良い。
【0021】
作用としては塗料により除虫菊草酢濃縮液が完全に包囲されてしまって効果が藻,貝の付着防止に効果がないと予想されたが、驚くべきことに、貝等の付着防止が持続して発揮された。
【0022】
草としては、菊、特に好ましくは除虫菊である。
【0023】
【0024】
【0025】
塗料は,合成樹脂塗料が特に好ましい。例えば、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、珪素樹脂、アミノ樹脂、タールエポキシ樹脂、フッソ樹脂などである。
【0026】
【実施例】
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明する。しかし、本実施例により、本発明の有効性が,限定解釈されるものではない。
【0027】
実施例1.
除虫菊を蒸し焼きにして,煙から採取した草酢を100部を1部にまで加熱蒸発により濃縮した、ものを関西ペイント社製の船底用油性塗料に5%から7%混合し、漁業用小型船舶に塗布した。藻、貝が付着しやすい(この期間は水温が高い)4月から11月までの間観察し僅かの付着しか認められなかった。
【0028】
実施例2.
除虫菊を蒸し焼きにして,煙から採取した草酢液を100部を1部にまで加熱蒸発により濃縮した、これを日本ペイント社製の船底用油性塗料に5%から7%混合し、漁業用小型船舶に塗布した。藻、貝が付着しやすい(この期間は水温が高い)6月から12月までの間観察し僅かの付着しか認められなかった。
【0029】
比較例1
中国塗料社製の船底用油性塗料のみを、漁業用小型船舶に塗布した。藻、貝が付着しやすい(この期間は水温が高い)4月から11月までの間観察した結果すでに8月には非常に大量の藻,貝の付着が認められた。
【0030】
比較例2
東和塗料社製の船底用油性塗料のみを、漁業用小型船舶に塗布した。藻、貝が付着しやすい(この期間は水温が高い)6月から12月までの間観察した結果すでに10月には非常に大量の藻,貝の付着が認められた。
【発明の効果】
【0031】
【効果1】
藻・貝防止効果のある草酢液を得ることができた。
【効果2】
船の塗料と混合して使用したときは、藻、貝が非常に付着しがたくなった。
【効果3】
銅や錫のような毒性が全く認めらなかった。
【効果4】
草酢は濃縮されていたので油性塗料に簡単に混ぜることができた。
【0032】
【効果5】
船のスピードが減速しない。
【効果6】
船の燃費がすくなくできた。
【効果7】
取水管を空にする工事がいらない。
【0033】
【効果8】
工事回数が減少した。(操業停止期間が減少した)
【効果9】
養殖網のメンテナンス回数が減ることにより、海岸の汚染が減少できる。
Claims (2)
- 除虫菊を加熱し,発生する煙を少なくとも冷却機能の有る部分を通過させ液化してなることを特徴とする防藻・防貝用除虫菊草酢液。
- 船、漁業設備および漁業用具、取水管に塗布する藻や貝の付着防止用塗料において、除虫菊草酢液と、塗料との実質的混合液であることを特徴とする藻貝類付着防止混合液。
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