以下、本発明の一実施例である伝送装置として、シングルQAM方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式、アナログ変調方式の伝送モードを有する伝送装置について、図1、2を用いて説明する。図1は、本実施例の送信側伝送装置の構成を示すブロック図、図2は、本実施例の受信側伝送装置の構成を示すブロック図である。本実施例の伝送装置では、送信側伝送装置の場合、まず、操作者が操作パネル101を操作するか、または、ケーブル118を介して送信側伝送装置(例えば、ヘリコプタの後方のトランクルームに設置された送信側伝送装置)内の設定モード切換部116に接続されたパソコン119(例えば、ヘリコプタの前方の乗務員室に設置されたパソコン)を操作することにより、設定された伝送パラメータは動作制御部102及び表示制御部117に記憶される。なお、伝送パラメータを操作パネル101で設定するかそれともパソコン119で設定するかの切換は、即ち、設定モードの切換は、設定モード切換部116を操作者が操作することにより行う(なお、操作パネル101にリモート設定スイッチを設け、このリモート設定スイッチの状態に応じて設定モード切換部116で設定モードを切り換えるようにしても良い)。そして、記憶された伝送パラメータで無線伝送を行わせるように動作制御部102は各スイッチ、各信号処理部(シングルQAM方式処理部107、OFDM方式処理部108、アナログ方式処理部110)を制御する。例えば、本実施例の送信側伝送装置ではシングルQAM方式、OFDM方式、アナログ変調方式の伝送モードを有することにより、伝送モードに応じて、アナログ/デジタル選択スイッチ103、104、シングルQAM/OFDM選択スイッチ105、106を制御することにより、伝送モードに応じた信号処理を行わせるように信号経路を切り換える。一方、表示制御部117は、記憶された伝送パラメータを操作パネル101及びパソコン119に表示させる。なお、本実施例の送信側伝送装置では、各信号処理部を制御する動作制御部102と伝送パラメータの表示制御を行う表示制御部117とを有しているが、各信号処理部を制御すると共に伝送パラメータの表示制御を行う制御部を、動作制御部102、表示制御部117の代わりに設けるようにしても良い。
本実施例の送信側伝送装置の概略動作について説明する。伝送モードに応じて信号経路が切り換えられることにより、シングルQAM方式処理部107、OFDM方式処理部108には、MPEG(Moving Picture Experts Group)エンコーダ109で生成されたTS(Transport Stream)形式のデジタル信号Dが入力され、アナログ方式処理部110には標準テレビ信号(以下、NTSC(National Television Standards Committee)映像信号と称する)とアナログ音声信号が入力される。なお、TS形式のデジタル信号Dは、SDI(Serial Digital Interface)信号(デジタル映像信号)と、オーディオA/D111でA/D変換された音声信号とが、MPEG−2符号化方式で符号化され多重されることにより生成される。そして、シングルQAM方式処理部107、OFDM方式処理部108からの出力信号は、D/Aコンバータ112でD/A変換されると共に局部発振器113出力の局発信号と混合されることで、例えば周波数130MHzのIF信号に変換され、送信高周波部114に出力される。一方、アナログ方式処理部110からの出力信号は、直接、送信高周波部114に出力される。なお、アナログ方式処理部110からの出力信号も、例えば周波数130MHzのIF信号である。送信高周波部114では、IF信号をRF信号に周波数変換して、送信する。更に、伝送モード以外でも、操作パネル101またはパソコン119で設定された伝送パラメータに従って、動作制御部102はシングルQAM方式処理部107、OFDM方式処理部108、アナログ方式処理部110を制御する。なお、伝送モード以外で操作パネル101またはパソコン119により設定された伝送パラメータに従って動作するシングルQAM方式処理部107、OFDM方式処理部108、アナログ方式処理部110の構成については、後で詳述する。
受信側伝送装置の場合も同様にして、操作者が操作パネル201またはパソコン219を操作することにより設定された伝送パラメータは動作制御部202及び表示制御部217に記憶される。なお、伝送パラメータを操作パネル201で設定するかそれともパソコン219で設定するかの切換は、即ち、設定モードの切換は、設定モード切換部216を操作者が操作することにより行う(なお、操作パネル201にリモート設定スイッチを設け、このリモート設定スイッチの状態に応じて設定モード切換部216が設定モードを切り換えるようにしても良い)。そして、記憶された伝送パラメータで信号処理させるように動作制御部202は、各スイッチ、各信号処理部(シングルQAM方式処理部207、OFDM方式処理部208、アナログ方式処理部209)を制御する。例えば、本実施例の受信側伝送装置では、シングルQAM方式、OFDM方式、アナログ復調方式の伝送モードを有していることにより、伝送モードに応じて、アナログ/デジタル選択スイッチ203、204、シングルQAM/OFDM選択スイッチ205、206を制御することにより、伝送モードに応じた信号処理を行わせるように信号経路を切り換える。一方、表示制御部217は、記憶された伝送パラメータを操作パネル201及びパソコン219に表示させる。なお、本実施例の受信側伝送装置では、各信号処理部を制御する動作制御部202と伝送パラメータの表示制御を行う表示制御部217とを有しているが、各信号処理部を制御すると共に伝送パラメータの表示制御を行う制御部を、動作制御部202、表示制御部217の代わりに設けるようにしても良い。
本実施例の受信側伝送装置の概略動作について説明する。伝送モードに応じて信号経路が切り換えられることにより、受信したRF信号は受信高周波部210で例えば、130MHzのIF信号に変換された後、例えば、伝送モードがシングルQAM方式である場合、130MHzのIF信号(受信高周波部210の出力信号)は局部発振器211出力の局発信号と混合されると共にA/Dコンバータ212でA/D変換され、シングルQAM方式処理部207に入力される。そして、シングルQAM方式処理部207においてシングルQAM方式で復調処理されることにより、TS形式のデジタル信号Dが出力される。シングルQAM方式処理部207からのTS形式のデジタル信号Dは、MPEGデコーダ部213でMPEGエンコーダ109と逆の処理を行うことにより、SDI信号(デジタル映像信号)とデジタル音声信号とに変換されて出力される。デジタル音声信号は、オーディオD/A214でアナログ音声信号に変換される。
例えば、伝送モードがOFDM方式である場合、前述の130MHzのIF信号(受信高周波部210の出力信号)は局部発振器211出力の局発信号と混合されると共にA/Dコンバータ212でA/D変換され、OFDM方式処理部208に入力される。そして、OFDM方式処理部208においてOFDM方式で復調処理されることにより、TS形式のデジタル信号Dが出力される。OFDM方式処理部208からのTS形式のデジタル信号Dは、MPEGデコーダ部213がMPEGエンコーダ109と逆の処理を行うことにより、SDI信号(デジタル映像信号)とデジタル音声信号に変換されて出力される。デジタル音声信号は、オーディオD/A214でアナログ音声信号に変換される。
例えば、伝送モードがアナログ復調方式である場合、前述の130MHzのIF信号(受信高周波部210の出力信号)は、アナログ方式処理部209に入力されることでアナログ復調処理されることにより、アナログ方式処理部209からはNTSC映像信号とアナログ音声信号が出力される。
そして、伝送モード以外でも、操作パネル201またはパソコン219で設定された伝送パラメータに従って、動作制御部202はシングルQAM方式処理部207、OFDM方式処理部208、アナログ方式処理部209を制御する。なお、伝送モード以外で操作パネル201またはパソコン219により設定された伝送パラメータに従って動作するシングルQAM方式処理部207、OFDM方式処理部208、アナログ方式処理部209の構成については、後で詳述する。
以下、操作パネル101、201またはパソコン119、219で設定された伝送パラメータに従って動作する送信側伝送装置、受信側伝送装置の各信号処理部(シングルQAM方式処理部107、207、OFDM方式処理部108、208、アナログ方式処理部110、209)の構成、動作について、図3〜7を用いて説明する。図3は、本実施例の送信側伝送装置のシングルQAM方式処理部の構成を示すブロック図、図4は、本実施例の送信側伝送装置のOFDM方式処理部の構成を示すブロック図、図5は、本実施例の受信側伝送装置のシングルQAM方式処理部の構成を示すブロック図、図6は、本実施例の受信側伝送装置のOFDM方式処理部の構成を示すブロック図、図7は、標準規格ARIB STD−B11で規定されている伝送装置の伝送ビットレートとスタッフィングデータ(ダミーデータ)の有無の関係を示す図である。まず、送信側伝送装置の各信号処理部の構成、動作について説明する。シングルQAM方式処理部107は、エネルギー拡散部301、符号化部302、インターリーブ部303、スタッフィング挿入部304、QAMマッピング部305、直交変調部306より構成されている。MPEGエンコーダ109より出力されたTS形式のデジタル信号Dは、入力端子307より入力された後、エネルギー拡散部301で、例えば擬似ランダム系列加算でエネルギー拡散を行い、符号化部302に出力される。符号化部302は、操作パネル101またはパソコン119で誤り訂正符号付加処理を行わせるように設定されたとき、動作制御部102の制御により誤り訂正符号を付加してインターリーブ部303に出力する。例えばRS(Reed-Solomon)符号化により188バイトの1TSパケット毎に16バイトの誤り訂正符号を付加してインターリーブ部303に出力する。逆に、操作パネル101またはパソコン119で誤り訂正符号付加処理を行わないように設定されたとき、動作制御部102の制御により誤り訂正符号を付加せずにインターリーブ部303に出力する。インターリーブ部303は、操作パネル101またはパソコン119でインターリーブ処理を行わせるように設定されたとき、動作制御部102の制御によりインターリーブ処理を行ってスタッフィング挿入部304に出力する。即ち、符号化部302からの出力信号のデータの並べ替えを行ってスタッフィング挿入部304に出力する。逆に、操作パネル101またはパソコン119でインターリーブ処理を行わせないように設定されたとき、動作制御部102の制御により符号化部302からの出力信号のデータの並べ替えを行わずにスタッフィング挿入部304に出力する。スタッフィング挿入部304は、非特許文献2(テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形マイクロ波帯デジタル無線伝送システムの規格ARIB STD−B11)により、図7の通り、操作パネル101またはパソコン119で設定された伝送ビットレートによってダミーデータ挿入の有無が決まるため、ダミーデータの挿入が必要な伝送ビットレートの場合、動作制御部102の制御によりダミーデータを付加してQAMマッピング部305に出力する。逆に、ダミーデータの挿入が不必要な伝送ビットレートの場合、動作制御部102の制御によりダミーデータを付加することなくQAMマッピング部305に出力する。QAMマッピング部305は、動作制御部102の制御により操作パネル101またはパソコン119で設定された変調モードに従ってマッピング処理を行う。例えば、変調モードが64QAMの場合、同相成分の信号Iと直交成分の信号Qで表されるI−Q座標軸上に64ポイントのマッピングを行う。マッピングを行った後、直交変調部306で、例えば周波数130MHzのIF信号に変換して出力端子308に出力する。出力端子308に出力されたIF信号は送信高周波部114に出力される。
以上のように、送信側伝送装置において、シングルQAM方式の場合、誤り訂正符号の付加の有無、インターリーブ処理の有無、伝送ビットレート、変調モードが操作パネル101またはパソコン119で設定され、この設定された伝送パラメータに従ってシングルQAM方式処理部107は動作するように動作制御部102により制御される。そして、設定された誤り訂正符号の付加の有無、インターリーブ処理の有無、伝送ビットレート、変調モードについては、表示制御部117の制御により、操作パネル101及びパソコン119に表示される。
OFDM方式処理部は、スクランブル処理部401、エネルギー拡散部402、符号化部403、インターリーブ部404、マッピング部405、フレーム生成部406、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部407、ガード付加部408、直交変調部409より構成されている。MPEGエンコーダ109より出力されたTS形式のデジタル信号Dは、入力端子410より入力された後、スクランブル処理部401に入力される。スクランブル処理部401は、操作パネル101またはパソコン119でスクランブル処理(撹拌処理)するように設定されたとき、動作制御部102の制御によりスクランブル処理を行って、エネルギー拡散部402に出力する。逆に、操作パネル101またはパソコン119でスクランブル処理を行わないように設定されたとき、動作制御部102の制御によりスクランブル処理を行わずにエネルギー拡散部402に出力する。エネルギー拡散部402は、例えば擬似ランダム系列加算でエネルギー拡散を行い、符号化部403に出力する。符号化部403は、操作パネル101またはパソコン119で所定の符号化率で誤り訂正符号を付加するように設定されたとき、動作制御部102の制御により設定された符号化率で畳み込み符号化してインターリーブ部404に出力する。逆に、操作パネル101またはパソコン119で誤り訂正符号を付加しないように設定されたとき、動作制御部102の制御により誤り訂正符号を付加せずインターリーブ部404に出力する。インターリーブ部404は、操作パネル101またはパソコン119で設定されたインターリーブ時間でインターリーブ処理を行わせるように動作制御部102の制御によりインターリーブ処理を行ってマッピング部405に出力する。即ち、符号化部403からの出力信号のデータの並べ替えを、操作パネル101またはパソコン119で設定されたインターリーブ時間で行ってマッピング部405に出力する。マッピング部405は、動作制御部102の制御により操作パネル101またはパソコン119で設定されたキャリア変調モードに従ってマッピングを行う。例えば、キャリア変調モードが64QAMの場合、各キャリアに割り当てる6ビットのデータを指定することにより、同相成分の信号Iと直交成分の信号Qで表されるI−Q座標軸上に64ポイントのマッピングを行う。マッピングを行った後、フレーム生成部406でOFDMフレームを生成する。フレーム生成部406は、OFDMフレームを生成するにあたり、操作パネル101またはパソコン119で、連絡データ等の付加情報を伝送するキャリアであるACキャリアを使用するように設定されたとき、動作制御部102の制御によりOFDMフレーム内のACキャリアに連絡データ等の付加情報を付加する。逆に、連絡データ等の付加情報を伝送しないことにより、ACキャリアを使用しないように設定されたとき、動作制御部102の制御により、OFDMフレーム内のACキャリアをNullキャリアに置き換える。なお、OFDMフレームはマッピング部405出力のデータを伝送するキャリアであるDataキャリアの他に、ACキャリアを有する場合が有り、非特許文献1(テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタルシステムの規格ARIB STD−B33)に記載の通り、ACキャリアは連絡データ等の付加情報を伝送するキャリアである。従って、連絡データ等の付加情報を伝送する場合にはACキャリアを使用するように操作パネル101またはパソコン119で設定する。生成されたOFDMフレームは、IFFT部407で逆高速フーリエ変換することで時間軸波形に変換し、ガード付加部408に出力する。ガード付加部408は時間軸波形の各有効シンボルの先頭にガードインターバル(各有効シンボルの末尾を含む所定期間の時間軸波形)を付加することによりOFDM信号を生成する。なお、ガードインターバルを付加するにあたり、動作制御部102の制御により操作パネル101またはパソコン119で設定されたガードインターバル比に従ってガードインターバルが付加される。ガード付加部408で生成されたOFDM信号は、直交変調部409で、例えば周波数130MHzのIF信号に変換して出力端子411に出力する。出力端子411に出力されたIF信号は送信高周波部114に出力される。
以上のように、送信側伝送装置において、OFDM方式の場合、スクランブル処理の有無、誤り訂正符号の付加の有無及び誤り訂正符号を付加したときの符号化率、インターリーブ時間、変調モード、ACキャリアの使用の有無、ガードインターバル比が操作パネル101またはパソコン119で設定され、この設定された伝送パラメータに従ってOFDM方式処理部108が動作するよう動作制御部102に制御される。そして、設定されたスクランブル処理の有無、誤り訂正の付加の有無及び誤り訂正符号を付加したときの符号化率、インターリーブ時間、変調モード、ACキャリアの使用の有無、ガードインターバル比については、表示制御部117の制御により、操作パネル101及びパソコン119に表示される。
アナログ方式処理部110は、アナログFM変調部で構成されており、アナログFM変調部はNTSC映像信号とアナログ音声信号をFM変調することで、例えば周波数130MHzのIF信号に変換して出力する。そして、伝送パラメータとして、チャンネル、送信出力が操作パネル101で設定され、この設定されたチャンネル、送信出力に従って、RF信号が送信される。そして、設定されたチャンネル、送信出力については、表示制御部117の制御により、操作パネル101及びパソコン119に表示される。また、伝送モードがシングルQAM方式、OFDM方式の場合も同様にして、チャンネル、送信出力も操作パネル101で設定され、この設定されたチャンネル、送信出力に従って、RF信号が送信される。そして、設定されたチャンネル、送信出力については、表示制御部117の制御により、操作パネル101及びパソコン119に表示される。
次に、受信側伝送装置での各信号処理部(シングルQAM方式処理部207、OFDM方式処理部208、アナログ方式処理部209)の構成、動作について説明する。シングルQAM方式処理部207は、直交復調部501、波形等化部502、スタッフィング除去部503、デインターリーブ部504、復号化部505、エネルギー逆拡散部506より構成されている。A/Dコンバータ212より出力されたIF信号が入力端子507より入力された後、直交復調部501に出力される。直交復調部501は、動作制御部202の制御により操作パネル201またはパソコン219で設定された復調モードに従って、直交変調部306で直交変調された信号を同相成分のI信号と直交成分のQ信号に復調して波形等化部502に出力する。例えば、復調モードが64QAMの場合、64QAMで復調することで得た同相成分のI信号と直交成分のQ信号を波形等化部502に出力する。波形等化部502は、QAM変調方式などの振幅変調を含む方式の場合、伝送路の特性や減衰のため、伝送される信号の波形が歪むので、この歪を除去するための波形等化を行うものである。この波形等化部502は、一般的にデジタルフィルタで構成される。波形等化が行われた後、スタッフィング除去部503に入力されることにより、ダミーデータが挿入されている場合にはダミーデータが除去される。なお、操作パネル101またはパソコン119で設定された伝送ビットレートによってダミーデータが挿入されているか否かが決まるため、ダミーデータが挿入される場合の伝送ビットレートに設定されていたとき、動作制御部202の制御により、送信側伝送装置のスタッフィング挿入部304で付加されたダミーデータを除去して、デインターリーブ部504に出力する。逆に、ダミーデータが挿入されない場合の伝送ビットレートに設定されていたとき、動作制御部202の制御により、ダミーデータがないことでデータの除去処理を行わずデインターリーブ部504に出力する。デインターリーブ部504は、操作パネル201またはパソコン219でデインターリーブ処理を行うように設定されたとき、動作制御部202の制御によりデインターリーブ処理を行うことで、送信側伝送装置のインターリーブ部303でインターリーブされる前の信号配列に戻し、復号化部505に出力する。逆に、操作パネル201またはパソコン219でデインターリーブ処理を行わないように設定されたとき、動作制御部202の制御によりデインターリーブ処理を行わずに復号化部505に出力する。復号化部505は、操作パネル201またはパソコン219で誤り訂正処理を行うように設定されたとき、動作制御部202の制御により送信側伝送装置の符号化部302で付加された誤り訂正符号を用いて誤り訂正処理を行い、エネルギー逆拡散部506に出力する。逆に、操作パネル201またはパソコン219で誤り訂正を行わないように設定されたとき、動作制御部202の制御により誤り訂正処理を行わずにエネルギー逆拡散部506に出力する。エネルギー逆拡散部506では、エネルギー逆拡散が行われることにより元のTS形式のデジタル信号Dに戻され、出力端子508に出力される。出力端子508に出力されたTS形式のデジタル信号Dは、MPEGデコーダ213に出力される。
以上のように、受信側伝送装置において、シングルQAM方式の場合、復調モード、伝送ビットレート、デインターリーブ処理の有無、誤り訂正処理の有無が操作パネル201またはパソコン219で設定され、この設定された伝送パラメータに従ってシングルQAM方式処理部207は動作するよう動作制御部202に制御される。そして、設定された復調モード、伝送ビットレート、デインターリーブ処理の有無、誤り訂正処理の有無は、表示制御部217の制御により、操作パネル201及びパソコン219に表示される。この表示により、伝送パラメータの設定の際、操作パネル201及びパソコン219に表示された伝送パラメータを送信側伝送装置で設定された伝送パラメータと一致させるように操作者は設定する。
また、先に説明したように、直交復調部501は、操作パネル201またはパソコン219で設定された復調モードで、直交変調された信号を同相成分のI信号と直交成分のQ信号に復調するが、非特許文献2(テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形マイクロ波帯デジタル無線伝送システムの規格ARIB STD−B11)では、送信側伝送装置の変調モード等の情報を有するTMCC信号(Transmission and Multiplexing Configuration Control)をTS形式のデジタル信号D(以下、TS信号と称する)に含めて送信されるように規定されていることにより、TS信号からTMCC信号を識別することによって得た変調モード(受信側伝送装置の復調モードは送信側伝送装置の変調モードと同じである)に従って、同相成分のI信号と直交成分のQ信号に復調するようにしてもよい。更に、このTMCC信号は、変調モード以外にも、伝送ビットレート、インターリーブ処理の有無、誤り訂正符号の付加の有無の情報も重畳されるため、動作制御部202及び表示制御部217にTMCC信号を伝送することにより、TMCC信号に重畳された情報に従って、シングルQAM方式処理部207を動作させるよう動作制御部202が制御すると共に、操作パネル201またはパソコン219に復調モード情報、伝送ビットレート情報、デインターリーブ処理の有無情報、誤り訂正処理の有無情報を表示させるようにしても良い。
OFDM方式処理部208は、直交復調部601、ガードインターバル検出部602、FFT(Fast Fourier Transform)部603、波形等化部604、デインターリーブ部605、復号化部606、エネルギー逆拡散部607、デスクランブル部608より構成されている。A/Dコンバータ212より出力されたIF信号が入力端子609より入力された後、直交復調部601に入力される。直交復調部601は、動作制御部202の制御により操作パネル201またはパソコン219で設定されたキャリア復調モードに従って、直交変調部409で直交変調された信号を同相成分のI信号と直交成分のQ信号に復調してガードインターバル検出部602に出力する。例えば、キャリア復調モードが64QAMの場合、64QAMで復調することで得た同相成分のI信号と直交成分のQ信号をガードインターバル検出部602に出力する。ガードインターバル検出部602は、操作パネル201またはパソコン219で設定されたガードインターバル比に従って、動作制御部202の制御によりガード相関処理を行わせることで、時間軸波形の各有効シンボルの先頭を検出してFFT部603に出力する。例えば、ガードインターバル比が1/8のとき、I信号とI信号を有効シンボル(ガードインターバル長の8倍)遅延させた信号との相関値、もしくはQ信号とQ信号を有効シンボル(ガードインターバル長の8倍)遅延させた信号との相関値に基づいて、時間軸波形の各有効シンボルの先頭を検出してFFT部603に出力する。なお、相関値に基づく有効シンボルの先頭の検出については、例えば、特許文献1(特開2003−115787号公報)に記載されていることにより公知である。FFT部603は有効シンボル毎に高速フーリエ変換を行い、波形等化部604は、送信側伝送装置から受信側伝送装置への伝送路の特性や減衰によって発生する伝送信号の波形の歪を除去するための波形等化を行う。この波形等化部604は、一般にデジタルフィルタで構成される。波形等化後、デインターリーブ部605は、操作パネル201またはパソコン219で設定されたインターリーブ時間に基づいて、動作制御部202の制御によりデインターリーブ処理を行うことで、送信側伝送装置のインターリーブ部404でインターリーブされる前の信号配列に戻し、復号化部606に出力する。復号化部606は、操作パネル201またはパソコン219で所定の符号化率で誤り訂正処理を行うように設定されたとき、動作制御部202の制御により、送信側伝送装置の符号化部403により付加された畳み込み符号を用いて誤り訂正を行って、エネルギー逆拡散部607に出力する。逆に、操作パネル201またはパソコン219で誤り訂正を行わないように設定されたとき、動作制御部202の制御により誤り訂正処理を行わずにエネルギー逆拡散部607に出力する。エネルギー逆拡散部607はエネルギー逆拡散を行い、デスクランブル部608に出力する。デスクランブル部608は、操作パネル201またはパソコン219でデスクランブル処理するように設定されたとき、動作制御部202の制御によりデスクランブル解除が行われることで、元のTS信号に戻され、出力端子610に出力される。逆に、操作パネル201またはパソコン219でデスクランブル処理を行わないように設定されたとき、動作制御部202の制御によりデスクランブル処理を行わないで出力端子610に出力される。デスクランブル処理を行わずに出力された場合も、前段のエネルギー逆拡散部607で元のTS信号に戻される。出力端子610に出力されたTS信号は、MPEGデコーダ213に出力される。
以上のように、受信側伝送装置において、OFDM方式の場合、復調モード、ガードインターバル比、インターリーブ時間、誤り訂正処理の有無及び誤り訂正処理有りの場合での符号化率、デスクランブル処理の有無が操作パネル201またはパソコン219で設定され、この設定された伝送パラメータに従ってOFDM方式処理部208は動作するよう動作制御部202に制御される。そして、設定された復調モード、ガードインターバル比、インターリーブ時間、誤り訂正処理の有無及び誤り訂正処理有りの場合の符号化率、デスクランブル処理の有無は、表示制御部217の制御により、操作パネル201及びパソコン219に表示される。この表示により、伝送パラメータの設定の際、操作パネル201及びパソコン219に表示された伝送パラメータを送信側伝送装置で設定された伝送パラメータと一致させるように操作者は設定する。
アナログ方式処理部209は、アナログFM復調部で構成されており、アナログFM復調部は例えば周波数130MHzのIF信号をFM復調することで、NTSC映像信号とアナログ音声信号に変換して出力する。そして、伝送パラメータとして、チャンネルが操作パネル201で設定され、この設定されたチャンネルに従って、RF信号が受信される。そして、設定されたチャンネルについては、表示制御部217の制御により、操作パネル201及びパソコン219に表示される。また、伝送モードがシングルQAM方式、OFDM方式の場合も同様にして、チャンネルも操作パネル201で設定され、この設定されたチャンネルに従って、RF信号が受信される。そして、設定されたチャンネルについては、表示制御部117の制御により、操作パネル101及びパソコン119に表示される。
以上のように、送信側伝送装置、受信側伝送装置で設定される各伝送パラメータは、それぞれ図8、図9の通りである。そして、この各伝送パラメータの設定に関し、例えば、送信側伝送装置をヘリコプタに搭載し、受信側伝送装置を基地局に設置して運用する場合、送信側伝送装置の送信出力及びチャンネルについては、ヘリコプタに送信側伝送装置を搭載する前に操作者が操作パネル101を操作して設定し、送信側伝送装置の送信出力及びチャンネル以外の伝送パラメータについては、ヘリコプタに送信側伝送装置を搭載した後に操作者がパソコン119を操作して設定する。送信出力及びチャンネル以外の伝送パラメータは、送信側伝送装置、受信側伝送装置間の伝搬路の状況の良否によって設定が変わるため、送信側伝送装置をヘリコプタに搭載した後で、設定した方が良い。そして、送信側伝送装置をヘリコプタに搭載した後に伝送パラメータを設定する場合、前述の通り、送信側伝送装置は機器類が密集しているヘリコプタ後方のトランクルームに設置されることにより、操作パネル101を操作することによる設定では困難であるため、ヘリコプタ前方の乗務員室に設置されたパソコン119により設定する。
前述の送信側伝送装置、受信側伝送装置の各信号処理部(シングルQAM方式処理部107、207、OFDM方式処理部108、208、アナログ方式処理部110、209)の構成、動作説明より、操作パネル101、201で伝送パラメータを設定する設定モード(以下、操作パネル設定モードと称する)とパソコン119、219で伝送パラメータを設定する設定モード(以下、リモート設定モードと称する)とが有り、両設定モードの内、いずれかの設定モードで設定された伝送パラメータが、操作パネル101、201の表示部及びパソコン119、219に表示される。そして、設定モードの切換については、即ち、操作パネル設定モードで設定するかそれともリモート設定モードで設定するかの切換については、設定モード切換部116、216内のスイッチ(スイッチの詳細については、後で詳述する)で行う。
以下、設定モードの切換について、図10、図11を用いて説明する。図10は、送信側伝送装置の操作パネル101、設定モード切換部116の構成を示すブロック図、図11は、受信側伝送装置の操作パネル201、設定モード切換部216の構成を示すブロック図である。まず、送信側伝送装置の場合での設定モードの切換について、説明する。設定モード切換部116の各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)には、操作パネル101の各設定用ツマミ1002(伝送モード設定用ツマミ1002a、プリセット値設定用ツマミ1002b)で設定された伝送パラメータ情報と、パソコン119で設定された伝送パラメータ情報が入力される。なお、プリセット値設定用ツマミ1002bでプリセット値を設定することにより、メモリ(例えば、EEPROM(Electricity Erasable Programmable Read-only Memory))1006にはプリセット値と各伝送パラメータ(伝送モード、チャンネル、送信出力以外の伝送パラメータ)との関係のデータテーブルがあらかじめ記憶されているため、CPU1007はプリセット値に対応する各伝送パラメータをプリセットデータ選択部1001bに送出する。
また、リモート設定スイッチ1003(本実施例では、リモート設定スイッチ1003は設定モード切換部116内にあるが、操作パネル101にあっても良い)で設定された各伝送パラメータの設定モード情報は、伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001bに入力される。そして、各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)は、対応する伝送パラメータの設定モード情報(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001bに各々入力される伝送パラメータの設定モード情報)に基づき、操作パネル101で設定された伝送パラメータとパソコン119で設定された伝送パラメータの内の一方を選択する。
例えば、伝送モード選択部1001aに入力される設定モード情報が操作パネル設定モードである旨の情報であるとき、操作パネル101で設定された伝送モードを伝送モード選択部1001aは選択する。逆に、伝送モード選択部1001aに入力される設定モード情報がリモコン設定モードである旨の情報であるとき、パソコン119で設定された伝送モードを伝送モード選択部1001aは選択する。
そして、選択した伝送パラメータ情報が各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)から動作制御部102と表示制御部117に出力される。また、操作パネル101のチャンネル設定用ツマミ1002cで設定されたチャンネル情報、送信出力設定用ツマミ1002dで設定された送信出力情報も動作制御部102と表示制御部117に出力される。動作制御部102は、各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)が選択した伝送パラメータ情報、チャンネル設定用ツマミ1002cで設定されたチャンネル情報、送信出力設定用ツマミ1002dで設定された送信出力情報に基づいて、前述の通り、各信号処理部(シングルQAM方式処理部107、OFDM方式処理部108、アナログ方式処理部110)を制御する。
一方、表示制御部117は、各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)が選択した伝送パラメータ情報、チャンネル設定用ツマミ1002cで設定されたチャンネル情報、送信出力設定用ツマミ1002dで設定された送信出力情報を操作パネル101の表示部1004及びパソコン119に表示させる。更に、表示制御部117には、リモート設定スイッチ1003からの各伝送パラメータの設定モード情報(操作パネル設定モードかリモコン設定モードであるかの情報)も入力されることにより、各伝送パラメータを操作パネル101の表示部1004及びパソコン119に表示させるように表示制御部117が制御する際、設定モード情報に応じて伝送パラメータの表示形態を切り換えて表示させる。例えば、リモコン設定モードのときは先頭に*を付けて伝送パラメータを表示させるのに対し、操作パネル設定モードのときは先頭に*を付けずに伝送パラメータを表示させることで、操作パネル101の表示部1004及びパソコン119に表示された各伝送パラメータは、操作パネル設定モードで設定されるかリモート設定モードで設定されるかを操作者が把握することができる。その結果、例えば、送信側伝送装置をヘリコプタに搭載し、受信側伝送装置を基地局に設置して運用する場合、送信側伝送装置をヘリコプタに搭載する前に、送信側伝送装置の各伝送パラメータの設定モードを確認することができる。
各伝送パラメータの設定モードに関し、ヘリコプタ搭載前の事前確認が可能となったことにより、ヘリコプタ搭載後の伝送パラメータの設定をパソコン119から行うようにすることができる。更に、リモート設定モードである場合、設定モード切換部116内のパラレル/シリアル切換部1005により、パソコン119出力の各伝送パラメータ情報がパラレル出力されるかシリアル出力されるかについての情報も表示制御部117に送出される。この送出により、表示制御部117は、パソコン119で設定された伝送パラメータを表示させるとき、この伝送パラメータはパラレル出力されたものかシリアル出力されたものであるかについても、操作パネル101の表示部1004及びパソコン119に表示させるよう制御する。
以上、送信側伝送装置での設定モードの切換について説明したが、受信側伝送装置の設定モードの切換についても同様にして、図11の通り、各選択部1101(伝送モード選択部1101a、プリセットデータ選択部1101b)が対応する伝送パラメータの設定モード情報(リモート設定スイッチ1103で設定される設定モード情報)に基づいて、操作パネル201の各設定用ツマミ(伝送モード設定用ツマミ1102a、プリセット値設定用ツマミ1102b)で設定された伝送パラメータとパソコン219で設定された伝送パラメータの内の一方を選択する(プリセット値設定用ツマミ1102bでプリセット値を設定することにより、メモリ(例えば、EEPROM(Electricity Erasable Programmable Read-only Memory))1106にはプリセット値と伝送モード、チャンネル以外の各伝送パラメータとの関係のデータテーブルがあらかじめ記憶されているため、CPU1107は設定したプリセット値に対応する各伝送パラメータをプリセットデータ選択部1101bに送出する)。そして、各選択部1101(伝送モード選択部1101a、プリセットデータ選択部1101b)が選択した伝送パラメータ情報、チャンネル設定用ツマミ1102cで設定されたチャンネル情報に基づいて、動作制御部202は各信号処理部(シングルQAM方式処理部207、OFDM方式処理部208、アナログ方式処理部209)を制御する。一方、表示制御部217は、各選択部1101(伝送モード選択部1101a、プリセットデータ選択部1101b)が選択した伝送パラメータ情報、チャンネル設定用ツマミ1102cで設定されたチャンネル情報を操作パネル201の表示部1104及びパソコン219に表示させる。更に、表示制御部217には、各伝送パラメータの設定モード情報(操作パネル設定モードであるかリモコン設定モードであるかの情報)も入力されることにより、各伝送パラメータを操作パネル201の表示部1104及びパソコン219に表示させるように表示制御部217が制御する際、設定モード情報に応じて伝送パラメータの表示形態を切り換えて表示させることで、例えば、リモート設定モードのときは先頭に*を付けて伝送パラメータを表示させるのに対し、操作パネル設定モードのときは先頭に*を付けずに伝送パラメータを表示させることで、操作パネル201の表示部1104及びパソコン219に表示された各伝送パラメータは、操作パネル201で設定されたかそれともパソコン219で設定されたかを操作者が把握することができる。更に、リモコン設定モードである場合、設定モード切換部216内のパラレル/シリアル切換部1105により、パソコン219出力の各伝送パラメータ情報がパラレル出力されるかシリアル出力されるかについての情報も表示制御部217に送出される。この送出により、表示制御部217は、操作パネル201の表示部1104及びパソコン219に、パソコン219で設定された伝送パラメータを表示させるとき、この伝送パラメータはパラレル出力されたものかシリアル出力されたものであるかについても表示させるよう制御する。
以下、操作パネル101、201またはパソコン119、219による伝送パラメータの設定について、図12〜図22を用いて説明する。図12は、送信側伝送装置の操作パネル外観を示す図、図13は、受信側伝送装置の操作パネル外観を示す図、図14は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードがシングルQAM方式である場合での、各プリセット値と各伝送パラメータとの関係の一例を示す図、図15は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードがOFDM方式である場合での、各プリセット値と各伝送パラメータとの関係の一例を示す図、図16は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードをOFDM方式に設定した場合で操作パネルに表示される伝送パラメータの項目を示す図である。図17は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードをOFDM方式に設定した場合で操作パネルに表示される伝送パラメータを示す図、図18は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードをシングルQAM方式に設定した場合での、伝送パラメータ設定時のパソコンの表示画面を示す図、図19は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードをOFDM方式に設定した場合での、伝送パラメータ設定時のパソコンの表示画面を示す図、図20は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードがシングルQAM方式のときに設定された伝送パラメータがパソコンに表示されたときの表示画面を示す図、図21は、送信側伝送装置及び受信側伝送装置の伝送モードがOFDM方式のときに設定された伝送パラメータがパソコンに表示されたときの表示画面を示す図、図22は、パソコンによりプリセット値と各伝送パラメータとの関係を設定するときの表示画面(プリセット表示画面)を示す図である。まず、送信側伝送装置の操作パネル101で伝送パラメータを設定する場合で説明する。送信側伝送装置の操作パネル101は、図12の通り、伝送パラメータを表示する表示部1004(図10に記載の表示部1004)と、表示部1004の表示項目を切り換えるUPスイッチ1201及びDOWNスイッチ1202と、各伝送パラメータを設定する設定用ツマミ1002(図10に記載の設定用ツマミ1002)を有している。そして、各伝送パラメータを設定するツマミ1002として、伝送モード設定用ツマミ1002a、プリセット値設定用ツマミ1002b、チャンネル設定用ツマミ1002c、送信出力設定用ツマミ1002dを有している。プリセット値設定用ツマミ1002bにより、図8で右上に*の付いた項目の伝送パラメータを設定する。プリセット値設定用ツマミ1002bは、図12の通り、プリセット値として1〜11の値を有しているが、各プリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルがあらかじめ設定モード切換部116内のメモリ1006に記憶されている。例えば、シングルQAM方式の場合では図14の様に、OFDM方式の場合では図15の様にあらかじめメモリ1006に各プリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルが記憶されている。従って、プリセット値設定用ツマミ1002bを操作してプリセット値が所定値となるように設定することにより、各伝送パラメータが設定される。そして、プリセット値設定用ツマミ1002bで設定された各伝送パラメータは、表示制御部117により、伝送モード設定用調整ツマミ1002a、チャンネル設定用調整ツマミ1002c、送信出力設定用調整ツマミ1002dで設定された各伝送パラメータと共に表示部1004及びパソコン119に表示される。なお、表示部1004の表示スペースが限られていることにより、全ての伝送パラメータを同時に表示せず、UPスイッチ1201、DOWNスイッチ1202に対して所定の操作を行ったときに、表示部1004に表示する伝送パラメータの項目を切り換えるようにする。例えば、伝送モード設定用調整ツマミ1002aを操作することにより伝送モードをOFDM方式に設定した場合、図16、図17の通り、UPスイッチ1201、DOWNスイッチ1202の操作によって、表示する伝送パラメータの項目が切り換わる。なお、プリセット値設定用ツマミ1002bで設定される各伝送パラメータに関し、操作パネル設定モードであることにより、プリセット値設定用ツマミ1002bで設定された各伝送パラメータが表示される。そして、先頭に*を付けずに伝送パラメータが表示部1004に表示される。また、パソコン119にもプリセット値設定用ツマミ1002bで設定された各伝送パラメータが表示されるが、表示部1004の表示形態と同様にして、先頭に*を付けずに伝送パラメータが表示される(パソコン119での表示画面については、後で詳述する)。
次に、パソコン119で送信側伝送装置の伝送パラメータを設定する場合について説明する。パソコン119は、伝送パラメータ設定時において、伝送モードがシングルQAM方式に設定された場合には図18の通り、伝送モードがOFDM方式に設定された場合には図19の通り、あらかじめ記憶されている各プリセット値と各伝送パラメータとの関係を示すデータテーブル1801、1901が表示される(データテーブル1801、1901に示すILV等の略称とこれらの略称と対応する各伝送パラメータの項目との関係は、図8、図9の通りである)と共に、プリセット値入力欄1802、1902、書き込みボタン1803、1903が表示される。プリセット値入力欄1802、1902に所定のプリセット値を入力した後、書き込みボタン1803、1903をマウスでクリックすることにより、伝送モード情報と、所定のプリセット値での各伝送パラメータ情報とが送信側伝送装置の設定モード切換部116内の各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)に送出される。そして、リモート設定モードであることにより、送出された伝送モード情報と所定のプリセット値での各伝送パラメータ情報とが各選択部1001(伝送モード選択部1001a、プリセットデータ選択部1001b)で選択される。その結果、表示制御部117により、選択された伝送モード情報と所定のプリセット値での各伝送パラメータ情報が操作パネル101の表示部1004に表示される。なお、パソコン119で設定されたことにより、表示部1004に伝送パラメータを表示する際、図17の通り、先頭に*が付いて表示される。そして、パソコン119で設定された伝送パラメータに関し、パラレル出力されたものかシリアル出力されたものであるかについても表示される。また、伝送パラメータは表示部1004に表示されるだけでなく、パソコン119にも表示される。前述の通り、プリセット値入力欄1802、1902に所定のプリセット値を入力した後、書き込みボタン1803、1903をマウスでクリックすると、パソコン119の表示画面が切り換わる。例えば、図18、図19に示す表示画面がそれぞれ、図20、図21に示す表示画面に切り換わる。図20、図21の通り、パソコン119で伝送パラメータが設定されたことにより、先頭に*が付いて表示される。そして、パソコン119で設定された伝送パラメータに関し、パラレル出力されたものかシリアル出力されたものであるかについても表示される。
前述の通り、操作パネル101のプリセット値設定ツマミ1002bまたはパソコン119で設定する各伝送パラメータについては、プリセット値を所定値とすることにより設定されるが、プリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルについては、前述の通り、伝送パラメータ設定前にあらかじめ設定される。例えば、操作パネル101のプリセット値設定ツマミ1002bで設定されるプリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルについては、設定モード切換部116内のメモリ1006にあらかじめ記憶させることにより、設定される。一方、パソコン119で設定されるプリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルについては、図22(a)、(b)に示すプリセット編集画面上で、プリセット値入力欄2201、2202に所定のプリセット値を入力すると共に、各伝送パラメータの入力欄に所定の伝送パラメータを入力した後、設定ボタン2203、2204をマウスでクリックすることにより、設定される。なお、図22(a)は、伝送モードがシングルQAM方式である場合のプリセット編集画面、図22(b)は、伝送モードがOFDM方式である場合のプリセット編集画面であり、これらのプリセット編集画面は、それぞれ図18、図19に示す伝送パラメータ設定時の表示画面が表示されている状態で編集ボタン1704、1804をクリックすることにより表示される。
以上、送信側伝送装置の各伝送パラメータを、操作パネル101またはパソコン119で設定する場合について説明したが、受信側伝送装置の各伝送パラメータを、操作パネル201またはパソコン219で設定する場合も同様である。受信側伝送装置の各伝送パラメータを、操作パネル201で設定する場合、伝送モード設定用ツマミ1102a、プリセット値設定用ツマミ1102b、チャンネル設定用ツマミ1102cで設定された各伝送パラメータが表示部1104に表示される。なお、プリセット値設定用ツマミ1102bは、図13の通り、プリセット値として1〜11の値を有しているが、図14、図15の通り、各プリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルがあらかじめ設定されていることにより、プリセット値設定用ツマミ1102bで設定されたプリセット値に対応する伝送パラメータが表示部1104に表示される。伝送パラメータを表示するにあたり、表示部1104の表示スペースが限られていることにより、同時に全ての伝送パラメータを表示せず、UPスイッチ1301、DOWNスイッチ1302に対して所定の操作を行ったときに、表示部1104に表示する伝送パラメータの項目を切り換える。なお、操作パネル設定モードであることにより、図17に示す表示形態と異なり、先頭に*を付けることなく、伝送パラメータを表示する。
一方、受信側伝送装置の各伝送パラメータを、パソコン219で設定する場合、伝送パラメータ設定時には、図18、図19の通り、データテーブル1801、1901、プリセット値入力欄1802、1902、書き込みボタン1803、1903が表示されていることにより、プリセット値入力欄1802、1902に所定のプリセット値を入力した後、書き込みボタン1403、1503をマウスでクリックする。その結果、所定のプリセット値での各伝送パラメータが受信側伝送装置の設定モード切換部216内の各選択部1101(伝送モード選択部1101a、プリセット値選択部1101b)に送出される。そして、リモート設定モードであることにより、送出された伝送モード情報と所定のプリセット値での各伝送パラメータ情報とが各選択部1101(伝送モード選択部1101a、プリセット値選択部1101b)で選択される。その結果、表示制御部217により、選択された伝送モード情報と所定のプリセット値での各伝送パラメータ情報が操作パネル201の表示部1104に表示される。なお、パソコン219で設定されたことにより、表示部1104に伝送パラメータを表示する際、図17の通り、先頭に*が付いて表示される。そして、パソコン119で設定された伝送パラメータに関し、パラレル出力されたものかシリアル出力されたものであるかについても表示される。また、伝送パラメータは表示部1104に表示されるだけでなく、パソコン219にも表示される。前述の通り、プリセット値入力欄1802、1902に所定のプリセット値を入力した後、書き込みボタン1803、1903をマウスでクリックすると、パソコン219の表示画面が切り換わる。例えば、図18、図19に示す表示画面がそれぞれ、図20、図21に示す表示画面に切り換わる。図20、図21の通り、パソコン219で伝送パラメータが設定されたことにより、先頭に*が付いて表示される。そして、パソコン219で設定された伝送パラメータに関し、パラレル出力されたものかシリアル出力されたものであるかについても表示される。
前述の通り、操作パネル201のプリセット値設定ツマミ1102bまたはパソコン119で設定する各伝送パラメータについては、プリセット値を所定値とすることにより設定されるが、プリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルについては、前述の通り、伝送パラメータ設定前にあらかじめ設定される。例えば、操作パネル201のプリセット調整ツマミ1102bで設定されるプリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルについては、送信側伝送装置の場合と同様にして、設定モード切換部216内のメモリ1106にあらかじめ記憶させることにより、設定される。一方、パソコン219で設定されるプリセット値と各伝送パラメータとの関係のデータテーブルについては、図22(a)、(b)に示すプリセット編集画面上で、プリセット値入力欄2201、2202に所定のプリセット値を入力すると共に、各伝送パラメータの入力欄に所定の伝送パラメータを入力した後、設定ボタン2203、2204をマウスでクリックすることにより、設定される。なお、図18(a)は、伝送モードがシングルQAM方式である場合のプリセット編集画面、図18(b)は、伝送モードがOFDM方式である場合のプリセット編集画面であり、これらのプリセット編集画面は、それぞれ図18、図19に示す伝送パラメータ設定時の表示画面が表示されている状態で編集ボタン1804、1904をクリックすることにより表示される。
以上のように、本実施例の伝送装置では、各伝送パラメータの設定を、操作パネルからだけでなく、パソコンからでも設定できるようになったことにより、送信側伝送装置をヘリコプタ後方のトランクルームに設置され、受信側伝送装置を基地局に設置して運用した場合であっても、送信側伝送装置に接続され、ヘリコプタ前方の乗務員室に設置されたパソコンを操作することで伝送パラメータを容易に設定することができる。
更に、伝送装置の各伝送パラメータについて、操作パネル設定モードのときとリモート設定モードのときとで表示形態が異なるように操作パネルに表示する(リモート設定モードのときは先頭に*を付けて伝送パラメータを表示するのに対し、操作パネル設定モードのときは先頭に*を付けないで伝送パラメータを表示する)ことにより、ヘリコプタに送信側伝送装置を搭載する前に、各伝送パラメータの設定モードを操作者が操作パネルを見て確認する(例えば、先頭に*が付いているか否かにより各伝送パラメータの設定モードを確認する)ことができる。その結果、ヘリコプタ搭載後に行う伝送パラメータの設定をパソコンから行うようにすることができる。