JP2004535706A - 位置決定を伴なう多モード通信装置 - Google Patents

位置決定を伴なう多モード通信装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、衛星通信システム108,114および地上通信システム120,122の両者と通信することのできる複数の帯域の移動無線通信機(無線通信装置(WCD)とも呼ばれる)102を提供する。衛星通信システムは、低軌道(LEO)衛星通信システムであることができる。地上通信システムは、アナログまたはデジタルベースのいずれのセルラシステムを含むパーソナル通信システム(PCS)またはセルラシステムであることができる。WCDは、地上通信システムと衛星通信システムから信号を同時に受信することができる。また、WCD102,300,470,500,600は、GPS衛星信号のみのような位置決定に有用な信号を受信することができ、あるいはGPSおよび衛星通信信号の両者を同時に受信することができる。
【選択図】図2

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信に関し、とくに、衛星および地上通信システムの両者と通信することができ、無線装置の位置が決定されることのできる衛星位置決定システムからの信号を受信することができる無線電話またはモデムのような無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、種々の地上ベースの無線通信システムおよび種々の衛星ベースの無線通信システムを含む多くの異なったタイプの無線電話または無線通信システムが存在している。種々の地上ベースの無線通信システムは、パーソナル通信サービス(PCS)およびセルラシステムを含むことができる。既知のセルラシステムの例には、セルラアナログアドバンストモービルフォンシステム(advanced Mobil Phone System:AMPS)、ならびに符号分割多元アクセス(CDMA)システム、時分割多元アクセス(TDMA)システム、およびTDMAとCDMAの両テクノロジーを使用する新しいハイブリッドデジタル通信システムのデジタルセルラシステムが含まれる。CDMAセルラシステムは、米国電気通信工業会/電子機械工業会(TIA/EIA)規格IS−95に記載されている。組合せのAMPS & CDMAシステムはTIA/EIA規格IS−98に記載されている。その他の通信システムは、広帯域CDMA(WCDMA)、cdma2000(たとえば、cdma2000 1xまたは3x規格のような)またはTD−SCDMAと呼ばれるものをカバーするIMT−2000/UM、すなわち、インターナショナル・モービル・テレコミュニケーションズ・システム(International Mobile Telecommunications System)2000/(Universal Mobile Telecommunications System)規格に記載されている。
【0003】
例示的なCDMAタイプの衛星通信システムには、48個の低軌道(LEO)衛星のコンステレーション(constellation)と、複数の地上ステーション(地上固定ステーションまたはゲートウェイとも呼ばれる)とが含まれる。ゲートウェイは、複数のLEO衛星によって1以上の既知の通信システムを接続すると共に1以上の衛星ユーザ端末にネットワークする。ゲートウェイとリンクされた地上ベースの通信システムは、たとえば、公衆交換電話網(PSTN)と接続された電話地上ライン、セルラおよびPCSシステム、専用光またはマイクロ波リンク、もしくはインターネットを含むことができる。衛星ユーザ端末は、所望に応じて移動、可搬または固定端末であることができる。
【0004】
典型的に、各衛星ユーザ端末は、多くの衛星との間で受送信をすることができる。これによって、所望のレベルの衛星または空間ダイバーシティが提供される。衛星ユーザ端末はこのような衛星ダイバーシティを使用して、衛星ユーザ端末と任意の所定の衛星との間の視線の遮断を回避することにより衛星通信カバレージを改善する。いくつかのシステムでは、衛星は周波数変換器および中継器としてのみ機能する。それらは変調または復調機能を含まず、あるいは使用しない。ユーザ端末から衛星に送信された信号は、衛星アップリンク信号または周波数と呼ばれる。衛星からユーザ端末に送信された信号は、衛星ダウンリンク信号または周波数と呼ばれる。ベントパイプ(bent-pipe)または簡単な中継器である衛星の観点で見ると、ゲートウェイからユーザ端末に進行する信号は順方向リンク(通信)信号と呼ばれ、ユーザ端末からゲートウェイに進行する信号は逆方向リンク信号(ユーザ端末側から見ると)と呼ばれる。
【0005】
衛星は衛星アップリンク周波数(ユーザ端末の逆方向リンク)を、衛星からゲートウェイに送信されるゲートウェイ・衛星システムのバックホール(back-haul)または順方向リンク周波数に変換する。また、衛星は衛星ダウンリンク周波数を、衛星からユーザ端末に送信(ユーザ端末順方向リンク)されるゲートウェイ衛星システムのバックホールまたは逆方向周波数に変換する。たとえば、ユーザ端末のダウンリンク周波数が2500メガヘルツ(MHz)であり、そのアップリンク周波数が1600MHzである場合、衛星はこれらの周波数における信号を、5100MHzおよび6900MHzのような別の所望されたリンク周波数にそれぞれマップするか、変換する。各衛星のダウンリンクは、地球の表面上のフットプリントに照明する一連のまたは1組の“ビーム”(またはセクタ)を有している。典型的な衛星は16のこのようなビームを使用する。時に、単一の“ビーム”パターンで同じ所定のエリアに照明するために異なった周波数における多くのビームが使用され、それらビームはそれぞれ“サブビーム”と呼ばれる。
【0006】
変調のために擬似雑音(PN)または擬似ランダムコードを使用するCDMA通信システムに対して、各ダウンリンクビーム、および一般に各衛星は、ビーム識別のために別個の擬似雑音(PN)コード位相オフセット値を使用する。各ビーム内において、ビームまたはサブビームチャンネル化に対してウォルシュコードのような直交コードが使用され、各ユーザ端末に関して通信するための一連の個々のコードチャンネルを生成する。実際に、1つの衛星からのビームは、米国等の国全体のような広い地理的領域をカバーすることのできるフットプリントを形成する。衛星は、これもまた一連のまたは1組の、典型的には16本であるビーム(またはセクタ)をパターンで使用して衛星アップリンクまたは逆方向リンク通信信号をユーザ端末から受信する。順方向および逆方向リンクビームパターンは同じである必要はない。
【0007】
例示的なCDMA衛星無線通信システムにおいて、共通の周波数、または異なったビームを規定する周波数のセットは、衛星に対して、あるいは衛星によって送信している各ゲートウェイにより使用される。共通の無線周波数は、多数の衛星によるゲートウェイに対する、あるいはゲートウェイからの同時通信を可能にする。個々のユーザ端末は、長いまたは高いチップレートのPNコードを逆方向通信信号リンク上で使用して、直交またはウォルシュコード(およびサブチャンネル)を順方向通信信号リンク上で使用することによって分離される。高いレートのPNコードおよびウォルシュコードは、ゲートウェイおよびユーザ端末トランシーバから送信された信号を変調するために使用される。送信している端末(ゲートウェイおよびユーザ端末)は、時間的に互いとは異なったPNコードオフセット(および、またはウォルシュコード)を使用することができ、それによって受信している端末において別々に受信されることのできる送信された信号を生成する。
【0008】
各ゲートウェイは、コード位相において別のゲートウェイのパイロット信号からオフセットされた共通のPN拡散コードまたはコード対を有するパイロット信号を送信する。特有のPNコード対は、特定の軌道平面内の衛星を識別するために使用されることができる。さらに、各ゲートウェイは特有の識別するPNコードを有していてもよく、各ダウンリンクビーム(衛星からユーザ端末に)は、その衛星に対する別のダウンリンクビームに関して異なったPNコードオフセットを有する。
【0009】
システム動作期間中、ユーザ端末は衛星コンステレーションのモデルを有し、ユーザ端末は、ユーザ端末に見えるようになった、あるいは見えている各衛星に対する、あるいはゲートウェイに対するPNコードおよびPNコード位相オフセットのリストを提供される。さらに、この明細書において参考文献とされているHarms氏他による米国特許出願第 09/169,358 号明細書(“Multi-Layered PN Code Spreading In A Multi-User Communications System”)に記載されている外部PNコードシーケンスは、ゲートウェイまたは衛星のような特定の信号源を識別するために使用されることができる。このPNコードは、常に見えている衛星の間の、あるいは同じおよび、または異なった軌道を有する衛星の間の時間および位相差を導出するために使用されることができる。ユーザ端末は、多くの軌道上の多くの衛星からのビームを同時に捕捉して追跡するのに有用な素子を備えている。
【0010】
CDMAテクノロジーは、受信された信号を復調し、あるいはデスプレッドするために使用されるPNコードを変更することにより衛星ビーム間でハンドオフを行うメカニズムを提供する。一般に、これは1組のコードの中の1以上のコードを使用し、異なった信号源またはビームの間で使用された異なったコード位相オフセットに一致させるようにそのコードの位相を変更することによって行われることができる。2以上の衛星がユーザ端末の視界内にあるとき、ユーザ端末はその2以上の衛星によってゲートウェイと通信することができる。その結果、衛星の間の呼ハンドオオフは、そのユーザ端末に対するゲートウェイにおいて行われることができる。多くの衛星と通信するこの能力はシステムに衛星(空間とも呼ばれる)ダイバーシティを提供する。樹木、山または建造物がユーザ端末への衛星リンクを遮っている場合、そのユーザ端末は見えている別の衛星にハンドオフすることによって通信リンクをアクティブに維持することができる。
【0011】
例示的な衛星通信システムは、グローバルローミング能力を備えたグローバル通信システムである。最良の通信結果は、ユーザ端末と衛星との間の視線が存在しているときに得られる。ユーザ端末には遮るもののない状態で衛星が見えていることが好ましい。都市および都会環境において、このように遮るものなしに衛星が見えている状態は達成することは困難である。さらに、衛星端末ユーザは、建造物内部で無線モデムを含む無線電話または無線通信装置を使用するほうが便利であることを認識している可能性がある。
【0012】
現在、システムユーザは、INMARSAT衛星端末とセルラホンとを組合せて使用することにより地球上の多くの場所で通信するためのグローバルローミング機能によりあるレベルの移動通信を行うことができる。INMARSAT衛星端末には、それが大型で高価であるという欠点があり、セルラ共通利用を実現することができない。したがって、ユーザは、あまり多くのエリアで動作することのできない第2の通信手段、すなわち、セルラホンを携帯する必要がある。
【0013】
衛星電話を使用してグローバルローミングを行うために別のシステムが利用可能である。しかしながら、このような電話は高価で、比較的大型であり、非常に多くの通信アクセサリを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、衛星システムおよび地上PCSシステムおよび、またはCDMAセルラシステム、TDMAセルラシステム、またはアナログセルラシステムのようなセルラシステムと動作することのできる小型で廉価な移動無線電話または無線通信装置が必要とされている。
【0015】
上述した衛星および地上ベースの通信システムに加えて、移動端末に移動端末位置情報を提供する既知のシステムが存在する。1つのこのようなシステムは、グローバル位置決定システム(GPS)に基づいている。GPSは、地球の表面上のGPS受信機に関する正確で連続した世界的な広い規模の3次元位置情報を提供する。GPSは6つの55°の軌道平面内に24個の衛星を含んでいる。地上ベースのGPS受信機は、GPS衛星に対する眺望が地上の物体(たとえば、建造物、樹木または山)に遮られない限り、複数の、たとえば、少なくとも4個のGPS衛星を地球上のどこからでも見ることができる。
【0016】
動作において、GPS受信機はGPS衛星信号をそのGPS受信機に見えている各GPS衛星から受信する。GPS受信機は、受信された各GPS衛星信号の到達時間(TOA)を決定する。TOAに基づいて、GPS受信機は、GPS受信された信号の受信機−衛星トランジット時間と、対応した受信機−衛星分離距離とを各衛星に対して決定する。GPS受信機は、3つの受信機−衛星分離距離に基づいて地上のGPS受信機の位置を三角測量する。実際には、GPS受信機は第4のディメンション(時間)を使用して地上におけるその位置を計算する。たとえば、GPS受信機にはGPS時間が必要である。GPS時間は、第4のGPS衛星、地上CDMA無線電話基地局および、またはLEO CDMA衛星システムから得られる。
【0017】
それ故、ユーザが地上および、または衛星通信システムと通信することを可能にすると共に、ユーザ(すなわち、移動トランシーバ)の位置を決定することを可能にするように、移動トランシーバ内の地上および、または衛星通信能力を位置決定能力と組合せることが望ましい。
【0018】
このようなトランシーバに関するサイズ、重量および電力要求ならびに費用を最小にすることもまた望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、衛星通信システム108,114および地上通信システム120,122の両者と通信することのできる複数の帯域の移動無線電話機(移動無線通信機および無線通信装置(WCD)とも呼ばれる)を提供する。衛星通信システムはLEO衛星システムであることができる。地上通信システムは、アナログおよびデジタルベースの両セルラシステムを含むPCSおよび、またはセルラシステムであることができる。セルラアナログシステムはAMPSであることができる。デジタルベースのセルラシステムはCDMAシステムであることができる。WCDは、地上通信システムと衛星通信システムから信号を同時に受信することができる。これは、地上通信システムと通信しながら衛星通信システムからページング信号を受信するのに、および衛星カバレージモニタリングを行うのに有用である。また、WCDは1以上のGPS衛星信号のみを受信することができ、あるいはGPSおよび衛星通信信号の両者を同時に受信することができる。
【0020】
WCDは、衛星通信送信チャンネル(衛星送信チャンネルとも呼ばれる)と、地上通信送信チャンネル(地上送信チャンネルとも呼ばれる)とを含んでいる。これらの送信チャンネルはそれぞれが中間周波数(IF)セクションと、周波数アップコンバータまたはミキサと、および無線周波数(RF)セクションとを含んでいる。2つの送信チャンネルのIFセクションは、共通の送信IFコンポーネントを含む共通の送信IF信号路を共用する。
【0021】
WCDは、衛星通信受信チャンネル(衛星受信チャンネルとも呼ばれる)と、地上通信受信チャンネル(地上受信チャンネルとも呼ばれる)と、およびGPS受信チャンネルとを含んでいる。これらの各受信チャンネルはRFセクションと、周波数ダウンコンバータまたはミキサと、およびIFセクションとを含んでいる。これら3つの受信セクションのIFセクションは、共通の受信IFコンポーネントを含む共通の受信IF信号路を共用する。
【0022】
WCDはまた、第1の局部発振器(LO)基準信号を衛星および地上の両通信送信チャンネル、地上通信受信チャンネル、およびGPS受信チャンネルに供給する第1の信号源を含んでいる。第2の信号源は、第1のLO基準信号とは無関係の第2のLO基準信号を衛星通信受信チャンネルに供給する。
【0023】
上述した共通送信および共通受信IF構成、送信路に対して共通の局部発振器ソース、および独立した衛星受信チャンネル局部発振器により、WCDは小型で可搬の把持式無線電話機として都合よく構成されることが可能となる。したがって、WCDのユーザは、たとえば、地上セルラホンと、広域電話カバレージのための大型で高価な衛星電話機およびGPS受信機の3つの異なった装置の代りに、単一の小型無線電話機を便利に携行することができる。
【0024】
上述したように、本発明は、CDMA、TDMAまたはアナログ(たとえば、AMPS)セルラシステムのような衛星システムおよび地上PCS/セルラシステムと動作することのできる小型の廉価な移動トランシーバを有効に提供する。
【0025】
本発明には、ユーザが地上および、または衛星通信システムと通信することを可能にすると共に、ユーザ(すなわち、移動トランシーバ)の位置を決定することを可能にするように、移動トランシーバ内の地上および、または衛生通信能力を位置決定能力と組合せるという利点がある。
【0026】
本発明には、移動トランシーバの異なった動作モードの間でそのトランシーバ内の共通の信号路およびコンポーネントを共用することにより、費用を最少にすると共にサイズ、重量および電力要求を最小にするという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の上述および別の特徴および利点は、添付図面において示されている本発明の例示的な実施形態の以下の特定の説明から明らかになるであろう。
I.概要
図1は、本発明の無線通信装置WCD102が動作することのできる1つの例示的な環境100を示している。環境100には、GPS衛星104のコンステレーション(constellation)が含まれ、各GPS衛星は実質的に静止軌道を占有している。GPS衛星104はRF GPS信号106を地球に向かって送信する。環境100には、通信衛星108のコンステレーションもまた含まれている。衛星108は衛星ベース通信システムの一部である。各衛星108は低軌道を占有することができ、ダウンリンクRF通信信号110を地球に向かって送信する。各衛星108はダウンリンクRF通信信号110を地球に向かって送信する。各衛星は衛星108と適合する地上ベース送信機からアップリンクRF通信信号112を受信することができる。衛星108は、地上ベースのゲートウェイスステーション114と通信する。ゲートウェイスステーション114は、PSTN、インターネット、専用の高速データサービス、光伝送ライン等のような種々の通信システムおよびネットワークとリンクされている。
【0028】
さらに環境100には、地上ベースの通信システムおよびネットワークが含まれている。たとえば、地上ベースの通信システムは、符号120で表されている第1の複数のPCSおよび、またはセルラ通信セルサイト(たとえば、基地局およびアンテナサポート構造)と、符号122で表されている第2の複数のPCSおよび、またはセルラ基地局とを含むことができる。基地局120は、地上ベースのCDMAまたはTDMA(あるいはハイブリッドCDMA/TDMA)デジタル通信システムと関連付けられることができる。したがって、基地局120は地上CDMAまたはTDMAタイプの信号123を移動局またはユーザ端末に送信することができ、TDMAまたはCDMA信号124を移動局またはユーザ端末から受信することができる。地上信号は、IMT−2000/UMT規格(すなわち、インターナショナル・モービル・テレコミュニケーションズ・システム(International Mobile Telecommunications System)2000/ユニバーサル・モービル・テレコミュニケーションズ・システム(Universal Mobile Telecommunications System)規格)にしたがってフォーマット化されることができる。地上信号は広帯域CDMA信号(WCDMA信号とも呼ばれる)、またはcdma2000規格(たとえば、cdma2000 1xまたは3x規格のような)に従った信号、あるいはTD−SCDMA信号であることができる。
【0029】
他方において、基地局122はアナログベースの地上通信システム(AMPSのような)と関連付けられることができる。したがって、基地局122はアナログベースの通信信号126を移動装置に送信することができると共に、アナログベースの通信信号128を移動装置から受信することができる。
【0030】
各無線通信装置は、無線ハンドセットまたは電話機、セルラ電話機、データトランシーバ、またはページングまたは位置決定受信機のような装置を備えているか、あるいは含んでいるが、それらに制限されず、また、所望に応じて車両(自動車、トラック、ボート、列車および航空機を含む)内に取付けられる把持式または可搬式であることができる。しかしながら、無線通信装置は一般に移動体と考えられているが、本発明の教示は、いくつかの構成において“固定された”装置に適用可能であることもまた理解される。さらに、本発明の教示は、データおよび、または音声トラフィックを転送するために使用されることができ、また、たとえば、情報、コマンドまたはオーディオ信号を転送するためにケーブルまたはその他の既知の無線リンクまたは接続を使用して別の装置と通信することのできる1以上のデータモジュールまたはモデムのような無線装置に適用可能である。さらに、多くの通信チャンネルに対して情報を転送するように予め定められた調整または関連付けをなされた方式でモデムまたはモジュールを動作させるために、コマンドが使用されてもよい。無線通信装置はまたいくつかの通信システムにおいて、好みに応じて、時にはユーザ端末、移動局、移動装置、加入者装置、移動無線通信機または無線電話機、無線装置、あるいは単に“ユーザ”および“移動体”と呼ばれる。
【0031】
II.クワド(Quad)モードWCD
図2は、本発明の1実施形態によるWCD102の高レベルブロック図である。WCD102は、以下のモードの任意の1つで動作すると共に、いくつかの状況においては2以上のモードで動作するように構成されることができる:
1.衛星108を介して衛星通信システムと通信する衛星通信モード;
2.地上アナログ通信システムと通信する地上アナログ通信モード;
3.地上デジタル通信システムと通信する地上デジタル通信モード;
4.GPS衛星信号を受信して処理し、WCDのGPSベースの位置を決定するGPS受信モード。
【0032】
このような多モード動作を行うために、WCD102は、以下のマルチモードトランシーバアンテナに結合された独特のマルチモードトランシーバ202を備えている:
1.RF信号112を衛星108に送信するための送信アンテナ204;
2.RF信号110を衛星108から受信するための受信アンテナ206;
3.RF信号124/128を上述の関連した地上通信システムに送信すると共にRF信号123/126をその地上通信システムから受信するための鞭形またはヘリカルアンテナのような共通の送信/受信アンテナ208;
4.RF GPS衛星信号106をGPS衛星108から受信するためのパッチアンテナのようなGPSアンテナ210。
【0033】
マルチモードトランシーバ202は、衛星通信送信チャンネル214(衛星送信チャンネル214とも呼ばれる)および衛星通信受信チャンネル216(衛星受信チャンネル216とも呼ばれる)を有する衛星通信トランシーバ212を備えている。衛星送信チャンネル214は、RF送信信号218を生成すると共にRF送信信号をアンテナ204に供給するベースバンド、IFおよびRF信号処理セクション(パスとも呼ばれる)を有している。受信アンテナ206は、RF受信された信号220を衛星受信チャンネル216に供給する。この衛星受信チャンネル216は、受信された信号を処理するためのRF、IFおよびベースバンドコンポーネントを有している。
【0034】
マルチモードトランシーバ202はまた、地上通信送信チャンネル224(地上送信チャンネル224とも呼ばれる)および地上通信受信チャンネル226(地上受信チャンネル226とも呼ばれる)を有する地上モードトランシーバ222を備えている。地上送信チャンネル224は、RF送信信号227を生成すると共にRF送信信号を共通のアンテナ208に供給するRF、IFおよびベースバンド信号処理セクションを有している。衛星送信チャンネル214および地上送信チャンネル224は、以下さらに詳細に説明するようにトランシーバ202内の共通のIFおよびベースバンド信号路を共用する。共通のアンテナ208はまたRF受信された信号228を地上受信チャンネル226に供給する。地上受信チャンネル226は、受信された信号228を処理するためのRF、IFおよびベースバンド信号処理セクションを有している。別の実施形態では、分離した受信および送信アンテナが共通アンテナ208に置換されることができる。
【0035】
WCD102は典型的にGPS受信チャンネル230を有している。このGPS受信チャンネル230はRF GPS受信された信号232をGPSアンテナ210から受信し、RF、IFおよびベースバンド信号処理セクションを使用してその受信された信号を処理する。GPS受信チャンネル230、衛星受信チャンネル216および地上受信チャンネル226は、以下さらに詳細に説明するように、トランシーバ202内の共通のIFおよびベースバンド信号路を共用する。
【0036】
図3A−1および3A−2は、1実施形態によるWCD102の詳細なブロック図である。
【0037】
A.衛星通信送信チャンネル
WCD102は、RF送信信号112を生成する衛星送信チャンネル214(図2に示されている)を有している。図3A−1および3A−2を参照とすると、衛星送信チャンネル214は、RF送信信号112に対応したIF送信信号312を生成するベースバンドプロセッサ(BBP)310を備えている。このBBP310は、IF信号312を差送信IF信号として生成することが好ましい。また、IF信号312は228.6MHzの例示的なIF送信周波数を有している。BBP310はIF送信信号312を、共通IF利得設定制御増幅器314を含む共通送信IF信号路(共通送信IFセクションとも呼ばれる)に供給する。この利得設定制御増幅器314はIF信号312を増幅し、その増幅されたIF信号を共通IF信号経路設定機構316の入力に供給する。AGC増幅器314および経路設定機構316は差動であることが好ましいが、そうである必要はない。経路設定機構316はIFスイッチであることができ、このIFスイッチはその入力において、増幅されたIF信号を、そのスイッチに供給された経路路設定(モード)選択信号(示されていない)に基づいて、
1.衛星送信チャンネル214の衛星IF路318 または
2.地上送信チャンネル224の地上IF路319(以下にさらに詳細に説明される)
のいずれかに選択的に経路設定する。
【0038】
衛星通信送信通信が所望されたとき、スイッチ316は増幅されたIF信号をスイッチの入力において衛星IF路318に経路設定する。この衛星IF路318は、表面弾性波(SAW)フィルタであることのできるIFバンドパスフィルタ(BPF)320の入力に至る。BPF320は、経路設定機構316によりそのBPFに経路設定されたIF信号をバンドパスフィルタ処理する。BPF320は、増幅され、フィルタ処理されたIF信号をミキサ322に供給する。ミキサ322はその増幅されてフィルタ処理されたIF信号を、このミキサ322に供給された第1の局部発振器(LO)基準信号326に基づいて、RF送信信号324に周波数上方変換する。RF送信信号324は、衛星通信周波数送信(WCDから衛星への)帯域に対応した周波数を有している。
【0039】
ミキサ322は、RF信号324を衛星送信チャンネル214のRF送信セクションに供給する。RF送信セクションには、RF信号処理コンポーネント:RF信号324をフィルタ処理する第1のRF BPF326と、BPF326により生成されたフィルタ処理されたRF信号を増幅するRF増幅器328と、RF増幅器328により生成された増幅されたRF信号をさらにフィルタ処理する第2のRF BPF330と、BPF330により生成されたRF信号をさらに増幅するRF電力増幅器332とが含まれ、それらは直列接続されている。RF送信セクションはほぼ50dBのRF利得を有することができ、あるいは特定の適用に対しては所望のRF利得を有することができる。RF電力増幅器332は、電力増幅されたRF信号218を衛星送信アンテナ204に供給する。衛星送信アンテナ204はRF信号218をRF衛星送信信号112として送信する。
【0040】
B.地上通信送信チャンネル
地上送信チャンネル224は、ベースバンドプロセッサ(BBP)310と、IF利得制御増幅器314と、およびIF信号経路設定機構316とを、上述した衛星送信チャンネル214と共用する。このようなIF共通性にはトランシーバ費用と、スペースおよび電力要求を減少させる利点がある。地上モードにおいて、BBP310は、この場合には、地上RF送信信号124/128に対応したIF送信信号312を利得設定制御増幅器314に供給する。地上送信通信が所望されたとき、IFスイッチ316は、増幅器314により生成された増幅されたIF信号を地上送信IF路319に、およびしたがってミキサ334に経路設定する。ミキサ322と同様に、ミキサ334は、このミキサに供給されたLO基準信号326に基づいて送信IF信号の周波数をRF送信信号336に上方変換する。
【0041】
ミキサ334はRF送信信号336を地上送信チャンネル224のRF送信セクションに供給する。このRF送信セクションには第1のRF BPF338、RF増幅器340、第2のRF BPF342、およびRF電力増幅器344が含まれ、それらは直列接続されている。BPF338および342は、それによってフィルタ処理される、アナログまたはデジタルセルラ、PCS、cdma2000 1xまたは2x、あるいはWCDMA信号等のような地上送信信号と適合する周波数帯域幅を有している。電力増幅器344は電力増幅された地上RF信号をデュプレクサ346の入力に供給する。RF送信セクションは、衛星送信チャンネル214のRF送信セクションのものに類似した全体的なRF利得を有することができる。
【0042】
デュプレクサ346は、地上RF送信および受信信号を互いから分離するRF送信および受信フィルタセクションを備えている。これは、共通の地上アンテナ208において地上RF送信および受信信号124/128および123/126が結合されているために行われる。デュプレクサ346は、フィルタ処理され、電力増幅された地上RF送信信号(たとえば、RF信号226)を共通アンテナ208に供給する。分離した地上RF送信および受信アンテナを備えている別の実施形態において、デュプレクサ346は除去されることができる。
【0043】
別の実施形態は分離した衛星および地上RF送信セクションを、地上モード周波数および衛星周波数の両方を増幅する単一の広い帯域のRF電力増幅器を含む単一のRF送信路で置換する。しかしながら、この実施形態では、衛星または地上のどちらの送信モードが選択されたかに応じて、衛星および地上RFフィルタが単一の送信路に切替えられなければならない。
【0044】
C.衛星通信受信チャンネル
衛星受信チャンネル216(図3の左下に示されている)において、アンテナ206は低いパワーの受信されたRF信号220をRFセクションに供給し、このRFセクションは直列接続されたRFコンポーネント:RFセクションのオーバードライブを回避するために受信されたRF信号220からの干渉(イメージ帯域周波数、PCSおよび、またはセルラ信号を含む地上信号、および衛星送信チャンネル214により生成された送信信号218のような)をフィルタ処理するBPF352と、このBPF352により生成されたフィルタ処理されたRF信号を増幅する第1の低雑音増幅器(LNA)354(25dBの例示的なRF利得を有している)と、このLNA354により生成された増幅されたRF信号をフィルタ処理する第2のRF BPF356と、およびこのBPF356により生成されたフィルタ処理されたRF信号をさらに増幅する第2のLNA358とを含んでいる。
【0045】
ミキサ360はこのミキサ360に供給されたLO基準信号364に基づいて、調整されたRF信号をIF信号362に周波数下方変換する。受信されたIF信号362は、ほぼ186.3MHzの例示的なIF周波数を有している。ミキサ360は好ましくは差のIF信号をIF増幅器366に供給し、このIF増幅器366がIF信号を増幅する。この増幅器366は増幅されたIF信号を第1の受信された信号路368に、およびしたがってIF信号経路設定機構370の第1の入力に供給する。この経路設定機構370は、以下さらに詳細に説明するように、GPS受信チャンネル230および地上受信チャンネル244に関連付けられた第2の受信されたIF信号路372に結合された第2の入力を備えている。
【0046】
経路設定機構370はIFスイッチであることができ、このスイッチはその出力に結合された共通出力の受信されたIF路374に対して、通路368内のIF信号または通路372内のIF信号のいずれかを選択的に経路設定する。衛星受信通信が所望されたとき、スイッチ370は通路368内のIF信号を共通出力路374に、したがって共通IF BPF376に経路設定する。このBPF376は、SAWフィルタであることができる。IF BPF376は、それによってフィルタ処理される衛星信号の周波数帯域幅と適合する周波数帯域幅を有している。また、BPF376は、それによってフィルタ処理される受信された地上信号の周波数帯域幅と適合する周波数帯域幅を有している。
【0047】
たとえば、BPF376は、cdma2000 1x信号(ほぼ1.25MHzの帯域幅を有する)に対してほぼ1.5MHzの帯域幅を有し、WCDMA信号(ほぼ4.96MHzの帯域幅を有する)に対してほぼ5MHzの帯域幅を有し、cdma2000 3x信号(ほぼ3.75MHzの帯域幅を有する)に対してほぼ4MHzの帯域幅を有している(その代りに、WCDMAおよびcdma2000の両信号をフィルタ処理するために5MHzの帯域幅のIFフィルタが使用されることができる)。BPF376は、フィルタ処理されたIF信号をIF AGC増幅器378に供給する。このAGC増幅器378は、増幅されたIF信号をAGC結合増幅器380に供給する。このAGC結合増幅器380は、IF信号381を共通IF信号路382を介してベースバンドプロセッサ310に供給する。上述した受信されたIF信号処理コンポーネントおよび関連したIF受信された信号は全て、差動であることが好ましいが、そうである必要はない。
【0048】
D.GPS受信チャンネル
GPS受信チャンネル230において、アンテナ210はGPS RF受信された信号232をRF GPS受信セクションに供給し、このRF GPS受信セクションはRF BPF386およびLNA388を備えている。BPF386はLNA388のオーバードライブを回避するために、GPS RF受信された信号232からの、イメージ帯域周波数ならびに地上PCSおよび、またはセルラ信号のような干渉をフィルタ処理する。GPS受信モードのときには、干渉をさらに減少させるために衛星送信チャンネル214は不活性にされることができる。BPF386はフィルタ処理されたRF GPS信号をGPS LNA388に供給する。LNA388は増幅されたGPS RF信号をミキサ390に供給する。
【0049】
ミキサ390は、GPS RF信号をGPS IF信号392に周波数下方変換する。ミキサ390はIF信号392を第2のIF信号路372(衛星受信チャンネル216との関係で上述された)に供給し、したがってIFスイッチ370の第2の入力に供給する。GPS受信が所望されたとき、スイッチ370はIF信号392を共通のBPF376、AGC増幅器378、AGC結合増幅器380に、およびしたがってBBP310に経路設定する。
【0050】
E.地上受信チャンネル
地上受信チャンネル226において、共通アンテナ208は地上受信されたRF信号228(地上信号124/126に対応した)をデュプレクサ346に供給する。デュプレクサ346は、地上受信されたRF信号を地上受信チャンネルのRFセクションに供給し、このセクションにはRF信号処理コンポーネント:LNA396、RF BPF398および選択的RF信号経路設定機構400が含まれており、これらは直列接続されている。経路設定機構400はRFスイッチであることができ、このスイッチはこれに供給された選択制御信号(示されていない)に基づいて、そのスイッチの入力でRF信号を第1のRF信号出力路402または第2のRF信号出力路404のいずれかに選択的に経路設定する。
【0051】
1.地上受信アナログサブチャンネル
地上受信チャンネル226は、第1のスイッチされるRF出力路402と関連付けられた第1のサブチャンネルを含んでいる。1実施形態において、この第1のサブチャンネルは、AMPS信号のようなセルラアナログ信号を受信して処理することができる。セルラアナログモードでは、RFスイッチ400はスイッチされたRF信号を通路402に、およびしたがって第1のサブチャンネル内のミキサ406に供給する。ミキサ406は、スイッチされたRF信号をこのミキサ406に供給されたLO基準信号326に基づいてIF信号408に周波数下方変換する。ミキサ406はIF信号408をBPF410に供給し、このBPF410はSAWフィルタであることができる。BPF410はフィルタ処理されたIF信号をIF AGC増幅器412に供給し、この増幅器412は増幅されたIF信号をAGC結合増幅器380に供給する。AGC結合増幅器380は、増幅されたIF信号(IF信号381で表されている)をベースバンドプロセッサ310に供給する。RFスイッチ400およびIFスイッチ370が図3に示されているポジションにされているとき、WCD102は地上アナログ信号と衛星信号を同時に受信して処理することができる。
【0052】
2.地上受信機デジタルサブチャンネル
地上受信機チャンネル226はまた、第2のスイッチされるRF出力路404と関連付けられた第2のサブチャンネルを含んでいる。1実施形態において、この第2のサブチャンネルは、セルラCDMAまたはTDMAデジタル信号を受信して処理する。デジタルセルラモードでは、RFスイッチ400はスイッチされたRF信号を通路404に、およびしたがって第2のサブチャンネル内のミキサ414に供給する。ミキサ414はスイッチされたRF信号を、受信されたIF信号416に周波数下方変換する。ミキサ414はIF信号416をIF受信路372に、およびしたがってIFスイッチ370の第2の入力に供給する。デジタルセルラモードにおいて、スイッチ370はIF信号416を出力路374に経路設定し、したがってBPF376、AGC増幅器378およびAGC結合増幅器380に経路設定する。
【0053】
上述したように、地上受信機チャンネル226、衛星受信チャンネル216、およびGPS受信チャンネル230は共通差動IF信号路およびIFコンポーネントを共用する。このような構成には、費用と受信機のスペースおよび電力要求を減少させるという利点がある。これは、把持式移動適用においてとくに有効である。
【0054】
送受信路内のRFスイッチ400ならびに差動IFスイッチ316および370は、ダイオード、トランジスタ、電界効果トランジスタ(FET)、機械的リレーおよび、または別のスイッチング装置を使用して構成されることができる。別の構成においては、差動スイッチは差動電力分割装置および差動電力結合装置で置換される。さらに、地上および衛生受信チャンネルは、中間周波数が異なっている場合には差動ダイプレクサを使用して結合されることができる。
【0055】
F.局部発振器
WCD102は、LO基準信号326を生成する基準信号源417を含んでいる。1実施形態において、信号源417は、デュアルバンド(dual-band)位相ロックループ(PLL)のようなデュアルバンド周波数シンセサイザである。信号源417は、基準信号326を各ミキサ322、334、390、406および414の各LO入力に供給するようにLO出力を1以上の電力分割装置(示されていない)に供給する。このようにして、信号源417はLO基準信号を衛星送信チャンネル214、地上送信および受信チャンネル224および226、GPS受信チャンネル230に供給する。
【0056】
WCD102はまた、LO基準信号364を生成する第2の基準信号源418を含んでおり、それは周波数シンセサイザ/PLLであることができる。したがって、第2の信号源418はLO基準信号364を衛星送信チャンネル216に供給する。本発明においては、信号源417および418は無関係に制御されるため、対応的にLO基準信号326および364は独立して制御される。これは、互いに依存する周波数を有する送信および受信基準信号を生成する送信および受信LO信号源を備えたいくつかの既知のトランシーバと対照的である。
【0057】
本発明において、信号源417および418の独立した制御は、地球の異なった地理的領域に関連する異なった送信および受信周波数スペクトラム割当に有効に適応する。たとえば、第1の国は2480MHzから2490MHzまでの衛星受信周波数スペクトラムおよび1615MHzから1617MHzまでの衛星送信周波数スペクトラムを割当ててもよい。第2の国は異なった割当てを行ってもよい。たとえば、第2の国は2485MHzから2491MHzまでの衛星受信周波数スペクトラムおよび1610MHzから1613MHzまでの衛星送信周波数スペクトラムを割当てることができる。このような状況において、独立した送信および受信LO周波数制御を使用することで異なった周波数スペクトラム割当が容易に適応されるため、本発明はグローバルローミングに対する最大のフレキシビリティを通信システムオペレータに提供する。さらに、衛星受信機は、独立的に、および地上受信および送信チャンネルと同時に動作することができる。
【0058】
同様に、LO信号源417および418の独立した周波数制御は、WCDの全世界的な地上動作を可能にすることができる。たとえば、信号源417および418は、たとえば、米国、日本、韓国、中国および欧州等における地上送信および受信スペクトラム割当と適合する周波数を有する各LO基準信号326および364を生成することができる。
【0059】
G.周波数計画
WCD102は、衛星および地上の両送信チャンネル214および216に共通の228.6MHzの例示的な送信IF周波数を有している。WCD102は、送信IF周波数より45MHz低い183.6MHzの例示的な受信IF周波数を有している。この45MHzの周波数オフセットは、米国におけるセルラ送信および受信周波数帯域の間における45MHz周波数オフセットに対応している。その代りに、WCD300は、130.38MHzの第2の例示的な送信IF周波数および85.38MHzの対応した第2の例示的な受信IF周波数を有している。
【0060】
組合せられた衛星通信およびGPS受信モードにおいて、WCD102は、例示的なLEO CDMA衛星通信システムと通信すると同時にGPS衛星信号を受信することができる。したがって、衛星受信チャンネル216は衛星ダウンリンク信号を周波数範囲2480−2500MHzで受信する。衛星送信チャンネル214は衛星アップリンク信号を周波数範囲1610−1622MHzで送信する。
【0061】
たとえば、1620.42MHzの衛星システムの逆方向チャンネル(すなわち、送信/アップリンク)の周波数(または30KHzのチャンネルステップサイズにおけるチャンネル327)と、228.6MHzの送信IF周波数を仮定すると、LO基準信号326の周波数(すなわち、衛星送信LO周波数)は以下の関係にしたがって決定されることができる:
衛星送信LO=1620.42−228.6MHz=1391.82MHz,またはその代わりに、
衛星送信LO=1620.42−130.38MHz=1490.04MHz
LO基準信号326の別の周波数が可能である。
【0062】
GPS受信モードにおいて、GPS受信チャンネル230はほぼ1575.42MHzの周波数を有するGPS信号を受信し、受信されたIF信号は183.6MHzの周波数を有すると仮定すると、LO基準信号364の周波数は以下の関係にしたがって決定されることができる:
GPS周波数−衛星送信LO周波数=1575.42−1391.82MHz
=183.6MHz(受信機IF)
【0063】
地上デジタルまたはアナログ通信モードにおいて、WCD102はセルラ信号の送信および受信を行うことができる。上述したように、デュプレクサ346はセルラ送信信号227をセルラ受信された信号228から分離するように構成されている。1実施形態において、米国セルラスペクトラム割当に対応して、セルラ送信周波数(たとえば、825乃至845MHz)は対応したセルラ受信周波数(たとえば、870乃至890MHz)より45MHz低い。したがって、デュプレクサ346は、送信および受信フィルタセクションがそれぞれセルラ送信および受信周波数と一致するように、周波数において45MHzだけ互いからオフセットされた送信および受信フィルタセクションを備えている。さらに、WCD102において使用される送信および受信IF周波数は互いから45MHzだけオフセットされているので、セルラ送信および受信周波数の間の45MHzの周波数オフセットに対応する。
【0064】
別の実施形態は、PCS、GSM、ETACS、またはTACSシステムのような別の地上システムにより使用されることができる。たとえば、米国における例示的なPCS送信周波数帯域は、セルラ周波数より高い範囲に、あるいは1850乃至1910MHzのPCS専用送信周波数範囲に対応することができる。同様に、米国における例示的なPCS受信周波数帯域はセルラ周波数より高い範囲に、あるいは1930乃至1990MHzのPCS専用受信周波数範囲に対応することができる。別の実施形態は、上述した送信/受信IF周波数オフセットを適切に調節することによって、および受信および送信フィルタセクションの間の適切な対応した周波数オフセットを有するデュプレクサを使用することによって、別の地上システムにおける異なった送信/受信周波数オフセットに適応することができる。たとえば、別の実施形態は、上述されたものとは異なったIF受信および送信周波数を適宜使用することができる。
【0065】
H.トランシーバ送信電力制御
送信IF利得制御増幅器214と、受信IF AGC増幅器378、380および412は、WCD102における開および閉ループ電力制御の両方に使用されることができる。開ループ電力制御とは、WCD102において排他的に実施される電力制御のことである。他方、閉ループ電力制御は、たとえば、ゲートウェイまたは地上基地局等によってWCD102に送信されたコマンドをとくに使用して実施される電力制御を示す。地上通信の一例であるCDMA開ループ電力制御は、この明細書において参考文献とされ、Gilhousen氏他に交付された米国特許第 5,056,109号明細書に記載されている。
【0066】
1.地上モード電力制御
1実施形態において、本発明は、上述された送信および受信IF AGC増幅器を使用して地上通信モードで閉ループ電力制御を行う。以下の例示的なプロセスは、閉ループ電力制御を行うために使用されることができる。最初に、地上信号123/126がWCD102によって受信されたとき、受信IF AGC増幅器412、378および380の各利得は、AGC増幅器380が受信されたIF信号381を適切なパワーレベルでBBP310に供給するように調節されることができる。IF信号381が適切なパワーレベルであるとき、WCD102は受信された信号を適切に復調することができ、受信された信号パワーレベルを評価することができる。
【0067】
次に、送信IF AGC増幅器314の利得は、たとえば、送信RF信号226のパワーレベルが評価された受信された信号のパワーレベルより予め定められた量だけ低くなるように調節されることができる。この送信パワーレベルはさらに調節されて、たとえば、地上基地局によってWCD102に送信された送信パワー補正データに基づいて増加され、あるいは減少されることができる。1実施形態においては、利得設定制御増幅器314の利得は、RF信号226の送信パワーレベルが受信されたパワーレベルより73デシベル(dB)高くなるように調節される。
【0068】
閉ループ電力制御は、以下の式にしがって実施されることができる:
平均送信出力電力=k−平均受信電力+0.5*NOM PWR+0.5*INIT PWR
+全てのアクセスプローブ電力補正の和+全ての閉ループ電力制御補正の和
ここで、NOM PWRおよびINIT PWRは、それぞれ0dBで正規に設定されたシステムパラメータ(公称および初期電力)である。アクセスプローブ電力および閉ループ電力制御補正はそれぞれ、システムアクセスをリクエストしたユーザ端末または移動局からの信号に対するパワーレベルに関する、基地局から受信されたデータ、および閉ループ受信された信号パワーレベル表示である。
パラメータkは、次式によって与えられるターンアラウンド(Turn‐Around)定数である:
k=(Pt)c−134+(NF)c+10・Log(1+ζ1+ζ2)−10・Log(1−X)
ここで、
(Pt)cは基地局送信パワーであり、
(NF)cは基地局受信機雑音指数であり、
ζ1+ζ2は別の基地局からの干渉パワー比率であり、
Xはセル負荷ファクタである。
通常、ターンアラウンド定数kは−73dBである。
【0069】
2.衛星モード電力制御
衛星通信モードは一般に、地上通信モードで使用されるものとは異なった電力制御メカニズムを使用する。この場合、送信されたアップリンク信号112のパワーレベルは、受信されたダウンリンク信号110のパワーレベルとは無関係である可能性がある。送信された信号のパワーレベルは一般にゲートウェイ114によって制御される。ゲートウェイ114はWCD102にアップリンク信号112のパワーレベルを増加または減少するように指令し、その結果このゲートウェイ114はアップリンク信号(WCDにより送信された)を予め定められたまたは所望のパワーレベルで受信する。しかしながら、WCD102は受信された信号のパワーレベルを、それの相対送信パワーを調節するための基準として使用することができる。
【0070】
I.ベースバンド処理機能
1.送信方向
WCD102のユーザは、マイクロホン420を使用してオーディオ入力をWCDに供給することができる。マイクロホン420はアナログオーディオ信号422をオーディオプロセッサ424に供給する。このオーディオプロセッサ424はオーディオ信号をデジタル化して処理し、デジタルオーディオ送信信号を生成する。オーディオプロセッサ424はデジタルオーディオ送信信号を2方向性デジタルバス430によって制御装置およびメモリ428に供給する。制御装置およびメモリ428はデジタルオーディオ送信信号を第2の2方向性デジタルバス434によってユーザモデム432に接続する。このモデム432は、選択された送信モード(たとえば、衛星送信モードまたは地上送信モード)にしたがってデジタルオーディオ送信信号を変調し、変調されたデジタルベースバンド送信信号436を生成する。この信号436は、I(同位相)およびQ(直交)の両成分を含んでいる。オーディオプロセッサ424、制御装置およびメモリ428、ならびにモデム432は一緒にWCD102のデジタルベースバンドセクション(DBS)を形成している。
【0071】
モデム432はデジタルベースバンド送信信号426をBBP310のベースバンド入力438に供給する。このベースバンド入力438はデジタルベースバンド送信信号をデジタルアナログ変換器(DAC)440に供給する。DAC440はデジタルベースバンド送信信号436をアナログベースバンド送信信号に変換する。このDAC440はアナログベースバンド送信信号をミキサ442に供給する。ミキサ442は、このミキサに供給された基準信号444aに基づいてアナログベースバンド送信信号をIF送信信号312に周波数上方変換する。
【0072】
2.受信方向
受信方向において、AGC結合増幅器380は受信されたIF信号381をBBP310のミキサ446に供給する。ミキサ446は受信されたIF信号381を周波数下方変換して、このミキサ446に供給された基準信号444bに基づいてベースバンドアナログ受信信号を生成する。ミキサ446はベースバンドアナログ受信信号をアナログデジタル変換器(ADC)448に供給する。このADC448はベースバンドアナログ受信信号をデジタル化し、デジタルベースバンド受信信号450を生成する。この信号450は、I(同位相)およびQ(直交)の両成分を含んでいることができる。BBP310はデジタルベースバンド受信信号450をユーザモデム432に供給する。ユーザモデム432はデジタルベースバンド受信信号450を復調し、復調されたデジタル信号を生成する。このモデム432は復調されたデジタル信号をデジタルバス434によって制御装置およびメモリ428に供給する。制御装置およびメモリ428は復調されたデジタル信号をデジタルバス430によってオーディオプロセッサ424に接続する。オーディオプロセッサ424は復調されたデジタル信号をアナログ信号452に変換する。オーディオプロセッサ424はアナログ信号452をスピーカ454に供給する。
【0073】
3.ベースバンドプロセッサ
図3Bには、CDMAおよびFMタイプの通信システムまたは信号処理において使用され、本発明の実施形態を実施するのに有用なベースバンドプロセッサ310’’’のさらに詳細な図が示されている。図3Bにおいて、ユーザモデム387’はIおよびQ成分RXデータ信号450aおよび450bをそれぞれ受信し、IおよびQ成分TXデータ信号436aおよび436bをそれぞれ出力する。
【0074】
送信に対して、信号436aおよび436bはそれぞれDAC素子440aおよび440bへの入力であり、これらの素子は、ローパスフィルタおよびミキサ442aおよび442bに出力されるアナログ信号をそれぞれ供給する。ミキサ442aおよび442bは信号をIF周波数に変換し、それらを加算装置316に入力して加算された差動TX IF出力信号312を提供し、この信号312は図面に示されているようにさらに処理される。位相スプリッタ458はTX IFシンセサイザからの入力を受取って、シンセサイザ入力444aを2つのミキサの一方のミキサ442aに供給すると共に位相が90°外れたシンセサイザ入力444cを他方のミキサ442bに供給するように結合されている。
【0075】
FM信号処理に関して、DAC440bと直列に接続されているスイッチ素子441はアナログ信号をフィルタに転送し、その後、周波数変調のためのアナログベースバンドとして使用するためにTX IFシンセサイザに転送する。
【0076】
信号受信に対して、共通のIF信号381はスプリッタ384への入力であり、このスプリッタ384は、下方変換のために2つのミキサ446aおよび446bのそれぞれに入力を供給し、次にそれらの各ベースバンドアナログ出力をローパスフィルタおよびアナログデジタル変換器またはADC素子448aおよび448bにそれぞれ供給する。位相スプリッタ456は、RX IFシンセサイザから入力を受取って、シンセサイザ入力444bをミキサ446aに供給すると共に位相が90°外れたシンセサイザ入力444dを他方のミキサ446bに供給するように接続されている。両位相スプリッタ456および458は、各IFシンセサイザの予め選択された出力周波数に依存した適切なミキサ入力周波数を生成するために、所望に応じて入力周波数を2以上の係数で除算する“除算”機能をさらに含むことができる。
【0077】
ADC素子448aおよび448bは信号を適切にデジタル化して、I(同位相)RXデータ信号450aおよびQ(直交)RXデータ信号450bを提供し、その後これらの信号は図面に示されているようにユーザモデムによって処理される。
【0078】
4.トランシーバ制御装置およびモード制御
ユーザは情報およびモード制御コマンドをWCD102に与えて、異なった動作モード(上述し、以下においてさらに説明する)で動作するようにWCDを構成することが可能であり、あるいは予め設定されたサービスプロバイダまたは製造業者により提供された情報または基準に基づいて、これらのモードが選択されることができる。たとえば、このようなモード選択信号は、特定のモードが選択される手動ユーザ入力の結果として、あるいは現在の信号品質、サービスまたは特徴利用度、費用、あるいは周期的なベースでの位置情報に対する要望のようなある値または基準に基づいてモードの選択を発生させる予め選択されたまたは予め記憶されたコマンドまたは方法ステップを処理する一部として提供されることができる。ユーザまたはプロバイダは、このようなモード制御情報を入出力(I/O)インターフェース460によって制御装置およびメモリ428(制御装置428とも呼ばれる)に提供する。ユーザによって提供されたモード制御情報に応答して、制御装置428は対応的にユーザモデム432およびトランシーバチャンネル214、216、224、226、230を構成する。
【0079】
制御装置428は、この制御装置428とトランシーバチャンネルとの間に接続されたトランシーバモード制御バス462によりひとまとめにして代表される複数の制御ライン/信号を使用してトランシーバチャンネルを構成する。トランシーバモード制御バス462はスイッチ選択制御信号を信号経路設定機構316、400および370のそれぞれに供給する。このようにして、制御装置428は選択された動作モードにしたがってこれらの経路設定スイッチを制御し、それによってWCD動作モードを構成することができる。
【0080】
トランシーバ制御バス462はまた、I/Oインターフェース460によって受取られたモード制御コマンドにしたがって種々のトランシーバチャンネルのセクションを活動化し、非活動化するパワーオンおよびパワーオフ制御ラインを備えている。
【0081】
制御装置428はまた、基準信号326および364の周波数をそれぞれ制御するように周波数同調コマンドを信号源417および418に与える。周波数同調コマンドは、トランシーバモード制御バスまたは分離した専用同調制御バスを使用して信号源417および418に提供されることができる。
【0082】
制御装置428はまた、I/Oインターフェース460によって入力されたユーザコマンドおよび情報にしたがって衛星および地上呼設定(設定または活動化)および切断(tear‐down)(非活動化または終了)を制御する。このようにして、制御装置428は呼設定および切断を行うために必要な衛星および地上呼処理プロトコルを行うことができる。
【0083】
図2との関連で上述したように、ユーザは、以下の動作モードの少なくとも1つで動作するようにWCD102を構成することができる:
1.衛星108を使用して衛星通信システムと通信する衛星通信モード;
2.地上アナログ通信システムと通信する地上アナログ通信モード;
3.地上デジタル通信システムと通信する地上デジタル通信モード;
4.WCDのGPS位置を決定するためにGPS衛星信号を受信して処理するGPS受信モード。
【0084】
衛星通信モード(モード1)が選択されたとき、制御装置468は、IF AGC増幅器314の出力を出力路318に経路設定するように送信IF経路設定スイッチ316を構成する(すなわち、スイッチ316は、図3A−1に示されているポジションとは逆のポジションであるように構成される)。また、受信IFスイッチ370は、図3A−1に示されているように入力IF路368から出力IF路374に信号を経路設定するように構成される。
【0085】
地上アナログ通信モード(モード2)が選択されたとき、制御装置468は、図3A−1に示されているようにIF AGC増幅器314のIF出力を出力路319に経路設定するように送信IF経路設定スイッチ316を構成する。地上受信RFスイッチ400は、図3A−1に示されているようにスイッチ入力において信号を出力RF路402に、およびしたがってアナログサブチャンネルに経路設定するように構成される。また、受信IFスイッチ370は、IF信号を受信IF路372から出力IF路374に経路設定するように構成されることができるが、しかしデジタル信号は所望されないため、この通路では利得はゼロである。その代り、スイッチ370は、衛星およびデジタルセルラのどちらも選択されないように通路368および372の間のポジションになるように構成される。
【0086】
地上デジタル通信モード(モード3)が選択されたとき、制御装置468は、図3A−1に示されているように送信IF経路設定スイッチ316を構成する。他方において、地上受信RFスイッチ400は、スイッチ入力において信号を出力RF路404に、およびしたがってデジタルサブチャンネルに経路設定するように構成される。また、受信IFスイッチ370は、IF信号を受信IF路372から出力IF路374に経路設定するように構成される(すなわち、スイッチ370は、図3A−1に示されているポジションとは逆のポジションであるように構成される)。
【0087】
GPS受信モード(モード4)が選択されたとき、制御装置468は、IF信号を受信IF路372から出力IF路374に経路設定するように受信IFスイッチ370を構成する(すなわち、スイッチ370は、図3A−1に示されているポジションとは逆のポジションであるように構成される)。さらに、制御装置428は送信チャンネル214および216を非活動化して、送信チャンネルによってGPSチャンネル230中に導入される干渉を減少させる。
【0088】
III.同時的衛星受信およびGPS受信の実施形態
上述したWCD102において、GPS受信チャンネル230および衛星受信チャンネル216は一般に互いに排他的に動作する。これは、選択された受信モードに応じて、受信IF経路設定スイッチ370がこれらの2つのチャンネル間で選択を行うためである。図4は、GPS受信チャンネル230および衛星受信チャンネル216が同時に動作することのできる別の実施形態によるWCD470のブロック図である。
【0089】
WCD470は、GPS受信されたIF信号392がIF経路設定スイッチ370の代りにGPS受信IF BPF472に供給されることを除いてWCD102に類似している。WCD470において、GPS受信IF BPF472はフィルタ処理されたGPS IF信号をIFスイッチ474に供給する。IFスイッチ474はまたBPF410によって出力されたIF受信信号を受信する。それ故、IFスイッチ474はGPS受信信号または地上受信IF信号のいずれかを選択し、選択された信号をAGC増幅器312に供給する。
【0090】
IV.衛星トランシーバおよびGPSのみ、第1の実施形態
図5は、別の実施形態によるWCD500のブロック図である。WCD500は、衛星送信および受信チャンネル214および216と、GPS受信チャンネル230だけを備えている。WCD500は、地上送信および受信チャンネル224および226ならびに関連した送信および受信経路設定スイッチ316および370が除去されていることを除いてWCD102に類似している。したがって、WCD500は上述した実施形態より単純で小型で軽量であり、廉価であると共に、電力効率のよいものである。また、WCD500はGPSおよび衛星通信受信信号を同時に受信して処理する。
【0091】
WCD500とWCD102との間のさらに別の相違は、送信IF利得設定制御増幅器314とIF BPF320との間に接続された送信IF増幅器504と、基準信号源506とが含まれることである。地上通信チャンネルは除去されているため、基準信号源506は単一帯域の信号源であることができる。
【0092】
V.衛星トランシーバおよびGPSのみ、第2の実施形態
図6は、さらに別の実施形態によるWCD600のブロック図である。WCD600は、AGC増幅器380(図5参照)の代りに電力結合装置604がミキサ390によって生成されたGPS受信IF信号392を受信し、衛星通信受信FI信号606が受信IF増幅器326により生成されることを除いて、WCD500に類似している。電力結合装置604は結合された信号を、受信IF BPF610ならびに第1および第2の受信IF AGC増幅器612および614を直列に含む共通のIF路/セクション608に供給する。
【0093】
VI.衛星補助されたGPS方法
図7は、WCDのGPSベースの位置を迅速に設定するために衛星通信およびGPS受信の両モードでWCD(たとえば、WCD102または上述した別のWCDの実施形態)を同時に動作させる例示的な方法700のフローチャートである。これは、“衛星補助されたGPS”と呼ばれる。方法700は、WCD102によって行われる一連の方法ステップを表している。
【0094】
WCD102のユーザは、たとえば、I/Oインターフェース460を使用して衛星補助されたGPSに対するリクエスト(すなわち、位置決定に対するリクエスト)をWCD102中に入力することによって方法700を開始することができる。第1のステップ705において、WCD102は衛星補助されたGPSに対するユーザリクエストを受取る。
【0095】
その代りに、衛星補助されたGPSモードは、通信サービスとしてユーザコマンドに応答して周期的なインターバルで、あるいは1以上の通信システムユーザに提供された特定の特徴としてサービスプロバイダからのコマンドに応答して自動的に選択されることができる。
【0096】
衛星補助されたGPSに対するリクエストに応答して、次のステップ710において、WCD102は衛星通信システムにおける予め定められたアクセス番号への衛星呼を開始するように衛星トラシーバ212を活動化する。WCD102はアップリンク信号112を使用して、アクセスプローブとも呼ばれる呼設定リクエストをゲートウェイ114に送信する。予め定められたアクセス番号は、WCD位置/位置決定サービスに対するリクエストに対応している。
【0097】
ゲートウェイ114は呼設定リクエストをWCD102から受信し、WCD位置決定サービスに対するリクエストに関連した予め定められた番号を認識する。応答して、ゲートウェイ114はWCD102との呼を設定する。たとえば、ゲートウェイ114は、たとえば衛星ページングチャンネルを使用して、予め定められた逆方向リンクチャンネルを使用するようにWCD102に指令する。
【0098】
対応的に、次のステップ715において、WCD102は、衛星呼を設定するゲートウェイ発信コマンドをダウンリンク信号110で受信する。
【0099】
衛星呼が設定されると、次のステップ720において、WCD102は、無線位置機能(WPF)と呼ばれる衛星システムファシリティに対するリクエストをゲートウェイ114に送信する。衛星システムのWPFは、WCD102がこれによってゲートウェイ114と通信している既知の(複数の)衛星(あるいは、それらの位置等)のようなファクタに基づいてWCD102の近似的な地理的位置を計算する。このような位置決定を行う技術は、ここにおいて参考文献とされている米国特許第 6,107,959号明細書(“Position Determination Using One Low-Earth Orbit Satellite”,2000年8月22日交付)および第 6,078,284号明細書(“Passive Position Determination Using Two Low-Earth Orbit Satellite”,2000年6月20日交付)ならびに米国特許出願第 08/723,725号明細書(“Unambiguous Position Determination Using Two Low-Earth Orbit Satellite”)に記載されている。
【0100】
WPFリクエストに応答して、ゲートウェイ114はWPFファシリティを呼出す。WPFファシリティはWCD102の近似位置をゲートウェイ114に戻す。ゲートウェイ114は近似位置をWCD102に位置(GPS)補助メッセージで送信する。GPS補助メッセージはまた、WCD102の近似位置に基づいた、WCD102に見える可能性が非常に高いGPS衛星のリストを含んでいる。このリストは、GPSリストにされた各GPS衛星からの信号を処理するために必要な情報を含んでいる。
【0101】
対応的に、次のステップ725において、WCD102はGPS補助メッセージを受信する。このGPS補助メッセージに応答して、WCD102は衛星呼を遮断する。その後、WCD102はGPS受信機230を活動化し、GPS補助メッセージ中のGPS衛星のリストに基づいて、WCDに見えているGPS衛星を識別するために独立したGPS位置追跡を開始する。これはまたGPS衛星信号サーチ、獲得および追跡と呼ばれる。
【0102】
GPS位置追跡が完了すると、次のステップ730において、WCD102は、そのWCDのGPS位置を決定する独立GPS受信機として動作する。
【0103】
GPS衛星信号サーチ、捕捉および追跡には、GPS補助メッセージなしでは、それが10分を越える時間を要するという欠点がある。しかしながら、本発明においては、GPS補助メッセージ中のGPS衛星のリストおよび関連した情報(たとえば、天体暦データ)は、WCD102がこの時間を実質的に30秒未満に短縮することを可能にする。
【0104】
別の実施形態においては、ステップ705において、ユーザは“E911”衛星呼を使用して緊急位置決定サービスをリクエストすることができる。このような呼の期間中、WCD102は衛星呼を維持するようにGPS受信モードと衛星送信モードとの間で交互に切替わっている。したがって、WCD102は受信されたGPS衛星信号に基づいて位置を決定しているが、衛星呼はこの方法の期間中維持されていることを除いて、E911方法は上述した方法700に類似している。WCD102は、衛星通信システムに送信しているときにGPS受信チャンネルをパワーオフにし、その後、GPS信号を受信しているときに衛星送信チャンネルをパワーオフにする。しかしながら、衛星受信チャンネルは一貫してアクティブのままである。このようにして、WCD102はGPS位置決定追跡を行うと共にLEO衛星音声/データリンクを維持することができる。E911呼の期間中、WCDは、WCD位置更新情報をゲートウェイに送信し続ける。その後、ゲートウェイはこの情報およびGPSタイミング情報を差動GPS位置決め(fixing)のためにWPFに提供することができる。この方法は、緊急発呼者(すなわち、ユーザ、ユーザ端末または無線装置)の位置を、その試行回数の90%において数メートルの範囲内に定めると共に、発呼者との音声/データ通信リンクを維持することができる。
【0105】
本発明の多くの適用のいくつかは以下のものである:
1.LEO衛星サービスプロバイダ用の位置依存形請求書。
2.セルラサービスプロバイダ用の位置依存形請求書。
3.地上ネットワークカバレージとは無関係の個人位置決定および位置追跡。
4.世界的な位置追跡および通信。
5.陸上および海上での船団管理およびディスパッチサービス。
6.詐欺行為の管理。
7.システム共通利用可能性(interoperability)を含むLEO衛星システムおよび地上システムに対するグローバルネットワーク最適化。
8.個人セキュリティ応答。
9.自然災害発生中の地域および国のカバレージによる大規模な捜索および救助活動。
10.地震、ハリケーン、台風、火災および工業的事故の後の災害救援の調整。
11.大陸規模での路側援助。
12.盗難車両の回収。
13.全ての緊急事態。
14.遠隔地:山、砂漠、ジャングルおよび海での救命救急。
15.小型の把持式グローバルパーソナル通信装置。
16.1つの把持式装置での都市および村落エリア通信サービス。
17.グローバルデータ通信装置。
18.WCD102が遠隔データ収集端末として使用されたときの位置突きとめおよび追跡。
19.把持式移動体による戦地における軍隊の軍事命令、通信制御、および追跡。
20.世界的な通信、位置突きとめ、および抽出を情報部員に提供する国内諜報機関による作戦行動の支援。
21.米国連邦捜査局による現場にいるエージェントの通信および追跡。
22.法執行通信および位置突きとめ決定サービス。
【0106】
VII.結論
上記において本発明の種々の実施形態を説明してきたが、それらは単なる例示に過ぎず、何等技術的範囲に制限を課すものではないことを理解すべきである。形態および詳細の種々の変更が本発明の技術的範囲内で行われることができることが当業者に明らかになるであろう。
【0107】
以上、特定された機能およびそれに関係するものの性能を例示する機能構成ブロックによって本発明を説明してきた。これらの機能的構成ブロックの範囲は、この明細書において説明の都合上任意に規定されている。特定された機能およびそれに関係するものが適切に行われる限り、別の範囲が規定されることができる。したがって、このような任意の別の範囲は請求の範囲に記載されている本発明の技術的範囲内である。当業者は、これらの機能構成ブロックがディスクリートなコンポーネント、特定用途向き集積回路、適切なソフトウェア等を実行するプロセッサ、またはその任意の組合せによって実施されることができることを認識するであろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の例示的などの実施形態からも制限を受けるものではなく、添付されている請求の範囲およびそれらの等価なものだけにしたがって規定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の無線通信装置(WCD)の1実施形態が動作することのできる1環境例を示す概略図。
【図2】図1のWCDを構成するのに有用なWCDの高レベルのブロック図。
【図3A−1】図2のWCDの詳細なブロック図。
【図3A−2】図2のWCDの詳細なブロック図。
【図3B】図3A−1および図3A−2ならびに後続する図のプロセッサ310を構成するのに有用なベースバンドプロセッサの詳細なブロック図。
【図4】本発明の1実施形態による、GPS受信チャンネルおよび衛星受信チャンネルが同時に動作することのできるWCDのブロック図。
【図5】別の実施形態によるWCDのブロック図。
【図6】さらに別の実施形態によるWCDのブロック図。
【図7】WCDのGPSベースの位置を迅速に設定するために衛星通信およびGPS受信の両モードで本発明のWCDを同時に動作させる一方法例のフローチャート。

Claims (50)

  1. 第1の通信システムと適合する第1の無線周波数(RF)送信信号を生成するための第1の送信チャンネルと、
    第1のRF受信信号を第1の通信システムから受信するため第1の受信チャンネルと、
    第2のRF受信信号を衛星位置決定システムから受信するための、WCDの位置を導出するために使用可能な第2の受信チャンネルとを備えており、
    第1および第2の受信チャンネルは共通の受信路を共用する無線通信装置(WCD)用の多モードトランシーバ。
  2. 衛星位置決定システムはグローバル位置決定システム(GPS)である請求項1記載のトランシーバ。
  3. 第1の通信システムは衛星通信システム、地上セルラ通信システム、および地上パーソナル通信サービスシステムの1つである請求項1記載のトランシーバ。
  4. 第1の受信チャンネルは、
    第1の基準信号に基づいて第1のRF受信信号を第1の中間周波数(IF)信号に周波数下方変換する第1のミキサと、
    第1のミキサに後続する第1のIFセクションとを含んでいる請求項1記載のトランシーバ。
  5. 第2の受信チャンネルは、
    第2の基準信号に基づいて第2のRF受信信号を第2のIF信号に周波数下方変換する第2のミキサと、
    第2のミキサに後続し、第1のIFセクションとは別の第2のIFセクションとを含んでいる請求項4記載のトランシーバ。
  6. 共通受信路は共通受信IF路を含んでおり、第1および第2の受信チャンネルはさらに、第1および第2のIF信号を第1および第2の分離したIFセクションのそれぞれから共通受信IF路まで経路設定する信号経路設定機構を含んでいる請求項5記載のトランシーバ。
  7. さらに、第1の基準信号を第1の周波数で生成する第1の局部発振器(LO)と、
    第2の基準信号を、第1の周波数とは無関係の第2の周波数で生成する第2の局部発振器(LO)とを含んでいる請求項5記載のトランシーバ。
  8. さらに第2の通信システムと適合する第2のRF送信信号を生成する第2の送信チャンネルを含んでおり、第1および第2の送信チャンネルは共通送信路を共用する請求項1記載のトランシーバ。
  9. 第1の送信チャンネルは、
    第1のIF信号を処理する第1のIFセクションと、
    第1のIFセクションに後続する、第1の基準信号に基づいて第1のIF信号を第1のRF信号に周波数上方変換する第1のミキサとを含んでいる請求項8記載のトランシーバ。
  10. 第2の送信チャンネルは、
    第2のIF信号を処理する第2のIFセクションと、
    第2のIFセクションに後続する、第2の基準信号に基づいて第2のIF信号を第2のRF信号に周波数上方変換する第1のミキサとは別の第2のミキサとを含んでいる請求項9記載のトランシーバ。
  11. 共通送信路は共通送信IF路を含んでおり、第1および第2の送信チャンネルは、第1および第2のIF信号を共通送信IF路から第1および第2の分離したミキサのそれぞれまで経路設定する共通信号経路設定機構を含んでいる請求項10記載のトランシーバ。
  12. さらに、第3のRF受信信号を第2の通信システムから受信する第3の受信チャンネルを含んでいる請求項1記載のトランシーバ。
  13. 第3の受信チャンネルは、
    第1の基準信号に基づいて第3のRF受信信号をIF信号に周波数下方変換するミキサと、
    IF信号を受信して処理するIFセクションとを含んでおり、このIFセクションは共通受信IF路を第1および第2の受信チャンネルの少なくとも1つと共用する請求項12記載のトランシーバ。
  14. 第2の通信システムは、デジタル変調技術を使用して変調された第1の信号とアナログ変調技術を使用して変調された第2の信号とを送信することのできる1以上の地上通信システムを含んでおり、第3の受信チャンネルは、
    デジタル変調技術を使用して変調された第1の信号を受信する第1のサブチャンネルと、
    アナログ変調技術を使用して変調された第2の信号を受信する第2のサブチャンネルとを含んでいる請求項12記載のトランシーバ。
  15. さらに、第1のサブチャンネルへの第1の信号の経路設定および第2のサブチャンネルへの第2の信号の経路設定を選択的に行う経路設定機構を含んでいる請求項14記載のトランシーバ。
  16. 衛星通信システムと通信するための衛星送信チャンネルおよび衛星受信チャンネルを含んでいる衛星トランシーバと、
    セルラシステムおよびパーソナル通信サービス(PCS)システムの1つと通信するための地上送信チャンネルおよび地上受信チャンネルを含んでいる地上トランシーバとを備え、
    衛星および地上送信チャンネルは共通の送信路を共用し、
    さらに、WCDの位置を決定することのできるグローバル位置決定システム(GPS)信号を1以上のGPS衛星から受信するGPS受信チャンネルを備え、
    衛星および地上受信チャンネルの少なくとも1つはGPS受信チャンネルと共通受信路を共用するクワド(Quad)モード無線通信装置(WCD)。
  17. 地上トランシーバは、
    (a)符号分割多元アクセス(CDMA)セルラシステム、および
    (b)アナログセルラシステムの一方と選択的に通信するように構成されている請求項16記載のWCD。
  18. 衛星および地上送信チャンネルはそれぞれ、
    中間周波数(IF)信号を生成するIFセクションと、
    このIFセクションに後続して配置され、局部発振器(LO)基準信号に基づいてIF信号を無線周波数(RF)信号に周波数上方変換するミキサとを含んでおり、衛星および地上送信チャンネルのIFセクションは共通送信IF路を共用する請求項16記載のWCD。
  19. 衛星および地上受信チャンネルはそれぞれ、
    第1の局部発振器(LO)基準信号に基づいて、受信された無線周波数(RF)信号をIF信号に周波数下方変換するミキサと、
    中間周波数(IF)信号を受信して処理するIFセクションとを含んでおり、衛星および地上受信チャンネルのIFセクションは共通受信IF路を共用する請求項16記載のWCD。
  20. GPS受信チャンネルは、
    受信されたGPS RF信号を第2のLO基準信号に基づいてGPS IF信号に周波数下方変換するミキサと、
    GPS IF信号を受信して処理するIFセクションとを含んでおり、GPS受信チャンネル、衛星受信チャンネル、およびセルラ受信チャンネルのIFセクションは共通IF信号路を共用する請求項19記載のWCD。
  21. 衛星通信システムと通信し、無線通信装置(WCD)の位置を示す衛星位置決定システムからの信号を受信することのできるトランシーバを備えているWCDの位置を決定する方法において、
    (a)位置決定に対する最初のリクエストを受信し、
    (b)最初のリクエストに応答して、予め定められた位置サービスアクセス番号を含んでいる呼設定リクエストを衛星通信システムに送信し、
    (c)呼設定情報を衛星通信システムから受信して、衛星通信システムとの呼を設定し、
    (d)WCDの近似位置に基づいており、衛星位置決定システム内の衛星に関する情報を含んでいる位置決定補助メッセージを衛星通信システムから受信し、
    (e)衛星位置決定システム内の衛星から信号を受信し、
    (f)ステップ(e)および位置決定補助メッセージ中の情報に基づいてWCDの位置を決定するステップを含んでいる方法。
  22. 衛星位置決定システムはグローバル位置決定システム(GPS)であり、ステップ(e)は複数のGPS衛星からGPS信号を受信するステップを含んでいる請求項21記載の方法。
  23. ステップ(d)と(e)との間において、
    衛星トランシーバの受信チャンネルを非活動状態にし、
    衛星通信システムとの呼を遮断するステップをさらに含んでいる請求項21記載の方法。
  24. さらに、ステップ(f)においてWCDの位置を決定している期間中に衛星通信システムとの呼を維持するステップを含んでいる請求項21記載の方法。
  25. 第1の通信システムと適合する第1の無線周波数(RF)送信信号を生成する手段と、
    第1のRF受信信号を第1の通信システムから受信する手段と、
    第2のRF受信信号を衛星位置決定システムから受信し、WCDの位置を導出するために使用可能な手段とを備えており、
    第1および第2の受信手段は共通受信路を共用する無線通信装置(WCD)用の多モードトランシーバ。
  26. 衛星位置決定システムは、グローバル位置決定システム(GPS)である請求項25記載のトランシーバ。
  27. 第1の通信システムは、衛星通信システム、地上セルラ通信システム、および地上パーソナル通信サービスシステムの1つである請求項25記載のトランシーバ。
  28. 第1の受信チャンネルは、
    第1の基準信号に基づいて第1のRF受信信号の周波数を第1の中間周波数(IF)信号に下方変換する手段と、
    第1のRF受信信号を下方変換する手段に後続する第1のIFセクションとを含んでいる請求項25記載のトランシーバ。
  29. 第2の受信チャンネルは、
    第2の基準信号に基づいて第2のRF受信信号の周波数を第2のIF信号に下方変換する第2の手段と、
    下方変換する第2の手段に後続する、第1のIFセクションとは別の第2のIFセクションとを含んでいる請求項28記載のトランシーバ。
  30. 共通の受信路は共通の受信IF路を含んでおり、下方変換する第1および第2の手段は、第1および第2のIF信号を第1および第2の別々のIFセクションのそれぞれから共通の受信IF路へ経路設定する手段を含んでいる請求項29記載のトランシーバ。
  31. さらに、第1の基準信号を第1の周波数で生成する手段と、
    第2の基準信号を、第1の周波数とは無関係の第2の周波数で生成する手段とを含んでいる請求項29記載のトランシーバ。
  32. さらに、第2の通信システムと適合する第2のRF送信信号を生成する手段を含んでおり、RF送信信号を生成する第1および第2の手段は共通の送信路を共用している請求項1記載のトランシーバ。
  33. さらに、第3のRF受信信号を第2の通信システムから受信する手段を含んでいる請求項25記載のトランシーバ。
  34. 第2の通信システムは、デジタル変調技術を使用して変調された第1の信号とアナログ変調技術を使用して変調された第2の信号とを送信することのできる1以上の地上通信システムを含んでおり、
    デジタル変調技術を使用して変調された第1の信号を第1のサブチャンネルによって受信する手段と、
    アナログ変調技術を使用して変調された第2の信号を第2のサブチャンネルによって受信する手段とを含んでいる請求項32記載のトランシーバ。
  35. さらに、第1のサブチャンネルへの第1の信号の経路設定および第2のサブチャンネルへの第2の信号の経路設定を選択的に行う手段を含んでいる請求項34記載のトランシーバ。
  36. 衛星通信システムと通信し、無線通信装置(WCD)の位置を示す衛星位置決定システムからの信号を受信することのできるトランシーバを備えている少なくとも1つのWCDの位置を決定する方法において、
    位置決定に対する最初のリクエストを受信し、
    最初のリクエストに応答して衛星通信システムによって呼を設定し、
    WCDの近似位置に基づいており、衛星位置決定システム内の衛星に関する情報を含んでいる位置決定補助メッセージを衛星通信システムから受信し、
    衛星位置決定システム内の衛星から信号を受信し、
    衛星位置決定システムおよび位置決定補助メッセージ中の情報に基づいてWCDの位置を決定するステップを含んでいる方法。
  37. 前記位置決定に対する最初のリクエストは、予め設定されたサービスプロバイダまたはWCD製造業者提供情報または基準に応答して行われる請求項36記載の方法。
  38. 前記位置決定に対する最初のリクエストは、現在の信号品質、サービスまたは特徴利用度、費用のようなある値または基準に基づいて予め選択されたまたは予め記憶されたコマンドを処理している最中にWCDユーザの手動入力に応答して行われるか、あるいは予め定められた周期ベースで行われる請求項37記載の方法。
  39. WCDユーザは、“E911”呼を使用して緊急事態位置決定サービスをリクエストする請求項38記載の方法。
  40. このような呼の行われている期間中、前記WCDは衛星呼を維持するように衛星位置決定システムから信号を受信するモードと衛星送信モードとの間で交互に切替えられる請求項39記載の方法。
  41. さらに、WCDに対する通信サービスを提供する衛星通信サービスプロバイダに対して位置依存形請求書を提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  42. さらに、WCDに対する通信サービスを提供するセルラサービスプロバイダに対して位置依存形請求書を提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  43. さらに、地上ネットワークカバレージとは無関係の個人位置決定および位置追跡を行うステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  44. さらに、WCDに対して船団管理およびディスパッチサービスを提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  45. さらに、詐欺行為を管理するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  46. さらに、WCDユーザに対して個人セキュリティ応答を提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  47. さらに、地域および国のカバレージにより捜索および救助活動を補助するのに有用な情報を提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  48. さらに、大陸規模で路側援助に対する情報を提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  49. さらに、移動部隊のための通信手段を提供すると共に、予め規定された部隊員グループの1以上のメンバーの位置を遠隔地で追跡するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
  50. さらに、車両位置決定のための通信手段を提供するステップを含んでいる請求項36記載の方法。
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