JP4610459B2 - ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車載用などに使用されるディスク装置に関するものであり、筐体内部に1枚ずつ収納された複数枚のディスクのいずれかを選択し、またはマガジンに保持されて筐体内に装填された複数枚のディスクのいずれかを選択して駆動できるディスク選択式のディスク装置に関する。
車載用のディスク選択式のディスク装置では、筐体内のディスク収納領域に1枚ずつ挿入されたディスクが複数枚収納され、またはディスク収納領域内に、複数枚のディスクを保持したマガジンが装填される。
筐体内には、ディスク選択手段が設けられて、ディスク収納領域内のいずれかのディスクが選択される。また、筐体内には、ターンテーブルを有する回転駆動部と、この回転駆動部にディスクの中心穴をクランプするクランプ機構および光ヘッドなどが搭載された駆動ユニットが設けられている。
この種のディスク装置では、ディスク収納領域内のいずれかのディスクを選択した後に、駆動ユニットを、選択されたディスクの中心穴をクランプできる位置まで移動させることが必要である。また、車載用のディスク装置では、回転駆動部でディスクを回転させ且つ光ヘッドで再生動作などを行っているときに、車体振動が再生に悪影響を及ぼさないように、駆動ユニットをダンパーなどの手段で弾性支持することが必要である。また、駆動ユニットを移動させて、回転駆動部をディスクの中心穴に対向させる際に、駆動ユニットを拘束して、回転駆動部が不用意に動かないようにすることが必要である。
以下の特許文献1に記載のディスク装置では、筐体内にダンパーで弾性支持された支持シャーシが設けられ、この支持シャーシに駆動ユニットが移動自在に支持されて、駆動ユニットが選択中のディスクに当たらない位置から、選択されたディスクをクランプできる駆動位置へ向けて移動できるように構成されている。
特開2003−141809号公報
しかし、前記特許文献1に記載のようなディスク装置では、弾性支持されている支持シャーシと筐体との間に、支持シャーシを弾性支持し、また拘束状態とするためにロック切換え手段を配置し、駆動ユニットと支持シャーシとの間に、駆動ユニットを駆動位置へ向けて移動させる機構を配置し、さらに駆動ユニット内に、回転駆動部にディスクの中心穴をクランプするクランプ機構を配置することが必要になる。
ここで、クランプ機構を駆動する駆動源や、駆動ユニットを駆動位置へ移動させる駆動源を支持シャーシ上に配置すると、弾性支持されている支持シャーシ上の機構が複雑になり、且つ支持シャーシ上に搭載された全機構の質量が過大となり、再生動作時に駆動ユニットを弾性支持するにあたって好ましくない。
逆に、筐体側に設けられた駆動源によって、前記各機構を全て動作させるとすると、その動作タイミングを適正に設定するために、筐体と支持シャーシとの間、および支持シャーシと駆動ユニットとの間に、回転カムなどや歯車列など使用した複雑な機構を配置することが必要となる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、筐体内に弾性支持されたユニット支持シャーシを設け、このユニット支持シャーシ上に、ディスクの中心穴に対向できる位置へ移動できる駆動ユニットを設けた構造において、筐体側に設けられた機構の往復移動力のみで、駆動ユニットの移動およびユニット支持ベースの拘束および拘束解除などの各種動作の切換えを可能としたディスク装置を提供することを目的としている。
本発明は、筐体(2)内に、複数枚のディスク(D)が配置されるディスク収納領域(20)と、ディスク収納領域(20)内のいずれかのディスク(D)を選択する選択手段(22)と、弾性部材(71,72,73)を介して支持されているユニット支持ベース(13)と、ユニット支持ベース(13)上に支持されて回転駆動部(82)を有する駆動ユニット(14)と、ユニット支持ベース(13)を拘束するロック部材(56,61)と、前記ロック部材(56,61)を移動させるロック切換え部材(42)とが設けられたディスク装置において、
筐体(2)内に、ユニット支持ベース(13)に対向する動力伝達部(12)が設けられ、
動力伝達部(12)に、筐体(2)内の固定側においてモータ(M1)の動力で往復移動する基準往復部材(30)と、基準往復部材(30)と独立して前記基準往復部材(30)と同じ方向へ往復移動する往復部材(31)と、往復部材(31)上に回動自在に支持された切換レバー(38)と、切換レバー(38)に設けられた姿勢制御凸部(40)および駆動部(41)とが設けられ、
前記ユニット支持ベース(13)に、基準往復部材(30)と同じ方向へ移動する駆動部材(85)が設けられ、前記駆動部材(85)に、前記駆動部(41)の移動力が伝達される伝達部(86a)と、前記駆動部(41)と切り離す逃げ部(86b)とが形成されており、
基準往復部材(30)には、姿勢制御凸部(40)が摺動する第1の制御カム(301)が設けられ、第1の制御カム(301)に、基準往復部材(30)の移動力を姿勢制御凸部(40)に伝える拘束部(301a)と、姿勢御凸部(40)を、基準往復部材(30)の移動に追従させることなく、切換レバー(38)を回動させる向きに移動させる回動付勢部(301d)とが設けられ、固定側には、基準往復部材(30)の移動位置に応じて、姿勢制御凸部(40)を前記拘束部(301a)に移行させまたは回動付勢部(301d)に移行させる第2の制御カム(601)が設けられて、第1の制御カム(301)と第2の制御カム(601)とによって、基準往復部材(30)と共に切換レバー(38)と往復部材(31)が移動する区間(i)と、往復部材(31)が移動せずに基準往復部材(30)が移動し且つ切換レバー(38)が回動する区間(iv)とが設定されており、
前記区間(i)で、切換レバー(38)と共に移動する前記駆動部(41)の移動力が前記伝達部(86a)から駆動部材(85)に与えられて、駆動部材(85)の移動力で、駆動ユニット(14)、ディスク収納領域内のディスク(D)に当たらない退避位置からディスク収納領域内の選択されたディスク(D)を駆動できる介入位置まで移動させられ、
前記区間(iv)、基準往復部材(30)の移動力によって、前記ロック部材(56,61)、ユニット支持ベース(13)拘束を解除する拘束解除位置へ移動させられると共に、切換レバー(38)が回動して、駆動部(41)が逃げ部(86b)に移行させられて、前記ユニット支持ベース(13)への拘束が解除されることを特徴とするものである。
本発明のディスク装置では、筐体の固定側に設けられた基準往復部材(30)を一方向へ移動させ、この際に往復部材(31)が基準往復部材(30)に追従して動作させる区間と、追従させないで停止している区間を設定することにより、駆動ユニットを介入位置へ移動させる動作と、ユニット支持ベースを拘束する動作とを、タイミングを精度良く決めて設定することが可能になる。
例えば、本発明は、基準往復部材(30)には、ロック切換え部材(42)を動作させるロック制御カム(302)が設けられており、
前記区間(i)では、ロック制御カム(302)によって、ロック切換え部材(42)が動作させられず、前記区間(iv)では、ロック制御カム(302)によってロック切換え部材(42)が動作させられて、ロック部材(56,61)が前記拘束解除位置へ移動させられるものとして構成できる。
本発明の動作としては、前記区間(i)と、前記区間(iv)との間に、基準往復部材(30)と共に切換レバー(38)が移動し、ロック切換え部材(42)が動作しない区間(iii)が設定されており、
前記区間(iii)での切換レバー(38)の移動力によってクランプ機構(200)が動作させられて、回転駆動部(82)にディスク(D)の中心穴がクランプされるものとすることが可能である。
また、本発明は、前記区間(i)と前記区間(iv)との間に、切換レバー(38)が移動せずに基準往復部材(30)が移動し、ロック切換え部材(42)が動作させられる区間(ii)と、前記区間(ii)に続いて、基準往復部材(30)と共に切換レバー(38)が移動し、ロック切換え部材(42)が動作しない区間(iii)とが設定され、
前記区間(ii)では、ロック部材(56,61)でユニット支持ベース(13)および駆動ユニット(14)が持ち上げられて、回転駆動部(82)が選択されたディスク(D)の中心穴に介入し、前記区間(iii)で、切換レバー(38)の移動力によってクランプ機構(200)が動作させられ、回転駆動部(82)にディスク(D)の中心穴がクランプされるものとして構成することができる。
さらに本発明では、ユニット支持ベースの拘束が解除されて弾性支持状態となるときに、基準往復部材(30)の動作によって、切換レバー(38)と駆動部材(85)との連結を解除しているため、切換レバー(38)などの筐体側に設けられた機構が、ユニット支持ベースの弾性支持状態を阻害することがない。
なお、前記第2の制御カム(601)などの駆動側に設けられる構成要素は、筐体の底面などに直接に形成してもよいし、または筐体内に別個の部材を固定し、この別個の部材で前記制御カムなどを構成してもよい。また、基準往復部材(30)および往復部材(31)は、直線軌跡に沿って移動するものであってもよいし、または円弧軌跡などに沿って移動するものであってもよい。
本発明では、筐体の固定側に設けられた基準往復部材を一方向へ移動させ、または往復移動させることにより、駆動ユニットの退避位置から介入位置への移動制御や、ユニット支持ベースの弾性支持および拘束動作、さらにはクランプ機構の動作などをタイミングを高精度に設定して切換えることができる。
基準往復部材の往復動作を基本として各機構の切換えを行っているために、動力伝達部の構成を簡単にでき、筐体とユニット支持ベースとの間に位置する動力伝達部を薄型に構成することも可能である。
図1は本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図である。図2はディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットを示すものである。図3ないし図6は筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、図7は第1の動力伝達部の構成部材の一部を示す分解斜視図、図8(A)(B)および図9(A)(B)は第1の動力伝達部の動作の詳細を示す部分平面図、図10(A)(B)(C)はロック部材の動作を筐体の内側から見た部分側面図、図11ないし図14は、駆動ユニットとその支持ベースおよびユニット支持部材を示す動作別の平面図である。図15は図12のXV−XV線の断面図、図16は図11のXVI−XVI線の断面図である。図17ないし図19は、駆動ユニット回動手段の詳細を示す動作別の平面図である。図20と図21は、図17をXX矢視方向から見た回転駆動部の側面図であり、図20はディスク非クランプ状態を示し、図21はディスククランプ状態を示す。図22と図23はクランプ切換え手段の構造を動作別に示す平面図であり、図24はクランプ切換え手段の一部拡大図である。図25(A)(B)は、駆動ユニットの支持ベースの拘束状態と拘束解除状態を示すものであり、(A)は図3のXXV矢視の側面図、(B)は図5のXXV矢視の側面図である。図26と図27は、第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図である。図28は、第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図である。図29ないし図32は、ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図である。図33は、ディスク装置の動作を示すタイミング線図である。
(全体構造)
図1に示すディスク収納型ディスク装置1は、箱型の筐体2を有している。図1において、この筐体2の基準方向は、Z1側が下側、Z2側が上側、X1側が左側、X2側が右側、Y1側が手前側、Y2側が奥側である。またX1−X2方向が横方向、Y1−Y2方向が奥行き方向である。
筐体2は、下側から上側に向けて、下部筐体3、中間筐体4および上部筐体5が順に重ねられて組み立てられている。下部筐体3は筐体2の底面6を有し、中間筐体4は、筐体2の前面7と右側面8を有している。上部筐体5は、筐体2の左側面9と後面10および天井面11を有している。
下部筐体3の底面6の上面には、第1の動力伝達部12が設けられている。第1の動力伝達部12の上には、ユニット支持ベース13が支持され、このユニット支持ベース13の上に、駆動ユニット14が搭載されている。中間筐体4の上部には、底面6と平行な機構ベース15が設けられ、この機構ベース15の上に、第2の動力伝達部16が設けられている。中間筐体4では、前記機構ベース15の下側で且つ前面7の内側に、移送ユニット17が設けられている。この移送ユニット17の左側(X1側)の端部と、前記下部筐体3の底面6との間に、第3の動力伝達部19が設けられている。この第3の動力伝達部19は、ローラ駆動手段として機能している。
上部筐体5では、左側面9と後面10および天井面11で囲まれた領域がディスク収納領域20となっており、このディスク収納領域20には、それぞれがディスクDを支持可能な複数の支持体21が設けられている。この実施の形態では、支持体21が6枚設けられており、支持体21は厚み方向に重ねられて配置されている。上部筐体5には、支持体選択手段22が設けられており、この支持体選択手段22の動作により、6枚の支持体21のいずれかが選択されて図2(B)に示す選択位置(a)に移動させられるとともに、選択された支持体21とその下に隣接する支持体21との間隔が広げられる。
前記ディスクDは、直径が12cmであり、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などである。
図1および図2(A)(B)に示すように、筐体2の前面7には、挿入口23が開口している。この挿入口23はスリット状であり、上下方向の幅寸法がディスクDの厚み寸法よりもわずかに大きく、横方向の開口幅寸法Wが、ディスクDの直径よりもわずかに広い。
図2(A)に示すように、前記移送ユニット17は、挿入口23と同じ高さ位置にあり、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ユニット17によって前記ディスク収納領域20に向けて移送される。図2(B)に示すように、複数枚の前記支持体21のうちの、選択位置(a)に至った支持体21は、挿入口23と同じ高さ位置となり、挿入口23から挿入されたディスクDは、前記移送ユニット17で移送されて、選択位置(a)の支持体21に供給されて支持される。
図29は、筐体2を天井面11側から見た平面図である。前記挿入口23の幅寸法Wを二分し且つ前面7と直交して筐体2の内方に延びる仮想線を挿入中心線Oaとしている。図29に示すように、ディスク収納領域20の支持体21に支持されているディスクDの中心D0は、挿入中心線Oaから左側(X1側)へ距離δだけ離れた位置にある。前記距離δは、ディスクDの直径の1/10以上である。
図29では、駆動ユニット14が退避位置にあるが、このときの駆動ユニット14は、挿入中心線Oaから右側(X2側)に離れた位置で、右側面8のすぐ内側に位置している。また、駆動ユニット14は支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。図29では、移送ユニット17が待機位置にあるが、このときの移送ユニット17は、前面7のすぐ内側で且つ支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。
図2(A)(B)に示すように、駆動ユニット14と移送ユニット17は、上下方向に重複する高さ位置に配置されている。ただし、図31に示すように、駆動ユニット14が筐体2内において時計方向へ回動した後に、移送ユニット17が反時計方向へ回動することにより、駆動ユニット14が回動する領域と、移送ユニット17が回動する領域の一部が重なっていても、駆動ユニット14と移送ユニット17が互いに移動を妨げることがない。駆動ユニット14および移送ユニット17を、その移動領域の一部が重複するように配置することにより、筐体2の内部スペースを効率よく使用できる。
また、筐体2内では、手前側に移送ユニット17が、奥側にディスク収納領域20が設けられ、しかも移送ユニット17とディスク収納領域20とが接近した配置であるため、筐体2の奥行き寸法を可能な限り短くできる。この実施の形態では、筐体2の奥行き寸法(Y1−Y2方向の寸法)が、いわゆる1DINサイズ未満である。
図1に示す中間筐体4の機構ベース15は、駆動ユニット14および移送ユニット17よりも上方に位置しているが、この機構ベース15の筐体2の内方(図示X1方向)に向けられた内縁15aは凹形状であり、ディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れている。よって、図2(B)に示すように、ディスク収納領域20の最上部に位置している支持体21は、筐体2の天井面11の内側直近まで上昇することが可能となっている。
(第1の動力伝達部)
図3ないし図9を参照して、筐体2の底面6上に設けられた前記第1の動力伝達部12の構造を説明する。
図1に示すように、前記下部筐体3の前方には前方折曲げ片3aが底面6から垂直に折り曲げられている。同様に、後方には後方折曲げ片3bが、右側には右側折曲げ片3cが、底面6から垂直に折り曲げられている。
図3ないし図6に示すように、第1の動力伝達部12には、往復部材として機能するスライダ31と、ラック部材32と、スライダ31上に設けられた切換レバー38と、連結回動レバー44が設けられており、図7には、これら各部材の形状と配置関係がさらに詳しく示されている。
図7に示すように、下部筐体3の底面6上には、基準往復部材として機能する金属板で形成された基準スライダ30が設けられている。図3ないし図6では、この基準スライダ30の図示を省略している。図7に示すように、基準スライダ30の上に、前記ラック部材32が重ねられ、基準スライダ30とラック部材32は、取付ねじ32a,32aによって固定されている。基準スライダ30の下面には摺動ピン30aと30bが固定されている。下部筐体3の底面6には、Y1−Y2方向へ直線状に延びる一対の案内長穴6a,6bが形成され、摺動ピン30aが案内長穴6a内を摺動し、摺動ピン30bが案内長穴6b内を摺動することにより、基準スライダ30およびラック部材32は、Y1−Y2方向へ直線的に移動できる。
図3ないし図6に示すように、底面6上の手前側には第1のモータM1が固定されており、この第1のモータM1の出力軸にはウォーム歯車33が固定されている。第1のモータM1の回転動力は、底面6上に回転自在に支持されている減速歯車34,35,36を介してピニオン歯車37に伝達される。このピニオン歯車37が、前記ラック部材32の歯と噛み合っている。
図7に示すように、前記スライダ31は、基準スライダ30のY2側の部分の上に重ねられ、且つ前記ラック部材32と重ならない位置に配置されている。スライダ31は金属板で形成され、その左端部には下向きに摺動片31aが折り曲げられている。スライダ31の右端部には、上方へ垂直に摺動板31bが折り曲げられており、この摺動板31bには、右方向(X2方向)へ突出する一対の摺動ピン31c,31cが設けられている。
前記底面6には、Y1−Y2方向へ直線的に延び且つ前記案内長穴6aと平行に形成された案内長穴6cが形成されており、前記摺動片31aはこの案内長穴6c内に摺動自在に挿入されている。下部筐体3の右側折曲げ片3cには、底面6と平行でY1−Y2方向へ直線的に延びる一対の案内長穴3d,3dが形成されており、前記摺動ピン31c,31cが、案内長穴3d,3dに摺動自在に挿入されている。よって、スライダ31は、基準スライダ30とは独立してY1−Y2方向へ直線軌跡に沿って摺動自在である。スライダ31を案内する案内長穴6c,3d,3dは、基準スライダ30を案内する案内長穴6a,6bよりも短く、スライダ31の移動距離は、基準スライダ30の移動距離よりも短く設定されている。
前記スライダ31の上には、前記切換レバー38が設けられている。スライダ31のY2側の端部には上向きの軸39が固定されており、切換レバー38のY2側の端部に設けられた軸穴38aが前記軸39に挿通され、切換レバー38は軸39を中心として回動自在に支持されている。また、切換レバー38とスライダ31との間にはコイルスプリング38bが掛けられており、このコイルスプリング38bの付勢力により、スライダ31上において切換レバー38が、反時計方向へ常に付勢されている。
切換レバー38のY1側の端部には、姿勢制御凸部である下向きの姿勢制御ピン40が固定され、または一体に突出形成されているとともに、駆動部である上向きに切換駆動ピン41が固定されている。姿勢制御ピン40は、切換駆動ピン41よりも右側(X2側)へ離れて位置している。
切換レバー38には、前記軸39の軸芯を曲率中心とする円弧状の逃げ穴31dが形成されている。前記基準スライダ30には、連続する長穴で形成された第1の制御カム301が形成され、下部筐体3の底面6には、連続する長穴で形成された第2の制御カム601が形成されている。切換レバー38から下向きに突出する前記姿勢制御ピン40は、スライダ31の逃げ穴31d内を通過し、さらに基準スライダ30の第1の制御カム301内を通過して、底面6に形成された第2の制御カム601内に挿入されている。第1の制御カム301内と第2の制御カム601内の双方を、姿勢制御ピン40が移動することによって、基準スライダ30とスライダ31との相対動作が制御される。
第1の制御カム301は、Y1側の端部においてX2方向へ延びる短い第1の拘束部301aと、Y1−Y2方向に直線状に延びる第1の逃げ部301bと、第1の逃げ部301bからY1側に連続してX1側へ直角に曲がる第2の拘束部301cと、第2の拘束部301cに連続して斜めに延びる回動付勢部301dと、この回動付勢部301dのY1側の端部に連続してY1−Y2方向へ直線的に延びる第2の逃げ部301eとを有している。
第2の制御カム601は、Y1側の端部を始端としてY1方向へ直線的に延びる第1の逃げ部601aと、第1の逃げ部601aのY1側の端部に連続して斜めに延びる第1の拘束部601bと、第1の拘束部601bと連続してY1方向へ直線状に短く延びる第2の逃げ部601cと、さらにY1側に連続する第2の拘束部601dとを有している。第2の拘束部601dは円弧軌跡に沿って形成されており、図9(B)に示すように、前記姿勢制御ピン40が第2の拘束部601d内に至ったときに、第2の拘束部601dの円弧軌跡の曲率中心が、切換レバー38を支持する軸39の軸中心に一致する。
図7に示すように、下部筐体3の底面6と基準スライダ30との間には、連結回動レバー44が設けられている。この連結回動レバー44は薄い金属板で形成され、平面形状が二股分岐状である。底面6には支持軸46が固定されており、連結回動レバー44の分岐部に形成された支持穴44aが前記支持軸46に挿通されて、連結回動レバー44は、支持軸46を支点として回動自在に支持されている。連結回動レバー44の一方の腕部の先端には、下向きの連結ピン45が設けられ、他方の腕部の先端には、上向きの制御ピン47が固定されている。
前記基準スライダ30には、長穴で形成されたロック制御カム302が設けられており、制御ピン47は、このロック制御カム302内に挿入されている。ラック部材32と共に基準スライダ30がY1方向へ直線的に移動する際に、ロック制御カム302によって連結回動レバー44の姿勢が制御される。
ロック制御カム302は、Y1側の端部を起点としてY2方向へ向けて直線状に延びる第1の拘束部302aと、第1の拘束部302aに連続してY2方向およびX1方向へ向けて斜めに延びる第1の回動付勢部302bと、第1の回動付勢部302bに連続してY2方向へ直線的に延びる第2の拘束部302cと、さらに斜めに延びる第2の回動付勢部302d、およびY2方向へ短く延びる保持部302eを有している。
図3ないし図6に示すように、下部筐体3の底面6上にはロック切換え部材42が設けられている。このロック切換え部材42は、平面形状が円弧状の部分を有する金属板であり、2箇所に円弧状の摺動長穴42a,42aが形成されている。図1にも示すように、底面6上には案内ピン43,43が突出し、それぞれの案内ピン43が摺動長穴42a内に挿入されている。前記摺動長穴42a,42aが前記案内ピン43,43を摺動することにより、ロック切換え部材42が、円弧軌跡に沿って筐体2の奥側である(b)方向と、筐体2の手前側である(c)方向とへ摺動できるようになっている。
ロック切換え部材42にはその幅方向に延びる連結長穴42bが形成されており、前記連結回動レバー44に設けられた連結ピン45が、前記連結長穴42b内に挿入されている。連結回動レバー44の回動力によって、ロック切換え部材42が(b)−(c)方向へ移動させられる。
図3ないし図6に示すように、ロック切換え部材42の奥側(Y2側)の端部には、切換え長穴42cが形成されている。底面6の奥側には、軸51によって回動自在に支持された伝達部材52が設けられている。この伝達部材52の手前側の端部には連結ピン53が固定され、この連結ピン53が前記切換え長穴42c内に挿入されている。図1および図7にも示すように、後方折曲げ片3bの内側にはロック部材54が設けられている。このロック部材54は板状であり、図7に示すように、後方折曲げ片3bにおいてX1−X2方向へ直線的に形成された案内長穴3e,3eによって、ロック部材54がX1−X2方向へ直線的に移動できるように支持されている。
図3ないし図6に示すように、ロック部材54には、その下縁から底面6に沿う方向へ折り曲げられた折曲げ片54aが設けられ、この折曲げ片54aに長穴54bが形成されている。前記伝達部材52の奥側の端部には、連結ピン55が固定されており、この連結ピン55が長穴54b内に挿入されている。
図5および図6に示すように、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動するときに、切換え長穴42cによって伝達部材52が反時計方向へ回動させられ、これによってロック部材54がX1方向へ移動させられる。
図1および図7さらに図10に示すように、前記ロック部材54には、ロック制御穴56が開口している。このロック制御穴56は、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部56aと、この拘束部56aよりも上側に位置している持ち上げ部56bと、前記拘束部56aと持ち上げ部56bとを連続させる傾斜部56cとを有している。さらに前記持ち上げ部56bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴56dが形成されている。また、図7および図10に示すように、下部筐体3の後方折曲げ片3bにも、比較的大きな円形の逃げ穴3fが形成されている。
下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側にもロック部材61が設けられている。このロック部材61は、図2(B)に図示されている。ロック部材61はロック切換え部材42に連結されており、前方折曲げ片3aの内側でX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。図1と図3および図4に示すように、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動しているときには、図2(B)に示すように、ロック部材61がX2側に位置しており、ロック切換え部材42が図4の位置から(c)方向へ移動して図5および図6の位置へ至る間に、その移動力によって、ロック部材61がX1方向へ移動させられる。
図2(B)に示すように、ロック部材61には、一対のロック制御穴62が開口している。それぞれのロック制御穴62には、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部62aと、この拘束部62aよりも上側に位置している持ち上げ部62bと、拘束部62aと持ち上げ部62bとを連続させる傾斜部62cとを有している。さらに前記持ち上げ部62bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴62dが形成されている。
図1、図3および図25に示すように、前記ロック切換え部材42には、連結回動レバー44との連結点の近傍に、ロック切換え部材42の一部を上方へ向けて折り返した中間拘束部63が設けられている。図25に示すように、中間拘束部63の上面は、当接面63aであり、この当接面63aのY1側には、Y1方向に向かうにしたがって底面6に向けて直線状にまたは曲線状に下降する形状の傾斜部63bが形成されている。
(第1の動力伝達部の動作)
前記第1の動力伝達部12の動作を説明する。
図8および図9は、第1のモータM1によってラック部材32がY1方向へ駆動されるときの、基準スライダ30、切換レバー38および連結回動レバー44の動作を示している。なお、スライダ31は切換レバー38と一緒にY1方向へ移動するため、図8と図9では、スライダ31の図示を省略している。
図33は、各部材の動作タイミングを示している。図33(A)は、ラック部材32と基準スライダ30の移動状態、(B)はスライダ31と切換レバー38の移動状態、(E)は連結回動レバー44とロック切換え部材42の移動状態、(F)はロック部材54と61の移動状態をそれぞれ示している。
図3と図8(A)では、ラック部材32が奥側(Y2側)へ移動した始端に位置しており、スライダ31と切換レバー38もY2側に位置している。このとき、連結回動レバー44は時計方向へ回動した位置に停止しており、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動している。このとき、図10(A)に示すように、ロック部材54がX2側に位置しており、図2(B)に示すロック部材61も同様に共にX2側に位置している。
ディスクDを駆動するときには、第1のモータM1によって、ラック部材32がY1方向へ一定の速度へ駆動され、ラック部材32に固定されている基準スライダ30もY1方向へ移動させられる。
ラック部材32および基準スライダ30は、図3および図8(A)に示す始端からY1方向へ移動して図4および図8(B)に示す位置まで移動して一度停止する。この間を図33において第1の区間(i)で示している。第1の区間(i)では、切換レバー38に設けられた姿勢制御ピン40が、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第1の拘束部301a内に嵌合した状態で、この姿勢制御ピン40が、底面6に形成された第2の制御カム601の第1の逃げ部601a内を移動する。よって、図8(A)から図8(B)に示すように、第1の区間(i)では、切換レバー38とこの切換レバー38が連結されているスライダ31が、基準スライダ30と一緒にY1方向へ移動する。また、第1の区間(i)では、基準スライダ30に形成されたロック制御カム302の第1の拘束部302aが、連結回動レバー44に設けられた制御ピン47を摺動するため、連結回動レバー44は時計方向へ回動した状態に拘束され続ける。よって、この第1の区間(i)では、ロック切換え部材42は(b)方向に移動した位置で停止している。
基準スライダ30が、図4および図8(B)に示す位置に至ると、切換レバー38に設けられた姿勢制御ピン40が、底面6に形成された第2の制御カム601の第1の拘束部601b内に導かれて、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第1の逃げ部301b内に移動する。よって、第1の区間(i)の最終行程において、切換レバー38がやや時計方向へ回動させら、この時点で、前記第1の拘束部601bによって、切換レバー38およびスライダ31がそれ以上Y1方向へ移動できないように拘束される。
ラック部材32および基準スライダ30が、図4および図8(B)に示す位置からさらにY1方向へ移動して図5および図9(A)の位置まで移動する間に(図33の第2の区間(ii))、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第1の逃げ部301bが、姿勢制御ピン40を摺動する。したがって、切換レバー38とスライダ31が停止したまま、基準スライダ30がY1方向へ移動する。第2の区間(ii)では、図9(A)に示すように、連結回動レバー44に設けられた制御ピン47が、基準スライダ30に設けられたロック制御カム302の第1の回動付勢部302b内に導かれ、連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられる。この連結回動レバー44の回動に伴なって、図5に示すように、ロック切換え部材42が(c)方向へ摺動させられる。そして、伝達部材52が反時計方向へ回動させられて、後方折曲げ片3bの内側に設けられたロック部材54がX1方向へ移動させられて図10(B)に示す位置に至り、さらに前方折曲げ片3aの内側に設けられたロック部材61も同様に、図2(B)の位置からX1方向へ移動させられる。
図5および図9(A)に示す位置から、ラック部材32および基準スライダ30がY1方向へ移動する第3の区間(iii)では、切換レバー38に設けられた姿勢制御ピン40が、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第2の拘束部301cに保持された状態で、底面6に設けられた第2の制御カム601の第2の逃げ部601c内に導かれる。よって、第3の区間(iii)では、基準スライダ30と共に、切換レバー38およびスライダ31がY1方向に移動する。また、図9(A)から始まる第3の区間(iii)では、基準スライダ30に設けられたロック制御カム302の第2の拘束部302cが制御ピン47を摺動するため、連結回動レバー44は、図5および図9(A)に示す回動角度のまま停止している。
第3の区間(iii)に連続する次の第4の区間(iV)では、ラック部材32と基準スライダ30が、図9(B)に示すY1方向の終端まで移動する。この第4の区間(iV)では、姿勢制御ピン40が第1の制御カム301の第2の逃げ部301eに導かれ、且つ第2の制御カム601の第2の拘束部601d内に導かれるため、切換レバー38が時計方向へ大きく回動させられる。そして、第2の逃げ部301eが、姿勢制御ピン40を摺動するため、スライダ31は図6に示す位置に停止し且つ切換レバー38が時計方向へ大きく回動した状態を維持する。また、ロック制御カム302の第2の回動付勢部302dが制御ピン47を摺動するため、連結回動レバー44が図6および図9(B)に示すように反時計方向へ大きく回動させられる。第4の区間(iV)の最終行程で、制御ピン47が、ロック制御カム302の保持部302eに保持される。
第4の区間(iV)では、スライダ31と切換レバー38が動かずに拘束された状態で、連結回動レバー44が、図9(B)に示すように反時計方向へ回動するため、図6に示すように、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられる。このとき、図6に示す伝達部材52が反時計方向へ回動させられ、この伝達部材52によってロック部材54がX1方向へ移動させられて図10(C)の位置に至る。同様に、前方折曲げ片3aの内側に設けられたロック部材61もX1方向へ移動させられる。
(ユニット支持ベース)
図1に示すユニット支持ベース13は、金属板を折り曲げて形成したものである。このユニット支持ベース13の手前には前方折曲げ片13aが設けられ、この前方折曲げ片13aは、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に平行に設置される。ユニット支持ベース13には後方折曲げ片13bが形成されており、この後方折曲げ片13bが、下部筐体3の後方折曲げ片3bの内側に平行に設置される。また、ユニット支持ベース13の側部折曲げ片13cは、下部筐体3の右側折曲げ片3cの内側に平行に設置される。
図11ないし図14にも示すように、ユニット支持ベース13の内縁13dは凹状の円弧形状であり、内縁13dは、図1に示すディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。そして、支持体選択手段22によって各支持体21が上下に移動させられる間に、ユニット支持ベース13がディスクDの外周縁に当たらないようになっている。
図1示すように、下部筐体3の底面6上の3箇所には、弾性支持部材であるダンパー71,72,73が固定されている。このダンパー71,72,73は、ゴムなどの可撓性の袋体の内部に、オイルなどの液体または気体が封入されているものである。あるいは前記袋体と共に圧縮コイルスプリングが組み合わされているものである。図11ないし図14に示すように、ユニット支持ベース13の底面の3箇所には支持軸74,75が下方に向けて垂直に固定されており、支持軸74は前記ダンパー71に支持され、支持軸75はダンパー72に支持され、さらに他の支持軸76がダンパー73に支持されている。ユニット支持ベース13は、各ダンパー71,72および73によって、底面6上で弾性支持可能となっている。
ユニット支持ベース13の後方折曲げ片13bにはY2方向へ突出する1本の拘束軸77が設けられており、この拘束軸77が、図1、図7および図10に示したロック部材54のロック制御穴56内に挿入されている。ユニット支持ベース13の前方折曲げ片13aには、Y1方向へ突出する一対の拘束軸78,78が設けられており、それぞれの拘束軸78は、図2(B)に示すロック部材61のロック制御穴62内に挿入されている。
図11ないし図14および図25に示すように、ユニット支持ベース13の下面には、駆動部材である駆動スライダ85が設けられ、この駆動スライダ85は、ユニット支持ベース13の下面に沿ってY1−Y2方向へ摺動自在に支持されている。
図11ないし図14に示すように、前記駆動スライダ85には、駆動穴86が形成されている。第1の動力伝達部12に設けられた切換レバー38から上向きに突出する切換駆動ピン41は、前記駆動穴86内に挿入されている。駆動穴86は、切換駆動ピン41の移動力が伝達される伝達部であるX1−X2方向に延びる細長い駆動部86aと、この駆動部86aのX1側の端部に設けられた逃げ部86bとを有している。前記駆動部86aは、切換駆動ピン41を拘束できる幅寸法で形成されており、前記逃げ部86bは、切換駆動ピン41よりも十分に大きい直径寸法で形成されている。
前記駆動スライダ85は合成樹脂製であり、図25に示すように、この駆動スライダ85の下面には、可動拘束部87が一体に下向きに突出形成されている。この可動拘束部87の下面には、当接面87aおよびY2方向に向かうにしたがって、上方へ向けて直線状または曲面状に変化する傾斜部87bが設けられている。図11および図25(A)に示すように、駆動スライダ85がY2側へ移動しているときには、可動拘束部87の当接面87aと、前記ロック切換え部材42に設けられた中間拘束部63の当接面63aとが互いに当接し、ユニット支持ベース13が下方から支持されている。
図11ないし図14に示すように、前記駆動スライダ85には制御長穴85aが貫通して形成されている。図17ないし図19には、駆動スライダ85が図示されず前記制御長穴85aのみが図示されている。制御長穴85aは、X方向とY方向の双方に対して傾斜して形成されている。
図11ないし図14に示すように、駆動スライダ85には、支持切換えカム801が上下に貫通して形成されている。支持切換えカム801は、Y1側の端部からY2方向およびX1方向に向けて斜めに延びる切換え部801aと、切換え部801aに連続してY1−Y2方向へ直線的に延びる第1の逃げ部801bと、同じくY1−Y2方向へ直線的に延び且つ第1の逃げ部801bよりもX1側に位置している第2の逃げ部801dと、第1の逃げ部801bと第2の逃げ部801dとの境界に位置する拘束切換部801cとが形成されている。
(駆動ユニット)
図11ないし図14および図17ないし図19に示すように、ユニット支持ベース13の上には駆動ユニット14が設置されているが、この駆動ユニット14は、細長い駆動ベース81を有している。ユニット支持ベース13の奥側(Y2側)には、支持軸84が上向きに垂直に突出しており、駆動ベース81が前記支持軸84に支持されて、駆動ユニット14がX−Y平面に沿って回動自在となっている。
駆動ユニット14の回動範囲は、図11および図17に示す退避位置から、図13と図14および図18と図19に示す介入位置までである。駆動ベース81には回転駆動部82が搭載されており、図11に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、前記回転駆動部82が筐体2の前面7側に位置し、駆動ベース81の側面81aが、筐体2の右側面8の直近でこの右側面8と平行に位置している。そして、退避位置にある駆動ユニット14は、ディスク収納領域20の支持体21に支持されるディスクDの外周縁からわずかに離れている。
図13と図14に示すように、駆動ユニット14が介入位置へ回動すると、回転駆動部82が、ディスク収納領域20の内部へ移行する。この介入位置では、回転駆動部82の回転中心が、選択位置(a)に移動している支持体21に支持されたディスクDの中心穴と上下方向において一致する。
図11ないし図14および図17ないし図19に示すように、ユニット支持ベース13には、前記支持軸84を中心とする所定の半径の円弧状に形成された円弧案内部13eが設けられている。この円弧案内部13eは、ユニット支持ベース13を貫通する円弧長穴である。また、ユニット支持ベース13には、前記円弧案内部13eのY1側の端部に近接した位置に駆動案内部13fが形成されている。この駆動案内部13fは、ユニット支持ベース13を貫通して形成されている。
図17ないし図19に示すように、駆動案内部13fは、Y2側の端部においてX1側に屈曲した退避拘束部13gと、この退避拘束部13gからY1側に延びる介入案内部13hと、この介入案内部13hと連続し且つ介入案内部13hよりもX2側に位置してY1方向へ延びるクランプ案内部13i、およびクランプ案内部13iのY1側の端部においてX2側に屈曲するクランプ拘束部13jとを有している。
図17ないし図19に示すように、前記駆動ユニット14の駆動ベース81と、ユニット支持ベース13との間には、第1の切換え部材181と第2の切換え部材182とが設けられている。第1の切換え部材181と第2の切換え部材182は、共に金属製の薄い板材であり、第1の切換え部材181は、第2の切換え部材182とユニット支持ベース13との間に挟まれている。第2の切換え部材182には支持穴182aが開口しており、この支持穴182aが前記支持軸84に挿通され、第2の切換え部材182が支持軸84を支点として回動自在に支持されている。
第1の切換え部材181と第2の切換え部材182は連結軸183により連結されており、第1の切換え部材181は、前記連結軸183を支点として、第2の切換え部材182に対して相対的に回動自在である。
第1の切換え部材181のY1側の端部には下向きの制御軸184が固定されている。この制御軸184は、ユニット支持ベース13に形成された前記駆動案内部13f内に挿入され、さらに制御軸184の下端は、前記駆動スライダ85に形成された前記制御長穴85a内に挿入されている。
第1の切換え部材181には、これを貫通して形成された制御カム部185が形成されている。この制御カム部185は、介入駆動部185aと、クランプ駆動部185c、および介入駆動部185aとクランプ駆動部185cとを鋭角に屈曲させる屈曲境界部185bとを有している。前記介入駆動部185aは、前記連結軸183を曲率中心とする円弧軌跡に沿って形成されている。
第2の切換え部材182には、Y2側に開放端が向けられた円弧状の逃げ溝182bが形成されている。この逃げ溝182bは、支持軸84を曲率中心とする円弧軌跡に沿って形成され、前記逃げ溝182bと、ユニット支持ベース13に形成された前記円弧案内部13eは同じ曲率で形成されている。
駆動ユニット14の駆動ベース81の下面には、駆動軸88が垂直に固定されている。この駆動軸88は、第2の切換え部材182の逃げ溝182b内に挿入され、また、第1の切換え部材181の制御カム部185に挿入され、さらにユニット支持ベース13に形成された前記円弧案内部13e内に挿入されている。
この実施の形態では、前記駆動スライダ85と、第1の切換え部材181および第2の切換え部材182、さらには駆動軸88によって、駆動ユニット回動手段が構成されている。
(回転駆動部とクランプ機構)
図20ないし図24には、駆動ユニット14に搭載された回転駆動部82の構造が示されている。
図20と図21に示すように、回転駆動部82は、ディスクDの下面が設置されるテーブル部82bと、テーブル部82bの中心部において上方(Z2方向)へ突出する凸部82cを有している。駆動ベース81の上面にはスピンドルモータMsが固定されており、このスピンドルモータMsの回転軸82aに前記テーブル部82bと凸部82cが固定されている。テーブル部82bと凸部82cは合成樹脂材料で一体に形成されている。
前記凸部82cの周面には、下方(Z1方向)に向かうにしたがって直径が徐々に大きくなるテーパ面82dが形成されている。凸部82cの下端部の直径は、ディスクDの中心穴の内径とほぼ一致し、あるいは中心穴の内径よりもわずかに小さく設定されている。凸部82cの内部は空洞部であり、この凸部82cの周囲には、前記空洞部に通じる切欠き部82eが形成されている。この切欠き部82eは、回転軸82aを中心とする120度の角度間隔で3箇所に形成されている。
回転駆動部82には、ディスクDをテーブル部82bの上面にクランプするためのクランプ機構200が搭載されている。このクランプ機構200は、いわゆるセルフクランプ機構である。以下クランプ機構200の構造を説明する。
図22と図23は、回転駆動部82を、テーブル部82bおよび凸部82cを透視して示した平面図である。両図に示されるように、前記凸部82cの空洞部内には3個のクランプ部材201が収納されている。前記空洞部内では、凸部82cの上部内部から下方へ垂直に延びる支持軸82fが一体に設けられている。この支持軸82fは、回転軸82aを中心とする120度の角度間隔で3箇所に配置されている。
それぞれのクランプ部材201の基部は、支持軸82fに回動自在に支持されている。また、クランプ部材201の先部には、保持爪201aが一体に形成されている。図20および図22に示すように、クランプ部材201が支持軸82fを支点として反時計方向へ回動すると、前記切欠き部82e内において、保持爪201aは凸部82cのテーパ面82dよりも内側に退行する。この状態が、凸部82cをディスクDの中心穴内に挿入できる非クランプ姿勢である。図21および図23に示すように、クランプ部材201が支持軸82fを支点として時計方向へ回動すると、保持爪201aがテーパ面82dよりも外側に斜めの姿勢で突出し、ディスクDの中心穴の周縁部が、テーブル部82bと保持爪201aとの間で挟持可能なクランプ姿勢となる。
図22と図23に示すように、凸部82cにはばね支持突起82gが一体に形成されている。ばね支持突起82gは3箇所に設けられており、それぞれのばね支持突起82gに、クランプ付勢手段であるトーションばね202が支持されている。それぞれのクランプ部材201は前記トーションばね202によって常に時計方向(クランプ姿勢となる方向)へ付勢されている。
図20と図21に示すように、クランプ機構200では、テーブル部82bの下に切換え回転部203が設けられている。この切換え回転部203は、前記回転軸82aを中心として、この回転軸82aおよびテーブル部82bとは独立して回転できるように支持されている。図22ないし図24にも示されるように、切換え回転部203の外周には周方向に連続して一定ピッチで突出形成された歯部203aが形成されている。
図24は、3個のクランプ部材201のうちの1個を取り外した状態を示している。切換え回転部203の上面には、クランプカム203bが3箇所に形成されている。このクランプカム203bはカム溝であり、時計方向に向かうにしたがって回転軸82aに接近する形状である。それぞれのクランプ部材201の下面には摺動突起(図示せず)が突出形成されており、この摺動突起が前記クランプカム203b内に摺動自在に挿入されている。
このクランプ機構200は、テーブル部82bに外力を作用させず、且つ切換え回転部203に外力を作用させない自由状態において、各クランプ部材201がトーションばね202の付勢力によって時計方向へ回動し、その回動力がクランプカム203bに作用して切換え回転部203がテーブル部82bに対して時計方向へ回動した状態となる。そして、各保持爪201aが凸部82cのテーパ面82dから外方へ突出したクランプ姿勢となる。
逆に、テーブル部82bを拘束して、切換え回転部203を反時計方向へ強制的に回動させると、クランプカム203bによってクランプ部材201が反時計方向へ回動させられ、保持爪201aがテーパ面82dよりも内側に退行して非クランプ姿勢に切換えられる。
前記クランプ機構200は、駆動ユニット14の駆動ベース81上に搭載されたクランプ切換え手段210によって切換え制御される。前記切換え回転部203は、このクランプ切換え手段210の構成部材の一部である。
図17ないし図19に示すように、前記駆動ベース81にはクランプ伝達部材211が設けられている。このクランプ伝達部材211は、板金材料で断面がL字型に折り曲げ成形されたものである。クランプ伝達部材211は、駆動ベース81の側面81aに沿って往復移動自在に支持されている。すなわち、クランプ伝達部材211は、駆動ベース81において、支持軸84に支持されている回動支点側から回転駆動部82に向けて延びている。
クランプ伝達部材211は、回動支点側に折曲部211aが形成され、この折曲部211aに連結ピン212が固定されている。前記第2の切換え部材182の自由端には連結長穴182cが開口しており、前記連結ピン212はこの連結長穴182c内に挿入されている。
クランプ伝達部材211には、回転駆動部82側に切換え部213が設けられている。この切換え部213は平板材料で形成されている。切換え部213には、複数の歯が等ピッチで突出した拘束歯部213aが形成されており、図22に示すように、この拘束歯部213aが、前記切換え回転部203に形成された歯部203aと噛み合うことが可能となっている。
図20と図21に示すように、回転駆動部82のテーブル部82bの下面には、ロック歯部82hが一体に形成されている。このロック歯部82hは、円周方向に一定のピッチで配列し、且つ回転軸82aを中心として放射状に延びる複数の歯が、下向きに突出形成されているものである。クランプ切換え手段210では、前記ロック歯部82hに噛み合うロック部材215が設けられている。図20と図21に示すように、ロック部材215は板ばね材料で形成されており、ロック部材215の先端には、前記ロック歯部82hと噛み合うロック片215aが折り曲げ形成されている。
図20に示すように、ロック部材215の自らの弾性力によって、前記ロック片215aがロック歯部82hと噛み合った状態で、テーブル部82bが回転しないようにロックされる。また、図21および図23に示すように、クランプ伝達部材211が駆動ベース81の先端面81b側へ移動すると、前記切換え部213がロック部材215の上に乗り上がり、切換え部213によってロック部材215が押し下げられ、ロック片215aがロック歯部82hから離れて、テーブル部82bのロックが解除される。
図11ないし図14に示すように、駆動ベース81には光ヘッド83が設けられている。この光ヘッド83の上面には対物レンズ83aが設けられている。駆動ベース81にはスレッド機構が設けられ、このスレッド機構により、光ヘッド83は回転駆動部82に接近する位置から、回転駆動部82から離れる方向へ向けて移動させられる。このとき、光ヘッド83の対物レンズ83aは、回転駆動部82にクランプされたディスクDの半径方向に移動できるようになっている。
光ヘッド83は互いに平行に配置された一対の案内部材によって案内されている。図21と図22には、一方の案内部材である案内軸89が示されている。図21に示すように、案内軸89の端部は、上方から固定板ばね216で押さえられている。この固定板ばね216は、固定ねじ217によって駆動ベース81に固定されている。また、駆動ベース81には調節ねじ218が上向きに螺着されており、案内軸89の端部は、固定板ばね216と調節ねじ218の先端との間に挟まれている。調節ねじ218の締め付け量を変化させると、案内軸89の端部の上下高さ位置を可変でき、これにより案内軸89と他方の案内部材との平行度を調整できる。
前記ロック部材215は固定板ばね216の一部によって一体に形成されている。ロック部材215と固定板ばね216とを一体に形成することにより、ロック部材215を個別に設けることが不要になり、部品数を削減できる。また、ロック部材215と固定板ばね216は、固定ねじ217で固定される部分から直交する方向に延びていて、全体としてL字形となっており、駆動ベース81の先端面81b側の角部に狭いスペースで固定されている。
(固定ガイドと可動ガイド)
図11ないし図14に示すように、駆動ユニット14の駆動ベース81における回転駆動部82が設けられている側の先端面81bには、金属板で形成された突出板81dが設けられている。図15に示すように、前記突出板81dは駆動ベース81の先端面81bにねじ81gによって固定されている。突出板81dの下面にはローラ81eが設けられ、このローラ81eと一体のまたは別体の軸81fが、突出板81dに回転自在に支持されている。ローラ81eの外周面には溝81hが形成されており、この溝81hの外周部分には回転軸から離れるにしたがって上下の間隔が徐々に広がる傾斜面81jが形成されている。
図12などに示すように、ユニット支持ベース13は、ディスク収納領域20に保持されるディスクDの外周縁に当たらないように、筐体2の前面7の内側に沿って延びる前方部分13Aと、筐体2内の右側の領域に位置する右側部分13Bを有する平面がL字形状である。図11に示すように、駆動ユニット14が反時計方向へ回動して退避位置となっているとき、駆動ユニット14は、ユニット支持ベース13の前記右側部分13Bの上に設置されている。
図11ないし図14に示すように、ユニット支持ベース13の右側部分13BのY1側の端部には、固定ガイド80が固定されて設けられている。図15には、固定ガイド80の断面形状が破線で示されている。固定ガイド80は、摩擦係数の小さい合成樹脂材料で形成されて、前記ユニット支持ベース13の上面に設置されて、ユニット支持ベース13にねじ止めなどの手段で固定されている。図15に示すように、固定ガイド80にはY1方向へ突出する所定厚さ寸法のレール状の円弧案内部80aが一体に形成されている。この円弧案内部80aにおいてY1側に向けられる端面80bは、図11ないし図14に示すように、駆動ユニット14の回動支点である支持軸84の軸中心が曲率中心となる円弧軌跡の一部に一致している。
図11に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、図15において破線で示すように、駆動ユニット14の自由端側の先端に設けられた前記ローラ81eの溝81h内へ、前記円弧案内部80aが支持軸84側から入り込んだ状態となる。ローラ81eに形成された前記溝81hの上下の開口幅寸法は、円弧案内部80aの上下の幅寸法よりもわずかに大きく形成され、ローラ81eの溝81hは、円弧案内部80aに対して上下方向へほとんどがたつくことなく嵌合する。よって、退避位置にある駆動ユニット14は、その自由端が上下に動くことなく安定して支持される。
図11ないし図14に示すように、ユニット支持ベース13の前方部分13Aの上面には、可動ガイド401が設けられている。前方部分13AのX2側には上方へ突出する支持軸402が固定されている。前記可動ガイド401のX2側の端部は前記支持軸402に回動自在に支持されている。よって、可動ガイド401は、図11に示す収納位置から時計方向へ回動して、図12に示す案内位置を経て、図13と図14に示す支持位置へ向けて、X−Y平面に沿って回動自在である。可動ガイド401は、金属板で形成されており、筐体2の内方に向く縁部が円弧案内部401aとなっている。図11に示すように、可動ガイド401が収納位置にあるとき、円弧案内部401aは、ディスク収納領域20内に収納されているディスクDの外周から離れている。また、図12に示すように、可動ガイド401が案内位置に回動して停止すると、円弧案内部401aの曲率中心は、駆動ユニット14の回動支点である前記支持軸84の軸中心に一致する。
可動ガイド401の回動自由端には、筐体2の内方へ向く保持凹部401bが形成され、さらに保持凹部401bの先部に筐体2の内方に延びるストッパ401cが一体に形成されている。図15に示すように、可動ガイド401の円弧案内部401aは、駆動ユニット14の先端に設けられたローラ81eの溝81h内に上下への隙間が最小となる状態で嵌合可能であり、前記保持凹部401bも、前記ローラ81eの溝81h内に上下の隙間が最小となる状態で嵌合可能である。図12に示すように、可動ガイド401が退避位置から時計方向へ回動する際には、案内位置にある可動ガイド401の円弧案内部401aで駆動ユニット14の先端のローラ81eが案内され、図13と図14に示すように、駆動ユニット14が介入位置まで回動すると、可動ガイド401が時計方向へ回動して支持位置となり、前記保持凹部401bによって、前記ローラ81eの溝81hが保持される。
図11ないし図14に示すように、ユニット支持ベース13の右側部分13Bの上には、前記可動ガイド401を回動させるガイド切換え機構400が設けられている。
ガイド切換え機構400では、ユニット支持ベース13の上に、金属板で形成された第1の伝達部材403が設けられている。第1の伝達部材403には円弧長穴403aが形成され、且つ第1の伝達部材403のY2側の端部には下向きに制御ピン404が固定されている。ユニット支持ベース13の右側部分13Bには、円弧案内長穴13kが上下に貫通して形成され、さらに右側部分13Bの上面には、軸405が固定されている。前記円弧長穴403aが軸405を摺動し、制御ピン404が円弧案内長穴13k内を摺動することにより、第1の伝達部材403は、円弧軌跡に沿ってY1−Y2方向へ向けて摺動自在である。また、前記制御ピン404は、前記円弧案内長穴13k内を下向きに貫通し、ユニット支持ベース13の下に位置する前記駆動スライダ85に形成された前記支持切換えカム801内に摺動自在に挿入されている。
前記第1の伝達部材403と前記可動ガイド401との中間には、第2の伝達部材406が設けられている。第2の伝達部材406は金属板で形成されており、その下面には一対の摺動軸407,407が固定されている。前記ユニット支持ベース13には、一対の円弧案内長穴13m,13mが上下に貫通して形成されており、それぞれの摺動軸407,407が円弧案内長穴13m,13mに摺動自在に挿入されている。よって、第2の伝達部材406は、ユニット支持ベース13の内縁13dに沿う円弧軌跡上でY1−Y2方向へ摺動自在である。
第2の伝達部材406のY2側の端部には、上下に貫通する長穴で形成された伝達カム408が設けられている。伝達カム408は、ほぼX1側に延びる第1の駆動部408aと、ほぼX2側に延びる第2の駆動部408c、および第1の駆動部408aと第2の駆動部408cとを連結している中間保持部408bとを有している。第1の伝達部材403のY1側の端部には、下向きの連結ピン409が突出しており、この連結ピン409が前記伝達カム408内に挿入されている。
第2の伝達部材406のY1側の端部には、上下に貫通する長穴で形成された駆動カム411が設けられている。この駆動カム411は、第2の伝達部材406のY1側の短辺に沿って延びる駆動部411bと、この駆動部411bのX1側の端部においてY1側に屈曲した収納保持部411aと、駆動部411bのX2側の端部においてY2側へ屈曲した支持保持部411cとを有している。前記可動ガイド401のX2側の端部には駆動ピン412が下向きに突出しており、この駆動ピン412が、前記駆動カム411内に摺動自在に挿入されている。
図11ないし図14に示すように、ユニット支持ベース13の前方折曲げ片13aには、収納保持部材420が設けられている。図16に示すように、収納保持部材420は、板ばね材料で形成されており、その基端部は、前記前方折曲げ片13aの外面に、ねじ423で固定されている。収納保持部材420は、弾性変形可能な上方の保持片421と同じく弾性変形可能な下方の保持片422を有している。図11に示すように、可動ガイド401が反時計方向へ回動して前方部分13Aの上に収納されているとき、上下の保持片421と422によって可動ガイド401が保持され、収納位置にある可動ガイド401が上下にがたつくのを防止できる。
(第2の動力伝達部と移送ユニット)
次に、図26と図27を参照して、中間筐体4に設けられた第2の動力伝達部16の構造を説明する。
第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15の上に、円弧形状の切換え部材91が設けられている。切換え部材91には、円弧軌跡に沿って延びる一対の案内長穴91a,91aが形成されている。機構ベース15上には一対の案内軸92,92が上向きに突出して固定されており、それぞれの案内軸92が前記案内長穴91a内に挿入されている。この支持機構により、切換え部材91は、円弧軌跡に沿って(d)方向および(e)方向へ摺動自在に案内されている。また、切換え部材91の外周側の縁部には円弧軌跡に沿ってラック歯91bが形成されている。
機構ベース15上には、第2のモータM2が設けられている。この第2のモータM2の回転軸にはウォーム歯車93が固定されている。機構ベース15上には出力歯車94が設けられ、この出力歯車94が前記ウォーム歯車93に常に噛み合っている。
第2のモータM2の回転動力は、前記出力歯車94から歯車95,96を経てピニオン歯車97に減速して伝達される。前記ピニオン歯車97は、前記切換え部材91のラック歯91bと常に噛み合っている。また、前記出力歯車94の側方には、切換え歯車98が設けられている。この切換え歯車98は、第2のモータM2の動力を、図1に示す支持体選択手段22に伝達させるためのものである。機構ベース15上には、この切換え歯車98を、出力歯車94との噛み合い位置に移動させ、また出力歯車94との噛み合いを解除する位置へ移動させる切換え手段が設けられている。この切換え手段は、第1のモータM1の動力によって動作させられる。あるいはこの切換え手段が第1のモータM1や第2のモータM2とは別個のモータで駆動されてもよい。
図2(B)に示すように、上部筐体5には、前記支持体選択手段22に回転動力を伝達するための伝達歯車99が回転自在に設けられており、図26と図27に示すように、この伝達歯車99が、前記切換え歯車98と噛み合うことが可能となっている。
図1および図26と図27に示すように、機構ベース15の下には前記移送ユニット17が設けられている。図2(A)および図28に示すように、移送ユニット17は、X1−X2方向へ向けて細長く延びる金属製のユニット枠100を有している。ユニット枠100は、上面101と下面102および支点側の側面103と自由端側の側面104を有し、ユニット枠100の内部はY1−Y2方向に貫通している。ユニット枠100の内部には、低摩擦係数の合成樹脂で形成された摺動部材105が設けられている。この摺動部材105は、ユニット枠100の上面101の内面に沿って延びる挟持部106と、支点側の側面103の内側に位置する側部案内部107と、自由端側の側面104の内側に位置する側部案内部108とを有している。側部案内部107と側部案内部108との対向間隔は、ディスクDの直径よりも広く、また図2(A)に示すように、挿入口23の開口幅寸法Wとほぼ同じか、それよりもやや広く形成されている。
図2(A)および図28に示すように、移送ユニット17では、ユニット枠100内にローラ軸111が設けられている。このローラ軸111は、ユニット枠100の上面101と平行に延び、その両端は前記支点側の側面103と自由端側の側面104に回動自在に支持されている。図2(A)および図29にも示されるように、前記ローラ軸111の外周に合成ゴムや天然ゴムなどの摩擦係数の高い材料で形成された第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113が設けられている。第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113は、軸方向に間隔を空けて配置されている。移送ユニット17が図29、図30および図32に示す待機位置にあるとき、移送ローラ112と移送ローラ113は、筐体2の前面7とほぼ平行で、且つ挿入中心線Oaから左右に等距離離れた位置に配置されている。
第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113との中間に位置する中間部114は、ディスクDに対して実質的に移送力を与えない部分である。この中間部114は、両移送ローラ112,113と一体で且つ両移送ローラ112,113よりも小径に形成されているか、またはローラ軸111が直接に露出して形成されている。
図2(A)および図28に示すように、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113は、前記摺動部材105の挟持部106に対向している。移送ローラ112,113と挟持部106の少なくとも一方がばねで付勢されて、移送ローラ112,113と挟持部106とが互いに弾性的に圧接されている。よって、移送ローラ112と挟持部106、および移送ローラ113と挟持部106とでディスクDを挟持可能である。なお、この圧接状態では、中間部114と挟持部106との隙間が、ディスクDの厚み寸法よりも広くなっており、中間部114と挟持部106との間でディスクDが挟持されることはない。
第1の移送ローラ112および第2の移送ローラ113は、ローラ軸111の外周に接着することなくローラ軸111の外周に回転自在に挿通されている。ディスクDに対する挟持圧が移送ローラ112,113に作用しているときには、移送ローラ112,113とローラ軸111との摩擦力が増大して、ローラ軸111と移送ローラ112,113が一体となって回転する。また、挟持中のディスクDが人の指で掴まれたときのように、移送されるディスクDに大きな抵抗力が与えられると、移送ローラ112,113に対してローラ軸111がスリップ回転できるように構成されている。
なお、この実施の形態では、挟持部106が低摩擦係数の合成樹脂材料で形成されているが、この挟持部106が、自由に回転できるローラであってもよい。
前記移送ユニット17は、X1側の端部を支点として、図26に示す待機位置から図27に示す移送動作位置に向けて回動できるようになっている。図26に示す待機位置では、ユニット枠100が、筐体2の前面7の内側に位置し、ローラ軸111がほぼX1−X2方向へ延びている。また待機位置にある移送ユニット17は、ユニット枠100が、ディスク収納領域20の支持体21に支持されているディスクDの外周縁からわずかに離れている。
図31に示すように、移送ユニット17が左側(X1側)を支点として反時計方向へ回動して移送動作位置に至ると、移送ローラ112,113の回転力によって、ディスクDが支持体21に向けて移送される。
図1と図2(A)および図28に示すように、移送ユニット17の回動支点となる支点軸131は、下部筐体3の底面6において、上方へ垂直に延びるように固定されている。図28に示すように、移送ユニット17には、X1側の端部にローラ軸111と直交する方向に延びる軸受部125が設けられており、この軸受部125が前記支点軸131に回動自在に支持されている。図30などに示すように、この支点軸131と軸受部125は、移送ユニット17で移送されるディスクDの外周から離れた位置に設置されている。
図26と図27に示す第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15のX1側に円弧状の案内穴15bが開口し、X2側にも円弧状の案内穴15cが開口している。案内穴15bと案内穴15cは、共に前記支点軸131を曲率中心とした円弧軌跡に沿って延びている。
移送ユニット17のユニット枠100の上面101では、支点軸131に近い位置に上方へ垂直に延びる案内軸132が固定され、支点軸131から離れた自由端側には、同じく上方へ垂直に延びる駆動軸133が固定されている。図26と図27に示すように、案内軸132は前記案内穴15b内に下から上方に向けて挿通され、駆動軸133も案内穴15c内に下から上方に向けて挿通されている。駆動軸133の先端は、機構ベース15の上方へ突出しており、機構ベース15の上において、駆動軸133に回動リング134が回動自在に設けられている。
機構ベース15の上には、駆動レバー135が設けられている。この駆動レバー135の基部は、軸136を介して機構ベース15に回動自在に支持されている。駆動レバー135には、駆動長穴135aが開口しており、前記駆動軸133の外周に設けられた前記回動リング134が、この駆動長穴135aの内部に挿入されている。
機構ベース15上に設けられている前記切換え部材91には、ユニット制御長穴137が開口している。前記駆動レバー135の上面には伝達軸138が垂直に突出しており、この伝達軸138が、ユニット制御長穴137に下から上方へ向けて挿入されている。
前記ユニット制御長穴137には、非作用部137aが形成されている。この非作用部137aは円弧軌跡に沿って形成されているが、この円弧軌跡の曲率中心は、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動するときの移動軌跡である円弧軌跡の曲率中心に一致している。したがって、図26に示すように、伝達軸138が非作用部137a内に位置しているときに、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動しても、その移動力が伝達軸138に作用しない。また、非作用部137aの曲率中心と、駆動レバー135の回転中心である軸136は同じ位置に存在していない。そのため、伝達軸138が非作用部137a内に位置し、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動するときに、駆動レバー135は、図26に示すように、時計方向へ回動した状態に保持され、移送ユニット17は待機位置に停止した状態に維持される。
前記ユニット制御長穴137では、前記非作用部137aのY1側に連続して駆動傾斜部137bが設けられ、さらにそのY1側の端部に保持部137cが形成されている。保持部137cは、非作用部137aよりも、切換え部材91の摺動軌跡である円弧軌跡の曲率中心に近い側に位置している。
したがって、切換え部材91が、図26の位置からさらに(e)方向へ摺動して図27の位置に至る間に、伝達軸138が駆動傾斜部137bに移行し、この駆動傾斜部137bによって伝達軸138が反時計方向へ移動させられ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。その結果、図27に示すように、移送ユニット17が、支点軸131を支点として反時計方向へ回動し、移送動作位置に至る。図27に示す移送動作位置では、駆動軸133が案内穴15cのY2側端部に位置し、伝達軸138がユニット制御長穴137の保持部137cに保持されるため、移送ユニット17は移送動作位置で拘束されるようになる。
この実施の形態では、切換え部材91に設けられたユニット制御長穴137および駆動レバー135とで、移送ユニット回動手段が構成されている。
(第3の動力伝達部)
次に、下部筐体3の底面6に設けられた第3の動力伝達部19の構造を説明する。
図11ないし図14および図28に示すように、底面6に固定された前記支点軸131の下方には、一体ギヤ141が回転自在に支持されている。この一体ギヤ141は、上方部分が垂直ウォーム歯車141aであり、下方部分が下部歯車141bである。図11ないし図14に示すように、筐体2の底面6には、中間歯車142が回転自在に設けられ、この中間歯車142が前記下部歯車141bに噛み合っている。底面6には第3のモータM3が設けられており、その回転軸に固定されたウォーム歯車143が、前記中間歯車142と噛み合っている。
図28に示すように、移送ユニット17では、ローラ軸111の一端が、ユニット枠100の支点側の側面103から外方へ突出しており、側面103から突出したローラ軸111の端部に平歯車であるローラ歯車144が固定されている。前記側面103には、軸145が固定され、この軸145に一体ギヤ146が回転自在に支持されている。この一体ギヤ146は、小径平歯車146aと大径平歯車146bとが一体化されたものであり、小径平歯車146aが前記ローラ歯車144と噛み合っている。
ユニット枠100の下面102には、下方に突出する支持片102aが一体に折り曲げ形成されており、この支持片102aに軸148が固定されている。この軸148はローラ軸111と平行に延びている。軸148には一体ギヤ147が回転自在に支持されている。一体ギヤ147は、平歯車147aとウォームホイール147bとが一体化されたものである。この平歯車147aが、前記大径平歯車146bと噛み合っている。
移送ユニット17に設けられた軸受部125が、支点軸131に回動自在に挿通された状態で、前記ウォームホイール147bとウォーム歯車141aとが噛み合う。前記第3のモータM3の回転動力は、中間歯車142から下部歯車141bおよびウォーム歯車141aに伝達され、さらにウォーム歯車141aからウォームホイール147bに伝達される。その動力は、平歯車147aから一体ギヤ146の大径平歯車146bに伝達され、さらに小径平歯車146aからローラ歯車144に伝達される。
下部筐体3側に設けられた第3のモータM3の回転動力が、支点軸131と同軸に回転する一体ギヤ141を介してローラ歯車144に伝達されるため、移送ユニット17を、支点軸131を支点として待機位置から移送動作位置へ回動させる動作とは独立してローラ軸111を駆動することができる。すなわち、このディスク収納型ディスク装置1は、移送ユニット17を待機位置から移送動作位置へ回動させる移送ユニット回動手段と、移送ローラ112,113を自転させるローラ駆動手段とが別個に設けられ、互いに独立して動作できるようになっている。
(ディスク収納領域と支持体選択手段)
次に、上部筐体5に設けられているディスク収納領域20および支持体選択手段22の構造について説明する。
図1、図2(B)および図29ないし図32に示すように、上部筐体5の天井面11には、互いに平行に下方へ向けて延びる3本の選択軸151が回転自在に支持されている。それぞれの選択軸151の外周には、選択溝152が形成されている。図2(B)に示すように、選択溝152はスパイラル状に形成されている。選択軸151の上方は密ピッチ部152aで下方も密ピッチ部152bとなっている。密ピッチ部152a,152bでは、選択溝152が短ピッチで形成され、それぞれの密ピッチ部152a,152bでは、選択溝152が少なくとも5周(5ピッチ)以上形成されている。選択溝152の中間部は疎ピッチ部152cであり、この疎ピッチ部152cでは、両密ピッチ部152a,152bの間で、選択溝152が1ピッチ分だけ形成されている。
支持体21は上下方向に重ねられて6枚設けられており、それぞれの支持体21の3箇所には挿通穴21aが開口している。それぞれの挿通穴21aは、前記選択軸151の外周に挿通されるが、この挿通穴21aには、選択溝152に摺動自在に掛止される突状の掛止部が設けられている。6枚の支持体21のそれぞれの前記掛止部は、選択溝152の隣接する5ピッチのそれぞれのピッチに掛止されるように配置されている。よって、選択軸151が反時計方向へ回転すると、支持体21が選択軸151に沿って1枚ずつ下向きに送られ、選択軸151が時計方向へ回転すると支持体21が選択軸151に沿って1枚ずつ上向きに送られる。そして、疎ピッチ部152cに掛止されているいずれかの支持体21が図2(B)に示す選択位置(a)に至り、選択位置(a)にある支持体21と、その下の密ピッチ部152bに位置する支持体21との間に駆動ユニット14が入り込める上下方向の間隔が空けられる。
3本の前記選択軸151は、互いに同期して回転させられる。その機構としてそれぞれの選択軸151の上端には、薄い小歯車(図示せず)が一体に固定されている。また上部筐体5の天井面11の下面には大径の薄いリング状歯車が回転自在に設けられ、このリング状歯車に、全ての前記小歯車が噛み合っている。
図2(B)に示すように、上部筐体5の天井面11の下面には回転軸99aが回転自在に支持されている。この回転軸99aの下端に、前記伝達歯車99が固定されており、この伝達歯車99が、図26および図27に示す第2の動力伝達部16の切換え歯車98と噛み合うことが可能となっている。回転軸99aの上端には、薄型歯車99bが固定されており、この薄型歯車99bが、前記リング状歯車に噛み合っている。すなわち、6枚の支持体21のいずれかを選択位置(a)へ移動させる選択動作は、第2の動力伝達部16に設けられた第2のモータM2を駆動し、その動力を、切換え歯車98から伝達歯車99に伝達し、さらに前記リング状歯車を回転させることにより行われる。
図30にも示すように、それぞれの支持体21の内縁21bは凹曲線形状であり、駆動ユニット14が介入位置に回動したときに、内縁21bは回転駆動部82と重ならない位置にある。図30に示すように、駆動ユニット14は、X2側で且つY2側の端に位置する支持軸84を支点として時計方向へ回動して介入位置に至るが、その回動動作を妨げないように、前記3本の選択軸151は次のように配置されている。位置(j)と(k)にある2本の選択軸151は、筐体2の後面10に接近した位置に配置され、位置(j)と(k)の2本の選択軸151の中心を通る仮想線Obは、ほぼ後面10と平行に配置されている。また位置(k)と(m)にある2本の選択軸151は、筐体2の左側面9の内側に接近して配置されている。
したがって、支持体21の内縁21bの凹曲線を二分する位置に延びる法線Ocは、Y1方向とX2方向との中間の方向へ向けられている。
それぞれの支持体21は薄い金属板で形成されており、図29ないし図32に示すように、その下面には保持爪155,156,157が設けられており、支持体21の下面に供給されたディスクDの外周部は、支持体21と、それぞれの保持爪155,156,157との間で保持される。それぞれの保持爪155,156,157は、前記選択軸151に挿通される挿通穴21aの近傍に設けられており、保持爪155,156,157は、挿通穴21aの外周を基準として回動自在に設けられている。また、筐体2の後面10および左側面9の内側には、支持体21の昇降移動位置に応じて、それぞれの保持爪155,156,157を回動させる爪制御手段(図示せず)が設けられている。
(動作)
次に、上記ディスク収納型ディスク装置1の全体動作について説明する。
図33に示すタイミング線図は、(A)がラック部材32と基準スライダ30の移動状態を示している。(B)はスライダ31と切換レバー38の動作タイミングを示し、(C)は駆動ユニット14の回動制御を示している。(D)はクランプ機構200の動作タイミングを、(E)は連結回動レバー44の回動動作に伴なうロック切換え部材42の移動タイミングを示している。(F)は、ロック部材54とロック部材61の動作に伴なうユニット支持ベース13の拘束と高さ制御および弾性支持のタイミングを示している。
(初期モードの設定)
このディスク収納型ディスク装置1での、ディスクDの挿入を待機するホームポジションは、図30に示すように、駆動ユニット14がディスク収納領域20内に介入する介入位置にあり、移送ユニット17が、筐体2の前面7の内側に沿う待機位置にある。
筐体2の前面7の前方に位置する操作部あるいはリモートコントローラを使用して、複数の支持体21のうちのいずれかを指定する操作を行うと、図29に示すように、駆動ユニット14が筐体2の右側面8の内側に沿う退避位置に移動した初期モードが設定される。図29に示す初期モードを設定することによって、ディスク収納領域20内に位置する6枚の支持体21のいずれかを選択する支持体選択動作が可能となる。なお、ディスクDの挿入を待機するホームポジションが図29に示す初期モードであってもよい。
初期モードでは、図3に示すように、第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1によって、ラック部材32がY2側へ移動させられ、このラック部材32が固定されている基準スライダ30がY2側の始端に移動させられている。このとき、図8(A)に示すように、切換レバー38の下に突出する姿勢制御ピン40が、基準スライダ30に設けられた第1の制御カム301の第1の拘束部301aに保持されているとともに、姿勢制御ピン40が、筐体2の底面6に形成された第2の制御カム601の第1の逃げ部601a内に位置している。よって、切換レバー38およびこの切換レバー38と連結されているスライダ31が、基準スライダ30と共にY2側の始端に移動している。また、図11に示すように、切換レバー38から上方に突出する切換駆動ピン41とユニット支持ベース13に設けられた駆動スライダ85の駆動穴86とが嵌合しているため、駆動スライダ85もY2方向へ移動させられている。
図17に示すように、初期モードでは、駆動スライダ85に形成された制御長穴85aによって、制御軸184がY2方向へ移動させられるため、制御軸184はユニット支持ベース13に形成された駆動案内部13fの退避拘束部13gに保持されている。制御軸184がY2方向へ移動することで、第1の切換え部材181がY2方向へ押され、第1の切換え部材181に形成された制御カム部185の介入駆動部185aによって、駆動軸88がY2方向へ押され、駆動軸88はユニット支持ベース13に形成された円弧案内部13eのY2側の端部に移動させられている。よって、駆動ユニット14は支持軸84を支点として反時計方向へ回動させられており、図11に示すように、駆動ユニット14は、ユニット支持ベース13の右側部分13Bの上に位置し、ディスク収納領域20に保持されているディスクDの外周縁から離れた退避位置に設定されている。
図17に示すように、初期モードでは、駆動スライダ85の制御長穴85aによって第1の切換え部材181がY2方向へ押されているため、駆動ベース81上において、連結軸183を介して第1の切換え部材181と連結されている第2の切換え部材182が反時計方向へ回動させられている。したがって、第2の切換え部材182に設けられた連結ピン212を介して、クランプ伝達部材211が、駆動ベース81の側面81aに沿ってY2側へ移動させられている。このとき、図22に示すように、クランプ伝達部材211の先部に設けられた切換え部213がロック部材215から離れ、図20に示すように、自由状態となったロック部材215の弾性力によって、ロック片215aがロック歯部82hに噛み合い、テーブル部82bがロックされている。
図22に示すように、クランプ伝達部材211がY2方向へ移動する際に、切換え部213の拘束歯部213aが、切換え回転部203の歯部203aに噛み合い、拘束歯部213aによって切換え回転部203が反時計方向へ回動させられる。図22に示すように、初期モードでは、テーブル部82bがロック片215aでロックされた状態で、拘束歯部213aによって切換え回転部203が反時計方向へ回動させられた状態で拘束されているため、切換え回転部203に設けられたクランプカム203b(図24参照)によって、それぞれのクランプ部材201が支持軸82fを支点として反時計方向へ回動させられている。よって、クランプ部材201の先部の保持爪201aが、回転駆動部82の凸部82cのテーパ面82dよりも内側に退行して、クランプ機構200が非クランプ姿勢に切換えられている。
また、図11に示すように、駆動スライダ85がY2側の初期位置に移動していると、ガイド切換え機構400を構成している第1の伝達部材403に設けられた制御ピン404が、駆動スライダ85に形成された支持切換えカム801の切換え部801aのY1側の端部に位置している。よって第1の伝達部材403は、円弧長穴403aおよびユニット支持ベース13に形成された円弧案内長穴13kの案内によって、時計方向へ回動しながらY2側に移動している。このとき、第1の伝達部材403に設けられた連結ピン409が、第2の伝達部材406に形成された伝達カム408の第1の駆動部408aのX1側の端部に位置し、連結ピン409で第2の伝達部材406がY2方向へ引き込まれている。また、第2の伝達部材406のY1側の端部に設けられた駆動カム411の収納保持部411aによって駆動ピン412が保持されているため、可動ガイド401が反時計方向へ回動させられて、ユニット支持ベース13の前方部分13Aの上に収納された収納位置にある。そして、図16に示すように、可動ガイド401は、収納保持部材420の保持片421と422との間に挟まれて上下にがたつくことなく保持されている。
図11に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、駆動ベース81の先端面81bに固定された突出板81dに支持されたローラ81eは、その溝81hが固定ガイド80の円弧案内部80aと嵌合し、駆動ユニット14の先端面81bが上下にがたつくのが抑制されている。
初期モードでは、図8(A)に示すように、基準スライダ30がY2側の始端に位置しているため、連結回動レバー44の制御ピン47は、基準スライダ30に形成されたロック制御カム302の第1の拘束部302a内に保持されている。したがって、連結回動レバー44は時計方向へ回動しており、図3に示すように、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動して停止している。また、ロック切換え部材42によって、図3に示す伝達部材52が時計方向へ回動させられており、後方折曲げ片3bの内側に位置しているロック部材54がX2方向へ移動させられている。同様に、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側にしているロック部材61も図2(B)に示すようにX2側に移動させられている。
このとき、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77は、図10(A)に示すように、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56a内に保持されている。同様にユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78も、図2(B)に示すように、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の拘束部62a,62a内に保持されている。前記拘束部56aと拘束部62a,62aは、筐体2の底面6に近い側に位置しているため、ユニット支持ベース13は、底面6に接近する位置で拘束され、このとき各ダンパー71,72,73は、ユニット支持ベース13によって、底面6に向けて押しつぶされるように変形させられている。
また、初期モードでは、図11に示すように、駆動スライダ85がY2側へ移動して停止し、図3に示すように、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動して停止しているため、図25(A)に示すように、ロック切換え部材42に設けられた中間拘束部63の当接面63aと、駆動スライダ85に設けられた可動拘束部87の当接面87aとが当接している。前記のようにユニット支持ベース13は底面6に接近する状態で拘束されているため、前記可動拘束部87の当接面87aが、中間拘束部63の当接面63aに軽く押し付けられている。
ユニット支持ベース13は、後端に設けられた1本の拘束軸77と前方部分の2箇所に設けられた拘束軸78,78が、それぞれ前記ロック部材54とロック部材61とで拘束され、さらに、拘束軸78,78と拘束軸77との間では、ユニット支持ベース13の中間部分が中間拘束部63と可動拘束部87との当接によって下側から支持されている。
次に、初期モードでは、図26に示すように、第2の動力伝達部16を構成する駆動レバー135に設けられた伝達軸138が、切換え部材91に形成されたユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置している。そのため、駆動レバー135は時計方向へ回動した状態に保持され、駆動軸133が案内穴15cのY1側の端部に位置している。よって、移送ユニット17は時計方向へ回動して、ディスク収納領域20内のディスクDの外周縁から外れた待機位置に停止している。
(支持体選択動作)
図29に示す初期モードが設定されている状態で、筐体2の前面7の前方に設けられた操作部またはリモートコントローラを操作すると、ディスク収納領域20内に6枚設けられた支持体21のいずれかを選択する支持体選択動作に移行することができる。
この支持体選択動作は、図29に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあり、且つ移送ユニット17が待機位置にある状態で行われる。ディスクを選択する操作が行われると、図26に示す第2のモータM2が動作し、ウォーム歯車93によって出力歯車94が回転させられる。出力歯車94の回転力は歯車95,96を経てピニオン歯車97に伝達させられ、さらにラック歯91bに動力が伝達させられる。よって、切換え部材91が、(d)方向または(e)方向に摺動させられる。ただし、支持体選択動作では、図示しないリミットスイッチによって切換え部材91の動作範囲が検出され、切換え部材91の動作範囲は、駆動レバー135に設けられた伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置している範囲に限られる。よって、第2のモータM2が動作し、切換え部材91が(d)方向または(e)方向へ駆動されても、駆動レバー135が時計方向へ回動した状態を維持し、移送ユニット17は、図26に示す待機位置から動くことはない。
また、支持体選択動作に移行するときには、図示しない切換え手段によって、図26に示す前記切換え歯車98が、出力歯車94および伝達歯車99の双方に噛み合う状態に設定される。よって、第2のモータM2の動力は、出力歯車94から切換え歯車98を経て図2に示す伝達歯車99に伝達される。支持体選択手段22では、伝達歯車99と一体の薄型歯車99bが回転し、この薄型歯車99bによって、上部筐体5の天井面11に設けられたリング状歯車(図示せず)が回転させられる。そして、このリング状歯車によって、天井面11に支持された3本の選択軸151が互いに同期して回転する。
選択軸151が反時計方向へ回転すると、支持体21は、スパイラル状の選択溝152によって、1枚ずつ下方へ送られ、選択軸151が時計方向へ回転すると、支持体21が1枚ずつ上方へ送られる。選択すべき支持体21が、選択溝152の疎ピッチ部152cに移動し、図2(B)に示す選択位置(a)に至ると、第2のモータM2が停止し、各選択軸151の回転が停止する。このとき、選択溝152の疎ピッチ部152cによって、選択位置(a)で停止している支持体21と、その下に隣接する支持体21との間隔が大きく空けられる。
なお、選択すべき支持体21が選択位置(a)に至ったか否かは、前記リング状歯車の回転位相を検出手段で検出することで制御でき、あるいは図26に示す切換え部材91の(d)−(e)方向の移動位置を検出手段で検出することで制御できる。これら検出手段の検出出力は、図示しないCPUなどの制御手段で認識される。
(駆動ユニット14の介入位置への回動動作)
選択された支持体21が前記選択位置(a)に移行して停止すると、制御手段から図3に示す第1のモータM1に始動指令が与えられ、ラック部材32および基準スライダ30がY1方向へ移動させられる。このとき図33の第1の区間(i)の動作によって、駆動ユニット14が図11および図29に示す退避位置から、図13および図30に示す介入位置に回動させられる。
前記第1の区間(i)では、図3に示す第1のモータM1によって、ラック部材32および基準スライダ30が図8(A)に示す始端から、図8(B)に示す位置まで移動させられる。このとき、切換レバー38に設けられた姿勢制御ピン40が、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第1の拘束部301aに保持され、基準スライダ30と共に切換レバー38がY1方向へ移動し、切換レバー38に連結されているスライダ31もY1方向へ移動する。そして図8(B)の位置に至ると、姿勢制御ピン40が筐体2の底面6に形成された第2の制御カム601の第1の拘束部601bに導かれ、切換レバー38は、スライダ31上の軸39を支点として時計方向へわずかに回動させられる。そして、基準スライダ30が図8(B)の位置に至ったときに第1のモータM1が停止させられる。
図11は、図8(A)と同じ時点を示し、図13は図8(B)と同じ時点を示している。図11ないし図13に示すように、第1の区間(i)では、切換レバー38から上方へ突出する切換駆動ピン41が、駆動スライダ85に形成された駆動穴86の細長い駆動部86a内に位置している。よって、基準スライダ30と切換レバー38およびスライダ31が、図8(A)および図11に示す位置から図8(B)および図13に示す位置へ移動するときに、切換駆動ピン41によって駆動スライダ85がY1方向へ一緒に移動させられる。
図11と図17は同じ時点を示し、図13と図18は同じ時点を示している。第1の区間(i)では、駆動スライダ85が図11から図13に示す位置まで移動するが、このとき図17と図18に示すように、駆動スライダ85に設けられた制御長穴85aによって制御軸184がY1方向へ引かれ、制御軸184が、ユニット支持ベース13に形成された駆動案内部13fの退避拘束部13gから抜け出て介入案内部13hに沿ってY1方向へ移動する。
このとき、前記制御軸184が設けられた第1の切換え部材181がY1方向へ移動し、第1の切換え部材181に形成された制御カム部185の介入駆動部185aに保持された駆動軸88が、ユニット支持ベース13に形成された円弧案内部13eに沿って時計回りに移動させられる。円弧案内部13eは支持軸84を中心とする一定の半径の円弧軌跡に沿って形成されているため、図18に示すように駆動軸88が円弧案内部13eの端部まで移動する間に、駆動ユニット14が支持軸84を支点として時計方向へ回動させられて、介入位置に設定される。
一方、駆動スライダ85が、図11に示す位置からY1方向へ移動し、駆動ユニット14が時計方向へ回動して図13に示す介入位置に設定される途中で、可動ガイド401は図12に示す支持位置に設定される。
すなわち、駆動スライダ85が図11に示す位置からY1方向へ移動を開始した直後に、駆動スライダ85に形成された支持切換えカム801の切換え部801aによって制御ピン404がX1方向およびY1方向へ押され、この制御ピン404が固定されている第1の伝達部材403が、円弧軌跡に沿ってY1方向へ向けて移動する。このとき、第1の伝達部材403に設けられた連結ピン409が、第2の伝達部材406に形成された伝達カム408の第1の駆動部408a内を摺動して、第2の伝達部材406がY1方向へ移動させられる。そして、第1の伝達部材403が、図12の位置へ移動した時点で、連結ピン409が、伝達カム408の中間保持部408b内に入って保持される。
そして、第2の伝達部材406がY1方向へ移動させられるときに、可動ガイド401に固定されている駆動ピン412が、第2の伝達部材406に形成された駆動カム411の収納保持部411aから抜け出て駆動部411b内に入り込む。そして、第2の伝達部材406のY1方向への移動力により駆動ピン412がY1方向へ押されて、可動ガイド401が時計方向へ回動し、可動ガイドは図12に示す案内位置に設定される。
可動ガイド401が、図11に示す収納位置から図12に示す案内位置まで回動した時点で、第1の伝達部材403に設けられた制御ピン404が、駆動スライダ85に形成された前記支持切換えカム801の切換え部801aから抜け出て第1の逃げ部801bに至る。第1の逃げ部801bは、駆動スライダ85の移動方向であるY1−Y2方向と平行に延びているため、可動ガイド401が図12に示す支持位置に設定された後に、駆動スライダ85が、さらに図13に示す位置へ向けてY1方向へ移動する際に、可動ガイド401は支持位置に停止したままとなる。
前記のように駆動スライダ85が、図11に示すY2側の始端からY1方向へ移動する間に、前記駆動軸88によって、駆動ユニット14が図11に示す退避位置から時計方向へ回動させられるが、このとき駆動ユニット14の先端に設けられたローラ81eが、ユニット支持ベース13のY1側の端部に設けられた固定ガイド80の円弧案内部80aを転動している間に、駆動スライダ85のY1方向への移動力によって、可動ガイド401が図12に示す案内位置に設定される。
可動ガイド401が案内位置に設定されると、この可動ガイド401の円弧案内部401aの曲率中心が、駆動ユニット14の回動支点である支持軸84の軸中心に一致する。
したがって、駆動ユニット14が、図11に示す退避位置から時計方向へ回動する際、その初期の行程で、ローラ81eが固定ガイド80の円弧案内部80aを転動し、その後に、図12に示すように案内位置に回動して停止している可動ガイド401の円弧案内部401aにローラ81eの溝81hが嵌合し、ローラ81eが円弧案内部80aを転動しながら、駆動ユニット14が時計方向へ回動する。なお、固定ガイド80の円弧案内部80aと、可動ガイド401の円弧案内部401aは、円周方向に間隔を空けることなく配置されており、あるいは円周方向へ一部が重なるように配置されており、ローラ81eが固定ガイド80から可動ガイド401に受け渡される際、ローラ81eへの案内が途切れることがないように設定されている。したがって、駆動ユニット14が時計方向へ回動する際に、ローラ81eが、固定ガイド80の円弧案内部80aから、可動ガイド401の円弧案内部401aへ確実に移行でき、ローラ81eが可動ガイド401の円弧案内部401aから外れる現象を防止しやすくなっている。
図11と図12に示すように、可動ガイド401のX1側の端部には、保持凹部401bに連続して筐体2の内方へ突出するストッパ401cが一体に突出形成されている。可動ガイド401が図13に示す案内位置に設定されている状態で、駆動ユニット14が時計方向へ回動し、図13に示す介入位置に移動すると、前記ローラ81eが前記ストッパ401cに当たり、またはローラ82eがストッパ401cとわずかな隙間を介して対向する。
ローラ81eがストッパ401cに当たった後、またはローラ81eがストッパ401cにわずかな隙間を介して対向した直後に、Y1方向へ移動している駆動スライダ85が図13に示す位置へ至る。駆動スライダ85が図13に示す位置に至ったときが第1の区間(i)の終点であり、駆動スライダ85が図13に示す位置に至ると、第1の伝達部材403に設けられた制御ピン404が、駆動スライダ85に形成された支持切換えカム801の第1の逃げ部801bから拘束切換部801c内に入り込み、第1の伝達部材403がわずかにY1方向へ移動させられる。このとき、第1の伝達部材403に設けられた連結ピン409が、第2の伝達部材406に形成された伝達カム408の第2の駆動部408cをY1方向に押すため、第2の伝達部材406がY1方向へわずかに移動させられる。そして第2の伝達部材406によって、可動ガイド401が図12に示す案内位置からさらに時計方向へ回動させられて図13に示す保持位置となる。
可動ガイド401が保持位置に移動すると、ローラ81eの溝81hが、可動ガイド401の先部の保持凹部401bと嵌合し、駆動ユニット14の先部が上下にがたつくことなく保持される。
図13に示すように、可動ガイド401が保持位置に至ると、第1の伝達部材403に設けられた連結ピン409が、第2の伝達部材406に形成された伝達カム408の第2の駆動部408c内に保持され、且つ可動ガイド401に設けられた駆動ピン412が、第2の伝達部材406に形成された駆動カム411の支持保持部411c内に保持される。そのため、振動などによって第1の伝達部材403や第2の伝達部材406が動くのを規制でき、駆動ユニット14を支持している可動ガイド401が不用意に動くのを防止できる。
また、第1の区間(i)において、駆動ユニット14が図17の状態から図18の状態へ移行する間に、前記駆動軸88が、前記円弧案内部13e内を移動するとともに、第1の切換え部材181に形成された制御カム部185の介入駆動部185a内を移動する。介入駆動部185aは、連結軸183を中心とする円弧軌跡に沿って形成されているため、駆動軸88によって駆動ユニット14が時計方向へ回動させられる間、第1の切換え部材181と第2の切換え部材182を連結している連結軸183と、駆動軸88との距離が変化しない。そのため、駆動ベース81と第2の切換え部材182の相対位置が変化せず、駆動ベース81とクランプ伝達部材211との相対位置も変化しない。よって、駆動ユニット14が図11に示す退避位置から図13に示す介入位置へ回動する間に、回転駆動部82に設けられたクランプ機構200は、図20と図22に示すように非クランプ姿勢に切換えられた状態を維持している。
また、第1の区間(i)では、基準スライダ30が図8(A)に示す始端から図8(B)に示す位置まで移動して停止するが、この間、基準スライダ30に形成されたロック制御カム302の第1の拘束部302aが、連結回動レバー44に設けられた制御ピン47を摺動する。そのため、連結可動レバー44が動くことはなく、図4に示すように、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動した状態で停止している。そのため、ロック部材54とロック部材61はX2側に移動した状態に維持されている。よって、図10(A)に示すように、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77は、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56a内に保持されたままであり、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78も、図2(B)に示すように、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の拘束部62a,62aで保持されたままである。
よって、駆動ユニット14が退避位置から介入位置に回動する間、ユニット支持ベース13が底面6に接近する位置に下降させられており、駆動ユニット14に設けられた回転駆動部82は、選択位置(a)の支持体21に保持されるディスクDの外周縁に当たることはなく、ディスクDよりも下の領域を移動する。そして、駆動ユニット14は、選択位置(a)にある支持体21とその下に位置する支持体21との中間の位置に介入して停止する。図30に示すように、介入位置に至った駆動ユニット14の停止位置は、回転駆動部82が選択位置(a)にあるディスクの下側に位置し、且つ回転駆動部82の回転中心が、支持体21に支持されるべきディスクDの中心と一致する位置である。
なお、駆動ユニット14が介入位置へ移動させられるときに、駆動スライダ85がY1方向へ移動するため、図25(B)に示すように、駆動スライダ85の下面に設けられた可動拘束部87は、ロック切換え部材42に設けられた中間拘束部63から外れる。
(ディスク搬入動作)
図13および図30に示すように、駆動ユニット14が介入位置に設定されると、図2に示す挿入口23を閉鎖しているシャッタ(図示せず)が開き、ディスクDを挿入することが可能となる。以下に説明するディスク搬入動作の際、第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1は、図33に示す第1の区間(i)の動作が完了した状態で停止している。
挿入口23からディスクDが挿入されると、図30に示すように、ディスクDは、その中心D0が、挿入中心線Oaに沿うようにして筐体2内に入り込む。ディスクDの挿入側先端は、移送ユニット17に設けられた第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113との間に位置する中間部114と、挟持部106との間に入り込むため、ディスクDの先部が抵抗を受けることなく挿入口23から筐体2の内部に挿入される。
挿入口23からディスクDが挿入されたことが、図示しない検出部材で検出されると、図13に示す第3のモータM3が始動する。この第3のモータM3の回転力は、ウォーム歯車143から中間歯車142に伝達され、さらに図28に示す一体ギヤ141の下部歯車141bに伝達される。さらに、支点軸131と同軸に設けられたウォーム歯車141aから、移送ユニット17に設けられたウォームホイール147bに動力が伝達され、この動力は、平歯車147aと一体ギヤ146を介してローラ歯車144に伝達される。このときのローラ歯車144の回転方向は反時計方向であり、ローラ軸111がディスク搬入方向へ回転させられる。
挿入口23から挿入されたディスクDの先端の両側部が、第1の移送ローラ112と挟持部106との間、および第2の移送ローラ113と挟持部106との間に入り込むと、移送ローラ112,113の回転力がディスクDに伝達されて、ディスクDはその中心D0が挿入中心線Oaに沿うようにして筐体2内に移送される。ディスクDが筐体2内に所定距離(例えば、ディスクの半径のほぼ1/2程度)搬入されたことが図示しない検出手段で検出されると、それまで図26および図30に示す待機位置にあった移送ユニット17を、図27および図31に示す移送動作位置へ回動させる動作が開始される。
移送ユニット17を移送動作位置へ回動させる動作は、第3のモータM3を動作させ続け、移送ローラ112,113の搬入方向への回転を継続させながら行われる。このとき、前記切換え手段によって、図26に示す切換え歯車98を出力歯車94との噛み合いが外れる位置へ移動させ、第2のモータM2の動力が伝達歯車99に伝達されないように切換えられる。
その後に、第2のモータM2によってピニオン歯車97が駆動されて、切換え部材91が、図26の位置から(e)方向へ移動させられ、図27に示す位置に設定される。切換え部材91が(e)方向へ移動するときに、ユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bによって、伝達軸138が反時計方向へ移動させられ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。この駆動レバー135によって、移送ユニット17は、支点軸131を中心として反時計方向へ回動し、図27および図31に示す移送動作位置に至る。
よって、図31に示すように、移送ローラ112,113の搬入方向への回転と、移送ユニット17が移送動作位置に向けて回動する動作の双方によってディスクDが筐体2内に搬入される。
図30および図31に示すように、ディスクDが搬入されるとき、選択位置(a)にある支持体21では、右側(X2側)の(j)の位置にある保持爪155と、中間の(k)の位置にある保持爪156とが、ディスクDを挟持できる位置へ回動しているが、左側の(m)の位置にある保持爪157は、時計方向へ回動しディスクDを挟持しない位置に退避している。
図30に示すように、ディスク支持体21は挿入中心線Oaに対して左側に偏って位置しているが、移送ローラ112,113でディスクDを移送している移送ユニット17が反時計方向へ回動することにより、ディスクDの搬送中心線を支持体21に向けることができ、選択位置(a)にある支持体21に対して、ディスクDを確実に送り込むことができる。また、支持体21の左側の位置(m)にある保持爪157が、他の保持爪155,156よりも先に、搬入途中のディスクDに接近するが、この保持爪157が時計方向へ回動して退避しているため、支持体21に向けて移動するディスクDが保持爪157から抵抗力を受けることがない。よって、ディスクDが選択位置(a)にある支持体21に円滑に送り込まれ、ディスクDの外周部が、支持体21と保持爪155との間、および支持体21と保持爪156との間で挟持されるようになる。
ディスクDが選択位置(a)にある支持体21に保持されると、図27に示す第2のモータM2が逆転方向へ動作し、切換え部材91が(d)方向へ摺動させられる。よって、駆動レバー135が時計方向へ回動させられ、移送ユニット17が時計方向へ回動し始める。このとき、図13に示す第3のモータM3の動作を継続させ、移送ローラ112,113の搬入方向への回転を継続する。
移送ユニット17が図31に示す移送動作位置から時計方向へ回動するときに、ディスクDは、移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されたままであるが、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転し続けるために、ディスクDに対して支持体21から引き出す方向への力が作用することなく、移送ユニット17が図32に示す待機位置へ復帰できるようになる。
このとき、移送ユニット17が時計方向へ回動するときの速度よりも、移送ローラ112,113の表面の周速度をわずかに大きく設定することが好ましい。このように設定すると、移送ユニット17が時計方向へ回動するときに、移送ローラ112,113の周速度と移送ユニット17の回動速度との差によって、ディスクDが保持爪155と156に押し付けられるようになり、ディスクDが選択位置(a)にある支持体21から抜け出るのを防止できる。
また、移送ユニット17に設けられた移送ローラ112と113は、軸方向に間隔を開けて配置されており、図31に示すように、移送ユニット17が移送動作位置に位置しているときに、移送ローラ112,113とディスクDとの接触部の長さ寸法が短くなっている。よって、図31に示す状態から移送ユニット17が時計方向へ回動するときに、移送ローラ112,113が直ちにディスクDから離れるようになる。よって、前記速度差によって移送ローラ112,113でディスクDが保持爪155と156に押し付けられる動作が短時間となり、保持爪155,156に過大な負荷を与えたり、移送ローラ112,113の回転によってディスクDを傷つけるなどの問題が生じ難くなる。
(ディスククランプ動作)
ディスクDの搬入が完了した後、選択位置(a)にある支持体21に供給されたディスクDを、そのままクランプして駆動するときには、移送ユニット17が図31の位置から図32に示す待機位置へ復帰する前に、次のクランプ動作が行われる。なお、このディスククランプ動作が行われている間、第2のモータM2は停止しており、移送ユニット17は図31に示す移送動作位置に留まっている。
ディスククランプ動作に移行するときには、第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1によって、ラック部材32が図4に示す位置からY1方向へ駆動して図6に示す位置へ向けて連続的に移動させられる。よって、ラック部材32が固定されている基準スライダ30も図8(B)に示す位置から図9(B)に示す位置まで連続的に移動する。
ラック部材32および基準スライダ30がY1方向へ移動するときの最初の行程(図33の第2の区間(ii))では、基準スライダ30が図8(B)に示す位置から図9(A)まで移動する。このとき、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第1の逃げ部301bが、切換レバー38に設けられた姿勢制御ピン40を摺動するため、切換レバー38とスライダ31は停止したままであり、したがって、駆動スライダ85も図13に示す位置に停止したままである。
一方、基準スライダ30に形成されたロック制御カム302の第1の回動付勢部302bが、連結回動レバー44の制御ピン47を摺動するため、連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられる。よって第2の区間(ii)では、スライダ31と切換レバー85が停止したまま、連結回動レバー44によって、ロック切換え部材42が(c)方向へ摺動させられ、図5に示す位置へ移動させられる。
ロック切換え部材42が図5に示す位置に至る間、筐体2のY2側では、伝達部材52が反時計方向へ回動させられて、ロック部材54がX1方向へ移動させられ、図2(B)に示す筐体2の前方では、ロック部材61がX1方向へ移動させられる。このときロック部材54は図10(B)に示す位置へ移動させられ、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸77が、ロック制御穴56の持ち上げ部56bに導かれる。同時に、図2(B)に示すロック部材61がX1方向へ移動させられ、拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに導かれる。よって、ユニット支持ベース13が底面6から離れるように持ち上げられ、ユニット支持ベース13に支持されている駆動ユニット14も持ち上げられる。このとき、駆動ユニット14に設けられた回転駆動部82の凸部82cが、選択位置(a)にある支持体21に支持されたディスクDの中心穴内に下から入り込む。
前記凸部82cがディスクDの中心穴内に入った後に、さらにラック部材32がY1方向へ移動する図33の第3の区間(iii)では、図9(A)に示すように、基準スライダ30に形成されたロック制御カム302の第2の拘束部302cが制御ピン47を摺動するため、連結回動レバー44は図9(A)の姿勢で停止し、ロック切換え部材42が図5の位置で停止する。一方、切換レバー38に設けられた姿勢制御ピン40は、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第2の拘束部301cに保持されて、底面6に形成された第2の制御カム601の第2の逃げ部601c内を摺動する。よって、第3の区間(iii)では、連結回動レバー44が停止した状態で、切換レバー38およびスライダ31がY1方向へ短い距離だけ移動する。
第3の区間(iii)では、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって駆動スライダ85も短い距離だけY1方向へ移動させられる。このとき、図14に示すように、駆動スライダ85に形成された支持切換えカム801の第2の逃げ部801dが制御ピン404を摺動するため、ユニット支持ベース13上に設けられた第1の伝達部材403は、図13および図14の状態で停止し、第2の伝達部材406も動くことはなく、可動ガイド401は図14に示すように、駆動ユニット14の先端のローラ81eを保持した状態を維持している。
また、第3の区間(iii)では、駆動スライダ85が図18に示す位置から図19に示す位置までY1方向へ移動する。図18の時点で駆動軸88は円弧案内部13eのY1側の端部に移動しているため、図18から図19に移行する間に、駆動ユニット14は介入位置にて動くことがない。
この間、駆動スライダ85に形成された制御長穴85aによって、制御軸184が、ユニット支持ベース13に形成された駆動案内部13fのクランプ案内部13iへ案内されてY1方向へ移動させられる。このとき制御軸184が固定されている第1の切換え部材181は、少し反時計方向へ回動させられながらクランプ案内部13iの長さ分だけY1方向へ移動させられる。第1の切換え部材181が反時計方向へ回動させられるために、駆動軸88は、第1の切換え部材181に形成された制御カム部185のクランプ駆動部185c内に入り込む。そのため、第1の切換え部材181のY1方向への移動力が連結軸183を介して第2の切換え部材182に伝達されると、第2の切換え部材182は、駆動ユニット14の駆動ベース81上において、支持軸84を支点として相対的に時計方向へ回動する。この第2の切換え部材182の回動力は、連結ピン212を介してクランプ伝達部材211に伝達され、クランプ伝達部材211は、駆動ベース81の側面81aに沿って先端面81bに向かって移動させられる。
クランプ伝達部材211が先端面81bに向かって移動すると、図23に示すように、クランプ伝達部材211の先部に設けられた切換え部213の拘束歯部213aが、切換え回転部203の歯部203aから離れる。さらに、図21に示すように、切換え部213がロック部材215に乗り上がり、ロック部材215の先部のロック片215aがロック歯部82hから離れて、テーブル部82bのロックが解除される。
テーブル部82bと切換え回転部203が共に自由状態となることにより、トーションばね202の付勢力により、クランプ部材201が時計方向へ回動し、保持爪201aが、凸部82cのテーパ面82dの外側へ突出してクランプ姿勢となる。よって、ディスクDの中心穴の周縁部が、テーブル部82bと保持爪201aとで保持される。
このように、前記第3の区間(iii)においては、選択位置(a)の支持体21に保持されたディスクDの中心穴内に回転駆動部82の凸部82cが入り込んだ状態で、クランプ機構200が動作し、回転駆動部82にディスクDがクランプされる。
(ユニット支持ベース13の拘束解除動作およびディスク駆動動作)
上記ディスククランプ動作が終了した後、第2のモータ2が始動し、前述したように、移送ユニット17が図31に示す移送動作位置から図32に示す待機位置へ復帰する。これにより、移送ユニット17が回転駆動部82にクランプされたディスクDから離れ、次にユニット支持ベース13の拘束解除動作が行われる。
第3の区間(iii)に連続する第4の区間(iV)では、ラック部材32が、図5の位置から図6の終点位置へ移動する。このとき、図9(B)に示すように、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の回動付勢部301dによって、姿勢制御ピン40が、底面6に形成された第2の制御カム601の第2の拘束部601d内に移行させられる。よって、切換レバー38が時計方向へ大きく回動し、図14に示すように、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41が、駆動スライダ85に形成された駆動穴86の逃げ部86b内に移動する。よって、駆動スライダ85は切換駆動ピン41から拘束されなくなる。さらに、第4の区間(iV)では、図9(B)に示すように、基準スライダ30に形成された第1の制御カム301の第2の逃げ部301eが姿勢制御ピン40を摺動するため、切換レバー38およびスライダ31はそれ以上動かなくなる。
一方、第4の区間(iV)では、図9(B)に示すように、基準スライダ30に形成されたロック制御カム302の第2の回動付勢部302dによって連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられる。よって、図6に示すように、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動する。このときのロック部材54のX1方向への移動により、図10(C)に示すように、拘束軸77がロック制御穴56の逃げ穴56d内に導かれる。また、ロック部材61もX1方向へ移動し、拘束軸78,78が、ロック制御穴62,62の逃げ穴62d,62d内に導かれる。よって、ロック部材54,61による拘束軸77と78,78に対する拘束が解除される。よって、ユニット支持ベース13は、拘束力を受けず、ダンパー71,72,73によって弾性支持された状態となる。
さらに、図32に示すように、選択位置(a)にある支持体21では、ユニット支持ベース13がダンパー71,72,73によって弾性支持される前の時点で、全ての保持爪155,156,157が退避方向へ回動して、ディスクDから離れ、支持体21がディスクDを拘束しないようになる。このように、ユニット支持ベース13が弾性支持され、ディスクDが支持体21から開放された状態で、回転駆動部82が回転してディスクDが回転駆動され、光ヘッド83によって記録情報の再生動作または記録動作が行われる。
(ディスク駆動後の動作)
駆動ユニット14での駆動が完了したディスクDをディスク収納領域20内に収納するときには、第1の動力伝達部12の第1のモータM1を始動して、ラック部材32を、図6の位置から図4の位置まで復帰させ、図33に示す区間(iv)(iii)(ii)の動作を逆行させる。第3の区間(iii)において、拘束軸77が、図1および図10に示すロック制御穴56の持ち上げ部56bに保持され、拘束軸78,78が、図2(B)に示すロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに保持されて、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が持ち上げられると、回転駆動部82にクランプされているディスクDが、選択位置(a)にある支持体21の下面に押し付けられる。このとき、支持体21に設けられた全ての保持爪155,156,157が回動して、保持爪155,156,157と支持体21の下面とでディスクDの外周部が保持される。そして、クランプ機構200によるディスクDのクランプを解除する。
クランプ解除動作では、駆動スライダ85が図14の位置から図13の位置へ復帰し、そのときのY2方向への移動力により、駆動ユニット14に搭載されている第1の切換え部材181が、図19の状態からY2方向へ移動させられて図18の状態となり、第2の切換え部材182が、駆動ユニット14上において反時計方向へ回動させられる。よって、クランプ伝達部材211が先端面81bから離れる方向へ移動する。このとき、図21に示すように、クランプ伝達部材211に設けられた切換え部213がロック部材215から離れてテーブル部82bがロックされる。その後に、図22に示すように、切換え部213に形成された拘束歯部213aによって切換え回転部203が反時計方向へ回動させられる。よって、クランプ部材201の保持爪201aが凸部82c内に退行し、ディスクDのクランプが解除される。そして、ディスクDが支持体21に完全に保持された状態となる。
クランプ機構200によるクランプが解除された後の、図33の第2の区間(ii)において、図8(B)に示すように、連結回動レバー44が時計方向へ回動して復帰し、図4に示すようにロック切換え部材42が(b)方向へ移動し、ロック部材54がX2方向へ移動して、図10(A)に示すように、拘束軸77が、ロック制御穴56の拘束部56aに保持され、また図2(B)に示すように、ロック部材61がX2方向へ移動して、拘束軸78,78が、ロック制御穴62の拘束部62aに保持される。
したがって、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が底面6に向けて下降させられ、支持体21に保持されたディスクDの中心穴から回転駆動部82の凸部82cが下方へ抜かれる。
(ディスク排出動作)
このディスク収納型ディスク装置1では、前記のように、駆動ユニット14での駆動が完了したディスクDを、選択位置(a)にある支持体21に保持させ、ディスクDの中心穴から回転駆動部82の凸部82cを下方へ抜いた後に、ディスクDの排出動作が行われる。あるいは、いずれかの支持体21を選択し、選択された支持体21に保持されているディスクDを排出することができる。排出するディスクDを保持した支持体21を選択する動作は、前述の支持体選択動作と同じであり、図29に示すように、駆動ユニット14を退避位置へ移動させ、移送ユニット17を待機位置へ移動させた状態で、選択軸151を回転させ、排出しようとするディスクを保持した支持体21を選択位置(a)へ移動させる。
支持体21に支持されているディスクDを排出させる動作は、図32に示すように、駆動ユニット14が介入位置へ移動した状態で行われる。ディスクの排出動作(および搬入動作)では、駆動ユニット14の回転駆動部82が、ディスクDの下側に位置し、ディスクが不用意に下方へ移動しないようにガイド部材として機能できる。
ディスク排出動作では、図27に示すように、切換え部材91を(e)方向へ移動させ、移送ユニット17を待機位置から移送動作位置へ移動させる。このとき、第3のモータM3を始動して、移送ローラ112,113を搬出方向へ回転させながら、移送ユニット17を反時計方向へ回動させる。したがって、移送ユニット17が移送動作位置へ回動するときに、支持体21に支持されているディスクのY1側の端部が、移送ローラ112,113と挟持部106との間にスムースに挟持される。
その後に、移送ローラ112,113の搬出方向への回転を継続させながら、移送ユニット17を図31に示す移送動作位置から図30および図32に示す待機位置へ回動させる。よって、ディスクDは、移送ローラ112,113の移送力と、移送ユニット17の時計方向への回動力によって挿入口23から外部へ排出される。
(駆動ユニットの復帰動作)
ディスクDを搬出した後に、さらに他の支持体21を選択するときには図29に示す初期モードを設定する。
この初期モードの設定では、第1の区間(i)において、ラック部材32と基準スライダ30をY2方向へ復帰させる。駆動スライダ85が図13に示す位置から図12に示す位置に復帰すると、可動ガイド401の先部の保持凹部401bが駆動ユニット14の先部に設けられたローラ81eから外れる。さらに駆動スライダ85のY2方向への復帰力によって、駆動ユニット14に設けられたローラ81eが、可動ガイド401の円弧案内部401aを転動し、さらにローラ81eが固定ガイド80の円弧案内部80aに受け渡される。そして、駆動ユニット14が図11に示す退避位置へ移動し、可動ガイド401も図11に示す収納位置に復帰する。
前記実施の形態では、ディスクDを筐体内に搬入するときに、図30に示すように、駆動ユニット14が介入位置へ回動し、このとき回転駆動部82が、支持体21に保持されているディスクの中心穴に対向するようになっている。しかし、本発明では、駆動ユニット14が介入位置へ回動したときに、回転駆動部82が支持体21に支持されたディスクDの中心位置よりも反時計方向へ外れた位置となり、移送ユニット17によって、前記位置の回転駆動部82に向けてディスクDが搬入されるものであってもよい。また、回転駆動部82にディスクDをクランプした状態で、駆動ユニット14を時計方向へ回動させて、回転駆動部82に保持されているディスクDを、支持体21に保持させるものであってもよい。
なお、前記可動ガイド401は、筐体2の内方に向く縁部が円弧案内部401aとなっているが、可動ガイド401の前記円弧案内部401aと逆側の縁部、すなわち図13において筐体2の前面7に向けられた外縁部が円弧案内部とされ、駆動ユニット14が退避位置から介入位置へ回動する際に、駆動ユニット14の先部に設けられたローラ81eが、固定ガイド80の円弧案内部80aを転動し、さらに可動ガイド401の外縁部側の円弧案内部に案内されて移動するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、上記のように、スパイラル状の選択溝152を有する3本の選択軸151により支持体選択手段22を構成しているが、支持体選択手段として、それぞれの支持体21の側縁にピンが突設され、上部筐体5の左側面9や後面10の内側に、複数のカム長穴を有する摺動自在なプレートが設けられて、前記ピンがカム長穴に挿入されているものであってもよい。この場合のカム長穴はY方向とZ方向に対して傾斜しており、プレートのY1−Y2方向への移動に伴なってカム長穴でピンが案内されて、各支持体21が上下に移動させられるとともに、いずれかの支持体21が選択位置(a)へ移動させられる。
本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図である。 ディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットを示す。 筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、初期モードを示す。 筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ回動したときのモードを示す。 筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、ディスクを回転駆動部にクランプするモードを示す。 筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、ディスク駆動モードを示す。 第1の動力伝達部を構成する主要部材を示す分解斜視図である。 第1の動力伝達部の主要部の動作を示すものであり、(A)は初期モードを示し、(B)は駆動ユニットが介入位置へ回動したときのモードを示す。 第1の動力伝達部の主要部の動作を示すものであり、(A)は初期モードを示し、(A)はディスクを回転駆動部にクランプするモードを示し、(B)はディスク駆動モードを示す。 (A)(B)(C)は、ユニット支持ベースに固定された拘束軸と、ロック部材に形成されたロック制御穴56との関係を示す側面図である。 ユニット支持ベースおよび駆動ユニットの構造を示す平面図であり、駆動ユニットが退避位置にある状態を示す。 ユニット支持ベースおよび駆動ユニットの構造を示す平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ向けて回動する途中を示す。 ユニット支持ベースおよび駆動ユニットの構造を示す平面図であり、駆動ユニットが介入位置に回動し、可動ガイドで保持された状態を示す。 ユニット支持ベースおよび駆動ユニットの構造を示す平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ移動した後に、さらに駆動スライダが移動した状態を示す。 可動ガイドによって駆動ユニットが支持された状態を示すものであり、図12のXV−XV線の断面図である。 図11のXVI−XVI線の断面図である。 駆動ユニット回動手段の構造を示すものであり、駆動ユニットが退避位置にある状態を示す部分平面図である。 駆動ユニット回動手段の構造を示すものであり、駆動ユニットが介入位置に回動した状態を示す部分平面図である。 駆動ユニット回動手段の構造を示すものであり、駆動ユニットが介入位置へ回動した後にクランプ動作に移行した状態を示す部分平面図である。 図17のXX矢視図であり、回転駆動部がクランプ解除状態に設定された側面図である。 図17のXX矢視図であり、回転駆動部がクランプ状態に設定された側面図である。 回転駆動部とクランプ機構の詳細を示す平面図であり、非クランプ姿勢を示す。 回転駆動部とクランプ機構の詳細を示す平面図であり、クランプ姿勢を示す。 クランプ機構の詳細を示す部分平面図である。 駆動ユニットの支持ベースの拘束状態と拘束解除状態を示すものであり、(A)は図3のXXV矢視の側面図で、ユニット支持ベースの拘束状態、(B)は図5のXXV矢視の側面図で、ユニット支持ベースの拘束解除状態である。 第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、支持体選択動作モードを示す。 第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、移送ユニットが移送動作位置へ回動した状態を示す。 第3の動力伝達部(ローラ駆動手段)を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図である。 ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、支持体選択動作を示す。 ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、ディスク搬入動作を示す。 ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、ディスク搬入動作を示す。 ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、ディスク駆動モードを示す。 ディスク装置の動作を示すタイミング線図である。
符号の説明
1 ディスク収納型ディスク装置
2 筐体
3 下部筐体
4 中間筐体
5 上部筐体
6 底面
7 前面
8 右側面
9 左側面
10 後面
11 天井面
12 第1の動力伝達部
13 ユニット支持ベース
13f 駆動案内部
14 駆動ユニット
15 機構ベース
16 第2の動力伝達部
17 移送ユニット
19 第3の動力伝達部
20 ディスク収納領域
21 支持体
22 支持体選択手段
23 挿入口
30 基準スライダ
31 スライダ
32 ラック部材
38 切換レバー
40 姿勢制御ピン
41 切換駆動ピン
42 ロック切換え部材
44 連結回動レバー
46 支持軸
47 制御ピン
54,61 ロック部材
56,62 ロック制御穴
63 中間拘束部
71,72,73 ダンパー
77,78 拘束軸
80 固定ガイド
80a 円弧案内部
81e ローラ
81 駆動ベース
82 回転駆動部
82a 回転軸
82b テーブル部
82c 凸部
82h ロック歯部
83 光ヘッド
84 支持軸
85 駆動スライダ
85a 制御長穴
87 可動拘束部
89 案内軸
91 切換え部材
106 挟持部
112,113 移送ローラ
114 中間部
131 支点軸
135 駆動レバー
151 選択軸
152 選択溝
155,156,157 保持爪
181 第1の切換え部材
182 第2の切換え部材
183 連結軸
184 制御軸
185 制御カム部
185a 介入駆動部
185c クランプ駆動部
200 クランプ機構
201 クランプ部材
201a 保持爪
202 トーションばね
203 切換え回転部
203b クランプカム
210 クランプ切換え部材
211 クランプ伝達部材
213 切換え部
231a 拘束歯部
215 ロック部材
216 固定板ばね
301 第1の制御カム
302 ロック制御カム
401 可動ガイド
403 第1の伝達部材
406 第2の伝達部材
408 伝達カム
411 駆動カム
420 保持部材
601 第2の制御カム
D ディスク
M1 第1のモータ
M2 第2のモータ
M3 第3のモータ

Claims (4)

  1. 筐体(2)内に、複数枚のディスク(D)が配置されるディスク収納領域(20)と、ディスク収納領域(20)内のいずれかのディスク(D)を選択する選択手段(22)と、弾性部材(71,72,73)を介して支持されているユニット支持ベース(13)と、ユニット支持ベース(13)上に支持されて回転駆動部(82)を有する駆動ユニット(14)と、ユニット支持ベース(13)を拘束するロック部材(56,61)と、前記ロック部材(56,61)を移動させるロック切換え部材(42)とが設けられたディスク装置において、
    筐体(2)内に、ユニット支持ベース(13)に対向する動力伝達部(12)が設けられ、
    動力伝達部(12)に、筐体(2)内の固定側においてモータ(M1)の動力で往復移動する基準往復部材(30)と、基準往復部材(30)と独立して前記基準往復部材(30)と同じ方向へ往復移動する往復部材(31)と、往復部材(31)上に回動自在に支持された切換レバー(38)と、切換レバー(38)に設けられた姿勢制御凸部(40)および駆動部(41)とが設けられ、
    前記ユニット支持ベース(13)に、基準往復部材(30)と同じ方向へ移動する駆動部材(85)が設けられ、前記駆動部材(85)に、前記駆動部(41)の移動力が伝達される伝達部(86a)と、前記駆動部(41)と切り離す逃げ部(86b)とが形成されており、
    基準往復部材(30)には、姿勢制御凸部(40)が摺動する第1の制御カム(301)が設けられ、第1の制御カム(301)に、基準往復部材(30)の移動力を姿勢制御凸部(40)に伝える拘束部(301a)と、姿勢御凸部(40)を、基準往復部材(30)の移動に追従させることなく、切換レバー(38)を回動させる向きに移動させる回動付勢部(301d)とが設けられ、固定側には、基準往復部材(30)の移動位置に応じて、姿勢制御凸部(40)を前記拘束部(301a)に移行させまたは回動付勢部(301d)に移行させる第2の制御カム(601)が設けられて、第1の制御カム(301)と第2の制御カム(601)とによって、基準往復部材(30)と共に切換レバー(38)と往復部材(31)が移動する区間(i)と、往復部材(31)が移動せずに基準往復部材(30)が移動し且つ切換レバー(38)が回動する区間(iv)とが設定されており、
    前記区間(i)で、切換レバー(38)と共に移動する前記駆動部(41)の移動力が前記伝達部(86a)から駆動部材(85)に与えられて、駆動部材(85)の移動力で、駆動ユニット(14)、ディスク収納領域内のディスク(D)に当たらない退避位置からディスク収納領域内の選択されたディスク(D)を駆動できる介入位置まで移動させられ、
    前記区間(iv)、基準往復部材(30)の移動力によって、前記ロック部材(56,61)、ユニット支持ベース(13)拘束を解除する拘束解除位置へ移動させられると共に、切換レバー(38)が回動して、駆動部(41)が逃げ部(86b)に移行させられて、前記ユニット支持ベース(13)への拘束が解除されることを特徴とするディスク装置。
  2. 基準往復部材(30)には、ロック切換え部材(42)を動作させるロック制御カム(302)が設けられており、
    前記区間(i)では、ロック制御カム(302)によって、ロック切換え部材(42)が動作させられず、前記区間(iv)では、ロック制御カム(302)によってロック切換え部材(42)が動作させられて、ロック部材(56,61)が前記拘束解除位置へ移動させられる請求項1記載のディスク装置。
  3. 前記区間(i)と、前記区間(iv)との間に、基準往復部材(30)と共に切換レバー(38)が移動し、ロック切換え部材(42)が動作しない区間(iii)が設定されており、
    前記区間(iii)での切換レバー(38)の移動力によってクランプ機構(200)が動作させられて、回転駆動部(82)にディスク(D)の中心穴がクランプされる請求項2記載のディスク装置。
  4. 前記区間(i)と前記区間(iv)との間に、切換レバー(38)が移動せずに基準往復部材(30)が移動し、ロック切換え部材(42)が動作させられる区間(ii)と、前記区間(ii)に続いて、基準往復部材(30)と共に切換レバー(38)が移動し、ロック切換え部材(42)が動作しない区間(iii)とが設定され、
    前記区間(ii)では、ロック部材(56,61)でユニット支持ベース(13)および駆動ユニット(14)が持ち上げられて、回転駆動部(82)が選択されたディスク(D)の中心穴に介入し、前記区間(iii)で、切換レバー(38)の移動力によってクランプ機構(200)が動作させられ、回転駆動部(82)にディスク(D)の中心穴がクランプされる請求項2記載のディスク装置。
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