図1は本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図である。図2はディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットを示す。図3ないし図5は筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、図6と図7は、駆動ユニットとユニット支持ベースを示す動作別の平面図である。図8と図9は第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図である。図10は、筐体の前面の内側に位置している第1の動力伝達部と第2の動力伝達部および第3の動力伝達部を、筐体の内側から見た部分斜視図、図11は、第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を図10と逆の角度から見た分解斜視図である。図12ないし図15は、筐体の前面の内側に設けられた移送ユニットの一部を動作別に示す部分平面図である。図16(A)(B)は、筐体の左側面の内側に設けられた規制ガイド切換機構を筐体の内側から示す動作別の部分側面図、図17は前記規制ガイド切換機構の動作を筐体の内側から示す部分側面図である。図18(A)(B)は、筐体の前面に設けられたシャッタの開閉動作を示す部分斜視図である。図19ないし図22は、ディスクの搬入動作と支持体でのディスクの保持動作を示す平面図である。
(全体構造)
図1に示すディスク収納型ディスク装置1は、箱型の筐体2を有している。この筐体2の基準方向は、Z1側が下側、Z2側が上側、X1側が左側、X2側が右側、Y1側が手前側、Y2側が奥側である。またX1−X2方向が横方向、Y1−Y2方向が奥行き方向である。
筐体2は、下側から上側に向けて、下部筐体3、中間筐体4および上部筐体5が順に重ねられて組み立てられている。下部筐体3は筐体2の底面6を有し、中間筐体4は、筐体2の前面7と右側面8を有している。上部筐体5は、筐体2の左側面9と後側面10および天井面11を有している。
下部筐体3の底面6の上面には、第1の動力伝達部12が設けられている。第1の動力伝達部12の上には、ユニット支持ベース13が支持され、このユニット支持ベース13の上に、駆動ユニット14が搭載されている。中間筐体4の上部には、底面6と平行な機構ベース15が設けられ、この機構ベース15の上に、第2の動力伝達部16が設けられている。中間筐体4では、前記機構ベース15の下側で且つ前面7の内側に、移送ユニット17が設けられている。この移送ユニット17の左側(X1側)の端部と、前記下部筐体3の底面6との間に、第3の動力伝達部19が設けられている。この第3の動力伝達部19は、ローラ駆動手段として機能している。
上部筐体5では、左側面9と後側面10および天井面11で囲まれた領域がディスク収納領域20となっており、このディスク収納領域20には、それぞれがディスクDを支持可能な複数の支持体21が設けられている。この実施の形態では、支持体21が6枚設けられており、支持体21は厚み方向に重ねられて配置されている。上部筐体5には、支持体選択手段22が設けられており、この支持体選択手段22の動作により、6枚の支持体21のいずれかが選択されて図2(B)に示す選択位置(a)に移動させられるとともに、選択された支持体21とその下に隣接する支持体21との間隔が広げられる。
前記ディスクDは、直径が12cmであり、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などである。
図1および図2(A)(B)に示すように、筐体2の前面7には、挿入口23が開口している。この挿入口23はスリット状であり、上下方向の幅寸法がディスクDの厚み寸法よりもわずかに大きく、横方向の開口幅寸法Wが、ディスクDの直径よりもわずかに広い。図18(A)(B)に示すように、筐体の前面7の表面にはシャッタ201が設けられており、このシャッタ201で挿入口23を開閉できるように構成されている。
図2(A)に示すように、前記移送ユニット17は、挿入口23と同じ高さ位置にあり、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ユニット17によって前記ディスク収納領域20に向けて移送される。図2(B)に示すように、複数枚の前記支持体21のうちの、選択位置(a)に至った支持体21は、挿入口23と同じ高さ位置となり、挿入口23から挿入されたディスクDは、前記移送ユニット17で移送されて、選択位置(a)の支持体21の下面(Z1側の面)に供給されて支持される。
図21は、筐体2を天井面11側から見た平面図である。筐体2の前面7に形成されている挿入口23の幅寸法Wを二分し且つ前面7と直交して筐体2の内方に延びる仮想線を挿入中心線Oaとしている。ディスク収納領域20の支持体21に支持されているディスクDの中心D0は、挿入中心線Oaから左側(X1側)へ距離δだけ離れた位置にある。前記距離δは、ディスクDの直径の1/10以上である。
図6では、駆動ユニット14が退避位置にあるが、このときの駆動ユニット14は、挿入中心線Oaから右側(X2側)に離れた位置で、右側面8のすぐ内側に位置し、このときの駆動ユニット14は、支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。図8では、移送ユニット17が待機位置にあるが、このときの移送ユニット17は、前面7のすぐ内側で且つ支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。
図20に示すように、駆動ユニット14は筐体2内において時計方向へ回動して介入位置に至り、移送ユニット17は反時計方向へ回動して移送動作位置に至るが、駆動ユニット14の回動領域と、移送ユニット17の回動領域は、筐体2内において重複する部分がある。しかし、図19に示すように駆動ユニット14が時計方向へ回動して介入位置で停止しているときに、移送ユニット17が退避位置と移送動作位置との間で回動するように動作するため、駆動ユニット14と移送ユニット17とが互いに当たることはない。ディスク収納領域20、駆動ユニット14および移送ユニット17をこのように配置することにより、筐体2の内部スペースを効率よく使用できる。筐体2内では、手前側に移送ユニット17が、奥側にディスク収納領域20が設けられた配置であるため、筐体2の奥行き寸法を可能な限り短くできる。この実施の形態では、筐体2の奥行き寸法(Y1−Y2方向の寸法)が、いわゆる1DINサイズ未満である。
図1および図2(A)に示すように、中間筐体4の機構ベース15は、駆動ユニット14および移送ユニット17よりも上方に位置しているが、図1および図8に示すように、この機構ベース15の筐体2の内方(図示X1方向)に向けられた内縁15aは、ディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れている。図2(B)に示すように、ディスク収納領域20内の支持体21は、筐体2の底面6の上側の直近位置から天井面11の内側直近まで上昇することが可能となっている。よって、前記機構ベース15は、ディスク収納領域20での、支持体21の上下の移動領域の中間の高さに位置し、且つディスク収納領域20内に収納されているディスクDの外周縁に当たらないように、筐体2の前面7の内側および右側面8の内側に沿って配置されている。
(第1の動力伝達部)
図1と図3ないし図5および図10を参照して、筐体2の底面6上に設けられた前記第1の動力伝達部12の構造を説明する。
図1に示すように、前記下部筐体3の前方には前方折曲げ片3aが底面6から垂直に折り曲げられている。同様に、後方には後方折曲げ片3bが、右側には右側折曲げ片3cが、底面6から垂直に折り曲げられている。
第1の動力伝達部12を構成する各部材は、ディスク収納領域20内に収納されているディスクDの外周縁に当たらないように、筐体2の前面7の内側および右側面8の内側に沿って配置されている。よって、ディスク収納領域20内の最下端の支持体21は、底面6に接近する位置まで下降でき、このとき第1の動力伝達部12を構成する各部材が、支持体21に保持されたディスクDの外周縁に当たらないように構成されている。
図3ないじ図5に示すように、前記第1の動力伝達部12では、底面6上に、Y1−Y2方向へ直線的に移動するスライダ31と、このスライダ31を図示しない連結部材を介して移動させるラック部材32とが設けられている。前面7の直ぐ内側では、底面6上に、第1の動力伝達部12の駆動源である第1のモータM1が固定されており、この第1のモータM1の出力軸にウォーム歯車33が固定されている。第1のモータM1の回転動力は、減速歯車34,35,36を介してピニオン歯車37に伝達される。このピニオン歯車37が、前記ラック部材32の歯と噛み合っている。
スライダ31の上には、切換レバー38が設けられている。切換レバー38の奥側(Y2側)の端部は、軸39によってスライダ31に回動自在に支持されている。切換レバー38の手前側(Y1側)の端部には、上方に向けて切換駆動ピン41が突出している。切換レバー38には、切換駆動ピン41と同軸で下方へ延びる姿勢制御ピンが設けられており、この姿勢制御ピンが底面6に形成された図示しないカム穴内に挿入されている。スライダ31と共に切換レバー38がY1方向へ移動するときに、前記カム穴の形状に伴なって切換レバー38の位置および姿勢が制御される。
底面6上にはロック切換え部材42が設けられている。このロック切換え部材42は、平面形状が円弧状の部分を有する金属板であり、図3ないし図5に示すように、下部筐体3の右側折曲げ片3cの内側から、図10に示すように、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に渡って配置されている。ロック切換え部材42の2箇所に、円弧状の摺動長穴42a,42aが形成されている。図1にも示すように、底面6上には案内ピン43,43が突出し、それぞれの案内ピン43が摺動長穴42a内に挿入されている。前記摺動長穴42a,42aが前記案内ピン43,43を摺動することにより、ロック切換え部材42が、円弧軌跡に沿って上方から見たときの反時計方向である(b)方向と、時計方向である(c)方向とへ摺動できるようになっている。
底面6上には、連結回動レバー44が回動自在に支持されている。この連結回動レバー44とラック部材32とはカム部(図示せず)を介して連結されており、連結回動レバー44は、ラック部材32のY1方向への移動過程の途中で、2段階の動作で反時計方向へ回動させられる。ロック切換え部材42にはその幅方向に延びる連結長穴42bが形成され、連結回動レバー44の先部に設けられた連結ピン45が、前記連結長穴42b内に挿入されている。図5に示すように、ラック部材32のY1方向への移動力によって連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられると、この連結回動レバー44の回動力によって、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられる。
ロック切換え部材42の奥側(Y2側)の端部には、切換え長穴42cが形成されている。底面6の奥側には、軸51によって回動自在に支持された伝達部材52が設けられている。この伝達部材52の手前側の端部には連結ピン53が固定され、この連結ピン53が前記切換え長穴42c内に挿入されている。
図1にも示すように、後方折曲げ片3bの内側には昇降切換え部材として機能するロック部材54が設けられている。このロック部材54は板状であり、後方折曲げ片3bの内側においてX1−X2方向へ直線的に移動できるように支持されている。
図1および図3に示すように、ロック部材54には、その下縁から底面6に沿う方向へ折り曲げられた折曲げ片54aが設けられ、この折曲げ片54aに長穴54bが形成されている。前記伝達部材52の奥側の端部には、連結ピン55が固定されており、この連結ピン55が長穴54b内に挿入されている。ロック切換え部材42が図4の位置から(c)方向へ移動するときに、切換え長穴42cによって伝達部材52が反時計方向へ回動させられ、これによってロック部材54がX1方向へ移動させられる。
図1に示すように、前記ロック部材54には、ロック制御穴56が開口している。このロック制御穴56は、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部56aと、この拘束部56aよりもX2側に位置し且つ拘束部56aよりも上側に位置している持ち上げ部56bと、前記拘束部56aと持ち上げ部56bとを連続させる傾斜部56cとを有している。さらに前記持ち上げ部56bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴56dが形成されている。
図10に示すように、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側にも昇降切換え部材として機能するロック部材61が設けられ、このロック部材61は、前方折曲げ片3aの内側にX1−X2へ摺動自在に支持されている。ロック切換え部材42には上方へ突出する駆動ピン46が固定されている。ロック部材61の下辺にはY2方向へ延びる折曲げ片61aが形成され、この折曲げ片61aに形成された長穴61b内に駆動ピン46が挿入されている。なお、ロック部材61は、図2(B)にも図示されている。図1と図3に示すように、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動しているときには、図2(B)および図10に示すように、ロック部材61がX2側に位置しており、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動するときに、ロック切換え部材42の移動力によって、ロック部材61がX1方向へ移動させられる。
図2(B)および図10に示すように、ロック部材61には、一対のロック制御穴62が開口している。それぞれのロック制御穴62には、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部62aと、この拘束部62aよりもX2側に位置し且つ拘束部62aよりも上側に位置している持ち上げ部62bと、拘束部62aと持ち上げ部62bとを連続させる傾斜部62cとを有している。さらに前記持ち上げ部62bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴62dが形成されている。
前記第1の動力伝達部12の動作を説明すると、図1および図3に示すように、ラック部材32が奥側(Y2側)の始端に移動しているときには、スライダ31と切換レバー38がY2側に位置している。このとき、連結回動レバー44が時計方向へ回動しており、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動している。そして、図1に示すロック部材54および図2(B)と図10に示すロック部材61は、共にX2側へ移動している。
第1のモータM1の動力によって、ラック部材32が図3の位置から図示Y1方向へ移動させられて図4に示す位置に至る間に、スライダ31および切換レバー38がラック部材32と一緒に図示Y1方向へ移動し、その最終行程において、切換レバー38がやや時計方向へ回動させられる。ただし、ラック部材32が図3の位置から図4の位置に至る間、連結回動レバー44が回動させられることはなく、ロック切換え部材42は(b)方向に移動した位置で停止しており、(c)方向へは移動しない。
ラック部材32が図4の位置からさらにY1方向へ短い距離だけ移動するときには、スライダ31とラック部材32とを連結している図示しない連結部材の制御動作および底面6に形成された図示しないカム穴の制御動作により、スライダ31および切換レバー38は図4に示す位置から動かず、連結回動レバー44が反時計方向へ回動し、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられて、ロック部材54とロック部材61が、X1方向へ、その全移動範囲のほぼ半分の距離だけ移動させられる。
その後、ラック部材32がY1方向へ移動して図5に示す位置まで至るときは、その行程の前段階で、連結回動レバー44が回動せずに、スライダ31と切換レバー38がY1方向へ移動する。その後は、スライダ31と切換レバー38が、それ以上はY1方向へ動くことはなく、連結回動レバー44がさらに反時計方向へ回動させられ、図5に示すように、ロック切換え部材42が(c)方向の終端まで摺動させられる。ロック切換え部材42が図5に示す位置へ回動すると、ロック部材54がX1方向への最終位置まで移動させられ、さらにロック部材61もX1方向の最終位置へ移動させられる。また、ロック切換え部材42が図5の位置に至る直前に、スライダ31上の切換レバー38が、上方から見たときの時計方向へ大きく回動させられる。
(ユニット支持ベースと駆動ユニット)
図1に示すユニット支持ベース13は、金属板を折り曲げて形成したものである。このユニット支持ベース13の手前には前方折曲げ片13aが設けられ、この前方折曲げ片13aは、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に平行に設置される。ユニット支持ベース13には後方折曲げ片13bが形成されており、この後方折曲げ片13bが、下部筐体3の後方折曲げ片3bの内側に平行に設置される。また、ユニット支持ベース13の側部折曲げ片13cは、下部筐体3の右側折曲げ片3cの内側に平行に設置される。
図6と図7にも示すように、ユニット支持ベース13の内縁13dは凹状の円弧形状であり、内縁13dは、図1に示すディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁から外側へわずかに離れた位置にある。
図1および図6、図7に示すように、下部筐体3の底面6上の3箇所には,弾性支持部材であるダンパー71,72,73が固定されている。このダンパー71,72,73は、ゴムなどの可撓性の袋体の内部に、オイルなどの液体または気体が封入されているものである。あるいは前記袋体と共に圧縮コイルスプリングが組み合わされているものである。
図6と図7に示すように、ユニット支持ベース13の底面の3箇所には支持軸74,75および76が下方に向けて垂直に固定されており、支持軸74は前記ダンパー71に支持され、支持軸75はダンパー72に支持され、支持軸76はダンパー73に支持されている。ユニット支持ベース13は、各ダンパー71,72および73によって、底面6上で弾性支持可能となっている。
ユニット支持ベース13の後方折曲げ片13bにはY2方向へ突出する1本の拘束軸77が設けられており、この拘束軸77が、図1に示したロック部材54のロック制御穴56内に挿入されている。ユニット支持ベース13の前方折曲げ片13aには、Y1方向へ突出する一対の拘束軸78,78が設けられており、拘束軸78は、図2(B)および図10に示すロック部材61のロック制御穴62内にそれぞれ挿入されている。
図6と図7に示すように、駆動ユニット14は、細長い駆動ベース81を有している。ユニット支持ベース13の奥側(Y2側)には、支持軸84が上向きに垂直に突出しており、駆動ベース81が前記支持軸84に支持されて、駆動ユニット14がX−Y平面に沿って回動自在となっている。
駆動ユニット14の回動範囲は、図6に示す退避位置から、図7および図19ないし図22に示す介入位置までである。図6に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、駆動ユニット14の回動自由端側に位置している回転駆動部であるターンテーブル82が筐体2の前面7側に位置し、駆動ベース81の側辺が、筐体2の右側面8の直近でこの右側面8と平行に位置している。そして、退避位置にある駆動ユニット14は、ディスク収納領域20の支持体21に支持されるディスクDの外周縁からわずかに離れている。
図7および図19ないし図22に示すように、駆動ユニット14が介入位置へ回動すると、ターンテーブル82が、ディスク収納領域20の内部へ移行する。この介入位置では、ターンテーブル82の回転中心が、選択位置(a)に移動している支持体21に支持されたディスクDの中心穴の下側に対向する。
図6に示すように、ユニット支持ベース13には、前記支持軸84を中心とする所定の半径の円弧状に形成された円弧案内部13eが設けられている。この円弧案内部13eは、ユニット支持ベース13を貫通する円弧長穴である。また、駆動ユニット14の駆動ベース81の下面には駆動軸88が垂直に固定されており、この駆動軸88が前記円弧案内部13e内に移動自在に挿通されている。
図6に示すように、ユニット支持ベース13の下面には、駆動部材である駆動スライダ85が設けられ、この駆動スライダ85は、Y1−Y2方向へ摺動自在に支持されている。駆動スライダ85には、駆動穴86およびこの駆動穴86に連続する逃げ部86bが形成されている。第1の動力伝達部12の切換レバー38に固定された切換駆動ピン41は前記駆動穴86に挿入されており、切換レバー38がY1方向へ移動するときに、この切換駆動ピン41によって、駆動スライダ85がY1方向へ移動させられる。
駆動スライダ85とユニット支持ベース13との間には、前記駆動軸88を駆動する駆動リンク機構(図示せず)が搭載されており、駆動スライダ85が図3に示すY2側の始端からY1方向へ移動して図4に示す位置へ至る間に、前記駆動リンク機構によって駆動軸88が時計方向へ押され、駆動ユニット14が図6に示す退避位置から図7に示す介入位置へ回動させられる。
駆動ユニット14の駆動ベース81の回動自由端側には、スピンドルモータが搭載され、このスピンドルモータのモータ軸82aに、前記ターンテーブル82が固定されている。図1にも示されるように、ターンテーブル82は、ディスクDの中心穴Da内に入り込む中心凸部82bと、この中心凸部82bから周囲に延びるフランジ部82cとを有している。ターンテーブル82内にはクランプ機構が搭載されている。このクランプ機構は、前記中心凸部82bから放射状に突出するクランプ爪を有している。クランプ爪が中心凸部82b内に退行しているときが非クランプモードであり、中心凸部82bがディスクDの中心穴Da内に入り込むことができる。クランプ爪が突出するとクランプモードとなり、ディスクDの中心穴Daの周縁部が、クランプ爪とフランジ部82cとで挟持されて、ディスクDがターンテーブル82にクランプされる。
駆動ユニット14の駆動ベース81には、前記クランプ爪を動作させるクランプ切換え機構が搭載されている。ラック部材32が図4の位置へ移動して、駆動ユニット14が介入位置へ移動した後に、さらにラック部材32がY1方向へ移動し、駆動スライダ85がY1方向へ移動するときの駆動力によって、前記クランプ切換え機構が動作し、クランプ爪が、非クランプモードからクランプモードに切換えられる。
図6と図7に示すように、駆動ベース81には光ヘッド83が設けられている。この光ヘッド83の上面には対物レンズ83aが設けられている。駆動ベース81にはスレッド機構が設けられ、このスレッド機構により、光ヘッド83はターンテーブル82に接近する位置から、ターンテーブル82から離れる方向へ向けて移動させられる。このとき、光ヘッド83の対物レンズ83aは、ターンテーブル82にクランプされたディスクDの半径方向に移動できるようになっている。
(第2の動力伝達部)
次に、図8と図9を参照して、中間筐体4に設けられた第2の動力伝達部16の構造を説明する。
第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15の上に、円弧形状の切換え部材91が設けられている。切換え部材91には、円弧軌跡に沿って延びる一対の案内長穴91a,91aが形成されている。機構ベース15上には一対の案内軸92,92が上向きに突出して固定されており、それぞれの案内軸92が前記案内長穴91a内に挿入されている。この支持機構により、切換え部材91は円弧軌跡に沿って(d)方向および(e)方向へ摺動自在に案内されている。また、切換え部材91の外周側の縁部には円弧軌跡に沿ってラック歯91bが形成されている。
機構ベース15は、ディスク収納領域20内の支持体21が上下へ移動する昇降移動範囲の高さの中間に位置しているため、切換え部材91も、支持体21の昇降移動範囲の高さの中間に位置している。そして、ディスク収納領域20に収納されているディスクDの外周縁の外側において、切換え部材91は、ディスクの外周縁に沿う円弧軌跡で移動する。
機構ベース15上には、第2のモータM2が設けられている。この第2のモータM2の回転軸にはウォーム歯車93が固定されている。機構ベース15上には出力歯車94が設けられ、この出力歯車94が前記ウォーム歯車93に常に噛み合っている。
第2のモータM2の回転動力は、前記出力歯車94から第1の切換え歯車95および歯車96を経てピニオン歯車97に減速して伝達される。第1の切換え歯車95は、出力歯車94に噛み合う位置と、出力歯車94から外れる位置とに切換えられる。前記ピニオン歯車97は、前記切換え部材91のラック歯91bと常に噛み合っている。前記出力歯車94の側方には、第2の切換え歯車98が設けられている。第2の切換え歯車98は、第2のモータM2の動力を、図1に示す支持体選択手段22に伝達させるためのものである。第1の切換え歯車95が出力歯車94に噛み合っているときに、第2の切換え歯車98が出力歯車94から離され、第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れるときに、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合わされる。
図1および図8と図9に示すように、機構ベース15の下には前記移送ユニット17が設けられている。図2(A)および図10、図11に示すように、移送ユニット17は、X1−X2方向へ向けて細長く延びる金属製のユニット枠100を有している。図11に詳しく示されるように、ユニット枠100は、上面101と下面102および支点側の側面103と自由端側の側面104を有し、ユニット枠100の内部はY1−Y2方向に貫通している。ユニット枠100の内部には、低摩擦係数の合成樹脂で形成された摺動部材105が設けられている。この摺動部材105は、ユニット枠100の上面101の内面に沿って延びる挟持部106と、支点側の側面103の内側に位置する側部案内部107と、自由端側の側面104の内側に位置する側部案内部108とを有している。側部案内部107と側部案内部108との対向間隔は、ディスクDの直径よりも広く、また図2(A)に示すように、挿入口23の開口幅寸法Wとほぼ同じか、それよりもやや広く形成されている。
図19ないし図22に示すように、移送ユニット17では、ユニット枠100内にローラ軸111が設けられている。このローラ軸111は、ユニット枠100の上面101と平行に延び、その両端は前記支点側の側面103と自由端側の側面104に回動自在に支持されている。前記ローラ軸111の外周に合成ゴムや天然ゴムなどの摩擦係数の高い材料で形成された第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113が設けられている。この移送ローラ112と移送ローラ113は、軸方向に間隔を空けて配置されている。移送ユニット17が図19、図21および図22に示す待機位置にあるとき、移送ローラ112と移送ローラ113は、筐体2の前面7とほぼ平行で、且つ挿入中心線Oaから左右に等距離離れた位置に配置されている。
第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113との中間に位置する中間部114は、ディスクDに対して実質的に移送力を与えない部分である。この中間部114は、両移送ローラ112,113と一体で且つ両移送ローラ112,113よりも小径に形成されているか、またはローラ軸111が直接に露出して形成されている。
図2(A)および図11に示すように、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113は、前記摺動部材105の挟持部106に対向している。移送ローラ112,113と挟持部106の少なくとも一方がばねで付勢されて、移送ローラ112,113と挟持部106とが互いに弾性的に圧接されている。よって、移送ローラ112と挟持部106、および移送ローラ113と挟持部106とでディスクDを挟持可能である。なお、この圧接状態では、中間部114と挟持部106との隙間が、ディスクDの厚み寸法よりも広くなっており、中間部114と挟持部106との間でディスクDが挟持されることはない。
第1の移送ローラ112および第2の移送ローラ113は、ローラ軸111の外周に接着することなくローラ軸111の外周に回転自在に挿通されている。ディスクDに対する挟持圧が移送ローラ112,113に作用しているときには、移送ローラ112,113とローラ軸111との摩擦力が増大して、ローラ軸111と移送ローラ112,113が一体となって回転する。また、挟持中のディスクDが人の指で掴まれたときのように、移送されるディスクDに大きな抵抗力が与えられると、移送ローラ112,113に対してローラ軸111がスリップ回転できるように構成されている。
なお、この実施の形態では、挟持部106が低摩擦係数の合成樹脂材料で形成されているが、この挟持部106が、自由に回転できるローラであってもよい。
移送ユニット17は、図示X1側の端部を支点として、図8と図19などに示す待機位置から、図9と図20に示す移送動作位置に向けて回動できる。待機位置では、ユニット枠100が、ディスク収納領域20内の支持体21に支持されているディスクDの外周縁からわずかに離れている。図20に示すように、移送ユニット17が反時計方向へ回動して移送動作位置に至ると、移送ローラ112と113との中間点を通り、各移送ローラ112,113の軸芯と垂直に延びる仮想線である搬送中心線Obが、複数の支持体21を有するディスク収納領域20に向けられる。
図1と図2(A)および図10と図11に示すように、移送ユニット17の回動支点となる基準軸131は、下部筐体3の底面6に、上方へ垂直に延びて固定されている。図10に示すように、中間筐体4の前面7の内側に位置している前記機構ベース15のX1側の端部には、円筒形状の金属製の中空軸18が設けられている。この中空軸18の上端は、機構ベース15にかしめ手段や溶接手段により固定されており、中空軸18は、機構ベース15の下方(Z1方向)へ垂直に延びている。
図11に示すように、移送ユニット17には、X1側の端部にローラ軸111と直交する方向に延びる軸受部129が設けられており、この軸受部129が、前記中空軸18の外周に回動自在に挿通されている。下部筐体3の上に中間筐体4が組み合わされると、下部筐体3の底面6に固定された基準軸131が、前記中空軸18内に挿通される。その結果、移送ユニット17は、軸受部129と中空軸18とが摺動し、基準軸131を中心として、前記待機位置から移送動作位置との間を回動する。また、下部筐体3と中間筐体4は、下部筐体3に固定された前記基準軸131を基準として互いに位置決めされて組み合わされる。
図8と図9に示す第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15のX1側に円弧状の案内穴15bが開口し、X2側にも円弧状の案内穴15cが開口している。案内穴15bと案内穴15cは、共に前記基準軸131を曲率中心とした円弧軌跡に沿って延びている。
移送ユニット17のユニット枠100の上面101では、基準軸131に近い位置に上方へ垂直に延びる案内軸132が固定され、基準軸131から離れた自由端側には、同じく上方へ垂直に延びる駆動軸133が固定されている。図8と図9に示すように、案内軸132は前記案内穴15b内に下から上方に向けて挿通され、駆動軸133も案内穴15c内に下から上方に向けて挿通されている。駆動軸133の先端は機構ベース15の上方へ突出しており、機構ベース15の上において、駆動軸133に回動リング134が回動自在に設けられている。
機構ベース15の上には、駆動レバー135が設けられている。この駆動レバー135の基部は、軸136を介して機構ベース15に回動自在に支持されている。駆動レバー135には、駆動長穴135aが開口しており、前記駆動軸133の外周に設けられた前記回動リング134が、この駆動長穴135aの内部に挿入されている。
機構ベース15上に設けられている前記切換え部材91には、ユニット制御長穴137が開口している。前記駆動レバー135の上面には伝達軸138が垂直に突出しており、この伝達軸138が、ユニット制御長穴137に下から上方へ向けて挿入されている。
前記ユニット制御長穴137には、非作用部137aが形成されている。この非作用部137aは円弧軌跡に沿って形成されているが、この円弧軌跡の曲率中心は、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動するときの円弧軌跡の曲率中心に一致している。したがって、図8に示すように、伝達軸138が非作用部137a内に位置しているときに、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動しても、その移動力が伝達軸138に作用しない。
前記ユニット制御長穴137では、前記非作用部137aのY1側に連続して駆動傾斜部137bが設けられ、さらにそのY1側の端部に保持部137cが形成されている。保持部137cは、非作用部137aよりも、切換え部材91の摺動軌跡の曲率中心に近い側に位置している。
切換え部材91が、図8の位置からさらに(e)方向へ摺動して図9の位置に至る間に、伝達軸138が駆動傾斜部137bに移行する。このとき、駆動傾斜部137bによって伝達軸138が反時計方向へ移動させられて、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。そして、駆動レバー135の駆動長穴135aにより駆動軸133が反時計方向へ押され、移送ユニット17が、基準軸131を支点として反時計方向へ回動させられて、移送動作位置に至る。さらに切換え部材91が(e)方向へ移動すると、図9に示すように、駆動軸133が案内穴15cのY2側の端部に至り、且つ伝達軸138がユニット制御長穴137の保持部137cに保持されて、移送ユニット17が移送動作位置で拘束される。
この実施の形態では、切換え部材91に設けられたユニット制御長穴137および駆動レバー135とで、移送ユニット回動手段が構成されている。
図8と図9に示すように、切換え部材91のY1側で且つX1側の端部には、切換え長穴121が形成されている。この切換え長穴121は、第1の円弧部121aと、第1の円弧部121aよりも、外周側に位置して(d)方向に延びる第2の円弧部121bと、両円弧部121aと121bとを繋ぐ切換え部121cを有している。第1の円弧部121aと第2の円弧部121bの曲率中心は、案内長穴91a,91aの円弧軌跡の曲率中心と一致している。
機構ベース15のY1側で且つ端部には、切換レバー122が設けられている。この切換レバー122は、機構ベース15と切換え部材91の間に位置し、機構ベース15の上面に固定された支持軸123に回動自在に支持されている。切換レバー122のX2側の端部には制御ピン124が固定され、この制御ピン124が、切換え部材91に形成された前記切換え長穴121内に摺動自在に挿入されている。切換レバー122のX1側の端部には切換えピン125が固定されている。後に説明するように、この切換えピン125によって、上部筐体5の左側面9の内側に設けられた規制ガイド切換機構の動作が切換えられる。
図8と図9に示すように、筐体2の前面7の内側には、シャッタ開閉部材126が設けられている。このシャッタ開閉部材126は、金属板であり、前面7の内側でX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。また、シャッタ開閉部材126は引っ張りコイルばね128によってX2方向へ付勢されている。シャッタ開閉部材126には、下縁からY2方向へ折り曲げられた駆動片126aが設けられている。切換え部材91には駆動ピン127が固定されており、図8に示すように、この駆動ピン127が、前記駆動片126aに形成された溝内に介入可能である。
図8では、駆動レバー135に設けられた伝達軸138が、切換え部材91に形成されたユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置しており、移送ユニット17は時計方向へ回動して待機位置にある。このとき、切換レバー122に設けられた制御ピン124が、切換え長穴121の第1の円弧部121a内に位置しており、切換レバー122が反時計方向へ回動し、切換えピン125がY1側に移動している。このとき、切換え部材91に設けられた駆動ピン127が、駆動片126aの溝内に入り込み、シャッタ開閉部材126がX1方向へ移動している。
切換え部材91が、図8の位置から(e)方向へ移動し、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bに入り込む直前に、切換レバー122に設けられた制御ピン124が、切換え長穴121の第2の円弧部121b内に入り込み、切換レバー122が時計方向へ回動して、切換えピン125がY2方向へ移動する。このとき、同時に、切換え部材91に設けられた駆動ピン127によって、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられる。
さらに、その後の切換え部材91の(e)方向への移動によって、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bに入り込み、図9に示すように、移送ユニット17が反時計方向へ回動して移送動作位置に至る。
(シャッタ開閉機構)
図18(A)(B)は、シャッタ開閉機構200を、筐体2の前面7の前方から示す斜視図である。
シャッタ201は薄い金属板で形成され、X1−X2方向に細長い長方形状であり、前面7に形成された挿入口23を覆うことのできる面積を有している。シャッタ201の上端(Z2側)には、X1−X2方向へ間隔を空けて摺動ピン203,203が固定されている。筐体2の前面7には、上下方向へ直線的に延びる摺動長穴7a,7aが開口しており、前記摺動ピン203,203は、摺動長穴7a,7a内に挿入されて、シャッタ201は、前面7の表面に密着した状態で上下に移動可能に支持されている。
前記シャッタ開閉部材126には、開閉カム202,202が形成されている。この開閉カム202,202は、シャッタ開閉部材126を貫通するカム長穴である。それぞれの開閉カム202は、X2方向に直線状に延びる閉鎖部202aと、この閉鎖部202aよりも上方に位置してX1方向へ直線状に延びる開放部202b、および閉鎖部202aと開放部202bとを繋ぐ傾斜切換え部202cとを有している。
図8に示すように、第2の動力伝達部16の切換え部材91が(d)方向へ位置しているときに、駆動ピン127によってシャッタ開閉部材126がX1側へ移動させられている。このとき、図18(A)に示すように、シャッタ開閉部材126に形成された開閉カム202,202の閉鎖部202a,202aによって、摺動ピン203,203が押し下げられて、シャッタ201が下降して挿入口23が閉鎖されている。図9に示すように、切換え部材91が(e)方向へ移動すると、駆動ピン127および引っ張りコイルばね128によって、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図18(B)に示すように開閉カム202,202の開放部202b,202bによって摺動ピン203,203が押し上げられ、シャッタ201が上方へ移動し、挿入口23が開放させられる。
このシャッタ201の開閉タイミングを説明すると、図8に示すように伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置し、且つ切換レバー122が時計方向へ回動しているときには、シャッタ201が閉鎖されている。図8に示す状態から、切換え部材91が(e)方向へ移動し、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137aの(d)側の端部(非作用部137aと駆動傾斜部137bとの境界部)に至ると、切換レバー122が反時計方向へ回動するとともにシャッタ201が開放される。さらに、切換え部材91が(e)方向へ移動すると、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137b内に入り込んで、移送ユニット17が図9に示す移送動作位置へ向けて回動する。この間、シャッタ201は開放されたままである。
また、切換え部材91が図9に示す位置から(d)方向へ移動するときには、まず移送ユニット17が時計方向へ回動して待機位置に復帰し、伝達軸138が、非作用部137aに至ると、切換レバー122が反時計方向へ回動し、且つシャッタ201が閉鎖される。
(突出支持部材)
図10に示すように、前記移送ユニット17のX1側の端部には、筐体内方(Y2方向)へ突出する突出支持部材160が設けられている。この突出支持部材160は、合成樹脂材料で形成されている。突出支持部材160は、軸支持部161と、この軸支持部161から一体に延びる腕部162と、腕部162の先部に一体に形成されて上方(Z2方向)に延びる支持部163とを有している。図17に示すように、支持部163の上面163aは、選択位置(a)の支持体21の下面に保持されたディスクDの下面と同じ高さ位置、あるいはディスクDの下面よりもややZ2側へ高い位置にある。図12ないし図15には、突出支持部材160が平面図で示されている。突出支持部材160の支持部163は、図12の姿勢のときにY1−Y2方向へ延びるように細長く形成されており、その上面163aは、Y1側の端部が、Y1方向へ向かうにしたがって徐々に下方(Z1方向)へ下がる傾斜面163bであり、Y2側の端部が、Y2方向へ向かうにしたがって徐々に下方(Z1方向)へ下がる傾斜面163cである。
図12ないし図15に示すように、移送ユニット17のユニット枠100の下面102には、上方に向かって固定された支持軸164が設けられ、突出支持部材160の軸支持部161は前記支持軸164に回動自在に支持されている。支持軸164にはトーションばね(図示せず)が設けられ、突出支持部材160は、図12に示すように反時計方向へ回動した退行位置に向けて常に付勢されている。図10に示すように、ユニット枠100の下面102上には合成樹脂製のホルダ165が固定され、このホルダ165にはY1方向に向けて窪む凹部が形成されている。図12に示すように、突出支持部材160が反時計方向へ回動して退行位置に至ったときに、前記支持部163が前記凹部内に収められる。ホルダ165の上面は、前記支持部163の上面163aと同じ高さ位置か、あるいは前記上面163aよりも下方(Z1方向)へ下がった低い位置となるように形成されている。
図12に示すように、突出支持部材160の軸支持部161の下面には金属製の駆動板166が固定されており、この駆動板166が、突出支持部材160と一体となって回動できるようになっている。ユニット枠100の下面102には、制御板167が設けられ、この制御板167は、下面102に固定された支持軸168を中心として回動自在に支持されている。制御板167の一方の腕部の先には、連結ピン169が固定されており、この連結ピン169が、前記駆動板166に形成された長穴166a内に挿入されている。また、制御板167の他方の腕部には円弧連結穴167aが形成されている。図15に示すように、移送ユニット17内で制御板167が反時計方向へ回動してその回動限界位置に至ったときに、前記円弧連結穴167aの円弧軌跡の曲率中心が、移送移送ユニット17の回動支点である前記基準軸131の軸芯に一致する。
図10に示すように、前記突出支持部材160の姿勢を制御する制御切換機構170は、下部筐体3の底面6上に設けられている。
下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側には、突出切換え部材171がX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。突出切換え部材171は金属板で形成されており、その上縁にはY2方向へ向けて折り曲げられた折曲部171aが設けられ、この折曲部171aに上向きの切換えピン172が固定されている。図12などに示すように、この切換えピン172は、移送ユニット17に設けられた前記制御板167の円弧連結穴167a内に挿入されている。突出切換え部材171のX2側の端部には、底面6に沿って折り曲げられた駆動片171bが設けられ、この駆動片171bに連結長穴171cが形成されている。
下部筐体3の底面6の上には連結部材173が軸174によって回動自在に支持されている。連結部材173の一方の端部には連結ピン175が固定されており、この連結ピン175が前記連結長穴171c内に挿入されている。また、連結部材173の他方の端部には制御ピン176が上向きに固定されている。
第1の動力伝達部12を構成している前記ロック切換え部材42のX1側の端部には突出制御長穴47が形成されている。この突出制御長穴47は、(c)方向へ延び且つロック切換え部材42の円弧軌跡の曲率中心から離れる側に位置する第1の退行案内部47aと、この第1の退行案内部47aよりも(b)側に位置し、且つ前記曲率中心に接近する側に位置する突出案内部47bと、この突出案内部47bよりも(b)側に位置し、曲率中心よりも離れる側に位置する第2の退行案内部47cを有している。第1の退行案内部47aと突出案内部47bとの間は傾斜部で繋がれ、突出案内部47bと第2の退行案内部47cとの間も傾斜部で繋がれている。
以上の構成により、ロック切換え部材42の動作により、移送ユニット17に搭載されている前記突出支持部材160の姿勢は、ロック部材61およびロック部材54の動作と同期し且つ関連して変化する。
図10と図12は、図3および図4と同様に、ロック切換え部材42が(b)方向への始端に移動した状態を示している。このとき、ロック部材61はX2側へ移動しており、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸78は、ロック部材61に形成されたロック制御穴62の拘束部62a内に位置しており、ユニット支持ベース13が下降した状態である。このとき、連結部材173に設けられた制御ピン176は、突出制御長穴47の第1の退行案内部47a内に位置している。そのため、連結部材173が時計方向へ回動し、突出切換え部材171がX1方向へ移動させられている。
図12に示すように、突出切換え部材171がX1方向へ移動している状態で、且つ移送ユニット17が前面7に接近する待機位置にあるときには、突出切換え部材171に設けられた切換えピン172によって、移送ユニット17に設けられた制御板167が時計方向へ回動させられており、駆動板166と突出支持部材160が反時計方向へ回動させられ、支持部163は移送ユニット17のユニット枠100内に入り込んだ退行位置にある。図13に示すように、突出切換え部材171がX1方向へ移動している状態で、移送ユニット17が反時計方向へ回動して移送動作位置に至ると、移送ユニット17の回動に伴なって、切換えピン172で拘束されている制御板167が、移送ユニット17内において反時計方向へ回動し、突出支持部材160が時計方向へ回動して、支持部163が移送ユニット17からY2方向へ突出する。
図10と図12に示す位置から、ロック切換え部材42が(c)方向へ所定距離移動すると、ロック部材61がX1方向へ、その全移動範囲の半分の距離だけ移動し、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸78が、ロック制御穴62の持ち上げ部62b内に移動し、ユニット支持ベース13が持ち上げられる。このとき、図14と図15に示すように、連結部材173に設けられた制御ピン176が、突出制御長穴47の突出案内部47b内に移動し、連結部材173が反時計方向へ回動させられる。これに伴なって突出切換え部材171がX2方向へ移動する。
図14に示すように、移送ユニット17が移送動作位置へ回動しているときに、突出切換え部材171がX2方向へ移動すると、切換えピン172によって、制御板167がさらに反時計方向へ回動し、突出支持部材160が時計方向へ回動させられる。よって、支持部163は、図13のときよりも、移送ユニット17からさらに筐体内へ突出させられる。図14と図15に示すように、突出切換え部材171がX2方向へ移動し、移送ユニット17に搭載された制御板167が反時計方向へ回動しているときには、この制御板167に形成されている円弧連結穴167aの円弧軌跡の曲率半径の中心が、移送ユニット17の回動支点である基準軸131の軸芯に一致している。よって、突出切換え部材171がX2方向へ移動している状態で、移送ユニット17が、図14に示す移送動作位置から図15に示す待機位置へ復帰するときに、移送ユニット17内での制御板167および突出支持部材160の相対的な姿勢は変化しない。
そのため、図14に示す状態と、図15に示す状態とで、移送ユニット17からの支持部163の突出量は同じである。図15に示すように、突出切換え部材171がX2方向へ移動し、移送ユニット17が待機位置にあるとき、支持部163は、選択位置(a)の支持体21に保持されたディスクDの外周部の下側に接触して対向する。
(規制ガイド部材)
図16(A)(B)および図17は、上部筐体5の左側面9を、筐体2の内側から見た内視側面図である。
左側面9の内側には、一対の規制ガイド部材301と303が設けられている。両規制ガイド部材301,303は、共に金属板で形成されている。筐体2の前面7に近い側に位置する規制ガイド部材301は、支持軸302によって左側面9の内側で回動自在に支持されており、筐体2の奥側(Y2側)に位置する規制ガイド部材303は、支持軸304によって左側面9の内側で回動自在に支持されている。
一方の規制ガイド部材301には、筐体2の内方へ向けて垂直に折り曲げられた規制面301aと、この規制面301aと連続する傾斜案内面301bを有している。規制ガイド部材301が図16(A)の姿勢のときに、傾斜案内面301bは、筐体2の内方に向かうにしたがってY1方向へ向けて傾斜している。他方の規制ガイド部材303には、筐体の内方へ向けて垂直に折り曲げられた規制面303aと、この規制面303aと連続する傾斜案内部303bを有している。規制ガイド部材303が図16(A)に示す姿勢のときに、傾斜案内部303bは、筐体2の内方へ向かうにしたがってY2へ向けて傾斜している。
規制ガイド部材301のY2側には第1のリンク部材305が設けられている。この第1のリンク部材305は、軸306によって左側面9の内側で回動自在に支持されている。第1のリンク部材305には、駆動ピン307が固定されており、この駆動ピン307が、規制ガイド部材301に形成された長穴301c内に挿入されている。規制ガイド部材301よりもY1側には第2のリンク部材311が設けられており、第2のリンク部材311は、軸312によって、左側面9の内側で回動自在に支持されている。第2のリンク部材311には駆動ピン313が固定されており、この駆動ピン313が、規制ガイド部材303に形成された長穴303c内に挿入されている。そして、第1のリンク部材305には連結長穴305aが形成され、第2のリンク部材311に固定された連結ピン314が前記連結長穴305a内に挿入されている。
上記第1のリンク部材305と第2のリンク部材311によって、前後の規制ガイド部材301と303が同期して回動する。
左側面9の内側には、伝達切換え部材401が設けられている。伝達切換え部材401には、Y1−Y2方向に延びる長穴401a,401aが形成され、この長穴401a,401aが、左側面9の内側に固定された案内軸315,315に摺動自在に支持されており、伝達切換え部材401はY1−Y2方向へ摺動自在に支持されている。
前記第2のリンク部材311には、制御穴317が形成されている。この制御穴317は、Y1方向に延びる切換え部317aと、それよりもY2側に連続する逃げ部317bとを有している。伝達切換え部材401に固定された駆動ピン316は前記制御穴317内に挿入されている。また、第2のリンク部材311と伝達切換え部材401との間には引っ張りコイルばねである連結ばね318が掛けられている。
前記伝達切換え部材401のY1側の端部では、上縁からX2方向へ直角に折り曲げられた連結片401bが形成されている。図10および図19などに示すように、連結片401bには連結長穴401cが形成されており、前記機構ベース15上に設けられた前記切換レバー122に固定されている切換えピン125が連結長穴401cに挿入されている。
機構ベース15上に設けられた切換え部材91の移動力によって切換レバー122が回動させられ、この切換レバー122によって伝達切換え部材401がY1−Y2方向へ移動させられて、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303の姿勢が制御される。また、前述のように切換え部材91によってシャッタ開閉部材126が動作させられて、シャッタ201の開閉制御が行われる。よって、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303の姿勢は、シャッタ201の開閉動作に同期し且つ連動して変化する。
図8および図10に示すように、切換え部材91が(d)方向へ移動しているときには、シャッタ開閉部材126がX1方向へ移動させられており、図18(A)に示すようにシャッタ201が下降して挿入口23が閉鎖されている。このとき、切換え長穴121によって切換レバー122が反時計方向へ回動させられているため、切換レバー122に固定された切換えピン125によって、伝達切換え部材401がY1方向へ移動させられている。
このとき、図16(A)に示すように、伝達切換え部材91に設けられた駆動ピン316によって、第2のリンク部材311に形成された制御穴317の切換え部317aがY1方向へ引かれる。その結果、第2のリンク部材311が時計方向へ回動させられ、第1のリンク部材305が反時計方向へ回動させられる。よって、規制ガイド部材301が時計方向へ回動して規制面301aがほぼ垂直方向(Z1−Z2方向)へ向けられる。一方、規制ガイド部材303は反時計方向へ回動させられ、規制面303aがほぼ垂直方向へ向けられる。規制ガイド部材301と303は、規制面301aと303aが垂直に向けられているときが非作用姿勢である。
切換え部材91が、図8に示す位置から(e)方向へ移動して、伝達軸138がユニット制御長穴137の非作用部137aの(d)側の端部付近に至ると、図9に示すように、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図18(B)に示すようにシャッタ201が上昇して挿入口23が開放される。このとき、切換え長穴121によって切換レバー122が時計方向へ回動させられ、切換えピン125によって伝達切換え部材401がY2方向へ移動させられる。
このとき、図16(B)に示すように、伝達切換え部材401に設けられた駆動ピン316が、第2のリンク部材311に形成された制御穴317の逃げ部317b内に移動する。よって、伝達切換え部材401のY2方向への移動力が連結ばね318を介して第2のリンク部材311に伝達され、第2のリンク部材311が反時計方向へ回動させられ、第1のリンク部材305が時計方向へ回動させられる。また、第1のリンク部材305によって規制ガイド部材301が反時計方向へ回動させられ、第2のリンク部材311によって規制ガイド部材303が時計方向へ回動させられる。そして、規制ガイド部材301に形成された規制面301aと、規制ガイド部材303に形成された規制面303aは、共にほぼY1−Y2方向に沿う水平面上に位置する。規制ガイド部材301と303は、規制面301aと303aがほぼ水平に向くときがガイド姿勢である。
図17および図20に示すように、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303がガイド姿勢となったとき、規制面301aと規制面303aは、選択位置(a)にある支持体21の下面に微小距離を空けて対向する。この微小距離は、ディスクDの厚み寸法と同じかそれよりもやや広い寸法である。選択位置(a)にある支持体21の下面にディスクDが供給されるときに、規制ガイド部材301の傾斜案内面301bと、規制ガイド部材303の傾斜案内面303bによって、ディスクDの縁部が支持体21の下面に案内され、ディスクDが支持体21の下面に導かれ、支持体21の下面の両規制面301a,303aとの間に、ディスクDが設置される。
図16(B)に示すように、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303がガイド姿勢であるとき、伝達切換え部材401に固定された駆動ピン316は、第2のリンク部材311に形成された制御穴317の逃げ部317b内に位置している。よって、第2のリンク部材311は、連結ばね318の付勢力に対抗して時計方向へ少しだけ回動できる。そのため、支持体21の下面と、規制面301a,303aとの間に供給されるディスクDが規定のものよりもやや厚いものであっても、規制ガイド部材301,303は、規制面301a,303aが、支持体21の下面から離れる方向へ回動できるようになっている。
(第3の動力伝達部)
次に、下部筐体3の底面6に設けられた第3の動力伝達部19の構造を説明する。
図6および図10と図11に示すように、移送ユニット17の回動支点となる前記基準軸131は、筐体2の底面6に固定されている。この基準軸131の下方には、一体ギヤ141が回転自在に支持されている。この一体ギヤ141は、上方部分が垂直ウォーム歯車141aであり、下方部分が下部歯車141bである。図6に示すように、筐体2の底面6には、中間歯車142が回転自在に設けられ、この中間歯車142が前記下部歯車141bに噛み合っている。底面6には第3のモータM3が設けられており、その回転軸に固定されたウォーム歯車143が、前記中間歯車142と噛み合っている。
図11に示すように、移送ユニット17では、ローラ軸111の一端が、ユニット枠100の支点側の側面103から外方へ突出しており、側面103から突出したローラ軸111の端部に平歯車であるローラ歯車144が固定されている。前記側面103には、軸145が固定され、この軸145に一体ギヤ146が回転自在に支持されている。この一体ギヤ146は、小径平歯車146aと大径平歯車146bとが一体化されたものであり、小径平歯車146aが前記ローラ歯車144と噛み合っている。
ユニット枠100の下面102には、下方に突出する支持片102aが一体に折り曲げ形成されており、この支持片102aに軸148が固定されている。この軸148はローラ軸111と平行に延びている。軸148には一体ギヤ147が回転自在に支持されている。一体ギヤ147は、平歯車147aとウォームホイール147bとが一体化されたものである。この平歯車147aが、前記大径平歯車146bと噛み合っている。
移送ユニット17に設けられた軸受部129が中空軸18に回動自在に支持され、基準軸131が中空軸18内に挿入された状態で、前記ウォームホイール147bとウォーム歯車141aとが噛み合う。前記第3のモータM3の回転動力は、中間歯車142から下部歯車141bおよびウォーム歯車141aに伝達され、さらにウォーム歯車141aからウォームホイール147bに伝達される。その動力は、平歯車147aから一体ギヤ146の大径平歯車146bに伝達され、さらに小径平歯車146aからローラ歯車144に伝達される。
下部筐体3側に設けられた第3のモータM3の回転動力が、基準軸131と同軸に回転する一体ギヤ141を介してローラ歯車144に伝達されるため、移送ユニット17を、基準軸131を支点として待機位置から移送動作位置へ回動させる動作と独立させて、ローラ軸111を駆動することができる。このディスク収納型ディスク装置1は、移送ユニット17を待機位置から移送動作位置へ回動させる移送ユニット回動手段と、移送ローラ112,113を回転させるローラ駆動手段とが別個に設けられ、互いに独立して動作できるようになっている。
(支持体選択手段)
次に、上部筐体5に設けられている支持体選択手段22の構造について説明する。
図1および図2(B)に示すように、上部筐体5の天井面11には、互いに平行に下方へ向けて延びる3本の選択軸151A,151B,151Cが回転自在に支持されている。
それぞれの選択軸151A,151B,151Cの外周には、選択溝152が形成されている。選択溝152はスパイラル状に形成されている。図2(B)に示すように、選択溝152のスパイラル形状は、選択軸151A,151B,151Cの上方が密ピッチ部152aで下方が密ピッチ部152bとなっている。上方の密ピッチ部152aと下方の密ピッチ部152bでは、選択溝152が短ピッチで形成され、上方の密ピッチ部152aと下方の密ピッチ部152bでは、それぞれ選択溝152が少なくとも5周(5ピッチ)以上形成されている。選択軸151A,151B,151Cの中間部では、選択溝152が疎ピッチ部152cとなっており、この疎ピッチ部152cでは、上方の密ピッチ部152aと下方の密ピッチ部152bの間で、選択溝152が1ピッチ分だけ形成されている。
支持体21は上下方向に重ねられて6枚設けられている。それぞれの支持体21は、薄い金属板で形成されている。図19ないし図22に示すように、それぞれの支持体21は、筐体2の左側面9にほぼ平行に対向する左側縁21bと、筐体2の後側面10にほぼ平行に対向する後縁21cを有している。支持体21の筐体2の内方へ向けられる内縁21aは凹曲線形状であり、駆動ユニット14が介入位置に設置されたときに、支持体21の内縁21aは、ターンテーブル82の外周から離れた位置にある。
また、それぞれの支持体21の左側縁21bには、Y1側に凹状の逃げ部21dが形成され、Y2側に凹状の逃げ部21eが形成されている。図16(A)に示すように、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303が非作用姿勢のとき、規制ガイド部材301の垂直に向けられた規制面301aと傾斜案内面301bが逃げ部21d内に位置し、規制ガイド部材303の垂直に向けられた規制面303aと傾斜案内部303bが逃げ部21e内に位置している。よって、図20と図21に示すように、規制ガイド部材301,303が非作用姿勢のとき、規制面301a,303aおよび傾斜案内面301b,303bが、支持体21の上下への選択移動動作を妨げない。
図19ないし図22に示すように、それぞれの支持体21には、そのX1側の端部で且つY1側の端部に、軸受25Aが固定されている。また、それぞれの支持体21のX2側の端部で且つY2側の端部に軸受25Bが固定され、左側縁21bと後縁21cとの角部の内側では、支持体21に軸受25Cが固定されている。軸受25Aは、選択軸151Aの外周に挿通され、軸受25Bは選択軸151Bの外周に挿通され、軸受25Cは選択軸151Cの外周に挿通されている。それぞれの軸受25A,25B,25Cの内側には掛止部が一体に突出形成されており、この掛止部が、選択軸151A,151B,151Cのそれぞれの外周に形成された選択溝152に摺動自在に掛止されている。
6枚の支持体21のそれぞれの前記掛止部は、選択溝152の隣接する5ピッチのそれぞれのピッチに掛止されるように配置されている。よって、選択軸151A,151B,151Cが、上方から見たときに反時計方向へ回転すると、支持体21が選択軸151A,151B,151Cに沿って1枚ずつ下向きに送られ、選択軸151A,151B,151Cが時計方向へ回転すると、支持体21が選択軸151A,151B,151Cに沿って1枚ずつ上向きに送られる。そして、疎ピッチ部152cに掛止されているいずれかの支持体21が、図2(B)に示す選択位置(a)に至る。
図2(B)に示すように、選択位置(a)での支持体21は、疎ピッチ部152cの上方に位置している。選択位置(a)にある支持体21の下方に隣接する支持体21は、下方の密ピッチ部152bの最上部のピッチの選択溝152に掛止されているが、この下側の支持体21と選択位置(a)の支持体との間には、上下に比較的広い間隔が空けられ、駆動ユニット14がこの間隔内に入り込むことができるようになっている。
それぞれの選択軸151A,151B,151Cの上端には、薄い小歯車(図示せず)が設けられ、この小歯車は、天井面11の下面にほぼ密着して回転できるようになっている。天井面11の下面には大径の薄いリング状歯車(図示せず)が回転自在に設けられ、選択軸151A,151B,151Cに設けられた小歯車が、全てリング状歯車の歯部と噛み合っている。よって、リング状歯車の回転により、全ての小歯車が同期して回転駆動され、3本の選択軸151A,151B,151Cが同期して回転駆動される。
図2(B)示すように、上部筐体5の天井面11の下面には回転軸99aが回転自在に支持されている。この回転軸99aの下端に、図8と図9に示した前記伝達歯車99が固定されており、この伝達歯車99が、第2の動力伝達部16の前記第2の切換え歯車98と噛み合っている。回転軸99aの上端には、薄型歯車99bが固定されており、この薄型歯車99bが前記リング状歯車の歯部に噛み合っている。図8に示すように、第2の切換え歯車98が、出力歯車94と伝達歯車99に噛み合い、第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れている状態で、第2のモータM2を始動すると、その動力が伝達歯車99に伝達され、この伝達歯車99と一体の薄型歯車99bによってリング状歯車が駆動される。
(ディスク保持手段)
図19ないし図22に示すように、それぞれの支持体21には、3個の保持部材26,27,28が設けられている。保持部材26,27,28は、それぞれ支持体21の下面(Z1側の面)に設けられているが、図19ないし図22では、図示の都合上、支持体21を透視して保持部材26,27,28を実線で示している。保持部材26は、前記軸受25Aの外周を回動できるように支持されている。保持部材27は、前記軸受25Bの外周を回動できるように支持され、保持部材28は、前記軸受25Cの外周を回動できるように支持されている。
保持部材26と支持体21との間には引っ張りコイルばね29aが掛けられており、保持部材26が反時計方向(γ2方向)へ回動付勢されている。支持体21にはストッパ(図示せず)が設けられ、保持部材26は、図21に示す姿勢よりもさらに反時計方向(γ2方向)へ回動しないように規制されている。保持部材27は引っ張りコイルばね29bによって時計方向(γ4方向)へ付勢されており、支持体21に設けられたストッパ(図示せず)によって、図19に示す姿勢よりもさらに時計方向(γ4方向)へ回動しないように規制されている。同様に、保持部材28は、引っ張りコイルばね29cによって時計方向(γ4方向)へ付勢されており、支持体21に設けられたストッパ(図示せず)によって、図19に示す姿勢よりもさらに時計方向(γ4方向)へ回動しないように規制されている。
保持部材26,27,28は合成樹脂材料で形成されている。それぞれの保持部材26,27,28には、保持爪26b,27b,28bが一体に形成されている。保持爪26b,27b,28bは、支持体21の下面に間隔を空けて対向しており、支持体21の下面に供給されたディスクDは、支持体21の下面と、各保持爪26b,27b,28bとの間に保持される。
図19ないし図22に示すように、筐体2の左側面9と後側面10との角部には、選択位置(a)にある支持体21にディスクDが装填されたことを検知する装填検知部180が設けられている。この装填検知部180には、光学検知素子181が設けられている。この光学検知素子181は、発光素子と受光素子とが対向して構成されている。この光学検知素子181は、筐体2内に1つだけ設けられ、選択位置(a)に移動した支持体21と同じ高さ位置に設けられている。各支持体21に設けられているそれぞれの保持部材28には検知部28hが一体に突出形成されている。
支持体21が選択位置(a)に移動すると、前記検知部28hが、光学検知素子181に対向する。このとき、図19と図20に示すように、選択位置(a)に移動した支持体21にディスクDが保持されていないと、保持部材28が引っ張りコイルばね29cによってγ4方向へ大きく回動させられているため、検知部28hが光学検知素子181の発光素子と受光素子との間に介入し、検知出力がOFFとなる。また、図21に示すように、選択位置(a)にある支持体21にディスクDが供給されていると、ディスクDの外周縁で、保持部材28が押され、保持部材28がγ3方向へ少し回動させられる。そのため、検知部28hが光学検知素子181から抜け出て、光学検知素子181の検知出力がONとなる。
機構制御部では、ディスクDが搬入されるときに、光学検知素子181の検知出力がOFFからONに切り換わることを監視することで、支持体21にディスクDが位置決めされて保持されたことを認識できる。
なお、図21に示す位置に回動した保持部材28は、引っ張りコイルばね29cによって常に時計方向へ付勢されており、この付勢力でディスクDが、Y1方向へ押され続けている。しかし、筐体内には、ディスクDがターンテーブルに保持されていないときに、支持体21に保持されたディスクDの中心穴Da内に入り込んで、ディスクDがY1方向へ移動するのを規制する規制機構(図示せず)が設けられている。よって、駆動ユニット14が退避位置にあるときに、保持部材28に作用する付勢力によって、ディスクDが支持体21から抜け出ることはない。
図19ないし図22に示すように、筐体2の左側面9の内側では、前記伝達切換え部材401の内側に、第1の保持切換え部材403が重ねられて設けられている。第1の保持切換え部材403は、伝達切換え部材401に対してY1−Y2方向へ摺動自在に支持されているが、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403との間には、連結ばねが掛けられている。この連結ばねによって、第1の保持切換え部材403がY1方向へ付勢され、且つ伝達切換え部材401がY2方向へ付勢されて、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一体化されている。
また、筐体2の後側面10の内側にはX1−X2方向へ移動する第2の保持切換え部材404が設けられている。第1の保持切換え部材403と第2の保持切換え部材404は、図示しない保持解除機構の動力によって一緒に動作させられる。
図19と図20では、切換レバー122が時計方向へ回動しており、この切換レバー122によって、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一緒にY2方向へ移動させられている。このとき、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26がγ1方向へ回動させられている。また、図19と図20では、第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動しており、第2の保持切換え部材404が保持部材27および保持部材28から離れている。よって、保持部材27と保持部材28は、引っ張りコイルばね29bと29cの付勢力により、共にγ4方向へ回動させられている。
図21に示すように、切換レバー122が反時計方向へ回動すると、切換えピン125によって、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一緒にY1方向へ移動させられる。このとき、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、保持部材26は、引っ張りコイルばね29aによって、γ2方向へ回動させられる。
図22に示すように、切換レバー122が反時計方向へ回動させられ、切換えピン125で伝達切換え部材401がY1方向で保持されている状態で、図示しない保持解除機構によって、第1の保持切換え部材403がY2方向へ駆動されると、前記連結ばねが伸びて、第1の保持切換え部材403のみがY2方向へ移動させられる。これと同時に、前記保持解除機構によって、第2の保持切換え部材404がX1方向へ駆動される。このとき、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26がγ1方向へ回動させられ、第2の保持切換え部材404によって、保持部材27と保持部材28が共にγ3方向へ回動させられ、全ての保持爪26b,27b,28bがディスクDの外周縁の外側へ移動する。
次に、上記ディスク収納型ディスク装置1の全体動作について説明する。
(支持体選択動作)
ディスク収納領域20にある6枚の支持体21のいずれかを選択位置(a)へ移動させるときには、図3に示すように、第1の動力伝達部12の第1のモータM1によって、ラック部材32が最もY2方向へ移動した始端に設定される。よって、スライダ31と切換レバー38がY2方向へ移動し、図6に示すように、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、ユニット支持ベース13の下面に設けられた駆動スライダ85が、Y2方向へ移動させられ、駆動ユニット14が、ディスク収納領域20に収納されたディスクDに当たらない退避位置に設定されている。
ラック部材32が最もY2側に位置しているときには、図3に示すように、連結回動レバー44が時計方向へ回動させられており、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動した位置で停止している。よって、ロック切換え部材42のY2側の端部に形成された切換え長穴42cによって伝達部材52が時計方向へ回動させられており、下部筐体3の後方折曲げ片3bの内側に設けられたロック部材54がX2方向へ移動させられている。また図10に示すように、ロック切換え部材42に固定された駆動ピン46によって、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に設けられたロック部材61がX2方向へ移動させられている。
このとき、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77は、図1に示すロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56a内に保持され、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78も、図2(B)と図10に示すロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の拘束部62a,62aで保持されている。よって、ダンパー71,72,73が押し潰されるようにして、ユニット支持ベース13が底面6に接近する位置に下降させられている。
図10と図12に示すように、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動していると、下部筐体3の底面6に設けられた連結部材173の制御ピン176が、ロック切換え部材42の(c)側の端部に形成された突出制御長穴47の第1の退行案内部47a内に導かれている。よって、連結部材173が時計方向へ回動させられ、連結部材173に固定された連結ピン175によって、突出切換え部材171がX1方向へ移動させられている。
このとき、図8に示す第2の動力伝達部16では、第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れ、ピニオン歯車97に回転力が伝達されることはなく、切換え部材91は、(e)方向へ移動した前記初期位置で停止している。切換え部材91が初期位置に停止していると、伝達軸138が、切換え部材91に形成されたユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置している。よって、駆動レバー135が時計方向へ回動した状態に保持され、移送ユニット17は、ディスク収納領域20内のディスクDに当たらない待機位置に設定される。
このとき、図12に示すように、前記突出切換え部材171がX1方向へ移動しているため、突出切換え部材171に固定された切換えピン172によって、移送ユニット17に設けられている制御板167が時計方向へ回動させられている。この制御板167に設けられている連結ピン169によって、駆動板166と、この駆動板166と一体の突出支持部材160が反時計方向へ回動させられて、突出支持部材160の支持部163は、移送ユニット17内に退行し、図10に示すように、移送ユニット17に固定されたホルダ165の凹部内に収められている。よって、図21において実線で示すように、支持部163は、ディスク収納領域20内に収納されているディスクの外周縁よりも外側に位置している。
図8に示すように、切換え部材91が初期位置に停止していると、切換え部材91によって、前面7の内側に設けられたシャッタ開閉部材126がX1方向へ移動させられている。そのため、図18(A)に示すように、シャッタ201が下降させられて、前面7に開口する挿入口23が閉じられている。
また、図8では、切換え部材91の切換え長穴121によって、切換レバー122が反時計方向へ回動させられ、切換レバー122に固定された切換えピン125がY1側に移動している。そのため、図16(A)に示すように、切換えピン125によって伝達切換え部材401がY1方向へ移動させられ、この伝達切換え部材401に設けられた駆動ピン316によって、第2のリンク部材311が時計方向へ回動させられ、且つ第1のリンク部材305が反時計方向へ回動させられている。
そのため、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303は、非作用姿勢に回動させられている。図21に示すように、規制ガイド部材301の垂直姿勢となった規制面301aと傾斜案内面301bは、支持体21の凹状の逃げ部21d内に位置し、規制ガイド部材303の垂直姿勢となった規制面303aと傾斜案内部303bは、逃げ部21e内に位置し、さらに規制面301aと傾斜案内面301b、および規制面303aと傾斜案内面303bが、ディスクDの外周縁の外側へ退避している。よって、支持体21が上下に移動する選択移動が、規制ガイド部材301,303で妨げられることはない。
さらに、前記伝達切換え部材401がY1方向へ移動していると、図21に示すように、伝達切換え部材401と連結ばねで連結されている第1の保持切換え部材403が一緒にY1方向へ移動させられる。そのため、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、保持部材26は引っ張りコイルばね29aによってγ2方向へ回動させられている。また、図21に示すように、後側面10の内側に設けられた第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動して、保持部材27と保持部材28から離れているため、保持部材27と保持部材28は、引っ張りコイルばね29bと29cによって、γ4方向へ回動させられている。したがって、支持体21にディスクDが供給されている場合には、このディスクDは、各保持爪26b,27b,28bと支持体21の下面との間に保持されている。なお、このとき、筐体2内に設けられた規制機構が、各支持体21に保持されているディスクDの中心穴Da内に位置し、支持体21からディスクDが脱落するのを防止している。
筐体2の前方に設けられた操作部またはリモートコントローラを操作して、いずれかの支持体21を選択する操作が行われると、図8に示す第2のモータM2が始動する。このとき、図8に示す第2の切換え歯車98が出力歯車94と伝達歯車99の双方に噛み合っているため、第2のモータM2の回転力は、出力歯車94から第2の切換え歯車98を経て伝達歯車99に伝達される。この伝達歯車99によって、筐体2の天井面11の下面に設けられたリング状歯車が駆動され、支持体選択手段22に設けられた3本の選択軸151A,151B,151Cが同期して回転させられる。この選択軸151A,151B,151Cの回転により、支持体21が下方へ順に送られ、あるいは上方へ順に送られる。筐体2内には、リング状歯車の回転位相を検出する回転検出部が設けられており、この回転検出部により、機構制御部では、どの支持体21が選択位置(a)に至ったのかを認識できる。操作によって指定された支持体21が選択位置(a)へ移動したことが認識されると第2のモータM2が停止する。
(ディスク挿入待機モードの設定)
ディスク収納型ディスク装置1にディスクDを装填するときには、筐体2の前面7に設けられた操作部またはリモートコントローラを操作して、ディスクDを保持していない支持体21を指定する。前記支持体選択動作によって、ディスクDを保持していない支持体21が選択位置(a)へ移動して停止すると、機構制御によって、図3に示す第1のモータM1が始動させられる。
第1のモータM1の動力によって、ラック部材32が図3の位置からY1方向へ移動させられて、図4に示す位置へ移動した時点で第1のモータM1が停止する。ラック部材32が図3から図4の位置へ移動するときに、ラック部材32と共に、スライダ31と切換レバー38がY1方向へ移動する。また、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、駆動スライダ85が図6の位置から図7に示す位置まで移動させられる。このとき、駆動スライダ85の移動力はリンク機構を介して駆動軸88に作用し、駆動軸88がY1方向へ引かれ、駆動軸88が、ユニット支持ベース13に形成された円弧案内部13eに沿って移動する。そして、駆動ユニット14が支持軸84を支点として時計方向へ回動させられる。
ラック部材32が、図3の始端から図4に示す位置へ移動する間、連結回動レバー44は、時計方向へ回動した位置で停止しており、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動した状態で停止している。よって、第1の動力伝達部12のY2側の端部に位置する伝達部材52は時計方向へ回動したままであり、ロック部材54はX2側の位置で停止している。同様に、図2(B)と図10に示すように、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に設けられたロック部材61もX2側へ移動した位置で停止している。よって、ユニット支持ベース13は下降させられたままである。また、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動して停止しているため、図10および図12に示すように、連結部材173は反時計方向へ回動したまま動かず、突出切換え部材171はX1方向へ移動した位置で停止している。
ユニット支持ベース13が下降した状態で、このユニット支持ベース13上で駆動ユニット14が介入位置へ向けて回動するため、駆動ユニット14に設けられたターンテーブル82は、選択位置(a)にある支持体21に保持されたディスクDに当たることがなく、ディスクDの下方を移動できる。
駆動ユニット14が図19に示す介入位置へ移動し終わったことが図示しない検知手段で検知されると、図8に示す第2のモータM2が始動する。このとき、図示しない切換機構によって、図8に示す第1の切換え歯車95が出力歯車94と歯車96の双方に噛み合い、第2の切換え歯車98が伝達歯車99から離れ、第2のモータM2の動力は、ピニオン歯車97に伝達可能となる。
第2のモータM2によってピニオン歯車97が時計方向へ駆動されると、ラック歯91bに動力が与えられて、第2の切換え部材91が(e)方向へ駆動される。切換え部材91が図8の位置から(e)方向へ移動し、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137aの(d)側に端部に至った時点で、第2のモータM2が停止し、切換え部材91が停止する。
切換え部材91が前記位置で停止すると、切換え部材91に設けられた駆動ピン127によって、図8と図9に示すシャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図18(B)に示すように、シャッタ201に設けられた摺動ピン203,203が、シャッタ開閉部材126に形成された開閉カム202,202の開放部202b,202bに導かれ、シャッタ201がZ2方向へ上昇し、挿入口23が開放させられる。
また、切換え部材91が前記位置で停止すると、図8に示す切換レバー122に設けられた制御ピン124が、切換え部材91に形成された切換え長穴121の第1の円弧部121aから切換え部121cを経て第2の円弧部121bに移動する。よって、切換レバー122が時計方向へ回動させられて、切換レバー122のX1側の端部に設けられた切換えピン125が、図16(B)と図19に示すようにY2方向へ移動させられる。
図16(B)に示すように、切換えピン125がY2方向へ移動すると、この切換えピン125によって、伝達切換え部材401がY2方向へ移動させられる。伝達切換え部材401の移動力は連結ばね318を介して第2のリンク部材311に作用し、第2のリンク部材311が反時計方向へ回動させられる。また、第1のリンク部材305が時計方向へ回動させられる。よって、図16(B)および図17に示すように、規制ガイド部材301が反時計方向へ回動し、規制ガイド部材303が時計方向へ回動して共にガイド姿勢となる。このとき、規制ガイド部材301の規制面301aが、選択位置(a)にある支持体21の下面に微小距離を空けて対向し、規制ガイド部材303の規制面303aも支持体21の下面に微小距離を空けて対向する。
また、図19に示すように、切換えピン125によって、伝達切換え部材401がY2方向へ移動させられると、伝達切換え部材401と連結ばねを介して連結されている第1の保持切換え部材403がY2方向へ移動させられ、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26がγ1方向へ大きく回動させられる。図19に示すように、このとき筐体2の後側面10の内側に設けられた第2の保持切換え部材404は、X2方向へ移動したままであり、保持部材27と保持部材28は、引っ張りコイルばね29b,29cの弾性力によってγ4方向へ回動させられたままである。
このように、ディスク挿入待機モードでは、駆動ユニット14が介入位置へ回動し、シャッタ201が上昇して挿入口23が開放されている。また、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303がガイド姿勢となり、図17に示すように、規制面301aと規制面303aが、選択位置(a)にある支持体21の下面に対向している。また、図19に示すように、選択位置(a)にある支持体21では、挿入口23に最も近い位置にある保持部材26が時計方向へ回動させられている。なお、移送ユニット17は待機位置にあり、図12、図17および図19に示すように、移送ユニット17に設けられた突出支持部材160は反時計方向へ回動しており、突出支持部材160に設けられた支持部163は、支持体21に保持されたディスクDの外周縁よりも外側に位置している。
(ディスク搬入動作)
ディスクDが挿入口23から挿入され、図示しない挿入検知部でディスクの挿入が検知されると、図7に示す第3のモータM3が始動し、待機位置にある移送ユニット17のローラ軸111が始動し、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113が搬入方向へ回転する。ディスクDが移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されると、移送ローラ112,113の回転力によって、ディスクDが筐体2内に搬入される。
図19に示すように、移送ユニット17が待機位置にある状態で、ディスクDは、その中心D0が挿入中心線Oa上を移動して筐体2内に搬入される。待機位置にある移送ユニット17で移送されるディスクDが図19に示す位置、すなわちディスクDの中心D0が、移送ローラ112,113による移送力伝達位置よりもわずかに筐体2内に移動すると、図8に示す第2のモータM2が再び始動して、切換え部材91が(e)方向へ移動させられる。切換え部材91が(e)方向へ動き始めるとすぐに、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137b内に導かれ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。この駆動レバー135によって、移送ユニット17が、基準軸131を中心として反時計方向へ回動し、図20に示す移送動作位置に至る。
このとき、図9に示すように、シャッタ開閉部材126はX2方向へ移動しているため、図18(B)に示すように、シャッタ201がZ2方向へ移動した状態を維持し、挿入口23は開放されたままである。また、切換レバー122は時計方向へ回動しているため、伝達切換え部材401がY2方向へ移動したままであり、図17に示すように規制ガイド部材301と規制ガイド部材303は、ガイド姿勢に設定されている。さらに伝達切換え部材401と共に第1の保持切換え部材403がY2方向へ移動しているため、挿入口23に近い位置にある保持部材26は時計方向へ回動させられたままである。
図13に示すように、このときロック切換え部材42が動いていないため、突出切換え部材171はX1側へ移動した位置で停止している。この状態で、移送ユニット17が反時計方向へ回動するときに、突出切換え部材171の切換えピン172によって制御板167が規制されているため、この制御板167は、移送ユニット17の回動動作に伴なって反時計方向へ回動し、駆動板166と突出支持部材160が時計方向へ回動し、支持部163が移送ユニット17から筐体2の内方へわずかに突出する。よって、移送動作位置に回動した移送ユニット17の移送ローラ112,113で移送されるディスクDは、その下面が、移送ユニット17の前方へ突出した前記支持部163の上面163aで支えられながら支持体21の下面に向けて移送される。
移送ユニット17が図19に示す待機位置から図20に示す移送動作位置へ回動する間、および回動し終わった後も、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転し続ける。図20の状態では、移動動作位置にある移送ユニット17によって、ディスクDはその中心D0が搬送中心線Obに沿って筐体2内に向けて搬入される。
ディスクDが支持体21に向けて搬入される間、保持部材26はγ1方向へ回動した状態を維持している。よって、図20に示すように、ディスクDが選択軸151Aおよび軸受25Aに接近した位置を通過するときに、ディスクDが保持部材26に当たるのを防止できる。
図20に示すように、搬送中心線Obに沿ってディスクDが搬入されるとき、選択位置(a)の支持体21の左側縁21bよりも内側では、支持体21の下面に、規制ガイド部材301の規制面301aと傾斜案内面301b、および規制ガイド部材303の規制面303aと傾斜案内面303bが対向している。よって、ディスクDの外周部は、傾斜案内面301bと傾斜案内面303bとで案内されて、支持体21の下面と規制面301aとの間、および支持体21の下面と規制面303aとの間に導かれる。
図20に示すように、移送動作位置にある移送ユニット17の移送ローラ112,113の回転力で搬入されるディスクDは、最初に支持体21の下面と規制面301aとの間に導かれて、ディスクDが支持体21の下面にほぼ密着するように下から支えられ、さらに、支持体21の下面と規制面303aとの間に入り込む。その直後に、ディスクDが、支持体21の下面と保持部材28の保持爪28bとの間、および支持体21の下面と保持部材27の保持爪27bとの間に導かれるが、このとき、規制面301a,303aによってディスクDが支持体21の下面に沿うように支えられているため、ディスクDの外周縁が、支持体21と保持爪28bとの間、および支持体21と保持爪27bとの間に確実に導かれる。よって、ディスクDの外周部分が、保持爪28bの下や保持爪27bの下へ入り込むような搬入不良を抑制できるようになる。
すなわち、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303がガイド姿勢となっているときに、規制面301aと規制面303aが、保持爪27bと保持爪28bよりも挿入口23側に位置し、ディスクDは、規制面301a,303aの少なくとも一方と支持体21との間に挟まれた後に、支持体21と保持爪27b,28bとの間に入り込む位置関係であることが好ましい。
ディスクDが、保持部材27と保持部材28とに当たって位置決めされると、保持爪28bがディスクDに押されて保持部材28がγ3方向へわずかに回動させられ、検知部28hが装填検知部180の光学検知素子181から抜け出て、その検知出力がONになる。このとき、機構制御部では、ディスクDが、選択位置(a)にある支持体21に装填されたと認識し、第3のモータM3が停止して、移送ローラ112,113が停止させられる。よって、支持体21に搬入されたディスクDは、停止した移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されたままとなる。
(ディスククランプ動作)
移送ローラ112,113の回転が停止した後に、第1の動力伝達部12の第1のモータM1が始動して、ラック部材32がY1方向へ移動させられる。このとき、スライダ31と切換レバー38は図4の位置から動くことはなく、ラック部材32によって連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられ、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられる。したがって、下部筐体3のY2側に設けられたロック部材54が、X1方向へその移動範囲のほぼ半分まで移動させられ、さらに図2(B)と図10に示すロック部材61も、X1方向へその移動範囲のほぼ半分だけ移動させられる。
このとき、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の持ち上げ部56bに導かれ、同時にユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに導かれる。よって、ユニット支持ベース13が底面6から離れるように持ち上げられ、ユニット支持ベース13に支持されている駆動ユニット14も持ち上げられて、駆動ユニット14に設けられたターンテーブル82の中心凸部82bが、ディスクDの中心穴Da内に下から入り込む。
また、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられると、図14に示すように、下部筐体3の底面6に設けられた連結部材173の制御ピン176が、ロック切換え部材42に形成された突出制御長穴47の突出案内部47bに導かれる。よって連結部材173が反時計方向へ回動させられ、連結ピン175によって、突出切換え部材171がX2方向へ移動させられる。突出切換え部材171がX2方向へ移動させられると、この突出切換え部材171に設けられた切換えピン172によって、移送ユニット17に設けられている制御板167が反時計方向へ回動させられ、駆動板166と突出支持部材160が時計方向へ回動させられて、支持部163が移送ユニット17の前方へ突出する。このとき、選択位置(a)の支持体21の下面に保持されているディスクDは、移送ユニット17の移送ローラ112,113と挟持部106と挟持されているが、このディスクDはさらに支持部163によって下から支えられる。
ターンテーブル82の中心凸部82bがディスクDの中心穴Da内に入り込む動作に継続して、図4に示す第1の動力伝達部12の第1のモータM1の動力によって、ラック部材32がさらにY1方向へ移動し、その移動位置が図示しない検知手段で検知されたときに第1のモータM1が停止する。このとき、連結回動レバー44は回動せず、ロック切換え部材42は、図14に示す位置で停止しており、一方、スライダ31と切換レバー38がさらにY1方向へ移動する。そして、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、ユニット支持ベース13の下面に設けられた駆動スライダ85がY1方向へ移動させられる。
このときの駆動スライダ85の移動力によって、ターンテーブル82に設けられたクランプ機構が動作し、ターンテーブル82の中心凸部82bの周囲からクランプ爪が突出して、ディスクDの中心穴Daの周縁部が、フランジ部82cとクランプ爪とで挟持され、ディスクDの中心穴Daがターンテーブル82にクランプされる。
ディスクのクランプが完了すると、第2の動力伝達部16の第2のモータM2が始動して、切換え部材91が(d)方向へ移動させられて、図8に示す初期位置に戻され、この時点で第2のモータM2が停止する。切換え部材91が(d)方向へ移動するときに、伝達軸138が、切換え部材91に設けられたユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bから非作用部137aに移動させられる。よって駆動レバー135が時計方向へ回動させられ、移送ユニット17は、移送動作位置から時計方向へ回動して、図21に示す待機位置へ移動させられる。
この間、第3のモータM3によって、移送ローラ112,113が搬入方向へ向けて回転させられる。よって、移送ローラ112,113がディスクDの表面を転動しながら、移送ユニット17が移送動作位置から待機位置へ回動する。このとき移送ユニット17の回動速度よりも移送ローラ112,113の表面の周速度をやや速くしておくと、ディスクDが、保持部材27および保持部材28に押し付けられながら、移送ユニット17が待機位置へ復帰し、移送ローラ112,113が、ディスクDから離れる。
移送ユニット17が待機位置へ回動したときには、第1の動力伝達部12のロック切換え部材42が、図15に示す位置で停止しているため、突出切換え部材171はX2方向へ移動させられたままである。よって、移送ユニット17が移送動作位置から待機位置へ復帰したときには、突出切換え部材171に設けられた切換えピン172によって、制御板167が反時計方向へ回動させられており、駆動板166と突出支持部材160は時計方向へ回動している。よって突出支持部材160の支持部163は、移送ユニット17から筐体2の内方へ突出しており、支持体21の下面に保持され、且つターンテーブル82にクランプされたディスクDの挿入口23側の自由端部の下面が、支持部163で下から支えられている。
また、切換え部材91が(d)方向へ移動し、伝達軸138がユニット制御長穴137の非作用部137aに移行すると、切換え部材91に設けられた駆動ピン127によって、筐体2の前面7の内側に設けられたシャッタ開閉部材126がX1方向へ移動させられる。よって、図18(A)に示すように、シャッタ201に設けられた摺動ピン203,203が、シャッタ開閉部材126に設けられた開閉カム202,202の閉鎖部202a,202aに導かれ、シャッタ201がZ1方向へ下降させられて、筐体2の前面7に形成された挿入口23がシャッタ201で閉鎖される。
また、図8に示すように、制御ピン124が、切換え長穴121の第1の円弧部121a内に導かれ、切換レバー122が反時計方向へ回動させられる。よって、図16(A)および図21に示すように、切換レバー122のX1側の端部に設けられた切換えピン125によって、筐体2の左側面9の内側に設けられた伝達切換え部材401がY1方向へ移動させられる。
このとき、図16(A)に示すように、伝達切換え部材401に設けられた駆動ピン316によって第2のリンク部材311が時計方向へ回動させられ、また第1のリンク部材305が反時計方向へ回動させられる。よって、規制ガイド部材301と規制ガイド部材303が非作用姿勢に回動させられ、図21に示すように、規制ガイド部材301の規制面301aおよび傾斜案内面301bが、支持体21の逃げ部21d内に位置し、規制ガイド部材303の規制面303aおよび傾斜案内面303bが、逃げ部21e内に位置する。そして、図21に示すように、規制面301aと傾斜案内面301b、および規制面303aと傾斜案内面303bは、共に、ディスクDの外周縁の外側に位置し、ディスクDに当たらない位置に設定される。
さらに、図21に示すように、伝達切換え部材401がY1方向へ移動させられると、連結ばねを介して第1の保持切換え部材403もY1方向へ移動させられる。このとき、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、引っ張りコイルばね29aによって、保持部材26がγ2方向へ回動させられ、この時点で、ディスクDが、支持体21の下面と、全ての保持部材26,27,28の保持爪26b,27b,28bとの間に保持される。
(ディスク駆動モードの設定)
選択位置(a)の支持体21の下面に保持されているディスクDがターンテーブル82にクランプされ、移送ユニット17が待機位置へ移動して、挿入口23がシャッタ201で閉じられると、第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1が、再び始動し、ラック部材32がY1方向へ移動させられて、図5に示す終端まで移動する。
図5に示すように、このときのラック部材32の移動力は、スライダ31と切換レバー38に作用せず、スライダ31と切換レバー38は停止したままである。一方、連結回動レバー44が反時計方向へ回動し、ロック切換え部材42が(c)方向の終端へ移動させられる。このときロック部材54がX1方向への終端に移動させられる。また図10に示すロック部材61もX1方向への終端へ移動させられる。よって、ユニット支持ベース13の後部に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の逃げ穴56d内に導かれ、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の逃げ穴62d,62d内に導かれて、ロック部材54,61による拘束軸77と78,78に対する拘束が解除される。
また、ロック切換え部材42が(c)方向への移動終端に至ると、図10に示す連結部材173に設けられた制御ピン176が、ロック切換え部材42に形成された突出制御長穴47の第2の退行案内部47cに移行し、連結部材173が時計方向へ回動させられる。そして、連結部材173によって、突出切換え部材171がX1方向へ移動させられる。突出切換え部材171がX1方向へ移動させられると、図12の状態と同様に、移送ユニット17に設けられた制御板167が時計方向へ回動し、駆動板166と突出支持部材160が反時計方向へ回動する。よって、図21および図22に示すように、突出支持部材160に設けられた支持部163は移送ユニット17内に退行し、支持部163は、ターンテーブル82にクランプされているディスクDの外周縁よりも外側へ位置する。
また、スライダ31が図5に示す位置へ移動したときに、底面6に形成されたカム部と切換レバー38に設けられた姿勢制御ピンとによって、切換レバー38が時計方向へ大きく回動させられ、図7に示すように、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41が、駆動スライダ85に形成された駆動穴86の逃げ部86b内に移動する。よって、ユニット支持ベース13は、拘束力を受けず、ダンパー71,72,73によって弾性支持された状態となる。
また、ユニット支持ベース13がダンパー71,72,73で弾性支持される状態となる直前に、図22に示すように、図示しない保持解除切換機構によって第1の保持切換え部材403がY2方向へ移動させられる。このとき、伝達切換え部材401は、切換えピン125で拘束されているために、Y1方向へ移動した状態で停止し続け、連結ばねが伸びて、第1の保持切換え部材403のみがY2方向へ移動させられる。そして、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26が時計方向へ回動させられる。また、後側面10の内側に設けられた第2の保持切換え部材404がX1方向へ移動させられ、この第2の保持切換え部材404によって、保持部材27と保持部材28がγ3方向へ回動させられる。そして、保持爪26b,27b,28bがディスクDの外周縁よりも外側へ移動し、支持体21でのディスクDの保持が解除される。
ユニット支持ベース13がダンパー71,72,73によって弾性支持された状態となると、ユニット支持ベース13が下降するため、ターンテーブル82にクランプされ且つ保持爪26b,27b,28bによる保持が解除されたディスクDは、選択位置(a)にある支持体21の下面からZ1側へわずかに離れる。この状態で、スピンドルモータモータによってターンテーブル82が駆動され、ディスクDが回転し、光ヘッド83によってディスクDに記録された信号が読み取られ、あるいはディスクDに信号が記録される。
車体振動などが筐体2に作用したときに、ダンパー71,72,73により弾性支持されているユニット支持ベース13が、上下左右に動くことができ、ダンパー71,72,73の振動吸収機能によって、光ヘッド83で再生される信号の読み取りミスを低減できるようになる。
(ディスクの収納動作)
駆動ユニット14での駆動が完了したディスクをディスク収納領域20内に収納するときには、第1の動力伝達部12の第1のモータM1を始動して、ラック部材32が、図5の位置からY2方向へ復帰させられ、連結回動レバー44が時計方向へ回動させられて、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動させられる。このとき、図1に示す前記ロック部材54、および図10に示すロック部材61がX2方向へその全移動範囲のほぼ半分の距離だけ移動させられた時点で第1のモータM1が停止する。よって、拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の持ち上げ部56bに移行し、拘束軸78,78がロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに移行して、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が持ち上げられ、ターンテーブル82にクランプされているディスクDが、選択位置(a)にある支持体21の下面に押し付けられる。
ロック切換え部材42が(b)方向へ移動してユニット支持ベース13が持ち上げられたときには、図15に示すように、連結部材173に設けられた制御ピン176が、ロック切換え部材42に形成された突出制御長穴47の第2の退行案内部47cから突出案内部47bに導かれて、連結部材173が反時計方向へ回動させられ、突出切換え部材171がX2方向へ移動させられる。よって、待機位置にある移送ユニット17内の制御板167が反時計方向へ回動させられ、駆動板166と突出支持部材160が共に時計方向へ回動させられる。そして、突出支持部材160の支持部163が移送ユニット17から筐体2の内方へ突出し、選択位置(a)の支持体21の下面に押し付けられたディスクDの下面が、前記支持部163で支えられる。
次に、図21に示すように、図示しない保持解除切換機構によって、左側面9の内側に設けられた第1の保持切換え部材403がY1方向へ移動させられ、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、保持部材26が引っ張りコイルばね29aによって反時計方向へ回動させられる。また後側面10に設けられた第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動させられ、第2の保持切換え部材404が保持部材27と保持部材28から離れ、引っ張りコイルばね29b,29cによって、保持部材27と保持部材28がγ4方向へ回動させられる。よって、ターンテーブル82にクランプされているディスクDが、選択位置(a)にある支持体21の下面と、全ての保持爪26b,27b,28bとで保持される。
このとき、車体振動などによって、支持体21の下面に押し付けられたディスクDが上下に振動すると、保持部材26,27,28が引っ張りコイルばね29a,29b,29cの付勢力で回動したときに、保持爪26b,27b,28bがディスクDの下面に入り込めず、ディスクDが保持爪26b,27b,28bで確実に保持されていない状態となることが想定される。このとき、保持部材26,27,28は引っ張りコイルばね29a,29b,29cの力のみで保持状態に設定されているため、ディスクDが支持体21に不完全に保持された状態が継続するおそれがある。
ただし、このとき、ディスクDの挿入口23側の端部が、支持部163によって下から支えられており、しかも支持部163の上面163aはディスクDの下面と同じ高さ位置かまたはそれよりも高い位置にある。よって、支持体21に押し付けられたディスクDは、支持部163によって下からさらに強く押し上げられるようになって、車体振動などが作用してもディスクDが振動しにくい状態となっている。そのため、保持部材26,27,28が回動するときに、前記保持爪26b,27b,28bを、ディスクDの下面に確実に移動させることが可能である。
その後さらに、第1の動力伝達部12の第1のモータM1によってラック部材32がY2方向へ移動させられ、スライダ31と切換レバー38がY2方向へ移動させられると、ユニット支持ベース13の下面に設けられた駆動スライダ85がY2方向へ移動させられて、ターンテーブル82に設けられたクランプ機構が動作し、クランプ爪がターンテーブル82の中心凸部82b内に退行させられて、ターンテーブル82でのディスクのクランプが解除される。
さらに第1の動力伝達部12の第1のモータM1によってラック部材32がY2方向へ移動させられると、連結回動レバー44が時計方向へ回動し、ロック切換え部材42が(b)方向へ向けて移動させられる。このとき、図1に示すロック部材54がX2側へ復帰させられ、図10に示すロック部材61がX2側の初期位置に復帰させられる。そして、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56aに保持され、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62の拘束部62aに保持される。よって、ユニット支持ベース13および駆動ユニット14は、底面6に近づく位置へ下降させられる。
ユニット支持ベース13および駆動ユニット14が下降し始める時点では、図15に示され、また図21において破線で示されるように、ディスクDの挿入口23側の自由端が、支持部163によって下から支えられている。そのため、ターンテーブル82が、ディスクDの中心穴Da内から下方へ抜き出されるときに、ディスクDの自由端が下方へ下がることなく、ターンテーブル82の中心凸部82bを、支持体21に保持されたディスクDの中心穴DaからZ1側へ確実に抜き出すことができる。
そして、ロック切換え部材42が(b)方向の終端に位置し、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸77が拘束部56aに拘束され、拘束軸78,78が拘束部62a,62aに保持されるに至ると、図12に示すように、制御ピン176が突出制御長穴47の第1の退行案内部47aに移行する。よって、連結部材173が時計方向へ回動し、突出切換え部材171がX1方向へ移動させられる。そして、移送ユニット17内の制御板167が時計方向へ回動し、駆動板166と突出支持部材160が反時計方向へ回動して、支持部163が移送ユニット17内に退行して、ディスクDの外周縁から離れる。
(ディスク排出動作)
駆動ユニット14での駆動が完了したディスクDを、そのまま挿入口23から排出するときには、図22に示すディスク駆動モードにおいて、スピンドルモータが停止し、ターンテーブル82の回転が停止させられる。そして、第1の動力伝達部12のラック部材32がY2方向へ移動させられ、ロック部材54,61がX2方向へ移動させられる。よって、ユニット支持ベース13が持ち上げられて、ディスクDが選択位置(a)にある支持体21の下面に押し付けられる。
また、第1の保持切換え部材403がY1方向へ移動させられ、第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動させられ、保持部材26がγ2方向へ回動させられ、保持部材27と保持部材28がγ4方向へ回動させられて、一度、ディスクが保持爪26b,27b,28bおよび支持体21の下面とで保持される。
その後に、図9に示すように、切換え部材91が(e)方向へ移動させられ、移送ユニット17が待機位置から移送動作位置へ移動させられる。このとき、第3のモータM3によって移送ローラ112,113は、搬出方向へ回転させられる。したがって、移送ユニット17が移送動作位置へ回動するときに、支持体21に支持されているディスクDのY1側の端部が、移送ローラ112,113と挟持部106との間にスムースに挟持される。なお、移送ユニット17が移送動作位置へ移動するのに伴って、図20に示すように、挿入口23に近い位置にある保持部材26がγ1方向へ回動させられる。
移送ユニット17が移送動作位置へ移動し、移送ローラ112,113の回転が停止すると、さらに、第1の動力伝達部12のラック部材32がY2方向へ移動させられて、ターンテーブル82におけるディスクDのクランプが解除される。さらにラック部材32のY2方向への移動力によって、ロック部材54とロック部材61がX2方向へ移動させられて、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が底面6に向けて下降させられて、ターンテーブル82の中心凸部82bが、ディスクDの中心穴DaからZ1方向へ抜き出される。このときは、ディスクDは、保持爪27b,28bで保持されているともに、移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されているため、ターンテーブル82は、ディスクDから下方へ容易に抜け出ることができる。
また、移送ユニット17が移送動作位置に移動するときの切換え部材91の(e)方向への移動力によって、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図18(B)に示すように、シャッタ201が上昇し、挿入口23が開放される。
そして、移送ローラ112,113が搬出方向へ回転させられ、且つ移送ユニット17が図20に示す移送動作位置から図19に示す待機位置へ回動させられて、ディスクDが挿入口23から排出される。
また、ディスク収納領域20内のディスクDを排出させるときには、駆動ユニット14を退避位置へ移動させ、移送ユニット17を待機位置へ移動させて、各選択軸151A,151B,151Cを回転させて、排出しようとするディスクを保持した支持体21を選択位置(a)へ移動させる。
そして、駆動ユニット14を図19などに示す介入位置へ回動させ、さらにロック部材54,61によって、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14をZ2方向へ持ち上げて、ターンテーブル82でディスクDをクランプし、その後に移送ユニット17を移送動作位置へ移動させて、ディスクDを移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持する。そして、ターンテーブル82によるディスクDのクランプを解除して、ターンテーブル82の中心凸部82bをディスクDの中心穴Daから下方へ抜き出し、移送ローラ112,113を搬出方向へ回動させながら、移送ユニット17を待機位置へ回動させて、ディスクDを挿入口23から排出する。