JP4609987B2 - 振動抑制装置および移動体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動の伝播を抑制する振動抑制装置および移動体装置に関する。ただし、本発明の利用は前述の振動抑制装置および移動体装置には限らない。
従来、移動体用等のディスク再生装置には、緩衝材であるダンパを用いて移動体からの振動を当該ディスク再生装置に伝えないための機構が設けられている。ダンパの取り付けにあたっては、構造上取り付けが難しい箇所においても、容易にかつ短時間に取り付けがおこなえるよう、ダンパの固定部をねじの代わりに爪状の折曲片によって固定する方法が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
特開平8−129868号公報
しかしながら、ダンパの固定部は一般的に樹脂でできている。樹脂は、温度変化によって膨張・収縮を生じるため、移動体内部の温度変化によって、ダンパの固定部には寸法変化が生じる。上述した従来技術では、このような寸法変化が繰り返される結果、折曲片が塑性変形を起こし、ダンパの固定部にがたつきが生じる。
そのため、折曲片によって固定されているダンパが緩衝材としての機能を果たさず、がたつきによってディスク再生装置に振動が伝わってしまう。ディスク再生装置は、光ピックアップによってディスクの読み取りをおこなっており、振動によって光ピックアップの読み取り不良が生じる。そして、ディスクの再生時などに、音飛びなどの再生不良が生じてしまうという問題が一例として挙げられる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる振動抑制装置は、所定の径を有する開口が形成された基台と、前記開口の径より小さい径を有する本体部と、前記開口の径より大きい径を有する蓋部と、当該蓋部から突出した固定部と、を有するダンパと、前記基台の一部として形成された係止片と、を備え、前記ダンパは、前記本体部が前記基台に形成された開口に挿入され、前記蓋部が前記基台の表面に表出した状態で、前記係止片によって前記固定部の前記基台の表面に面していない面が係止されることによって、前記基台に固定されるとともに、前記固定部の前記基台の表面に面する面と前記基台の表面との間に所定の間隙が形成されることを特徴とする。
また、請求項6の発明にかかる移動体装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動抑制装置を備えることを特徴とする。
(実施の形態)
本実施の形態は、たとえば、移動体の振動が移動体装置に伝わるのを抑制して移動体装置を安定作動させることを目的の一つとする。
本実施の形態にかかる振動抑制装置は、基台に対する振動を、基台に支持された被支持体へ伝播することを抑制する振動抑制装置であり、基台に固定される固定部を有するダンパを備えている。ダンパは、固定部が基台に固定されている状態において、基台の面と、基台に面する固定部の面との間に所定の間隙を形成する。
ダンパの固定部は、基台の一部として形成された係止片によって、固定部の基台に面していない面が係止されることで基台に固定されてもよい。その場合、外周に向けて突出する複数の係止突起を形成し、複数の係止片によって係止することもできる。また、係止突起に係合孔を開口形成し、基台の係止片には、係合孔に係合する係合突起を有する構成としてもよい。
このような構成によれば、ダンパの固定部は、基台の面との間において所定の間隙が形成される。これにより、ダンパの固定部が膨張しても、膨張した固定部は、基台の面に接することがなく、ダンパを固定する係止片に膨張による力が加わることがない。このため、係止片の変形によるがたつきや被支持体に対する悪影響を防ぐことができる。この振動抑制装置を用いた移動体装置は、車両などの移動体の振動を移動体装置に伝えず、移動体が振動しても常時、移動体装置を安定作動させることができる。
以下に、本実施の形態にかかる実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、実施の形態をCDやDVDなどの光ディスクを再生する、移動体用のディスク再生装置に適用した場合を例示して説明する。
図1は、本発明の実施例にかかる振動抑制装置を備えた移動体装置の構造を示す斜視図である。まず、本実施例にかかる移動体装置の全体構造について、図1を参照して説明する。移動体装置1には、フレーム11内側にディスク再生部12がダンパ15(15a〜15c)を介して取り付けられている。フレーム11は、ディスク再生部12が収納される大きさに設計され、移動体装置1が搭載される移動体内において、ディスク再生部12が設置される空間を確保する。以下、フレーム11において、ディスク再生部12が取り付けられている面を内側、その反対面を外側とする。
また、フレーム11の底面には、ダンパ取り付け部13(13a〜13c)が開口形成されている。ダンパ取り付け部13の直径は、後述するダンパ15の本体樹脂部22および弾性部23の直径より大きく、蓋部21の直径より小さく開口されている。また、ダンパ取り付け部13は、フレーム11外側から内側に向かってダンパ15が取り付けられるよう成形される。フレーム11外側のダンパ取り付け部13の周辺部には、ダンパ15を取り付けるため、係止片として後述する固定爪31,32が成形される。
ダンパ取り付け部13a〜13cは、フレーム11の底面のうち後述するディスク再生部12のディスク挿入部16側の側面の左右に2箇所、ディスク挿入部16と反対側側面の中央部に1箇所、計3箇所設けられる。ダンパ取り付け部13が設けられる位置は、後述するディスク再生部12に設けられた支持軸14(14a,14b)に対応する位置に設計される。そして、それぞれにダンパ15a〜15cが取り付けられ、3点によってディスク再生部12を支持する。3点による支持をおこなうことによって、支持強度を確保しつつ装置内のスペースを効率的に設計することができる。なお、ダンパ取り付け部13の位置および数については、移動体装置や移動体装置が搭載される移動体の設計によって、適宜変更することが可能である。
ディスク再生部12は、ディスク挿入部16、ディスク回転部17、移動ユニット18などから構成される。ここで、ディスクとはCD,DVDなどの光ディスクである。ディスク再生部12は、ディスク挿入部16から挿入されたディスクをディスク回転部17で回転させ、移動ユニット18に設けられたピックアップ装置によってディスクに記録されたデータの読み出しをおこなう。なお、以下、ディスク再生部12において、ディスク挿入部16が設けられる面を前面、その反対側の面を後面という。また、ディスク挿入部16に挿入するディスクの上面側の面を天面、下面側の面を底面という。
ピックアップ装置は、レーザ発振器から発射したレーザ光をレンズで集光してディスクの記録面に当て、その反射光を光センサで捕らえることによってディスクに記録されたデータの読み出しをおこなう。ピックアップ装置が設けられる移動ユニット18がディスクの半径方向に移動することによって、ディスク全体のデータの読み出しをおこなうことができる。
このように、光ディスクの再生にあたっては、ディスクの読み出しに光学素子およびレーザ光が用いられる。そのため、ピックアップ装置に振動が加わると、音飛びなどの再生不良が生じる場合がある。これを防止するため、ディスク再生部12を移動体(フレーム11)に取り付けるには、ダンパ15を介して取り付け、ディスク再生部12に対し、移動体(フレーム11)からの振動が伝わらないように緩衝支持する。
また、ディスク再生部12の底面には、前面側の左右2箇所に支持軸14(14a,14b)が設けられる。支持軸14は、軸状であり、ダンパ取り付け部13の中心位置に向けて突出するように設けられる。支持軸14は、後述するダンパ15に設けられた支持軸受け部25に挿入され、ディスク再生部12を緩衝支持する。また、図示しないが、ディスク再生部12の底面の後面側中央のダンパ取り付け部13cに相当する箇所にも、支持軸14a,14bと同様の支持軸が一つ設けられる。
図2は、ダンパを示す斜視図である。図3は、蓋部側から見たダンパの外観の斜視図である。図4は、図3のA−A線断面図である。つぎに、ダンパ15の構造について、図2〜4を参照して説明する。
ダンパ15は、円盤状の蓋部21に円筒状の本体樹脂部22の底面が接合され、さらに本体樹脂部22の反対側底面に袋状の弾性部23が接合される。また、本体樹脂部22および弾性部23には粘性流体24が封入されている。なお、ダンパ15は、通常図2,図4に示すように蓋部21側を下にして使用する。
蓋部21は円形であり、一定の厚さを有している。また、蓋部21には、一対の係止突起としての固定孔用突部26と、突片部28が成形される。固定孔用突部26および突片部28は、それぞれ蓋部21の中心に対して対称の位置に設けられる。また、固定孔用突部26の略中心部には固定孔27が貫通して開口形成される。固定孔用突部26は、固定孔27の周囲を均等に沿うように、丸みを帯びた形状をしている。また、固定孔用突部26と蓋部21との間には、本体樹脂部22側の面において、段差29が設けられる。このため、固定孔用突部26の厚さは、蓋部21の厚さに比べて、本体樹脂部22側の面において薄く成形される。
突片部28は、直方体状の突起である。突片部28の厚さは、固定孔用突部26同様、蓋部21の厚さに比べて、本体樹脂部22側において薄く成形される。これによって、突片部28と、蓋部21の本体樹脂部22側の面との間に段差30が形成される。
本体樹脂部22は、中空の円筒形であり、内部には粘性流体24が封入されている。底面のうち一方には蓋部21、他の一方には弾性部23が接合される。蓋部21、本体樹脂部22、固定孔用突部26、突片部28は、それぞれ樹脂で成形されており、一定の硬度を有している。
弾性部23は、ゴムなどの弾性体によって袋状に成形される。弾性部23には、凹凸が設けられ、中央には凹部23aによって支持軸受け部25が形成される。支持軸受け部25には、ディスク再生部12の支持軸14(図1参照)が挿入され、ディスク再生部12を緩衝支持する。また、弾性部23の表面には凸部23b,23cが設けられ、中心に設けられる支持軸受け部25の開口部に向かって凸の形状を形成している。
ダンパ15の各部の直径は、蓋部21、本体樹脂部22、弾性部23の順に小さくなっている。また、弾性部23の直径は、凸部23b,23cが設けられることによって先端(支持軸受け部25の開口部側)ほど小さくなっている。図1を参照して説明したように、ダンパ取り付け部13の直径は蓋部21の直径より小さく、本体樹脂部22および弾性部23の直径より大きく成形される。このため、ダンパ15をダンパ取り付け部13に取り付けた場合、フレーム11内側には本体樹脂部22および弾性部23が、フレーム11外側には蓋部21のみが位置することになる。
図5は、ダンパをフレームに固定する前のダンパ取り付け部13周辺の斜視図である。また、図6はダンパをフレームに固定した後のダンパ取り付け部13周辺の斜視図である。また、図7は、固定爪に固定された固定孔用突部の断面図である。つぎに、フレーム11のダンパ取り付け部13周辺の構成について図5〜図7を参照して説明する。図5においてダンパ15はフレーム11に固定されていない。一方、図6,図7においてダンパ15はフレーム11に固定される。
ダンパ取り付け部13周辺のフレーム11外側面には、ダンパ15を固定するために固定爪31,32が設けられる。固定爪31,32は、フレーム11の一部を爪状に成形し、折り曲げて形成される。はじめに、フレーム11外側面から垂直方向に折り曲げ、さらに先端部をフレーム11の表面と水平方向に折り曲げる。この際、固定爪31,32は、それぞれ一致したダンパ取り付け部13の回転方向に向けて折り曲げられる。すなわち、図5において、固定爪31,32は矢印Bに示す回転方向に向かって先端部が折り曲げられる。これによって、固定爪31,32の先端部とフレーム11の間には空間ができる。以下、この空間を固定爪下部という。
また、固定爪31の先端部は、ダンパ15の固定孔27を固定するため、フレーム11側は、フレーム11表面に向かって凸状に固定爪凸部31aが形成される。なお、固定爪凸部31aは、図5,図7の点線部に示すように、固定爪31先端部のうちフレーム11表面側に向けて凸状に形成されているになった部分のみを指している。
図7に示すように、固定爪凸部31aの幅は、フレーム11表面側に接近するほど小さくなっており、フレーム11表面側から垂直方向に半分の位置の幅が固定孔27の直径Eと等しくなるよう成形される。すなわち、固定爪凸部31aのフレーム11表面側から垂直方向の長さをH、幅をF(H)、とすると、F(H/2)=Eとなる。よって、固定孔27には固定爪凸部31aの先端から半分まで(H/2まで)が差し込まれ、係合される。一方、固定爪32は、ダンパ15の突片部28を固定するため、先端部は図5に示すようにダンパ15の蓋部21と平行に成形される。
つぎに、ディスク再生部12をフレーム11に取り付ける手順について図1を参照して説明する。まず、ダンパ15を、フレーム11外側から図中矢印Aの方向に向けてダンパ取り付け部13にはめ込む。そして、ダンパ15をフレーム11に固定する(固定手順の詳細は後述する)。つぎに、支持軸受け部25に支持軸14を挿入しながら、ディスク再生部12をフレーム11に収納する。支持軸14は、ダンパ取り付け部13の中心位置に設けられており、ダンパ15の中央に設けられた支持軸受け部25に挿入されるように形成される。
以上のような手順によってフレーム11に取り付けられたディスク再生部12は、ダンパ15によって底面から伝わる振動から緩衝支持される。これによって、移動体装置1が搭載される移動体の走行などによる振動が、ディスク再生部12に伝わることを抑制することができる。
つぎに、ダンパ15をフレーム11に固定する際の手順について、図5〜7を参照して説明する。ダンパ15は、フレーム11に設けられたダンパ取り付け部13に図5中V方向から取り付けられた後、表面に表出した蓋部21を回転させ、固定孔27および突片部28を固定爪31,32にそれぞれ係合させることによって、フレーム11に固定される。
まず、図5に示すように、ダンパ15をフレーム11の外側からダンパ取り付け部13に図中V方向よりはめ込む。なお、図5においてはダンパ取り付け部13は蓋部21によって隠れているため、点線で図示している。ダンパ取り付け部13の直径は、本体樹脂部22,弾性部23の直径より大きく、蓋部21の直径より小さいため、フレーム11外側には蓋部21のみが表出し、本体樹脂部22、弾性部23は点線で示すようにフレーム11内側に位置する。
フレーム11内側には図示しないディスク再生部12が収納され、図示しない支持軸14が、ダンパ取り付け部13の中心に位置するように配置される。このため、ダンパ15をはめ込むと、弾性部23の中央に設けられた支持軸受け部25に支持軸14が挿入される。
つぎに、フレーム11の外側に表出した蓋部21を図5中矢印Bの方向に回転させ、固定孔用突部26を固定爪31の固定爪下部に、突片部28を固定爪32の固定爪下部にそれぞれ移動させる。図6に示すように、突片部28は、固定爪32の固定爪下部に入り込み、突片部28の面28aにおいて、固定爪32の内側面32aと接触することによって、回転方向に係止され、蓋部21の移動が停止する。
このとき、固定孔用突部26は、固定爪31の位置に至り、固定孔27と固定爪凸部31aとが係合する。固定孔27と固定爪凸部31aとが係合する部分の詳細について、図7を参照して説明する。ダンパ取り付け部13にはダンパ15が取り付けられており、ダンパ15は、蓋部21のみがフレーム11外側に表出し、本体樹脂部22以下の部分はフレーム11内側に位置する。また、固定孔用突部26は、固定爪31の固定爪下部に入り込み、固定孔27に固定爪凸部31aが係合する。
前述のように、固定爪凸部31aの幅は、フレーム11表面方向に向かって狭くなっており、フレーム11表面に対して垂直方向の中間地点の幅(図中E)が固定孔27の直径と等しくなるように成形される。また、固定爪凸部31aの垂直方向の中間地点の高さ(フレーム11表面からの垂直方向の位置、以下同じ)と、固定孔27の固定爪凸部31a側表面の高さとが一致するよう成形される。
固定爪31と固定孔27とを係合させる際には、まず、蓋部21の回転によって、固定孔用突部26が固定爪凸部31aに接触する。図7に示すように、固定爪凸部31aの先端(フレーム11表面側の端)は、固定孔用突部26の上面より低い位置にあるため、固定爪凸部31aと、固定孔用突部26とが接触してしまうためである。その後も回転を続けると、固定爪凸部31aが、固定孔用突部26をわずかに下にたわませながら固定孔用突部26上を通過する。そして、固定爪凸部31aが固定孔27の位置に至ると、固定爪凸部31aが固定孔27にはまりこみ、以後、固定爪31と固定孔27は係合状態を保持し、フレーム11からダンパ15の抜けるのを防止する。
このようにして、固定爪31は、固定爪凸部31aの垂直方向の中間地点において、固定孔27と係合する。前述のように、両者の幅(直径)は等しくなるよう成形されるので、隙間が生じず、がたつきを生じることなく係合することができる。
前述のように、固定孔用突部26の厚さは、蓋部21の厚さに比べて、本体樹脂部22側の面において薄く成形される。すなわち、図7中に示すように、固定孔用突部26の厚さCに対して、蓋部21の厚さは、段差29の高さDが加わったC+Dで表される。このため、ダンパ15をダンパ取り付け部13に取り付け、蓋部21のみがフレーム11表面に表出すると、固定孔用突部26とフレーム11との間には、段差29によって空間35が形成される。空間35の高さは、段差29の高さDで表される。
なお、ダンパ15の固定は、クリンチによっておこなうこともできる。前述の方法においては、固定爪31,32の先端部は、あらかじめフレーム11の表面と水平方向に形成される。これに対して、クリンチによって固定をおこなう場合には、固定爪31,32の先端部は、フレーム11の表面と水平方向より開いた状態(上方に角度を持たせた状態)に形成される。そして、ダンパ15を配置した後、固定爪31,32を上方から押圧して、水平方向または下方に角度を持たせた状態に塑性変形させることによって、ダンパ15をフレーム11に固定する。この方法によれば、クリンチ前の固定爪31,32は水平方向より開いた状態にあるため、ダンパ15の配置を容易におこなうことができる。
つぎに、移動体内部の温度変化によって、蓋部21、固定孔用突部26、突片部28に寸法変化が生じた際の状態について図7および図8を参照して説明する。前述のように、樹脂によって成形されるダンパ15の蓋部21、固定孔用突部26、突片部28は、移動体内部の温度が上昇することによって樹脂の体積が膨張し、寸法変化が生じる。
図8は、ダンパに寸法変化が生じた際の固定孔用突部の断面図である。蓋部21、固定孔用突部26、突片部28を形成する樹脂の体積が膨張し、寸法変化が生じると、図8に示すように、固定孔用突部26の厚さはCとなり、膨張前の厚さCと比べて増加する。すなわち、C<Cとなる。また、蓋部21の厚さC+Dも、膨張前の厚さC+Dに比べ、増加する。すなわち、C+D<C+D(D<D)となる。
蓋部21の厚さが増加してC+Dになると、固定孔用突部26の固定爪凸部31a側表面の位置も変化し、C+Dの位置になろうとする。しかし、固定爪31は、C+Dの位置において固定孔27と係合するように成形される。このため、固定孔用突部26には、固定爪31によって、固定孔用突部26の固定爪凸部31a側表面の位置をC+Dの位置に留めようとする力が加わる。
固定孔用突部26のフレーム11表面側には、段差29によって空間35が形成される。このため、固定孔用突部26には、固定爪31により加えられた力によって、フレーム11表面方向にたわみが生じる。すなわち、D<Dとなり、膨張によって変化した厚さを空間35によって吸収することができる。このため、固定孔用突部26の固定爪31側表面の高さはC+D=C+Dに保たれ、固定爪31は、その形状を維持することができる。
一方、再度の温度変化によって移動体内部の温度が低下し、膨張前の温度に下がると、体積増加は解消し、蓋部21の厚さはC+Dに戻る。また、固定孔用突部26は図7に示す状態に戻り、たわみは解消する。
また、突片部28においても、前述の固定孔用突部26と同様にフレーム11との間に空間が設けられる。このため、突片部28に寸法変化が生じても、フレーム11側にたわむことによって変化分を吸収することができる。これによって固定爪32はその形状を維持することができる。
このように、ダンパ15の固定部である固定孔用突部26および突片部28に段差を設けることによって、膨張した固定部がフレーム11の面に接することがなく、ダンパ15を固定する固定爪31,32に膨張による力が加わることがない。このため、固定爪31,32の変形によるがたつきや被支持体に対する悪影響を防ぐことができる。
仮に、固定孔用突部26および突片部28に段差を設けていないとすると、フレーム11との間には空間がなく、接触することになる。この場合、温度が上昇することによって樹脂で成形される蓋部21、固定孔用突部26、突片部28が膨張しても、フレーム11方向へたわむことができない。そして、固定爪31,32は、固定孔用突部26および突片部28の厚さを増加させる方向に加わる力によって変形する。このとき、固定爪31,32は、いわゆる「開いた」状態に変形することになる。
また、温度が低下すると、樹脂で成形される蓋部21、固定孔用突部26、突片部28は収縮し、元の体積に戻る。一方、固定爪31,32は、固定孔用突部26および突片部28から力を加えられることによって塑性変形を起こすため、「開いた」状態のままである。このとき、固定孔用突部26および突片部28と固定爪31,32との間には隙間が生じ、完全には係合せず、ダンパ15とフレーム11との間でがたつきが生じることになる。
このように、ダンパ15とフレーム11との間にがたつきが生じると、ダンパ15に支持されるディスク再生部12に対する緩衝効果がなくなることに加え、ダンパ15とフレーム11との間のがたつきが直接被支持体に伝わってしまうことによって、ディスク再生部12に故障や再生不良などの悪影響を与える恐れがある。
本実施例にかかる振動抑制装置によれば、ダンパを固定する固定爪にダンパの樹脂部の膨張による力が加わることがない。このため、固定爪の変形によるがたつきや被支持体に対する悪影響を防ぐことができる。
また、ダンパの形状は、使用される機器の形態や構成によって、様々な形状のものが用いられる。本実施例にかかる振動抑制装置に用いられるダンパの形状は、上記に例示した形状に限られるものではない。
図9は、ダンパの他の形態の一例を示す図である。ダンパ41は、蓋部42、本体樹脂部44、弾性部45によって構成される。蓋部42は円盤状であり、本体樹脂部44の底面が接合される。本体樹脂部44は、円筒形であり、一方の底面を蓋部42に接合し、他の底面を弾性部45に接合する。弾性部45は、中心に支持軸受け部46が設けられ、被支持体に設けられる支持軸が挿入される。また、弾性部45の表面には、支持軸受け部46の開口に向かって凸となるよう段差が設けられ、支持軸受け部46に挿入された支持軸からの振動を緩衝する。
また、蓋部42には突片部43(43a〜43c)が3つ成形される。突片部43は、直方体状の突起である。突片部43の厚さは、蓋部42の厚さに比べて、本体樹脂部44側の面において薄く成形される。これによって、突片部43と、蓋部42の本体樹脂部44側の面との間に段差が形成される。ダンパ41を固定するフレームには、ダンパ取り付け部周辺に固定爪を3つ成形しておく。固定爪の形状は、前述の実施例の固定爪32のように、先端をフレーム表面と平行に成形する。
ダンパ41をフレームなどに固定する際には、まず、ダンパ取り付け部に固定爪と突片部43とをずらすようにダンパ41を取り付ける。そして、蓋部42を回転させ、固定爪下部に突片部43をすべりこませ、固定爪と突片部43を係合させる。このとき突片部43は、固定爪のうちフレーム表面から垂直方向に隆起した部分によって、フレーム外側面と平行方向に固定される。また、固定爪のうちフレーム表面と平行に伸びる先端部によって垂直方向に固定される。
前述のように、突片部43には、蓋部42との間に段差が設けられる。このため、温度変化によって蓋部42および突片部43に体積膨張による寸法変化が生じても、膨張分の体積は段差側にたわむことによって吸収される。よって、温度変化が生じても固定爪に寸法変化による負荷をかけることがなく、固定爪の変形によるがたつきが発生することがない。
また、突片部43a〜43cの3点によってダンパ41を固定するため、2点で固定する場合と比べて、フレーム面と水平方向にずれが生じる可能性を低くすることができる。さらに、突片部43の形状は全て同じであるため、ダンパ41をフレームに取り付ける際に取り付け方向を考慮しなくてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、フレームとダンパとの固定部において、ダンパ側の固定部に段差を設けている。これによって、温度変化によってダンパの固定部に寸法変化が生じても、段差側に膨張したダンパがたわむため、フレーム側の固定部に変形が生じることがない。
また、ダンパをフレームに固定するにあたって、ダンパ蓋部に設けられた固定孔および突片を、フレームに設けられた固定爪に係合させることによって固定するため、固定作業を容易におこなうことができる。
上記の実施例においては、本発明を移動体用のディスク再生装置に適用した場合を例示したが、本発明はこれ以外の機器にも適用可能である。移動体装置であれば、移動体装置のモータや駆動機構、回路素子等の各部に対する移動体の振動の伝播を抑制して、移動体装置を安定動作させることができる。そして、移動体装置に限らず、振動の伝播を抑制する電子機器に幅広く適用することができる。
また、本発明にかかる振動抑制装置は、上記に実施例の構成に限定されるものではなく、これ以外の構成であってもよい。
本発明の実施例にかかる振動抑制装置を備えた移動体装置の構造を示す斜視図である。 ダンパを示す斜視図である。 蓋部側から見たダンパの外観の斜視図である。 図3のA−A線断面図である。 ダンパをフレームに固定する前のダンパ取り付け部周辺の斜視図である。 ダンパをフレームに固定した後のダンパ取り付け部周辺の斜視図である。 固定爪に固定された固定孔用突部の断面図である。 ダンパに寸法変化が生じた際の固定孔用突部の断面図である。 ダンパの他の形態の一例を示す図である。
符号の説明
1 移動体装置
11 フレーム
12 ディスク再生部
13a〜13c ダンパ取り付け部
14a,14b 支持軸
15a〜15c,41 ダンパ
16 ディスク挿入部
17 ディスク回転部
18 移動ユニット
21,42 蓋部
22,44 本体樹脂部
23,45 弾性部
23a 凹部
23b,23c 凸部
24 粘性流体
25,46 支持軸受け部
26 固定孔用突部
27 固定孔
28,43a〜43c 突片部
29,30 段差
31,32 固定爪
31a 固定爪凸部
35 空間

Claims (6)

  1. 所定の径を有する開口が形成された基台と、
    前記開口の径より小さい径を有する本体部と、前記開口の径より大きい径を有する蓋部と、当該蓋部から突出した固定部と、を有するダンパと、
    前記基台の一部として形成された係止片と、を備え、
    前記ダンパは、前記本体部が前記基台に形成された開口に挿入され、前記蓋部が前記基台の表面に表出した状態で、前記係止片によって前記固定部の前記基台の表面に面していない面が係止されることによって、前記基台に固定されるとともに、
    前記固定部の前記基台の表面に面する面と前記基台の表面との間に所定の間隙が形成され、当該固定部は当該基台の表面に接触しない、ことを特徴とする振動抑制装置。
  2. 前記間隙は、前記基台の表面側において前記固定部と前記蓋部との間に段差が設けられることによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の振動抑制装置。
  3. 前記固定部は、当該固定部の外周に向けて突出する複数の係止突起を有し、複数の前記係止突起は、複数の前記係止片によってそれぞれ固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の振動抑制装置。
  4. 前記係止突起には係合孔が開口形成されており、前記固定部は、前記係止片に形成された係合突起が前記係合孔に係合することにより固定されることを特徴とする請求項3に記載の振動抑制装置。
  5. 前記固定部は、樹脂材質からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の振動抑制装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の振動抑制装置を備えることを特徴とする移動体装置。
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