JP4609820B2 - 光ファイバの欠陥検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバの欠陥を調べる欠陥検出方法に関するものであり、線引き中の光ファイバを検査するインライン検査に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは内部に空洞等の欠陥があると光伝送損失の増大や機械的強度の低下、或いは融着接続時の端面融着の失敗等の望ましくない問題を生じる。そこで、光ファイバ線引設備では線引き中にインラインにてこの空洞欠陥の検出を行っている。
【0003】
例えば、特開平4−106448号公報、その他では図9(a)に示すように、線引き中の被測定光ファイバ素線(以下、単に被測定光ファイバと記す)Aにその側方からレーザ光Bを照射し、当該光ファイバA内を透過して前方に散乱される前方散乱光CをCCDラインセンサ等のイメージセンサDで受光し、この信号を信号処理部E及び判定処理部Fで処理して、前方散乱光Cの強度分布パターンGを得ると共に同パターンGから被測定光ファイバAの欠陥を検出するシステムが開示されている。
【0004】
前記信号処理部Eは、イメージセンサDで受光された散乱光Cの光強度をその走査ライン方向(図9(a)中の矢印a方向)に読み出して光強度分布のパターンGを出力する。この場合、イメージセンサDの走査ライン方向の中央部付近に図示されていない光源から直進するレーザ光B(変位角が0度の散乱光C)が受光され、前記中央部の両側に被測定光ファイバAで散乱された散乱光Cが受光されるようになっており、縦軸をセンサ位置座標(散乱光の変位角)とし、横軸を光強度として強度分布のパターンをプロットすれば、図9(b)に示されるようにセンサ位置座標0付近にピークを持つ、山形のパターンGが得られるようになっている。
【0005】
前記判定処理部Fは、イメージセンサDでとらえられた強度分布のパターンGを、予め計測しておいた正常な光ファイバからの強度分布パターン(基準パターン)と比較し、両者パターンの―致度成いは不一致度をある閾値をもって判定し、被測定光ファイバAが正常であるか異常であるかを判別する。この場合、基準パターンは、予め他の方法で欠陥が無いと判定された光ファイバに光を照射して得られる前方散乱光のパターンから得られる。基準パターンは、正常と判断された複数の光ファイバについて前方散乱光の強度分布のパターンを調べ、その結果を平均化したものとする場合も有るが、いずれにしても基準パターンは固定的なものが使われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
線引中のオンライン測定においては、被測定光ファイバAが振動したり、位置が移動したり、ファイバ外径が変動したり、或いはレーザ光強度が変動したりして、実際に判定処理部Fで処理される強度分布パターンGには様々な変動要素が付加されてしまう。例えば図10(a)に示すようにパターンGが全体的に上下したり、同図(b)に示すように全体的に左右に移動したり、同図(c)に示すようにパターンGの傾きが変化したりする(これらの図にはパターンGについてセンサ位置座標0より正の部分成いは負部分だけを表示してある)。この結果、基準パターンが固定的に与えられていると、被測定光ファイバAそのものに異常が無いにも関わらず測定で得られたパターンGとの間に大きな差異が生じて異常有りと判断されてしまうことがある。そこで一般には、このような外的変動要因を考慮して基準パターンにある幅(遊び)を持たせ、計測されたパターンGが基準パターンに対してある範囲内(閾値内)にあれば被測定光ファイバAは正常であると判断するようにしている。
【0007】
しかし、最近、この遊びが本来検出されるべき欠陥を見逃す例があることが判ってきた。例えば、光ファイバの断面位置においてコア近傍に欠陥があると、コアから離れたところに欠陥がある場合に比べて、基準パターンと比較した際の差異が小さくなり、差異が閾値の遊びの中に入り、本来異常と判断されなければならないにも関わらず、正常と判断されてしまうことがある。従って、図10(a)、(b)、(c)に示すような光ファイバの欠陥によらない変動分を解消して正確に被測定光ファイバAの異常を検出することができるアルゴリズムが必要とされている。
【0008】
近年の画像処理を含めたデジタル信号処理能力のソフトウエア的、ハードウエア的発達により、光ファイバの欠陥によらない変動分をキャンセルするように基準レベルを変動させることも不可能ではない。しかしながら、光ファイバの製造コストの低減のために線引速度のさらなる高速化も要求され続け、欠陥検出の測定周期も高速化が要求されており、精度良く判定できる高度な処理であっても、処理時間がかかる内容では意味がない。従って、画像処理に要する演算の負担が軽く、高速処理が可能なアルゴリズムが必要とされている。
【0009】
また、光ファイバの断面方向に屈折率分布、或いは測定用照射レーザ光の強度分布等に局所的な偏りがあると、オンライン測定時、ファイバ振動を伴って、それらが拡大検知される場合があり、従って、このような局所的偏りに影響されないアルゴリズムが必要とされている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の光ファイバの欠陥検出方法は、線引中の被測定光ファイバにその光軸と交差する方向からレーザ光を照射して、同光ファイバ内を透過して散乱される前方散乱光の直線または一軸曲線状をなすライン上の強度分布を調べ、同強度分布のパターンから被測定光ファイバの欠陥を検出する方法において、前記強度分布のパターンに、前記ライン上強度分布の中心、あるいは最高強度域から片側が非単調曲線になる程度に平滑度の弱い平滑化処理を施した第1のパターンを作ると共に、前記強度分布のパターンに、前記ライン上強度分布の中心から片側が単調曲線になる程度に平滑度の強い平滑化処理を施した第2のパターンを作り、これら第1、第2のパターンの差から判定用パターンを作り、同判定用パターンの大きさを評価して被測定光ファイバの欠陥を検出するものである。
【0011】
本発明のうち請求項2記載の光ファイバの欠陥検出方法は、線引中の被測定光ファイバにその光軸と交差する方向からレーザ光を照射して、同光ファイバ内を透過して散乱される前方散乱光の直線または一軸曲線状をなすライン上の強度分布を調べ、同強度分布のパターンから被測定光ファイバの欠陥を検出する方法において、前記強度分布のパターンに、前記ライン上強度分布の中心、あるいは最高強度域から片側が非単調曲線になる程度に平滑度の弱い平滑化処理を施した第1のパターンを作ると共に、前記強度分布のパターンに、前記ライン上強度分布の中心から片側が単調曲線になる程度に平滑度の強い平滑化処理を施した第2のパターンを作り、第2のパターンに対する第1のパターンの商から判定用パターンを作り、同判定用パターンの大きさを評価して被測定光ファイバの欠陥を検出するものである。
【0012】
本発明のうち請求項3記載の光ファイバの欠陥検出方法は、第1或いは第2のパターンと連動される変動閾値パターンを作り、これを判定用パターンと比較することにより同判定用パターンの大きさを評価するものである。
【0013】
本発明のうち請求項4記載の光ファイバの欠陥検出方法は、平滑化処理に移動平均法を用いるものである。
【0014】
本発明の光ファイバの欠陥検出方法は、被測定光ファイバにその光軸と交差する方向からレーザ光を照射して、同光ファイバ内を透過して散乱される前方散乱光の強度分布を調べ、同強度分布のパターンから被測定光ファイバの欠陥を検出する方法において、前記強度分布のパターンをフーリエ変換してフーリエ変換パターンにし、このフーリエ変換パターンを両対数軸にて評価して同パターンにこれと寄与率が高い判定用曲線を当てはめ、この判定用曲線に対する前記フーリエ変換パターンの分散を求めてその大きさから被測定光ファイバの欠陥を検出するものである。
【0015】
本発明の光ファイバの欠陥検出方法は、強度分布のパターンに、平滑度の弱い平滑化処理と平滑度の強い平滑化処理を施して第1、第2のパターンを作り、第1、第2のパターンの差が最大となる、或いは第2のパターンに対する第1のパターンの商が最大となるような領域をパターンに設定し、この領域のパターンに部分的にフーリエ変換を施して被測定光ファイバの欠陥を検出するものである。
【0016】
【発明の実施の形態1】
図1は本発明の光ファイバの欠陥検出方法を実施するための装置の概略図であり、光源12は線引き中の被測定光ファイバ(光ファイバ素線)1にその光軸と交差する方向からレーザ光2を照射できるように配置され、イメージセンサ13は前記光源12と被測定光ファイバ1を挟んで対向するように配置されている。そして光源12から出射されたレーザ光2が被測定光ファイバ1内を透過して散乱され、その前方散乱光(以下、単に散乱光と記載する)がイメージセンサ13で受光されるようにしてある。なお、レーザ光2は被測定光ファイバ1の直径を上回る光線幅を有するものであり、光源12から連続的に出射される。
【0017】
前記イメージセンサ13はCCDラインセンサのようなものであり、図1に示されるように水平方向に幅広く、同方向に走査すれば被測定光ファイバ1で散乱された散乱光の水平方向の光強度分布を検出することができるようになっている。このイメージセンサ13は、光源12からの入射レーザ光の光軸に正対する位置に配置することもできるが、その位置から適宜の角度(受光角度)の範囲内に配置することもできる。このイメージセンサ13からの信号を、横軸を水平方向における位置(散乱光3の変位角)、縦軸を光強度としてプロットすれば、図2(a)や図2(b)に示されるような山形のパターン4が観測できるようにしてある。そして被測定光ファイバ1が正常であれば図2(a)に示されるような水平方向に左右対象なパターン4が得られ、異常が有れば図2(b)に示されるようなどこかに凹凸のあるパターン4が得られるようになっている。
【0018】
図1のイメージセンサ13でとらえられた散乱光3のパターン4は、A/D変換器14でサンプリングされてデジタル信号に変換され、パーソナルコンピュータ(PC)15に入力されるようにしてある。
【0019】
図1のPC15には入力されるデジタル信号を処理して本件発明の光ファイバの欠陥検出方法を実現するソフトウエアプログラムが記憶されている。図3はこのソフトウエアプログラムのフローチャートであり、イメージセンサ13で1回のライン走査が完了する毎に図3に示す一連の処理が1回行われる。なお、イメージセンサ13における1回のライン走査時間は、被測定光ファイバ1の線引き速度等にあわせて適切な値を選択し、高速で移動する被測定光ファイバ1の断面を所定の間隔で検査することができるようにする。
【0020】
次に、前記図3のソフトウエアプログラムによる処理を、図4(a)に示すようなパターン4が得られた場合の例で説明する。なお、図4(a)〜図4(c)にはイメージセンサ13でとらえられる実際のパターン4の片側半分だけが図示されており、本件発明においてはこの片側半分だけを処理しても、図2(a)、(b)に示されるようにパターン全体を処理してもよい。
【0021】
(1)PC15に入力されたデジタル信号を読み込み、図4(a)に示すような光強度分布のパターン4を得る。このパターン4には被測定光ファイバ1の欠陥に伴う異常が検出されているが、そのままでは異常箇所を判別することはできない。
【0022】
(2)読み込んだパターン4を複製して全く同じ2つのパターン4を作り出す(データのコピー)。
【0023】
(3)複製された一方のパターン4に同パターン4を構成する要素への有効範囲を狭く作用させた移動平均処理を施し、他方のパターン4に各要素への有効範囲を広く作用させた移動平均処理を施して、図4(b)に示される第1のパターン5(以下、パターンA(x)と記載する)と第2のパターン6(以下、パターンB(x)と記載する)を得る。なお、移動平均は平滑化処理の一つであり、数1で表されるものである。この場合の各要素への有効範囲を狭くしたり広くしたりすることは数1におけるnを小さくしたり大きくしたりすることである。またf(x)、f(i)は水平位置における各要素点xやiにおける光強度を表す。
【0024】
【数1】
【0025】
(4)パターンA(x)とパターンB(x)の差をとり、図4(c)に示される判定用パターン7(以下、判定用パターンC(x)と記載する)を得る。
判定用パターンC(x)=|パターンA(x)−パターンB(x)|
【0026】
前記(4)の処理における、判定用パターンC(x)は、
判定用パターンC(x)=|(パターンA(x))/(パターンB(x))|
により得られるものであっても良い。こちらの方が判定用パターンC(x)を作成する負担が軽いが、どちらを選択するかはシステムの処理能力を考慮して選択すれば良い。
【0027】
(5)前記(4)の処理と平行してパターンB(x)を複製し、これにN(x)なるパターンを乗算して変動閾値パターン8(以下、閾値パターンL(x)と記載する)を算出する。この閾値パターンL(x)はパターンB(x)の変動に比例される。前記N(x)は、光源12やイメージセンサ13の配置位置等、計測系の状態に応じて実験的に求められるものであり、オンライン測定において正常状態でのばらつきを計測し、平均的な期待値として求めたものを使用することができる。
【0028】
(6)判定用パターンC(x)と閾値パターンL(x)とを比較し、図4(c)に示されるように判定用パターンC(x)に閾値パターンL(x)を越える箇所が部分的にでもあれば"異常"の判定を出力する。閾値パターンL(x)を超える部分がなければ"正常"の判定結果を出カするものとする。
【0029】
(7)前記(1)から(6)までの処理を繰り返し行い、線引き中の被測定光ファイバ1の欠陥をインラインにて検出する。
【0030】
前記PC15はデジタル信号を処理する以外に、イメージセンサ13から受け取ったデータを記録する記録機能や、イメージセンサ13でとらえられたパターン4等を表示する表示機能、"異常"が検出された場合にそれを報知するアラーム機能、アラームが検出された場合に線引き装置を自動的に停止させたりする機能等、必要な機能を備えることができる。
【0031】
【発明の実施の形態2】
この実施形態は、前記実施形態1の光ファイバの欠陥検出方法はイメージセンサ13で得られる光強度分布のパターン4をデジタル信号に変換してソフトウエアプログラムとPC(パソコン等のハードウエア)15との組み台わせで演算処理する例であるが、本件発明においてはソフトウエアプログラムを用いずに、ハードウエアだけで行うこともできる。この場合は図5の様な検査装置とすることができる。図5は、図9の検査装置と同様に信号処理部16と判定処理部17とを有し、判定処理部17は信号複製機能、平滑化処理機能、判定用パターン作成機能、閾値発生機能、パターン判定機能を持つ。なお、実際にはこれらに加えて図9と同様にアラームや記録部、モニタ等を備えることができる。
【0032】
信号処理部16は、イメージセンサ13の走査線を水平方向に走査して受光された散乱光3の光強度分布を時系列的に出力させるものであり、1回のライン走査で図2に示すような強度分布のパターン4を得ることができるようにしてある。
【0033】
判定処理部17の信号複製機能は信号処理部16から出力されるパターン4を2つに分岐して2つの同じパターン4を作り出すものである。このような回路としては分岐器がある。
【0034】
前記平滑化処理機能は、信号複製機能で得られた2つのパターン4に平滑化処理を施すものであり、―方のパターン4には実施形態1と同様に平滑度の弱い平滑化を施してパターンA(x)を作り出し、他方のパターン4には平滑度の強い平滑化を施してパターンB(x)を作り出す。この平滑化処理を行う回路としては積分回路があり、平滑の度合いは回路の時定数により設定することができる。
【0035】
前記判定用パターン発生機能は、平滑化処理機能で得られたパターンA(x)、B(x)からそれらの差或いは商を得て、実施形態1における判定用パターンC(x)と同じものを得るものである。
【0036】
前記閾値発生機能は、平滑度を強くしたパターンB(x)にさらに別のパターン値(実施形態1のN(x)に相当するもの)を掛けて閾値パターンL(x)を得るものである。
【0037】
前記パターン判定機能は、判定用パターンC(x)と、閾値パターンL(x)とを比較するものであり、判定用パターンC(x)に閾値パターンL(x)を部分的にでも上回れば"異常"を、そうでなければ"正常"を出力するものである。
【0038】
【発明の実施の形態3】
本発明の光ファイバの欠陥検出方法は図8に示すような光学系によっても実施することができる。具体的には、被測定光ファイバ1で散乱された散乱光3をハーフミラー18により2つに分岐し、それらを散乱板19、20を通して別々のイメージセンサ13(13a、13b)で観測するようにしたものである。この場合、2枚の散乱板19、20は光の散乱度数を違えてあり、一方は散乱度を弱く、他方は散乱度を高くしてあり、前者を透過してイメージセンサ13aに受光される散乱光3からは実施形態1と同様のパターンA(x)が得られ、後者を透過してイメージセンサ13bに受光される散乱光3からは実施形態1と同様のパターンB(x)が得られるようにしてある。この2つのイメージセンサ13a、13bで得られたパターンA(x)とパターンB(x)は実施形態1で説明したようなデジタル処理系で処理したり、実施形態2で説明したようなアナログ処理系で処理して、判定用パターンC(x)と閾値パターンL(x)とを求め、これらを比較して被測定光ファイバ1の良否を判断することができる。
【0039】
【発明の実施の形態4】
以上は光ファイバの欠陥検出方法に平滑化処理を用いた例であるが、本発明ではフーリエ変換を用いても良い。この場合、散乱光3の強度分布パターン4を得てそのデジタル信号をPC15に入力するところまでは実施形態1と同じであるが、信号を処理するソフトウエアプログラムは図6に示すものを用いる。
【0040】
以下に図6のソフトウエアプログラムによる処理の流れを説明する。
(1)読み込んだパターン4に対してフーリエ変換を施して、フーリエ変換パターン9を得、そのフーリエ変換パターン9を図7に示すような両対数のグラフにて評価する。
【0041】
(2)図7のグラフに低周波数域を基点とした基準線(判定用曲線)10を引く。この引き方はイメージセンサ13の配置やその他の系の構成要素により微妙に異なるが、低周波数域側で安定した点、例えば10Hzのポイントを通り、傾きが−1の直線を当てはめることができる。
【0042】
(3)フーリエ変換パターン9の基準線10に対する偏差の2乗和を求める(分散を求める)。この場合、周波数域に有効範囲を設定し、例えば、基点にしたポイントよりも低周波側は有効範囲外として除外しても良い。また、最大周波数(フーリエ変換時に利用したデータ数により決まる)に対して(最大周波数)/2より高周波域では不安定となりやすいのでこれも除外して良い。
【0043】
(4)求まった偏差の2乗和を所定の閾値と比較し、閾値以下であれば"正常"の結果を出力し、閾値を越えれば欠陥があるとして"異常"の結果を出力する。
【0044】
(5)前記(1)〜(4)の処理を繰り返すことにより、線引中の被測定光ファイバ1のオンライン検査を行うことができる。
【0045】
以上の処理は全て図6に示したソフトウエアプログラムにより電子的に行われるものであって、例えば図7のフーリエ変換パターン9への基準線10の当てはめを人手により行うものではない。
【0046】
前記フーリエ変換がPC15での処理に時間がかかる場合、実施形態1で説明したパターンA(x)とパターンB(x)とから|A−B|或いは|A/B|を求め、これらの値が最大となる領域、例えば図4(c)においてパターンC(x)が最大ピークを持つような領域を選びだし、この領域に対して前記図6のプログラムに基づく判定法を実施することにより、処理を高速化することができる。フーリエ変換はFFT(高速フーリエ変換)により効率的に演算処理することができるが、それでも移動平均と比較すれば処理負担は大きいため、領域を限定することにより処理速度を速めることができる。
【0047】
平滑化処理には、各要素での値をその周辺領域の値の平均値で置き換える移動平均の他に、周辺領域の値の中央値(メディアン:median)で置き換えることによって平滑化する方法や、フーリエ変換した後に低域通過フィルタによって高い周波数の成分をより小さくし、その後逆フーリエ変換を行うことによって平滑化する手法等もある。
【0048】
【発明の効果】
本発明の光ファイバの欠陥検出方法によれば次のような効果がある。
1.移動平均等の処理に時間のかからない平滑化処理をアルゴリズムとして採用するため、線引き速度が速くても容易にオンライン検査を行うことができる。
2.平滑化処理は電気回路や光学系により簡単に実行することができるため、高速検査が可能である。
3.被測定光ファイバの変動やレーザ光の変動分をキャンセルできるように閾値が変動されるため、正確な検査が可能である。
4.請求項5のフーリエ変換を採用する検査方法においても、請求項6に記載されているようにパターン全体についてフーリエ変換を行う必要はないため、高速検査が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバの欠陥検出方法を採用した検査装置の第1例を示した概略図。
【図2】 図1のイメージセンサで観測される散乱光の強度分布パターンを表した説明図であり、 (a)は正常な光ファイバに対するもの、(b)は異常がある光ファイバに対するもの。
【図3】 図1の欠陥装置における検出方法の流れを示したフローチャート図。
【図4】 (a)〜(c)は図3の検査方法におけるパターン判定の様子を説明するための説明図。
【図5】 本発明の光ファイバの欠陥検出方法を採用した検査装置の第2例を示した概略図。
【図6】欠陥検出方法にフーリエ変換を採用した場合の処理の流れを説明するフローチャート図。
【図7】 図6のフーリオ変換法におけるパターン判定の様子を説明するための説明図。
【図8】 本発明の光ファイバの欠陥検出方法を採用した検査装置の第3例を示した概略図。
【図9】 (a)は従来の光ファイバの欠陥検出装置の一例を示した概略図、(b)は同装置において観測される散乱光の様子を示した説明図。
【図10】 (a)〜(c)は図9の装置における問題点を示した説明図。
【符号の説明】
1 被測定光ファイバ
2 レーザ光
3 散乱光
4 パターン
5 第1のパターン
6 第2のパターン
7 判定用パターン
8 変動閾値パターン
9 フーリエ変換パターン
10 判定用曲線
Claims (4)
- 線引中の被測定光ファイバ(1)にその光軸と交差する方向からレーザ光(2)を照射して、同光ファイバ(1)内を透過して散乱される前方散乱光(3)の直線または一軸曲線状をなすライン上の強度分布を調べ、同強度分布のパターン(4)から被測定光ファイバ(1)の欠陥を検出する方法において、前記強度分布のパターン(4)に、前記ライン上強度分布の中心、あるいは最高強度域から片側が非単調曲線になる程度に平滑度の弱い平滑化処理を施した第1のパターン(5)を作ると共に、前記強度分布のパターン(4)に、前記ライン上強度分布の中心から片側が単調曲線になる程度に平滑度の強い平滑化処理を施した第2のパターン(6)を作り、これら第1、第2のパターン(5、6)の差から判定用パターン(7)を作り、同判定用パターン(7)の大きさを評価して被測定光ファイバ(1)の欠陥を検出することを特徴とする光ファイバの欠陥検出方法。
- 線引中の被測定光ファイバ(1)にその光軸と交差する方向からレーザ光(2)を照射して、同光ファイバ(1)内を透過して散乱される前方散乱光(3)の直線または一軸曲線状をなすライン上の強度分布を調べ、同強度分布のパターン(4)から被測定光ファイバ(1)の欠陥を検出する方法において、前記強度分布のパターン(4)に、前記ライン上強度分布の中心、あるいは最高強度域から片側が非単調曲線になる程度に平滑度の弱い平滑化処理を施した第1のパターン(5)を作ると共に、前記強度分布のパターン(4)に、前記ライン上強度分布の中心から片側が単調曲線になる程度に平滑度の強い平滑化処理を施した第2のパターン(6)を作り、第2のパターン(6)に対する第1のパターン(5)の商から判定用パターン(7)を作り、同判定用パターン(7)の大きさを評価して被測定光ファイバ(1)の欠陥を検出することを特徴とする光ファイバの欠陥検出方法。
- 第1或いは第2のパターン(5、6)と連動される変動閾値パターン(8)を作り、これを判定用パターン(7)と比較することにより同判定用パターン(7)の大きさを評価することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ファイバの欠陥検出方法。
- 平滑化処理に移動平均法を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光ファイバの欠陥検出方法。
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