JP4609309B2 - 撮影装置、その制御方法及び制御プログラム - Google Patents
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また、この種のものには、角速度センサの検出出力レベルが一定時間以上閾値を超えているか否かを判定し、一定時間以上閾値を超えている場合はパンニング又はチルティングであると判別し、そうでない場合は、検出出力レベルが一定時間未満で閾値を超えているときには、手ぶれであると判定するものがある(例えば、特許文献2)。
また、上記特許文献2記載のものにおいても、撮影者が電車等に乗車している場合は、その車両の振動が手ぶれと判定される場合が生じ、特許文献1と同様に、手ぶれ判定精度が低くなり、撮影方向にずれが生じてしまうといった問題が発生してしまう。
この構成によれば、例えば、電車内の撮影の場合でも、設定時間と設定移動量の変更により電車の振動を手ぶれと判定してしまう場合を回避でき、手ぶれ判定精度が向上する。
本実施の形態では、撮影装置の一態様としての携帯型デジタルビデオカメラ(以下、単に「携帯型ビデオカメラ」と言う)に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施の形態に係る携帯型ビデオカメラ1の構成を示すブロック図である。この携帯型ビデオカメラ1は、図1に示すように、制御部10、撮影部20、角速度検出部30、操作部40、リムーバブルメディア50、I/F部51および映像出力端子52を備えている。
このような構成の下、撮影カメラ22から出力されたフレームはカメラコントロール回路21にて所定の画像処理がなされた後、撮影部RAM23に一時的に格納され、また、制御部10を介してリムーバブルメディア50に動画データとして順次格納される。撮影部RAM23に格納されたフレームは表示パネル24に表示する際に用いられ、また、リムーバブルメディア50に格納された動画データは撮影後に撮影動画を表示(再生)する際に用いられる。
カメラコントロール回路21は、ぶれデータ演算部70と、パンチルト判定部71と、映像信号処理部72と、補正画像作成部73と、補正画像出力部74と、手ぶれ閾値設定部75とを備えている。
ぶれデータ演算部70は、角速度検出部30から出力される角速度検出信号SVに各種演算処理を行い、フレームのサンプリング周期で、同一方向へのぶれ(移動)が生じている間の移動時間TAと移動角度に相当する移動量TBとを取得する。より具体的には、図4に一例を示すように、角速度検出信号SVの谷と山及び山と谷の間が各々同一方向への移動時間TAに相当するため、ぶれデータ演算部70は、フレーム取得時に上記時間間隔を計測することにより、各フレーム取得時の移動時間TAを取得する。また、上記移動量TBは、ぶれデータ演算部70が角速度検出信号SVを積分し、上記各移動時間TAの間の角度変化量を求めることにより取得する。
すなわち、ぶれデータ演算部70は、1フレーム毎に、そのフレーム取得時における同一方向の移動時間TAと移動量TBとを各々取得する。なお、本実施形態では、X軸〜Z軸の3軸の軸方向について移動時間TAと移動量TBとを各々取得しているが、いずれか1軸又は2軸にしてもよい。
また、補正画像出力部74は、手ぶれ補正処理が行われた場合は補正後のフレームを、手ぶれ補正処理が行われなかった場合は補正されたかったフレームを、表示パネル24、リムーバブルメディア50及びI/F部51等に出力する。
そこで、本実施形態では、撮影モードとして、通常モードと、電車内での撮影に適した電車モードとを設け、各モードに応じて設定時間TA0及び設定移動量TB0を変更する手ぶれ閾値設定部(閾値変更手段)75を備えている。
より具体的には、この手ぶれ閾値設定部75は、操作部40を介してユーザにより通常モードが指示された場合には、図5に一例を示すように、設定時間TA0として0.3秒の値を設定し、設定移動量TB0として「−2〜+2」を設定し、電車モードが指示された場合には、設定時間TA0として通常モード時より小さい値(0.25秒)を設定し、設定移動量TB0として通常モード時より広い範囲(「−4〜+4」)を設定する。
まず、制御部10は、ぶれデータ演算部70により同一方向への移動時間TAを取得すると共に(ステップS1)、移動角度TBを取得する(ステップS2)。次に、制御部10は、撮影モードが電車モードか否かを判定し(ステップS3)、電車モードでない場合(ステップS3:NO)、つまり、通常モードの場合、手ぶれ閾値設定部75により通常モード時の閾値(設定時間TA0及び設定移動量TB0)を設定する(ステップS4)。続いて、制御部10は、パンチルト判定部71により移動時間TAと設定時間TA0との比較と、移動角度TBと設定移動量TB0との比較を行うことにより、手ぶれかパンニング又はチルティング(パンチルト)か否かを判定する(ステップS5)。
この場合、設定時間TA0が通常モード時よりも短い時間に設定されるので、電車の振動によりぶれの同一方向への移動時間TAが短くなった際もパンニング又はチルティングを適切に判定可能になると共に、設定移動量TB0についても通常モード時より広い範囲が設定されるので、電車の振動により移動角度TBが大きくなった際もパンニング又はチルティングを適切に判定可能となる。従って、パンニング又はチルティングの際に電車の振動を手ぶれと判定してしまう場合を回避することができる。
この手ぶれ補正処理は、動画を構成する各フレーム毎に実行され、各フレームは、補正画像出力部74により表示パネル24、リムーバブルメディア50又はI/F部51等に出力され、これら複数のフレームからなる動画像が表示パネル24に表示され、また、リムーバブルメディア50に記録され、さらに、I/F部51を介してパーソナルコンピュータに表示等される。
また、上記電車モードは、電車内の撮影に限らず、電車以外の車両内での撮影や歩いたり走りながらの撮影の際にも有効であり、要は、振動を伴う撮影状況での手ぶれ判定精度を向上することが可能である。
第2実施形態に係る携帯型ビデオカメラ1は、電車モードの場合にユーザが選択可能な臨場感付与モードを有し、図7に示すように、電車モードが選択されてステップS7の処理(閾値再設定)を実行した後に、臨場感付与モードか否かを判定し(ステップS8)、臨場感付与モードの場合は、ぶれをある程度残すようにぶれ補正処理を行う点(ステップS9)が、第1実施形態に係る携帯型ビデオカメラ1と異なっている。なお、説明の便宜上、図7には第1実施形態と同一部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
一方、臨場感付与モードが選択されていない場合(ステップS8:NO)、制御部10は、第1実施形態と同様にステップS5の処理に移行して手ぶれ判定処理を実行する。
本実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、臨場感付与モードが選択された場合にぶれ補正量を変更するので、第1実施形態の効果に加えて、電車等の車両の臨場感を付与した撮影を行うことが可能になる。
第3実施形態に係る携帯型ビデオカメラ1は、図8に示すように、ステップS9の処理を除いて第2実施形態に係る携帯型ビデオカメラ1と略同一である。以下、ステップS9の処理に代わるステップS10以降の処理について詳述する。
制御部10は、臨場感付与モードが選択されている場合(ステップS8:YES)、ぶれデータ演算部70により電車のぶれ量(例えば、定常的なぶれ量)を求め、このぶれ量(電車ぶれ量という)を保存する(ステップS10)。
続いて、制御部10は、ステップS5と同様の手ぶれ判定処理を行い(ステップS11)、手ぶれと判定した場合は、ステップS6と同様のぶれ補正処理を行い(ステップS12)、撮影したフレームの手ぶれを補正する。その後、制御部10は、手ぶれ補正後のフレームに電車ぶれ量を付加するぶれ追加処理を行う(ステップS13)。これにより、手ぶれが存在する場合は、手ぶれを除去した後、電車ぶれ量に相当するぶれが追加されたフレームが作成され、実際の電車ぶれ分だけぶれたフレームを撮影することができる。
本実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、臨場感付与モードが選択された場合に手ぶれ以外のぶれ量を取得し、このぶれ量を付加するぶれ追加処理を行うので、第1実施形態の効果に加えて、実際の撮影状況のぶれを残した自然なフレームを撮影することができ、撮影状況の臨場感を付与した撮影を行うことができる。
上述した実施の形態では、ユーザが指示した撮影モードに応じて手ぶれ判定用の閾値(設定時間TA0及び設定移動量TB0)を変更する場合について例示したが、ユーザが上記閾値を任意に変更可能に構成してもよい。また、このように手動で閾値を変更する構成に限らず、制御部10が、手ぶれ以外の振動の有無を判定し、この判定結果に応じて上記閾値を自動的に変更するようにしてもよい。
この場合、例えば、制御部10が、角速度検出部30を定常的、或いは、間欠的に駆動させるなどしてぶれ状況を監視し、定常的にぶれが生じている場合は電車モードに自動的に移行し、定常的なぶれが生じなくなると通常モードに自動的に移行すればよい。これにより、ユーザに電車内の撮影か否か等を意識させることなく電車モードに切り替えることができ、ユーザが特別な操作を行わなくても手ぶれ判定精度を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、撮影装置の一態様たる携帯型デジタルビデオカメラ1に本発明を適用した場合を例示したが、デジタルビデオ以外の動画撮影機能を有する撮影装置に広く適用することが可能であり、具体例を挙げると、カメラ付き携帯電話機、及び、カメラ付き或いはカメラを外付け可能なPDAやノート型パソコン等に広く適用が可能である。
また、本発明は、上述した携帯型デジタルビデオカメラ1がぶれ補正プログラム100Aを含む制御プログラム100を実行することで実現される手ぶれ判定機能のみを実行する手ぶれ判定装置としても実施可能である。
Claims (6)
- 撮影部の移動を検出する移動検出手段と、
この移動検出手段の検出結果から同一方向への移動時間と同一方向への移動量とを取得し、取得した移動時間が手ぶれ判定用の設定時間内であって、かつ、取得した移動量が手ぶれ判定用の設定移動量内の場合に手ぶれと判定し、それ以外の場合にパンニング又はチルティングであると判定する手ぶれ判定手段と、
前記設定時間と前記設定移動量とを変更可能な閾値変更手段と
を備えることを特徴とする手ぶれ判定装置。 - 前記撮影部の撮影データに手ぶれ補正処理を行うぶれ補正手段を有し、このぶれ補正手段が、ぶれ補正量を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の手ぶれ判定装置。
- 前記閾値変更手段は、ユーザ指示に基づき前記設定時間と前記設定移動量とを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の手ぶれ判定装置。
- 前記閾値変更手段は、前記移動検出手段の検出結果に基づいて手ぶれ以外の振動の有無を判定し、この判定結果に応じて前記設定時間と前記設定移動量とを変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の手ぶれ判定装置。
- 動画を撮影する撮影部と、
撮影部の移動を検出する移動検出手段と、
この移動検出手段の検出結果から同一方向への移動時間と同一方向への移動量とを取得し、取得した移動時間が手ぶれ判定用の設定時間内であって、かつ、取得した移動量が手ぶれ判定用の設定移動量内の場合に手ぶれと判定し、それ以外の場合にパンニング又はチルティングであると判定する手ぶれ判定手段と、
前記設定時間と前記設定移動量とを変更可能な閾値変更手段と
を備えることを特徴とする撮影装置。 - 撮影部を有するコンピュータを、
前記撮影部の移動を検出する移動検出手段と、
この移動検出手段の検出結果から同一方向への移動時間と同一方向への移動量とを取得し、取得した移動時間が手ぶれ判定用の設定時間内であって、かつ、取得した移動量が手ぶれ判定用の設定移動量内の場合に手ぶれと判定し、それ以外の場合にパンニング又はチルティングであると判定する手ぶれ判定手段と、
前記設定時間と前記設定移動量とを変更可能な閾値変更手段として機能させるための制御プログラム。
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