JP4609300B2 - 電力増幅器および無線機 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号の電力増幅に用いて好適な電力増幅器および該電力増幅器を用いて構成される無線機に関する。
一般に、従来技術による電力増幅器として、バイポーラトランジスタを用いて高周波信号を増幅すると共に、該トランジスタの出力信号の大きさ(出力レベル)を検波し、この検波結果に応じてトランジスタのベースバイアス電圧を制御する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来技術では、出力信号の大きさが変化してもトランジスタのベースバイアス電圧を一定に保持することができ、歪み特性の良い動作点でトランジスタを増幅動作させることができる。このため、入力信号と出力信号との間の線形性を広い範囲で確保することができ、比較的大きな入力信号に対しても線形性を保持した状態で増幅を行うことができる。
特開平6−61750号公報
ところで、特許文献1には、出力レベルを検波して、その出力レベルに応じてトランジスタのベースバイアス電圧を制御することが開示されているものの、その具体的な構成、特にトランジスタの出力信号の大きさを検波する検波回路の構成は全く開示されていない。
また、特許文献1には、マイクロプロセッサを用いてベースバイアス電圧を決定する構成が開示されている。しかし、この場合には、電力増幅器全体の回路構成が複雑になると共に、高価で消費電流が大きいマイクロプロセッサが必要になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回路構成が簡単で小型化が可能な電力増幅器および無線機を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、高周波信号を増幅する増幅用バイポーラトランジスタと、該増幅用バイポーラトランジスタの出力信号を検波する検波回路と、該検波回路によって検波した検波信号に応じたベースバイアス電圧を前記増幅用バイポーラトランジスタのベースに印加するバイアス回路とを備えた電力増幅器において、前記バイアス回路は、バイアス電源と前記増幅用バイポーラトランジスタのベースとの間に互いに直列接続された2個の抵抗を備える構成とし、前記検波回路は、前記バイアス回路の2個の抵抗の間に設けられ前記バイアス電源から前記増幅用バイポーラトランジスタに向けてバイアス電流を流す検波用ダイオードと、該検波用ダイオードのアノードと前記増幅用バイポーラトランジスタの出力側との間に設けられ前記出力信号を該検波用ダイオードに導くインピーダンス回路と、前記検波用ダイオードのカソードとグランドとの間に設けられたバイパスコンデンサとによって構成したことを特徴としている。
請求項2の発明では、前記インピーダンス回路は、一端側が前記検波用ダイオードのアノードに接続され、他端側が前記増幅用バイポーラトランジスタのコレクタに接続される構成としている。
請求項3の発明では、高周波信号を増幅する増幅用バイポーラトランジスタと、該増幅用バイポーラトランジスタの出力信号を検波する検波回路と、該検波回路によって検波した検波信号に応じたベースバイアス電圧を前記増幅用バイポーラトランジスタのベースに印加するバイアス回路とを備えた電力増幅器において、前記バイアス回路は、バイアス電源と前記増幅用バイポーラトランジスタのベースとの間に互いに直列接続された2個の抵抗を備える構成とし、前記検波回路は、前記バイアス回路の2個の抵抗の間にベースとエミッタが接続されると共にコレクタが電源に接続され前記バイアス電源から前記増幅用バイポーラトランジスタに向けてバイアス電流を流す検波用バイポーラトランジスタと、該検波用バイポーラトランジスタのベースと前記増幅用バイポーラトランジスタの出力側との間に設けられ前記出力信号を該検波用バイポーラトランジスタに導くインピーダンス回路と、前記検波用バイポーラトランジスタのエミッタとグランドとの間に設けられたバイパスコンデンサとによって構成したことを特徴としている。
請求項4の発明では、前記インピーダンス回路は、一端側が検波用バイポーラトランジスタのベースに接続され、他端側が前記増幅用バイポーラトランジスタのコレクタに接続される構成としている。
請求項5の発明では、前記インピーダンス回路は、前記出力信号から直流成分を除去する結合コンデンサと、該結合コンデンサに直列接続された抵抗とによって構成している。
請求項6の発明では、前記増幅用バイポーラトランジスタは、複数個並列に接続する構成としている。
請求項7の発明では、本発明による電力増幅器を用いて無線機を構成している。
請求項1の発明によれば、検波回路を検波用ダイオード、インピーダンス回路およびバイパスコンデンサによって構成したから、インピーダンス回路は増幅用バイポーラトランジスタの出力信号の一部を検波用ダイオードに供給することができる。このとき、検波用ダイオードは、バイアス電源から増幅用バイポーラトランジスタに向う順方向のバイアス電流を流し、逆方向の電流を遮断する。これにより、検波用ダイオードは、出力信号の大きさを検波することができる。そして、検波用ダイオードのカソード(出力側)にはバイパスコンデンサを接続したから、該バイパスコンデンサを用いて検波用ダイオードのカソード電圧の交流成分を除去し、直流成分からなる検波信号を出力することができる。この結果、検波信号は出力信号の大きさに応じて昇降するから、バイアス回路の2個の抵抗間の電圧は、出力信号の大きさに応じて昇降する。
ところで、出力信号が大きくなって増幅用バイポーラトランジスタに流れるコレクタ電流が増大するときには、バイアス電流も増大する。このため、バイアス回路の2個の抵抗にバイアス電流の増大に伴う電圧降下が生じ、増幅用バイポーラトランジスタのベースバイアス電圧が低下しようとする。本発明では、検波回路による検波信号によってベースバイアス電圧の低下を補償することができる。この結果、歪み特性の良い動作点でバイポーラトランジスタを増幅動作させることができ、入力信号と出力信号との間の線形性を広い範囲で確保することができる。
また、検波回路を検波用ダイオード、インピーダンス回路およびバイパスコンデンサによって構成したから、検波回路の構成を簡略化することができ、小型で安価な電力増幅器を構成することができる。
請求項2の発明によれば、インピーダンス回路の両端は検波用ダイオードのアノードと増幅用バイポーラトランジスタのコレクタにそれぞれ接続される構成としたから、増幅用バイポーラトランジスタのコレクタから出力信号の一部を取り出して検波用ダイオードのアノードに供給することができる。
請求項3の発明によれば、検波回路を検波用バイポーラトランジスタ、インピーダンス回路およびバイパスコンデンサによって構成したから、インピーダンス回路は増幅用バイポーラトランジスタの出力信号の一部を検波用ダイオードに供給することができる。このとき、検波用バイポーラトランジスタは、バイアス電源から増幅用バイポーラトランジスタに向う順方向のバイアス電流を流し、逆方向の電流を遮断する。これにより、検波用バイポーラトランジスタは、出力信号の大きさを検波することができる。そして、検波用バイポーラトランジスタのエミッタ(出力側)にはバイパスコンデンサを接続したから、該バイパスコンデンサを用いて検波用バイポーラトランジスタのエミッタ電圧の交流成分を除去し、直流成分からなる検波信号を出力することができる。この結果、検波信号は出力信号の大きさに応じて昇降するから、バイアス回路の2個の抵抗間の電圧は、出力信号の大きさに応じて昇降する。これにより、請求項1の発明とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
請求項4の発明によれば、インピーダンス回路の両端は検波用バイポーラトランジスタのベースと増幅用バイポーラトランジスタのコレクタにそれぞれ接続される構成としたから、増幅用バイポーラトランジスタのコレクタから出力信号の一部を取り出して検波用バイポーラトランジスタのベースに供給することができる。
請求項5の発明によれば、インピーダンス回路を互いに直列接続された結合コンデンサと抵抗とによって構成したから、結合コンデンサを用いて出力信号の直流成分を除去することができ、出力信号の交流成分だけを検波回路に供給することができる。
請求項6の発明では、増幅用バイポーラトランジスタを複数個並列に接続したから、単一の増幅用バイポーラトランジスタを用いたときに比べて、より大きな出力信号を得ることができる。
請求項7の発明では、本発明の電力増幅器を用いて無線機を構成したから、入力信号と出力信号との間の線形性を広い範囲で確保することができ、信号の歪みを抑制することができる。これにより、通信品質を向上し、通信距離を伸ばすことができる。
以下、本発明の実施の形態による電力増幅器を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1は第1の実施の形態による電力増幅器を示している。図1において、電力増幅器1は、後述する増幅用バイポーラトランジスタ2、バイアス回路7および検波回路8によって大略構成されている。
増幅用バイポーラトランジスタ2は、例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタによって構成されている。そして、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBは、発振に対する安定化を行う安定化抵抗3と直流成分を遮断する結合コンデンサ4(DCカット素子)を介して高周波信号RFの入力端子RFinに接続されている。また、増幅用バイポーラトランジスタ2のエミッタEはグランドに接続されると共に、コレクタCは直流成分を遮断する結合コンデンサ5を介して出力端子RFoutに接続されている。さらに、コレクタCは、例えばチョークコイル6を介して電源端子CCinに接続されている。そして、電源端子CCinは、電源に接続され、増幅用の電源電圧Vccとして例えば3.3V程度の直流電圧が印加される。これにより、増幅用バイポーラトランジスタ2は、入力端子RFinから入力された高周波信号RFの電力増幅を行い、出力端子RFoutから出力するものである。
一方、バイアス回路7は、ベース電流Ibを流すために互いに直列接続された例えば2個の抵抗7A,7Bを備えると共に、これらの抵抗7A,7B間には後述する検波用ダイオード9が接続されている。また、バイアス回路7の一端側はバイアス端子Binに接続されると共に、他端側は安定化抵抗3と結合コンデンサ4との間に接続されている。そして、バイアス端子Binは、例えば定電圧電源回路等のバイアス電源に接続され、増幅用バイポーラトランジスタ2を動作させるバイアス電圧Vbとして例えば2.8V程度の直流電圧が印加される。これにより、バイアス回路7は、検波用ダイオード9を介してベース電流Ibを流すと共に、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBにベースバイアス電圧Vbaseを印加している。
また、検波回路8は、バイアス回路7の2個の抵抗7A,7B間に設けられた検波用ダイオード9と、検波用ダイオード9のアノードAと増幅用バイポーラトランジスタ2の出力側となるコレクタCとの間に設けられたインピーダンス回路10と、検波用ダイオード9のカソードKとグランドとの間に設けられたバイパスコンデンサ11とによって構成されている。
ここで、検波用ダイオード9のアノードAがバイアス端子Bin側に接続されると共に、カソードKが増幅用バイポーラトランジスタ2のベースB側に接続されている。これにより、検波用ダイオード9は、バイアス端子Binから増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBに向う順方向のバイアス電流Ibを流し、逆方向を遮断している。
また、インピーダンス回路10は、結合コンデンサ10Aと抵抗10Bとを互いに直列接続することによって構成されている。そして、インピーダンス回路10の一端側は、増幅用バイポーラトランジスタ2の出力側回路の一部として、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタCに接続されている。一方、インピーダンス回路10の他端側は、検波用ダイオード9のアノードAに接続されている。このとき、結合コンデンサ10Aは、増幅用バイポーラトランジスタ2によって増幅された高周波信号RF(コレクタ電圧Vc)から直流成分を除去している。また、抵抗10Bは、検波用ダイオード9に供給する高周波信号RF(出力信号)の出力レベルを調整している。これにより、インピーダンス回路10は、増幅用バイポーラトランジスタ2から出力された高周波信号RFの一部を取り出して、検波用ダイオード9に供給している。
さらに、バイパスコンデンサ11は、検波用ダイオード9のカソード電圧Vkの交流成分を除去するために設けられている。これにより、検波回路8は、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタ電圧Vc(出力信号)に応じて検波用ダイオード9をオン、オフし、出力端子RFout側の高周波信号RFの大きさに応じた略直流成分からなる検波信号Vs(検波電圧)を検波用ダイオード9のカソードKから出力する。
なお、前記実施の形態では、バイアス端子Binをバイアス電源に接続し、バイアス端子Binには該バイアス電源によって一定のバイアス電圧Vbが印加されるものとした。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばバイアス端子Binには、電力増幅器1の駆動、停止に応じて直流電圧とグランドとが切換る制御電圧Vctlを印加する構成としてもよい。この場合、制御電圧Vctlを切換えることによって、電力増幅器1の動作状態を制御することができる。
本実施の形態による電力増幅器1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、バイアス端子Binには例えば2.8V程度のバイアス電圧Vbを印加すると共に、電源端子CCinには例えば3.3V程度の電源電圧Vccを印加する。これにより、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBには、バイアス回路7を介してベースバイアス電圧Vbaseが印加され、増幅用バイポーラトランジスタ2は駆動状態となる。この状態で、入力端子RFinに例えば数GHz〜数十GHz程度の使用周波数の高周波信号RFを入力する。これにより、入力端子RFinに接続された増幅用バイポーラトランジスタ2は、ベースBに供給された電力に応じて高周波信号RFをそれぞれ電力増幅し、出力端子RFoutから出力する。
また、検波用ダイオード9、インピーダンス回路10およびバイパスコンデンサ11は検波回路8として機能する。具体的には、インピーダンス回路10は、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタCから高周波信号RF(出力信号)の一部を検波用ダイオード9に供給する。このとき、検波用ダイオード9は、バイアス端子Binから増幅用バイポーラトランジスタ2に向う順方向のバイアス電流Ibを流し、逆方向の電流を遮断する。これにより、検波用ダイオード9は、高周波信号RFの大きさ(振幅)に応じてカソードKの電位が上昇するから、出力信号の大きさを検波する。そして、検波用ダイオード9のカソードK(出力側)にはバイパスコンデンサ11を接続したから、該バイパスコンデンサ11は、検波用ダイオード9のカソード電圧Vkの交流成分を除去し、直流電圧からなる検波信号Vsを出力する。この結果、検波信号Vsは出力信号の大きさに応じて昇降し、カソード電圧Vkは、増幅用バイポーラトランジスタ2の出力電力の増加に応じて高くなる。
このとき、カソード電圧Vkの上昇分が、増幅用バイポーラトランジスタ2のベース電流Ibの増加による抵抗7A,7B等の電圧降下分を補償するため、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseの低下量が小さくなる。このため、入力端子RFinからの入力電力が増加したときに、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタ電流Icが増加し易くなるから、入力電力が増加したときの利得の低下量が小さくなり、高い出力電力が得られるようになる。
次に、本実施の形態による電力増幅器1の入力信号と出力信号との間の線形性について、図1ないし図6を参照しつつ検討する。
まず、図2に示す比較例の電力増幅器20では、本実施の形態による検波回路8を省き、バイアス抵抗21を介して増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBとバイアス端子Binとの間を接続する構成としている。ここで、バイアス抵抗21と増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBとの間には、実施の形態と同様に、安定化抵抗3を接続している。
このとき、比較例の電力増幅器20について、入力電力Pinに対するベースバイアス電圧Vbase、コレクタ電流Ic、利得G、出力電力Poutを調べた。その結果を図3ないし図6中に点線で示す。
なお、ここでは、バイアス抵抗21の抵抗値は7400Ω、安定化抵抗3の抵抗値は2.5Ω、結合コンデンサ4の容量は1.2pFとした。また、出力側の結合コンデンサ5の容量およびチョークコイル6のインダクタンスは、それぞれ理想的な値として無限大とした。さらに、バイアス電圧Vbは2.8V、電源電圧Vccは3.3Vとし、入力端子RFin側の信号源インピーダンスZsは8.0+j24Ωとし、出力端子RFout側の負荷インピーダンスZlは83+j25Ωとした。以上の条件で、5.4GHzの高周波信号RFを入力端子RFinに入力するものとした。
図3の結果より、比較例の電力増幅器20では、高周波信号RFの入力電力Pinが増加するに従って、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseが低下している。このため、図4ないし図6の結果に示すように、比較例では、入力電力Pinが増加したときには、コレクタ電流Icの増加量が少なく、利得Gが低下すると共に、出力電力Poutも低下する傾向がある。
この比較例と対比するために、本実施の形態による電力増幅器1について、入力電力Pinに対するベースバイアス電圧Vbase、コレクタ電流Ic、利得G、出力電力Poutを調べた。その結果を図3ないし図6中に実線で示す。
なお、ここでは、バイアス回路7の抵抗7Aの抵抗値は1000Ω、抵抗7Bの抵抗値は3350Ωとし、インピーダンス回路10の結合コンデンサ10Aの容量は2.16pF、抵抗10Bの抵抗値は200Ωとし、バイパスコンデンサ11の容量は0.135pFとした。また、他の条件は比較例と同様に、安定化抵抗3の抵抗値は2.5Ω、結合コンデンサ4の容量は1.2pFとし、出力側の結合コンデンサ5の容量およびチョークコイル6のインダクタンスは、それぞれ理想的な値として無限大とした。さらに、バイアス電圧Vbは2.8V、電源電圧Vccは3.3Vとし、入力端子RFin側の信号源インピーダンスZsは8.0+j24Ωとし、出力端子RFout側の負荷インピーダンスZlは83+j25Ωとした。以上の条件で、5.4GHzの高周波信号RFを入力端子RFinに入力するものとした。
図3の結果より、本実施の形態では、高周波信号RFの入力電力Pinが増加するに従って、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseが低下しているものの、その低下量は比較例に比べて小さい。このため、図4ないし図6の結果に示すように、本実施の形態では、比較例に比べて、入力電力Pinが増加したときには、コレクタ電流Icの増加量が大きくなり、利得Gの低下量が小さくなると共に、高い出力電力Poutが得られることが分かる。
かくして、本実施の形態では、検波回路8を検波用ダイオード9、インピーダンス回路10およびバイパスコンデンサ11によって構成したから、出力端子RFout側の高周波信号RF(出力信号)が大きくなって増幅用バイポーラトランジスタ2に流れるバイアス電流Ibが増大すると、バイアス回路7の2個の抵抗7A,7B間に位置する検波用ダイオード9のカソード電圧Vkが出力信号の大きさに応じて上昇する。このため、検波回路8による検波信号Vs(カソード電圧Vk)によってベースバイアス電圧Vbaseの低下を補償することができる。この結果、歪み特性の良い動作点で増幅用バイポーラトランジスタ2を増幅動作させることができ、入力信号と出力信号との間の線形性を広い範囲で確保することができる。
また、検波回路8を検波用ダイオード9、インピーダンス回路10およびバイパスコンデンサ11によって構成したから、検波回路8の構成を簡略化することができ、小型で安価な電力増幅器1を構成することができる。
特に、バイアス回路7の2個の抵抗7A,7Bの間に設けられた検波用ダイオード9を用いて出力信号の検波を行うから、検波用ダイオード9から出力される電流がそのまま増幅用バイポーラトランジスタ2のベース電流Ibになる。このため、回路構成が単純で、検波回路8とバイアス回路7とを別々に用意する必要がないから、検波回路8等の回路面積を小さくすることができる。
また、本実施の形態の場合、入力信号と出力信号との間で高い線形性と高い出力電力Poutを得るためには、(a)無信号時の増幅用バイポーラトランジスタ2のバイアスを最適化すること、(b)検波用ダイオード9の出力の入力電力依存性を最適化し、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアスの入力電力依存性を最適化すること、の2点が重要になる。
これに対し、本実施の形態では、(a)の点はバイアス回路7の抵抗7Aを用いて最適化し、(b)の点はインピーダンス回路10のインピーダンスによって最適化している。このため、(a),(b)を分離して設計でき、設計自由度を高めることができる。
なお、前記第1の実施の形態による電力増幅器1では、検波回路8は、検波用ダイオード9のカソードKに直接的にバイパスコンデンサ11を接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、図7に示す第1の変形例による電力増幅器31のように、検波回路32は、例えば検波用ダイオード9のカソードKとバイパス回路7の抵抗7Bとの間に抵抗33を挿入し、これらの抵抗7B,33間にバイパスコンデンサ11を接続する構成としてもよい。この場合、抵抗33を用いて増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseの入力依存性を調整することができる。
また、図8に示す第2の変形例による電力増幅器41のように、検波回路42は、一端がグランドに接続されたバイパスコンデンサ11に対して抵抗43を直列に接続する構成としてもよい。
さらに、図9に示す第3の変形例による電力増幅器51のように、検波回路52は、検波用ダイオード9のカソードKとグランドとの間には、バイパスコンデンサ11に対して抵抗53を並列接続する構成としてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、インピーダンス回路10は増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタCに接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、インピーダンス回路10は、何らかの形で出力信号の出力レベルが検出できる位置に接続してもよい。
また、前記第1の実施の形態による電力増幅器1では、インピーダンス回路10は結合コンデンサ10Aと抵抗10Bとを直列接続することによって構成した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図10に示す第4の変形例による電力増幅器61のように、検波回路62のインピーダンス回路63を増幅用バイポーラトランジスタ2の出力側のうち交流成分しか出力されない位置に接続する場合には、インピーダンス回路63は、コンデンサを含む必要がなく、抵抗64のみで構成してもよい。この場合、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタCと出力端子RFoutとの間に直流成分を遮断する結合コンデンサ65を接続すると共に、該結合コンデンサ65と出力端子RFoutとの間にインピーダンス回路63を接続すればよい。
さらに、インピーダンス回路を出力信号の信号レベルが低い位置に接続する場合には、インピーダンス回路は、抵抗を含まず、結合コンデンサのみで構成してもよい。
次に、図11は本発明の第2の実施の形態による電力増幅器を示している。そして、本実施の形態の特徴は、検波用ダイオードに代えて、コレクタCとベースBとを短絡した検波用バイポーラトランジスタを用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図11に示す電力増幅器71において、検波回路72の検波用バイポーラトランジスタ73は、第1の実施の形態による検波用ダイオード9と同様に、バイアス回路7の抵抗7A,7B間に位置して、ベースBがバイアス端子Bin側に接続されると共に、エミッタEが増幅用バイポーラトランジスタ2のベースB側に接続されている。また、検波用バイポーラトランジスタ73は、コレクタCとベースBとが短絡されている。これにより、検波用バイポーラトランジスタ73は、ダイオードとして機能し、バイアス端子Binから増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBに向う順方向のバイアス電流Ibを流し、逆方向を遮断する。
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、検波用バイポーラトランジスタ73のP−N接合を利用して構成したから、増幅用バイポーラトランジスタ2を加工するときに、増幅用バイポーラトランジスタ2と一緒に検波用バイポーラトランジスタ73を形成することができる。このため、別途ダイオードを形成するのに比べて、半導体加工時のプロセス数を低減することができ、製造コストを低下させることができる。
なお、前記第2の実施の形態では、検波用バイポーラトランジスタ73のベースBとエミッタEとの間のP−N接合を用いる構成としたが、ベースBとコレクタCとの間のP−N接続を用いる構成としてもよく、ベースBとエミッタE、コレクタCとの間の両方のP−N接合を用いる構成としてもよい。
次に、図12は本発明の第3の実施の形態による電力増幅器を示している。そして、本実施の形態の特徴は、検波回路を検波用バイポーラトランジスタ、インピーダンス回路およびバイパスコンデンサを用いて構成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図12に示す電力増幅器81において、検波回路82は、バイアス回路7の2個の抵抗7A,7B間に設けられた検波用バイポーラトランジスタ83と、検波用バイポーラトランジスタ83のベースBと増幅用バイポーラトランジスタ2の出力側となるコレクタCとの間に設けられたインピーダンス回路10と、検波用バイポーラトランジスタ83のエミッタEとグランドとの間に設けられたバイパスコンデンサ11とによって構成されている。
ここで、検波用バイポーラトランジスタ83のベースBがバイアス端子Bin側に接続されると共に、エミッタEが増幅用バイポーラトランジスタ2のベースB側に接続されている。また、検波用バイポーラトランジスタ83のコレクタCは、電源端子BBinを介して電源に接続され、電源電圧Vccと同様に例えば3.3V程度の直流電圧が印加されている。これにより、検波用バイポーラトランジスタ83は、電源端子BBinから増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBに向う順方向のバイアス電流Ibを流し、逆方向を遮断している。
また、インピーダンス回路10の一端側は、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタCに接続されると共に、インピーダンス回路10の他端側は、検波用バイポーラトランジスタ83のベースBに接続されている。さらに、バイパスコンデンサ11は、検波用バイポーラトランジスタ83のエミッタEに接続されている。
本実施の形態による電力増幅器81は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、バイアス端子Binには例えば2.8V程度のバイアス電圧Vbを印加すると共に、電源端子BBin,CCinには例えば3.3V程度の電源電圧Vccを印加する。これにより、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースBには、バイアス回路7を介してベースバイアス電圧Vbaseが印加され、増幅用バイポーラトランジスタ2は駆動状態となる。この状態で、入力端子RFinに例えば数GHz〜数十GHz程度の使用周波数の高周波信号RFを入力する。これにより、入力端子RFinに接続された増幅用バイポーラトランジスタ2は、ベースBに供給された電力に応じて高周波信号RFをそれぞれ電力増幅し、出力端子RFoutから出力する。
また、検波用バイポーラトランジスタ83、インピーダンス回路10およびバイパスコンデンサ11は検波回路82として機能する。具体的には、インピーダンス回路10は、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタCから高周波信号RF(出力信号)の一部を検波用バイポーラトランジスタ83に供給する。このとき、検波用バイポーラトランジスタ83は、そのベース−エミッタ間に流れる電流に応じて電源端子BBinから増幅用バイポーラトランジスタ2に向う順方向のバイアス電流Ibを流し、逆方向の電流を遮断する。これにより、検波用バイポーラトランジスタ83は、高周波信号RFの大きさ(振幅)に応じてエミッタEの電位が上昇するから、出力信号の大きさを検波する。そして、検波用バイポーラトランジスタ83のエミッタE(出力側)にはバイパスコンデンサ11を接続したから、該バイパスコンデンサ11は、検波用バイポーラトランジスタ83のエミッタ電圧Veの交流成分を除去し、直流電圧からなる検波信号Vsを出力する。この結果、検波信号Vsは出力信号の大きさに応じて昇降し、エミッタ電圧Veは、増幅用バイポーラトランジスタ2の出力電力の増加に応じて高くなる。
このとき、エミッタ電圧Veの上昇分が、増幅用バイポーラトランジスタ2のベース電流Ibの増加による抵抗7A,7B等の電圧降下分を補償するため、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseの低下量が小さくなる。このため、入力端子RFinからの入力電力が増加したときに、増幅用バイポーラトランジスタ2のコレクタ電流Icが増加し易くなるから、入力電力が増加したときの利得の低下量が小さくなり、高い出力電力が得られるようになる。
次に、本実施の形態による電力増幅器81の入力信号と出力信号との間の線形性について、図2に示す比較例と比較して、図12ないし図16を参照しつつ検討する。
まず、図2に示す比較例の電力増幅器20について、入力電力Pinに対するベースバイアス電圧Vbase、コレクタ電流Ic、利得G、出力電力Poutを調べた。その結果を図13ないし図16中に点線で示す。
なお、ここでは、バイアス抵抗21の抵抗値は9700Ω、安定化抵抗3の抵抗値は2.5Ω、結合コンデンサ4の容量は1.2pFとした。また、出力側の結合コンデンサ5の容量およびチョークコイル6のインダクタンスは、それぞれ理想的な値として無限大とした。さらに、バイアス電圧Vbは2.8V、電源電圧Vccは3.3Vとし、入力端子RFin側の信号源インピーダンスZsは6.4+j25Ωとし、出力端子RFout側の負荷インピーダンスZlは65.4+j36.4Ωとした。以上の条件で、5.4GHzの高周波信号RFを入力端子RFinに入力するものとした。
図13の結果より、比較例による電力増幅器20では、高周波信号RFの入力電力Pinが増加するに従って、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseが低下している。このため、図14ないし図16の結果に示すように、比較例では、入力電力Pinが増加したときには、コレクタ電流Icの増加量が少なく、利得Gが低下すると共に、出力電力Poutも低下する傾向がある。
この比較例と対比するために、本実施の形態による電力増幅器81について、入力電力Pinに対するベースバイアス電圧Vbase、コレクタ電流Ic、利得G、出力電力Poutを調べた。その結果を図13ないし図16中に実線で示す。
なお、ここでは、バイアス回路7の抵抗7Aの抵抗値は26kΩ、抵抗7Bの抵抗値は1200Ωとし、インピーダンス回路10の結合コンデンサ10Aの容量は0.06pF、抵抗10Bの抵抗値は1500Ωとし、バイパスコンデンサ11の容量は1.4pFとした。また、他の条件は比較例と同様に、安定化抵抗3の抵抗値は2.5Ω、結合コンデンサ4の容量は1.2pFとし、出力側の結合コンデンサ5の容量およびチョークコイル6のインダクタンスは、それぞれ理想的な値として無限大とした。さらに、バイアス電圧Vbは2.8V、電源電圧Vccは3.3Vとし、入力端子RFin側の信号源インピーダンスZsは6.4+j25Ωとし、出力端子RFout側の負荷インピーダンスZlは65.4+j36.4Ωとした。以上の条件で、5.4GHzの高周波信号RFを入力端子RFinに入力するものとした。
図13の結果より、本実施の形態では、高周波信号RFの入力電力Pinが増加するに従って、増幅用バイポーラトランジスタ2のベースバイアス電圧Vbaseが低下しているものの、その低下量は比較例に比べて小さい。このため、図14ないし図16の結果に示すように、本実施の形態では、比較例に比べて、入力電力Pinが増加したときには、コレクタ電流Icの増加量が大きくなり、利得Gの低下量が小さくなると共に、高い出力電力Poutが得られることが分かる。
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図17は本発明の第4の実施の形態による電力増幅器を示している。そして、本実施の形態の特徴は、入力端子と出力端子との間には増幅用バイポーラトランジスタを複数個並列に接続したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図17に示す電力増幅器91において、増幅用バイポーラトランジスタ92は、第1の実施の形態による増幅用バイポーラトランジスタ2とほぼ同様に、例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタによって構成され、入力端子RFinと出力端子RFoutとの間に複数個並列に接続されている。
このとき、各増幅用バイポーラトランジスタ92のベースBは、結合コンデンサ93を介して入力端子RFinに接続されると共に、熱暴走に対する安定化を行う安定化抵抗94を介してバイアス回路7にそれぞれ接続されている。
一方、各増幅用バイポーラトランジスタ92のエミッタEはグランドに接続されている。また、各増幅用バイポーラトランジスタ92のコレクタCは相互に接続されると共に、これらのコレクタCは結合コンデンサ5を介して出力端子RFoutに接続されている。さらに、各増幅用バイポーラトランジスタ92のコレクタCは、チョークコイル6を介して電源端子CCinに接続されている。
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、入力端子RFinと出力端子RFoutとの間に複数個の増幅用バイポーラトランジスタ92を並列接続したから、各増幅用バイポーラトランジスタ92は、ベースBに供給された電力に応じて高周波信号RFをそれぞれ電力増幅し、出力端子RFoutから出力する。この結果、出力端子RFoutは、複数の増幅用バイポーラトランジスタ92によって電力増幅された高周波信号RFを合計して出力するから、増幅用バイポーラトランジスタ92の個数に応じて高出力の高周波信号RFを得ることができる。
なお、前記第4の実施の形態による電力増幅器91では、第1の実施の形態による検波回路8を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1ないし第4の変形例による検波回路32,42,52,62を用いる構成としてもよく、第2の実施の形態による検波回路72を用いる構成としてもよい。また、図18に示す第5の変形例による電力増幅器101のように、第3の実施の形態による検波回路82を用いる構成としてもよい。
次に、図19は本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、本発明の電力増幅器を用いて無線機としての例えば小西良弘監修,「実用マイクロ波技術講座 第6巻 集積回路と応用」,日刊工業新聞社,2002年6月,p11−12に記載されたようなデジタル携帯電話端末を構成したことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図19に示すデジタル携帯電話端末111は、後述するマイク112、スピーカ113、ベースバンド信号処理回路114、変調回路115、アンテナ119、復調回路122、電力増幅器1等によって構成されている。
ここで、ベースバンド信号処理回路114は、マイク112、スピーカ113に接続され、マイク112から入力される音声信号をデジタル化し、かつデジタル信号を音声信号に変換してスピーカ113に出力する。また、変調回路115の入力側は、ベースバンド信号処理回路114に接続され、ベースバンド信号処理回路114から出力されるデジタル信号をデジタル無線通信に適したアナログ信号に変換する。一方、変調回路115の出力側は、アップコンバートミキサ116、ドライバアンプ117、電力増幅器1、デュプレクサ118を介してアンテナ119に接続されている。
そして、アップコンバートミキサ116は、変調回路115から出力されるアナログ信号を通信が許可された高い周波数帯域の高周波信号RFtに周波数変換する。また、ドライバアンプ117は、アップコンバートミキサ116から出力される高周波信号RFtを増幅する。電力増幅器1は、ドライバアンプ117で増幅された高周波信号RFtをさらに増幅する。これにより、電力増幅器1はデュプレクサ118を介してアンテナ119に高周波信号RFtを供給するから、アンテナ119は、電力増幅器1によって電力増幅された高周波信号RFtを外部に送信する。
また、デュプレクサ118は、電力増幅器1およびアンテナ119に接続されると共に、受信側の低雑音増幅器120に接続されている。そして、デュプレクサ118は、送信用の高周波信号RFtと受信用の高周波信号RFrとの周波数が相互に異なることを利用して、電力増幅器1から出力される高周波信号RFt(送信信号)をアンテナ119に送り、かつアンテナ119から受信した高周波信号RFr(受信信号)を低雑音増幅器120に送る。
また、低雑音増幅器120は、ダウンコンバートミキサ121を介して復調回路122に接続されている。そして、ダウンコンバートミキサ121は、低雑音増幅器120で増幅された高周波信号RFrを低い周波数のアナログ信号に周波数変換する。このため、復調回路122は、ダウンコンバートミキサ121から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、ベースバンド信号処理回路114に出力する。
また、アップコンバートミキサ116とダウンコンバートミキサ121は、基準信号(局部発振信号)を出力するシンセサイザ123にそれぞれ接続されている。これにより、ミキサ116,121は、基準信号を用いて周波数変換を行うものである。
本実施の形態によるデジタル携帯電話端末111は上述の如き構成を有するものである。そして、デジタル携帯電話端末111の送信時には、マイク112から入力された音声信号は、ベースバンド信号処理回路114によって一旦デジタル信号に変換された後、変調回路115によってデジタル無線通信に適したアナログ信号に変換される。このとき、変調回路115から出力されたアナログ信号は、アップコンバートミキサ116によって通信を許可された高い周波数帯の高周波信号RFtに周波数変換され、ドライバアンプ117によって信号強度をある程度増幅した後に、電力増幅器1によってさらに増幅される。これにより、電力増幅器1から出力された高周波信号RFtは、デュプレクサ118を介してアンテナ119から送信される。
一方、デジタル携帯電話端末111の受信時には、アンテナ119から受信した微弱な高周波信号RFrは、デュプレクサ118を介して低雑音増幅器120に送られ、低雑音増幅器120によって増幅される。このとき、低雑音増幅器120から出力された高周波信号RFrは、ダウンコンバートミキサ121によって低い周波数のアナログ信号に周波数変換され、復調回路122によって該アナログ信号をデジタル信号に復元される。これにより、ベースバンド信号処理回路114は、復調回路122から出力されるデジタル信号を音声信号に復元し、スピーカ113から出力する。
かくして、本実施の形態によれば、電力増幅器1を用いてデジタル携帯電話端末111を構成したから、入力信号と出力信号との間の線形性を広い範囲で確保することができ、信号の歪みを抑制することができる。これにより、通信品質を向上することができる。
なお、前記第5の実施の形態では、第1の実施の形態による電力増幅器1を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、第2ないし第4の実施の形態による電力増幅器71,81,91を用いてもよく、第1ないし第5の変形例による電力増幅器31,41,51,61,101を用いてもよい。
また、前記第5の実施の形態では、デジタル携帯電話端末111に本発明による電力増幅器1を適用するものとしたが、無線機として例えば無線LAN(Local Area Network)端末等の通信装置に適用してもよい。
また、前記各実施の形態では、増幅用バイポーラトランジスタ2,92としてヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いる構成とした。しかし、本発明これに限らず、例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタ以外のバイポーラトランジスタを用いる構成としてもよい。
第1の実施の形態による電力増幅器を示す回路図である。 比較例による電力増幅器を示す回路図である。 図1、図2中の半導体装置の入力電力とベースバイアス電圧との関係を示す特性線図である。 図1、図2中の半導体装置の入力電力とコレクタ電流との関係を示す特性線図である。 図1、図2中の半導体装置の入力電力と利得との関係を示す特性線図である。 図1、図2中の半導体装置の入力電力と出力電力との関係を示す特性線図である。 第1の変形例による電力増幅器を示す回路図である。 第2の変形例による電力増幅器を示す回路図である。 第3の変形例による電力増幅器を示す回路図である。 第4の変形例による電力増幅器を示す回路図である。 第2の実施の形態による電力増幅器を示す回路図である。 第3の実施の形態による電力増幅器を示す回路図である。 図12、図2中の半導体装置の入力電力とベースバイアス電圧との関係を示す特性線図である。 図12、図2中の半導体装置の入力電力とコレクタ電流との関係を示す特性線図である。 図12、図2中の半導体装置の入力電力と利得との関係を示す特性線図である。 図12、図2中の半導体装置の入力電力と出力電力との関係を示す特性線図である。 第4の実施の形態による電力増幅器を示す回路図である。 第5の変形例による電力増幅器を示す回路図である。 第5の実施の形態によるデジタル携帯電話端末を示すブロック図である。
符号の説明
1,31,41,51,61,71,81,91,101 電力増幅器
2,92 増幅用バイポーラトランジスタ
7 バイアス回路
7A,7B 抵抗
8,32,42,52,62,72,82 検波回路
9 検波用ダイオード
10,63 インピーダンス回路
10A 結合コンデンサ
10B,64 抵抗
11 バイパスコンデンサ
73,83 検波用バイポーラトランジスタ
111 デジタル携帯電話端末(無線機)
入力端子 RFin
出力端子 RFout
バイアス端子 Bin
電源端子 CCin,BBin

Claims (7)

  1. 高周波信号を増幅する増幅用バイポーラトランジスタと、該増幅用バイポーラトランジスタの出力信号を検波する検波回路と、該検波回路によって検波した検波信号に応じたベースバイアス電圧を前記増幅用バイポーラトランジスタのベースに印加するバイアス回路とを備えた電力増幅器において、
    前記バイアス回路は、バイアス電源と前記増幅用バイポーラトランジスタのベースとの間に互いに直列接続された2個の抵抗を備える構成とし、
    前記検波回路は、前記バイアス回路の2個の抵抗の間に設けられ前記バイアス電源から前記増幅用バイポーラトランジスタに向けてバイアス電流を流す検波用ダイオードと、該検波用ダイオードのアノードと前記増幅用バイポーラトランジスタの出力側との間に設けられ前記出力信号を該検波用ダイオードに導くインピーダンス回路と、前記検波用ダイオードのカソードとグランドとの間に設けられたバイパスコンデンサとによって構成したことを特徴とする電力増幅器。
  2. 前記インピーダンス回路は、一端側が前記検波用ダイオードのアノードに接続され、他端側が前記増幅用バイポーラトランジスタのコレクタに接続される構成としてなる請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 高周波信号を増幅する増幅用バイポーラトランジスタと、該増幅用バイポーラトランジスタの出力信号を検波する検波回路と、該検波回路によって検波した検波信号に応じたベースバイアス電圧を前記増幅用バイポーラトランジスタのベースに印加するバイアス回路とを備えた電力増幅器において、
    前記バイアス回路は、バイアス電源と前記増幅用バイポーラトランジスタのベースとの間に互いに直列接続された2個の抵抗を備える構成とし、
    前記検波回路は、前記バイアス回路の2個の抵抗の間にベースとエミッタが接続されると共にコレクタが電源に接続され前記バイアス電源から前記増幅用バイポーラトランジスタに向けてバイアス電流を流す検波用バイポーラトランジスタと、該検波用バイポーラトランジスタのベースと前記増幅用バイポーラトランジスタの出力側との間に設けられ前記出力信号を該検波用バイポーラトランジスタに導くインピーダンス回路と、前記検波用バイポーラトランジスタのエミッタとグランドとの間に設けられたバイパスコンデンサとによって構成したことを特徴とする電力増幅器。
  4. 前記インピーダンス回路は、一端側が検波用バイポーラトランジスタのベースに接続され、他端側が前記増幅用バイポーラトランジスタのコレクタに接続される構成としてなる請求項3に記載の電力増幅器。
  5. 前記インピーダンス回路は、前記出力信号から直流成分を除去する結合コンデンサと、該結合コンデンサに直列接続された抵抗とによって構成してなる請求項1ないし4のいずれかに記載の電力増幅器。
  6. 前記増幅用バイポーラトランジスタは、複数個並列に接続する構成としてなる請求項1ないし5のいずれかに記載の電力増幅器。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれかに記載の電力増幅器を用いた無線機。
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