第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態としての光データ伝送システム100の構成を示している。
この光データ伝送システム100は、データの送受信を行う複数、この実施の形態では4個のユニット110〜140と、これらのユニット110〜140を接続する光導波路150A,150B,160A,160Bと、光導波路に150A,150Bに所定の波長の光を入力する発光部170とを有している。
光導波路150A,150Bは、それぞれ、第1の光導波路を構成しており、複数のユニット110〜140を接続する。これらの光導波路150A,150Bは、それぞれ、データ情報を有しない、つまりデータ的にnull(無効)な、単一または複数の波長、この実施の形態では、4つの波長(λ1,λ2,λ3,λ4)の光を導波するリング状の光導波路である。これらの光導波路150A,150Bには、発光部170から、上述した4つの波長の光が供給される。ここで、データ的にnullな光とは、データ通信速度帯域からみて、データに影響を与えない光であればよく、連続光でもよく、高速に変調されている光でもよい。
光導波路160A,160Bは、それぞれ、第2の光導波路を構成しており、複数のユニット110〜140を接続する。これらの光導波路160A,160Bは、それぞれ、データ情報を有する単一または複数の波長、この実施の形態では4つの波長(λ1,λ2,λ3,λ4)の光を導波するリング状の光導波路である。
ユニット110〜140は、一つの半導体基板、あるいは一般の基板に配置されていてもよく、ディスクリート部材であってもよい。これらユニット110〜140がディスクリート部材である場合には、それぞれのユニット内の光導波路がユニット間に配置される光ファイバ等で接続されて上述した光導波路150A,150B,160A,160Bが構成される。この場合、ユニット内の光導波路とユニット間の光ファイバとの接続においては損失が生じることから、各ユニットは同一基板、より望ましくは同一の半導体基板に形成されている方が性能を引き出しやすい。この実施の形態では、光導波路150A,150B,160A,160B、およびユニット110〜140は、同一の半導体基板に形成される。
ここで、光導波路160Bは光導波路160Aの内側に配置されるものであるため、そのままでは、例えばユニット110とユニット140との間、およびユニット130とユニット120との間で、当該光導波路160Bは光導波路160Aより短くなり、これら光導波路160A,160Bの双方を用いてデータを伝送する際に、データスキューの問題が発生する。そこで、この実施の形態では、ユニット110とユニット140との間に距離調整部181が設けられ、またユニット130とユニット120との間に距離調整部182が設けられている。距離調整部181は、光導波路160Bを凸状に引き回し、ユニット110とユニット140との間で、光導波路160A,160Bの距離が等しくなるように調整する。同様に、距離調整部182は、光導波路160Bを凸状に引き回し、ユニット130とユニット120との間で、光導波路160A,160Bの距離が等しくなるように調整する。
ユニット110は、I/Oデバイス111、変調機能部112および受光機能部113を有している。変調機能部112は、少なくとも1つ以上の変調機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、6つの変調機能デバイス112Aa,112Ab,112Ac,112Ba,112Bb,112Bcを有している。また、受光機能部113は、少なくとも1つ以上の受光機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、2つの受光機能デバイス113A,113Bを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにそれぞれλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット110は、ユニット120にデータを送信するときはλ2の波長の光を使用し、ユニット130にデータを送信するときはλ3の波長の光を使用し、ユニット140にデータを送信するときはλ4の波長の光を使用する。変調機能デバイス112Aa,112Ab,112Acは、それぞれ、送信データTDAに基づいて、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ2,λ3,λ4の波長の光を導波する。変調機能デバイス112Ba,112Bb,112Bcは、それぞれ、送信データTDBに基づいて、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ2,λ3,λ4の波長の光を導波する。
また、ユニット110は、ユニット120、ユニット130またはユニット140からデータを受信するときはλ1の波長の光を使用する。受光機能デバイス113Aは、光導波路160Aからλ1の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス113Bは、光導波路160Bからλ1の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。
変調機能デバイス112Aa〜112Ac,112Ba〜112Bcおよび受光機能デバイス113A,113Bは、それぞれ、マイクロリング・リゾネータを応用した構成とされている。ここで、マイクロリング・リゾネータの基本原理を説明する。
図3には、直線状の光導波路201とリング状の光導波路202とが近接して配設されている。光導波路201で、例えばλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されてきた場合、導波路202の共振波長がλ2であるとすると、λ2の波長の光は光導波路202に閉じこめられ、光導波路201を導波する光から、λ2の波長の光が除かれる。
図4には、2本の互いに平行な直線状の光導波路211,212の間に、これらの光導波路211,212に近接してリング状の光導波路213が配設されている。光導波路211で例えばλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されてきた場合、光導波路213の共振波長がλ2であるとすると、この光導波路213によって光導波路211からλ2の波長の光が取り出されて光導波路212に導波される。
図5は、変調機能デバイス112Aaの構成例を示している。この変調機能デバイス112Aaは、光導波路150A,160Aの間に、3個のリング状光導波路11,12,13が直列的に配設された構成となっている。ここで、リング状光導波路11,13の共振波長はλ2に設定される。
リング状光導波路12は変調器(MOD)を構成しており、このリング状光導波路12に対応して、ユニット120に送信すべき送信データTDAによって駆動されるヒータ14が配設されている。このリング状光導波路12の共振波長は基本的にはλ2に設定されるが、例えば送信データTDの「1」または「0」のビットでは、ヒータ14の発熱によって、当該リング状光導波路12の屈折率が変化し、その共振波長はλ2からずれたものとなる。そのため、光導波路150Aからリング状光導波路11で取り出されたλ2の波長の光は、リング状光導波路12およびリング状光導波路13を通じて、光導波路160Aに、送信データTDAで変調された状態で導波される。
詳細説明は省略するが、変調機能デバイス112Ab,112Ac,112Ba〜112Bcも、上述した変調機能デバイス112Aaと同様の構成とされている。
図6は、受光機能デバイス113Aの構成例を示している。この受光機能デバイス113Aは、光導波路160Aに近接して配設されたリング状光導波路15と、このリング状光導波路15に近接して配設された円弧状の光導波路16と、この光導波路16で導波された光を受光する受光素子(PD)17とからなっている。リング状光導波路15の共振波長はλ1に設定される。
この場合、リング状光導波路15により、λ1の波長の光が、光導波路160Aから光導波路16に導波される。そして、この光導波路16に導波されたλ1の波長の光が受光素子17に供給され、この受光素子17から受信データRDAが得られる。
詳細説明は省略するが、受光機能デバイス113Bも、上述した受光機能デバイス113Aと同様の構成とされている。
図1に戻って、ユニット120は、I/Oデバイス121、変調機能部122および受光機能部123を有している。変調機能部122は、少なくとも1つ以上の変調機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、6つの変調機能デバイス122Aa,122Ab,122Ac,122Ba,122Bb,122Bcを有している。また、受光機能部123は、少なくとも1つ以上の受光機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、2つの受光機能デバイス123A,123Bを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにそれぞれλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット120は、ユニット130にデータを送信するときはλ3の波長の光を使用し、ユニット140にデータを送信するときはλ4の波長の光を使用し、ユニット110にデータを送信するときはλ1の波長の光を使用する。
変調機能デバイス122Aa,122Ab,122Acは、それぞれ、送信データTDAに基づいて、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ3,λ4,λ1の波長の光を導波する。変調機能デバイス122Ba,122Bb,122Bcは、それぞれ、送信データTDBに基づいて、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ3,λ4,λ1の波長の光を導波する。これらの変調機能デバイス122Aa〜122Ac,122Ba〜122Bcは、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット120は、ユニット130、ユニット140またはユニット110からデータを受信するときはλ2の波長の光を使用する。受光機能デバイス123Aは、光導波路160Aからλ2の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス123Bは、光導波路160Bからλ2の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。これらの受光機能デバイス123A,123Bは、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成される。
ユニット130は、I/Oデバイス131、変調機能部132および受光機能部133を有している。変調機能部132は、少なくとも1つ以上の変調機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、6つの変調機能デバイス132Aa,132Ab,132Ac,132Ba,132Bb,132Bcを有している。また、受光機能部133は、少なくとも1つ以上の受光機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、2つの受光機能デバイス133A,133Bを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにそれぞれλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット130は、ユニット140にデータを送信するときはλ4の波長の光を使用し、ユニット110にデータを送信するときはλ1の波長の光を使用し、ユニット120にデータを送信するときはλ2の波長の光を使用する。
変調機能デバイス132Aa,132Ab,132Acは、それぞれ、送信データTDAに基づいて、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ4,λ1,λ2の波長の光を導波する。変調機能デバイス132Ba,132Bb,132Bcは、それぞれ、送信データTDBに基づいて、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ4,λ1,λ2の波長の光を導波する。これらの変調機能デバイス132Aa〜132Ac,132Ba〜132Bcは、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット130は、ユニット140、ユニット110またはユニット120からデータを受信するときはλ3の波長の光を使用する。受光機能デバイス133Aは、光導波路160Aからλ3の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス133Bは、光導波路160Bからλ3の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。これらの受光機能デバイス133A,133Bは、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成される。
ユニット140は、I/Oデバイス141、変調機能部142および受光機能部143を有している。変調機能部142は、少なくとも1つ以上の変調機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、6つの変調機能デバイス142Aa,142Ab,142Ac,142Ba,142Bb,142Bcを有している。また、受光機能部143は、少なくとも1つ以上の受光機能デバイス、この実施の形態では、図2に示すように、2つの受光機能デバイス143A,143Bを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにそれぞれλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット140は、ユニット110にデータを送信するときはλ1の波長の光を使用し、ユニット120にデータを送信するときはλ2の波長の光を使用し、ユニット130にデータを送信するときはλ3の波長の光を使用する。
変調機能デバイス142Aa,142Ab,142Acは、それぞれ、送信データTDAに基づいて、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ1,λ2,λ3の波長の光を導波する。変調機能デバイス142Ba,142Bb,142Bcは、それぞれ、送信データTDBに基づいて、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ1,λ2,λ3の波長の光を導波する。これらの変調機能デバイス142Aa〜142Ac,142Ba〜142Bcは、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット140は、ユニット110、ユニット120またはユニット130からデータを受信するときはλ4の波長の光を使用する。受光機能デバイス143Aは、光導波路160Aからλ4の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス143Bは、光導波路160Bからλ4の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。これらの受光機能デバイス143A,143Bは、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成される。
上述したように、ユニット110の変調機能デバイス112Aa,112Baは、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、ユニット120に送信するためのλ2の波長の光を、送信データTDA,TDBに応じて導波するためのものである。また、ユニット140の変調機能デバイス142Ab,142Bbは、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、ユニット120に送信するためのλ2の波長の光を導波するためのものである。また、ユニット130の変調機能デバイス132Ac,132Bcは、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、ユニット120に送信するためのλ2の波長の光を導波するためのものである。そして、ユニット120の受光機能デバイス123A,123Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ2の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得るためのものである。
ここで、変調機能デバイス112Aa,112Baの間隔D1、変調機能デバイス142Ab,142Bbの間隔D4、および変調機能デバイス132Ac,132Bcの間隔D3は、それぞれ、受光機能デバイス123A,123Bの間隔D2と等しくされる。これにより、上述した距離調整部181,182と相俟って、ユニット120に光導波路160A,160Bの双方を用いて他のユニットからデータを伝送する際に双方の伝送距離が等しくなり、データスキューの発生が防止される。
なお、ユニット110,130,140へのデータ伝送に係る部分においても同様に構成され、データスキューの発生が防止される。すなわち、変調機能デバイス142Aa,142Baの間隔、変調機能デバイス132Ab,132Bbの間隔、および変調機能デバイス122Ac,122Bcの間隔は、それぞれ、受光機能デバイス113A,113Bの間隔と等しくされ、ユニット110に光導波路160A,160Bの双方を用いて他のユニットからデータを伝送する際のデータスキューの発生が防止される。
また、変調機能デバイス132Aa,132Baの間隔、変調機能デバイス122Ab,122Bbの間隔、および変調機能デバイス112Ac,112Bcの間隔は、それぞれ、受光機能デバイス143A,143Bの間隔と等しくされ、ユニット140に光導波路160A,160Bの双方を用いて他のユニットからデータを伝送する際のデータスキューの発生が防止される。また、変調機能デバイス122Aa,122Baの間隔、変調機能デバイス112Ab,112Bbの間隔、および変調機能デバイス142Ac,142Bcの間隔は、それぞれ、受光機能デバイス133A,133Bの間隔と等しくされ、ユニット130に光導波路160A,160Bの双方を用いて他のユニットからデータを伝送する際のデータスキューの発生が防止される。
次に、光導波路150A,150B,160A,160B、さらには上述した各ユニットの変調機能デバイスおよび受光機能デバイスを構成する光導波路の形成方法について説明する。
光導波路150A,150B,160A,160Bは、基板の表面直下にSIMOX光導波路(埋め込み光導波路)として形成される。また、変調機能デバイスに関しては、変調器を構成するリング状光導波路12は基板の表面直下にSIMOX光導波路として形成され、他のリング状光導波路11,13は基板表面にリッジ型光導波路として形成される(図5参照)。また、受光機能デバイスに関しては、リング状光導波路15は基板表面にリッジ型光導波路として形成され、円弧状の光導波路16は基板の表面直下にSIMOX光導波路として形成される(図6参照)。
図7は、SIMOX光導波路として形成される光導波路を破線で示し、リッジ型光導波路として形成される光導波路を太実線で示している。なお、図7には、ユニット120〜140の部分については、ユニット110の部分と同様であることから、図示を省略している。
上述したように、各光導波路を、選択的に、SIMOX光導波路またはリッジ型光導波路として形成することで、平面的に見て2つの光導波路が交差する部分であっても、当該2つの光導波路がぶつかることなく良好に形成できる。例えば、図7に示すように、光導波路160Bと変調機能デバイス112Aa〜112Acのリング状光導波路13とは平面的に見ると交差しているが、光導波路160BがSIMOX光導波路として形成され、一方リング状光導波路13はリッジ型光導波路として形成されるため、これらは深さ方向に離れて形成されるため、互いにぶつかることはない。また例えば、図7に示すように、光導波路150Aと変調機能デバイス112Ba〜112Bcのリング状光導波路11とは平面的に見ると交差しているが、光導波路150AがSIMOX光導波路として形成され、一方リング状光導波路11はリッジ型光導波路として形成されるため、これらは深さ方向に離れて形成されるため、互いにぶつかることはない。
なお、上述したように、SIMOX光導波路とリッジ型光導波路とが交差する部分では、これらの光導波路が直交するようになされる。これにより、これらの光導波路の間で光が導波されることを防止できる。図8Aは、SIMOX光導波路とリッジ型光導波路との交差部分を示しており、図8Bはそのa−a′線の基板断面を示しており、図8Cはそのb−b′線の基板断面を示している。これらの光導波路の製造工程については、後述する。
また、図7に示すように、光導波路と電気配線とが交差する部分(例えば、光導波路160A,160BとI/Oデバイス111から変調機能デバイスのリング状光導波路12のヒータ14(図5参照)に送信データを供給するための電気配線とが交差する部分など)では、光導波路はSIMOX光導波路として形成される。この場合、電気配線に光導波路が邪魔になることがなく、電気配線のレイアウトも容易となる。
光導波路150A,150B,160A,160B、および各ユニットの変調機能デバイスおよび受光機能デバイスを構成する光導波路の製造工程を説明する。この製造工程には、以下の、SIMOX光導波路の製造工程と、その後のリッジ型光導波路の製造工程が含まれる。
図9を参照して、リッジ型光導波路の製造工程を説明する。
まず、図9Aに示すように、SOI(Silicon On Insulator)基板20を用意する。このSOI基板20は、シリコン基板21に、絶縁物(ボックス)22、例えばシリコン酸化膜を介して、シリコン単結晶膜(アクティブシリコン層)23が形成されたものである。
次に、図9Bに示すように、シリコン単結晶膜23上にレジスト膜24を塗布し、そして、パターニングを行って、図9Cに示すように、光導波路パターンに対応したレジストパターン25を生成する。
次に、レジストパターン25をマスクにして、RIE(Reactive Ion Etching)を行って、図9Dに示すように、リッジ型光導波路26を形成する。なお、レジストパターン25は、エッチング後に除去される。
図10を参照して、SIMOX光導波路の製造工程を説明する。
まず、図10Aに示すように、SOI基板30を用意する。このSOI基板30は、シリコン基板31に、絶縁物(ボックス)32、例えばシリコン酸化膜を介して、シリコン単結晶膜(アクティブシリコン層)33が形成されたものである。
次に、図10Bに示すように、熱酸化により、シリコン単結晶膜33の表面にシリコン酸化膜34を形成する。そして、パターニングを行って、図10Cに示すように、二酸化シリコンからなる、光導波路パターンに対応したマスクを35を形成する。
次に、図10Dに示すように、シリコン単結晶膜33上にマスク35が配置された状態で、酸素イオンを注入する。この場合、マスク35が配置された部分ではこのマスク35でイオン速度が減速されるため酸素イオンが浅く注入され、一方マスク35が配置されていない部分では酸素イオンが深く注入される。
次に、図10Eに示すように、シリコン単結晶膜33に酸素イオンが注入されたSOI基板30に高温アニール処理を施し、注入された酸素イオンとシリコンとを反応させて、シリコン単結晶膜33内にシリコン酸化膜36を生成し、SIMOX光導波路37を形成する。なお、マスク35は、アニール処理前またはアニール処理後、あるいはアニール処理の一部の処理後に除去される。
図11を参照して、光導波路150A,150B,160A,160B、および各ユニットの変調機能デバイスおよび受光機能デバイスを構成する光導波路の製造工程を説明する。
まず、図11Aに示すように、SOI基板40を用意する。このSOI基板40は、シリコン基板41に、絶縁物(ボックス)42、例えばシリコン酸化膜を介して、シリコン単結晶膜(アクティブシリコン層)43が形成されたものである。
次に、図11Bに示すように、熱酸化により、シリコン単結晶膜43の表面にシリコン酸化膜44を形成する。そして、パターニングを行って、図10Cに示すように、二酸化シリコンからなる、SIMOX光導波路として形成すべき光導波路のパターンに対応したマスクを45を形成する。
次に、図11Dに示すように、シリコン単結晶膜43上にマスク45が配置された状態で、酸素イオンを注入する。この場合、マスク45が配置された部分ではこのマスク45でイオン速度が減速されるため酸素イオンが浅く注入され、一方マスク45が配置されていない部分では酸素イオンが深く注入される。
次に、図11Eに示すように、シリコン単結晶膜43に酸素イオンが注入されたSOI基板40に高温アニール処理を施し、注入された酸素イオンとシリコンとを反応させて、シリコン単結晶膜43内にシリコン酸化膜46を生成し、SIMOX光導波路47を形成する。なお、マスク45は、アニール処理前またはアニール処理後、あるいはアニール処理の一部の処理後に除去される。
次に、図11Fに示すように、シリコン単結晶膜43上にレジスト膜48を塗布し、そして、パターニングを行って、図11Gに示すように、リッジ型光導波路として形成すべき光導波路のパターンに対応したレジストパターン49を生成する。
次に、レジストパターン49をマスクにして、RIE(Reactive Ion Etching)を行って、図11Hに示すように、リッジ型光導波路50を形成する。なお、レジストパターン49は、エッチング後に除去される。
上述したように、光導波路150A,150B,160A,160Bは、SIMOX光導波路として、基板の表面直下に形成される。これら光導波路150A,150B,160A,160Bは、ユニット110〜140を接続するものであり、シリコンチップの広いエリアを横切る可能性があるが、上述したようにSIMOX光導波路として形成されることで、より多くのシリコン表面を電気回路に充当させることができるので、有利である。
なお、上述ではSIMOX光導波路の上にリッジ型光導波路を形成するものを示したが、リッジ型光導波路の上にリッジ型光導波路を形成することで、深さ方向に離れた光導出波路を実現することもできる。
図12を参照して、その場合における、光導波路150A,150B,160A,160B、および各ユニットの変調機能デバイスおよび受光機能デバイスを構成する光導波路の製造工程を説明する。
まず、図12Aに示すように、SOI基板60を用意する。このSOI基板60は、シリコン基板61に、絶縁物(ボックス)62、例えばシリコン酸化膜を介して、シリコン単結晶膜(アクティブシリコン層)63が形成されたものである。
次に、図12Bに示すように、シリコン単結晶膜63上にレジスト膜64を塗布し、そして、パターニングを行って、図12Cに示すように、光導波路(上述ではSIMOX光導波路として形成すべきとしていた光導波路)のパターンに対応したレジストパターン65を生成する。
次に、レジストパターン65をマスクにして、RIE(Reactive Ion Etching)を行って、図12Dに示すように、リッジ型光導波路66を形成する。なお、レジストパターン25は、エッチング後に除去される。
次に、図12Eに示すように、リッジ型光導波路66を覆うように、シリコン単結晶膜63上にシリコン酸化膜67を形成し、そして、図12Fに示すように、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によりシリコン酸化膜67の表面を平坦化する。
次に、図12Gに示すように、シリコン酸化膜67上にシリコン単結晶膜68を形成する。そして、図12Hに示すように、シリコン単結晶膜68上にレジスト膜69を塗布し、そして、パターニングを行って、図12Iに示すように、光導波路(上述ではリッジ型光導波路として形成すべきとしていた光導波路)のパターンに対応したレジストパターン70を生成する。
次に、レジストパターン70をマスクにして、RIE(Reactive Ion Etching)を行って、図12Jに示すように、リッジ型光導波路71を形成する。なお、レジストパターン70は、エッチング後に除去される。
このようにリッジ型光導波路の上にリッジ型光導波路を形成する場合にあっては平坦化の工程が必要となるが、上述したようにSIMOX光導波路の上にリッジ型光導波路を形成する場合にあっては平坦化の工程を有せず、工程が簡素となる。
図2に示す光データ伝送システム100の動作を説明する。ここでは、ユニット110から、ユニット120,130,140にデータを送信する場合を例にとって説明する。
まず、ユニット110からユニット120にデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110のデバイス111から変調機能デバイス112Aaに、送信データTDAが供給される。これにより、変調機能デバイス112Aaにより、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ2の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。またこの場合、ユニット110のデバイス111から変調機能デバイス112Baに、送信データTDBが供給される。これにより、変調機能デバイス112Baにより、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ2の波長の光が、送信データTDBで変調された状態で導波される。
そしてこの場合、ユニット120の受光機能デバイス123A,123Bでは、それぞれ、光導波路160A、160Bからλ2の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述の送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られ、この受信データRDA,RDBがデバイス121に供給される。
次に、ユニット110からユニット130にデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110のデバイス111から変調機能デバイス112Abに、送信データTDAが供給される。これにより、変調機能デバイス112Abにより、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ3の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。またこの場合、ユニット110のデバイス111から変調機能デバイス112Bbに、送信データTDB供給される。これにより、変調機能デバイス112Bbにより、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ3の波長の光が、送信データTDBで変調された状態で導波される。
そしてこの場合、ユニット130の受光機能デバイス133A,133Bでは、それぞれ、光導波路160A、160Bからλ3の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られ、この受信データRDA,RDBがデバイス131に供給される。
次に、ユニット110からユニット140にデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110のデバイス111から変調機能デバイス112Acに、送信データTDAが供給される。これにより、変調機能デバイス112Acにより、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ4の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。またこの場合、ユニット110のデバイス111から変調機能デバイス112Bcに、送信データTDBが供給される。これにより、変調機能デバイス112Bcにより、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ4の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。
そしてこの場合、ユニット140の受光機能デバイス143A,143Bでは、それぞれ、光導波路160A、160Bからλ4の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られ、この受信データRDA,RDBがデバイス141に供給される。
説明は省略するが、ユニット120,130,140から他のユニットにデータを送信する場合の動作も、上述したユニット110から他のユニットにデータを送信する場合と同様である。
図2に示す光データ伝送システム100によれば、各ユニットは光導波路150A,150Bで導波されているλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光を用いて、送信データに対応した所定の波長の変調光を得るものであり、当該各ユニットは発光素子を備える必要がなく、従って安価かつ簡単に構成できる。
また、各ユニットの変調機能デバイスが光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに導波する光は、通信をする他のユニットに応じた波長の光とされ、当該他のユニットで当該波長の光を取り出すようになされているので、送信データに送信先のユニットを示すアドレスを付加しておく必要がなく、送信データのヘッダ部のデータエリアを縮小でき、実質的なデータ転送レートを高めることができる。
また、送信先のユニットに応じた波長の光を用いて通信を行うものであり、送信先が異なる複数のデータ通信を並行して行うことができ、データ伝送密度を極めて高くできる。例えば、ユニット110からユニット120へのデータ送信、ユニット110からユニット130へのデータ送信、およびユニット110からユニット140へのデータ送信を並行して行うことができる。
また、各ユニットは他のユニットにデータを送る際、2本の光導波路160A,160Bを使用でき、1本の光導波路を用いるものに比べて、通信容量を増加できる。
なお、図2に示す光データ伝送システム100においては、データ情報を有しない、つまりデータ的にnull(無効)な4つの波長(λ1,λ2,λ3,λ4)の光を導波する光導波路として、2本の光導波路150A,150Bを備えるものを示している。この理由は、例えば、光導波路160A,160Bにそれぞれ接続される変調機能デバイスを同時に動作させた場合におけるデータのクロストークを軽減するためである。
しかし、データ的にnullな光が導波する光導波路を導波する光の量が極めて大きく、光導波路160A,160Bにそれぞれ接続される変調機能デバイスを同時に動作させた場合であってもデータのクロストークを無視できるときには、データ的にnullな光が導波する光導波路を複数本とする必要はない。
次に、この発明の第2の実施の形態を説明する。図13は、第2の実施の形態としての光データ伝送システム100Aの構成を示している。この図13において、図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この光データ伝送システム100Aは、図2に示す光データ伝送システム100のユニット110〜140の代わりに、ユニット110A〜140Aを有している。
ユニット110Aは、変調機能部として、2つの変調機能デバイス114A,114Bを有しており、その他はユニット110と同様の構成とされている。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット110Aは、ユニット120Aにデータを送信するときはλ2の波長の光を使用し、ユニット130Aにデータを送信するときはλ3の波長の光を使用し、ユニット140Aにデータを送信するときはλ4の波長の光を使用する。変調機能デバイス114A,114Bは、それぞれ、送信データに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ2,λ3またはλ4の光を導波する。
変調機能デバイス114Aは、上述したマイクロリング・リゾネータを応用した構成とされている。図14は、変調機能デバイス114Aの構成例を示している。
この変調機能デバイス114Aは、光導波路150A,160Aの間に、3個のリング状光導波路81,82,83が直列的に配設された構成となっている。リング状光導波路83は、その共振波長にλ2,λ3,λ4を含むように設定されている。
リング状光導波路81は、波長調整機構(チューナTUN)を有している。すなわち、このリング状光導波路81に対応して、デバイス111からの制御データCDによって駆動されるヒータ84が配設される。このリング状光導波路81の共振波長は、ヒータ84の発熱によって当該リング状光導波路81の屈折率を変化させることで、データを送信すべきユニットに応じた波長とされる。例えば、このリング状光導波路81の共振波長は、ユニット120Aにデータを送信する場合にはλ2とされ、ユニット130Aにデータを送信する場合にはλ3とされ、ユニット140Aにデータを送信する場合にはλ4とされる。
リング状光導波路82は変調器(MOD)を構成しており、このリング状光導波路82に対応して、送信データTDAによって駆動されるヒータ85が配設されている。このリング状光導波路82はその共振波長にλ2,λ3,λ4を含むように設定されるが、例えば送信データTDAの「1」または「0」のビットでは、ヒータ85の発熱によって、当該リング状光導波路82の屈折率が変化し、その共振波長は設定値からずれたものとなる。そのため、光導波路150Aからリング状光導波路81で取り出されたλ2,λ3またはλ4の波長の光は、リング状光導波路82,83を通じて光導波路160Aに、送信データTDAで変調された状態で導波される。
変調機能デバイス114Bは、上述した変調機能デバイス114A(図14参照)と同様に構成されている。
ユニット120Aは、変調機能部として、2つの変調機能デバイス124A,124Bを有しており、その他はユニット120と同様の構成とされている。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット120Aは、ユニット130Aにデータを送信するときはλ3の波長の光を使用し、ユニット140Aにデータを送信するときはλ4の波長の光を使用し、ユニット110Aにデータを送信するときはλ1の波長の光を使用する。変調機能デバイス124A,124Bは、それぞれ、送信データに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ3,λ4またはλ1の波長の光を導波する。変調機能デバイス124A,124Bは、それぞれ、上述した変調機能デバイス114A(図14参照)と同様に構成されている。
ユニット130Aは、変調機能部として、2つの変調機能デバイス134A,134Bを有しており、その他はユニット130と同様の構成とされている。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット130Aは、ユニット140Aにデータを送信するときはλ4の波長の光を使用し、ユニット110Aにデータを送信するときはλ1の波長の光を使用し、ユニット120Aにデータを送信するときはλ2の波長の光を使用する。変調機能デバイス134A,134Bは、それぞれ、送信データに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ4,λ1またはλ2の波長の光を導波する。変調機能デバイス134A,134Bは、それぞれ、上述した変調機能デバイス114A(図14参照)と同様に構成されている。
ユニット140Aは、変調機能部として、2つの変調機能デバイス144A,144Bを有しており、その他はユニット140と同様の構成とされている。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット140Aは、ユニット110Aにデータを送信するときはλ1の波長の光を使用し、ユニット120Aにデータを送信するときはλ2の波長の光を使用し、ユニット130Aにデータを送信するときはλ3の波長の光を使用する。変調機能デバイス144A,144Bは、それぞれ、送信データに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ1,λ2またはλ3の波長の光を導波する。変調機能デバイス144A,144Bは、それぞれ、上述した変調機能デバイス114(図14参照)と同様に構成されている。
図13に示す光データ伝送システム100Aの動作を説明する。ここでは、ユニット110Aから、ユニット120A,130A,140Aにデータを送信する場合を例にとって説明する。
まず、ユニット110Aからユニット120Aにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114A,114Bに、それぞれ、リング状光導波路81の共振波長をλ2とするための制御データCDが供給される。また、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114Aに、送信データTDAが供給される。これにより、変調機能デバイス114Aにより、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ2の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。また、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114Bに、送信データTDBが供給される。これにより、変調機能デバイス114Bにより、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ2の波長の光が、送信データTDBで変調された状態で導波される。
そしてこの場合、ユニット120Aの受光機能デバイス123A,123Bでは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ2の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られ、この受信データRDA,RDBがデバイス121に供給される。
次に、ユニット110Aからユニット130Aにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114A,114Bに、それぞれ、リング状光導波路81の共振波長をλ3とするための制御データCDが供給される。また、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114Aに、送信データTDAが供給される。これにより、変調機能デバイス114Aにより、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ3の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。また、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114Bに、送信データTDBが供給される。これにより、変調機能デバイス114Bにより、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ3の波長の光が、送信データTDBで変調された状態で導波される。
そしてこの場合、ユニット130Aの受光機能デバイス133A,133Bでは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ3の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られ、この受信データRDA,RDBがデバイス131に供給される。
次に、ユニット110Aからユニット140Aにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114A,114Bに、それぞれ、リング状光導波路81の共振波長をλ4とするための制御データCDが供給される。また、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114Aに、送信データTDAが供給される。これにより、変調機能デバイス114Aにより、光導波路150Aから光導波路160Aに、λ4の波長の光が、送信データTDAで変調された状態で導波される。また、ユニット110Aのデバイス111から変調機能デバイス114Bに、送信データTDBが供給される。これにより、変調機能デバイス114Bにより、光導波路150Bから光導波路160Bに、λ4の波長の光が、送信データTDBで変調された状態で導波される。
そしてこの場合、ユニット140Aの受光機能デバイス143A,143Bでは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ4の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られ、この受信データRDA,RDBがデバイス141に供給される。
説明は省略するが、ユニット120A,130A,140Aから他のユニットにデータを送信する場合の動作も、上述したユニット110Aから他のユニットにデータを送信する場合と同様である。
図13に示す光データ伝送システム100Aによれば、図2に示す光データ伝送システム100と同様の効果を得ることができる他、各ユニットの変調機能部を構成する変調機能デバイスの個数を2つで構成でき、回路構成を簡単にできる。
なお、図13に示す光データ伝送システム100Aによれば、各ユニットの変調機能部を構成する変調機能デバイスの個数を2つ、つまり一対としたものであるが、一対の変調機能デバイスを図5に示すような構成として1つの波長に対応させ、もう一対の変調機能デバイスを図14に示すような構成として2つの波長に対応させ、各ユニットの変調機能部を合計2対(4つ)の変調機能デバイスで構成することもできる。一般に、n個のユニットで構成される光データ伝送システムでは、図14に示すような構成の変調機能デバイスを用いることで、各ユニットの変調機能部を(n−1)対より少ない変調機能デバイスで構成でき、回路構成を簡単にできる。
また、図13に示す光データ伝送システム100Aによれば、各ユニットの変調機能部を構成する変調機能デバイスの個数を一対(2つ)としたものであるが、同一の変調機能デバイスをもう一対備えることで、波長調整に時間がかかる場合における待機時間を短縮できる。
次に、この発明の第3の実施の形態を説明する。図15は、第3の実施の形態としての光データ伝送システム100Bの構成を示している。この図15において、図13と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この光データ伝送システム100Bは、図13に示す光データ伝送システム100Aのユニット110A〜140Aの代わりに、ユニット110B〜140Bを有している。
ユニット110Bは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス115A,115Bを有しており、その他はユニット110Bと同様の構成とされている。
ここで、ユニット110Bは、ユニット120B、ユニット130Bまたはユニット140Bからデータを受信するときはλ1の波長の光を使用する。受光機能デバイス115A,115Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。
受光機能デバイス115Aは、上述したマイクロリング・リゾネータを応用した構成とされている。図16は、受光機能デバイス115Aの構成例を示している。この受光機能デバイス115Aは、光導波路160Aに近接して配設されたリング状光導波路86と、このリング状光導波路86に近接して配設された円弧状の光導波路87と、この光導波路87で導波された光を受光する受光素子(PD)88とからなっている。
ここで、リング状光導波路86は、波長調整機構(チューナTUN)を有している。すなわち、このリング状光導波路86に対応して、デバイス111からの制御データCDによって駆動されるヒータ89が配設される。このリング状光導波路86の共振波長は、ヒータ89の発熱によって当該リング状光導波路86の屈折率を変化させることで、ユニット110Bに応じた波長、この実施の形態ではλ1の波長とされる。
この場合、リング状光導波路86により、λ1の波長の光が、光導波路160Aから光導波路87に導波される。そして、この光導波路87に導波されたλ1の波長の光が受光素子88に供給され、この受光素子88から受信データRDAが得られる。
受光機能デバイス115Bは、上述した受光機能デバイス115Aと同様に構成されている。
ユニット120Bは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス125A,125Bを有しており、その他はユニット120Aと同様の構成とされている。ここで、ユニット120Bは、ユニット130B、ユニット140Bまたはユニット110Bからデータを受信するときはλ2の波長の光を使用する。受光機能デバイス125A,125Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ2の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス125A,125Bは、それぞれ、上述した受光機能デバイス115A(図16参照)と同様に構成されている。
ユニット130Bは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス135A,135Bを有しており、その他はユニット130Aと同様の構成とされている。ここで、ユニット130Bは、ユニット140B、ユニット110Bまたはユニット120Bからデータを受信するときはλ3の波長の光を使用する。受光機能デバイス135A,135Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ3の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス135A,135Bは、それぞれ、上述した受光機能デバイス115A(図16参照)と同様に構成されている。
ユニット140Bは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス145A,145Bを有しており、その他はユニット140Aと同様の構成とされている。ここで、ユニット140Bは、ユニット110B、ユニット120Bまたはユニット130Bからデータを受信するときはλ4の波長の光を使用する。受光機能デバイス145A,145Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ4の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス145A,145Bは、それぞれ、上述した受光機能デバイス115A(図16参照)と同様に構成されている。
図15に示す光データ伝送システム100Bの動作は、上述した図13に示す光データ伝送システム100Aと同様であるのでその説明は省略する。
この図15に示す光データ伝送システム100Bによれば、図13に示す光データ伝送システム100Aと同様の効果を得ることができる他、各ユニットの受光機能部を構成する受光機能デバイスが光導波路160A,160Bから取り出す光の波長を調整する波長調整機構を備えるものであり、ユニットの増加を行う場合等、システムの拡張性が要求される場合において、既存の受光機能デバイスの共振波長との競合を回避できる。
次に、この発明の第4の実施の形態を説明する。図17は、第4の実施の形態としての光データ伝送システム100Cの構成を示している。この図17において、図15と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この光データ伝送システム100Cは、図15に示す光データ伝送システム100Bのユニット110B〜140Bの代わりに、ユニット110C〜140Cを有している。
ユニット110Cは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス116A,116Bを有しており、その他はユニット110Bと同様の構成とされている。
ここで、ユニット110Cは、ユニット120C、ユニット130Cまたはユニット140Cからデータを受信するときはλ1の波長の光を使用する。受光機能デバイス116A,116Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。
受光機能デバイス116Aは、上述したマイクロリング・リゾネータを応用した構成とされている。図18は、受光機能デバイス116Aの構成例を示している。この受光機能デバイス116Aは、光導波路160Aに近接して配設されたリング状光導波路91と、このリング状光導波路91に近接して配設されたリング状光導波路92と、このリング状光導波路92に近接して配設された円弧状の光導波路93と、この光導波路93で導波された光を受光する受光素子(PD)94とからなっている。
ここで、リング状光導波路91は、波長調整機構(チューナTUN)を有している。すなわち、このリング状光導波路91に対応して、デバイス111からの制御データCD1によって駆動されるヒータ95が配設される。このリング状光導波路91の共振波長は、ヒータ95の発熱によって当該リング状光導波路91の屈折率を変化させることで、ユニット110Cに応じた波長、この実施の形態ではλ1の波長とされる。
また、リング状光導波路92は、取り出す光の比率を調整する比率調整機構(アッテネータATT)を有している。すなわち、このリング状光導波路92に対応して、デバイス111からの制御データCD2によって駆動されるヒータ96が配設される。このリング状光導波路92の共振波長を、ヒータ96の発熱によって当該リング状光導波路92の屈折率を変化させることで、ユニット110Cに応じた波長、この実施の形態ではλ1の波長からずらすことができる。
この場合、リング状光導波路91,92により、λ1の波長の光が、光導波路160Aから光導波路93に、所定の比率で導波される。そして、この光導波路93に導波されたλ1の波長の光が受光素子94に供給され、この受光素子94から受信データRDAが得られる。
受光機能デバイス116Bは、上述した受光機能デバイス116Aと同様に構成されている。
ユニット120Cは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス126A,126Bを有しており、その他はユニット120Bと同様の構成とされている。ここで、ユニット120Cは、ユニット130C、ユニット140Cまたはユニット110Cからデータを受信するときはλ2の波長の光を使用する。受光機能デバイス126A,126Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ2の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス126A,126Bは、それぞれ、上述した受光機能デバイス116A(図18参照)と同様に構成されている。
ユニット130Cは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス136A,136Bを有しており、その他はユニット130Bと同様の構成とされている。ここで、ユニット130Cは、ユニット140C、ユニット110Cまたはユニット120Cからデータを受信するときはλ3の波長の光を使用する。受光機能デバイス136A,136Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ3の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス136A,136Bは、それぞれ、上述した受光機能デバイス116A(図18参照)と同様に構成されている。
ユニット140Cは、受光機能部として、2つの受光機能デバイス146A,146Bを有しており、その他はユニット140Bと同様の構成とされている。ここで、ユニット140Cは、ユニット110C、ユニット120Cまたはユニット130Cからデータを受信するときはλ4の波長の光を使用する。受光機能デバイス146A,146Bは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ4の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス146A,146Bは、それぞれ、上述した受光機能デバイス116A(図18参照)と同様に構成されている。
図17に示す光データ伝送システム100Cの動作は、上述した図15に示す光データ伝送システム100Bと同様であるのでその説明は省略する。
この図17に示す光データ伝送システム100Cによれば、図15に示す光データ伝送システム100Bと同様の効果を得ることができる。さらに、この図17に示す光データ伝送システム100Cによれば、各ユニットの受光機能デバイスが比率調整機構を有しているので、例えば、所定ユニットから他の全てのユニットに同一データを送るブロードキャスト型のデータ通信を良好に行うことが可能となる。
例えば、ユニット110Cから他のユニット120C,130C,140Cに同一データを送る場合、ユニット120C,130C,140Cの受光機能デバイス(126A,126B),(136A,136B),(146A,146B)は、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光を取り出すように、波長調整機構により調整される。そして、受光機能デバイス(146A,146B),(136A,136B),(126A,126B)は、それぞれ、比率調整機構により光導波路160A,160Bで導波されるλ1の波長の光を、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように調整される。これにより、ユニット120C,130C,140Cの受光機能デバイス(126A,126B),(136A,136B),(146A,146B)は、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光を取り出すことができ、ユニット110Cから送信されたデータを得ることができる。
次に、この発明の第5の実施の形態を説明する。図19は、第5の実施の形態としての光データ伝送システム100Dの構成を示している。この図19において、図2と対応する部分には同一符号を付して示している。
この光データ伝送システム100Dは、図2に示す光データ伝送システム100Aのユニット110A〜140Aの代わりに、ユニット110D〜140Dを有している。
ユニット110Dは、変調機能部として2つの変調機能デバイス117A,117Bを有しており、受光機能部として8つの受光機能デバイス118Aa〜118Ad,118Ba〜118Bdを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット110Dは、他のユニットにデータを送信するときはλ1の波長の光を使用する。変調機能デバイス117A,117Bは、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ1の波長の光を導波する。変調機能デバイス117A,117Bは、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット110Dは、ユニット120Dからデータを受信するときはλ2の波長の光を使用し、ユニット130Dからデータを受信するときはλ3の波長の光を使用し、ユニット140Dからデータを受信するときはλ4の波長の光を使用する。受光機能デバイス118Aa,118Ab,118Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ2,λ3,λ4の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス118Ba,118Bb,118Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ2,λ3,λ4の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。
受光機能デバイス118Aa〜118Ac,118Ba〜118Bcは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。ただし、受光機能デバイス118Aa,118Ab,118Acは、光導波路160Aで導波されているλ2,λ3,λ4の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。また同様に、受光機能デバイス118Ba,118Bb,118Bcは、光導波路160Bで導波されているλ2,λ3,λ4の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。これにより、ユニット120Dからのλ2の波長の光を、下流のユニット140D,130Dで取り出すことが可能となり、またユニット130Dからのλ3の波長の光を、下流のユニット140Dで取り出すことが可能となる。
なお、受光機能デバイス118Ad,118Bdは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光を取り出して除去する。受光機能デバイス118Ad,118Bdは、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されており、それぞれ、光導波路160A,160Bで導波されているλ1の波長の光を全て取り出すように設定される。ユニット110Dの変調機能デバイス117A,117Bにより光導波路160A,160Bにそれぞれ導波された光は、この光導波路160A,160Bを一周して当該ユニット110Dの接続箇所に戻ってくる。上述したように受光機能デバイス118Ad,118Bdによって光導波路160A,160Bからλ1の波長の光が取り出されることで、次に変調機能デバイス117A,117Bにより光導波路160A,160Bに導波されるλ1の波長の光に対するクロストークを抑制することができる。
ユニット120Dは、変調機能部として2つの変調機能デバイス127A,127Bを有しており、受光機能部として8つの受光機能デバイス128Aa〜128Ad,128Ba〜128Bdを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット120Dは、他のユニットにデータを送信するときはλ2の波長の光を使用する。変調機能デバイス127A,127Bは、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ2の波長の光を導波する。変調機能デバイス127A,127Bは、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット120Dは、ユニット130Dからデータを受信するときはλ3の波長の光を使用し、ユニット140Dからデータを受信するときはλ4の波長の光を使用し、ユニット110Dからデータを受信するときはλ1の波長の光を使用する。受光機能デバイス128Aa,128Ab,128Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ3,λ4,λ1の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス128Ba,128Bb,128Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ3,λ4,λ1の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。
受光機能デバイス128Aa〜128Ac,128Ba〜128Bcは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。ただし、受光機能デバイス128Aa,128Ab,128Acは、光導波路160Aで導波されているλ3,λ4,λ1の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。同様に、受光機能デバイス128Ba,128Bb,128Bcは、光導波路160Bで導波されているλ3,λ4,λ1の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。これにより、ユニット130Dからのλ3の波長の光を、下流のユニット110D,140Dで取り出すことが可能となり、またユニット140Dからのλ4の波長の光を、下流のユニット110Dで取り出すことが可能となる。
なお、受光機能デバイス128Ad,128Bdは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ2の波長の光を取り出して除去する。受光機能デバイス128Ad,128Bdは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されており、光導波路160A,160Bで導波されているλ2の波長の光を全て取り出すように設定される。ユニット120Dの変調機能デバイス127A,127Bによって光導波路160A,160Bに導波された光は、この光導波路160A,160Bを一周して当該ユニット120Dの接続箇所に戻ってくる。上述したように受光機能デバイス128Ad,128Bdによって光導波路160A,160Bからλ2の波長の光が取り出されることで、次に変調機能デバイス127A,127Bにより光導波路160A,160Bに導波されるλ2の波長の光に対するクロストークを抑制することができる。
ユニット130Dは、変調機能部として2つの変調機能デバイス137A,137Bを有しており、受光機能部として8つの受光機能デバイス138Aa〜138Ad,138Ba〜138Bdを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット130Dは、他のユニットにデータを送信するときはλ3の波長の光を使用する。変調機能デバイス137A,137Bは、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ3の波長の光を導波する。変調機能デバイス137A,137Bは、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット130Dは、ユニット140Dからデータを受信するときはλ4の波長の光を使用し、ユニット110Dからデータを受信するときはλ1の波長の光を使用し、ユニット120Dからデータを受信するときはλ2の波長の光を使用する。受光機能デバイス138Aa,138Ab,138Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ4,λ1,λ2の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス138Ba,138Bb,138Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ4,λ1,λ2の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。
受光機能デバイス138Aa〜138Ac,138Ba〜138Bcは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。ただし、受光機能デバイス138Aa,138Ab,138Acは、光導波路160Aで導波されているλ4,λ1,λ2の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。同様に、受光機能デバイス138Ba,138Bb,138Bcは、光導波路160Bで導波されているλ4,λ1,λ2の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。これにより、ユニット140Dからのλ4の波長の光を、下流のユニット120D,110Dで取り出すことが可能となり、またユニット110Dからのλ1の波長の光を、下流のユニット120Dで取り出すことが可能となる。
なお、受光機能デバイス138Ad,138Bdは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ3の波長の光を取り出して除去する。受光機能デバイス138Ad,138Bdは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されており、光導波路160A,160Bで導波されているλ3の波長の光を全て取り出すように設定される。ユニット130Dの変調機能デバイス137A,137Bによって光導波路160A,160Bに導波された光は、この光導波路160A,160Bを一周して当該ユニット130Dの接続箇所に戻ってくる。上述したように受光機能デバイス138Ad,138Bdによって光導波路160A,160Bからλ3の波長の光が取り出されることで、次に変調機能デバイス137A,137Bにより光導波路160A,160Bに導波されるλ3の波長の光に対するクロストークを抑制することができる。
ユニット140Dは、変調機能部として2つの変調機能デバイス147A,147Bを有しており、受光機能部として8つの受光機能デバイス148Aa〜148Ad,148Ba〜148Bdを有している。
ここで、光導波路150A,150Bにλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光が導波されているとき、ユニット140Dは、他のユニットにデータを送信するときはλ4の波長の光を使用する。変調機能デバイス147A,147Bは、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ4の波長の光を導波する。変調機能デバイス147A,147Bは、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、ユニット140Dは、ユニット110Dからデータを受信するときはλ1の波長の光を使用し、ユニット120Dからデータを受信するときはλ2の波長の光を使用し、ユニット130Dからデータを受信するときはλ3の波長の光を使用する。受光機能デバイス148Aa,148Ab,148Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ1,λ2,λ3の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス148Ba,148Bb,148Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ1,λ2,λ3の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。
受光機能デバイス148Aa〜148Ac,148Ba〜148Bcは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。ただし、受光機能デバイス148Aa,148Ab,148Acは、光導波路160Aで導波されているλ1,λ2,λ3の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。同様に、受光機能デバイス148Ba,148Bb,148Bcは、光導波路160Bで導波されているλ1,λ2,λ3の波長の光をそれぞれ一定の割合だけ、例えば30%,50%,100%だけ取り出すように設定される。これにより、ユニット110Dからのλ1の波長の光を、下流のユニット130D,120Dで取り出すことが可能となり、またユニット120Dからのλ2の波長の光を、下流のユニット130Dで取り出すことが可能となる。
なお、受光機能デバイス148Ad,148Bdは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ4の波長の光を取り出して除去する。受光機能デバイス148Ad,148Bdは、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されており、光導波路160A,160Bで導波されているλ4の波長の光を全て取り出すように設定される。ユニット140Dの変調機能デバイス147A,147Bによって光導波路160A,160Bに導波された光は、この光導波路160A,160Bを一周して当該ユニット130Dの接続箇所に戻ってくる。上述したように受光機能デバイス148Ad,148Bdによって光導波路160A,160Bからλ4の波長の光が取り出されることで、次に変調機能デバイス147A,147Bにより光導波路160A,160Bに導波されるλ4の波長の光に対するクロストークを抑制することができる。
図19に示す光データ伝送システム100Dの動作を説明する。ここでは、ユニット110Dから、ユニット120D,130D,140Dにデータを送信する場合を例にとって説明する。
まず、ユニット110Dからユニット120Dにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Dのデバイス111から変調機能デバイス117A,117Bに、それぞれ、送信データTDA,TDBが供給される。これにより、変調機能デバイス117A,117Bによって、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ1の波長の光が、送信データTDA,TDBで変調された状態で導波される。そしてこの場合、ユニット120Dの受光機能デバイス128Ac,128Bcでは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られてデバイス121に供給される。
次に、ユニット110Dからユニット130Dにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Dのデバイス111から変調機能デバイス117A,117Bに、それぞれ、送信データTDA,TDBが供給される。これにより、変調機能デバイス117A,117Bによって、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ1の波長の光が、送信データTDA,TDBで変調された状態で導波される。そしてこの場合、ユニット130Dの受光機能デバイス138Ab,138Bbでは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られてデバイス131に供給される。
次に、ユニット110Dからユニット140Dにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Dのデバイス111から変調機能デバイス117A,117Bに、それぞれ、送信データTDA,TDBが供給される。これにより、変調機能デバイス117A,117Bによって、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ1の波長の光が、送信データTDA,TDBで変調された状態で導波される。そしてこの場合、ユニット140Dの受光機能デバイス148Aa,148Baでは、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ1の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られてデバイス141に供給される。
説明は省略するが、ユニット120D,130D,140Dから他のユニットにデータを送信する場合の動作も、上述したユニット110Dから他のユニットにデータを送信する場合と同様である。
図19に示す光データ伝送システム100Dによれば、各ユニットは光導波路150A,150Bで導波されているλ1,λ2,λ3,λ4の波長の光を用いて、送信データに対応した所定の波長の変調光を得るものであり、当該各ユニットは発光素子を備える必要がなく、従って安価かつ簡単に構成できる。
また、各ユニットの受光機能デバイスが光導波路160A,160Bから取り出す光は、通信をする他のユニットに応じた波長の光とされ、他のユニットで当該波長の光を導波路160A,160Bに導波するようになされているので、送信データに送信元のユニットを示すアドレスを付加しておく必要がなく、送信データのヘッダ部のデータエリアを縮小でき、実質的なデータ転送レートを高めることができる。
また、送信元のユニットに応じた波長の光を用いて通信を行うものであり、送信元が異なる複数のデータ通信を並行して行うことができ、データ伝送密度を極めて高くできる。例えば、ユニット110Dからユニット130Dへのデータ送信、ユニット120Dからユニット140Dへのデータ送信を並行して行うことができる。
また、各ユニットは、単一の波長の光を変調して光導波路160A,160Bに導波し、他のユニットにより光導波路160A,160Bに導波されたそれぞれの波長の光を受光するものである。そのため、ブロードキャスト型のデータ通信を行いたい場合において、動作させる変調機能デバイスを2つとすることができ、消費電力を少なくできる。
また、各ユニットは他のユニットにデータを送る際、2本の光導波路160A,160Bを使用でき、1本の光導波路を用いるものに比べて、通信容量を増加できる。
次に、この発明の第6の実施の形態を説明する。図20は、第6の実施の形態としての光データ伝送システム100Eの構成を示している。この図20において、図19と対応する部分には同一符号を付して示している。
この光データ伝送システム100Eは、図19に示す光データ伝送システム100Dのユニット110D〜140Dの代わりに、ユニット110E〜140Eを有している。
ユニット110Eは、ユニット110Dの受光機能デバイス118Aa〜118Ac,118Ba〜118Bcの代わりに、受光機能デバイス119Aa〜119Ac,119Ba〜119Bcを有しており、その他はユニット110Dと同様の構成とされている。
ここで、ユニット110Eは、ユニット120E、ユニット130Eまたはユニット140Eからデータを受信するときは、それぞれ、λ2,λ3またはλ4の波長の光を使用する。受光機能デバイス119Aa,119Ab,119Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ2,λ3,λ4の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス119Ba,119Bb,119Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ2,λ3,λ4の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。
受光機能デバイス119Aaは、上述したマイクロリング・リゾネータを応用した構成とされている。図21は、受光機能デバイス119Aaの構成例を示している。この受光機能デバイス119Aaは、光導波路160Aに近接して配設されたリング状光導波路1と、このリング状光導波路1に近接して配設された円弧状の光導波路2と、この光導波路2で導波された光を受光する受光素子(PD)3とからなっている。
ここで、リング状光導波路1は、光導波路160Aから、λ2の波長の光を、光導波路2に導波する。そのため、このリング状光導波路1は、基本的には、その共振波長が、ユニット120Eに応じた波長、この実施の形態ではλ2とされている。
このリング状光導波路1は、さらに、上述したように光導波路160Aから光導波路2に導波するλ2の波長の光の比率を調整する比率調整機構(アッテネータATT)を有している。すなわち、このリング状光導波路1に対応して、デバイス111からの制御データCDによって駆動されるヒータ4が配設されている。このリング状光導波路1の共振波長を、ヒータ4の発熱によって当該リング状光導波路1の屈折率を変化させることで、上述のλ2の波長からずらし、導波するλ2の波長の光の比率を調整する。
この場合、リング状光導波路1により、λ2の波長の光が、光導波路160Aから光導波路2に、所定の比率で導波される。そして、この光導波路2に導波されたλ2の波長の光が受光素子3に供給され、この受光素子3から受信データRDAが得られる。
詳細説明は省略するが、受光機能デバイス119Ab,119Ac,119Ba〜119Bcも、上述した受光機能デバイス119Aaと同様の構成とされている。
ユニット120Eは、ユニット120Dの受光機能デバイス128Aa〜128Ac,128Ba〜128Bcの代わりに、受光機能デバイス129Aa〜129Ac,129Ba〜129Bcを有しており、その他はユニット120Dと同様の構成とされている。ここで、ユニット120Eは、ユニット130E、ユニット140Eまたはユニット110Eからデータを受信するときは、それぞれ、λ3,λ4またはλ1の波長の光を使用する。
受光機能デバイス129Aa,129Ab,129Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ3,λ4,λ1の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス129Ba,129Bb,129Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ3,λ4,λ1の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。受光機能デバイス129Aa〜129Ac,129Ba〜129Bcは、上述した受光機能デバイス119Aa(図21参照)と同様に構成されている。
ユニット130Eは、ユニット130Dの受光機能デバイス138Aa〜138Ac,138Ba〜138Bcの代わりに、受光機能デバイス139Aa〜139Ac,139Ba〜139Bcを有しており、その他はユニット130Dと同様の構成とされている。ここで、ユニット130Eは、ユニット140E、ユニット110Eまたはユニット120Eからデータを受信するときは、それぞれ、λ4,λ1またはλ2の波長の光を使用する。
受光機能デバイス139Aa,139Ab,139Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ4,λ1,λ2の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス139Ba,139Bb,139Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ4,λ1,λ2の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。受光機能デバイス139Aa〜139Ac,139Ba〜139Bcは、上述した受光機能デバイス119Aa(図21参照)と同様に構成されている。
ユニット140Eは、ユニット140Dの受光機能デバイス148Aa〜148Ac,1148Ba〜148Bcの代わりに、受光機能デバイス149Aa〜149Ac,149Ba〜149Bcを有しており、その他はユニット140Dと同様の構成とされている。ここで、ユニット140Eは、ユニット110E、ユニット120Eまたはユニット130Eからデータを受信するときは、それぞれ、λ1,λ2またはλ3の波長の光を使用する。
受光機能デバイス149Aa,149Ab,149Acは、それぞれ、光導波路160Aからλ1,λ2,λ3の波長の光を取り出して受信データRDAを得る。受光機能デバイス149Ba,149Bb,149Bcは、それぞれ、光導波路160Bからλ1,λ2,λ3の波長の光を取り出して受信データRDBを得る。受光機能デバイス149Aa〜149Ac,149Ba〜149Bcは、上述した受光機能デバイス119Aa(図21参照)と同様に構成されている。
図20に示す光データ伝送システム100Eの動作は、上述した図19に示す光データ伝送システム100Dと同様であるのでその説明は省略する。
この図20に示す光データ伝送システム100Eによれば、図19に示す光データ伝送システム100Dと同様の効果を得ることができる。
また、この図20に示す光データ伝送システム100Eによれば、各ユニットの、他のユニットにより光導波路160A,160Bに導波された光を取り出す受光機能デバイスは、比率調整機構を有しているので、ポイント・ツー・ポイント型通信が行われる場合に、光導波路160A,160Bから該当波長の光の全てを取り出すように設定でき、受信感度を高めることができる。この場合、ブロードキャスト型通信が行われる場合には、各ユニットにおける受信データを得るための受光機能デバイスは、光導波路160A,160Bから該当波長の光の一部を取り出すように設定される。
次に、この発明の第7の実施の形態を説明する。図22は、第7の実施の形態としての光データ伝送システム100Fの構成を示している。この図22において、図2と対応する部分には同一符号を付して示している。
この光データ伝送システム100Fは、図2に示す光データ伝送システム100Aのユニット110A〜140Aの代わりに、ユニット110F〜140Fを有している。
ユニット110Fは、変調機能部として2つの変調機能デバイス112A′,112B′を有しており、受光機能部として2つの受光機能デバイス113A′,113B′を有している。
ここで、光導波路150A,150Bにλ0の波長の光が導波されており、ユニット110Fは、他のユニットにデータを送信するときはλ0の波長の光を使用する。変調機能デバイス112A′,112B′は、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光を導波する。変調機能デバイス112A′,112B′は、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、このユニット110Fは、他のユニットからデータを受信するときはλ0の波長の光を使用する。受光機能デバイス113A′,113B′は、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ0の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス113A′,113B′は、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。
ユニット120Fは、変調機能部として2つの変調機能デバイス122A′,122B′を有しており、受光機能部として2つの受光機能デバイス123A′,123B′を有している。ここで、光導波路150A,150Bにλ0の波長の光が導波されており、ユニット120Fは、他のユニットにデータを送信するときはλ0の波長の光を使用する。変調機能デバイス122A′,122B′は、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光を導波する。変調機能デバイス122A′,122B′は、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa′(図5参照)と同様に構成されている。
また、このユニット120Fは、他のユニットからデータを受信するときはλ0の波長の光を使用する。受光機能デバイス123A′,123B′は、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ0の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス123A′,123B′は、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。
ユニット130Fは、変調機能部として2つの変調機能デバイス132A′,132B′を有しており、受光機能部として2つの受光機能デバイス133A′,133B′を有している。ここで、光導波路150A,150Bにλ0の波長の光が導波されており、ユニット130Fは、他のユニットにデータを送信するときはλ0の波長の光を使用する。変調機能デバイス132A′,132B′は、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光を導波する。変調機能デバイス132A′,132B′は、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、このユニット130Fは、他のユニットからデータを受信するときはλ0の波長の光を使用する。受光機能デバイス133A′,133B′は、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ0の波長の光を取り出して受信データTDA,TDBを得る。受光機能デバイス133A′,133B′は、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。
ユニット140Fは、変調機能部として2つの変調機能デバイス142A′,142B′を有しており、受光機能部として2つの受光機能デバイス143A′,143B′を有している。ここで、光導波路150A,150Bにλ0の波長の光が導波されており、ユニット140Fは、他のユニットにデータを送信するときはλ0の波長の光を使用する。変調機能デバイス142A′,142B′は、それぞれ、送信データTDA,TDBに基づいて、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光を導波する。変調機能デバイス142A′,142B′は、それぞれ、上述した変調機能デバイス112Aa(図5参照)と同様に構成されている。
また、このユニット140Fは、他のユニットからデータを受信するときはλ0の波長の光を使用する。受光機能デバイス143A′,143′は、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ0の波長の光を取り出して受信データRDA,RDBを得る。受光機能デバイス143A′,143B′は、それぞれ、上述した受光機能デバイス113A(図6参照)と同様に構成されている。
図22に示す光データ伝送システム100Fの動作を説明する。ここでは、ユニット110Fから、ユニット120F,130F,140Fにデータを送信する場合を例にとって説明する。
まず、ユニット110Fからユニット120Fにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Fのデバイス111から変調機能デバイス112A′,112B′に、それぞれ、送信データTDA,TDBが供給される。これにより、変調機能デバイス112A′,112B′によって、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光が、送信データTDA,TDBで変調された状態で導波される。そしてこの場合、ユニット120Fの受光機能デバイス123A′,123B′では、それぞれ、光導波路160A,160からλ0の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDが得られてデバイス121に供給される。
次に、ユニット110Fからユニット130Fにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Fのデバイス111から変調機能デバイス112A′,112B′に、それぞれ、送信データTDA,TDBが供給される。これにより、変調機能デバイス112A′,112Bによって、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光が、送信データTDA,TDBで変調された状態で導波される。そしてこの場合、ユニット130Fの受光機能デバイス133A′,133B′では、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ0の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られてデバイス131に供給される。
次に、ユニット110Fからユニット140Fにデータを送信する場合の動作を説明する。この場合、ユニット110Fのデバイス111から変調機能デバイス112A′,112B′に、それぞれ、送信データTDA,TDBが供給される。これにより、変調機能デバイス112A′,112B′によって、それぞれ、光導波路150A,150Bから光導波路160A,160Bに、λ0の波長の光が、送信データTDA,TDBで変調された状態で導波される。そしてこの場合、ユニット140Fの受光機能デバイス143A′,143B′では、それぞれ、光導波路160A,160Bからλ0の波長の光が取り出され、その受光素子から、上述した送信データTDA,TDBに対応した受信データRDA,RDBが得られてデバイス141に供給される。
説明は省略するが、ユニット120F,130F,140Fから他のユニットにデータを送信する場合の動作も、上述したユニット110Fから他のユニットにデータを送信する場合と同様である。
図22に示す光データ伝送システム100Fによれば、各ユニットは光導波路150A,150Bで導波されているλ0の波長の光を用いて、送信データに対応したλ0の波長の変調光を得るものであり、当該各ユニットは発光素子を備える必要がなく、従って安価かつ簡単に構成できる。
なお、上述実施の形態においては、光導波路150A,150Bをリング状光導波路として示しているが、図23に示すように、これらの光導波路150A,150Bはリング状でなくてもよい。
また、上述実施の形態においては、リング状の第2の光導波路として2本の光導波路160A,160Bを備えるものを示したが、3本以上備えるものも容易に構成できる。このように光導波路の本数の増加に伴って、通信容量をさらに高めることができる
また、上述実施の形態では、変調機能デバイスおよび受光機能デバイスとしてマイクロリング・リゾネータの原理を用いたものを示したが、この構成に限定されるものではなく、波長選択性ミラー等を用いて構成することもできる。ただし、マイクロリング・リゾネータの原理を用いた構成とすることで、変調機能デバイスおよび受光機能デバイスの小型化を図ることができる。
100,100A〜100F・・・光データ伝送システム、110〜140,110A〜140A,110B〜140B,110C〜140C,110E〜140E,110F〜140F・・・ユニット、111,121,131,141・・・I/Oデバイス、112,122,132,142・・・変調機能部、112Aa〜112Ac,112Ba〜112Bc,112A′,112B′,114A,114B,117A,117B,122Aa〜122Ac,122Ba〜122Bc,122A′,122B′,124A,124B,127A,127B,132Aa〜132Ac,132Ba〜132Bc,132A′,132B′,134A,134B,137A,137B,142Aa〜142Ac,142Ba〜142Bc,142A′,142B′,144A,144B,147A,147B・・・変調機能デバイス、113,123,133,143・・・受光機能部、113A,113B,113A′,113B′,115A,115B,116A,116B,118Aa〜118Ad,118Ba〜118Bd,119Aa〜119Ac,119Ba〜119Bc,123A,123B,123A′,123B′,125A,125B,126A,126B,128Aa〜128Ad,128Ba〜128Bd,129Aa〜129Ac,129Ba〜129Bc,133A,133B,133A′,133B′,135A,135B,136A,136B,138Aa〜138Ad,138Ba〜138Bd,139Aa〜139Ac,139Ba〜139Bc,143A,143B,143A′,143B′,145A,145B,146A,146B,148Aa〜148Ad,148Ba〜148Bd,149Aa〜148Ac,149Ba〜149Bc・・・受光機能デバイス、181,182・・・距離調整部、150A,150B,160A,160B・・・光導波路、170・・・発光部