第1の発明は、炭化水素系原料の改質反応により水素を含む生成ガスを生成する改質部と、この改質部の加熱用の燃焼装置と、この燃焼装置の燃焼排ガスの成分検知を行う接触燃焼式COセンサと、この接触燃焼式COセンサの上流側から燃焼排ガス中に空気を導入させたことにより、COが多量に発生するような燃焼排ガスの酸欠状態を解消して、COセンサ(接触燃焼方式のCOセンサ)の検知不良を防止することができる。
また、オフガス中に含まれる水蒸気とオフガスが燃焼して生成する水分が燃焼排ガス中に多量に含まれても、空気と均一に混合してCOセンサに供給したことにより、CO濃度検知の精度を向上することができる。
第1の発明のCOセンサは、接触燃焼式で構成したことにより、CO濃度検知部の温度を燃焼排ガスの温度よりも高く設定したので、水素生成器の燃焼装置の燃焼排ガス雰囲気においても耐熱性を維持して、CO濃度検知を精度良く行うことができる。
また、接触燃焼式のCOセンサにより、水素生成器の起動時の燃焼装置に使用する都市ガス等の炭化水素系の燃料と燃料電池システムの発電中の燃焼装置に使用するオフガス(水素が多量に燃焼排ガス中に残っていても)のどちらの燃焼排ガス中のCO濃度検知も行うことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の空気供給管は、改質部に連通する排気ダクト内の燃焼排ガスの流れに対向するように臨ませたことにより、燃焼排ガスに空気を衝突させて拡散させ、燃焼排ガスと空気を均一に形成するので、COセンサによるCO濃度検知の精度を向上することができる。
第3の発明は、特に、第1〜2の発明のいずれかの発明の空気供給管は、排気ダクトの垂直通路に臨まされ、上昇する燃焼排ガスの流れに対向するように開口したことにより、燃焼排ガス中の水蒸気が空気供給管内で結露しても排気ダクトに落下するので、空気の導入時の流量を低下させないで、燃焼排ガスの空気による希釈を安定に維持することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3の発明のいずれかの発明の空気供給管は、燃焼装置の送
風手段により空気の導入を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品で空気の導入を行うことができるので、新たなコストアップを防止することができる。
また、燃焼装置の送風手段を用いるので、送風圧力や送風量の供給能力に余力があり、空気供給管に所定の空気を導入することができる。
第5の発明は、特に、第1〜3の発明のいずれかの発明の空気供給管は、独立した導入空気送風手段により空気の導入を行うことにより、一定の空気量を維持できるので導入空気送風手段を構成や制御方法で簡素化することができる。
また、空気供給管に対して専用の空気供給を行うので、故障した時に燃料電池システムの他の部分に影響を与えないでメンテナンスを行うことができる。
第6の発明は、特に、第1〜3の発明のいずれかの空気供給管は、水素生成器の選択酸化部の選択酸化空気供給手段により空気の導入を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品で空気の導入を行うことができるので、新たなコストアップを防止することができる。
また、選択酸化空気手段により、一定の圧力で所定の空気量の導入を維持できるので、構成や制御方法で簡素化することができる。
第7の発明は、特に、第6の発明の導入空気送風手段は、空気弁を介して選択酸化部の冷却用空気の供給を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品に空気の供給を行うことができるので、新たなコストアップを防止することができる。
また、冷却用空気は、選択酸化部の温度により供給をコントロールされるので、空気弁の開閉という簡素化された構成で行うことができる。
第8の発明は、特に、第1〜3の発明のいずれかの発明の空気供給管は、燃料電池のカソードに空気を供給するカソード空気供給手段により空気の導入を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品で空気の導入を行うことができるので、新たなコストアップを防止することができる。
また、カソード空気の一部を空気供給管に送るので、熱交換器で加熱した空気を導入することになり、空気による燃焼排ガス中の水蒸気の結露を軽減して、COセンサの水蒸気によるCO濃度検知不良を防止することができる。
第9の発明は、特に、第1〜3の発明のいずれかの発明の空気供給管は、燃料電池のパージガスの置換空気供給手段により空気の導入を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品で空気の導入を行うことができるので、新たなコストアップを防止することができる。
また、パージガスの置換空気供給手段は、燃料電池のカソード(空気極)のパージだけに使用し、燃料電池の発電中は作動していないので、空気供給管の空気の導入に有効な活用を図ることができる。
第10の発明は、特に、第1〜9の発明のいずれかの発明の空気供給管から導入する空気は、燃焼装置の燃焼量の大きさに合わせて変化させたことにより、オフガス中の水蒸気量が多い定格の燃焼量の時は、空気供給管から導入する空気を減少させ、水蒸気量の少ない燃焼量の小さい時は、空気を増加し、空気による燃焼排ガスの冷却を防止しながら、燃
焼排ガス温度を一定に維持し、COセンサの燃焼排ガス温度によるばらつきを防止して、CO濃度検知の精度を向上することができる。
第11の発明は、特に、第1〜10の発明のいずれかの発明の空気供給管から導入する空気は、燃焼装置のポストパージ時に、空気量を増加させたことにより、水素生成器を冷却するときに排気される高温の空気を空気供給管から導入する空気で冷却し、COセンサが高温の雰囲気に置かれることを防止してCOセンサの寿命を向上することができる。
第12の発明は、特に、第1〜11の発明のいずれかの発明の水素生成器を燃料電池システムに搭載するようにしたことにより、水素生成器の燃焼排ガス中のCO濃度が上昇した時に、燃焼排ガスの酸欠状態を解消して、COセンサの検知不良を防止し、燃料電池システムの停止処理を精度良く行うができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における水素生成器(改質部)の構成図である。
図1において、1は、都市ガス(またはLPGまたは炭化水素系燃料)を原料として燃料電池システムに供給する水素を生成する改質部であり、2は、脱硫装置(図示なし)で処理を行った後の都市ガス(または、LPGまたは炭化水素系燃料)と水蒸気とからなる原料ガス、3は、ニッケルもしくはルテニウムを主成分とする触媒を充填した触媒層で、この触媒層3で原料ガス2を水蒸気改質反応させることにより、水素と二酸化炭素および一酸化炭素からなる生成ガス4を生成する。この生成反応は700℃程度の高温で生じる吸熱反応であるため、燃焼装置5により高温の燃焼ガスを供給して原料ガス2と触媒層3を加熱している。改質部1と生成ガス4から一酸化炭素を除去するための変成部(図示なし)や選択酸化部(図示なし)とで水素生成器6を構成している。
燃焼装置5は、で都市ガス7(またはLPG)や燃料電池から排出されるオフガス8(未反応水素ガス)、または都市ガス7(またはLPG)とオフガス8を混合して、燃料ガス9としてディストリビュータ10から噴出し、空気噴出部11の周囲から空気12を供給することにより、火炎13を形成し燃焼を行う。円管状のディストリビュータ10の先端には、燃料ガス9を噴出する複数個のノズル14がディストリビュータ10の円周方向に設けられ、燃料ガス9を放射状に噴出する構成としている。空気噴出部11は、複数個の空気噴出孔15を空気噴出部11の側面に略直角に設けている。空気噴出部11は、ディストリビュータ10を中心として、火炎13の出口方向に徐々に拡大するようにカップ状に燃焼室16を形成し、燃焼用の空気12を燃焼室16内に供給する構成としている。
空気噴出孔15は、上下方向の配列を千鳥状に設けている。ディストリビュータ10のノズル14は、空気噴出部11の空気噴出孔15の最下段に設ける空気噴出孔17とほぼ対向する位置になるように配置している。また、空気噴出部11の底部には複数個の下部空気噴出孔18を設け、ディストリビュータ10の軸方向と平行方向に空気12の一部を噴出する構成としている。
19は、空気12を供給する空気室で、空気噴出部11の周囲を囲む形で通路を構成している。 空気室19の上流には、送風ダクト20を介して送風手段21が設けられている。送風手段21は、空気12を供給する送風機で構成され、羽根車には高圧を出せるターボファンやラジアルファン等を用い、それをモータで回転させるようにしている。制御部22により送風手段21のコントロールを行うようにしている。
23は、燃焼装置5によって生じる火炎13が触媒容器24に直接触れることを避け、さらに燃焼ガス25の流路を規定するための燃焼筒である。燃焼ガス25は、触媒容器24の周囲に沿って流れ、改質器1の外部に排出される。
26は、ディストリビュータ10の中央に、ディストリビュータ10を貫通するように設ける挿入通路で、挿入通路26は、ディストリビュータ10とは、隔離して構成され、燃料ガス9が進入することはない。27は、挿入通路26内に挿入する着火用の電極で、耐熱性のカンタル線やエスイット線で構成している。電極27の周囲は、絶縁用の絶縁碍子28で被覆されている。絶縁碍子28は、耐熱性のアルミナ、シリカ等のセラミック材で形成し、その表面は、ガラス成分からなる釉薬が塗布されている。電極27の先端は、燃焼室16に臨み、ディストリビュータ10の天板29に火花放電が飛ぶように、位置決めを行っている。
30は、炎検知手段で、耐熱性のカンタル線やエスイット線でフレームロッドを構成し、火炎13の有無を検知している。炎検知手段30の周囲は、絶縁用の絶縁碍子31で被覆されている。絶縁碍子31は、耐熱性のアルミナ、シリカ等のセラミック材で形成し、その表面は、ガラス成分からなる釉薬が塗布されている。炎検知手段30の先端は、燃焼室16に臨み、曲率をもって屈曲し、空気噴出部11の内壁に沿って、所定の間隙を有しながら、火炎13中に臨むように位置を決められている。炎検知手段30の装着は、空気噴出部11の上部に設ける燃焼筒23の下部の一部を拡管して設ける空間32から炎検知手段30の先端を延長して、空気噴出部11の内壁に沿って臨ませている。制御部22の指示により、炎検知手段30に交流もしくは直流の電圧を印加して、火炎13中のイオン電流を検知している。炎検知手段30のデータは、電圧値または電流値として判定を行っている。
33は、触媒容器24の周囲に設けられた排ガス通路で、燃焼ガス25が触媒容器24に沿って流れるように改質器1の上方に出口34を設け、燃焼ガス25を改質器1の外部に燃焼排ガス35として排出している。出口34には、筒状の排気ダクト36が連接されている。この排気ダクト36の他方は、熱交換器(図示無し)に連結し、燃焼排ガス35の熱を回収し、熱効率の低下を防止している。
37は、排気ダクト36の途中に設けたCOセンサで、排気ダクト36に臨まされた検知部分に燃焼排ガス35の一部を取り込んで、成分を直接測定している。COセンサ37は、接触燃焼式のCOセンサで構成し、高温の燃焼排ガス35中のCO濃度を測定して、その信号を制御器22に送る。制御器22では、信号の大きさにより火炎13から発生するCO量を換算して燃焼状態を評価し、CO量が所定の閾値を超えて燃焼状態が不良と判定できた時に燃料ガス9の供給を停止し、燃焼装置5を停止させる指示を行うようにしている。COセンサ37は、排気ダクト36に装着するときにその先端の検知部分を排気ダクト36に挿入し、信号や電源の接続部分は、外部に露出し放熱を促進して温度上昇を防止している。また、接触燃焼式では、燃焼排ガス35中のCOを検知部分で触媒燃焼させその温度上昇を電気抵抗に変換して電圧出力として取り出すようにしている。
38は、排気ダクト36の途中に連通する空気供給管で、送風手段21から送風管39を介して希釈空気40を排気ダクト36内に導入している。空気供給管38は、排気ダクト36のCOセンサ37装着部分の上流(燃焼排ガス35の流れに対して上流であり、例えば、燃焼排ガス35が上昇する流れのときは、COセンサ37の下方に設けることになる)に設けている。希釈空気40は、排気ダクト36内で燃焼排ガス35と混合し、燃焼排ガス35中の酸素濃度を上昇させ、希釈排気ガス41としてCOセンサ37に供給される。
42は、断熱材で、改質部1の放熱を減少させ、熱効率を向上させるために改質部1の周囲に設けている。断熱材42は、グラスウールやセラミック繊維等の耐熱材料で構成している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用を説明する。
まず、起動時は、制御部22により送風手段21を作動し、燃焼用の空気12を送風する。空気12は、送風ダクト20を通り空気室19に流入し、空気噴出部11の空気噴出孔15から燃焼室16に供給される。ここで、ディストリビュータ10のノズル14から燃焼速度や流量の異なる都市ガス7(またはLPGまたは炭化水素系燃料)の燃料ガス9を噴出すると、このディストリビュータ10から放射状に噴出された燃料ガス9と略対向する最下段の空気噴出孔17から供給された空気12とが衝突し混合する。この時、ディストリビュータ10の中央に、ディストリビュータ10を貫通するように設ける挿入通路26から燃焼室16に臨ませた電極27により、火花放電が行なわれ、燃料ガス9に着火が行なわれる。燃料ガス9は空気噴出部11の開口部方向へ流れて行くが、空気噴出部11の形状を図示したようにカップ状としているため、燃料ガス9の流路断面積が連続的に拡大し、それによって燃料ガス9の流速が減少し、その流速が都市ガス7の燃焼速度と同等またはそれ以下となった場所で、部分的な予混合の火炎13を生じて燃焼する。この燃焼により改質器1の触媒層3を加熱し、水蒸気改質反応を促進し生成ガス4を発生させる。
また、燃料電池システムの発電時は、水素生成器6から燃料電池(図示なし)に供給された生成ガス4の残りとして排出されるオフガス8(未反応水素ガス)を燃料ガス9として使用し、改質器1の触媒層3を加熱し、水蒸気改質反応を促進していく。
このとき、COセンサ37で燃焼排ガス35中のCO濃度を連続測定し、火炎13の状態を評価する。例えば、送風手段21が排気閉塞や給気閉塞により火炎13が空気不足になりCOを発生すると、COセンサ37で検知してその信号を制御器22に送る。制御部22では、その信号が所定の値(例えばJIS等で規定されるCOの最大排出量に相当する閾値の信号)を超える時は、燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、燃焼装置5を停止させる指示を行う。また、制御部22は、水素生成器6や燃料電池システムに対しても停止動作の指示を行うようにしている。また、気温の低下や燃料ガス9の供給不良による供給量の減少により、火炎13が空気過剰になりCOを発生しても、同じようにCOセンサ37の信号の評価を行い、燃焼状態の判定を行うようにしている。
また、空気供給管38により、送風手段21から希釈空気40を導入し、燃焼排ガス35に空気を混入し、希釈排気ガス41を形成する。この希釈排気ガス41が排気ダクト36を通過することにより、COセンサ37に希釈排気ガス41が供給される。希釈排気ガス41には、常に酸素が存在し、その酸素を使用して接触燃焼式のCOセンサ37の検知部分の触媒燃焼を可能にしている。これにより、オフガス8を燃焼したときの低空気比燃焼(改質器1の熱効率向上のため、余分な空気を抑制するための燃焼)において、火炎13空気不足になり多量のCO(一酸化炭素)が発生し、燃焼排ガス35中の酸素が消費され酸欠状態になっても、空気供給管38から導入される希釈空気40により、COセンサ37に酸素が供給され、CO濃度の検知不良を防止するようにしている。
このとき、炎検知手段30では、火炎13のイオン電流を測定し、電圧値または電流値として制御部22により所定のデータ信号が得られているかを判定し、異常があれば燃焼装置5を停止させ安全を確保するようにしている。都市ガス7は、燃料中に炭化水素が多いので、イオン電流が多く流れ、電圧値または電流値が大きく測定できる。また、改質部1が充分に加熱され、原料ガス2から生成ガス4が発生すると、発電に使用されない生成
ガス4の残りをオフガス8として供給し燃焼を行うようにしている。しかし、オフガス8は、その成分の主体が水素のため炭化水素の濃度が少ないので、イオン電流が減少し、火炎13の変化を出力として得ることが困難になる。そこで、炎検知手段30では、火炎13の有無だけを判定し、失火、消火等の確認を行い、COセンサ37を補完するような動作を行うようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、燃焼装置5の燃焼排ガス35の成分検知を行うCOセンサ37の上流側から燃焼排ガス35中に希釈空気40を導入させたので、燃焼排ガス35の酸欠状態を解消して、COセンサ(接触燃焼方式のCOセンサ)37の検知不良を防止することができる。
また、オフガス8中に含まれる水蒸気とオフガス8が燃焼して生成する水分が燃焼排ガス35中に多量に含まれても、空気供給管38を介して希釈空気40を供給したので、微小な燃焼排ガス35を供給するような構成で水蒸気が希釈空気40の供給を妨げることなく、燃焼排ガス35をCOセンサ37に供給し、CO濃度検知の検知不良を防止することができる。
また、COセンサ37の上流から燃焼排ガス35中に希釈空気40を混入したので、希釈排気ガス41が均一になり、COセンサ37の検知精度を向上することができる。
また、COセンサ37は、接触燃焼式を採用しているので、高温の燃焼排ガス35中のCO濃度を測定できるので、燃焼装置5がどのような燃料ガス9で燃焼しても、また燃料ガス8の流量が変化して燃焼排ガス35の温度が高低しても燃焼状態の評価を行うことができる。
また、COセンサ37は、作動温度が380〜400℃と高く、連続作動しているので、水蒸気量の多いオフガス8の燃焼排ガス35中でも水蒸気の影響を受けないでCO濃度の測定を行うことができる。
また、COセンサ37は、接触燃焼式を採用しているので、燃焼排ガス35中の水素成分にも感度があるので、オフガス8の燃焼状態が変化して、燃料ガス9中の水素が多量にスリップしても燃焼装置5の燃焼不良として判定し、安全性を確保することができる。
また、COセンサ37の上流から燃焼排ガス35中に希釈空気40を混入したので、燃焼排ガス35の温度を低下させ、COセンサ37の高温雰囲気による劣化を防止して、寿命を向上することができる。
また、COセンサ37の上流から燃焼排ガス35中に希釈空気40を混入したので、燃焼排ガス35が空気で希釈され、多量のスス(多量のCO)を緩和してCO濃度検知を行えるようにして、COセンサ37の寿命を向上することができる。
また、火炎13の有無を炎検知手段30で判定しているので、急激な燃焼状態の変化による失火を評価でき、COセンサ37の測定の時間遅れを補完して燃焼状態の急変にも対応することができる。
また、燃焼装置5の燃焼排ガス35の成分検知を行うCOセンサ37と、このCOセンサ37の信号から燃焼装置5の燃焼状態が不良と判定できた時に燃焼装置5を停止させる制御部22を備えたので、燃焼用の空気12の変動や燃料ガス9の変動により火炎13が燃焼不良になった時に、COセンサ37により燃焼排ガス35の成分を直接測定することにより、燃焼不良状態が判定できるので、精度良く燃焼装置5を停止し、水素生成器6(
燃料電池システム)の安全性を確保することができる。
また、燃料ガス9を周囲方向に噴出するディストリビュータ10と、このディストリビュータ10を囲むように周囲から中央方向に空気12を噴出する空気噴出部11を設けたことにより、燃料ガス9と空気12の混合を促進し、火炎13を短炎化し、水素生成器6の小型化を行うことができる。
また、燃料ガス9と空気12が混合を促進するためにノズル14と最下段の空気噴出孔17を略対向して配置しているため、この部分では燃焼速度が速く燃焼しやすい水素が空気と十分に混合し、火炎13は常に安定した状態を維持し、燃焼排ガス35の特性を向上できる。
また、下部空気噴出孔18を介して空気12を燃料ガス9に対して下方から交差する位置から噴出するので、燃料ガス9と空気12の混合をより良好にすることができる。この空気12は、単にガスの混合を良くするのみではなく、燃焼ガス9の流量に対して空気12の流量が相対的に過剰に供給した場合でも火炎13を保つ作用が認められ、燃焼の安定化に大きな効果を有している。
また、ディストリビュータ10のノズル14から都市ガス7(またはLPGまたは炭化水素系燃料)や燃料電池より戻るオフガス8の異なる燃料を噴出できるので、構成が簡単になりコストを低減することができる。
また、ディストリビュータ10からは常に都市ガス7(またはLPGまたは炭化水素系燃料)またはオフガス8が噴出するので、ディストリビュータ10が冷却され、火炎13で過熱されず、長期間の使用に耐えることができる。
なお、COセンサ37で検知してその信号を制御部22に送り、制御部22では、その信号が所定の値(例えばJIS等で規定されるCOの最大排出量に相当する信号による閾値)を超える時は、燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、燃焼装置5を停止させる指示を行うが、制御部22により、COセンサ37の信号が所定の値よりも低い値で、送風手段21をコントロールして(例えば、所定の値よりも低いCOの値でも空気12を増加させてCO濃度を低減し、CO濃度が上昇するごとにこの動作を繰り返す)、送風手段21の能力の限界になった時にCOセンサ37が前記の所定の値を超える場合は、燃焼装置5を停止するようにすることも可能である。
(実施の形態2)
図1は、本発明の第2の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図1において、COセンサ37は、接触燃焼式で構成している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
COセンサ37で燃焼排ガス35中のCO濃度を連続測定してモニターし、火炎13の状態を評価する。例えば、送風手段21が排気閉塞や給気閉塞により火炎13が空気不足になりCOを発生すると、COセンサ37で検知してその信号を制御部22に送る。制御部22では、その信号が所定の値(例えばJIS等で規定されるCOの最大排出量に相当する閾値の信号)を超える時は、燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、燃焼装置5を停止させる指示を行う。また、気温の低下や燃料ガス8の供給不良による供給量の減少により、火炎12が空気過剰になりCOを発生しても、同じようにCOセンサ37の信号の評
価を行い、燃焼状態の判定を行うようにしている。
接触燃焼式のCOセンサ37では、燃焼排ガス35中のCOを検知部分で触媒燃焼させその温度上昇を電気抵抗に変換して電圧出力として取り出すようにしている。
この時、COセンサ37の上流から空気供給管38を介して燃焼排ガス35に希釈空気40を導入し、火炎13が空気不足になり接触燃焼式のCOセンサ37に酸素が供給されず、検知部分で触媒燃焼ができなくなるような酸欠状態を起こすことを防止している。
以上のように、本実施の形態においては、接触燃焼式のCOセンサ37の上流から希釈空気40を導入して、燃焼排ガス35の酸欠を防止しているので、接触燃焼式の特徴である検知部分の触媒燃焼を維持して、安定したCO濃度検知を行うことができる。
また、接触燃焼式COセンサ37は、CO濃度検知部の温度を燃焼排ガス35の温度よりも高く設定したので、水素生成器6燃焼装置5の燃焼排ガス35雰囲気においても耐熱性を維持して、CO濃度検知を精度良く行うことができる。
また、接触燃焼式のCOセンサ37により、水素生成器6の起動時の燃焼装置5に使用する都市ガス7等の炭化水素系の燃料と燃料電池システムの発電中の燃焼装置5に使用するオフガス8(水素が多量に燃焼排ガス中に残っていても)とどちらの燃焼排ガス35中のCO濃度検知も行うことができる。
また、接触燃焼式のCOセンサ37は、作動温度が380〜400℃と高く、連続作動しているので、水蒸気量の多いオフガス8の燃焼排ガス35中でも水蒸気の影響を受けないでCO濃度の測定を行うことができる。
また、接触燃焼式のCOセンサ37は、作動温度が高く設定できるので、連続作動することによりCOセンサ37の検知部へのゴミや水分の付着を防止して、クリーニングのために水素生成器6を停止する必要がなく、燃料電池システムを連続で作動することができる。
(実施の形態3)
図2(a)は、本発明の第3の実施の形態における水素生成器6を示す構成図、図2(b)は、その部分断面図である。
図2において、空気供給管38は、改質部1に連通する排気ダクト36内の燃焼排ガス35の流れに対向するように臨ませている。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
空気供給管38から排気ダクト36に導入される希釈空気40が燃焼排ガス35に対向する形で衝突するので、希釈空気40が燃焼排ガス35中に拡散し、希釈空気40と燃焼排ガス35の均一な混合気の希釈排気ガス41が形成する。その希釈排気ガス41がCOセンサ37に供給され、CO濃度検知の精度を向上するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、空気供給管38により、希釈空気40を燃焼排ガスに衝突させるので、希釈空気40と燃焼排ガス35の混合を促進し、COセンサ37によるCO濃度検知のばらつきを解消して、CO濃度検知の精度を向上することができる。
また、燃焼排ガス35を排気ダクト36に集束して均一化するので、COセンサ37は、COの発生量を平均的な値として精度良く測定し、燃焼装置5を停止し、安全性を確保することができる。
(実施の形態4)
図3(a)は、本発明の第4の実施の形態における水素生成器6を示す構成図、図2(b)は、その部分断面図である。
図3において、空気供給管38は、排気ダクト36の垂直通路43に臨まされ、上昇する燃焼排ガス35の流れに対向するように開口している。また、垂直通路43の改質部1の出口34側に連通する端部の他方の端部には、傾斜通路44が連通している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
空気供給管38は、排気ダクト36の垂直通路43に臨まされ、上昇する燃焼排ガス35の流れに対向するように開口している。これにより、燃焼排ガス35中の水蒸気が空気供給管38内で結露しても排気ダクト36に落下して、空気供給管38が結露水で詰まることを防止して、希釈空気40の導入を低下させないようにしている。また、傾斜通路44では、COセンサ37の下流側の結露水を傾斜面に伝わせて、排気ダクト36を降下させ、COセンサ37に直接落下しないようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、空気供給管38は、その先端を上昇する燃焼排ガス35の流れに対向するように開口したので、燃焼排ガス35中の水蒸気が空気供給管38内で結露しても排気ダクト36に落下し、希釈空気40の導入する流量を低下させないで、燃焼排ガス35の希釈空気40による希釈を安定に維持することができる。
(実施の形態5)
図1は、本発明の第5の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図1において、空気供給管38は、加熱用の燃焼装置5の送風手段21により、送風管39を介して希釈空気40の導入を行うようにしている。送風管39は、燃焼装置5に送風手段21を用いて燃焼用の空気12を供給する送風ダクト20の途中から分岐している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
送風手段21により供給する燃焼用の空気12の一部が、送風管39を介して空気供給管38に送られ、排気ダクト36内に噴出している。この時、送風手段21は、制御部22により、燃焼装置5に必要な空気12に加えて、希釈空気40を送るように送風手段21のコントロールを行うようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、空気供給管38は、加熱用の燃焼装置5の送風手段21により希釈空気40の導入」を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品である送風手段21で、希釈空気40の供給を行うことができるので、構成も簡単で新たなコストアップを防止することができる。
また、燃焼装置5の送風手段21を用いるので、送風圧力や送風量の能力に余力があり
、空気供給管38に所定の希釈空気40を導入することができる。
また、燃焼装置5の燃焼量に合わせて送風手段21の空気12の流量が変化しても、燃焼排ガス35の流量に合わせて希釈空気40の流量も連動して変化するので、COセンサ37の酸欠防止のための希釈空気40の配分量を確保して、COセンサ37の検知不良を防止することができる。
(実施の形態6)
図4は、本発明の第6の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図4において、空気供給管38は、送風管39を介して独立した導入空気送風手段45により、希釈空気40の導入を行うようにしている。導入空気送風手段45は、希釈空気40を導入する送風機で構成され、羽根車には高圧を出せるターボファンやラジアルファン等を用い、それをモータで回転させるようにしている。制御部22により導入空気送風手段45のコントロールを行うようにしている。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5が送風手段21により燃焼用の空気12を供給され、燃焼を開始するのに合わせ、導入空気送風手段45により、希釈空気40を送風管39を介して空気供給管38から排気ダクト36内に導入している。制御部22は、導入空気供給手段45をオンオフするような簡単なコントロールで一定の状態に維持するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、空気供給管38は、独立した導入空気送風手段45により希釈空気40の導入を行うことにより、一定の空気量を維持できるので導入空気送風手段45を構成や制御方法で簡素化することができる。
また、空気供給管38に対して、単独で希釈40の導入を行うので、故障した時に燃料電池システムの他の部分に影響を与えないで交換のメンテナンス等を行うことができる。
なお、本実施例の形態では、制御部22により一定の状態を保つようにしているが燃焼装置5の燃焼量に合わせて、導入空気送風手段45の希釈空気40の流量を可変することも可能である。
なお、導入空気供給手段45を送風機で構成するとあるが、高圧を出せるポンプやブースターを使用することも可能である。
(実施の形態7)
図5は、本発明の第7の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図5において、空気供給管38は、水素生成器6の選択酸化部46の選択酸化空気供給手段47により希釈空気40の導入を行うようにしている。水素生成器6は、改質部1と生成ガス4から一酸化炭素を除去するための変成部48や選択酸化部46とで構成している。選択酸化空気供給手段47は、この選択酸化部46に選択酸化用空気49を供給して生成ガス4中のCO(一酸化炭素を酸化してその濃度を低下させている)を除去している。
選択酸化部46と選択酸化空気供給手段47は、選択酸化空気供給管50で連通している。
この選択酸化空気供給管50の途中に選択酸化空気弁51が設けられている。選択酸化空気弁51と選択酸化空気供給手段47の途中の選択酸化空気供給管50から送風管39が分岐され、空気供給管38に連結されている。この構成により、選択酸化供給手段47から希釈空気40を空気供給管38に送るようにしている。選択酸化供給手段47は、選択酸化用空気49を供給するために供給圧力が取れるポンプまたはブースターまたは送風機等で構成している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5が送風手段21により燃焼用の空気12を供給され、燃焼を開始するのに合わせ、制御部22の指示により、選択酸化供給手段47により選択酸化空気供給管50と送風管39を介して、希釈空気40を空気供給管38から排気ダクト36内に導入して、燃焼排ガス35と混合させている。改質器1が燃焼装置5により加熱され、所定の温度に到達すると選択酸化空気弁51を開放して選択酸化用空気49を選択酸化部46に供給する。以後、燃料電池システムにより発電が行われる間、選択酸化空気供給手段47により、希釈空気40と選択酸化用空気49を供給するようにしている。発電が停止するときは、選択酸化空気弁51を閉止して、選択酸化部46に希釈空気40が逆流しないようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、燃料電池システムの既存の構成部品である選択酸化空気供給手段47で、希釈空気40の導入を行うことができるので、構成も簡単で新たなコストアップを防止することができる。
また、選択酸化空気手段47により、一定の圧力で所定の空気量の供給を維持できるので、制御方法を簡素化することができる。
(実施の形態8)
図6は、本発明の第8の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図6において、導入空気送風手段45は、空気弁52を介して選択酸化部46の冷却用空気53の供給を行うようにしている。導入空気送風手段45と空気供給管38を連通する送風管39の途中に冷却空気供給管54を分岐している。冷却空気供給管54の他方は、選択酸化部46の周囲に設ける冷却空気通路55に連通している。この冷却空気通路55と送風管39の間の冷却空気供給管54に空気弁52を設けている。また、選択酸化部46の温度を所定の温度範囲に保つために、制御部22により空気弁52を開閉して冷却用空気53の供給をコントロールしている。56は、選択酸化部46の温度検知部で、熱電対またはサーミスタで構成している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5が送風手段21により燃焼用の空気12を供給され、燃焼を開始するのに合わせ、制御部22の指示により、導入空気送風手段45により送風管39を介して、希釈空気40を空気供給管38から排気ダクト36内に導入して、燃焼排ガス35と混合させている。制御部22では、選択酸化部46の温度を温度検知部56で測定し、温度が所定の範囲を越えたときに、空気弁52を開放し冷却用空気53を冷却空気通路55に供給するようにしている。以後、燃料電池システムにより発電が行われる間、導入空気送風手段45により、希釈空気40と冷却用空気53を供給するようにしている。また、冷却用空
気53は、選択酸化部46の温度が低下したときは、空気弁52を閉止し、空気弁52を開閉することを繰り返して、選択酸化部46の温度を一定の範囲に保つようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、導入空気送風手段45は、空気弁52を介して選択酸化部46の冷却用空気53の供給を行うことにより、燃料電池システムの既存の構成部品の選択酸化部46に冷却用空気53の供給を行う動作を共通化することができるので、新たなコストアップを防止することができる。
また、冷却用空気35は、空気弁52の開閉という簡素化された構成で供給を行うことができるので、信頼性を向上できる。
(実施の形態9)
図7は、本発明の第9の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図7において、空気供給管38は、燃料電池のカソード(空気極)57にカソード空気58を供給するカソード空気供給手段59により希釈空気40の導入を行うようにしている。カソード空気用供給手段59は、送風機で構成され、羽根車には高圧を出せるターボファンやラジアルファン等を用い、それをモータで回転させるようにしている。制御部22によりカソード空気用供給手段59のコントロールを行うようにしている。カソード空気供給手段59は、カソード空気供給管60を介してカソード57の入口61に連通している。このカソード空気供給管60の途中から送風管39を分岐し、カソード空気58の一部を希釈空気40として空気供給管38から排気ダクト36内に導入して、燃焼排ガス35と混合させている。送風管39の分岐した部分とカソード57の入口61との間のカソード空気供給管60の途中に空気開閉弁62を設けて、カソード57でカソード空気58を必要とする以外は、空気開閉弁62を閉止して、希釈空気40がカソード57に逆流しないようにしている。空気開閉弁62とカソード57の入口61との間に熱交換器63が設けられ、カソード57から排出されたカソードオフガス64(カソード空気58の残りとカソード57で生成する水蒸気の混合ガス)とカソード空気58の熱交換を行うようにしている。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5が送風手段21により燃焼用の空気12を供給され、燃焼を開始するのに合わせ、制御部22の指示により、カソード空気供給手段59により送風管39を介して、希釈空気40を空気供給管38から排気ダクト36内に導入して、燃焼排ガス35と混合させている。制御部22では、カソード57にカソード空気58を供給するときは、空気開閉弁62を開放するようにしている。カソード57にカソード空気58が必要ない時は、空気開閉弁62を閉止し、その間は、燃焼装置5が作動している時は、カソード空気供給手段59により希釈空気40を連続して導入するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、燃料電池システムの既存の構成部品であるカソード空気供給手段59で、希釈空気40の導入を行うことができるので、構成も簡単で新たなコストアップを防止することができる。
なお、熱交換器63とカソード57の入口61との間のカソード空気供給管60の途中に空気開閉弁62を設けて、熱交換器63の下流から送風管39を介して、カソード空気58の一部を空気供給管38に送ることも可能で、熱交換器63で加熱した希釈空気40を導入することになり、希釈空気40による燃焼排ガス35中の水蒸気の結露を軽減して、COセンサ37の水蒸気によるCO濃度検知不良を防止することができる。
(実施の形態10)
図8は、本発明の第10の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図8において、空気供給管38は、燃料電池のカソード57側のパージガス64(都市ガス7等の炭化水素系のガス)の置換空気供給手段65により希釈空気40の導入を行うようにしている。置換空気供給手段65は、パージガス64を置換空気66で押し出すために供給圧力が取れるポンプまたはブースターまたは送風機等で構成している。置換空気供給手段65は、カソード空気供給管60の途中から分岐する置換空気供給管67によりカソード57の入口61と連通している。これにより、置換空気供給手段65に供給される置換空気66によりカソード57内のパージガス64を押し出し、カソード57内を置換空気66で満たすようにしている。置換空気供給管67の途中に置換空気弁68を設け、燃料電池システムの発電前や発電終了後に行うカソード57のパージガス64の排出処理時に開放している。それ以外の時は、置換空気弁68を閉止している。この置換空気弁68と置換空気供給手段65の間の置換空気供給管67から送風管39を分岐し、置換空気66の一部を希釈空気40として空気供給管38から排気ダクト36内に導入して、燃焼排ガス35と混合させている。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5が送風手段21により燃焼用の空気12を供給され、燃焼を開始するのに合わせ、制御部22の指示により、置換空気供給手段65により送風管39を介して、希釈空気40を空気供給管38から排気ダクト36内に導入して、燃焼排ガス35と混合させている。制御部22では、燃料電池システムの発電前や発電終了後に行うカソード57のパージガス64の排出処理時に置換空気弁68開放し、置換空気66をカソード57に供給している。それ以外の時は、置換空気弁68を閉止し、その間の燃焼装置5が作動している時は、置換空気供給手段65により希釈空気40を連続して排気ダクト36に導入するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、空気供給管38は、カソード57のパージガス64の置換空気供給手段65により希釈空気40の導入を行うので、燃料電池システムの既存の構成部品である置換空気供給手段65を共用化することで、新たなコストアップを防止することができる。
また、置換空気供給手段65は、燃料電池のカソード(空気極)57のパージガス64の排出処理だけに使用し、燃料電池の発電中は作動していないので、空気供給管38の希釈空気40の導入を行うことで、有効な活用を図ることができる。
(実施の形態11)
図4は、本発明の第11の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図4において、空気供給管38から導入する希釈空気40は、制御部22の指示により燃焼装置5の燃焼量の大きさに合わせて変化させるようにしている。空気供給管38は、送風管39を介して独立した導入空気送風手段45により、希釈空気40の導入を行うようにしている。導入空気送風手段45は、希釈空気40を導入する送風機で構成され、羽根車には高圧を出せるターボファンやラジアルファン等を用い、それをモータで回転させるようにしている。制御部22により導入空気送風手段45のコントロールを行うようにしている。制御部22は、空気供給管38から導入する希釈空気40をオフガス8中の水蒸気量が多い定格の燃焼量の時は、空気供給管38から導入する希釈空気40を減少させ
、水蒸気量の少ない燃焼量の小さい時は、希釈空気40を増加しうるようにコントロールしている。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5の燃料電池の発電中に行うオフガス8の燃焼時に、その燃焼量が定格または定格に近い場合は、制御部22により空気供給管38から導入する希釈空気40の流量を減少させる。これにより、燃焼排ガス35の希釈空気40による冷却を防止して、オフガス8中に水蒸気の多い定格燃焼時の燃焼排ガス35の結露を防止するようにしている。オフガス8中に水蒸気の少ない燃焼量の小さいときは、制御部22により空気供給管38から導入する希釈空気40の流量を増加させる。これにより、燃焼排ガス35の温度を低下させ、定格から燃焼量の小さい範囲で燃焼排ガス35の温度を一定の範囲内に保持するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、オフガス8中の水蒸気量が多い定格の燃焼量の時は、空気供給管38から導入する希釈空気40を減少させ、水蒸気量の少ない燃焼量の小さい時は、希釈空気40を増加ので、希釈空気40による燃焼排ガス35の冷却を防止しながら、燃焼排ガス35の温度を一定に維持し、COセンサ37の水蒸気の結露による検知劣化を防止し、燃焼排ガス35の温度による検知ばらつきを防止して、CO濃度検知の精度を向上することができる。
なお、制御部22による混入空気送風手段45のコントロールは、燃焼量に合わせて逆比例的に希釈空気40の流量を変化させるか段階的に変化させるかのどちらも可能である。
(実施の形態12)
図9は、本発明の第12の実施の形態における水素生成器6を示す断面図である。
図9において、空気供給管38から導入する希釈空気40は、燃焼装置5のポストパージ時に、制御部22の支持により流量を増加するようにしている。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃料電池システムを停止する時は、燃焼装置5の燃焼を停止し送風手段21により定常の燃焼に必要な空気12の流量よりも増加させてポストパージを行い、改質部1の冷却動作に入る。この時、排気ダクト36には、高温の空気12が排出される。この高温の空気12に対して空気供給間38から希釈空気40の空気量を増加させて導入し、高温の空気12を冷却している。
以上のように、本実施の形態においては、燃焼装置5のポストパージ時に、希釈空気40の流量を増加させ、排気ダクト36に導入したので、改質部1を冷却するときに排気される高温の空気12を希釈空気40で冷却し、COセンサ37が高温の雰囲気に置かれることを防止してCOセンサ37の寿命を向上することができる。
(実施の形態13)
図10は、本発明の第13の実施の形態における燃料電池システムを示す全体構成図である。
図10において、排気ダクト36に空気供給管38を連通させた水素生成器6を燃料電池システムに搭載するようにしている。制御器22は、COセンサ37の信号から燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、水素生成器6を停止するとともに、この水素生成器6が搭載された燃料電池システム38を停止するようにしている。燃料電池システム69は、高分子電解質型燃料電池70や給湯装置(図示無し)等で構成している。
以上のように構成された水素生成器6について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5のオフガス8の燃焼において、火炎13が空気不足になりCOが多量に発生している燃焼排ガス35に空気供給管38から希釈空気40を導入して、接触燃焼式のCOセンサ37の検知部分で触媒燃焼を行えるようにし、CO濃度検知の酸欠による検知不良を防止している。これにより、燃焼装置5の燃焼不良を精度良く検知して、燃料電池システム69を停止するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、水素生成器6に設けた燃焼装置5の燃焼排ガス35中のCO濃度が上昇した時に、燃焼排ガス35の酸欠状態を解消するので、COセンサ37の検知不良を防止し、燃料電池システム69の停止処理を精度良く行うができる。
また、COセンサ37の燃焼排ガス35の酸欠による検知不良を防止するので、COセンサ37の誤動作を解消して、燃料電池システム69の安定した運転を持続することができる。
また、COセンサ37により燃焼装置5の燃焼不良を判定するので、燃料電池システム69からのCO発生を防止して、安全性を確保することができる。