JP2006127774A - 水素生成器 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の水素生成器の改質効率を低下させることなく燃焼装置の火炎の燃焼状態を正確に検知できるようにすること。
【解決手段】水素を含む改質ガスを生成する水素生成器1の加熱用の燃焼装置5と、この燃焼装置5の排気ガス34の成分検知を行う排ガスセンサ36と、この排ガスセンサ36の信号から燃焼装置5の燃焼状態が不良と判定された時に燃焼装置5を停止させる制御器21を備え、燃焼用空気11や燃料ガス8の変動により火炎12が燃焼不良になった時に、排ガスセンサ36により排気ガス34の成分を直接測定する。これによって、燃焼不良状態が判定できるので、精度良く燃焼装置5を停止し、水素生成器1の安全性を確保することができる。また、余分な燃料ガス8を追加しないで、燃料電池システムから排出されるオフガス7のみの燃焼で水素生成器1を加熱できるので、水素生成器1の改質効率の低下を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、正確な燃焼状態の検知を行うようにした燃焼装置を搭載した燃料電池の水素生成器に関するものである。
従来この種の水素生成器の加熱用燃焼装置は、燃焼の検知にフレームロッド方式を用いている。フレームロッド方式による燃焼の検知は、フレームロッドに交流電圧を印加して、火炎の整流作用によって生じた直流電流を取り出して判定を行っている。この整流作用は、燃料中の炭化水素がイオン化されることによるもので、燃料中に炭化水素がない場合や燃料中の炭化水素の濃度が低い場合には、判定に必要な電流が流れない場合がある。この時は、燃料電池から排出される低カロリーガスであるオフガス(未反応水素ガス)に高カロリーガス(原燃料)を混合させて供給し、火炎中のイオンの作用を増大して整流作用を安定させ、フレームロッド方式の火炎検知を正確に行うようにしているものがある。(例えば特許文献1参照)。
特開2001−201046号公報
しかしながら、前記従来の構成では、低カロリーガスの主成分である水素ガスの割合が大きい場合は、燃焼用空気の変動により火炎が燃焼不良状態になっても、火炎が失火するような状態にならないと判定が難しく、燃焼不良状態の程度の判定ができずCO発生量の想定ができないという課題を有していた。
また、低カロリーガスであるオフガス(未反応水素ガス)に高カロリーガス(原燃料)を混合させるので、水素生成器を同じように加熱するのに燃料消費量が増加して水素生成器の効率を低下させるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水素生成器の効率を低下させないで、燃焼不良検知を行うようにした燃焼装置を搭載した水素生成器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成器は、炭化水素系原料の改質反応により水素を含む改質ガスを生成する水素生成器の加熱用燃焼装置と、この燃焼装置の排気ガスの成分検知を行う排ガスセンサと、この排ガスセンサの信号から燃焼装置の燃焼状態が不良と判定できた時に燃焼装置を停止させる制御器を備えたものである。
これによって、燃焼用空気の変動や燃料の変動により火炎が燃焼不良になった時に、排ガスセンサにより排気ガスの成分を直接測定することにより、燃焼不良状態が判定できるので、精度良く燃焼装置を停止し、水素生成器の安全性を確保することができる。
また、余分な燃料を追加しないで、燃料電池から排出されるオフガス(未反応水素ガス)のみの燃焼で水素生成器を加熱できるので、水素生成器の改質効率の低下を防止することができる。
本発明の水素生成器は、燃料電池に必要な水素ガスを得るための改質効率を低下させないで、水素生成器の加熱用燃焼装置の燃焼不良検知を行うことがで、安全性を確保できる。
第1の発明は、炭化水素系原料の改質反応により水素を含む改質ガスを生成する水素生成器の加熱用燃焼装置と、この燃焼装置の排気ガスの成分検知を行う排ガスセンサと、この排ガスセンサの信号から燃焼装置の燃焼状態が不良と判定できた時に燃焼装置を停止させる制御器を備えたことにより、燃焼用空気の変動や燃料の変動により、火炎が燃焼不良になった時に排ガスセンサにより、排気ガスの成分を直接測定することにより、燃焼不良状態が判定できるので、所定の状態時に精度良く燃焼装置を停止することになり、安全性を確保することができ、また、余分な燃料を追加しないで、燃料電池から排出されるオフガス(未反応水素ガス)のみの燃焼で水素生成器を加熱できるので、水素生成器の改質効率の低下を防止することができる。
第2の発明は、特に、排ガスセンサは、接触燃焼式のCOセンサとしたことにより、燃焼装置の高温の排気ガス中や燃料電池から排出され、多量の水蒸気を含むオフガス(未反応水素ガス)の排気ガス中でも排気ガス中のCO濃度を計測することになり、精度良く燃焼装置を停止し、水素生成器の安全性を確保することができる。
第3の発明は、特に、排ガスセンサは、触媒容器の周囲に設けられた排ガス通路の出口に連接して設ける排気ダクトに臨ませて配置したことにより、排ガス通路内を移動する排気ガスを排気ダクトに集束して均一化することになり、精度良く燃焼装置を停止し、水素生成器の安全性を確保することができる。
第4の発明は、特に、燃焼装置は、燃料を噴出するディストリビュータと、前記燃料に空気を供給する空気噴出部と、前記ディストリビュータと空気噴出部とで構成する燃焼室を備えたことにより、空気噴出部の空気噴出孔から噴出する空気とディストリビュータから噴出する燃料とが衝突混合し、都市ガスや燃料電池発電装置より戻るオフガス等の異なる燃料ごとに適正な火炎を形成することになり、良好な燃焼特性の水素生成器を得ることができる。
第5の発明は、特に、燃焼装置は、都市ガス、またはLPG、または燃料電池から排出されるオフガス(未反応水素ガス)、または都市ガスやLPGとオフガスを混合したガス体を燃料としたことにより、燃料電池の水素生成器を加熱する燃料として炭化水素系の燃料ガスと燃料電池から排出されるオフガスを同一のディストリビュータから噴出し、同一の燃焼室に火炎を形成することになり、燃焼装置の構成が簡単になり、低コストの水素生成器を提供することができる。
第6の発明は、特に、燃焼装置は、排ガスセンサとディストリビュータと空気噴出部とで構成する燃焼室に臨まされたフレームロッドにより火炎の電圧値または電流値を検知して燃焼状態を評価するようにした炎検知手段により、燃焼状態を判定することにより、火炎の有無をフレームロッドで確認し、排ガスセンサでCOの発生量を測定することになり、燃焼の状態を正確に把握して、水素生成器の安全性を確保することができる。
第7の発明は、特に、燃焼装置は、排ガスセンサとディストリビュータと空気噴出部とで構成する燃焼室に臨まされた熱電対により火炎の温度を検知して燃焼状態を評価するようにした炎検知手段により、燃焼状態を判定することにより、火炎の変化を熱電対の温度測定で把握し、排ガスセンサでCOの発生量を測定することになり、両方の信号を評価し、燃焼の状態を正確に把握して、水素生成器の安全性を確保することができる。
第8の発明は、特に、制御器は、排ガスセンサの信号から燃焼装置の燃焼状態を不良と判定し、水素生成器を停止するとともに、この水素生成器が搭載された燃料電池システムを停止するようにしたことにより、燃焼装置の燃焼不良によりCOが多量に発生しても排ガスセンサの信号を受けた制御器が燃料電池システムを停止することになり、燃料電池システムのCO発生を防止して、安全性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成器の全体構成図である。図1において、1は、都市ガス(またはLPGまたは炭化水素系燃料)を原料として燃料電池発電装置に供給する水素を生成する水素生成器であり、2は、脱硫装置(図示なし)で処理を行った後の都市ガス(または、LPGまたは炭化水素系燃料)と水蒸気とからなる原料ガス、3は、ニッケルもしくはルテニウムを主成分とする触媒を充填した触媒層で、この触媒層3で原料ガス2を反応させることにより、水素と二酸化炭素および一酸化炭素からなる生成ガス4を生成する。この生成反応は700℃程度の高温で生じる吸熱反応であるため、燃焼装置5により高温の燃焼ガスを供給して原料ガス2と触媒層3を加熱している。
5は、燃焼装置で都市ガス6(またはLPG)や燃料電池から排出されるオフガス7(未反応水素ガス)、または都市ガス6(またはLPG)とオフガス7を混合して、燃料ガス8としてディストリビュータ9から噴出し、空気噴出部10の周囲から空気11を供給することにより、火炎12を形成し燃焼を行う。円管状のディストリビュータ9の先端には、燃料ガス8を噴出する複数個のノズル13がディストリビュータ9の円周方向に設けられ、燃料ガス8を放射状に噴出する構成としている。空気噴出部10は、複数個の空気噴出孔14を空気噴出部10の側面に略直角に設けている。空気噴出部10は、ディストリビュータ9を中心として、火炎12の出口方向に徐々に拡大するようにカップ状に燃焼室15を形成し、燃焼用の空気11を燃焼室15内に供給する構成としている。空気噴出孔14は、上下方向の配列を千鳥状に設けている。ディストリビュータ9のノズル13は、空気噴出部10の空気噴出孔14の最下段に設ける空気噴出孔16とほぼ対向する位置になるように配置している。また、空気噴出部10の底部には複数個の下部空気噴出孔17を設け、ディストリビュータ9の軸方向と平行方向に空気11の一部を噴出する構成としている。
18は、空気11を供給する空気室で、空気噴出部10の周囲を囲む形で通路を構成している。空気室18の上流には、送風ダクト19を介して送風手段20が設けられている。送風手段20は、空気11を供給する送風機で構成され、羽根車には高圧を出せるターボファンやラジアルファン等を用い、それをモータで回転させるようにしている。制御部21により送風手段20のコントロールを行うようにしている。
22は、燃焼装置5によって生じる火炎12が触媒容器23に直接触れることを避け、さらに燃焼ガス24の流路を規定するための燃焼筒である。燃焼ガス24は、触媒容器23の周囲に沿って流れ、水素生成器1の外部に排出される。
25は、ディストリビュータ9の中央に、ディストリビュータ9を貫通するように設ける挿入通路で、挿入通路25は、ディストリビュータ9とは、隔離して構成され、燃料ガス8が進入することはない。26は、挿入通路25内に挿入する着火用の電極で、耐熱性のカンタル線やエスイット線で構成している。電極26の周囲は、絶縁用の絶縁碍子27で被覆されている。絶縁碍子27は、耐熱性のアルミナ、シリカ等のセラミック材で形成し、その表面は、ガラス成分からなる釉薬が塗布されている。電極26の先端は、燃焼室15に臨み、ディストリビュータ9の天板28に火花放電が飛ぶように、位置決めを行っている。
29は、炎検知手段で、耐熱性のカンタル線やエスイット線でフレームロッドを構成し、火炎12の有無を検知している。炎検知手段29の周囲は、絶縁用の絶縁碍子30で被覆されている。絶縁碍子30は、耐熱性のアルミナ、シリカ等のセラミック材で形成し、その表面は、ガラス成分からなる釉薬が塗布されている。炎検知手段29の先端は、燃焼室15に臨み、曲率をもって屈曲し、空気噴出部10の内壁に沿って、所定の間隙を有しながら、火炎12中に臨むように位置を決められている。炎検知手段29の装着は、空気噴出部10の上部に設ける燃焼筒22の下部の一部を拡管して設ける空間31から炎検知手段29の先端を延長して、空気噴出部10の内壁に沿って臨ませている。制御部21の指示により、炎検知手段29に交流もしくは直流の電圧を印加して、火炎12中のイオン電流を検知している。炎検知手段29のデータは、電圧値または電流値として判定を行っている。
32は、触媒容器23の周囲に設けられた排ガス通路で、燃焼ガス24が触媒容器23に沿って流れるように水素生成器1の上方に出口33を設け、燃焼ガス24を水素生成器1の外部に排気ガス34として排出している。出口33には、筒状の排気ダクト35が連接されている。この排気ダクト35の他方は、熱交換器(図示無し)に連結し、排気ガス34の熱を回収し、熱効率の低下を防止している。
36は、排気ダクト35の途中に設けた排ガスセンサで、排気ダクト35に臨まされた検知部分に排気ガス34の一部を取り込んで、成分を直接測定している。排ガスセンサ36は、接触燃焼式のCOセンサで構成し、高温の排気ガス34中のCO濃度を測定して、その信号を制御器21に送る。制御器21では、信号の大きさにより火炎12から発生するCO量を換算して燃焼状態を評価し、CO量が所定の閾値超えて燃焼状態が不良と判定できた時に燃料ガス8の供給を停止し、燃焼装置5を停止させる指示を行うようにしている。排ガスセンサ36は、排気ダクト35に装着するときにその先端の検知部分を排気ダクト35に挿入し、信号や電源の接続部分は、外部に露出し放熱を促進して温度上昇を防止している。また、接触燃焼式では、排気ガス34中のCOを検知部分で触媒燃焼させその温度上昇を電気抵抗に変換して電圧出力として取り出すようにしている。
以上のように構成された水素生成器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、起動時は、制御部21により送風手段20を作動し、燃焼用の空気11を送風する。空気11は、送風ダクト19を通り空気室18に流入し、空気噴出部10の空気噴出孔14から燃焼室15に供給される。ここで、ディストリビュータ9のノズル13から燃焼速度や流量の異なる都市ガス6(またはLPGまたは炭化水素系燃料)の燃料ガス8を噴出すると、このディストリビュータ9から放射状に噴出された燃料ガス8と略対向する最下段の空気噴出孔16から供給された空気11とが衝突し混合する。この時、ディストリビュータ9の中央に、ディストリビュータ9を貫通するように設ける挿入通路25から燃焼室15に臨ませた電極26により、火花放電が行なわれ、燃料ガス8に着火が行なわれる。燃料ガス8は空気噴出部10の開口部方向へ流れて行くが、空気噴出部10の形状を図示したようにカップ状としているため、燃料ガス8の流路断面積が連続的に拡大し、それによって燃料ガス8の流速が減少し、その流速が都市ガス6の燃焼速度と同等またはそれ以下となった場所で、部分的な予混合の火炎12を生じて燃焼する。この燃焼により水素生成器1の触媒層3を加熱し、改質反応を促進し水素ガスを発生させる。
また、発電時は、水素生成器1から燃料電池(図示なし)に供給された水素ガスの残りとして排出されるオフガス7(未反応水素ガス)を燃料ガス8として使用し、水素生成器1の触媒層3を加熱し、改質反応を促進していく。
このとき、排ガスセンサ36で排気ガス34中のCO濃度を連続測定し、火炎12の状態を評価する。例えば、送風手段20が排気閉塞や給気閉塞により火炎12が空気不足になりCOを発生すると、排ガスセンサ36で検知してその信号を制御器21に送る。制御器21では、その信号が所定の値(例えばJIS等で規定されるCOの最大排出量に相当する信号による閾値)を超える時は、燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、燃焼装置5を停止させる指示を行う。また、制御器21は、水素生成器1や燃料電池システムに対しても停止動作の指示を行うようにしている。また、気温の低下や燃料ガス8の供給不良による供給量の減少により、火炎12が空気過剰になりCOを発生しても、同じように排ガスセンサ36の信号の評価を行い、燃焼状態の判定を行うようにしている。
このとき、炎検知手段29では、火炎12のイオン電流を測定し、電圧値または電流値として制御部21により所定のデータ信号が得られているかを判定し、異常があれば燃焼装置5を停止させ安全を確保するようにしている。都市ガス6は、燃料中に炭化水素が多いので、イオン電流が多く流れ、電圧値または電流値が大きく測定できる。しかし、水素生成器1が充分に加熱され、原料ガス2からオフガス7が発生すると燃料電池により発電を開始し、発電に使用されないオフガス7の残りを燃料ガス8として供給し燃焼を行うようになる。オフガス7は、その成分の主体が水素のため炭化水素の濃度が少ないので、イオン電流が減少し、火炎12の変化を出力として得ることが困難になる。
そこで、炎検知手段29は、火炎12の有無だけを判定し、失火、消火等の確認を行い、排ガスセンサ36を補完するような動作を行うようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、炭化水素系原料の改質反応により水素を含む改質ガスを生成する水素生成器1の加熱用燃焼装置5と、この燃焼装置5の排気ガス34の成分検知を行う排ガスセンサ36と、この排ガスセンサ36の信号から燃焼装置5の燃焼状態が不良と判定できた時に燃焼装置5を停止させる制御器21を備えたことにより、燃焼用空気11の変動や燃料ガス8の変動により火炎12が燃焼不良になった時に、排ガスセンサ36により排気ガス34の成分を直接測定することにより、燃焼不良状態が判定できるので、精度良く燃焼装置5を停止し、水素生成器1の安全性を確保することができる。
また、余分な燃料ガス8を追加しないで、燃料電池から排出されるオフガス7(未反応水素ガス)のみの燃焼で水素生成器1を加熱できるので、水素生成器1の改質効率の低下を防止することができる。
また、排ガスセンサ36は、接触燃焼式を採用しているので、高温の排ガス34中のCO濃度を測定できるので、燃焼装置5がどのような燃料ガス8で燃焼しても、また燃料ガス8の流量が変化して排気ガス34の温度が高低しても燃焼状態の評価を行うことができる。
また、排ガスセンサ36は、作動温度が380〜400℃と高く、連続作動しているので、水蒸気量の多いオフガス7の排気ガス34中でも水蒸気の影響を受けないでCO濃度の測定を行うことができる。
また、火炎12の有無を炎検知手段29で判定しているので、急激な燃焼状態の変化による失火を評価でき、排ガスセンサ36の測定の時間遅れを補完して燃焼状態の急変にも対応することができる。
また、排ガスセンサ36は、接触燃焼式を採用しているので、排気ガス34中の水素成分にも感度があるので、オフガス7の燃焼状態が変化して、燃料ガス8中の水素が多量にスリップしても燃焼装置5の燃焼不良として判定し、安全性を確保することができる。
また、燃料ガス8を周囲方向に噴出するディストリビュータ9と、このディストリビュータ9を囲むように周囲から中央方向に空気11を噴出する空気噴出部10を設けたことにより、燃料ガス8と空気11の混合を促進し、火炎12を短炎化し、水素生成器1の小型化を行うことができる。
また、燃料ガス8と空気11が混合を促進するためにノズル13と最下段の空気噴出孔16を略対向して配置しているため、この部分では燃焼速度が速く燃焼しやすい水素が空気と十分に混合し、火炎12は常に安定して存在することができる。
また、下部空気噴出孔17を介して空気11を燃料ガス8に対して下方から交差する位置から噴出するので、燃料ガス8と空気11の混合をより良好にすることができる。この空気11は、単にガスの混合を良くするのみではなく、燃焼ガス8の流量に対して空気11の流量が相対的に過剰に供給した場合でも火炎12を保つ作用が認められ、燃焼の安定化に大きな効果を有している。
また、ディストリビュータ9のノズル13から都市ガス6(またはLPGまたは炭化水素系燃料)や燃料電池より戻るオフガス7の異なる燃料を噴出できるので、構成が簡単になりコストを低減することができ、またディストリビュータ9からは常に都市ガス6(またはLPGまたは炭化水素系燃料)またはオフガス7が噴出するので、ディストリビュータ9が冷却され、火炎12で過熱されず、長期間の使用に耐えることができる。
(実施の形態2)
図1は、本発明の実施の形態2における水素生成器1を示す断面図である。図1において、排ガスセンサ34は、接触燃焼方式のCOセンサで構成している。以上のように構成された燃焼装置について、以下その動作、作用について説明する。
排ガスセンサ36で排気ガス34中のCO濃度を連続測定してモニターし、火炎12の状態を評価する。例えば、送風手段20が排気閉塞や給気閉塞により火炎12が空気不足になりCOを発生すると、排ガスセンサ36で検知してその信号を制御器21に送る。制御器21では、その信号が所定の値(例えばJIS等で規定されるCOの最大排出量に相当する信号による閾値)を超える時は、燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、燃焼装置5を停止させる指示を行う。また、気温の低下や燃料ガス8の供給不良による供給量の減少により、火炎12が空気過剰になりCOを発生しても、同じように排ガスセンサ36の信号の評価を行い、燃焼状態の判定を行うようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、排ガスセンサ36は、接触燃焼式を採用しているので、高温の排ガス34中のCO濃度を測定できるので、燃焼装置5がどのような燃料ガス8で燃焼しても、また燃料ガス8の流量が変化して排気ガス34の温度が高低しても燃焼状態の評価を行うことができる。
また、排ガスセンサ36は、作動温度が380〜400℃と高く、連続作動しているので、水蒸気量の多いオフガス7の排気ガス34中でも水蒸気の影響を受けないでCO濃度の測定を行うことができる。
また、接触燃焼式の排ガスセンサ36は、作動温度が高く設定できるので、連続作動することにより排ガスセンサ36の検知部へのゴミや水分の付着を防止して、クリーニングのために水素生成器を停止する必要がなく、燃料電池を連続で作動することができる。
(実施の形態3)
図1本発明の実施の形態3における水素生成器1を示す断面図である。図1において、排ガスセンサ36は、触媒容器23の周囲に設けられた排ガス通路32の出口33に連接して設ける排気ダクト35にその検知部分を臨ませて配置している。
以上のように構成された燃焼装置について、以下その動作、作用について説明する。触媒容器3の周囲の排ガス通路32を流れる燃焼ガス24を出口33に集束し、排気ガス34として均一化することで、排ガスセンサ36のCO測定精度を向上し、燃焼不良状態を性格に判定するようにしている。
また、出口33に連接する排気ダクト35に排ガスセンサ36を装着し、排ガスセンサ36の検知部分以外の構成部分の放熱を促進し、電源や信号のリード線取り付け部の温度が上昇しないようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、排気ガス34を排気ダクト35集束して均一化するので、排ガスセンサ36は、COの発生量を平均的な値として精度良く測定し、燃焼装置5を停止し、安全性を確保することができる。
排ガスセンサ36を排気ダクト35に取り付けるときに温度上昇を防止しているので、
排ガスセンサ36の耐久性を向上することができる。
(実施例4)
図1は、本発明の実施の形態4における水素生成器1を示す断面図である。図1において、燃焼装置5は、燃料ガス8を噴出するディストリビュータ9と、前記燃料ガス8に空気11を供給する空気噴出部10と、前記ディストリビュータ9と空気噴出部10とで構成する燃焼室15を備えている。
以上のように構成された水素生成器1について、以下その動作、作用について説明する。
空気噴出部10の空気噴出孔14から噴出する空気11とディストリビュータ9から噴出する燃料ガス8とが衝突混合し、都市ガス6や燃料電池より戻るオフガス7等の異なる燃料ガス8ごとに適正な火炎12を空気噴出孔14に沿って形成し、都市ガスや燃料電池より戻るオフガス等の燃料ガス8の種類ごとに良好な燃焼特性を得るようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、燃料ガス8を周囲方向に噴出するディストリビュータ9と、このディストリビュータ9を囲むように周囲から中央方向に空気11を噴出する空気噴出部10を設けたことにより、燃料ガス8と空気11の混合を促進し、火炎12を短炎化し、水素生成器1の小型化を行うことができる。
(実施例5)
図1は、本発明の実施の形態5における水素生成器1を示す断面図である。図1において、燃焼装置5は、都市ガス6(またはLPG)、または燃料電池から排出されるオフガス7(未反応水素ガス)、または都市ガス6(またはLPG)とオフガス7を混合したガス体を燃料ガス8としている。
以上のように構成された水素生成器1について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5は、燃料電池の水素生成器1を加熱するために、燃料ガス8として起動時は、都市ガス6等の炭化水素系の燃料ガス8を燃焼させ、燃料電池が発電中は、燃料電池システムから排出されるオフガス7を燃焼させる。このとき同一のディストリビュータ9から燃料ガス8を噴出し、同一の燃焼室15に火炎12を形成するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、1台の燃焼装置5で、起動時と発電時に異なる燃料ガス8を燃焼できるので、燃焼装置5の構成が簡単になり、低コストの水素生成器1を提供することができる。また、燃焼装置5が単体で構成できるので、コンパクトな水素生成器を得ることができる。
(実施例6)
図2は、本発明の実施の形態6における水素生成器1を示す断面図である。図2において、燃焼装置5は、排ガスセンサ36とディストリビュータ9と空気噴出部10とで構成する燃焼室15に臨まされたフレームロッドにより火炎12の電圧値または電流値を検知して燃焼状態を評価するようにした炎検知手段29により、燃焼状態を判定している。
以上のように構成された水素生成器1について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5は、火炎12が例えば空気不足等で燃焼不良を起こした時に、排ガスセンサ36によりCOの発生量を測定することで、燃焼状態を判定するようにしているが、瞬時的な失火に対する応答性の遅れや空気過剰側での空気11によるCOの希釈による濃度低下による燃焼状態の判定の不正確な領域があるため、それを保管するために、炎検知手段29により火炎12の有無を判定して、排ガスセンサ36の測定値がまだ低い値を示していても火炎12の失火を瞬時に検知して燃焼不良状態を判定するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、排ガスセンサ36の測定の時間遅れを補完して燃焼状態の急変にも対応することができる。また、燃焼の状態を正確に把握して、水素生成器1の安全性を確保することができる。
(実施の形態7)
図2は、本発明の実施の形態7における水素生成器1を示す断面図である。図2において、燃焼装置5は、排ガスセンサ36とディストリビュータ9と空気噴出部10とで構成する燃焼室15に臨まされた熱電対により火炎12の温度を検知して燃焼状態を評価するようにした炎検知手段37により、燃焼状態を判定するようにしている。炎検知手段37は、空気噴出部10の空気噴出孔14の一部を介して、その先端を燃焼室15に臨ませている。
以上のように構成された水素生成器1について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5は、火炎12が例えば空気不足等で燃焼不良を起こした時に、排ガスセンサ36によりCOの発生量を測定することで、燃焼状態を判定するようにしているが、瞬時的な失火に対する応答性の遅れや空気過剰側での空気11によるCOの希釈による濃度低下による燃焼状態の判定の不正確な領域があるため、それを保管するために、熱電対を用いた炎検知手段37により、空気不足側と空気過剰側での火炎12の温度降下を測定し、燃焼状態の不良を判定するようにしている。火炎12の失火に対しても、炎検知手段37の温度降下により判定するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、炎検知手段37により排ガスセンサ36の判定の不正確な領域を補完して燃焼の状態を正確に把握して、水素生成器1の安全性を確保することができる。また、排ガスセンサ36と炎検知手段37は、燃料ガス8の成分により測定値が影響されることがないので、両方の信号を評価することで、燃料電池の起動時や発電時のどこででも燃焼状態の判定を行うことができる。
(実施の形態8)
図3は、本発明の実施の形態8における水素生成器1を示す全体構成図である。図3において、制御器21は、排ガスセンサ36の信号から燃焼装置5の燃焼状態を不良と判定し、水素生成器1を停止するとともに、この水素生成器1が搭載された燃料電池システム38を停止するようにしている。燃料電池システム38は、高分子電解質型燃料電池39や給湯装置(図示無し)等で構成している。
以上のように構成された水素生成器1について、以下その動作、作用について説明する。
燃焼装置5の燃焼不良によりCOが多量に発生した時は、排ガスセンサ36の信号を受けた制御器21が燃焼装置5への燃料ガス8の供給を停止するとともに送風手段20の空気11の供給量を増大させ、水素生成器1の冷却を行う。この時、水素生成器1では水蒸気改質反応のための水供給や変成反応や浄化反応のための空気供給が停止される。また、燃料電池システム38では、発電を停止し、窒素パージ(あるいは、13Aパージ)等の停止処理を行うようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、排ガスセンサ36により燃焼装置5の燃焼不良を判定するので、燃料電池システムからのCO発生を防止して、安全性を確保することができる。
以上のように、本発明にかかる水素生成器は、燃焼装置の燃焼状態の検知を行う時に排気ガスの成分を排ガスセンサにより直接測定するので、燃料電池から排出されるオフガス(未反応水素ガス)のような水素を含む燃料ガスの燃焼不良検知が可能となり、フレームロッドを用いた炎検知手段による燃焼不良検知が困難な給湯機や暖房機の熱源にも適用できる。
本発明の実施の形態1〜6における水素生成器の断面図 本発明の実施の形態7における水素生成器の断面図 本発明の実施の形態8における水素生成器を適用した燃料電池システムの動作を説明するブロック図
符号の説明
1 水素生成器
5 燃焼装置
9 ディストリビュータ
10 空気噴出部
15 燃焼室
21 制御器
23 触媒容器
29,37 炎検知手段
33 出口
35 排気ダクト
36 排ガスセンサ

Claims (8)

  1. 炭化水素系原料の改質反応により水素を含む改質ガスを生成する水素生成器加熱用の燃焼装置と、この燃焼装置の排気ガスの成分検知を行う排ガスセンサと、この排ガスセンサの
    信号から前記燃焼装置の燃焼状態が不良と判定されたとき、前記燃焼装置を停止させる制御器を備えた水素生成器。
  2. 排ガスセンサは、接触燃焼方式のCOセンサとした請求項1に記載の水素生成器。
    焼装置。
  3. 排ガスセンサは、触媒容器の周囲に設けられた排ガス通路の出口に連接して設ける排気ダクトに臨ませて配置した請求項1または2に記載の水素生成器。
  4. 燃焼装置は、燃料を噴出するディストリビュータと、前記燃料に空気を供給する空気噴出部と、前記ディストリビュータと空気噴出部とで構成する燃焼室とを備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素生成器。
  5. 燃焼装置は、都市ガス、またはLPG、または燃料電池から排出されるオフガス(未反応水素ガス)、または都市ガスやLPGとオフガスを混合したガス体を燃料とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素生成器。
  6. 燃焼装置は、排ガスセンサとディストリビュータと空気噴出部とで構成され、且つ燃焼室に臨むように設けたフレームロッドにより火炎の電圧値または電流値を検知して燃焼状態を評価する炎検知手段により、燃焼状態を判定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素生成器。
  7. 燃焼装置は、排ガスセンサとディストリビュータと空気噴出部とで構成する燃焼室に臨むように設けた熱電対により火炎の温度を検知して燃焼状態を評価する炎検知手段により、燃焼状態を判定する請求項1〜6のいずれか1項に記載の水素生成器。
  8. 制御器は、排ガスセンサの信号から燃焼装置の燃焼状態を不良と判定し、水素生成器を停止するとともに、この水素生成器が搭載された燃料電池システムを停止する請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素生成器。
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