JP4608756B2 - 車両の側部開閉体のシール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両側面の前席用乗降口を、前部にヒンジ部を有する前部ドア(フロントドア)で開閉し、後席用乗降口を、後部にヒンジ部を有する後部ドア(リヤドア)で開閉する観音開き構造のサイドドアを備えたような車両の側部開閉体のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両側面のサイドドアにおいて、乗員の乗降性を向上するため、センタピラーレスの観音開き構造のサイドドア(側部開閉体)が開発されている。
この観音開き構造のサイドドアは、車体側面に形成された大きな側面開口部(乗降口)に対して、前端ヒンジのフロントドアと、後端ヒンジのリヤドアとの、2つのドアを設定して、これらドアを開放することで、車体側面の大きな側面開口部(乗降口)を開放し、乗員の乗降性を向上している。
【0003】
しかし、この観音開き構造のサイドドアは、センタピラーをなくして車体側面の側面開口部を大きく形成している関係上、モノコックボディとして車体剛性や強度を確保することが困難であり、また、側面衝突に対する安全性も低下する問題点があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、特開平10−109662号公報には、車体全体およびドアそれ自体を骨格部材(フレーム部材)で構成し、車体側面に大きな側面開口部を形成しても、車体剛性や強度を確保できる構成が開示されている。
【0005】
このように、車体全体およびドアそれ自体を骨格部材で構成すると、車体剛性や強度を車体パネルで確保する必要がないため、センタピラーレスの車体構造であっても強度を確保できる。
【0006】
しかし、上述の如く車体やドアを全て骨格部材で構成する場合には、車体重量が増加するうえ、生産性も極めて悪化する問題点があった。
【0007】
そこで、図11に示すように、モノコックボディの一般量産車の構造を維持して、センタピラー91を有する観音開きドアを構成しよすとする場合、アウタパネル92とインナパネル93とを有するフロントドア94をその前部に位置するヒンジで支持し、アウタパネル95とインナパネル96とを有するリヤドア97をその後部に位置するヒンジで支持し、センタピラー91のピラーインナパネル98とピラーアウタパネル99との接合フランジ部の外部にウエザストリップ等のシール部材100を設けて両者91,94間、91,97間をシールするシール構造が考えられる。
【0008】
しかしながら、上記の如く構成した場合には、シール部材100を含むセンタピラー91の車両前後方向の長さLが大となり、この分、該センタピラー91で区画された前席用乗降口と後席用乗降口とが狭くなって、乗員の乗降性が悪化する。
【0009】
また、フロントドア94の後端とリヤドア97の前端との間にはドア開閉用の隙間gが形成されるので、見栄えが低下すると共に、センタピラー91の耐久性が不充分となる問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前部ドアと後部ドアとの間でシールを行ない、センタピラーのシール部材を不要と成すことで、センタピラーの細型化と形状の自由度が向上し、乗降性の向上を図ることができると共に、見栄えの向上およびセンタピラーの耐久性向上を図ることができる車両の側部開閉体のシール構造の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両の側部開閉体のシール構造は、車体の側部にセンタピラーで区画された前席用乗降口と後席用乗降口とを有し、前席用乗降口を前部にヒンジ部をもった前部ドアで開閉し、後席用乗降口を後部にヒンジ部をもった後部ドアで開閉する観音開き構造の車両において、上記センタピラーの外部を覆って上記前部ドアの後端と上記後部ドアの前端とを近接配設し、上記前部ドアの後端および上記後部ドアの前端の少なくとも一方と、上記センタピラーとが平面から見て車幅方向に重合するように配設され、上記後部ドアの前端部に対して前部ドアの後端部が車外側から重合するように配設され、上記後部ドアの前端部に設けられたシール部材が前部ドアの後端部に車室内側より当接するように配設されると共に、該シール部材には、上記センタピラーの車室外側の面に当接してシールするシール部が一体的に形成されたものである。
【0012】
上記構成の車体は、モノコックボディ等の量産車の基本構造を維持して構成することができる。
上記構成のセンタピラーは、金属管からハイドロフォーム加工により成形された筒状のハイドロフォーム部材またはそれ以外の部材で構成することができる。
【0013】
上記構成により、後部ドアに設けられたシール部材が前部ドアに当接してシールされるので、前部ドアと後部ドアとの間でシールを行なって、センタピラーのシール部材を不要と成すことができる。
【0014】
このため、センタピラーの細型化と形状の自由度が向上し、センタピラーの車両前後方向の寸法を細くした分、乗降性の向上を図ることができる。
また、上記センタピラーの外部を覆って上記前部ドアの後端と上記後部ドアの前端とを近接配設し、かつ両ドア間をシール部材でシールするので、見栄えの向上とセンタピラーの耐久性向上との両立を図ることができる。
【0015】
また、上記センタピラーの外方部において上記前部ドアの後端部と上記後部ドアの前端部とがシール部材でシールされ、後部ドア側のシール部材からセンタピラーに当接するシール部が延設されたものであるから、該シール部材による両ドア間のシールに加えて、上記シール部にてドアとセンタピラーとの間をシールすることができるので、センタピラーの耐久性および防錆性をさらに向上させることができる。
【0016】
さらに、上記前部ドアの後端および上記後部ドアの前端の少なくとも一方と、上記センタピラーとが平面から見て車幅方向に重合するように配設されたものである。このため、センタピラーと、前部ドアの後端または/および後部ドアの前端とによる車幅方向の重合構造が形成されるので、ドア閉時における側突時の剛性向上を図ることができ、安全性をより一層向上させることができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記後部ドアの前端が上記センタピラーより前方まで延設されて延設部を形成し、上記延設部と前部ドア後端との間がシール部材でシールされたものである。
【0018】
上記構成により、シール部材の位置をセンタピラーよりも前方にオフセットして設定することができ、センタピラーの車両前後方向および車幅方向の何れの寸法も小さくすることが可能となって、センタピラーの小型化による乗降性の向上と、側突時の剛性向上との両立を図ることができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記センタピラーはハイドロフォーム部材にて構成されたものである。
上記構成により、センタピラーの接合フランジ部が省略できるので、この分、センタピラーの小型化が図れ、乗降口を大きく設定することができる。
【0020】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の側部開閉体のシール構造を示すが、まず、図1〜図4を参照して車両の側部車体構造について説明する。
【0021】
なお、図1は車両の全体斜視図、図2は車両の全体側面図、図3はフロントドアとリヤドアを取り外した状態の車両の全体側面図である。
車両1の車体側面には、図1、図2に示すように、フロントドア2とリヤドア3とで構成されるサイドドアが設けられ、フロントドア2の前端部とリヤドア3の後端とに、それぞれヒンジ部としてのフロントドアヒンジ4とリヤドアヒンジ5が設けられて観音開き構造のサイドドアが構成される。
【0022】
これらサイドドアを構成するフロントドア2とリヤドア3は、それぞれ、ドアパネル6,7とサッシュ8,9とウインドガラス10,11とで構成され、このうちドアパネル6,7内部には車両前後方向に延びるサイドインパクトバー12,13が設けられる。
【0023】
さらに、フロントドア2には、車外からフロントドア2の開閉操作を行うドアアウタハンドル14と、車両後方を視認するドアミラー15が設けられる。
【0024】
この実施例の観音開き構造のドアは、フロントドア2が優先して開放され、リヤドア3はフロントドア2の開放後において、その開成が許容されるように構成している。
【0025】
サイドドアの車室内方側には、側面開口部(後述する乗降口19,20参照)の上縁部16と下縁部17を上下方向に延びて連結するセンタピラー18が、フロントドア2とリヤドア3の閉鎖時の当接位置に略一致するように設置されている。
【0026】
車体の側部には、上記センタピラー18で区画された前席用の乗降口19と後席用の乗降口20とが形成され、前席用の乗降口19はフロントドア2で開閉され、後席用の乗降口20はリヤドア3で開閉される。
【0027】
上述のセンタピラー18は、通常のセンタピラーとは異なり、車体パネルに対して別部材の閉断面構造のメンバ部材で構成され、例えば、一本の金属管からハイドロフォーム加工(液圧成形加工)により成形された角筒状(中空形状)のハイドロフォーム部材で構成される。
【0028】
ハイドロフォーム加工によりセンタピラー18を成形することにより、強度を確保したうえで、自由な形状にセンタピラー18を成形することができる。
なお、このセンタピラー18は、ハイドロフォーム部材以外のパネル部材で構成してもよい。
【0029】
センタピラー18は、角筒状に成形された後、側面開口部の上縁部16と下縁部17に対して固定され、このセンタピラー18は、開口面積が大きい側面開口部の形状強度(特にボディのねじり剛性)を向上して、一般のモノコックボディに必要な車体剛性や強度を確保する。
【0030】
また、センタピラー18には、フロントドア2やリヤドア3をロックするためのロック機構や、ドアと車室との間のシール性を確保するシール部材などが設けられておらず、また、フロントドア2、リヤドア3の何れのドアも支持しないため、最低限、側面開口部の形状強度を確保する程度の強度に設定することができる。
【0031】
図4は、センタピラー18の車体への組付け構造を示す車室内方から見た斜視図である。センタピラー18は、その上端部18aを側面開口部の上縁部16として車両前後方向に延びるルーフサイドメンバ21に、その下端部18bを側面開口部の下縁部17として車両前後方向に延びるサイドシル22に、それぞれ複数の締付け手段たとえば固定ボルト23…にて、固定される。
【0032】
このように、車体のフレーム部分を成す剛性部材としてのルーフサイドメンバ21やサイドシル22に、センタピラー18を直接固定することにより、このセンタピラー18がフレーム機能を果たし、モノコックボディで構成された車体の車体剛性を、車両重量の増加を招くことなく、確実に高めることができる。
【0033】
センタピラー18の車室側の側面には、内装部材としてのトリムアッパ24とトリムロア25とを係止固定するトリム係止孔18c,18dが上下方向に複数形成され、このトリム係止孔18c,18dに対して、トリムアッパ24とトリムロア25とを係止固定することで、センタピラー18には、トリムアッパ24とトリムロア25とを装着する。
【0034】
このように、トリムアッパ24とトリムロア25が装着されることにより、センタピラー18はその車室側の側面が車室内に直接露出しないように構成することができる。
【0035】
また、センタピラー18の車両後方側の側面は、アシストグリップ26を固定するグリップ固定孔18eが形成され、このグリップ固定孔18eにアシストグリップ26を固定することにより、アシストグリップ26がセンタピラー25の車両後方側の側面に取付けられる。
【0036】
このようにして、アシストグリップ26がセンタピラー18に装着されることにより、アシストグリップ26が把持しやすい位置に設けられ、後席乗員は、乗降の際にアシストグリップ26を把持することで、上体を起こし、車両乗降を容易に行なうことができる。
【0037】
次に、図5、図6を参照して車両の側部開閉体(フロントドア2、リヤドア3参照)のシール構造について詳述する。
図5は、図2のA−A線矢視断面を示し、図6は、図2のB−B線矢視断面を示す。
図5は、フロントドア2とリヤドア3のサッシュ8,9の当接位置を示したドア閉時の断面図である。
【0038】
フロントドア2には、ウィンドガラス10と、このウィンドガラス10を接着剤27を介して支持するサッシュ8と、サッシュ8の車室側面を内装するトリム部材28が具備される。
また、リヤドア3には、ウィンドガラス11と、このウィンドガラス11を接着剤29を介して支持するサッシュ9が具備される。
【0039】
図5に示すように、フロントドア2の後端とリヤドア3の前端とはセンタピラー18の外部を覆うように互に近接して配設(詳しくは、フロントドア2の後端とリヤドア3の前端とが車両前後方向で所定量オーバラップするように配設)されており、リヤドア3の前端に設けられたシール部材としてのウエザストリップ30がフロントドア2の後端部に当接して、これら両ドア2,3間をシールすべく構成している。つまり、センタピラー18にはシール部材を設けないように構成している。
【0040】
ここで、リヤドア3のサッシュ9は、フロントドア2のサッシュ8とは異なり、フロントドア2後端を支持するようにフロントドア2の車室側に入り込む受け部9aが形成されている。
【0041】
上述のウエザストリップ30は、この受け部9aの先端に装着され、車内外をシールするもので、このウエザストリップ30は、フロントドア2後端(サッシュ8)が当接することにより、シール機能を確保するように構成されている。
【0042】
しかも、フロントドア2の後端とリヤドア3の前端とセンタピラー18とが平面から見て車幅方向に重合(オーバラップ)するように、これら三者2,3,18が配設されている。換言すれば、センタピラー18の閉断面31と、フロントドア2におけるサッシュ8の閉断面32と、リヤドア3におけるサッシュ9の閉断面33とを有し、閉断面31,32および閉断面31,33が車幅方向にオーバラップ配置され、かつ受け部9a対応位置にあっては閉断面31,33,32が車幅方向にオーバラップ配置されている。
【0043】
センタピラー18は、リヤドア3のサッシュ9の車室内方側に配置されることで、サッシュ9の車室内への露出を防止し、車室内の見栄えを向上することができる。さらに、側突時にも、フロントドア2、リヤドア3の何れのドアが、車室内に侵入してきても、全てセンタピラー18で受け止めて、ドア2,3の車室内への侵入を抑止することができる。なお、図5において、Fは車両前方を、Rは車両後方を、INは車両内方を、OUTは車両外方をそれぞれ示す。
【0044】
図6は、フロントドア2とリヤドア3のドアパネル6,7の当接位置を示したドア閉時の断面図である。
フロントドア2には、インナパネル6aとアウタパネル6bからなるドアパネル6と、ドアパネル6の車室側に装着されるドアトリム34と、ドアパネル6の内部に配置されるサイドインパクトバー12と、リヤドア3に設けられたストライカ35に係合するロック機構36が設けられている。
【0045】
また、リヤドア3には、インナパネル7aとアウタパネル7bからなるドアパネル7と、ドアパネル7の車室側に装着されるドアトリム37と、ドアパネル7の内部に配置されるサイドインパクトバー13とが設けられ、さらに、ドアパネル7の前端面7cには、ロック機構36に係合するストライカ35が設けられている。
また、リヤドア3のドアパネル7前端には、フロントドア2の後端を支持するように、フロントドア2の車室側に入り込む受け部7dが形成されている。
【0046】
そして、この受け部7dの先端には、車内外をシールするシール部材としてのウエザトリップ30が装着され、このウエザトリップ30はフロントドア2後端が当接することにより、シール機能を確保するように構成されている。
また、リヤドア3の車室内方側には、センタピラー18がトリムロア25を装着して配置されている。
【0047】
センタピラー18の配置される位置は、ストライカ35が設けられた位置の車室内方側で、サイドインパクトバー12,13の取付ブラケット12a,13aに、略重合する位置に設定されている。
【0048】
図6に示すドアパネル6,7の断面部位にあっても、図5のサッシュ8,9の断面部位と同様に、フロントドア2の後端とリヤドア3の前端とはセンタピラー18の外部を覆うように互に接近して配設されており、リヤドア3の前端に設けられたウエザストリップ30がフロントドア2の後端部に当接して、これら両ドア2,3間をシールすべく構成している。つまり、センタピラー18にはシール部材を設けないように構成している。
【0049】
しかも、側突剛性の向上を図るべくフロントドア2の後端とリヤドア3の前端とセンタピラー18とが平面から見て車幅方向に重合(オーバラップ)するように、これら三者2,3,18が配設されている。
【0050】
図5、図6で示したように、センタピラー18の外方部を覆うべくフロントドア2の後端とリヤドア3の前端とを近接して配設し、ドア側にのみシール部材としてのウエザストリップ30を設け、センタピラー18側はシールレス構造に構成したものである。
なお、図5、図6に示すこの実施例では、ドア側のウエザストリップ30はセンタピラー18の車両前後方向における前部位置と対向する箇所に位置している。
【0051】
このように、図1〜図6で示した実施例の車両の側部開閉体のシール構造は、車体の側部にセンタピラー18で区画された前席用乗降口19と後席用乗降口20とを有し、前席用乗降口19を前部にヒンジ部(フロントドアヒンジ4参照)をもった前部ドア(フロントドア2参照)で開閉し、後席用乗降口20を後部にヒンジ部(リヤドアヒンジ4参照)をもった後部ドア(リヤドア3参照)で開閉する観音開き構造の車両1において、上記センタピラー18の外部を覆って上記前部ドア(フロントドア2参照)の後端と上記後部ドア(リヤドア3参照)の前端とを近接配設し、少なくとも何れか一方のドア(この実施例ではリヤドア3)に設けられたシール部材(ウエザストリップ30参照)が他方のドア(この実施例ではフロントドア2)に当接してシールされるものである。
【0052】
この構成により、少なくとも何れか一方のドア(リヤドア3参照)に設けられたシール部材(ウエザストリップ30参照)が他方のドア(フロントドア2参照)に当接してシールされるので、前部ドア(フロントドア2参照)と後部ドア(リヤドア3参照)との間でシールを行なって、センタピラー18のシール部材を不要と成すことができる。
【0053】
このため、センタピラー18の細型化と形状の自由度が向上し、センタピラー18の車両前後方向の寸法を細くした分、乗降口19,20が広くなって、乗降性の向上を図ることができる。
また、上記センタピラー18の外部を覆って上記前部ドア(フロントドア2参照)の後端と上記後部ドア(リヤドア3参照)の前端とを近接配設し、かつ両ドア2,3間をシール部材(ウエザストリップ30参照)でシールするので、見栄えの向上とセンタピラーの耐久性、防錆性の向上との両立を図ることができる。
【0054】
しかも、上記前部ドア(フロントドア2参照)の後端および上記後部ドア(リヤドア3参照)の前端の少なくとも一方と、上記センタピラー18とが平面から見て車幅方向に重合するように配設されたものである。
【0055】
この構成により、センタピラー18と、前部ドア(フロントドア2参照)の後端または/および後部ドア(リヤドア3参照)の前端とによる車幅方向の重合構造が形成されるので、ドア閉時における側突時の剛性向上を図ることができ、安全性をより一層向上させることができる。
【0056】
なお、フロントドア2およびリヤドア3の他の周辺部(センタピラー18と対応しない他の部位)とボディとの間のシールはボディ側に設けられたシール部材38(図4参照)にてシールされる。
【0057】
さらに上述のセンタピラー18を、ハイドロフォーム部材にて構成すると、このセンタピラーをパネル部材で同一閉断面に構成する場合と比較して、センタピラー18の接合フランジ部が省略できるので、この分、センタピラー18の小型化が図れ、乗降口19,20をより一層大きく設定することができる。
【0058】
図7は車両の側部開閉体のシール構造の他の実施例を示し、この図7の実施例は図5の構成に加えて、ドア側のシール部材としてのウエザストリップ30からセンタピラー18の外側面に当接するリップ部30aを一体的に延設すると共に、リヤドア3の前端部における受け部9aの外方面に、フロントドア2の後端つまりサッシュ8におけるヘミング部と当接して両者8,9間(つまり両者2,3間)をシールするシール部材としてのラバーシール39を設けたものである。
【0059】
このように、センタピラー18の外方部において上記前部ドア(フロントドア2参照)の後端部と上記後部ドア(リヤドア3参照)の前端部とがシール部材(ウエザストリップ30参照)でシールされた構成に加えて、上記ドア側のシール部材(ウエザストリップ30参照)からセンタピラー18に当接するシール部(リップ部30a参照)が延設されたものである。
【0060】
この構成により、ドア側のシール部材(ウエザストリップ30参照)による両ドア2,3間のシールに加えて、上記シール部(リップ部30a参照)にてドア3とセンタピラー18との間をシールすることができるので、センタピラー18の耐久性および防錆性をさらに向上させることができる。
【0061】
また、上述のラバーシール39を設けると、このラバーシール39とウエザストリップ30とで二重シール構造を形成することができるので、両ドア2,3間をさらに良好にシールすることができるうえ、センタピラー18の耐久性、防錆性をより一層向上させることができる。
【0062】
なお、図7は各ドア2,3のサッシュ8,9部分の断面であるが、ドアパネル側の断面構造についても上記シール構造とセンタピラー18に対するドア端部の重合配置構造については前図と同様であり、この点に関しては以下に述べる各実施例についても同様である。
【0063】
図8は車両の側部開閉体のシール構造のさらに他の実施例を示し、この実施例では、リヤドア3のサッシュ9を構成するインナパネル9bの車幅方向の内端部9cを、センタピラー18の車幅方向の略中間部まで延出して、閉断面33を大きく設定すると共に、アウタパネル9dとインナパネル9bの接合部9e(リヤドア3の前端部)と、上記内端部9cとの間に凹部9fを形成して、この凹部9fと対応するようにセンタピラー18を車室内方側に配置したものである。
【0064】
つまり、センタピラー18の車両前後方向の寸法をリヤドア3のサッシュ9の車両前後方向の寸法に対して約半分に設定し、これにより前席用昇降口19と後席用昇降口20(図1、図3参照)とをさらに大きく設定したものである。
【0065】
このように構成すると、センタピラー18のより一層の細型化が達成できるので、乗降性の充分な向上を図ることができる。また図8に示すこの実施例においても、フロントドア2の後端とリヤドア3の前端とセンタピラー18とが平面から見て車幅方向に重合配置されており、特に、受け部9aの対応位置においては3つの閉断面31,33,32が車幅方向にオーバラップ配置されているため、側突時の剛性向上を図って、安全性をさらに向上させることができる。
【0066】
なお、その他の構成、作用、効果については図7の実施例とほぼ同様であるから、図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0067】
図9は車両の側部開閉体のシール構造のさらに他の実施例を示し、この実施例では、リヤドア3のサッシュ9の前端をセンタピラー18の前端部よりもさらに前方まで延設して延設部9gを形成し、上記閉断面33を平面から見てL字状に構成したものである。
【0068】
また、インナパネル9bとアウタパネル9dとのウインドガラス11側の接合部9hと、上記延設部9gとの間に凹部9iを形成して、この凹部9iと対応するようにセンタピラー18を車室内方側に配置したものである。
【0069】
特に、この実施例では上述の延設部9gを設けることで、シール部材としてのウエザストリップ30の配置位置をセンタピラー18に対して前方へオフセットさせて、センタピラー18の車外側の面とリヤドア3の車外側の面との間の寸法を小さく設定したものである。
【0070】
しかも、センタピラー18の車両前後方向の寸法を、リヤドア3のサッシュ9の車両前後方向の寸法に対して約半分に設定し、センタピラー18を上記凹部9iと対応する細型に成して、前席用乗降口19および後席用昇降口20(図1、図2参照)を大きく設定したものである。なお図中、40はサッシュ9の車室側に設けられたドアトリム37(前図参照)と一体または別体のトリム部材である。
【0071】
このように図9に示す実施例の車両の側部開閉体のシール構造は、上記後部ドア(リヤドア3参照)の前端が上記センタピラー18より前方まで延設されて延設部9gを形成し、上記延設部9gと前部ドア(フロントドア2参照)後端との間がシール部材(ウエザストリップ30参照)でシールされたものである。
【0072】
この構成により、シール部材(ウエザストリップ30参照)の位置をセンタピラー18よりも前方にオフセットして設定することができ、センタピラー18の車両前後方向および車幅方向の何れの寸法も小さくすることが可能となって、センタピラー18の小型化による乗降性の向上と、側突時の剛性向上との両立を図ることができる。
【0073】
つまり、センタピラー18とリヤドア3の前端とが車幅方向に重合配置(2つの閉断面31,33がオーバラップ配置)されているので、側突時の剛性向上を図ることができる。
【0074】
なお、この実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0075】
図10は車両の側部開閉体のシール構造のさらに他の実施例を示し、この図10の実施例では図9の構成に加えて、リヤドア3の前端部における受け部9aの外方面に、フロントドア2の後端つまりサッシュ8におけるヘミング部と当接して両者8,9間(つまり両者2,3間)をシールするシール部材としてのラバーシール39を設けたものである。
【0076】
このように構成すると、ラバーシール39とウエザストリップ30とで二重シール構造を形成することができるので、両ドア2,3間をさらに良好にシールすることができるうえ、センタピラー18の耐久性、防錆性をより一層向上させることができる。
【0077】
なお、この実施例においても、その他の構成、作用、効果については図9の実施例と同様であるから、図10において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0078】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の前部ドアは、実施例のフロントドア2に対応し、
以下同様に、
後部ドアは、リヤドア3に対応し、
ヒンジ部は、フロントドアヒンジ4、リヤドアヒンジ5に対応し、
シール部材は、ウエザストリップ30に対応し、
シール部は、リップ部30aに対応し、
センタピラーは、ハイドロフォーム部材で形成されたセンタピラー18に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0079】
【発明の効果】
この発明によれば、前部ドアと後部ドアとの間でシールを行ない、センタピラーのシール部材を不要と成すことで、センタピラーの細型化と形状の自由度が向上し、乗降性の向上を図ることができると共に、見栄えの向上およびセンタピラーの耐久性向上を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両の側部開閉体のシール構造を備えた車両の全体斜視図。
【図2】 車両の全体側面図。
【図3】 フロントドアとリヤドアを取外した状態の車両の全体側面図。
【図4】 センタピラーの車体への組付け構造を示す斜視図。
【図5】 図2のA−A線矢視断面図。
【図6】 図2のB−B線矢視断面図。
【図7】 本発明の車両の側部開閉体のシール構造の他の実施例を示す断面図。
【図8】 本発明の車両の側部開閉体のシール構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図9】 本発明の車両の側部開閉体のシール構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図10】 本発明の車両の側部開閉体のシール構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【図11】 従来の車両の側部開閉体のシール構造を示す断面図。
【符号の説明】
2…フロントドア(前部ドア)
3…リヤドア(後部ドア)
4…フロントドアヒンジ(ヒンジ部)
5…リヤドアヒンジ(ヒンジ部)
9g…延設部
18…センタピラー
19,20…乗降口
30…ウエザストリップ(シール部材)
30a…リップ部(シール部)
Claims (3)
- 車体の側部にセンタピラーで区画された前席用乗降口と後席用乗降口とを有し、
前席用乗降口を前部にヒンジ部をもった前部ドアで開閉し、
後席用乗降口を後部にヒンジ部をもった後部ドアで開閉する観音開き構造の車両において、
上記センタピラーの外部を覆って上記前部ドアの後端と上記後部ドアの前端とを近接配設し、
上記前部ドアの後端および上記後部ドアの前端の少なくとも一方と、上記センタピラーとが平面から見て車幅方向に重合するように配設され、
上記後部ドアの前端部に対して前部ドアの後端部が車外側から重合するように配設され、
上記後部ドアの前端部に設けられたシール部材が前部ドアの後端部に車室内側より当接するように配設されると共に、該シール部材には、上記センタピラーの車室外側の面に当接してシールするシール部が一体的に形成された
車両の側部開閉体のシール構造。 - 上記後部ドアの前端が上記センタピラーより前方まで延設されて延設部を形成し、
上記延設部と前部ドア後端との間がシール部材でシールされた
請求項1記載の車両の側部開閉体のシール構造。 - 上記センタピラーはハイドロフォーム部材にて構成された
請求項1または2記載の車両の側部開閉体のシール構造。
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