上記特記文献3にかかる加熱・加圧式のハンドレイアップ法においては、手作業によって積層していく過程で一層ごとに熱硬化性樹脂を低温で仮に硬化(高粘性化)させることによって、積層のずれを防ぐとともに液体状態の熱硬化性樹脂が積層されたガラスロービングクロス等の繊維材料の下方に溜まってしまうという事態を防止していたが、上記特記文献3にかかる加熱・加圧式のハンドレイアップ法以外にも、本発明者は、液体状態の熱硬化性樹脂が積層されたガラスロービングクロス等の繊維材料の下方に溜まるのを防いで、強度の高いFRP成形体を得ることができる加熱・加圧式のハンドレイアップ法を開発した。
そこで、本発明は、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用して軽量化・低コスト化を一層推し進めるために、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板・主ローラ軸・主ローラ軸支持板・主ローラ・サイドローラ・サイドローラ軸・サイドローラ軸支持板等のローラゲート部品の製造方法を提供することを課題とするものである。
請求項1の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法は、ローラゲートの主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板等のローラゲート部品の型を組み立てる工程と、前記型の内面に離型剤を塗布する工程と、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させる工程と、前記硬化したゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂を前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順とを所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程と、前記成形体の上面に加熱手段を有する加圧手段を設置して、約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2 の範囲の圧力を掛けて所定の厚さにするとともに前記成形体中の空気を抜きつつ、前記成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱する工程と、前記成形体が冷却した後、前記型から離型する工程とを具備するものである。
請求項2の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1の構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、前記硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しは1回当り約1分〜約10分で行い、前記所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程は約10分〜約2時間で行うものである。
請求項3の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1または請求項2のの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、前記硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しは1回当り約2分〜約5分で行い、前記所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程は約20分〜約1.5時間で行うものである。
請求項4の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、前記硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しを前記所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程の前と後に、ビニロン製ロービングクロスを積層して前記硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を塗布する工程を各1回または数回行うものである。
請求項5の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングは、ガラスロービングクロス、ガラスチョップドストランドマットまたはガラスロービングであるものである。
請求項6の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングは、炭素繊維ロービングクロス、炭素繊維チョップドストランドマットまたは炭素繊維ロービングであるものである。
請求項7の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングは、アラミド繊維ロービングクロス、アラミド繊維チョップドストランドマットまたはアラミド繊維ロービングであるものである。
請求項8の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングは、ガラス繊維と炭素繊維を混合したハイブリッド繊維ロービングクロス、ハイブリッド繊維チョップドストランドマットまたはハイブリッド繊維ロービングであるものである。
請求項9の発明にかかるローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つの構成において、前記繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングは、ガラスロービングクロス、ガラスチョップドストランドマットまたはガラスロービングと炭素繊維ロービングクロス、炭素繊維チョップドストランドマットまたは炭素繊維ロービングとを交互に使用するものである。
請求項1の発明のローラゲート部品の製造方法は、ローラゲートの主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板等のローラゲート部品の型を組み立てる工程と、型の内面に離型剤を塗布する工程と、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させる工程と、硬化したゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順とを所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程と、成形体の上面に加熱手段を有する加圧手段を設置して、約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2 の範囲の圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱する工程と、成形体が冷却した後、型から離型する工程とを具備する。
ここで、「繊維」としては、ガラスファイバー、炭素繊維、アラミド繊維、及びこれらの混合繊維等がある。また、「熱硬化性樹脂」としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等がある。
本発明にかかるFRP成形体の成形方法が、上記特許文献3にかかるFRP成形体の成形方法と異なる点は、塗布する熱硬化性樹脂として硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂を用いた点と、熱硬化性樹脂を塗布するたびに低温で仮に硬化(高粘性化)させるのを止めて一気に積層する点である。これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる製造方法によれば、加圧手段によって積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に加熱手段によって成形体が常温〜約140℃の範囲の温度で加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。そして、型の内面には離型剤が塗布されているため、完成した成形体を容易に型から取り出すことができる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
また、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法は、加圧手段によって掛けられる圧力が約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2の範囲である。
加圧手段によって加熱と同時に成形体に掛けられる加圧力は、小さすぎても効果がなく、また大きすぎても熱硬化性樹脂が成形体から押出されてしまうことになる。そこで、本発明者が鋭意実験研究した結果、常温〜約140℃の加熱時には、積層された成形体にかける圧力は約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2の範囲であれば、実用に耐える成形体ができることが判明した。本発明者は、かかる知見に基いて本発明を完成させたものであり、具体的には、約0.01kgf/cm2という小さな圧力でも充分強度のある成形体となり、約1.6kgf/cm2という大きい圧力でも積層された熱硬化性樹脂が押し出されることなく、高強度の成形体を得ることができる。約0.01kgf/cm2より圧力が小さいと加圧の効果がなく、また約1.6kgf/cm2より圧力が大きいと積層された熱硬化性樹脂が押し出されてしまい、充分な接着力を得ることができない。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項2の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1に記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しは1回当り約1分〜約10分で行い、所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程は約10分〜約2時間で行うものである。
これによって、硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂の硬化が始まってしまうため、1回の繰返しを約1分〜約10分の時間内に、積層工程を約10分〜約2時間の時間内に行わなければならず、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる製造方法によれば、加圧手段によって積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に加熱手段によって成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項3の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法は、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しは1回当り約2分〜約5分で行い、所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程は約20分〜約1.5時間で行うものである。
一般的な大きさのこれらのローラゲート構成部品であれば、繊維ロービングクロス等と熱硬化性樹脂の積層は1回当り約2分〜約5分の間に行うことができる。そして、この時間内であれば、かなりの厚みを有する(即ち、積層回数が多い)場合でも、硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂が硬化し始める前に、即ち約20分〜約1.5時間の間に所定の高さまで成形することができる。そして、加圧手段によって積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に加熱手段によって成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項4の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しを所定の高さの成形体になるまで繰り返す工程の前と後に、ビニロン製ロービングクロスを積層して硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を塗布する工程を各1回または数回行うものである。
本発明にかかるFRP製主ローラ軸押え板を始めとするFRP製ローラゲート部品の製造方法は、加熱して硬化させるとともに圧力を掛けて所定の厚さにしているため、完成品の表面は充分に平滑で見た目も美しいが、場合によっては繊維ロービングクロス等の跡が良く見ると僅かに浮き出て見える場合もある。そこで、より確実に平滑な仕上げ面を確保するために、成形体を積層する前と後に柔軟性に優れたビニロン製ロービングクロスを積層して硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を塗布することによって、ロービングクロス等の跡が浮き出ることもなく、より意匠性に優れた平滑な仕上げ面を確実に得ることができ、商品価値も向上する。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるとともに、見た目も全く問題なく意匠性に優れたローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項5の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングが、ガラスロービングクロス、ガラスチョップドストランドマットまたはガラスロービングである。
このように、ガラス繊維を用いることによって、低コストで高強度のFRP製品を得ることができる。そして、ハンドレイアップ法によるガラス繊維強化プラスティック(GFRP)成形体の製造において、適切な圧力で加圧されることによって内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に成形体が常温〜約140℃の範囲の温度で加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板、或いはFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項6の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングは、炭素繊維ロービングクロス、炭素繊維チョップドストランドマットまたは炭素繊維ロービングである。
炭素繊維強化プラスティック(以下、「CFRP」ともいう。)はFRPの中でも強度が際立って大きく、したがってガラス繊維のみを用いたFRPに比べて、設計上同強度を持たせるためには、CFRPは半分から2/3の厚さで済み、その分軽量化することができる。また、炭素繊維はガラス繊維よりコストが高いが、使用量を半分程度にでき、CFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、または主ローラを組み込んでなるローラゲートの扉体が軽くなり、扉体の開閉装置の能力を低荷重に設定でき、また施工も容易になることから、全体としては低コスト化することができる。
さらに、従来の鉄製のローラゲートの主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板と比較すると軽量という点ではより有利であり、錆びるということがなく耐食性に非常に優れており長期間使用することができ、一部に傷がついても鉄製の場合のように塗装が剥がれるということがなく、顔料が均一に分散しているので見栄えも変わらない。
そして、ハンドレイアップ法による炭素繊維強化プラスティック(CFRP)成形体の製造において、適切な圧力で加圧されることによって内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に成形体が常温〜約140℃の範囲の温度で加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、ハンドレイアップ法において、成形圧力・成形温度を高めるとともに成形速度を速めることによって、成形体強度の向上と成形時間の短縮を図ることができ、より高強度であるというCFRP成形体の長所と相俟って、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板、或いはFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項7の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングが、アラミド繊維ロービングクロス、アラミド繊維チョップドストランドマットまたはアラミド繊維ロービングである。
アラミド繊維強化プラスティックはFRPの中でも強度がCFRPよりもさらに際立って大きく、したがってガラス繊維のみを用いたFRPに比べて、設計上同強度を持たせるためには、アラミド繊維強化プラスティックは1/3程度の厚さで済み、その分軽量化することができる。また、アラミド繊維はガラス繊維よりコストが高いが、使用量を1/3程度にでき、アラミド繊維強化プラスティック製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、サイドローラ軸支持板を組み込んでなるローラゲートの扉体がさらに軽くなり、扉体の開閉装置の能力をより低荷重に設定でき、また施工も容易になることから、全体としてはコストアップすることはない。
さらに、従来の鉄製のローラゲートの主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板と比較すると軽量という点ではより有利であり、錆びるということがなく耐食性に非常に優れており長期間使用することができ、一部に傷がついても鉄製の場合のように塗装が剥がれるということがなく、顔料が均一に分散しているので見栄えも変わらない。
そして、ハンドレイアップ法によるアラミド炭素繊維強化プラスティック成形体の製造において、適切な圧力で加圧されることによって内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に成形体が常温〜約140℃の範囲の温度で加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、より高い応力のかかる部品についてもアラミド繊維を用いたハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板、或いはFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項8の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングが、ガラス繊維と炭素繊維を混合したハイブリッド繊維ロービングクロス、ハイブリッド繊維チョップドストランドマットまたはハイブリッド繊維ロービングである。
このようにして、本発明にかかるハイブリッド繊維強化プラスティック(HBRP)成形体は、炭素繊維とガラス繊維を編み込んでなるハイブリッド繊維ロービングクロス等と熱硬化性樹脂を交互に積層して、ハンドレイアップ法において成形圧力・成形温度を高めるとともに成形速度を速めることによって、成形体強度の向上と成形時間の短縮を図ることができ、ハイブリッド繊維ロービングクロス等の中の炭素繊維及びガラス繊維の混入割合を変化させたりすることによって、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板の微妙な強度設定が可能になり、適切な製品価格を見出すことができる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板、或いはFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
請求項9の発明のローラゲート部品の製造方法は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の効果に加えて、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングが、ガラスロービングクロス、ガラスチョップドストランドマットまたはガラスロービングと炭素繊維ロービングクロス、炭素繊維チョップドストランドマットまたは炭素繊維ロービングとを交互に使用するものである。
このように本発明にかかるハイブリッド繊維強化プラスティック(HBRP)成形体は、炭素繊維、熱硬化性樹脂、ガラス繊維、熱硬化性樹脂の順に積層して、ハンドレイアップ法において成形圧力・成形温度を高めるとともに成形速度を速めることによって、成形体強度の向上と成形時間の短縮を図ることができ、炭素繊維及び/またはガラス繊維の混入割合を変化させたり、炭素繊維またはガラス繊維の層の数を増減したりすることによって、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板の微妙な強度設定が可能になり、適切な製品価格を見出すことができる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板、或いはFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法となる。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態にかかるローラゲートの正面図、(b)は平面図、(c)は一部拡大図である。図2は本発明の実施の形態にかかるローラゲートの背面図である。図3は図1(a)のA方向矢視図である。図4は本発明の実施の形態にかかるFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、FRP製サイドローラ軸支持板の製造方法を示すフローチャートである。図5は本発明の実施の形態にかかるFRP製主ローラ軸、FRP製主ローラの製造方法を示すフローチャートである。図6は本発明の実施の形態の変形例にかかるFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、FRP製サイドローラ軸支持板の製造方法を示すフローチャートである。図7は本発明の実施の形態の変形例にかかるFRP製主ローラ軸、FRP製主ローラの製造方法を示すフローチャートである。
図1(a)に示されるように、本実施の形態にかかるローラゲート1は、FRP製扉体2の左右に上下2個ずつのFRP製主ローラ3が回転自在に取付けられており、これらのFRP製主ローラ3が図1(b)に示されるようにステンレス製の戸当り12の内面に沿って回転することによって、FRP製扉体2がスムーズに昇降してローラゲート1が開閉される。なお、本実施の形態においては、戸当り12をステンレス製としたが、FRP製の戸当りを用いることもできる。
FRP製扉体2は、FRP製スキンプレート7に複数のFRP製縦桁材13及び複数のFRP製横桁材14が固定されて補強され、FRP製スキンプレート7の周囲の戸当り12と接する部分には、水密ゴム9がFRP製ゴム押え板8によって固定されており、ローラゲート1を閉じるときの水密を保てるようになっている。FRP製扉体2のFRP製スキンプレート7と反対側の面には、図2に示されるように、複数のFRP製縦桁材13及び複数のFRP製横桁材14の上に複数のFRP製ガセットプレート15が固定され、その一部には、前記4個のFRP製主ローラ3の近傍にそれぞれFRP製のサイドローラ10が、FRP製のサイドローラ軸支持板11を介して回転自在に取付けられている。
これら4個のサイドローラ10は、図1(b)に示されるように、ステンレス製の戸当り12の内側外面に沿って設けられていることによって、FRP製扉体2が左右に傾いて昇降することを防いで、FRP製扉体2がスムーズに昇降してローラゲート1が開閉される。したがって、これら4個のサイドローラ10は戸当り12の内側外面に常時は当接しておらず、何らかの原因でFRP製扉体2が傾いた場合にのみ戸当り12の内側外面に当接して回転するものなので、高い応力が掛からないため、サイドローラ10、サイドローラ軸10a、サイドローラ軸支持板11は、いずれもガラス繊維強化プラスティック(GFRP)として製造されている。
図1(c)の拡大図に良く示されるように、FRP製主ローラ3は回転しないFRP製主ローラ軸4に対して回転自在に取付けられており、FRP製主ローラ軸4の端には抜け止め4aが設けられている。このFRP製主ローラ軸4は、FRP製縦桁材13にボルト固定された2枚のFRP製主ローラ軸支持板5によって水平に支持されており、FRP製主ローラ軸4の他端には回転を防ぐためのFRP製主ローラ軸押え板6が、FRP製主ローラ軸4の他端に設けられた切り込みに嵌め込まれて固定されている。
これらのFRP製扉体2の構成部品のうち、FRP製主ローラ軸支持板5、FRP製主ローラ軸押え板6、FRP製スキンプレート7、FRP製ゴム押え板8、FRP製サイドローラ10、FRP製サイドローラ軸10a、FRP製サイドローラ軸支持板11、FRP製縦桁材13、FRP製横桁材14、FRP製ガセットプレート15は、いずれも後述する図4または図6のフローチャートにしたがって製造されたガラス繊維強化プラスティック(GFRP)成形体である。また、FRP製主ローラ3及びFRP製主ローラ軸4のみは、より高い応力が掛かるため、後述する図5または図7のフローチャートにしたがって製造された炭素繊維強化プラスティック(CFRP)成形体である。
次に、本実施の形態にかかるガラス繊維強化プラスティック(GFRP)成形体の製造方法について、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS1で製造するGFRP成形体(例えば、FRP製主ローラ軸押え板6)の型を組み立てる。このとき、型の下には型を加熱するための加熱手段(例えば、電気ヒータ)をセットしておく。次に、組み立てた型の内面に離型剤を塗布し(ステップS2)、さらに型の内側底面にゲルコートを塗布して(ステップS3)、電気ヒータで略25〜45℃の範囲に加熱してゲルコートを硬化させる(ステップS4)。このゲルコートはGFRP成形体が完成したときに、この面の見栄えを向上させるとともに太陽光中の紫外線を遮断してGFRP成形体の耐候性を向上させる役割をする。
次に、ハンドレイアップ法の工程を実施する。即ち、まずガラスチョップドストランドマットを型内に敷いて(ステップS5)、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS6)、続いてガラスロービングクロスを積層体の上に敷いて(ステップS7)、不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS8)、この手順を1回に付き約5分間で積層体が所定の高さになるまで繰り返し、約1時間で完了する。なお、ガラスチョップドストランドマットの積層工程(ステップS5,S6)も、ガラスロービングクロスの積層工程(ステップS7,S8)も、常温で行なわれる。
また、より強度が必要なGFRP成形体の場合には、ステップS8の後にステップS5へ戻らずに、図4に別の矢印で示されるようにステップS7へ戻って再度ガラスロービングクロスを積層体の上に敷いて不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込んで作業者が塗布ロールで表面をならすという手順を繰り返す。即ち、ガラスチョップドストランドマットよりもガラスロービングクロスの方が強度が高いので、ステップS7,S8のガラスロービングクロスの積層工程のみを繰り返して、積層体が所定の高さになるまで約1時間で完了する。
ここで、ステップS4のゲルコート硬化の次にまずガラスチョップドストランドマットを型内に敷く(ステップS5)のは、ガラスロービングクロスよりも弾力性があってゲルコートとの相性が良く、より強い密着性が得られるためである。
そして、所定の高さになった成形体としての積層体の上に加熱手段としての電気ヒータを備えた加圧手段としてのプレス機を置いて、この電気ヒータと型の下にセットした電気ヒータによって成形体としての積層体を約140℃に加熱しながらプレス機によって約0.7kgf/cm2で加圧する(ステップS9)。これによって、積層体の内部の空気が押し出されて密な構造となり、約140℃の高温で加熱されることによって短時間で樹脂が硬化するとともにより強度の高いGFRP成形体となる。このようにして、加熱硬化と加圧が終了したら、GFRP成形体が冷えるのを待って型から外す(ステップS10)。ステップS2において型の内面に離型剤を塗布してあるので、GFRP成形体はスムースに外れる。
なお、両面が太陽光に曝される可能性のあるGFRP成形体の場合には、両面にゲルコート膜を形成する必要がある。このような場合には、プレス機のプレス面(下面)にも離型剤を塗布してその上からゲルコートを塗布して第2の加熱手段としての電気ヒータで加熱して硬化させておく。そして、ステップS9の加熱・加圧工程においてプレス機の下面に形成されたゲルコート膜を積層体の表面に密着させて一体化させる。そして、GFRP成形体が冷えるのを待って型から外せば、プレス機の下面にも離型剤が塗布されているため、硬化したゲルコート膜はスムーズにプレス機の下面から離れて、両面にゲルコート膜が形成されたGFRP成形体を得ることができる。
なお、このように積層体の上面にもゲルコート膜を付着させる場合には、図4のフローチャートのようにガラスロービングクロスの積層工程(ステップS7,S8)の直ぐ後に加熱・加圧工程(ステップS9)を行うのではなく、ガラスチョップドストランドマットの積層工程(ステップS5,S6)を1回以上挟んでから加熱・加圧工程(ステップS9)を行った方が、上述の如くガラスチョップドストランドマットとゲルコート膜との相性が良く密着性が高いのでより好ましい。
このようにしてローラゲート1のFRP製扉体2を構成する部材のうち、主ローラ軸支持板5、主ローラ軸押え板6、スキンプレート7、サイドローラ10、サイドローラ軸10a、サイドローラ軸支持板11、縦桁材13、横桁材14、ガセットプレート15が製造される。したがって、高温加熱・加圧されることによって内部に空隙が少なく高い強度のGFRP成形体となり、薄型とできるので、これらを組み立てたFRP製扉体2も軽量で強固な構造物となる。
次に、本実施の形態にかかる炭素繊維強化プラスティック(CFRP)成形体の製造方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。ステップS11〜S14については、図4のステップS1〜S4と全く同様なので説明を省略する。次に、ハンドレイアップ法の工程を実施する。即ち、まず炭素繊維チョップドストランドマットを型内に敷いて(ステップS15)、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS16)、続いて炭素繊維ロービングクロスを積層体の上に敷いて(ステップS17)、不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS18)、この手順を積層体が所定の高さになるまで繰り返す。
ここで、ステップS14のゲルコート硬化の次にまず炭素繊維チョップドストランドマットを型内に敷く(ステップS15)のは、炭素繊維ロービングクロスよりも弾力性があってゲルコートとの相性が良くより強い密着性が得られるためである。
また、成形体(例えば、FRP製主ローラ軸押え板6)の強度がGFRP成形体と同程度で良いのであれば、CFRP成形体はガラス繊維のみを用いたGFRP成形体よりもずっと強度的に優れているので、積層体の高さを低くすることができ、積層工程に要する時間が短縮される。なお、炭素繊維チョップドストランドマットの積層工程(ステップS15,S16)も、炭素繊維ロービングクロスの積層工程(ステップS17,S18)も、常温で行なわれる。
また、より強度が必要なCFRP成形体の場合には、ステップS18の後にステップS15へ戻らずに、図5に別の矢印で示されるようにステップS17へ戻って再度炭素繊維ロービングクロスを積層体の上に敷いて不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込んで作業者が塗布ロールで表面をならすという手順を繰り返す。即ち、炭素繊維チョップドストランドマットよりも炭素繊維ロービングクロスの方が強度が高いので、ステップS17,S18の炭素繊維ロービングクロスの積層工程のみを繰り返して、積層体が所定の高さになるまで約45分で完了する。
そして、所定の高さになった成形体としての積層体の上に加熱手段としての電気ヒータを備えた加圧手段としてのプレス機を置いて、この電気ヒータと型の下にセットした電気ヒータによって成形体としての積層体を約140℃に加熱しながらプレス機によって約0.7kgf/cm2 で加圧する(ステップS19)。これによって、積層体の内部の空気が押し出されて密な構造となり、約140℃の高温で加熱されることによって短時間で樹脂が硬化するとともにより強度の高いCFRP成形体となる。
このようにして、加熱硬化と加圧が終了したら、CFRP成形体が冷えるのを待って型から外す(ステップS20)。ステップS12において型の内面に離型剤を塗布してあるので、CFRP成形体はスムーズに外れる。本実施の形態においては、FRP製主ローラ3及びFRP製主ローラ軸4が特に応力が掛かる部材であるためCFRP成形体として製造したが、図4のフローチャートにおいてガラスロービングクロスの積層枚数を増やして厚めにすることによって、より高強度のGFRP成形体が得られるので、FRP製主ローラ3及びFRP製主ローラ軸4をかかるGFRP成形体として製造することも可能である。
なお、両面が太陽光に曝される可能性のあるCFRP成形体の場合には、両面にゲルコート膜を形成する必要がある。このような場合には、プレス機のプレス面(下面)にも離型剤を塗布してその上からゲルコートを塗布して第2の加熱手段としての電気ヒータで加熱して硬化させておく。そして、ステップS19の加熱・加圧工程においてプレス機の下面に形成されたゲルコート膜を積層体の表面に密着させて一体化させる。そして、CFRP成形体が冷えるのを待って型から外せば、プレス機の下面にも離型剤が塗布されているため、硬化したゲルコート膜はスムーズにプレス機の下面から離れて、両面にゲルコート膜が形成されたCFRP成形体を得ることができる。
なお、このように積層体の上面にもゲルコート膜を付着させる場合には、図9のフローチャートのように炭素繊維ロービングクロスの積層工程(ステップS17,S18)の直ぐ後に加熱・加圧工程(ステップS19)を行うのではなく、炭素繊維チョップドストランドマットの積層工程(ステップS15,S16)を1回以上挟んでから加熱・加圧工程(ステップS19)を行った方が、上述の如く炭素繊維チョップドストランドマットとゲルコート膜との相性が良く密着性が高いのでより好ましい。
さて、このようにして製造した本実施の形態にかかるローラゲート1のFRP製扉体2の構成部材は、以下のようにして組み立てられる。
スキンプレート7と横桁材14とは、六角ボルト・ナットによって接合される。ステンレス製の六角ボルトがスキンプレート7側から通されて、ステンレス製の六角ナットによって締め付けられるが、横桁材14の内側の受け面がテーパ状になっているため、逆テーパのステンレス製のテーパワッシャーを用いて受け面を平行にして、さらに締め付け力を増すためにステンレス製のスプリングワッシャーを介して六角ナットで締め付けている。
このような通常の組み付け方では、六角ボルトの頭が見えてしまうが、これが美観上支障のある場合には、ボルト穴の加工をする際に皿もみをしてステンレス製の皿ボルトによる固定をした後、その表面を樹脂コーティングで隠す場合もある。
また、ガセットプレートの別の例として、スキンプレート7のコーナー部で突き合わされたC形チャンネルの縦桁材13と横桁材14を、5角形のガセットプレートをボルト締めして接続し、これを4箇所のコーナー部全てについて行うことによって、扉体が捩れたり歪んだりするのを防ぐことができる。
このようにしてローラゲート1のFRP製扉体2が完成するが、各部材3,4,5,6,7,8,10,10a,11,13,14,15の製造方法はいずれも図4または図5のフローチャートにしたがって説明した上述の通りである。したがって、高温加熱・加圧されることによって内部に空隙が少なく高い強度のFRP成形体となり、薄型とできるので、これらを組み立てたFRP製扉体2も軽量で強固な構造物となる。特に、高い応力のかかるFRP製主ローラ3及びFRP製主ローラ軸4をより強度の高い炭素繊維強化プラスティック(CFRP)成形体としたため、高い応力にも充分持ち堪えることができ、長期間の使用に耐えるローラゲート1のFRP製扉体2となる。
なお、FRP製扉体2は、上辺に固定されたステンレス製軸受け16に取付けられる昇降軸を上部に設けられた手動式または電動式回転機によって上下させることにより、昇降させられる。
本実施の形態においては、主ローラ3及び主ローラ軸4を炭素繊維強化プラスティック(CFRP)成形体とした場合について説明したが、主ローラ3及び主ローラ軸4は従来通りステンレス製または塗装鋼材製として、主ローラ軸支持板5及び主ローラ軸押え板6のみはFRP成形体としても良い。また、本実施の形態においては、FRP製扉体2の各構成部品を主としてボルト締めで組み付けているが、より軽量化を図るため、まず接着剤を用いて貼り合わせ、補強するために小さ目のボルトで締め付けるという組み付け方法を用いることもできる。
次に、本実施の形態の変形例にかかるガラス繊維強化プラスティック(GFRP)成形体の製造方法について、図6のフローチャートを参照して説明する。ステップS21〜S24については、図4のステップS1〜S4と全く同様なので説明を省略する。次に、本変形例の特徴であるビニロン製ロービングクロスを硬化したゲルコートの上に敷き(ステップS25)、その上から熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS26)、この手順を2回繰り返す。即ち、硬化したゲルコート側にビニロン製ロービングクロスが2枚積層される。
ビニロン製ロービングクロスは、有機繊維ロービングクロスであるため、柔軟性に富み圧縮によって潰れて平滑になる。したがって、硬化したゲルコート側の面が完成時にガラス繊維の跡が良く見ると僅かに見えて美観を損ねたりするのを防ぐことができる。
続いて、ガラスチョップドストランドマットをビニロン製ロービングクロスの上に敷いて(ステップS27)、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS28)、続いてガラスロービングクロスを積層体の上に敷いて(ステップS29)、不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS30)、この手順を約5分間で積層体が所定の高さになるまで繰り返し、約1時間で完了する。
なお、ビニロン製ロービングクロスの積層工程(ステップS25,S26)も、、ガラスチョップドストランドマットの積層工程(ステップS27,S28)も、ガラスロービングクロスの積層工程(ステップS29,S30)も、常温で行なわれる。
また、より強度が必要なGFRP成形体の場合には、ステップS30の後にステップS27へ戻らずに、図6に別の矢印で示されるようにステップS29へ戻って再度ガラスロービングクロスを積層体の上に敷いて不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込んで作業者が塗布ロールで表面をならすという手順を繰り返す。即ち、ガラスチョップドストランドマットよりもガラスロービングクロスの方が強度が高いので、ステップS29,S30のガラスロービングクロスの積層工程のみを繰り返して、積層体が所定の高さになるまで約1時間で完了する。
そして、所定の高さになった成形体としての積層体の上に、ビニロン製ロービングクロスを敷き(ステップS31)、その上から熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならす(ステップS32)。これによって、上側の面も完全に平滑になり、見栄えが良くなって製品の意匠性が向上する。
そして、加熱手段としての電気ヒータを備えた加圧手段としてのプレス機を置いて、この電気ヒータと型の下にセットした電気ヒータによって成形体としての積層体を約140℃に加熱しながらプレス機によって約0.7kgf/cm2 で加圧する(ステップS33)。これによって、積層体の内部の空気が押し出されて密な構造となり、約140℃の高温で加熱されることによって短時間で樹脂が硬化するとともにより強度の高いFRP成形体となる。このようにして、加熱硬化と加圧が終了したら、FRP成形体が冷えるのを待って型から外す(ステップS34)。ステップS22において型の内面に離型剤を塗布してあるので、FRP成形体はスムースに外れる。
次に、本実施の形態の変形例にかかる炭素繊維強化プラスティック(CFRP)成形体の製造方法について、図7のフローチャートを参照して説明する。ステップS41〜S44については、図4のステップS1〜S4と全く同様なので説明を省略する。次に、本変形例の特徴であるビニロン製ロービングクロスを硬化したゲルコートの上に敷き(ステップS45)、その上から熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS46)、この手順を2回繰り返す。即ち、硬化したゲルコート側にビニロン製ロービングクロスが2枚積層される。
続いて、炭素繊維チョップドストランドマットをビニロン製ロービングクロスの上に敷いて(ステップS47)、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS48)、続いて炭素繊維ロービングクロスを積層体の上に敷いて(ステップS49)、不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならして(ステップS50)、この手順を約5分間で積層体が所定の高さになるまで繰り返し、約1時間で完了する。
なお、ビニロン製ロービングクロスの積層工程(ステップS45,S46)も、炭素繊維チョップドストランドマットの積層工程(ステップS47,S48)も、炭素繊維ロービングクロスの積層工程(ステップS49,S50)も、常温で行なわれる。
また、より強度が必要なCFRP成形体の場合には、ステップS50の後にステップS49へ戻らずに、図7に別の矢印で示されるようにステップS49へ戻って再度炭素繊維ロービングクロスを積層体の上に敷いて不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込んで作業者が塗布ロールで表面をならすという手順を繰り返す。即ち、炭素繊維チョップドストランドマットよりも炭素繊維ロービングクロスの方が強度が高いので、ステップS49,S50の炭素繊維ロービングクロスの積層工程のみを繰り返して、積層体が所定の高さになるまで約45分で完了する。
そして、所定の高さになった成形体としての積層体の上に、ビニロン製ロービングクロスを敷き(ステップS51)、その上から熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂及び硬化剤・硬化促進剤を流し込み、作業者が塗布ロールで表面をならす(ステップS52)。これによって、上側の面も完全に平滑になり、見栄えが良くなって製品の意匠性が向上する。
そして、加熱手段としての電気ヒータを備えた加圧手段としてのプレス機を置いて、この電気ヒータと型の下にセットした電気ヒータによって成形体としての積層体を約140℃に加熱しながらプレス機によって約0.7kgf/cm2 で加圧する(ステップS53)。これによって、積層体の内部の空気が押し出されて密な構造となり、約140℃の高温で加熱されることによって短時間で樹脂が硬化するとともにより強度の高いCFRP成形体となる。このようにして、加熱硬化と加圧が終了したら、CFRP成形体が冷えるのを待って型から外す(ステップS54)。ステップS42において型の内面に離型剤を塗布してあるので、CFRP成形体はスムースに外れる。
このようにして、CFRP成形体の両面にビニロン製ロービングクロスを積層することによって、柔軟性を有するビニロン製ロービングクロスの繊維は加圧によって押し潰されるため、CFRP成形体の両面が完全に平滑になり、見栄えがより一層良くなって意匠性が向上する。
本実施の形態においては、積層した成形体の加熱温度を約140℃、加圧力を約0.7kgf/cm2としたが、常温〜約140℃及び約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2の範囲内であれば良い。
また、本実施の形態においては、FRP製主ローラ3及びFRP製主ローラ軸4としてCFRP(炭素繊維強化プラスティック)成形体を用いた製品の例について説明したが、強度的に問題がなければ(強度を上げるために厚さを増しても良い)、CFRP成形体の代わりにHBRP(ハイブリッド強化プラスティック)成形体を用いても良い。これによって、より低コスト化を図ることができる。
さらに、本実施の形態においては、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を用いた例について説明しているが、その他にもエポキシ樹脂、ポリビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等を始めとして種々の熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、本実施の形態においては、繊維としてガラスロービングクロス、ガラスチョップドストランドマット、及び炭素繊維ロービングクロス、炭素繊維チョップドストランドマットを用いた例について説明したが、ガラスロービング、炭素繊維ロービング等を共に、或いは代わりに用いることもでき、またガラス繊維、炭素繊維に限られず、より強度に優れたアラミド繊維を用いたり、ガラス繊維と炭素繊維を交互に用いたり、ガラス繊維と炭素繊維を混合して用いたりしても良い。
本発明を実施するに際しては、ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板のその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、またFRP製主ローラ軸押え板、主ローラ軸、主ローラ軸支持板、主ローラ、サイドローラ、サイドローラ軸、またはサイドローラ軸支持板の製造方法のその他の工程についても、本実施の形態に限定されるものではない。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板は、主ローラ軸押え板の型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
ここで、「繊維」としては、ガラスファイバー、炭素繊維、アラミド繊維、及びこれらの混合繊維等がある。また、「熱硬化性樹脂」としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等がある。
上記FRP成形体の成形方法が、上記特許文献3にかかるFRP成形体の成形方法と異なる点は、塗布する熱硬化性樹脂として硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂を用いた点と、熱硬化性樹脂を塗布するたびに低温で仮に硬化(高粘性化)させるのを止めて一気に積層する点である。これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸は、主ローラ軸の型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸支持板は、ローラゲートの主ローラ軸支持板の型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸支持板となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラは、ローラゲートの主ローラの型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラとなる。
上記ローラゲートのFRP製サイドローラは、ローラゲートのサイドローラの型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製サイドローラとなる。
上記ローラゲートのFRP製サイドローラ軸は、ローラゲートのサイドローラ軸の型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製サイドローラ軸となる。
上記ローラゲートのFRP製サイドローラ軸支持板は、ローラゲートのサイドローラ軸支持板の型を組み立てて離型剤を塗布し、さらにゲルコートを塗布して加熱して硬化させ、ゲルコートの上に、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しにより、所定の高さになるまで繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングと熱硬化性樹脂とを積層して成形体を形成し、それに圧力を掛けて所定の厚さにするとともに成形体中の空気を抜きつつ、成形体を常温〜約140℃の範囲の温度で加熱して形成したものである。
これによって、熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂が硬化を開始してしまうため、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる成形方法によれば、積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となると同時に成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製サイドローラ軸支持板となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板は、成形体に掛ける圧力が約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2の範囲である。
加熱と同時に成形体に掛けられる加圧力は、小さすぎても効果がなく、また大きすぎても熱硬化性樹脂が成形体から押出されてしまうことになる。そこで、本発明者が鋭意実験研究した結果、常温〜約140℃の加熱時には、積層された成形体にかける圧力は約0.01kgf/cm2 〜約1.6kgf/cm2の範囲であれば、実用に耐える成形体ができることが判明した。本発明者は、かかる知見に基いて本発明を完成させたものであり、具体的には、約0.01kgf/cm2という小さな圧力でも充分強度のある成形体となり、約1.6kgf/cm2という大きい圧力でも積層された熱硬化性樹脂が押し出されることなく、高強度の成形体を得ることができる。約0.01kgf/cm2より圧力が小さいと加圧の効果がなく、また約1.6kgf/cm2より圧力が大きいと積層された熱硬化性樹脂が押し出されてしまい、充分な接着力を得ることができない。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板となる。
本発明者がさらに鋭意実験研究を積み重ねた結果、最も高強度の成形体が得られるのは、積層された成形体にかける圧力が約0.43kgf/cm2 〜約0.7kgf/cm2であるときであり、この圧力を中心として成形体にかける圧力が約0.01kgf/cm2 〜約0.8kgf/cm2 の範囲である場合により高強度の成形体が得られることを見出した。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板は、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しは1回当り約1分〜約10分で行い、積層して成形体を形成するのは約10分〜約2時間で行うものである。
これによって、硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂は加熱されなくても時間とともに少しずつ架橋して粘性が高まって行くために、積層が進んでも繊維ロービングクロス等の下方に沈む恐れがなく、また一気に積層しないと成形体が所定の高さに達する前に熱硬化性樹脂の硬化が始まってしまうため、1回の繰返しを約1分〜約10分の時間内に、積層工程を約10分〜約2時間の時間内に行わなければならず、工程が短縮されて低コスト化にもつながる。
かかる製造方法によれば、加圧手段によって積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に加熱手段によって成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板は、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層し、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布することの繰り返しは1回当り約2分〜約5分で行い、積層して成形体を形成するのは約20分〜約1.5時間で行うものである。
一般的な大きさのこれらのローラゲート構成部品であれば、繊維ロービングクロス等と熱硬化性樹脂の積層は1回当り約2分〜約5分の間に行うことができる。そして、この時間内であれば、かなりの厚みを有する(即ち、積層回数が多い)場合でも、硬化剤及び硬化促進剤入りの熱硬化性樹脂が硬化し始める前に、即ち約20分〜約1.5時間の間に所定の高さまで成形することができる。そして、加圧手段によって積層された成形体が圧縮されるので内部の空気が抜けて空隙の少ない成形体となる。それと同時に加熱手段によって成形体が加熱されるので、硬化速度が促進されてより成形体の強度が高まり、かつ成形サイクルが短くなって時間当り成形数を増やすことができ、低コスト化につながる。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板となる。
上記ローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板は、繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングを積層する手順と、硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を繊維ロービングクロス及び/または繊維チョップドストランドマット及び/または繊維ロービングの上から塗布する手順との繰り返しを所定の高さの成形体になるまで繰り返す前と後に、各1回または数回ビニロン製ロービングクロスを積層して硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を塗布するものである。
上記FRP製主ローラ軸押え板を始めとするFRP製ローラゲート部品は、加熱して硬化させるとともに圧力を掛けて所定の厚さにしているため、完成品の表面は充分に平滑で見た目も美しいが、場合によっては繊維ロービングクロス等の跡が良く見ると僅かに浮き出て見える場合もある。そこで、より確実に平滑な仕上げ面を確保するために、成形体を積層する前と後に柔軟性に優れたビニロン製ロービングクロスを積層して硬化剤及び硬化促進剤入り熱硬化性樹脂を塗布することによって、ロービングクロス等の跡が浮き出ることもなく、より意匠性に優れた平滑な仕上げ面を確実に得ることができ、商品価値も向上する。
このようにして、高い応力のかかる部品についてもハンドレイアップ法によるFRP成形体を使用してローラゲートの軽量化・低コスト化を一層推し進めることができるとともに、見た目も全く問題なく意匠性に優れたローラゲートのFRP製主ローラ軸押え板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ軸、FRP製主ローラ軸支持板、FRP製主ローラ、FRP製サイドローラ、FRP製サイドローラ軸、またはFRP製サイドローラ軸支持板となる。