JP4606870B2 - 焼結含油軸受の製造方法および焼結含油軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金により形成された軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受の製造方法および焼結含油軸受に関するものである。
この種の焼結含油軸受は、周知のように、軸受本体に形成された軸受孔にこの孔より小径の回転軸が挿通され、この状態で回転軸が回転されることにより、軸受孔の内周面のうち、回転軸を支持する軸支持部における摩擦熱およびポンプ作用によって、この軸支持部から滲出した潤滑油により回転軸との間に油膜が形成されるようになっている。
ところが、このような焼結含油軸受においては、前記回転軸が継続的に回転されることにより、前記軸支持部から潤滑油が滲出し続けるとともに、前記摩擦熱が前記軸支持部からその周辺部に伝導して、潤滑油が滲出する領域が拡大されていくこととなる。そのため、焼結含油軸受の含有している潤滑油が早期に減少して当該軸受の短命化を招いたり、あるいは前記滲出した潤滑油が、前記軸受孔に挿入された回転軸のうち、前記軸受孔が開口する軸受端面から当該焼結含油軸受よりも外方に延在した部分(以下、「突出部」という)に到達したときに、当該回転軸に作用する遠心力によって周囲に飛散させられて周囲環境を悪化させるなどの問題があった。特に、前記軸受端面、および前記軸受孔の内周面のうち前記軸受端面に連なる部分(以下、「末端部」という)から滲出する潤滑油は、回転軸の前記突出部に付着し易いため、周囲環境を悪化させる大きな要因となっていた。
このような問題を解決するための手段として、例えば下記特許文献1に示されるような、前記軸受孔の内周面を除く焼結含油軸受の表面全体に、金属や樹脂からなる目詰め材を固着して該表面に開口している空孔を塞ぐ、いわゆる封孔処理を施した構成が知られている。これにより、前記軸受孔の内周面以外の部分から潤滑油が滲出することを抑えられるようになっている。
その他、従来から、前記軸受端面に、機械加工例えばヘールバイト加工等を施して該端面に開口している気孔の目潰しを行い、この軸受端面から潤滑油が滲出することを抑制することがなされている。また、焼結含油軸受全体の密度を大きく、あるいは気孔率を小さくすることにより、この軸受全体から潤滑油が滲出することを抑えることがなされている。
特開2003−156044号公報
しかしながら、前記従来の手段のうち、前記機械加工による目潰しでは、前記軸受端面を構成する焼結合金を該端面に沿って塑性流動させることにより、当該端面に開口する空孔を塞ぐようになっているので、この端面の全域に亙って均等な目潰し状態を実現することが困難であった。また、この場合、前記塑性流動によって単に空孔の開口部を塞ぐだけで焼結含油軸受の内部における気孔率や密度自体に変わりはないため、焼結含油軸受の内部における潤滑油の含有量や流動抵抗は、その全域に亙って同等であるので、前記軸支持部で発生した摩擦熱が軸受端面に伝導した際、この伝導された部分に位置する空孔が、前記機械加工により塞がれずに開口していた場合には、潤滑油が滲出することとなる。
以上により、前記軸受端面から滲出する潤滑油を確実に抑えることができず、焼結含油軸受の短命化および使用時における周囲環境の悪化を防止することが困難になるおそれがあった。
さらに、前記機械加工の場合、その加工時に、前記軸受端面から焼結合金が削り取られ(以下、「削り屑」という)、該削り屑が前記空孔内に進入する場合があった。したがって、このような焼結含油軸受を使用すると、この軸受に含有されている潤滑油が、前記削り屑とともに滲出し、この削り屑によって、焼結含油軸受が設けられている装置や他の部品が損傷するおそれもあった。
一方、前記封孔処理を施した場合においては、軸受端面に開口する空孔は塞ぐことができるものの、軸受孔内周面の前記末端部に開口する空孔については何ら手当てすることができず、このため、該末端部から滲出した潤滑油が、回転軸の前記突出部に到達して、この回転軸の遠心力によって飛散することを防止することについては解決できなかった。この問題は、前記機械加工による目潰しにおいても同様に生ずるものである。
さらに、焼結含油軸受全体の密度を大きくする、あるいは気孔率を小さくする場合では、前記機械加工や前記封孔処理を施したときと異なり、前記軸受孔内周面の前記末端部に開口する空孔についての手当て、すなわち空孔を小さくすることができるものの、該末端部を含めた焼結含油軸受の全体の気孔率が小さくなる。したがって、この軸受の内部に含有させることができる潤滑油の量が少なくなり、比較的早期に潤滑油が減少して焼結含油軸受の寿命が短くなるおそれがあった。
さらにまた、前記機械加工や前記封孔処理を施したりすると、少なくともその分だけ加工工数がかかることになり、焼結含油軸受の製造コストが増大するという問題があった。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、焼結含油軸受の短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができる焼結含油軸受、およびこのような焼結含油軸受を製造コストを増大させることなく形成することができる焼結含油軸受の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の焼結含油軸受の製造方法は、原料粉末を加圧成形して圧粉体を成形する圧粉体成形工程と、前記圧粉体を焼結して焼結体を形成する焼結工程と、前記焼結体を加圧して軸線方向における大きさを製品寸法に矯正することにより、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金からなる軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受を形成する矯正工程とを有する焼結含油軸受の製造方法であって、前記圧粉体成形工程は、筒状体とされて、その外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状に形成された圧粉体を成形し、前記矯正工程では、前記焼結体の内周面にコアロッドを挿入して前記軸受孔の端部の内周面に接触させるとともに、前記軸受孔の端部の外周面を、先端側の内周面を径方向外方へ凹とされた凹曲面状とされた第1上パンチおよび第1下パンチで支持した状態で、先端面が前記軸線に対して直交する方向に延在する平坦面とされた第2上パンチおよび第2下パンチによって、前記焼結体をその軸線方向に加圧して圧縮変形させて、前記軸線方向における大きさを製品寸法に矯正し、前記焼結体の前記製品寸法に対する余剰体積分を、前記軸線方向における当該焼結体の内部に向けて移動させるとともに径方向外方に移動させ、前記軸受本体の端部側を限定的に他の部分よりも密度を高くすることを特徴とする。
この発明によれば、外周面が前記凸形状に形成された前記圧粉体を前記焼結体とした後に、該焼結体をその軸線方向に加圧して製品寸法に矯正するので、前記軸受本体を、前記軸受端面を含む端面側の密度を、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くして形成することが可能になる。すなわち、前記焼結体の外周面が前記凸形状とされているので、前記矯正工程において、前記焼結体を前記軸線方向に加圧して圧縮変形させた際、前記焼結体の前記製品寸法に対する余剰の体積分を、前記軸線方向における当該焼結体の内部へ向けて移動させるのみならず、径方向外方へも移動させることが可能になる。つまり、前記余剰の体積分の前記圧縮変形が、前記軸線方向における焼結体の内部に向けた方向に限定して生ずることを防止することができる。以上により、前記軸受端面を含む端面側の密度が限定的に高められた焼結含油軸受を形成することができる。
また、このような製造方法は、従来から使用されている粉末成形装置や矯正金型装置をほぼそのまま転用することが可能であり、また、製造工程および工数も従来と同様であるので、製造コストを増大させることなく前記焼結含油軸受を形成することができる。
本発明の焼結含油軸受は、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金により形成された軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受であって、請求項1に記載された焼結含油軸受の製造方法によって製造され、前記軸受本体の外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状とされ、前記焼結体の軸線方向における一対の端面が押圧されて軸受端面とされており、前記軸受孔が開口する軸受端面を含む端面側の密度が、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くされていることを特徴とする。
この発明によれば、前記軸受本体が、前記軸受端面を含む端面側の密度が、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くされた構成とされているので、軸受端面のみならず、前記軸受孔の内周面のうち、前記軸受端面に連なる部分(以下、「末端部」という)をも含めた領域、つまり前記端面側全体の気孔率を均等に低下させることが可能になる。したがって、焼結含油軸受の内部のうち、前記端面側における潤滑油の含有量を限定的に前記他の部分より小さくすることが可能になるとともに、潤滑油の流動抵抗を限定的に前記他の部分より大きくすることが可能になり、前記末端部および軸受端面から潤滑油が滲出することを最小限に抑制することができる。
以上により、焼結含油軸受の短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができる。
ここで、前記軸受本体の前記端面側の密度は、前記他の部分の密度の1.05倍以上1.50倍以下とされていることが望ましい。
この場合、焼結含油軸受の短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を確実に防止することができる。
また、前記軸受本体の外周面は、一対の前記軸受端面からそれぞれ、前記軸線方向における中央部に向けて漸次拡径する形状とされたことが望ましい。
この場合、軸受本体のうち、前記端面側に限定して密度を高めることが可能になる。
本発明に係る焼結含油軸受によれば、短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができ、また、本発明に係る焼結含油軸受の製造方法によれば、このような焼結含油軸受を製造コストを増大させることなく形成することができる。
以下、本発明に係る焼結含油軸受の一実施形態について、図面を参照して説明する。
焼結含油軸受10は、図1に示すように、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金により形成された軸受本体11に、軸受孔12が形成され、軸受本体11には潤滑油が含浸されている。この焼結含油軸受10は、軸受孔12に、外径が該軸受孔12よりわずかに小さく、かつ図示されない例えばモータ等の駆動部に連結された回転軸15が挿通されて使用されるようになっている。また、回転軸15は、軸受孔12の内周面の一部に支持されて、該内周面の一部が回転軸15の外周面を支持する軸支持部とされた構成となっている。なお、本実施形態の軸受本体11は、円筒状に形成されるとともに、例えば鉄−銅系合金により形成されている。
そして、本実施形態の軸受本体11は、軸受孔12が開口する軸受端面11a、11aを含む端面側11bの密度が、回転軸15の軸線方向における他の部分11cより高くされている。具体的には、前記端面側11bの密度は、前記他の部分11cの密度の1.05倍以上1.50倍以下とされるとともに、当該軸受本体11の前記軸線方向における大きさY(製品寸法)が、前記端面側11bの前記軸線方向における大きさXの5倍以上100倍以下とされている。
ここで、前記端面側11bとは、軸受本体11の軸受端面11a、軸受本体11の外周面、および軸受孔12の内周面と、これらの面に画成された軸受本体11の内部とを含むものである。一方、前記他の部分11cとは、軸受本体11の外周面、および軸受孔12の内周面と、これらの面に画成された軸受本体11の内部とを含むものである。
なお、本実施形態では、前記端面側11bの密度は約7.35g/cmとされるとともに、気孔率は約12vol%とされ、前記他の部分11cの密度は約6.40g/cmとされるとともに、気孔率は約24vol%とされている。そして、焼結含油軸受10全体の気孔率は、約23vol%とされている。また、前記端面側11bの前記軸線方向における大きさXは、約500μmとされ、軸受本体11の前記軸線方向における大きさYは、約8mmとされている。
さらに、軸受本体11は、その外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状とされている。言い換えれば、一対の軸受端面11a、11aからそれぞれ、軸受本体11の軸線方向における中央部に向けて漸次拡径する形状とされている。特に本実施形態の前記外周面は、一対の軸受端面11a、11aからそれぞれ、他方の端面11aに向かうに従い漸次曲面状に拡径する凸曲面状に形成され、該凸曲面状とされた外周面のうち、軸受本体11の軸線方向における中央部が最も径方向外方へ位置している。
以上のように構成された焼結含油軸受10の製造方法について説明する。
まず、圧粉体成形工程において、図示されない粉末成形装置により原料粉末を加圧成形して、円筒状とされた圧粉体を形成する。該圧粉体の外周面は、図1で示した焼結含油軸受10と同様の構成とされている。また、前記圧粉体の軸線方向における大きさは、焼結含油軸受10の前記製品寸法Yの3倍以上110倍以下とされている。
次に、焼結工程において前記圧粉体を焼結して焼結体とした後に、該焼結体を、図2に示すように、矯正工程の矯正金型装置20に配置し、該金型装置20により、前記焼結体の軸線方向における一対の端面を押圧して、該焼結体を軸線方向に圧縮変形させる。
ここで、矯正金型装置20は、孔21aが形成されたダイ21と、この孔21aの内部に配設され、その軸線方向にダイ21の上面21bに対して進退可能に支持された下パンチ部22、および下パンチ部22と同軸上に配設されたコアロッド24と、ダイ21の上方に配設され、その軸線方向にダイ21の上面21bに対して進退可能に支持された上パンチ部23とを備えている。
下パンチ部22は、それぞれ円筒状とされた大径の第1下パンチ22aおよび小径の第2下パンチ22bを備え、第1下パンチ22aの内側に第2下パンチ22bが第1下パンチ22aと同軸上に配設された構成とされている。一方、上パンチ部23は、それぞれ円筒状とされた大径の第1上パンチ23aおよび小径の第2上パンチ23bを備え、第1上パンチ23aの内側に第2上パンチ23bが第1上パンチ23aと同軸上に配設された構成とされている。
以上の下パンチ部22、上パンチ部23およびコアロッド24はそれぞれの軸線が一致するように同軸上に配設された構成とされている。
そして、第2下パンチ22bおよび第2上パンチ23bの、互いが対向する表面、つまり先端面22c、23cは、軸線に対して直交する方向に延びる平坦面とされている。一方、第1下パンチ22aおよび第1上パンチ23aの、互いが対向する表面側、つまり先端側の内周面22d、23dは、径方向外方へ凹とされた凹曲面状とされている。該内周面22d、23dの曲率半径は、焼結含油軸受10の前記凸曲面状とされた外周面の曲率半径と略同等とされている。また、第1下パンチ22aおよび第1上パンチ23aの互いが対向する表面、つまり先端面22e、23eは、軸線に対して直交する方向に延びる平坦面とされている。
以上の構成において、前記焼結体の内周面にコアロッド24を挿入し、かつ第1下パンチ22aの前記内周面22dにより、前記焼結体の前記外周面における軸線方向下部を支持するとともに、第2下パンチ22bの前記先端面22cにより、前記焼結体における一方の前記端面を支持することによって、この焼結体を矯正金型装置20に配置する。
この状態で、上パンチ部23を前進移動し、第1上パンチ23aの前記内周面23dにより、前記焼結体の前記外周面における軸線方向上部を支持した状態で、すなわち、前記焼結体の前記凸曲面状とされた外周面を全域に亙って、第1上パンチ23aおよび第1下パンチ22aの前記内周面22d、23dにより支持した状態で、第2上パンチ23bの前記先端面23cにより、前記焼結体における他方の前記端面を、当該焼結体の軸線方向における内側へ向けて押圧し、焼結体をその軸線方向に圧縮変形させる。これにより、前記焼結体の軸線方向における一対の端面が前記軸受端面11a、11aに形成される。また、この際、図3に示すように、前記焼結体の前記製品寸法Yに対する余剰の体積分11dは、前記軸線方向における当該焼結体の内部へ向けて移動するのみならず、径方向外方へも移動することとなる。以上により、前記焼結体が製品寸法Yに矯正されて焼結含油軸受10が形成されるとともに、軸受本体11の前記端部側11bが限定的に他の部分11cより密度が高くされる。
以上説明したように、本実施形態に係る焼結含油軸受10によれば、軸受本体11が、前記端面側11bの密度が他の部分11cより高くされた構成とされているので、軸受端面11aのみならず、軸受孔12の内周面のうち前記軸受端面11aに連なる部分(以下、「末端部12a」という)をも含めた領域、つまり前記端面側11b全体の気孔率を均等に低下させることが可能になる。したがって、焼結含油軸受10の内部のうち、前記端面側11bにおける潤滑油の含有量を限定的に他の部分11cより小さくすることが可能になるとともに、潤滑油の流動抵抗を限定的に他の部分11cより大きくすることが可能になり、前記末端部12aおよび軸受端面11aから潤滑油が滲出することを最小限に抑制することができる。
以上により、焼結含油軸受10の短命化と該軸受10の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができる。
ここで、軸受本体11の前記端面側11bの密度は、前記他の部分11cの密度の1.05倍以上1.50倍以下とされるとともに、当該軸受本体11の前記軸線方向における大きさY(製品寸法)が、前記端面側11bの前記軸線方向における大きさXの5倍以上100倍以下とされているので、焼結含油軸受10の短命化と該軸受10の使用時における周囲環境の悪化との双方を確実に防止することができる。すなわち、軸受本体11の前記端面側11bの密度が、前記他の部分11cの密度の1.05倍より小さいと、前述した作用効果を奏することが困難となり、一方、1.50倍より大きいと、前記矯正工程において、前記焼結体に大きな圧縮力を作用させる必要があるため、前記端面側11bの前記軸線方向における大きさXが大きくなり易い。したがって、前記端面側11bの軸受本体11全体における占有体積が大きくなり、焼結含油軸受10が含有できる潤滑油の量が小さくなって、該軸受10の短命化を招くおそれがある。
また、本実施形態に係る焼結含油軸受の製造方法によれば、前記凸曲面状とされた外周面を有する前記圧粉体を形成し、該圧粉体を前記焼結体とした後に、該焼結体をその軸線方向に加圧して製品寸法Yに矯正するので、軸受本体11を、前記端面側11bの密度を回転軸15の軸線方向における他の部分11cより高くして形成することができる。すなわち、前記焼結体の外周面が前記凸曲面状とされているので、前記矯正工程において、前記焼結体をその軸線方向に加圧して圧縮変形させると、前記焼結体の前記製品寸法Yに対する余剰の体積分11dは、前記軸線方向における当該焼結体の内部へ向けて移動するのみならず、径方向外方へも移動することになる。つまり、前記余剰の体積分11dの前記圧縮変形が、前記軸線方向における焼結体の内部に向けた方向に限定して生ずることを防止することができる。以上により、前記軸受端面11aを含む端面側11bの密度が限定的に高められた焼結含油軸受10を形成することができる。
さらに、このような製造方法は、従来から使用されている粉末成形装置や矯正金型装置をほぼそのまま転用することが可能であり、また、製造工程および工数も従来と同様であるので、製造コストを増大させることなく焼結含油軸受10を形成することができる。
以上説明した作用効果のうち、焼結含油軸受10の使用時における周囲環境の悪化防止効果についての検証試験を実施した。図1に示す焼結含油軸受10の軸受孔12に回転軸15を挿入するとともに、この軸受10をその全周に亙って取り囲うように紙を配置した状態で、回転軸15をその軸線回りに5000rpmで30分間、停止させることなく回転させ続けた。その後、前記紙を取り外して、前記軸受10と対向していた該紙の表面に潤滑油が付着しているか否かを目視により確認したところ、潤滑油は全く(1滴も)視認できなかった。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、前記実施形態では、焼結含油軸受10の外周面を凸曲面状とした構成を示したが、これに限らず、一対の軸受端面11a、11aからそれぞれ、前記軸線方向における中央部に向けて漸次拡径する形状であれば、軸受本体11の断面側面視において、複数の平面からなる構成であってもよい。
焼結含油軸受の短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができるとともに、このような焼結含油軸受を製造コストを増大させることなく形成することができる。
本発明の一実施形態に係る焼結含油軸受を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る焼結含油軸受の製造方法における矯正工程を示す概略図である。 図2に示す矯正工程の概略図における一部拡大図である。
符号の説明
10 焼結含油軸受
11 軸受本体
11a 軸受端面
11b 軸受本体の端面側
11c 軸受本体の他の部分
12 軸受孔
15 回転軸
Y 製品寸法

Claims (3)

  1. 原料粉末を加圧成形して圧粉体を成形する圧粉体成形工程と、前記圧粉体を焼結して焼結体を形成する焼結工程と、前記焼結体を加圧して軸線方向における大きさを製品寸法に矯正することにより、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金からなる軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受を形成する矯正工程とを有する焼結含油軸受の製造方法であって、
    前記圧粉体成形工程は、筒状体とされて、その外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状に形成された圧粉体を成形し、
    前記矯正工程では、前記焼結体の内周面にコアロッドを挿入して前記軸受孔の端部の内周面に接触させるとともに、前記軸受孔の端部の外周面を、先端側の内周面を径方向外方へ凹とされた凹曲面状とされた第1上パンチおよび第1下パンチで支持した状態で、先端面が前記軸線に対して直交する方向に延在する平坦面とされた第2上パンチおよび第2下パンチによって、前記焼結体をその軸線方向に加圧して圧縮変形させて、前記軸線方向における大きさを製品寸法に矯正し、
    前記焼結体の前記製品寸法に対する余剰体積分を、前記軸線方向における当該焼結体の内部に向けて移動させるとともに径方向外方に移動させ、前記軸受本体の端部側を限定的に他の部分よりも密度を高くすることを特徴とする焼結含油軸受の製造方法。
  2. 内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金により形成された軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受であって、
    請求項1に記載された焼結含油軸受の製造方法によって製造され、前記軸受本体の外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状とされ、前記焼結体の軸線方向における一対の端面が押圧されて軸受端面とされており、前記軸受孔が開口する軸受端面を含む端面側の密度が、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くされていることを特徴とする焼結含油軸受。
  3. 請求項2記載の焼結含油軸受において、
    前記軸受本体の前記端面側の密度は、前記他の部分の密度の1.05倍以上1.50倍以下とされていることを特徴とする焼結含油軸受。
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