JP4606870B2 - 焼結含油軸受の製造方法および焼結含油軸受 - Google Patents
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その他、従来から、前記軸受端面に、機械加工例えばヘールバイト加工等を施して該端面に開口している気孔の目潰しを行い、この軸受端面から潤滑油が滲出することを抑制することがなされている。また、焼結含油軸受全体の密度を大きく、あるいは気孔率を小さくすることにより、この軸受全体から潤滑油が滲出することを抑えることがなされている。
以上により、前記軸受端面から滲出する潤滑油を確実に抑えることができず、焼結含油軸受の短命化および使用時における周囲環境の悪化を防止することが困難になるおそれがあった。
さらにまた、前記機械加工や前記封孔処理を施したりすると、少なくともその分だけ加工工数がかかることになり、焼結含油軸受の製造コストが増大するという問題があった。
この発明によれば、外周面が前記凸形状に形成された前記圧粉体を前記焼結体とした後に、該焼結体をその軸線方向に加圧して製品寸法に矯正するので、前記軸受本体を、前記軸受端面を含む端面側の密度を、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くして形成することが可能になる。すなわち、前記焼結体の外周面が前記凸形状とされているので、前記矯正工程において、前記焼結体を前記軸線方向に加圧して圧縮変形させた際、前記焼結体の前記製品寸法に対する余剰の体積分を、前記軸線方向における当該焼結体の内部へ向けて移動させるのみならず、径方向外方へも移動させることが可能になる。つまり、前記余剰の体積分の前記圧縮変形が、前記軸線方向における焼結体の内部に向けた方向に限定して生ずることを防止することができる。以上により、前記軸受端面を含む端面側の密度が限定的に高められた焼結含油軸受を形成することができる。
また、このような製造方法は、従来から使用されている粉末成形装置や矯正金型装置をほぼそのまま転用することが可能であり、また、製造工程および工数も従来と同様であるので、製造コストを増大させることなく前記焼結含油軸受を形成することができる。
この発明によれば、前記軸受本体が、前記軸受端面を含む端面側の密度が、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くされた構成とされているので、軸受端面のみならず、前記軸受孔の内周面のうち、前記軸受端面に連なる部分(以下、「末端部」という)をも含めた領域、つまり前記端面側全体の気孔率を均等に低下させることが可能になる。したがって、焼結含油軸受の内部のうち、前記端面側における潤滑油の含有量を限定的に前記他の部分より小さくすることが可能になるとともに、潤滑油の流動抵抗を限定的に前記他の部分より大きくすることが可能になり、前記末端部および軸受端面から潤滑油が滲出することを最小限に抑制することができる。
以上により、焼結含油軸受の短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができる。
この場合、焼結含油軸受の短命化と該軸受の使用時における周囲環境の悪化との双方を確実に防止することができる。
また、前記軸受本体の外周面は、一対の前記軸受端面からそれぞれ、前記軸線方向における中央部に向けて漸次拡径する形状とされたことが望ましい。
この場合、軸受本体のうち、前記端面側に限定して密度を高めることが可能になる。
焼結含油軸受10は、図1に示すように、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金により形成された軸受本体11に、軸受孔12が形成され、軸受本体11には潤滑油が含浸されている。この焼結含油軸受10は、軸受孔12に、外径が該軸受孔12よりわずかに小さく、かつ図示されない例えばモータ等の駆動部に連結された回転軸15が挿通されて使用されるようになっている。また、回転軸15は、軸受孔12の内周面の一部に支持されて、該内周面の一部が回転軸15の外周面を支持する軸支持部とされた構成となっている。なお、本実施形態の軸受本体11は、円筒状に形成されるとともに、例えば鉄−銅系合金により形成されている。
ここで、前記端面側11bとは、軸受本体11の軸受端面11a、軸受本体11の外周面、および軸受孔12の内周面と、これらの面に画成された軸受本体11の内部とを含むものである。一方、前記他の部分11cとは、軸受本体11の外周面、および軸受孔12の内周面と、これらの面に画成された軸受本体11の内部とを含むものである。
まず、圧粉体成形工程において、図示されない粉末成形装置により原料粉末を加圧成形して、円筒状とされた圧粉体を形成する。該圧粉体の外周面は、図1で示した焼結含油軸受10と同様の構成とされている。また、前記圧粉体の軸線方向における大きさは、焼結含油軸受10の前記製品寸法Yの3倍以上110倍以下とされている。
ここで、矯正金型装置20は、孔21aが形成されたダイ21と、この孔21aの内部に配設され、その軸線方向にダイ21の上面21bに対して進退可能に支持された下パンチ部22、および下パンチ部22と同軸上に配設されたコアロッド24と、ダイ21の上方に配設され、その軸線方向にダイ21の上面21bに対して進退可能に支持された上パンチ部23とを備えている。
以上の下パンチ部22、上パンチ部23およびコアロッド24はそれぞれの軸線が一致するように同軸上に配設された構成とされている。
この状態で、上パンチ部23を前進移動し、第1上パンチ23aの前記内周面23dにより、前記焼結体の前記外周面における軸線方向上部を支持した状態で、すなわち、前記焼結体の前記凸曲面状とされた外周面を全域に亙って、第1上パンチ23aおよび第1下パンチ22aの前記内周面22d、23dにより支持した状態で、第2上パンチ23bの前記先端面23cにより、前記焼結体における他方の前記端面を、当該焼結体の軸線方向における内側へ向けて押圧し、焼結体をその軸線方向に圧縮変形させる。これにより、前記焼結体の軸線方向における一対の端面が前記軸受端面11a、11aに形成される。また、この際、図3に示すように、前記焼結体の前記製品寸法Yに対する余剰の体積分11dは、前記軸線方向における当該焼結体の内部へ向けて移動するのみならず、径方向外方へも移動することとなる。以上により、前記焼結体が製品寸法Yに矯正されて焼結含油軸受10が形成されるとともに、軸受本体11の前記端部側11bが限定的に他の部分11cより密度が高くされる。
以上により、焼結含油軸受10の短命化と該軸受10の使用時における周囲環境の悪化との双方を防止することができる。
さらに、このような製造方法は、従来から使用されている粉末成形装置や矯正金型装置をほぼそのまま転用することが可能であり、また、製造工程および工数も従来と同様であるので、製造コストを増大させることなく焼結含油軸受10を形成することができる。
11 軸受本体
11a 軸受端面
11b 軸受本体の端面側
11c 軸受本体の他の部分
12 軸受孔
15 回転軸
Y 製品寸法
Claims (3)
- 原料粉末を加圧成形して圧粉体を成形する圧粉体成形工程と、前記圧粉体を焼結して焼結体を形成する焼結工程と、前記焼結体を加圧して軸線方向における大きさを製品寸法に矯正することにより、内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金からなる軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受を形成する矯正工程とを有する焼結含油軸受の製造方法であって、
前記圧粉体成形工程は、筒状体とされて、その外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状に形成された圧粉体を成形し、
前記矯正工程では、前記焼結体の内周面にコアロッドを挿入して前記軸受孔の端部の内周面に接触させるとともに、前記軸受孔の端部の外周面を、先端側の内周面を径方向外方へ凹とされた凹曲面状とされた第1上パンチおよび第1下パンチで支持した状態で、先端面が前記軸線に対して直交する方向に延在する平坦面とされた第2上パンチおよび第2下パンチによって、前記焼結体をその軸線方向に加圧して圧縮変形させて、前記軸線方向における大きさを製品寸法に矯正し、
前記焼結体の前記製品寸法に対する余剰体積分を、前記軸線方向における当該焼結体の内部に向けて移動させるとともに径方向外方に移動させ、前記軸受本体の端部側を限定的に他の部分よりも密度を高くすることを特徴とする焼結含油軸受の製造方法。 - 内部に空孔を含む多孔質状の焼結合金により形成された軸受本体に、回転軸が挿通される軸受孔が形成された焼結含油軸受であって、
請求項1に記載された焼結含油軸受の製造方法によって製造され、前記軸受本体の外周面が径方向外方へ凸とされた凸形状とされ、前記焼結体の軸線方向における一対の端面が押圧されて軸受端面とされており、前記軸受孔が開口する軸受端面を含む端面側の密度が、前記回転軸の軸線方向における他の部分より高くされていることを特徴とする焼結含油軸受。 - 請求項2記載の焼結含油軸受において、
前記軸受本体の前記端面側の密度は、前記他の部分の密度の1.05倍以上1.50倍以下とされていることを特徴とする焼結含油軸受。
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