JP4606162B2 - 小型遊星マグネトロン - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2003年1月22日出願の仮出願第60/441,866号からの恩典を主張し、2002年5月21日出願の出願第10/152,494号の一部継続であり、この双方の開示内容は本明細書に全体で援用されている。
発明の分野
本発明は、一般的には、物質のスパッタリングに関する。特に、本発明は、プラズマスパッタリングを向上させるために磁界を作り出すマグネトロンの走査運動に関する。
スパッタリング、又は物理的気相堆積(PVD)と呼ばれるものは、特に電気的相互接続を形成する金属や関連物質の層を堆積するための半導体集積回路の製造に一般に用いられている。多少古い集積回路技術には、比較的適度なアスペクト比を持ったバイアによって金属化レベル間の水平相互接続部や垂直接続部にアルミニウムが用いられている。そのような適用には、スパッタリングを用いて容易に達成し得る速い堆積速度と高い均一性が必要である。速い堆積速度は、例えば、アルゴンのワーキングガスがプラズマに励起されるマグネトロンプラズマスパッタリングによって一部達成されてきた。正荷電のアルゴンイオンは、負にバイアスされた金属ターゲットに引き付けられ、ターゲットから金属原子を取り除く(スパッタ)ために十分なエネルギーをぶつけ、次にターゲットと反対の位置にあるウエハ(円基板)を被覆する。スパッタ速度は、ターゲットの前面に平行な磁界を作り出すターゲットの裏面に磁石アセンブリを配置することによって高められる。磁界は電子をトラップし、それによりプラズマ密度、つまりスパッタ速度を上げる。商業的製造におけるマグネトロンで最も普及しているタイプは、U字型又は磁極が密接に隔置された同様の磁石を用いる。磁石は、密閉した腎臓形(kidney-shaped)の経路に配置される。そのようなマグネトロンの全面積、即ち、外極の外周によって囲まれた面積はかなり大きく、磁界は二つの磁極の間の比較的小さな面積にだけ広がる。堆積に必要とされる均一性を達成するために、腎臓形マグネトロンがターゲットの中心を回転する。
進歩した集積回路技術にはスパッタ時に多少異なる困難な要求がなされ、スパッタで重要視されることが水平な相互接続部を堆積することから縦のバイアを堆積することに変わってきている。進歩した集積回路の高度な複雑さは、最小の特徴部サイズと特徴部間の間隔を減少させることによって大部分が達成されてきた。多くのデバイスから生じる複雑な配線は、しばしば中間レベル誘電体と呼ばれる介在誘電層から広がるバイアによって複数の配線レベルを相互接続することにより成し遂げられている。図1に概略的に示されているように、二酸化ケイ素又は関連のケイ酸ガラスから形成される下部誘電層10は、その表面に導電性特徴部12を含んでいる。上部誘電層14は、その上に堆積される。バイアホール16は、導電性特徴部の上にある上部誘電層14を通ってエッチングされる。バイアホール16の幅は、0.13:m以下に押し進められている。0.10:m、更に0.07:mの最小特徴部サイズが開発されている。しかしながら、中間誘電層14の厚さは、クロストークを最小限にし、誘電放電を防止するために約0.7〜約1.0:mの最小であるように束縛されてしまう。結果として、バイアホール16のアスペクト比は、5:1以上になってしまう。スパッタリングは、基本的には高アスペクト比ホール内に到達するために不適当なほぼ等方性の衝撃プロセスである。従来のスパッタリングがホール16を金属で充填するために用いられる場合には、スパッタリングはホール16の上部角を優先的に被覆し、底面が充填される前に閉じやすい。
更に、そのような小さい特徴部サイズにおいては、金属と誘電部の間の拡散が最小限でなければならない。従って、標準的実施は、バイアホール16と、それを通る著しい原子拡散を防止する薄いバリヤ層20をもつ上部誘電層14の平坦な上面をプレコートするために開発された。他のバリヤ物質や組合わせが提案されているが、アルミニウム金属化の典型的なバリヤは、Ti/TiN二重層であり、銅金属化の典型的なバリヤは、Ta/TaNである。その目的を達成するために、バリヤ層20はバイアホール16の側面に著しくかなり均一に被覆しなければならず、通常は底面も被覆する。更にまた、スパッタリングは、本来は側壁カバレージに適用されない。
多くの研究は、最近、銅金属化の技術を開発することに費やされている。銅は、低い導電性とエレクトロマイグレーションの低下という利点を与える。更に、銅は、高アスペクトホールへさえも電気化学めっき(ECP)によって容易に堆積させることができる。しかしながら、電気化学的にめっきされた銅は、厚い銅層32がECPによって堆積される前に、図2に示されるように銅シード層30が誘電層14の上面と、バイアホール16の側壁と底面に被覆されることを必要とする。銅シード層30は、良好な底面と側壁のカバレージを必要とする。銅スパッタリングは、その経済性と良好な膜質のためにこれら困難な形にさえ好ましい。
厚いECP銅層32は、典型的にはデュアルダマシンと呼ばれるプロセスにおいて、垂直な電気相互接続部又はバイアとして、水平な相互接続部として作用し、トレンチが誘電層14の底面部における複数のバイアにと相互接続する誘電層14の上部に形成される。誘電層14のトレンチと上面に広がる厚いECP銅層32の一部は、化学機械的研磨(CMP)によって取り除かれる。銅シードとバリヤの双方の適用に示されるように、スパッタリングは、厚い導電層を堆積するためにはあまり用いられず、ライナ適用と呼ばれる不都合な形で薄い層を堆積するためにより用いられている。
従来のスパッタリングによって堆積されるとき、バリヤ層20と銅シード層30の双方は、図3の断面図に示されるスパッタされた層36によって型別される同様のタイプの均一でない堆積を受ける傾向がある。誘電層14の上面のブランケット又は電界部分38は、側壁部40と底面部42と比べて比較的厚い。高アスペクト比のホール16における側壁部は、典型的には、ブランケット部38に相対してカバレージが最も低く、更にホール16の底面に電気めっきした電流路を与えるために臨界レベルより上に維持される必要がある最小の厚さ44を受ける。更に、突出部46は、エントランスアパーチャ48が縮小したホール16の上面に形成される傾向がある。電気めっきは、一般的には、高アスペクト比ホール16へ銅を充填するのに効果的であるが、ホール16の底面を完全に充填する前にエントランスアパーチャが閉じてもよいようにほぼコンホーマルである傾向がある。銅の中に得られたボイドは、得られたデバイスの性能と信頼性に厳しい影響を与える。更に側壁のひずみは、後で述べられるように最小になる必要がある。
バリヤと銅のシード層の効果的なスパッタリングは、バリヤ金属にしても銅にしても高割合の電離したスパッタ金属原子を保証することにより、また、ウエハを支持するペデスタル電極にRFバイアスすることにより達成され得ることが認識されてきた。RFバイアスは、ウエハ上に負のDCバイアスを作り、ウエハに向かって金属原子を加速させる。高い前進速度は、高アスペクト比ホールへ深く金属イオンを貫通させることを促進させる。更に高エネルギーイオンは、露出した突出部46からある物質をエッチングする傾向がある。
スパッタワーキングガスの高密度プラズマは、金属電離割合を増加させる。チャンバへRF電力を更に誘導結合することにより高密度プラズマを達成するためにいくつかの示唆がなされた。しかしながら、誘導結合リアクタは、高いアルゴン圧を必要とする傾向があり、結果として高温動作が生じ、活発なアルゴンイオンから起こりうる損傷がウエハに加速される。金属電離割合は、DCターゲット電力を増加することにより上げることもできる。しかしながら、開発されている300mmウエハ技術の場合、200mmウエハでさえ、この方法は必要とされる電源がかなり費用のかかる原因となる。また、ターゲット温度を制御することは困難になり、ターゲット冷却用電力が更に必要となる。
本明細書に全体で援用されているFuの米国特許第6,183,614号に記載されているしばしば自己電離プラズマ(SIP)スパッタリングと呼ばれる他の好ましい研究は、例えば、150nm以下の電界厚さの非常に薄い層だけが堆積されるバリヤ又はシードスパッタリングに特に用いられ、結果としてホール内に非常に薄い側壁厚さが生じる。SIPスパッタリングは、一般的に従来の安価なマグネトロンスパッタラアクタチャンバに従来の平坦なターゲットを備えることができる。対照的に、誘導結合リアクタは、費用のかかる新しい設計の誘導コイルを必要とし、中空カソード又はアーチ型ターゲットリアクタは費用のかかる複合的な形をしたターゲットを用いる。SIPスパッタリングは、小型であるがターゲットの比較的小さな面積に高密度プラズマ領域に集中させる強力なマグネトロンに基づく。結果として、約20〜40kWの幾分適度な電源が、マグネトロンの下にあるターゲットの部分に非常に効果的な電力密度を作り出すために用いることができる。高密度プラズマは、約20%以上と推定される金属イオンの高電離割合を生じる。金属イオンは、深いホールの側面の被覆を促進させるためにペデスタル電極のRFバイアスによりウエハに引き付けられる。
SIPスパッタリングにおいて、金属イオン密度は、金属イオンのかなりの割合がターゲットを再スパッタするためにバイアスされたターゲットに逆に引き付けられる、つまり、自己電離プラズマを十分な高さに上げることができる。結果として、一旦プラズマが点火すると、チャンバ内のアルゴン圧は、0.5ミリTorr以下、しばしば5ミリTorr未満まで低下させることができる。圧力の低下は、ウエハに対してその方法で金属イオンの散乱の確率を下げ、ウエハを加熱するアルゴンを減少させる。金属イオンとアルゴンの衝突は、金属原子を中和させるらしい。銅スパッタリングの場合には、正しい状況の下で、アルゴンは、自己維持スパッタリング(SSS)と呼ばれるプロセスで完全に取り除くことができる。
SIPスパッタリングは、逆極性の外極によって囲まれた一垂直磁極性の内極を含んでいる不均衡なマグネトロンから利益を得る。外極の全磁力又は強度は、即ち、外極の領域上に統合された磁束は、例えば、少なくとも1.5倍、好ましくは2倍以上だけ内極よりもかなり大きい。マグネトロンの密閉形は、ターゲットに燐接した高密度のプラズマにおける電子損失を小さくする。不均衡な磁界は、ウエハに向かってより強い外極から離れて示されている磁界ラインに生成する。示されている領域ラインは、より広範囲なプラズマを支持するとともにウエハへ金属イオンを誘導する。
スパッタリングの均一性と完全なターゲットエロージョンの適度なレベルは、SIPスパッタリングにおいて、ターゲットの中心に小型マグネトロンを回転させ、マグネトロンを成形してターゲットの外の部分を援助することにより達成される。一実施形態においては、不均衡なマグネトロンの外極は、一般的に内極を配置させる三角形の内部アパーチャもつ三角形の形となっている。最も鋭い角の頂短角は典型的に約20〜35oであり、三角形の磁極の鋭い頂端が重なるか、回転の中心に接近する。三角形の磁極の底は、外周に近づき、ターゲットの周囲に従って曲げることができる。
回転している三角形マグネトロンは、平坦又はブランケット堆積に関して合理的で適切な均一性を与えるが、高アスペクト比のホールにおける薄いライナ層の均一性は、図3について一部述べたように、複雑に要求される。側壁カバレージは、比較的高いことを必要とし、それは大きなウエハを均一にする必要がある。更に、一側壁上の側壁カバレージは、反対の側壁上の側壁カバレージとほとんど異なってはならない。即ち、側壁カバレージは、ウエハ上の全てのポイントで対称でなければならない。中性スパッタ粒子のために、堆積均一性や側壁対称性は、エッジがターゲットの内部側面から主として生じるほぼ等方性の中性フラックスに優先的に晒されるので、ウエハのエッジ近くで達成するのは困難である。不均衡な三角形のマグネトロンから示されている磁界は、半径方向に非常に不均一であり、その不均一性は、周辺の走査だけで相殺されることはできない。それ自体による三角形の設計は、均一性や深いホールコーティングの多くの要因を最適化する際に比較的少数の独立した設計パラメータによって束縛される。様々なタイプの補助磁石が、三角形マグネトロンの固有の不均一な磁界を相殺するために提案されているが、これらの設計はそれら自体の欠陥を負っている。円形のマグネトロンでさえ、その半径方向に変化している磁界を与える。
周囲が走査されたマグネトロンは、半径方向に不均一なエロージョンにより他の問題が現れる。この問題は、従来の腎臓型マグネトロンのようなマグネトロンがむしろ大きなサイズを持つときでさえ生じる。三角形SIPマグネトロンのため、最初の平坦なターゲット表面54の下の典型的なエロージョンパターン52は、費用がかからず容易に加工される異なる物質の裏板に対する界面56に沿って結合されるタンタルのようなスパッタリング物質のターゲット層を持ったマグネトロンに関して図4に示されている。谷の形をした特有の環状エロージョン軌道が生じる。SIPスパッタリングを援助する小型マグネトロンの周囲の走査だけでターゲット中心の高利用を達成することは困難である。不均一エロージョンは大きな腎臓型マグネトロンの使用で減少されるが、まだかなりの程度生じる。ターゲットの寿命は、裏板が最初に晒されることより決定される。更にスパッタリングは、裏板の望まない物質でウエハを汚染し、ターゲットは、捨てられるか又は新しいターゲット層を少なくとも再研磨されなければならない。不均一エロージョンは、ターゲット利用全体が不十分で、示した実施例では約38%である。アルミニウム又は銅スパッタリングが典型的であるように、欠くことのできないターゲットが異なる裏板を含まずに用いられる場合、考察が多少異なるが、エロージョントラックから生じる不十分なターゲット利用はまだ問題である。ターゲットを交換する際の過度の費用とダウンタイムを避けるためにより均一なスパッタリングを達成することが非常に望ましい。
SIPスパッタリングに関して、マグネトロンの設計は、次の3つの重要な課題に直接影響する。(1)ウエハを横切る薄層、特に対称な側壁カバレージの均一な厚さ;(2)均一なターゲットエロージョン;(3)スパッタ原子の電離割合。3つ全ての要因のためにマグネトロン設計を最適化することは困難である。これら課題の一部の最適化を緩和させることが望ましい。
マグネトロンスパッタリングは、形および磁界の強度に関して異なる要求をもつ様々な適用に用いられている。この多様性が商業的な問題を引き起こす。十分なスパッタリングリアクタがこれら適用の大半に設計されているが、しばしばリアクタとそれらのマグネトロンの設計が著しく異なっている。リアクタとマグネトロンの異なるタイプの増加数は、そのように多くの異なるタイプのリアクタを設計し、区分し、維持することに経済性や在庫ペナルティが課される。従って、設計における多少の変化又は変化した作動パラメータにより同様の設計が異なる適用に用いることができるスパッタリアクタとそのマグネトロンの普遍的な設計を得ることが望ましい。
円ターゲットについて円周方向と半径方向双方において、典型的にはターゲット中心の主回転と主回転のアームの端についての副回転の外転円パターンにおいて、マグネトロンを走査するために様々に示唆されてきた。例えば、Freemanらの米国特許第4,714,536号、Tomerらの米国特許第5,126,029号を参照のこと。Freeman設計は、より実用的見えるが、ターゲット中心近く又はその上でマグネトロンを回転させることが不可能なことを受け、過度の振動の傾向がある。Tomer設計は中心走査が可能であるが、内部に歯のある静止円周ギアは使いにくい。Tomer設計は、大きいマグネトロンによって生じる不均一なエロージョントラックを平滑にすることに向けられている。
発明の概要
遊星マグネトロンは、スパッタ堆積の均一性の増加、より完全なターゲットの利用、プラズマ密度の増加のためにプラズマスパッタリアクタに用いることができる。マグネトロンは、例えば、小型円形設計により高プラズマ密度のために最適化することができ、遊星運動は、均一な膜厚や完全なターゲット利用のために最適化することができる。
遊星機構は、好ましくはターゲットよりはるかに小さな磁石アセンブリを含むマグネトロンを、磁石アセンブリが軌道運動においてターゲットの中心の周りに回転し、更にターゲット中心の周りに回転している軸の周りに遊星回転で回転する遊星又は外転円運動を実行させる。機構は、好ましくは、磁石アセンブリをターゲットの中心上を走査させることができる。運動は、好ましくは、遊星回転が軌道回転の反対である逆方向遊星運動であるが、前方遊星運動は多くの同様の結果を与える。
一実施形態においては、ギア比又は他の係合比率により測定された1.03〜6の回転比が好ましいが、整数は避けるべきである。約1.2〜1.66と約2.5〜4.97の回転比がターゲット周辺よりターゲット中心で著しく大きな速度を与える。好ましくは、係合比率は、整数に近づけすぎるべきではなく、ごく少数のローブを与えるので、ターゲット利用が不十分である。ギア比は、好ましくは、相応である、即ち、共通の特徴を持たない固定ギアと従動ギアにおける歯の数に基づくことが好ましい。共通して利用可能なギアの場合、この要求は、1つのギアにおける奇数の歯数とそれ以外のギアにおける偶数の歯数又は2つのギアの2つの異なる奇数の歯数によってしばしば満たされる。
遊星機構は、ターゲットの中心軸の回りに配置された内部ギア、軸に沿って伸び駆動板を回転させる回転駆動シャフト、駆動板上に支持され内部ギアと係合するアイドラギア、駆動板上に支持され内部ギアと係合する従動ギアを含んだ連動機構を含むことができる。駆動板とターゲットの間に配置される底板は、従動ギアのシャフトに固定され、それと回転させる。磁石アセンブリは、ターゲットの裏に隣接した底板の片端にぶら下がっており、逆方向遊星運動を実行する。結合した遊星機構の他の特徴は、ベルトの付いた遊星機構に適用することができる。
従動ギアと固定内部ギアの間のギア比が、従動ギアと付属の磁石アセンブリと駆動板との間の回転比、即ち、遊星回転数と軌道回転数の比を決定させる場合、内部ギアは固定することができる。ターゲットの中心とターゲット周辺での磁石アセンブリ速度の比は、ギア比によって決定され、ターゲット中心から従動ギアまでと後述ギアから磁石アセンブリまでの回転アームの比によって更に決定される。
好ましくは、第一カウンタウェイトは従動ギアに対向する駆動板の端の上で支持され、第二カウンタウェイトは磁石アセンブリに対向する底板の端の上に支持される。
内部ギアは、或いは、第二回転シャフトによって回転することができる。
ターゲットエロージョンのプロファイルは、遊星機構の回転周波数を変えることにより又は特にターゲット上の磁石アセンブリの半径方向位置の回転位置の関数としてターゲット電力を変えることによって制御することができる。一実施形態においては、マグネトロンがターゲット中心近くにあるとき、回転数が増加するか、ターゲット電力が減少する。磁石アセンブリ上に部分的に配置された位置センサは、磁石アセンブリの半径方向位置と回転又は電力変調を同時に行うために用いることができる。
遊星機構は、2つの遊星ステージを含むことができ、3つのアーム長と2つのギア比が最適化スパッタリングパターンのために選択される。連動した遊星機構は、或いは、駆動板上で回転させる従動ギアを係合させる内部に突き出した歯に従って固定された外部ギアで実行することができる。アイドラギアは必要とされない。
遊星機構は、代わりに、中心軸の周りのキャプスタン、軸に沿って伸び駆動板を回転させる回転駆動シャフト、駆動板上の従動滑車支持体、キャプスタンと従動滑車の周りに巻きついたベルトを含んだベルトの付いた機構を含んでいる。底板と駆動板の下に位置する付属マグネトロンは、従動滑車のシャフトに固定され、それと共に回転する。キャプスタンは、独立駆動シャフトによって固定されるか回転されるかのどちらかでもよい。
好ましくは走査されているターゲットのエリアの10%より大きくはない小型磁石アセンブリは、逆極性のより強力な外極によって囲まれた中央のターゲット軸に沿ってそれとは反対の極性の弱い内極を持った不均衡なマグネトロンであってもよい。二つの磁極の統合された磁束の比は、好ましくは少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2である。深いホールを充填している間、磁束比率は、好都合に更に3又は5以上に増加される。余分の磁束が、多数の弧形の区分からおそらく形成された、最密の円筒磁石による多数の列、又は環形磁石によって与えることができる。小型磁石アセンブリは、或いは、ギャップによって分けられた等しい強度の内部と外部の向かいあったバンド型の磁極を持った均衡のとれたマグネトロンであってもよい。いずれの場合においても、磁石アセンブリは円形対称であっても他の形であってもよい。
不均衡なマグネトロンの場合、より強い外部のマグネトロン磁極によって作られた磁界と平行な(反平行ではない)それらの穴に磁界を作るために付加的な同軸の電磁石を用いることができ、好ましく出力される、よって、基板に突き出した磁界がもたらされる。同軸の電磁石は、ターゲットと基板の間の処理空間の周りか、又は基板の裏面に置くことができる。後部電磁石の穴は、基板の直径よりも小さくてもよい。両電磁石が用いられる場合、片方は、好ましくは少なくとも1.5、更に好ましくは2である比率の後部電磁石よりも大きい。
好適実施形態の詳細な説明
本発明の主な一実施形態は、遊星機構によるものであり、例えば、小型円形対称マグネトロンがスパッタリングターゲットを完全に被覆することができるように、一段階遊星ギアシステムを用いている。遊星機構は、太陽の周囲を回る惑星の表面上の点に類似した遊星運動を生じ、同時にそれ自体の極軸に対して遊星回転を実行している。この実施形態におけるマグネトロンにおいて、衛星の軌道軸は、衛星の軌道軸から置き換えられたもの以外に平行であり、軌道は軌道軸について円形である。マグネトロンの磁石アセンブリは置き換えられ、遊星軸を回転し、遊星軸は軌道軸の周囲を回るか又は回転し、それにより、次の遊星アームの端で固定されたマグネトロンの複雑な軌道を作る。逆方向遊星運動において、遊星回転の方向は、軌道回転の方向と反対側になる。
図5の正射投影図に示される連動した一実施形態においては、マグネトロンアセンブリ60は、二つの取り付け板66、68を通って収容している図示されていないマグネトロンの上壁に結合した静止円形取り付け部64に固定された固定ギア62を含んでいる。モータ駆動シャフト70は、固定ギア62と共に中央チャンバ軸72に沿って同軸であり、それの下で結合したメインキャリア又は駆動板74を支持するために固定ギア62を自由に通過させ、それにより、固定ギア62の中心72の周りを回転し、遊星ドライバーとして作用する。中心又はアイドラギア76は、駆動板74上で自由に回転可能に支持されるが、その歯は固定ギア62の歯と係合している。回転している又は従動ギア78は、同様に駆動板74上で自由に回転可能に支持され、その歯は、アイドラギア76の歯と係合している。結果として、図6の平面図に示されるように、モータ駆動シャフト60が回転し、駆動板74を駆動させるので、アイドラギア76と従動ギア78は、例えば左回りの方向に、中心軸72の周りに連動回転し、アイドラギア76は、その軸自体の周りを左回りの方向に回転している。同様に、従動ギア78は、その反対(右回り)の方向にその軸自体の周りに回転している。
従動ギア78は、駆動板74の下に位置する底板80を固定し支持するので、底板80が従動ギア78と共に上記のように回転する。掛けられ、片持ち梁取り付け設計のために、底板80は中心軸72によって回転することができる。磁石アセンブリ84は、底板80の一端の下で支持され、磁石カウンタウェイト86は、底板80のもう一端の下に支持されている。他のカウンタウェイト88は、駆動板74のもう一端に取り付けられている。或いは、駆動板74と底板80はアームと呼ばれるが、アーム長は、アームの回転中心から外部の支持点で測定されている。カウンタウェイト86、88は、円形対称形の不可欠な胴部として最良に備えられている。このギア配置は、磁石アセンブリ84を駆動板74に沿って伸びた長さA1の回転の第一アームと底板80より伸びた長さA2の回転の第二のアームにより外転円又は遊星運動を実行させる。図6を参照すると、遊星機構は、本質的にはかなり大型のターゲット90の使用可能な表面全体上で比較的小型な磁石アセンブリ84を動かし、中心軸72について円形対称である。
二重に平衡を取ることは、回転しているアセンブリの底面での機械的な支持体がないにもかかわらずその複雑な運動におけるマグネトロンの振動を最小化させる。好ましくは、磁石アセンブリ84とカウンタバランス86は、質量が同じであり、従動ギア78の中心について回転アームは同じである。同様に、主要なカウンタバランス88は、質量が同じであり、アセンブリ全体の均衡を取るものとして中心軸72について回転アームは同じである。均衡の取れた質量と慣性モーメントは、相互に90%、好ましくは95%以内でなければならない。
図6の平面図に最良に示されるように遊星運動は、中心軸72の周りに駆動板74の左回りの回転を含んでいる。駆動板74によって運ばれたアイドラギア従動ギア76、78は、中心軸72の周りをそれと共に回転するが、それら自体の軸の周りを付加的に回転し、アイドラギア76は左回りに、従動ギア80は右回りに更に回転する。従動ギア78に固定された底板80上に運ばれた磁石アセンブリ84は、更に中心軸72に対して左回りの軌道回転で回転し、更に、従動ギア78の軸の周りを右回りに遊星回転を実行する。磁石アセンブリの二つの反対の回転方向は逆方向遊星運動と呼ばれる。従動ギア78の回転比は、固定および従動ギア62、78の間のギア比RGに従って、駆動シャフト70の回転比に直接関わる。単純に示された連動遊星システムに関して、ギア比Gは、従動および固定ギア78、72の半径の比に等しい。
Figure 0004606162
しかし、ギア比はギアの歯数の比によって更に基本的に決定される。
Figure 0004606162
2つの式は、それぞれの円周に沿って等しく空間的に分けられた2つのギア72、78の歯の通例の状況において等しい。これらの式は、ギア比Gの符合、即ち、ギア配置が前方向か又は逆方向運動を生じるかを考慮しない。1つ以上のアイドラギアは、固定ギアと従動ギア72、78の間にはさまれてもよい。それぞれのアイドラギアが同じ数の歯を持った2つの隣接したギアと係合している場合には、ギア比Gは影響されない。しかしながら、アイドラギアが異なる半径の二つの同軸ギア部分を含む場合には、この比は全体のギア比に影響する。それはより複雑なギア配置のためにギア比を計算するための方法としてよく知られている。
遊星ギアシステムは、異なる作動結果を達成するために変化させることができる。しかしながら、例えば、遊星運動が逆方向であり、従動ギアと固定ギアの間のギア比が整数ではない0.66〜4の間の比である、マグネトロンの2つのアームがおよそ等しい長さであるときの円形対称マグネトロンを持つ場合において優れた結果を得ることができることが分かった。それぞれがターゲット半径の約1/2のほぼ等しいアーム長は、ターゲット90の周囲からその中心まで、また、中心72上に円形マグネトロンが動くことを可能にし、それによって十分なターゲットカバレージを可能にする。2より大きいギア比は、菱形が等しい時間間隔をマークし、磁石アセンブリ84の中心である、図7に示されたきっちりとした軌道を作る。この軌道92は、1:3.15のギア比、主要アームの0.8である遊星アーム、従動ギアの逆回転、即ち、逆方向遊星運動が計算される。
軌道92は、磁石アセンブリの磁気部がターゲット中心72に近い又はおそらく超えることができるように適度なサイズの磁石アセンブリ84の中心であると想定される。図5と図6の磁石アセンブリが完全に釣り合っていることは、中心支持ポストの除去を可能にし、Freeman設計において過度のターゲット中心の走査を防止する。ここでは駆動板の単一回転のため約3つである、ローブの数は、一般的には、前方向又は逆方向遊星運動のどちらかでギア比にほぼ等しい。しかしながら、ギア比が整数値でない場合には、そのパターンは示される比較的短い間隔では再現されない。その代わりに、そのローブは前進してターゲット90をより均一に被覆する。
ギア比が一致に比較的近づく場合には、逆方向運動における軌道は、一般的にずれた中心の周りに一ほぼ円形であるが、円形パターンは非単一値のために前進する。一方、前方向運動で対応する軌道は、中心で速度が0に近いカージオイドである。
軌道92は、駆動シャフトの単一回転に関して図7に示され、60rpmのシャフト回転として約1sが示されている。図8で示される軌道90は、6sを超える。約10sの走査は、ターゲットの完全なカバレージを与え、完全なカバレージ期間を示すことがわかる。理論上のスパッタ時間は、示された場合において、又は連続する完全走査の間で不均一な重複を避けるために欠くことのできない多様の場合において10sであることが完全なカバレージ期間でなければならないが、実際には、合理的に長い照射距離に関して方位角の不均一性が典型的に重要な問題とはならないように、ほぼ整数のギア比を持った逆方向遊星運動に関するスパッタパターンは、多重の方位に対称性を持つ。下記で発見された式から、有利な速度差が1〜6の範囲、好ましくは1.5〜5の範囲内で得ることができることが明らかであり、整数値は前進の不足のために嫌われている。前方向遊星回転は、異なる形をした軌道で、一般的には固定された座標に相対する速度の変化の大きいほぼ同じエロージョンパターンを作る。
膜堆積の均一性は、軌道92それ自体が、ほぼ一様にターゲットのエロージョンを繰り返している間の時間を減少させることにより改善される。エロージョンの不均一性は、軌道92におけるローブの数と重複を最大にすることによって改善される。このことは、固定ギアと従動ギア62、78における歯数N1とN2が不相応である、即ち、共通因子を含まないことを保証することにより容易に達成されることができる。例えば、25:22のギア比は、24:22のギア比より優れている。試験に実施されたギア比の一セットのギア比は、35:22=1.59である。16と80の間の歯数を持った多くの有用で実用的なギア比にとって、この要求は、偶数の歯数と奇数の歯数、又は異なる二つの奇数が生じる。
均一性により、軌道92のローブが狭すぎず緊密に間隔を開け過ぎない場合には、短く変化できるスパッタ時間が改善される。この条件は、ギア比Gが整数でないだけでなく、整数に近いものでない場合には、Gが少なくとも0.1、好ましくは0.2だけ、例えば、3.1〜3.9又は3.2〜3.8任意の整数と異なる場合には満たされる。しかしながら、1/3、又は2/3の整数といった正確な半分の整数値、即ち、例えば3〜1/2、3〜1/3、3〜2/3等も、ギアの歯のかなり大きな数のため不相応なギア比が望ましいので避けなければならない。
カウンタウェイトや固定支持構造を含まない図9に概略的に示されたマグネトロン60は、中心軸72の周りに配置されたチャンバ本体102を従来のものとはかなり異なったプラズマスパッタリアクタ100に用いることができる。この実施形態においては、シャフト70と接続されたモータ104は、一定の回転速度、例えば、100rpmで中心軸72の周りに遊星マグネトロン60を回転させる。
金属ターゲット90は、環状絶縁装置108を通ってアダプタ110へ真空密閉され、チャンバ本体102を密閉し、ターゲットとウエハの間の空間を容易に調節することができる。真空ポンプ112は、ポンピングポート114を通ってチャンバ102の内部の真空を引く。ガス源116は、アルゴンのようなスパッタ処理ガスをチャンバ102へマスフローコントローラ118を通って供給する。反応性スパッタリングが、例えば、金属窒化物が望まれる場合には、窒素のような反応性ガスも供給される。
ウエハ120は、ターゲット90と向かい側のペデスタル電極122上で支持される。ウエハクランプリング124は、ウエハ120をペデスタル122に固定するために又はペデスタル周辺に保護するために用いることができる。最新のリアクタは、ペデスタル122に対するウエハ120に静電チャックを用いる。アダプタ110上に支持された電気的接地シールド126は、スパッタ堆積からチャンバ壁とペデスタルの側面を保護し、プラズマ放電における負極として作用する。ワーキングガスは、クランプリング124とシールド126の間のギャップ128を通って主な処理領域に入る。他のシールド構造は、第一シールド126の内側の電気的に浮動する第二シールドと、処理領域内のガス流量を促進させるために第二シールドによって保護された第一シールド126の一部を通る貫通孔を含むことができる。
DC電源130は、接地シールド126に関してターゲット90を負バイアス印加し、アルゴンワーキングガスにプラズマへの放電を引き起こさせる。正荷電アルゴンイオンは、ターゲット90から金属をスパッタするために十分なエネルギーでターゲット90に引き付けられ、スパッタされた金属は、ウエハ120の表面上に堆積し、それを被覆する。好ましくはホールを深く充填するために、RF電源132が、ハイパスフィルターとして作用する容量結合回路134を通じてペデスタル電極162に接続され、ウエハ120上に負のDCセルフバイアスを作る。セルフバイアスは、より容易に高アスペクトホールに入る垂直軌道でウエハ160に向かって加速する正金属イオンに効果的である。セルフバイアスは、また、高エネルギーをイオンに与え、ウエハ120のスパッタ堆積とスパッタエッチングを区別するために制御することができる。コントローラ136は、希望のスパッタ条件に従って真空ポンプ112、アルゴンマスフローコントローラ118、電源130、132を制御する。
マグネトロン60は、円形磁石アセンブリ84の通過位置の下にあるターゲット90の表面に平行な磁界成分を作り、それにより、ターゲット90の隣接部と高い金属電離部分において高スパッタリング速度を生じる高密度プラズマの小領域138を作る。不均衡な磁石アセンブリ84も、ウエハ120に向かってターゲット90から張り出し、金属イオンをウエハ120に誘導する磁界成分を作る。円形対称磁石アセンブリ84は、電界の平行に張り出す成分であるために円形対称磁界分布を作る。
磁石アセンブリ84は、ターゲット90の中心と一致した中心軸72の周りに遊星運動を行う。図5と図6を参照すると、駆動シャフト70は、中心軸72に沿って伸び、その周りに回転させて中心軸72の周りの軌道運動でキャリア又は駆動板74を回転して駆動させる。固定ギア62と係合したアイドラギア76(支持体構造は図6に示されていない)と、アイドラギア76と係合している従動ギア78は、軌道運動している駆動板74上で回転できるように支持されてそれぞれの軸に対して回転する。片側の磁石アセンブリ84を支持する底板80は、従動ギア軸の周りに従動ギア78によって回転する。
従って、磁石アセンブリ84は、ターゲット周辺同様にターゲット90の中心72を超えて、又は任意に近くで動くことができるアーム長や磁石サイズの適切な選択によって設計することができる遊星動作を実行する。完全なカバレージは、駆動シャフト70から二つの板74、80に片持ち梁を取り付けることによって得られる。図5の2つのカウンタウェイト86、88は、不適当な振動をさせずにこの偏心片持ち梁取り付け運動を可能にする。しかしながら、典型的に過度の中心エロージョンを生み出すので、磁石アセンブリ84の磁気的に強力な部分が中心軸72を通過しないことが普通は望ましい。それにもかかわらず、磁石アセンブリ84の機械的部分は、ターゲット中心72を通過しなくてもよく、典型的には望まれる、かすめて通る軌道さえ、ターゲットに面する側面上に回転式マグネトロンの十分な機械的な支持体が除外されている。
マグネトロンアセンブリ150のより詳細な断面図は、図10に示されている。ターゲット90は、ターゲット裏板154に結合したスパッタすべき物質のターゲット層152を含んでいる。DCマグネトロンスパッタリングにおいては、ターゲット物質は、典型的には金属性であるので、電気的にバイアス印加される。最上部カバー156は、管状絶縁装置158を通ってターゲット裏板154に固定され、空洞160を囲み、密封し、水冷却マグネトロンが回転している。絶縁装置158は、ターゲット90を電気的にバイアスさせることができ、最上部カバー156とそれに結合したマグネトロン要素が安全のために接地されたままになっている。
ターゲット90の対向するマグネトロン150側に、底部リング162と取り付けフランジ164が最上部カバー156の対向面に固定され、中央の穴168をもつ回転可能な駆動シャフト166がそれらを通過する。玉軸受スリーブ170は、取り付けフランジ164に固定されたカップハウジング172の内部で駆動シャフト166を回転可能に支持している。駆動ベル174は、リテーナナット176の間に駆動シャフト168を固定させ、駆動シャフト166を回転させるための示されていないギアとモータによって回転する。ロータリユニオン178は、冷却水又は他の液体を水路180とそこから空洞160へ通るシャフト穴168へ流すことを可能にするために駆動シャフト166の上面で支持可能に固定される。示されていない水の出口は、冷却水の再循環を可能にするために上カバー160を貫通する。駆動シャフト168と取り付けフランジ164の間の回転リテーナリング182は、空洞160内の冷却水を密閉する。
示されていないねじは、固定ギア62を底部リング162、従って最上部カバー156に結合する。クランプリング184は、駆動シャフト168の底面に留められ、駆動板74に固定される。メインカウンタウェイト88は、駆動板74の第一端上に支持されている。アイドラギア76は、駆動板74の第二端に回転可能に支持されているアルドルシャフト186に固定されている。係合している歯のそれぞれのセットは、固定ギアとアイドラギア62、76と一緒に係合している。同様に、従動ギア78は、駆動板74の第二端上で回転可能に支持された一層外側の従動シャフト188に固定され、係合している歯はアイドラギアと従動ギア76、78に一緒に係合している。底板80は、駆動板74の下の従動シャフト188の端に固定され、従動ギア78の遊星運動で回転する。
図11の側面と図12の底面からの断面図でよりはっきりと示されるように、磁石アセンブリ84は円形対称であってもよい。その全面積は、走査されるターゲットの面積の好ましくは10%以下、更に好ましくは5%未満である。面積比が2%未満の磁石アセンブリは、遊星マグネトロンにおいてかなり良好な均一性を示した。他の相殺する理由があってもよいが、円形磁石アセンブリは磁性材料の一定のサイズとタイプの磁界強度を最大にする。
円筒軸に沿った最初の磁極性の多くの円筒の外部磁石192は、磁気中心軸194の周りに円形パターンで配置される。それらは、例えば、磁気的に柔軟なステンレス鋼の円形磁気ヨーク196によって支持され、中央の支持点で遊星底板80の底面に固定される。底部の、外部磁石192の自由端は、環状磁極部分198によって被覆され、磁気的に結合している。反対側の磁極の円筒状内部磁石200は、外部磁石192の円形配列の中心に配置され、磁気ヨーク196によって支持され、内部磁石200を外部磁石192と磁気的に結合する。内部磁石200の底端部は、好ましくは円形磁極部分202によって必ずしも覆われない。磁石は、典型的には、磁気ヨーク196と磁極部分198、202におけるホールによって捕捉されるエンドチップを持ったステンレス鋼パッケージにおいて典型的に封入されている。示されていないねじは、磁極部分198、202をそれらの間に挟んだ磁石198、200と共にヨーク196に固定する。結合した外部磁石192の全磁力は、少なくとも1.5、好ましくは2を超える倍率で内部磁石200よりも大きく、結果として磁石アセンブリ84は不均衡になる。同じ磁性材料が全て磁石に用いられる場合には、表面積上に統合された磁束である全磁力は、外部磁石202又は内部磁石200の全断面積に比例する。内部磁石200が共通の中心磁極部分202を持った複数の管状磁石へ細分することができることは理解される。この配置はより低いパッキング率のために磁力が小さくなるが、この損失は不均衡なマグネトロンのより弱い内極にそれほど重要でない。
磁石アセンブリ84の幅は、完全なターゲットカバレージを決定することを考慮すべきである。完全なカバレージの一つの条件は
Figure 0004606162
ここで、DMは、中心194の周りの磁石アセンブリ84の外部磁石部分の直径、即ち、外極部分198を取り囲んだ半径であるが、良好であるが定量的でない半径は、後述される環状磁気成分である。しかしながら、実験によって確認した一定のマグネトロン直径の現実的なモデリングの一般的な結果は、ターゲット中心が過剰にスパッタされることである。従って、完全で均一なターゲットエロージョンのために、マグネトロンのエッジは、ターゲット中心をかろうじて触れるべきである。即ち、
Figure 0004606162
更に、均一な膜堆積は、均一なターゲットエロージョンより重要であるらしい。例えば、銅、アルミニウムのメタライゼーションスパッタリングの場合、均一な膜堆積は、本質的にはターゲットのちょうど中心をスパッタしないことによってしばしば最適化される。この状況において、スパッタされた銅は、負のエロージョンを生じるターゲット中心で十分に再堆積することができる。しかしながら、再堆積された銅はそれぞれ安定であるので、再堆積は一般的に問題として考えられない。しかしながら、特有の窒化物の反応性スパッタリングと組み合わせてバリヤ層に用いられるTa、Ti、Wのような高融点金属の場合、再堆積は重大なパーティクル問題が存在する。再堆積された高融点金属又は高融点窒化物は高い内部応力を示し、再堆積された層がかなり厚い場合には、剥離しやすい。従って、高融点金属のスパッタリングの場合、ターゲットは、正味の再堆積を防止するのに十分な程度まで全体のターゲット面積上のスパッタリングによって清浄に保たれなければならない。即ち、ターゲットが中心近くで過度にスパッタされても、マグネトロンは比較的ターゲット中心に近づけなければならない。
不均衡な円形磁石アセンブリは、高アスペクト比のホールへ均一なスパッタリングにいくつかの利点を与える。図13に概略的に示されているように、不均衡円形磁石アセンブリは、他の磁極のより強い外極208によって囲まれたもう一方の磁極の内極206を含み、双方中心軸194の周りにほぼ円形対称である。円形磁石アセンブリは、軸194の周りに対称的な磁界分布を作る。磁界分布は、外極208から内極206までの平滑な経路に続いて、半環状成分210を含んでいる。磁極206、208の表面は、それらの間のサイズを最小限にするギャップ212でターゲット90の裏面に密接にして配置される。結果として、半環状成分210の一部は、ターゲット90の前面にほぼ平行に伸びる。平行な磁界は、電子をトラップし、ターゲットに隣接したプラズマの密度を非常に増加させる。半環状成分210は、磁石中心軸194の周りに対称であり、プラズマ電子をトラップするために閉鎖ループを形成するので電子損失が減少する。図5と図6のマグネトロンの二重カウンタバランス設計は、ジッタと振動を減少させ、それによってギャップ212を遊星回転が平衡していないFreeman設計と対照的に減少させることができる。
磁界分布は、スパッタ被覆されているウエハに向かってターゲット90からより強い外極208から突き出ている成分214を更に含んでいる。より強力な外極208から生じた突出成分214は、外極208又はバックヨーク196の裏面に戻る前に、ウエハに接近するので、磁石アセンブリの中心ライン194に向かって曲がっている。マグネトロン不均衡から生じる突出成分214は、プラズマを伸ばすと同時に電離した金属原子をウエハに誘導する。円形磁石アセンブリにおいては、突出成分214も円形対称であり、特に完全な遊星運動が考慮された後に、ウエハの内部又は外部のどちらも援助しない。更に円形の形は、磁石の不均衡を最大化させることを可能にする。従って、プラズマ密度を増加させる半環状成分210を減少させることなく突出成分を増加させることができる。電子損失も、円形配置では減少する。最後に、不均衡なマグネトロンは、磁界分布内にヌル216と局所極大218を生じる。ヌル(null)216は、非常に高密度まで電子をトラップする。中性のスパッタ金属原子が高度に電離されたヌル216を通過するとき、それらは電子と衝突し且つ電離する傾向がある。従って金属電離割合が増加する。
様々な変形が、図11、図12のマグネトロン100に利用できる。管状中心磁石200は、複数のより小型な磁石、好ましくは総計3、4、又は7で置き換えることができ、最近では接近して詰められた配置の六角形になっている。特別な効果のために、管状中心磁石200は、環状磁極部分を持った管状内部磁石で置き換えることができる。外部磁石192は、図14の断面図に示されるように、単一の環状磁極部分198で被覆された磁石220、222の2つの環状列で置き換えることができる。好ましくは、外部磁石220は、わずかに大きなサイズを有するので、複数の列が密接して詰めることができる。或いは、図15の断面図に示されるように、外部磁石212は、軸194に沿って、方位角方向に沿った断面がほぼ矩形の単一方向に磁化された環状バンドの弧型磁石224で置き換えられる。好ましくは、磁石224は製造を容易にするために2つ以上の番号を付けている。いずれの配置も、外部磁極の磁気密度を増加させので、マグネトロンの不均衡を増加させることができる。従って、ターゲットの表面に隣接した重要な半環状成分を犠牲にすることなく突出した磁界を増加させる。増加した突出磁気成分は、深い穴を充填することと他のスパッタリング効果を極めて促進させる。また、増加した外極の密度は、ヌルの位置を妥協することなくより小さなマグネトロンを可能にする。従って、外部磁気強度と内部磁気強度の比は、有利には3より大きく、5より大きくさえ増加する。
上述の実施形態は、図10の上面カバー186について固定された最も深い部分にあるギア62を含むが、中心軸72の周りの最も深い部分にあるギア62の付加的な回転は、上カバー186に相対して回転させ、残りの設計にほとんど影響せずに駆動板74について更に回転させる。この実施形態は、中心軸72の周りに2つの同軸回転、又は最も深い部分にあるギア62と、付属の回転シールと回転駆動と連動した係合で第二オフセット駆動シャフトを必要とする際に機械的な設計を複雑にするが、独立した回転により、更に機械的な部分を変える必要がなく動作制御の可撓性が追加される。例えば、わずかに変化した条件下で図8について述べた整数の完全カバレージサイクルの間、比較的薄いバリヤ層又はシード層を堆積することができるリアクタを与えることは望ましいことである。最も深い部分にあるギア62を支持する可変速シャフトは、固定ターゲット90に関連した図8のパターンを異なるスパッタの間、整数倍で循環させることができる。即ち、単一マグネトロンアセンブリは、異なるバリヤ/ライナ適用で用いられるように最適化することができる。更に、同様のマグネトロンアセンブリは、長時間堆積を必要とするより厚いブランケット堆積に用いるために最適化することができる。従って、異種の適用に普遍的なマグネトロンの使用が可能である。
本発明のマグネトロンの動作は、図16のグラフによって説明することができ、ターゲットに加えられるDC電力量の関数として、プラズマリアクタスパッタにそれぞれのターゲット電圧を用いる場合、異なる3つのマグネトロンについてプロットしたので、ある意味では電力の関数としてプラズマインピーダンスをプロットしている。比較的低密度のプラズマと金属原子に関してかなり低い電離割合を作る従来のマグネトロンは、ピーク234に上昇してから任意の有用な電力範囲上で0に向かって単調に下降していく、電圧と電力特性曲線230を示す。ターゲットの中心からエッジまで伸びるためにかなり大きくなる必要のある周辺を走査した三角形SIPマグネトロンは、中程度の密度プラズマやおそらく20%での適度な電離割合を与える。その特性曲線236も、転移点238を通るまではピーク234から単調に下降する。転移点238を超えると、ターゲット電圧は上昇し始める。転移点238より上昇すると、金属イオンの密度が増加することによると考えられる。転移点238より高い動作は高金属電離割合を生じるように望まれ、高アスペクト比のホールへのスパッタリングを促進させる。
例えば、図11と図12の構造を持つ、本発明の遊星運動に用いうる非常に小さなマグネトロンは、SIPマグネトロンの特性曲線に類似した特性曲線240を示す。しかしながら、転移点242は本質的により低い電力で生じる。このことは、なお高い金属電離割合を生じることを意味している。より低い転移点242は、かなり減少した電力量で希望の様式での動作も可能にする。
マグネトロン60は、図9に示されるスパッタリアクタ100の一般的なタイプを用いて、高アスペクト比のホールへ金属を被覆するために用いてきたが、照射距離は、特にターゲット90と300mmウエハ120の間の400mmより長い。遊星マグネトロンの第一アーム長は117.5mm、第二アーム長は53.3mm、磁石の直径は117mmであった。固定ギアの歯数は35であり、従動ギアの歯数は22であった。600W〜900Wの間のバイアス電力で性能が優れていることが見られた。図3を参照すると、従来の又はSIPマグネトロンでさえ最も大きな改善は、突出部46における著しい減少である。この改善は、アスペクト比がより高いホールへスパッタリングすることを可能にする。更に、最小限の側壁厚さ42は、124nmの場の厚さの場合、5nmより増加し、より均一になる。底面部42の厚さは、少なくとも40nmに増加している。これらの効果は、より小型磁石アセンブリで達成し得るより高いプラズマ密度から全て得られると考えられる。更に、ウエハ周囲近くの側壁カバレージの非対称性が減少したので、より高い電離割合が示された。より高いバイアス電力は、更に突出部を減少させたが、側壁部分は薄すぎた。
遊星運動の軌道は、ターゲット中心に原点を持った複雑な平面での複雑な位置rとして容易に計算される。遊星運動を実行する対象物の位置xは、下記によって示される。
Figure 0004606162
ここで、一般論の損失はほとんどないが、A1とA2は、第一、第二モーメントアームの長さを表わす正の実数、T1は毎秒ラジアンで表される駆動板の回転速度、T2は固定座標による従動ギアの回転速度である。ギア比G又は他との係合比率として表すことができる遊星運動の場合、2つの回転速度は下記で関係する。
Figure 0004606162
前方向遊星運動の場合、ギア比Gは正であり、逆方向遊星運動については負である。アーム長の比は下記で表される。
Figure 0004606162
位置が下記として表されてもよいからである。
Figure 0004606162
複雑な速度νは、位置xの時間による導関数である。
Figure 0004606162
実数に戻すために、速度の大きさの平方、即ち、速さの平方が下記で示される。
Figure 0004606162
余弦項がプラス又はマイナス1であるとき、最大および最小速度が生じる。どちらかがサインとGの大きさに左右される。最大速度と最小速度の議論に興味深いものであるが、それは直接ターゲットエロージョンを直接処理しない。
均一なターゲットスパッタリングのための真の要求は、経路に沿った接線方向の速度より中心軸に関連したラジアル速度に基づいている。等しいカバレージの場合、(無限に小さい)マグネトロンが半径rの幅である環状バンドに費やす時間)tは、rに比例している。環状バンドに平行の方位角速度は、均一なスパッタリングに直接的な関係はない。結果として、望まれるラジアル速度は下記で示される。
Figure 0004606162
微分方程式は、単純な積分によって解かれ、結果として下記が得られる。
Figure 0004606162
Figure 0004606162
最後の式は下記と等価である。
Figure 0004606162
これらの式は、明らかに定数とサインだとみなしていない。
複雑な代数学に戻ると、遊星運動のために時間変数の半径の平方は、下記式で示される。
Figure 0004606162
この式も余弦法則から導くことができる。この関数は、A1>A2の場合に図17でプロットされる。A1<A2の場合、同じ依存が見られるが、縦軸上で異なる順序が逆にされる。面白いことに、周波数を変化させることを除いて同様の依存性は、正か負、即ち、逆方向遊星運動か前方向遊星運動かのどちらかのギア比Gの任意値が得られる。それにもかかわらず、整数値は、処理パターンを保証するために避けられる必要がある。
時間の導関数は、
Figure 0004606162
この量は、図18でプロットされ、負の値は点線で示されている。また、その波形は周波数と振幅を除いてGに依存しない。関数は0付近で変化するが、その大きさだけがカバレージ効果に重要であることは留意される。プロットは、最大値1に標準化され、その大きさの平均は、2/Bである。上記の微分方程式の解を示したので、図18にプロットされた数は、軌道上の均一なカバレージのために一定でなければならない。この数は明らかに、時間又は半径に一定でないが、我々は平均値からの変化の程度とそれが重要であるかを確立する必要がある。
第一に、上記の誘導が、実際にマグネトロンが円形マグネトロンの物理的な外部の直径より典型的に多少多いか又は少なく、不均衡の程度とマグネトロンのサイズに依存する直径Dより効果的に伸びる場合に、上記の誘導は点サイズのマグネトロンに基づく。結果として、図17のプロットは不鮮明でなければならない。例えば、最小半径A1−A2で、マグネトロンの一部だけがその側に伸びるので、マグネトロンは中心r=0に密接して実際に伸びるが結果は減少した。同様に、最大半径A1+A2で、マグネトロンは減少した結果とともに更に外側に伸びる。
次に、一定値からのラジアル速度の偏差は、たいていの軌道上でそれほど大きくはない。その影響を数値化するために、半径位置の平方の時間依存性が、A1=A2の場合に図19にプロットされる。上記の微分方程式から導かれる理想的な時間依存性は、のこぎり状の波形によってプロットされる。これは、マグネトロンが中心近くと周囲近くの両方で多すぎる時間を費やしていることを示している。同じ結論が、図18のプロットからも導かれることができる。
エロージョンパターンに関連した誤差のよりよい測定は、半径rに関してdr2/dtを表す。同等でないアーム長を含んだ誘導は、tをGT1tに標準化すること、rを下記に標準化し、
Figure 0004606162
下記の無次元のパラメータを用いて単純化される。
Figure 0004606162
これは等しいアーム長に一致する。そのとき2つの半径の式は、下記のように表される。
Figure 0004606162
及び
Figure 0004606162
それらを合わせると下記式を得る。
Figure 0004606162
tがBで変えられる場合、根の前のマイナスの記号は消える。この時間の導関数は、アーム長の3つの比率の標準化半径の関数として図20にプロットされる。実際に、同じプロットがその比率の逆に生じる。ターゲットエロージョンプロファイルの考察のためのより直接な関数は、図21にプロットされるように時間の導関数の逆である。有限のマグネトロン直径が含まれる時、内部と最も外側の点での特異性が取り除かれる。それにもかかわらず、ターゲットの最も内側と最も外側の部分は過度にエロージョンしている。他の一つの結論は、非単一性のアーム比A1/A2が、最も内側のポイントでその特異性の程度を減少させるということである。これらのために、好ましい実施形態は、非単一性アーム比と近くをかすめて通る適度に大きいマグネトロンを用いるがターゲット中心軸を触れない。
補助的同軸磁石は、不均衡なマグネトロンによって作られた突出磁界を高めることにより性能を更に改善することができる。図22の概略断面図で示されるように、リアクタ250は、拡張したアダプタ252とチャンバ側壁102の効果的な形成部分を含んでいる。アダプタ252は、ターゲット90とウエハ120の間の照射域を容易に変えるために用いられる。電磁気コイル254は、中心軸70と同軸にアダプタの外部の周りを包んでいる。DC電源256は、不均衡な遊星ルーフマグネトロン60のより強力な外極208からチャンバ内に張り出した磁界と平行にし強化するチャンバ内のほぼ垂直磁界を生じるようにコイル254によって制御された電流量を与える。
結果として、図23に概略的に示されるように、張り出した磁界214は、外極192の裏面に戻る前に、ウエハ120に向かってチャンバへ更に伸びる。その効果は、ウエハペデスタル122の裏に置かれ、マグネトロンの外極208から張り出した磁界と平行にそれを高めるほぼ垂直な磁界を作るために他のDC電源260によって出力される他の同軸電磁気コイル258によって高められる。下部電磁気コイル258は、上部電磁気コイル254より半径サイズが小さく、ウエハの裏からマグネトロンの外極208に戻る前に、ウエハ120に向かって張り出した磁界に集中する働きをする。側面電磁気コイル254の内径はウエハ120の直径より十分に大きいが、底面電磁気コイル254の内径が典型的にはわずかに小さい。内径は、その側面が関連した電磁気コイルによって完全に取り囲まれている。コイル254、258は、張り出した磁界214を遊星ルーフマグネトロン60からウエハ120に拡大させるので、金属イオンをウエハ120まで誘導させる。図23に示された磁界は完全ではない。例えば、図はそれらを作り出しているコイル254、258をよりしっかりと取り囲んでいるソレノイド領域を示していない。好ましくは、二つのコイル254、258の内径の比率は、集中効果を達成するために少なくとも1.5、更に好ましくは少なくとも2.0である。
図22に示される側面同軸コイル254は、ターゲット90とペデスタル122との間の処理空間の上半分にだけ伸びている。他のコイル形状が可能である。例えば、長い側面コイルは、ターゲット90からウエハに伸びているより均一な磁界を与える。そのような領域は、プラズマ138から生じた電子フラックス、従って、電子に随伴するイオンフラックスを平行にする。ほぼ同様の効果が、チャンバ側壁に沿って軸上に配置された複数の側面コイルを用いることによって達成し得る。均一な領域の組み合わせと電子フラックス、従って、イオンフラックスを集中させるための収束された領域を作り出すためのより小さな裏面コイル258は、従来の走査電子顕微鏡の電子光学に用いられている。
電磁気コイル254、258は、既に不均衡なルーフ磁石アセンブリ84の効果的な不均衡さを増大させるために用いることができる。同様に、均衡な又はほぼ均衡なルーフ磁石アセンブリ84を用いつつ不均衡なマグネトロンをもたらすために用いることができ、それにより、ルーフマグネトロン60を平行にし、誘導領域を与える負荷から解放し、ルーフマグネトロン60の設計の自由度を可能にする。
上記理論は、マグネトロン直径と局所マグネトロン磁界分布を説明していないが、それにもかかわらずギア比とアーム長の比の調整が完全なターゲットカバレージを増加する際の用途を制限していることを示している。性能改善の一方法は、マグネトロンがその周囲とターゲット中心の間で動いているので、遊星機構の回転速度を変えることによって時間の基準を効果的に変化させることである。対照的に、従来の遊星マグネトロンは、一定の回転速度でターゲットの中心の周りに駆動板を回転させる。
図24の断面図に示されるマグネトロンアセンブリ250においては、マグネトロン160を回転させているモータ104は、出力シャフト272が一つ以上のギア274、276によって駆動ベル174に結合されている。モータ104は、慣用的にブラシのいらないACモータである。この実施形態においては、それは可変周波数ACソース278によって駆動される。駆動シャフト272、従って、遊星マグネトロン160も、例えば、磁石アセンブリ84がターゲット90の中心72により近いときにより速くなる他のものより、半径走査のある期間でより速く回転するように、周波数変調器280がAC源278の周波数を制御する。即ち、回転速度は中心軸72に向かったり、離れたりする二次アーム80の各回転の間変えられる。パルスステッパモータの使用は、磁石アセンブリ84の回転を中心として回転速度を制御するためにパルス割合を変えることができるので、配置を簡単にしている。回転速度も、ターゲット周辺近くで増加させるが、これは中心近くと同じくらい重要であるように思えない。より長く走査されるターゲット90のどちらかの一部も同様に、磁石アセンブリ84のサイズとターゲット中心と周辺からのオフセットに依存する。
ほとんどのギア比において、磁石アセンブリ84の半径方向位置は、駆動シャフト166又はその駆動ベル174の回転位置によって直接確かめることはできない。従って、変調は遊星機構の第二アーム80の運動と同調しなければならない。変調が各旋回運動の1パーセントの小さな割合だけ非同調でも、第二の遊星アームの迅速な回転がそのうち完全に非同調になる。同調は、最も外部の位置で磁石アセンブリ84の後方又は側面における最上部カバー156に位置する位置センサ282に従って明確に制御される。センサ282は、第二アーム80又は磁石アセンブリ84の外部の部分に接続された信号エミッタ284が遊星路の外部周辺近くにあるときに、センサー282が検出する。センサーは、光学的なもの、磁気的なもの、又は密接に配置される信号エミッタ284を感知することのできる他の設計であってもよい。例えば、センサ282は、レーザー又は光源、対応した光学検知器を含むことができる。この場合には信号エミッタ284は、断続的な反射パターンとなってもよく、光学検出器に接続された電気的フィルタがセンサが変調器280に送る単一同調パルスに変換する、適切に定められた期間の一連の光学パルスを生じる。2つの位置センサは、有利には、電子が予め引き金となり、検出誤差を減少させるために用いることができる。示された位置センサは、ターゲットの一つのセクタをつきとめ、他の区域における半径方向位置を検出しないことが留意される。しかしながら、旋回運動ごとの非同調が比較的小さい場合には、その結果として生じる時々の位置検知で十分である。
エロージョンプロファイルを作る第二の方法は、ターゲットに加えられる電力を調整することである。ターゲット電力は、典型的にはたいてい市販のスパッタリアクタにおけるDCであるが、いくつかの適用ではAC又はRFであってもよい。図25の概略断面図に示されるマグネトロンアセンブリ290においては、ターゲット90に電力供給するDC電源130は、位置センサー282によって第二遊星アーム80の回転に同調されるように電力変調器292によって電力を変調させる。実際の変調は、ターゲット電圧又は電流によってもよいが、典型的にはターゲットバイアスは、電力に従って指定される。電力変調器292は、例えば、ターゲット中心やその近くにあまりエロージョンされるべきでないターゲット90の部分の上に磁石アセンブリ84がある場合により少ない電力を供給させる。加えられる電力が少ないほど、下にあるターゲットがスパッタされなくなる。重要な変調は、ターゲットスパッタリング速度に影響をするだけでなく、スパッタされる原子の電離割合にも影響する。電力が多いほど、電離割合は高くなる。
図24の周波数変調が図25の電力変調とを同時に行うことができることは当然のことである。明白にすべきであるように、周波数と電力変調器280、292は、図9のコントローラ136へ組み込むことができる。
半径方向エロージョンパターンを制御する他の方法は、遊星運動の他の段階を加えることである。図26の平面図と図27の正面図で示されるように、二段階マグネトロン300は、回転している一段階従動ギア78に固定した第二アーム上に回転可能に取り付けられている二段階従動ギア302を含み、第一アーム74に固定された二段階固定ギア304と係合している。第三アーム306は、回転している二段階従動ギア302に固定される。磁石アセンブリ84は、第三アーム306の一端に固定され、他のカウンタウェイト308はそのもう一端に固定される。この実施形態においては、アイドラギアは二つの従動ギア78、302との間に挟まれることはないので、第三アーム306は第二アーム80に関して前方向遊星運動、第一アーム74に関して逆方向運動を実行する。全体の効果は、地球を周り、太陽を周る、惑星を周る回転している月、それ自体太陽を周り或いは月を周る衛星の表面上の点で生じる類似の軌道を与える2段階遊星回転機構である。追加の段階は、エロージョンプロファイルを更に制御する。
2段階運動の複雑な位置は下記式で示される。
Figure 0004606162
位相係数Nは、他の複雑な量A1とA3の間の位相差を表示し、ギア比のうちの一つが単一性又は小整数である場合に必要とされるものである。座標軸が任意に選ばれ、縮退又はほぼ縮退した条件を除き、ある時点で2つのアームが並ぶので、2つの遊星アームのためだけの類似した位相差は必要とされない。
我々の前述の誘導に従い、回転速度は、下記式によって関係する。
Figure 0004606162
及び
Figure 0004606162
ここで、ギア比G1、G2は単一段階のためのギアに関係する。そのとき時間依存性位置は、下記式として示され、
Figure 0004606162
半径方向位置の平方が下記式で示される。
Figure 0004606162
そのような多くの可変要素は、エロージョンパターンを平滑にするために軌道を最適化する際の可撓性が大きい。
偏心のギアを持った単一段階遊星マグネトロンは、2段階マグネトロンの場合の上記と多少類似した効果を達成する。例えば、図28の平面図に示されるように、楕円形のアイドラギア310は、固定ギア62と従動ギア78の間に置かれる。楕円形ギア310は、ギア310の中心304からずれた駆動シャフト312の周りに偏心的に回転可能である。楕円形ギア310の歯は、その周囲に沿って均等に配置される。アーム316は、不規則な形をした駆動板320でピボット318を中心に回転する。駆動シャフト70は、シャフト軸72の周りに駆動板320を回転させる。伸張か圧縮のどちらかで動作することができるスプリング322、又は駆動板320の一端に固定される他の強制手段は、楕円形ギア310が楕円形ギア310の回転の全ての点で2つのギア62、78と係合したままになるような方向にアーム316を押し付ける。楕円形ギア80の位置に依存して、瞬間のギア比は、第二アーム80の回転比がメインの駆動シャフト70の一定の回転速度と一様に変わるように変化する。記載された配置は、不規則な2つのタイプ、ギアの非循環性、ギアの中心からギアシャフトのオフセットを与える。これらの一方は、単独で希望の結果を与えるだろう。好ましくは卵形である他の非円形のものが可能である。他のギア62、78の一つは、アイドラギア310よりむしろ不規則又は非円形なものにできた。
3つのギアのラインから逸れた配置は、従来の円形ギアのためにさえ均衡のとれた空間を保存することができる。図29の平面図で示されるように、円形アイドラギア76の中心326は、固定ギアと従動ギア62、78の中心72、328に接続しているラインからずれているので、後者の二つのギアは直接係合しないが、共に密接に配置されてもよい。同様に、ラインから逸れた配置は、逆方向運動がそこで望まれる場合、図26の2段階遊星機構の2段階に好都合に適用され得るが、中間のアイドラギアの比較的短い第二アーム80に利用できるスペースはほとんどない。
図29は、ライン又はラインから逸れて配置されるかのアイドラギア76が、中心軸306に沿って配置された共通のシャフトに固定されているが直径が異なる2つのギア部分を含むことができる。1つのギア部分は、固定ギア62と係合し、その他のものは、従動ギア78と係合している。アイドラギア76上の二つの同軸ギア部分のギア比は、全体のギア比Gに含まれる必要がある。
前述の全ての遊星機構は、中心に固定されたアイドラギアとマグネトロンアームに結合しているギアを組み込んでいる。連動した遊星機構の他のタイプが可能である。一つの代替案は、外部の固定ギアを用いることである。図30の平面図に示される一段階連動遊星機構330においては、駆動板74は、モータ駆動シャフト70によって支えられ回転される。それと中心軸72との間の他のギアを持たないその端で従動ギア78を回転可能に支持する。代わりに、従動ギア78は、内部にギア歯を持った外部の固定ギア332と係合している。磁石アセンブリ84、底面板80、カウンタバランス86、主要なカウンタバランス88は、固定された外部ギア312の下を通ることができ、磁石アセンブリ84は、中心軸72を通過することができる。固定された外部ギア332のための支持機構は、示されていないがターゲット90の周辺上に拡張する。示された遊星機構は、とても単純な機構を持った希望の逆方向遊星運動を提供する。この機構は、本発明の磁石アセンブリ84が非常に小さく、その設計が中心の周りに振動しているTomerの大きなマグネトロンよりむしろマグネット部分を中心軸72を通過させることができる点でTomer遊星機構とは異なる。示された遊星機構は、アイドラギアを含んでいない。しかしながら、それらの一つ以上は含むことができる。それらはより小さな値のギア比をもたらすことを援助する。
図31の平面図に示されるように、ベルトと滑車機構340を持った希望の遊星運動を達成することも可能であり、ギアの歯よりも異なる輪がベルトによって係合されている。ベルト342は、静止した又は固定されたキャプスタン344の周りを包んでいる。駆動板は、従動滑車346が回転可能なシャフト348によって駆動板72上に回転可能に支持される従動滑車346を回転可能に支持している。底板80は、従動滑車346のシャフト348を固定されているので、従動滑車346と回転し、底板80の端に結合したマグネトロン86が遊星運動を実行する。連動遊星機構のギア比に類似した従動滑車346と駆動板74の回転速度の比は、静止キャプスタン344と従動滑車346の直径の比によって決定される。遊星運動は、アイドラギアを使用せずに逆方向である。ベルトは、滑車ベルト、隆起したベルト、金属ベルト、鎖、鎖ベルト、ケーブル、バンド、又は、他の可撓性構造を含むように説明され、少なくとも一方が回転可能で両方と係合している2つのほぼ円形部材の回りを包んでいる。連動しベルトも付いた実施形態は、ギアホイール又はシャフト上の歯、又は滑車ホイール又はシャフトの周りを包んだベルトによって相互に回転可能に係合している円形部材の共通要素を共有する。連動しベルトの付いた両方の実施形態を含む回転比のためのより一般的な概念は、最も内部の円形部材と従動円形部材との間の係合比である。望むのであれば、キャプスタン344は、マグネトロン軌道と完全なカバレージ期間の動的な制御可能にするように第二同軸駆動シャフトに接続することができる。
遊星機構は、その機構がマグネトロンの希望の遊星運動を達成する限り、記載された連動しベルトが付いた実施形態に限定されない。更に、楕円形路のような更に複雑な遊星運動も可能である。
遊星機構は、深い穴を充填するのに用いられる不均衡マグネトロンに特に用いられるが、ブランケットカバレージに用いられる均衡の取れたマグネトロン適用することができることも有利である。例えば、図32の平面図で示される磁石アセンブリ350は、ギャップ354によって分けられ且つ等しい全磁気強度を生じる対向の磁極の2つの同心円形バンド型磁石磁極面352、356を含んでいる。下にある磁石は、円に配置されるU字型の磁石又は磁気ヨークによって磁気的に結合した一組の逆平行円筒状磁石であり得る。中心にくぼみのある大型マグネトロンのように不均衡であることは可能であるが、典型的には磁界強度は均衡が取れている。この同様の磁気構造は、典型的には、かなり大型のサイズの従来の腎臓形マグネトロンに用いられる。遊星走査は、かなり小型の円形均衡マグネトロンを用いて均一なスパッタリングとターゲットの完全使用を与える。更に、比較的高密度のプラズマが、速いスパッタリング速度のために常に望ましい。小面積マグネトロンは、比較的適度な電源を非常に有効な電力密度、つまり、小型走査マグネトロンに隣接したターゲット面積で高プラズマ密度を得ることができる。より小型の電源も、穏当な温度でターゲットを維持するために必要とされる冷却能力を低下させることは有利である。
遊星機構は、三角形のような非円形マグネトロンも駆動させることができ、その形は均一性や他の理由のために更に最適化されている。
任意の様々な設計の遊星機構は、例えば、均衡なものと不均衡なもの、高プラズマ密度と低プラズマ密度、厚いスパッタ堆積厚さと薄いスパッタ堆積厚さの磁石構成の幅広い範囲で用いることができるので、普遍的な遊星機構がスパッタリング適用の範囲に適用することができ、それにより経済的な走査設計と在庫部品を減少させることが可能になる。異なるギア又は滑車又は他の普遍的設計に対して異なる磁石アセンブリを用いた代用品の単純な代用は、カバレージパターン、速度変化、電離割合、突出磁気成分における変化を可能にする。
機構は、中心軸の周りに遊星運動を持つ走査マグネトロンについて説明してきたが、中心軸の半径方向と周辺の双方で走査が行われる他の機構も得ることができる。好ましくは、設計により、少なくとも磁石アセンブリの部分を中心軸上を通過させるように選択することができる機械的パラメータの選択が可能である。そのような機構は、磁石アセンブリのために半径方向に作用するアクチュエータと周辺で回転している駆動板を含んでいる。
遊星マグネトロン運動は、複雑な形、つまり費用のかかる中空カソード又は環状アーチ型ターゲットと対照的に比較的単純な平面ターゲットで高性能スパッタリングを可能にする。しかしながら、遊星マグネトロンは、必要とされる電力を減少させつつルーフスパッタリングの均一性を増加させるために、より複雑なターゲット、特に中空カソードターゲットにおいて有利に用いることができる。
従って、本発明は、均一なスパッタリングと高ターゲット利用を促進させる。非常に小型なマグネトロンの使用も可能にするので、スパッタリングの均一性とターゲット利用を犠牲にすることなく、比較的小型の電源により高プラズマ密度を与える。これらの特徴は全て、普遍的なマグネトロン設計で得ることができる。
本発明のスパッタリング装置を適用することができる集積回路バイア構造の断面図である。 本発明のスパッタリング装置を適用することができる集積回路バイア構造の断面図である。 スパッタ堆積の不均一性の典型的なタイプを示したバイア構造の断面図である。 スパッタリングターゲットの半径方向エロージョンパターンのプロットである。 連動遊星マグネトロンの正射投影図である。 図5の遊星マグネトロンの平面図である。 遊星マグネトロンの下にある磁石アセンブリの経路のプロットである。 遊星マグネトロンの下にある磁石アセンブリの経路のプロットである。 図5と図6の遊星マグネトロンを組み入れたスパッタリアクタの側断面図である。 図9のスパッタリアクタに用いられるマグネトロンアセンブリの側断面図である。 不均衡な円形対称磁石アセンブリの断面図である。 図の線12-12に沿って切った図11の磁石アセンブリの底面図である。 不均衡な円形マグネトロンによって作られた磁界分布の概略図である。 代替的円形対称磁石アセンブリの断面底面図である。 代替的円形対称磁石アセンブリの断面底面図である。 マグネトロンの三つのタイプによって作られた電気特性をプロットしたグラフである。 一段階遊星運動について時間の関数として計算された半径方向位置のプロットである。 一段階遊星運動について時間の関数として計算された速度の平方である。 時間の関数として計算された遊星半径方向位置と希望の位置の図17に基づいた概略プロットである。 一段階遊星運動とアーム長の2つの比について計算された半径方向速度の平方と半径のプロットである。 図20の半径方向速度の平方の逆数のプロットである。 遊星マグネトロンと付加的同軸コイルを含むスパッタリアクタの概略側面図である。 図22のスパッタリアクタにおいて作られた磁界の概略図である。 回転周波数の変調を含む遊星マグネトロンアセンブリの概略側面図である。 ターゲット電力の変調を含む遊星マグネトロンアセンブリの概略側面図である。 二段階遊星走査マグネトロンの平面図である。 図26の走査マグネトロンの立面図である。 偏心ギアを含む走査マグネトロンアセンブリの一部の概略平面図である。 オフセットアイドラギアを持った走査マグネトロンアセンブリの一部の概略平面図である。 連動遊星機構の他のタイプの平面図である。 ベルトの付いた遊星マグネトロンアセンブリの概略平面図である。 均衡の取れた狭いギャップの円形磁石アセンブリの底面図である。
符号の説明

10…誘電体層、12…特徴部、14…誘電体層、16…バイアホール、20…バリヤ層、30…シード層、32…銅層、36…スパッタ層、38…ブランケット部、40…側壁部、42…底部、44…側壁領域、46…オーバーハング部、48…アパーチャ、60…マグネトロンアセンブリ、62…ギア、64…静止円形取り付け部、66…取り付け板、68…取り付け板、70…駆動シャフト、72…チャンバの中心軸、74…駆動板、76…アイドラギア、78…従動ギア、80…底板、84…磁石アセンブリ、88…カウンタウェイト、90…ターゲット、92…軌道、100…リアクタ、102…チャンバ本体、104…モータ、108…絶縁装置、114…ポンピング部分、116…ガス源、118…マスフローコントローラ、120…ウエハ、122…ペデスタル電極、124…クランプリング、126…シールド、130…電源、132…電源、136…コントローラ、152…ターゲット層、154…ターゲット裏板、156…上カバー、158…絶縁装置、160…空洞、162…底部リング、164…フランジ、166…駆動シャフト、168…駆動シャフト、170…ボール軸受スリーブ、172…ハウジング、178…回転ユニオン、180…水ホース、182…リテーナーリング、184…クランプリング、186…アイドラシャフト、188…従動シャフト、192…磁石、194…中心軸、196…磁気ヨーク、198…環状磁極部分、200…磁石、206…内極、208…外極、210…半環状成分、212…ギャップ、214…成分、216…ヌル、218…局所極大、220…磁石、222…磁石、224…磁石、234…ピーク、238…転移点、242…転移点、252…アダプタ、250…リアクタ、254…コイル、256…電源、258…コイル、274…ギア、276…ギア、278…AC源、280…モジュレータ、282…センサ、284…エミッタ、290…磁石アセンブリ、292…モジュレータ、302…従動ギア、304…静止ギア、306…アーム、308…カウンタウェイト、310…楕円形ギア、320…駆動板、322…スプリング、342…ベルト、346…従動滑車。

Claims (29)

  1. マグネトロンスパッタリアクタ内で中心軸の周りにほぼ対称のスパッタリングターゲットと用いられるように構成された振動マグネトロンにおいて、
    中心軸に対して平行な第一磁極性と第一全磁気強度とを持つ内部磁極と、
    前記内部磁極を取り囲み、前記第一磁極性と反対の第二磁極性、第二全磁気強度を有する外部磁極とを備える磁石アセンブリであって、前記磁石アセンブリを囲む面積と前記磁石アセンブリにより走査される前記ターゲットの面積との間の面積比が10%以下である、前記磁石アセンブリと、
    前記中心軸の半径方向と円周方向の経路に前記磁石アセンブリを移動させるとともに前記中心軸を通って前記外部磁極を移動させる遊星走査機構であって、前記中心軸の周りに配置された静止ギアと、前記静止ギアの半径方向外側に従動ギアを含む少なくとも1つの回転可能なギアを支持する第一アームを含む複数の回転可能アームと、前記遊星走査機構を駆動させ且つ前記静止ギアを通過する前記第一アームに固定された駆動シャフトとを含み、前記磁石アセンブリを支持するアームが前記従動ギアのシャフトに結合されている遊星走査機構と、
    を含む、前記マグネトロン。
  2. 前記従動ギアが、前記第一アーム上に回転可能に取り付けられ且つ前記静止ギアと係合している、請求項1記載のマグネトロン。
  3. 少なくとも1つの前記回転可能なギアが、前記静止ギアと従動ギアとの間で係合された少なくとも1つのアイドラギアを更に含んでいる、請求項2記載のマグネトロン。
  4. 前記遊星走査機構が2つの遊星ステージと3つの前記アームとを含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  5. 前記駆動シャフトを駆動する可変速度モータと、
    前記中心軸から前記磁石アセンブリの半径方向の変位に従ってその速度を変える前記モータのコントローラと、
    を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  6. 前記ターゲットに電力を印加するための可変電源と、
    前記中心軸から前記磁石アセンブリの半径方向の変位に従ってレベルが変えられる前記電力を供給するためのコントローラと、
    を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  7. 前記第二磁気強度が前記第一磁気強度の少なくとも200%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  8. 前記面積比が2%未満である、請求項1記載のマグネトロン。
  9. スパッタリングターゲットと用いられるように構成された回転マグネトロンにおいて、
    平面に配置された複数の対向した磁極を持ち、磁気部分を備える磁石アセンブリであって、前記磁石アセンブリを囲む面積と前記磁石アセンブリにより走査される前記ターゲットの面積との間の面積比が10%以下である、前記磁石アセンブリと、
    前記平面に垂直な中心軸に沿って伸び且つ前記中心軸を通って前記磁石アセンブリの前記磁気部分を通る経路で遊星運動を行う位置に前記磁石アセンブリを取り付けている第一シャフトによって少なくとも部分的に支持され回転される遊星機構であって、前記遊星機構が
    前記中心軸の周りに配置され、その半径方向外側表面にギア歯を有する第一ギアと、
    前記第一シャフトに固定され、それによって回転される駆動部材と、
    前記駆動部材によって回転可能に支持され且つ前記第一ギアと係合しているアイドラギアと、
    前記駆動部材によって回転可能に支持され且つ前記アイドラギアと係合している従動ギアと、
    前記従動ギアと共に回転し且つ前記磁石アセンブリを支持する支持板と、
    を含む、前記マグネトロン。
  10. 前記遊星機構が部材を含み、前記部材は、前記磁石アセンブリを取り付け、従動軸の周りに回転可能であり、前記従動軸について前記磁石アセンブリに対向した前記部材の一部に取り付けられたカウンタバランスを更に取り付け、前記従動軸の周りに回転する前記磁石アセンブリのバランスをとる、請求項9記載のマグネトロン。
  11. 前記遊星運動が逆方向の遊星運動である、請求項9又は10記載のマグネトロン。
  12. 前記遊星運動が、軌道成分と前記軌道成分と反対の回転方向を持つ遊星回転成分とを含んでいる、請求項9〜11のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  13. それぞれの軸の周りにおける前記遊星回転成分と前記軌道成分との間の回転速度比が1.03〜5の範囲内にある、請求項12記載のマグネトロン。
  14. 前記回転速度比が整数でない、請求項13記載のマグネトロン。
  15. 前記第一ギアが回転可能である、請求項9記載のマグネトロン。
  16. 前記第一ギアが固定されている、請求項9記載のマグネトロン。
  17. 前記第一ギアと前記従動ギアとの間のギア比または前記従動ギアと前記第一ギアとの間のギア比が1.03より大きく、整数でない、請求項9,15,16のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  18. 前記ギア比が1.03〜6の範囲にある、請求項17記載のマグネトロン。
  19. 前記アイドラギアと従動ギアが前記駆動部材の第一側面上に配置され、前記支持板が前記駆動部材の第二側面上に配置される、請求項9,15,16のいずれか1項に記載のマグネトロン。
  20. マグネトロンスパッタリアクタであって、
    中心軸の周りに配置されたターゲットと、
    前記ターゲットからの物質でスパッタ被覆される前記ターゲットの反対側にある基板を支持するためのペデスタルと、
    前記ペデスタルに対向した前記ターゲットの側面上に位置した遊星機構と、
    を備え、
    前記遊星機構は、
    前記中心軸の周りに配置された固定された第一ギアホイールと、
    前記中心軸の周りに回転し且つ前記第一ギアホイールと係合した第二ギアホイールを前記第一ギアホイールの外側地点で回転可能に支持する第一アームと、
    前記第二ギアホイールに固定された第二アームと、
    前記第二アームに固定された磁石アセンブリであって、前記磁石アセンブリを囲む面積と前記磁石アセンブリにより走査される前記ターゲット面積との間の面積比が10%以下である、前記磁石アセンブリと、
    を含む、前記リアクタ。
  21. 前記アームは、前記磁石アセンブリが前記中心軸を通過するようなサイズを持つことができる、請求項20記載のリアクタ。
  22. 前記磁石アセンブリが、内極と外極とを含み、前記内極は、前記中心軸に対して平行な第一磁極性と第一全磁気強度を持ち、前記外極は、前記第一磁極性と反対の第二磁極性と、前記第一全磁気強度の少なくとも2倍の第二全磁気強度とを持ち、前記内極を取り囲み、それにより前記外極の裏面に戻る前に前記外極が前記ペデスタルに向かって伸びる突出磁界を生じさせる、請求項20または21記載のリアクタ。
  23. 前記中心軸と同軸の少なくとも1つの磁気コイルを更に含み、前記ペデスタルに向かって伸びる前記突出磁界に平行である内径の中に磁界を与える、請求項20または21のいずれか1項に記載のリアクタ。
  24. 少なくとも1つの前記磁気コイルが、
    ターゲットと前記ペデスタルとの間で軸方向に位置し第一内径を有する第一磁気コイルであって、前記第一内径は側面が前記第一磁気コイルにより完全に取り囲まれている、前記第一磁気コイルと、
    前記ターゲットに対向した前記ペデスタルの側面に軸方向に位置し第二内径を有する第二磁気コイルであって、前記第二内径は側面が前記第二磁気コイルにより完全に取り囲まれている、前記第二磁気コイルと、
    を含む、請求項23記載のリアクタ。
  25. 前記第一内径の直径が前記第二内径の直径より大きい、請求項24記載のリアクタ。
  26. 前記第二内径の前記直径が前記基板の直径より小さい、請求項25記載のリアクタ。
  27. マグネトロンスパッタリアクタであって、
    前記ターゲットを電気的にバイアスする電源と、
    前記中心軸に沿って伸び前記第一アームに接続された駆動シャフトと、
    前記駆動シャフトを駆動させるモータと、
    前記中心軸について前記磁石アセンブリの半径方向の位置を検出する位置センサと、
    前記検出された半径方向の位置に従って、前記モータの回転速度及び前記電源の電力レベルの少なくとも1つを変えるコントローラと、
    を含む、請求項20記載のリアクタ。
  28. 前記コントローラが、前記検出された半径方向の位置に従って前記モータの前記回転速度を変える、請求項27記載のリアクタ。
  29. 前記コントローラが、前記検出された半径方向の位置に従って前記電力レベルを変える、請求項27又は28記載のリアクタ。
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