JP4604883B2 - 異方性の小さい鋼板およびその製造方法 - Google Patents

異方性の小さい鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、絞り成形およびDI成形用材料に関し、主に乾電池缶等に使用して好適な異方性の小さい鋼板およびその製造方法に関するものである。
IF鋼(Interstitial free steel)は、固溶しているC、Nが存在しないため、基本的に非時効であり、優れたプレス成形性を有しているため、乾電池缶用鋼板など、絞り成形およびDI成形用材料として広く用いられている。例えば、乾電池缶は、鋼板に深絞り加工およびしごき加工を組み合わせることにより形成され、具体的には、絞りカップを形成した後しごき加工を施すDI成形、絞りカップを形成した後、引張りと曲げ曲げ戻し加工、さらに必要に応じしごき加工を加えたストレッチドロー成形、何段階かの絞り成形を施した後、しごき加工を施す多段絞り成形などの方法により形成される。このように製造される乾電池缶においては、加工後の缶円周方向の缶高さが不揃いになると不揃いの部位を切り落とす際に材料屑が多く発生し、歩留が低下するため、缶高さが不揃いになること、すなわち耳発生を抑制することが要求される。この耳高さは冷延鋼板等の鋼板のr値(ランクフォード値)の面内異方性の指標であるΔrと良い相関があり、Δrが0に近づくと、耳高さは低くなることが一般的に知られている。ここで、Δr=(r0+r90−2×r45)/2である。なお、r0は圧延方向のr値、r45は圧延方向から45°方向のr値、r90は圧延方向から90°方向のr値を示し、Δrが-0.10〜0.10の範囲にあれば異方性が小さい鋼板であると言える。
このような深絞り加工に適した鋼板の製造方法として、従来からIF鋼(Interstitial free steel)の連続鋳造による製造が実用化されている。例えば、深絞り加工に適している異方性の小さい冷延鋼板として、特許文献1、特許文献2が提案されている。
特開平5-287449公報 特開2002-212673公報
しかしながら、本発明者らが検討した結果、Nb-IF鋼にBを添加した材料は、成分のバランスによっては熱間延性に劣り、鋳造中に鋳片割れが発生する場合があることが明らかになった。そして、その場合には、鋳片を冷却した後に欠陥を部分的に溶削する鋳片手入れの工程が必要となるため、製造効率の低下が問題となる。
本発明は、かかる事情に鑑み、連続鋳造時の鋳片割れを招くことが無く、表面性状に優れ、かつ深絞り加工に適している異方性の小さい鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
熱間延性と異方性の両方に影響を及ぼす成分元素に着目し、その成分元素であるMn、S、N、Bを、熱間延性に優れ、かつ、異方性が小さくなるように制御することで本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
本発明の鋼板は、その目的を達成するため、質量%で、C:≦0.0030%、Si:≦0.02%、Mn:0.15〜0.25%、P:≦0.020%、S:≦0.015%、N:≦0.0040%、Al:0.020〜0.070%、Nb:1.0≦Nb/C(原子等量比)≦5.0、B:1ppm≦B-(11/14)N<5ppm(式中BおよびNは各々の元素の含有量)を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、r値の面内異方性Δrが-0.10≦Δr≦0.10であることを特徴とする。また、本発明の鋼板は、上記の組成を持つ鋳片を直接、又は再加熱によって1050℃〜1300℃の温度に均熱保持した後、Ar3変態点以上の終了温度で熱間圧延を施し、次いで、酸洗後、70〜87%の圧延率で冷間圧延を施し、次いで、再結晶温度〜850℃の焼鈍温度で連続焼鈍ラインによる焼鈍を行い、調質圧延を施すことで製造される。
本発明によれば、異方性が小さく、かつ高温域における析出物量を少なく設定することで、熱間延性の劣化を極力抑制して、鋳片割れを回避し、表面性状に優れた鋼板が得られる。このように本発明の鋼板は深絞り加工に適しているため、例えば、優れた乾電池缶用途の鋼板を提供できる。さらに、本発明の鋼板の用途は制約されるものではなく、家電用鋼板、自動車用鋼板など、さまざま用途について、小さな異方性および良好な表面性状を有する鋼板として適宜適用することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明を完成するに至った経緯について説明する。
前述したように、Nb-IF鋼にBを添加した材料は、成分のバランスによっては熱間延性に劣り、鋳造中に鋳片割れが発生する場合がある。このような鋳片割れの発生要因としては、鋳型の形状、鋳造温度、パウダーの粘度などがあげられるが、本発明のようにNb-IF鋼にBを添加した成分系の材料では、鋳造中の高温(900℃〜1100℃)で析出する炭化物、窒化物、硫化物に起因した粒界脆化による鋳片の熱間延性の劣化が大きな支配要因である。
すなわち、高温域における粒界脆化に関与する窒化物、硫化物量を少なく設定することで、熱間延性の劣化を極力抑制してスラブ割れを回避できる。
熱間延性の優劣は、高温引張試験における絞り値(%)の高低で判定することができる。そこで、発明者らは鋳片割れの発生状況を絞り値を用いて詳細に検討した。その結果、950℃での高温引張試験での絞り値が40%以上であれば、鋳片割れが発生しないことを見出した。また、このような鋳造割れを回避する上では、前述のように、炭化物、窒化物、硫化物に起因した粒界脆化による鋳片の熱間延性の劣化を回避することが重要であり、本願の成分系においては、特にBN、MnS量を規制することが重要であることも見出した。
一方で、異方性には冷間圧延率が大きく影響し、Δrが-0.10〜0.10である異方性の小さい鋼板とするためには、非常に厳密な圧延率制御が要求される。しかし、設備負荷、製造効率等を考慮すると厳密な圧延率制御は現実的ではない。そこで、異方性に対して冷間圧延率の影響を小さくすることが望まれる。検討した結果、異方性に関しては、固溶Bの存在が非常に効果的であることがわかった。すなわち、鋼中のN量に応じてB添加量を制御して固溶Bを存在させることにより、冷間圧延率の影響を小さくして異方性の小さい鋼板の製造を容易とできることを見出した。
上記したように、異方性の小さな鋼板とする上では、Bを添加する必要がある。しかし、一方で、鋳片割れを防止する上では、BNの析出は極力抑制する必要がある。この相反する要求を満足させるため、種々検討した結果、本発明鋼では、上記したようにBNとMnS、およびそれらの複合析出物が連続鋳造中に鋼中の粒界に析出することがスラブ割れの主要因となるため、BNとともに鋳片割れの主要因となるMnSの析出を極力抑制すると同時に、BNの析出については、N量の上限を0.0040%とすることで、BNを形成するB量を最大でも0.0031%以下として熱間脆化を抑制し、固溶Bを確保できる成分系とした。
すなわち、本発明の鋼板は、C:≦0.0030%(質量%、以下同じ)、Si:≦0.02%、Mn:0.15〜0.25%、P:≦0.020%、S:≦0.015%、N:≦0.0040%、Al:0.020〜0.070%、Nb:1.0≦Nb/C(原子等量比)≦5.0、B:1ppm≦B-(11/14)N<5ppm(式中BおよびNは各々の元素の含有量)を含み、残部がFeおよび不可避的不純物から構成される。以下、本発明における鋼板の化学成分の限定理由について説明する。
C:C量が少ない方が軟質で伸び性が良く、プレス加工性に有利である。かつ固溶Cを炭化物として析出させた場合、固溶Cに基づく歪時効硬化が起こらず、深絞り性も改善される。また、過度にCを含有するとNb添加により炭化物として全量を析出させることが困難になり、固溶Cによる硬質化や伸び性の劣化が現れる。以上より、Cは0.0030%以下とする。
Si:不可避的に含有される不純物元素であり、0.02%を超えて含有すると硬質化やめっき性の劣化を招くため、Siは0.02%以下に制限する。
Mn:Sによる熱延中の赤熱脆性を防止するために有効な元素であるため、0.15%以上必要である。しかし、前述したように、Nb-IF鋼にBを添加した本発明鋼では鋳片割れの問題があり、Mnを0.25%を超えて添加すると、連続鋳造中にMnSが析出して熱間脆性の要因となり、鋳片割れを招く。以上より、Mnは、0.15%以上0.25%以下とする。
P:不可避的に含有される不純物元素である。0.020%を超えて含有すると硬質化により加工性を劣化させるため、Pは0.020%以下に制限する。
S:不可避的に含有される元素である。熱延中の赤熱脆性を生じる不純物成分であり、かつ連続鋳造中にMnSが析出して熱間脆性の要因となり鋳片割れを招くため、極力少なくすることが好ましい。よって、Sは0.015%以下とする。
N:不可避的に含有される不純物元素であるものの、N量が多いと、連続鋳造中にAlNとBNが析出して熱間脆性の要因となり、鋳片割れを招く。また、異方性の冷間圧延率依存性に影響を与える固溶B量に変動を与え、異方性を大きくしてしまうなど、本発明において、Nは重要な要件であり、N量は低減させることが必要であるが、0.0040%までは許容できる。以上の理由により、Nは0.0040%以下とする。好ましくは0.0030%以下である。
Al:製鋼における脱酸に必要な成分であり、0.020%以上含まれることが好ましい。一方で、過度に添加すると介在物が増加して表面欠陥が発生しやすい。以上より、Alは0.020%以上、上限を0.070%とする。
Nb:鋼中固溶Cを炭化物として析出させることで、固溶Cによる深絞り性劣化を抑制するため、C含有量に対して等量以上、すなわち1.0≦Nb/C(原子等量比)を満足するように添加する。一方、過度に添加すると再結晶温度を上昇させてしまうため、Nb/C(原子等量比)≦5.0とする。以上より、Nbは1.0≦Nb/C(原子等量比)≦5.0の範囲で添加する。
なお、原子当量比は、下式にて算出される。
Nb/C(原子等量比)={Nb含有量(質量%)/93}/{C含有量(質量%)/12}
B:Bは本発明において大変重要な要件である。ここで、N含有量に対するB含有量の割合による異方性の変化を調査するため、C:0.0018〜0.0025、Si≦0.01、Mn:0.19〜0.20、P:0.008〜0.010、S:0.009〜0.011、N:0.0020〜0.0025、Al:0.038〜0.048、Nb:0.023〜0.025を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を均熱温度1250℃で均熱保持した後、熱間圧延終了温度900℃で熱間圧延を行い、次いで、冷間圧延率を変化させて冷間圧延した後焼鈍し、Δrの冷間圧延率による変化を調べた。得られた結果を図2に示す。なお、Δrは、得られた各鋼板について、JISZ2201の13号B試験片を使用し、圧延方向に平行、45°及び90°の3方向のr値であるr0、r45、r90をJISZ2241に従って測定し、Δr=(r0+r90−2×r45)/2として求めた。図2より、1ppm≦B-(11/14)Nとすることで、Δrの冷間圧延率依存性が非常に小さくなることがわかる。なお、ここで、冷間圧延率は、冷間圧延率(%)=100×{(冷間圧延前の板厚)-(冷間圧延後の板厚)}/(冷間圧延前の板厚)により求めた。
すなわち、1ppm≦B-(11/14)Nを添加することで、N含有量に対しB含有量を当量以上に添加することになり固溶Bが確保される。その結果、Δrの冷間圧延率依存性が非常に小さくなり、冷間圧延率における製造条件範囲を広くすることが可能となる。一方で、過度に添加すると再結晶温度を上昇させ、冷間圧延後の再結晶焼鈍温度を高温に設定する必要があり、製造コストの観点から好ましくないため、B-(11/14)N≦15ppmとする。なお、再結晶温度をより低くするためには、好ましくはB-(11/14)N<10ppm、より好ましくはB-(11/14)N<5ppmとすることが望ましい。
なお、上記以外の残部はFeおよび不可避的不純物とする。製造過程でSn、Pb等の各種元素が不純物として混入する場合があるが、このような不純物も本発明の効果にとくに影響を及ぼすものではない。
次に、本発明の異方性の小さい鋼板の製造条件の限定理由について説明する。
上記に規定する成分組成を有する鋼を溶製して、連続鋳造により鋳片とし、熱間圧延する。熱間圧延では、連続鋳造した鋳片を直接あるいは若干加熱してから圧延しても良いし、いったん冷却した鋳片を再加熱して圧延することもできる。再加熱する場合の加熱温度は1050℃以上1300℃以下とする。熱間圧延終了温度は、Ar3変態点以上とする。1050℃未満の加熱温度では、熱間圧延終了温度をAr3変態点以上とすることが困難となる。また、1300℃を超えると、鋳片表面に生成する酸化物量が多くなり、酸化物起因の表面欠陥が発生しやすくなるため望ましくない。また、熱間圧延終了温度は、圧延後の結晶粒径を均一にするため、かつ熱延板段階での異方性を小さくするため、Ar3変態点以上とする必要がある。
次いで、熱間圧延した鋼板を酸洗し、70%以上87%以下の冷間圧延率で冷間圧延する。
酸洗は熱間圧延した鋼板の表面スケールを除去するために行うものであり、硫酸もしくは塩酸等の酸にて行えばよい。酸洗後に冷間圧延を施す。冷間圧延率が70%未満では、再結晶焼鈍後の結晶粒径が粗大になり、缶体加工時に肌荒れが発生しやすくなるため望ましくない。また、冷間圧延率が87%を超えるとΔrが増大し異方性が大きくなる。よって、冷間圧延率は70%以上87%以下とする。
次いで、連続焼鈍ラインにより再結晶温度以上で焼鈍を行う必要がある。一方、焼鈍温度が850℃を超えると、結晶粒径が粗大になり、肌荒れが発生しやすくなるため好ましくなく、上限は850℃とする。
焼鈍後、鋼板形状や表面粗さを整えることを目的とし、調質圧延を行う。調質圧延の伸び率(伸長率ともいう)は特に指定しないが、通常行われている0.3%〜2.0%の範囲とすることが望ましい。
以上により、本発明の鋼板は製造されるが、必要に応じて、Niめっき、Snめっき、Crめっきあるいはそれらの合金めっきを施しても良い。あるいは、めっき後に拡散焼鈍を施して拡散合金めっきにしても良い。かつ、それらの各種表面処理や樹脂被覆等を施した後、成型加工を施しても良い。あるいは、成型加工した後、各種表面処理や樹脂被覆等を施しても良い。
表1に示した成分をもつ鋳片を作製した。表1において、番号14は本発明で規定した成分に関する条件を満足する鋼材であり、番号5〜8は本発明で規定した成分に関する条件を外れる鋼材である。
次いで、上記により得られた鋳片に対して、熱間延性を調査した。熱間延性の調査は、得られた鋳片から円柱型の引張試験片を採取して、一旦加熱温度に昇温後試験温度に冷却して引張試験を行う高温引張試験を実施した。引張試験片形状を図1に示す。高温引張試験で下記式で定義される破断後の絞り値(%)をJIS Z 2241に準じて測定し、その値が40%以上を合格と判定した。このときの試験条件は下記の通りである。
絞り値(%)=100×(原断面積-絞り後最小断面積)/原断面積
(高温引張試験条件)
加熱温度:1420℃
加熱温度保持時間:60秒
試験(引張)温度:950℃
試験温度保持時間:60秒
歪速度:2×10-3/秒
Figure 0004604883
次いで、熱間延性を合格と判定した鋳片のみ、熱間圧延を行った。熱間圧延条件は、均熱温度1250℃、熱間圧延終了温度900℃とした。なお、熱間圧延を行った材料のAr3変態温度は全て880℃であった。Ar3変態温度はフォーマスタ試験で加熱した試験片をAr3変態温度付近で除冷し、熱膨張をおこす温度を調査することで得た。次いで、熱間圧延板を表2に示す条件で冷間圧延し、再結晶焼鈍を行った後、調質圧延を施した。調質圧延の伸長率は0.5%とした。なお、再結晶温度は、ビッカース硬度調査および金属組織の観察で調査した。再結晶温度は冷間圧延率が低い方が低くなるため、各鋼について最も低い再結晶温度となる70%冷間圧延後の試験片に各種温度で45秒間の熱処理を施した後、板厚断面の板厚1/2位置にて荷重(試験力)1.961N(200gf)でビッカース硬度測定(JISZ2244)を行った。なお、各熱処理温度は、700℃を始点として、10℃間隔で設定した。一般的に冷間圧延板に熱処理を施すと、再結晶の進行により硬度が急激に低下する温度区間が現れる。本発明の検討においては、硬度の急激な低下が止まる温度を調査し、かつ金属組織で見て100%再結晶が完了する最低温度を再結晶温度とした。
次いで、上記により得られた冷延鋼板に対して、異方性の調査を行った。異方性の調査は、得られた各鋼板について、JISZ2201の13号B試験片を使用し、圧延方向に平行、45°及び90°の3方向のr値であるr0、r45、r90をJISZ2241に従って測定し、Δr=(r0+r90−2×r45)/2とし、Δrが±0.10の範囲を合格として判定した。
Figure 0004604883
表2より、本発明例では、Δrが±0.10以内でΔrの冷間圧延率依存性が小さく、製造条件のばらつきによるΔrの変化が小さい、異方性の小さい鋼板が得られている。
一方、比較例では、Δrが0.26〜0.33もしくは-0.13〜-0.25とΔrの冷間圧延率依存性が大きく、製造条件のばらつきによるΔrの変化が大きいため、異方性の点で劣っていることがわかる。
本発明の鋼板は、Δrの冷間圧延率依存性が小さく、製造条件のばらつきによるΔrの変化が小さい、異方性の小さい鋼板であるため、乾電池缶等の素材を中心に、工業的に有用な材料である。
熱間延性の調査に用いた引張試験片形状を示す図である。 Δrの冷間圧延率による変化を示す図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、C≦0.0030%、Si≦0.02%、Mn:0.15〜0.25%、P≦0.020%、S≦0.015%、N≦0.0040%、Al:0.020〜0.070%、Nb:1.0≦Nb/C(原子等量比)≦5.0、B:1ppm≦B-(11/14)N<5ppm(式中BおよびNは各々の元素の含有量)を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、r値の面内異方性Δrが-0.10≦Δr≦0.10であることを特徴とする異方性の小さい鋼板。
  2. 請求項1に記載の組成を有する鋳片を、直接、又は再加熱によって1050℃〜1300℃の温度に均熱保持した後、Ar3変態点以上の終了温度で熱間圧延を施し、
    次いで、酸洗後、70〜87%の圧延率で冷間圧延を施し、
    次いで、再結晶温度〜850℃の焼鈍温度で連続焼鈍ラインによる焼鈍を行い、調質圧延を施すことを特徴とする異方性の小さい鋼板の製造方法。
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