しかし、疾病の流行したときに、複数の人が集まる空間に対して、疾病の流行していないときと同じように環境の提供を行っていたのでは、その空間において疾病の感染が進行するおそれがある。一方、疾病の流行していないときに、複数の人が集まる空間に対して、疾病の流行したときと同じように環境の提供を行っていたのでは、省エネルギー化を達成するのが困難になるおそれがある。また、疾病の流行していないときに、複数の人が集まる空間に対して、疾病の流行したときと同じように環境の提供を行っていたのでは、環境を提供するための装置の運用コストが増加するおそれがある。
そこで、本発明の課題は、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる環境提供システム、環境提供装置、制御装置及び環境提供方法を提供することにある。また、本発明の別の課題は、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる環境提供システム、環境提供装置、制御装置及び環境提供方法を提供することにある。
第1発明に係る環境提供システムは、制御装置と、環境提供装置とを備える。制御装置は、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置は、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御装置と環境提供装置とは、有線回線により接続されていてもよく、無線回線により接続されていてもよく、内部配線により接続されていてもよい。制御装置が疾病情報を取得する方法は、ネットワーク経由で情報を取得する方法でもよいし、直接的に情報が入力される方法でもよい。疾病情報は、疾病そのものの情報であり、例えば、花粉情報や気象情報のように疾病に間接的に関連した情報は含まない。
また、制御装置は、相関情報に基づいて制御信号を生成する。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、制御装置は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて制御信号を生成する。罹患目標値は、疾病の罹患率に関する所定の目標値である。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第2発明に係る環境提供システムは、第1発明の環境提供システムであって、疾病は、空気感染する疾病である。
この環境提供システムでは、疾病が、空気感染する疾病である。そのため、複数の人が集まる空間において、疾病が感染するおそれがある。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、複数の人が集まる空間に対して、疾病情報に基づいて制御された環境を提供することができる。このため、疾病の流行が発生したときに疾病の感染を低減することができる。
第3発明に係る環境提供システムは、第1発明の環境提供システムであって、疾病情報は、疾病の患者数を含む。
この環境提供システムでは、疾病情報が、疾病の患者数を含む。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病の患者数が一定数以上である場合に、制御装置が、疾病の流行が発生したと判断することができる。このため、疾病の流行の発生を容易に決めることができる。
なお、疾病の患者数は、いわゆる疾病の患者数だけでなく、例えば、疾病の死亡者数などを含む。
第4発明に係る環境提供システムは、第1発明の環境提供システムであって、疾病情報は、疾病の危険度を含む。
この環境提供システムでは、疾病情報が、疾病の危険度を含む。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病の危険度が一定の値以上である場合に、制御装置が、対応すべき疾病であると判断することができる。このため、危険度又は死亡率の高い疾病にのみ対応することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
なお、疾病の危険度は、いわゆる疾病の危険度だけでなく、例えば、疾病の死亡率などを含む。
第5発明に係る環境提供システムは、第1発明の環境提供システムであって、疾病情報は、空間の近くにおける疾病の情報を含む。
この環境提供システムでは、疾病情報が、空間の近くにおける疾病の情報を含む。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報であっても、制御装置が、疾病の流行が発生したと判断することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の流行へ迅速に対応することができる。
第6発明に係る環境提供システムは、第1発明から第5発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して換気する能力を有している。制御装置は、空間に対する換気量の制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して換気する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する換気量の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する換気量の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する換気量の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して換気を行う。
したがって、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する換気量を増やして換気することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第7発明に係る環境提供システムは、第1発明から第5発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置は、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して空気清浄を行う。
したがって、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力を強化して空気清浄することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第8発明に係る環境提供システムは、第1発明から第5発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して加湿する能力を有している。制御装置は、空間に対する加湿量の制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して加湿する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する加湿量の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する加湿量の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する加湿量の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して加湿を行う。
したがって、湿度に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する加湿量を増やして加湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第9発明に係る環境提供システムは、第1発明から第5発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して除湿する能力を有している。制御装置は、空間に対する除湿量の制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して除湿する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する除湿量の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する除湿量の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する除湿量の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して除湿を行う。
したがって、乾燥に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する除湿量を増やして除湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第10発明に係る環境提供システムは、第7発明の環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
第11発明に係る環境提供システムは、第10発明の環境提供システムであって、複数のフィルタは、第1フィルタと第2フィルタとを含む。第1フィルタの空気清浄能力は、第2フィルタの空気清浄能力よりも強い。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。複数のフィルタが、第1フィルタと第2フィルタとを含む。第1フィルタの空気清浄能力が、第2フィルタの空気清浄能力よりも強い。
したがって、第1フィルタの空気清浄能力が第2フィルタの空気清浄能力よりも強いので、第2フィルタの運用コストが第1フィルタの運用コストよりも低いことが多くなる。このため、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。また、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。この結果、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
第12発明に係る環境提供システムは、第11発明の環境提供システムであって、環境提供装置は、吸入路と第1通風路と第2通風路と風路切換部とを有する。吸入路には、吸入された空気が送り込まれる。第1通風路は、空気を第1フィルタへ導く。第2通風路は、空気を第2フィルタへ導く。風路切換部は、第1状態と第2状態とを切り換える。第1状態は、空気を吸入路から第1通風路へ導く状態である。第2状態は、空気を吸入路から第2通風路へ導く状態である。風路切換部は、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、第1状態と第2状態とを切り換える。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置の風路切換部が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置の吸入路に、吸入された空気が送り込まれる。環境提供装置の風路切換部が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、第1状態と第2状態とを切り換える。第1通風路が、空気を第1フィルタへ導く。これにより、第1状態において、空気を吸入路から第1通風路を介して第1フィルタへ導くことができる。第2通風路が、空気を第2フィルタへ導く。これにより、第2状態において、空気を吸入路から第2通風路を介して第2フィルタへ導くことができる。第1フィルタの空気清浄能力が、第2フィルタの空気清浄能力よりも強い。
したがって、疾病情報に基づいて第1状態と第2状態とを切り換えることができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。
第13発明に係る環境提供システムは、第11発明の環境提供システムであって、環境提供装置は、第1空気清浄部と第2空気清浄部とを有する。第1空気清浄部は、第1フィルタを含む。第2空気清浄部は、第2フィルタを含む。第1空気清浄部と第2空気清浄部とは、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して空気清浄を行う。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置の第1空気清浄部が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置の第2空気清浄部が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置の第1空気清浄部が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。環境提供装置の第2空気清浄部が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。複数のフィルタが、第1フィルタと第2フィルタとを含む。第1フィルタの空気清浄能力が、第2フィルタの空気清浄能力よりも強い。
したがって、疾病情報に基づいて第1空気清浄部と第2空気清浄部とを切り換えることができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。
第14発明に係る環境提供システムは、第10発明から第13発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、複数の空気清浄部を有する。制御装置は、疾病情報に基づいて、稼働する空気清浄部の数量を制御する制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病情報に基づいて稼働する空気清浄部の数量を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。
なお、それぞれの空気清浄部は、例えば、1つのフィルタを有していてもよいし、複数のフィルタを有していてもよい。
第15発明に係る環境提供システムは、第1発明から第14発明のいずれかの環境提供システムであって、記憶装置をさらに備える。記憶装置は、環境提供装置の稼働スケジュールを記憶する。制御装置は、疾病情報と稼働スケジュールとに基づいて、制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、記憶装置が、環境提供装置の稼働スケジュールを記憶する。制御装置が、稼働スケジュールの情報を受け取ることができる。制御装置が、疾病情報を取得する。制御装置が、疾病情報と稼働スケジュールとに基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、環境提供装置の稼働スケジュールを記憶するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように環境を提供することを制限する時間帯を設定することができる。このため、疾病の感染が進行しないように環境を提供した際に発生する弊害を低減することができる。
なお、疾病の感染が進行しないように環境を提供した際に発生する弊害は、例えば、換気量を増やした場合の空間の温度の変化、空気清浄する能力を強くした際に発生する騒音、加湿する能力を強くした際に発生する不快指数の上昇、除湿する能力を強くした際に発生する騒音などである。
第16発明に係る環境提供システムは、第1発明から第15発明のいずれかの環境提供システムであって、存在検知装置をさらに備える。存在検知装置は、人の存在を検知する。制御装置は、疾病情報と人の存在の情報とに基づいて、制御信号を生成する。
この環境提供システムでは、存在検知装置が、人の存在を検知する。制御装置が、人の存在の情報を受け取ることができる。制御装置が、疾病情報を取得する。制御装置が、疾病情報と人の存在の情報とに基づいて、制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、人の存在を検知するので、人が不在の場合に疾病の感染が進行しないように環境を提供することを低減することができる。このため、省エネルギー化を図ることができる。
第17発明に係る環境提供システムは、第5発明から第16発明のいずれかの環境提供システムであって、入力装置をさらに備える。入力装置には、空間に存在する複数の人の情報が入力される。制御装置は、空間に存在する複数の人の情報に基づいて、疾病情報を推定する。
この環境提供システムでは、疾病情報が、空間の近くにおける疾病の情報を含む。入力装置に、空間に存在する複数の人の情報が入力される。制御装置が、空間に存在する複数の人の情報を受け取ることができる。制御装置が、空間に存在する複数の人の情報に基づいて、疾病情報を推定する。制御装置が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、空間に存在する複数の人の情報に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。
第18発明に係る環境提供システムは、第5発明から第17発明のいずれかの環境提供システムであって、症状検知装置をさらに備える。症状検知装置は、空間に存在する複数の人の症状を検知する。制御装置は、空間に存在する複数の人の症状に基づいて、疾病情報を推定する。
この環境提供システムでは、疾病情報が、空間の近くにおける疾病の情報を含む。症状検知装置が、空間に存在する複数の人の症状を検知する。制御装置が、空間に存在する複数の人の症状の情報を受け取ることができる。制御装置が、空間に存在する複数の人の症状に基づいて、疾病情報を推定する。制御装置が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、空間に存在する複数の人の症状に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。
なお、空間に存在する複数の人の症状は、例えば、空間に存在する複数の人が発する咳の音であってもよいし、空間に存在する複数の人の体温であってもよいし、空間に存在する複数の人の顔色であってもよいし、空間に存在する複数の人の脳波であってもよいし、空間に存在する複数の人の心拍に関する情報であってもよいし、どのような症状であってもよい。
第19発明に係る環境提供システムは、第1発明の環境提供システムであって、疾病情報は、流行度情報を含む。流行度情報は、疾病の流行の度合いを示す情報である。制御装置は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成する。罹患目標値は、疾病の罹患率に関する所定の目標値である。
この環境提供システムでは、疾病情報が、流行度情報を含む。制御装置が、流行度情報を取得し、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成するので、相関情報が疾病の流行の度合いに応じて変わる場合でも、疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成することができる。また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第20発明に係る環境提供システムは、第1発明から第19発明のいずれかの環境提供システムであって、罹患率情報は、疾病の罹患率、疾病の罹患による生産性の低下率、疾病の罹患により発生する損害額、疾病の罹患により発生する医療費の増加率及び疾病の罹患により発生する医療費の増加額の少なくとも1つに関する情報を含む。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。相関情報が、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。罹患率情報が、疾病の罹患率、疾病の罹患による生産性の低下率、疾病の罹患により発生する損害額、疾病の罹患により発生する医療費の増加率及び疾病の罹患により発生する医療費の増加額の少なくとも1つに関する情報を含む。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、罹患率情報を詳細な情報とすることができるので、相関情報に基づいて環境提供装置を詳細に制御することができる。
第21発明に係る環境提供システムは、第1発明から第20発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して換気する能力を有している。制御装置は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する換気量の制御信号を生成する。罹患目標値は、疾病の罹患率に関する所定の目標値である。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する換気量の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対して換気する能力を有している。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する換気量を適度に増やして換気することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に換気量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第22発明に係る環境提供システムは、第1発明から第20発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して空気清浄する能力を有している。制御装置は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。罹患目標値は、疾病の罹患率に関する所定の目標値である。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力を適度に強化して空気清浄することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第23発明に係る環境提供システムは、第22発明の環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対して空気清浄する能力を有している。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
第24発明に係る環境提供システムは、第1発明から第20発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して加湿する能力を有している。制御装置は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する加湿量の制御信号を生成する。罹患目標値は、疾病の罹患率に関する所定の目標値である。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する加湿量の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対して加湿する能力を有している。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、湿度に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する加湿量を適度に増やして加湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に加湿量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第25発明に係る環境提供システムは、第1発明から第20発明のいずれかの環境提供システムであって、環境提供装置は、空間に対して除湿する能力を有している。制御装置は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する除湿量の制御信号を生成する。罹患目標値は、疾病の罹患率に関する所定の目標値である。
この環境提供システムでは、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて、空間に対する除湿量の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対して除湿する能力を有している。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、乾燥に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する除湿量を適度に増やして除湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に除湿量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第26発明に係る環境提供装置は、受取部と、環境提供部とを備える。受取部は、制御装置から、制御信号を受け取る。制御装置は、疾病情報を取得して疾病情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供部は、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
この環境提供装置では、受取部が、疾病情報を取得して疾病情報に基づいて制御信号を生成する制御装置から、制御信号を受け取る。環境提供部が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御装置と環境提供装置とは、有線回線により接続されていてもよく、無線回線により接続されていてもよく、内部配線により接続されていてもよい。制御装置が疾病情報を取得する方法は、ネットワーク経由で情報を取得する方法でもよいし、直接的に情報が入力される方法でもよい。疾病情報は、疾病そのものの情報であり、例えば、花粉情報や気象情報のように疾病に間接的に関連した情報は含まない。
また、制御装置は、相関情報に基づいて制御信号を生成する。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この環境提供装置では、受取部が、疾病情報を取得して相関情報に基づいて制御信号を生成する制御装置から、制御信号を受け取る。環境提供部が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第27発明に係る環境提供装置は、受取部と複数の空気清浄部とを備える。受取部は、制御装置から、空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取る。制御装置は、疾病情報を取得して、疾病情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。空気清浄部は、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、フィルタを用いて空気清浄を行う。
この環境提供装置では、受取部が、疾病情報を取得して疾病情報に基づいて複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する制御装置から、空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取る。複数の空気清浄部が、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。複数の空気清浄部のそれぞれが、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、フィルタを用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、それぞれの空気清浄部は、例えば、1つのフィルタを有していてもよいし、複数のフィルタを有していてもよい。
また、制御装置は、相関情報に基づいて、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この環境提供装置では、受取部が、相関情報に基づいて複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する制御装置から、空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取る。複数の空気清浄部が、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。複数の空気清浄部のそれぞれが、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、フィルタを用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、制御装置が、疾病情報を取得し、相関情報に基づいて制御信号を生成する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。環境提供装置が、制御装置から制御信号を受け取ることができる。環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第28発明に係る制御装置は、取得部と、演算部と、受渡部とを備える。取得部は、疾病情報を取得する。演算部は、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。受渡部は、環境提供装置に、制御信号を受け渡す。環境提供装置は、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供する。
この制御装置では、取得部が、疾病情報を取得する。演算部が、取得部から疾病情報を受け取ることができる。演算部が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。受渡部が、演算部から制御信号を受け取ることができる。受渡部が、環境提供装置に、制御信号を受け渡す。これにより、環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供するようにすることができる。
したがって、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御装置と環境提供装置とは、有線回線により接続されていてもよく、無線回線により接続されていてもよく、内部配線により接続されていてもよい。制御装置が疾病情報を取得する方法は、ネットワーク経由で情報を取得する方法でもよいし、直接的に情報が入力される方法でもよい。疾病情報は、疾病そのものの情報であり、例えば、花粉情報や気象情報のように疾病に間接的に関連した情報は含まない。
また、演算部は、相関情報に基づいて制御信号を生成する。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この制御装置では、取得部が、疾病情報を取得する。演算部が、取得部から疾病情報を受け取ることができる。演算部が、相関情報に基づいて制御信号を生成する。受渡部が、演算部から制御信号を受け取ることができる。受渡部が、環境提供装置に、制御信号を受け渡す。これにより、環境提供装置が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境を提供するようにすることができる。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、制御信号は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて生成されるものである。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号が生成されるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第29発明に係る制御装置は、取得部と演算部と受渡部とを備える。取得部は、疾病情報を取得する。演算部は、疾病情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。受渡部は、環境提供装置に、空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け渡す。環境提供装置は、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
この制御装置では、演算部が、疾病情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。受渡部が、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。受渡部が、環境提供装置に、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け渡す。これにより、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて環境提供装置が空気清浄を行うようにすることができる。
したがって、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、演算部は、相関情報に基づいて、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この制御装置では、演算部が、相関情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成する。受渡部が、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け取ることができる。受渡部が、環境提供装置に、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号を受け渡す。これにより、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて環境提供装置が空気清浄を行うようにすることができる。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、空間に対する空気清浄能力の制御信号は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて生成されるものである。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成されるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第30発明に係る環境提供方法は、制御ステップと、環境提供ステップとを備える。制御ステップでは、疾病情報が取得され、疾病情報に基づいて制御信号が生成される。環境提供ステップでは、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境が提供される。
この環境提供方法では、制御ステップにおいて、疾病情報が取得され、疾病情報に基づいて制御信号が生成される。環境提供ステップにおいて、制御信号が受け取られ得る。環境提供ステップにおいて、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境が提供される。
したがって、疾病情報に基づいて環境を提供するように制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御ステップにおいて疾病情報が取得される方法は、ネットワーク経由で情報が取得される方法でもよいし、直接的に情報が入力される方法でもよい。疾病情報は、疾病そのものの情報であり、例えば、花粉情報や気象情報のように疾病に間接的に関連した情報は含まない。
また、制御ステップにおいて、相関情報に基づいて制御信号が生成される。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この環境提供方法では、制御ステップにおいて、疾病情報が取得され、相関情報に基づいて制御信号が生成される。環境提供ステップにおいて、制御信号が受け取られ得る。環境提供ステップにおいて、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して環境が提供される。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境が提供されるように制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、制御ステップでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて制御信号が生成される。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号が生成されるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第31発明に係る環境提供方法は、制御ステップと空気清浄ステップとを備える。制御ステップでは、疾病情報が取得され、疾病情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成される。空気清浄ステップでは、空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄が行われる。
この環境提供方法では、制御ステップにおいて、疾病情報が取得され、疾病情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成される。空気清浄ステップにおいて、制御装置から、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号が受け取られ得る。空気清浄ステップにおいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄が行われる。
したがって、疾病情報に基づいて空気清浄が行われるように制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、制御ステップにおいて、相関情報に基づいて、空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成される。相関情報は、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、制御信号に関する情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率に関する情報である。
この環境提供方法では、制御ステップにおいて、疾病情報が取得され、相関情報に基づいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成される。空気清浄ステップにおいて、制御装置から、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号が受け取られ得る。空気清浄ステップにおいて、複数の人が集まる空間に対する空気清浄能力の制御信号に基づいて、空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄が行われる。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、制御ステップでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成される。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、空間に対する空気清浄能力の制御信号が生成されるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第1発明に係る環境提供システムでは、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第2発明に係る環境提供システムでは、複数の人が集まる空間に対して、疾病情報に基づいて制御された環境を提供することができる。このため、疾病の流行が発生したときに疾病の感染を低減することができる。
第3発明に係る環境提供システムでは、疾病の患者数が一定数以上である場合に、制御装置が、疾病の流行が発生したと判断することができる。このため、疾病の流行の発生を容易に決めることができる。
第4発明に係る環境提供システムでは、疾病の危険度が一定の値以上である場合に、制御装置が、対応すべき疾病であると判断することができる。このため、危険度又は死亡率の高い疾病にのみ対応することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
第5発明に係る環境提供システムでは、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報であっても、制御装置が、疾病の流行が発生したと判断することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の流行へ迅速に対応することができる。
第6発明に係る環境提供システムでは、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する換気量を増やして換気することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第7発明に係る環境提供システムでは、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力を強化して空気清浄することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第8発明に係る環境提供システムでは、湿度に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する加湿量を増やして加湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第9発明に係る環境提供システムでは、乾燥に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する除湿量を増やして除湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。
第10発明に係る環境提供システムでは、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
第11発明に係る環境提供システムでは、第1フィルタの空気清浄能力が第2フィルタの空気清浄能力よりも強いので、第2フィルタの運用コストが第1フィルタの運用コストよりも低いことが多くなる。このため、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。また、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。この結果、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
第12発明に係る環境提供システムでは、疾病情報に基づいて第1状態と第2状態とを切り換えることができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。
第13発明に係る環境提供システムでは、疾病情報に基づいて第1空気清浄部と第2空気清浄部とを切り換えることができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタを用いて空気清浄を行うことができる。
第14発明に係る環境提供システムでは、疾病情報に基づいて稼働する空気清浄部の数量を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。
第15発明に係る環境提供システムでは、環境提供装置の稼働スケジュールを記憶するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように環境を提供することを制限する時間帯を設定することができる。このため、疾病の感染が進行しないように環境を提供した際に発生する弊害を低減することができる。
第16発明に係る環境提供システムでは、人の存在を検知するので、人が不在の場合に疾病の感染が進行しないように環境を提供することを低減することができる。このため、省エネルギー化を図ることができる。
第17発明に係る環境提供システムでは、空間に存在する複数の人の情報に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。
第18発明に係る環境提供システムでは、空間に存在する複数の人の症状に基づいて疾
病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このた
め、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。
第19発明に係る環境提供システムでは、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成するので、相関情報が疾病の流行度合いに応じて変わる場合でも、疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成することができる。また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第20発明に係る環境提供システムでは、罹患率情報を詳細な情報とすることができるので、相関情報に基づいて環境提供装置を詳細に制御することができる。
第21発明に係る環境提供システムでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する換気量を適度に増やして換気することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に換気量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第22発明に係る環境提供システムでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する空気清浄能力を適度に強化して空気清浄することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第23発明に係る環境提供システムでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
第24発明に係る環境提供システムでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、湿度に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する加湿量を適度に増やして加湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に加湿量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第25発明に係る環境提供システムでは、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、乾燥に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、環境提供装置が、空間に対する除湿量を適度に増やして除湿することができる。このため、空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に除湿量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。
第26発明に係る環境提供装置では、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第27発明に係る環境提供装置では、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第28発明に係る制御装置では、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第29発明に係る制御装置では、疾病情報に基づいて環境提供装置を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第30発明に係る環境提供方法では、疾病情報に基づいて環境を提供するように制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境が提供されるように制御すれば、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
第31発明に係る環境提供方法では、疾病情報に基づいて空気清浄が行われるように制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることができる。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が所定の目標値付近の値になるように、相関情報に基づいて環境提供装置を制御すれば、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。あるいは、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
さらに、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値付近の値になるように、空間に対する空気清浄能力の制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、複数の人が集まる空間に対して環境を提供することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る環境提供システム1の概念図を図1に示す。また、本発明の第1実施形態に係る環境提供システム1の各構成要素の構成図を図2に示す。ここに示す環境提供システム1は、主として複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行うためのシステムである。
<環境提供システム1の全体構成>
図1に示すように、この環境提供システム1は、主としてビル10と遠隔監視センター20と公的情報機関30と有線回線50とインターネット回線60とを備える。ビル10と遠隔監視センター20とは、有線回線50を経由して通信する。遠隔監視センター20と公的情報機関30とは、インターネット回線60を経由して通信する。
<公的情報機関30の構成>
図2に示すように、公的情報機関30は、主として疾病情報データ31を備える。公的情報機関30は、疾病情報を収集し、疾病情報を集計し、その結果を疾病情報データ31として蓄積する。
<遠隔監視センター20>
図2に示すように、遠隔監視センター20は、主として制御装置21を備える。
制御装置21は、主として取得部22と演算部23と受渡部24とを備える。取得部22は、公的情報機関30の疾病情報データ31にインターネット回線60経由でアクセスし、疾病情報を取得する。取得部22は、疾病情報を演算部23に渡す。演算部23は、疾病情報から疾病が対応すべき疾病であるか否かを判断し、疾病が対応すべき疾病であると判断した場合に疾病が流行しているか否かをさらに判断する。疾病が流行していると判断した場合、演算部23は、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。演算部23は、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受渡部24に渡す。受渡部24は、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を、ビル10の空調装置11に有線回線50経由で送信する。
<ビル10の構成>
図2に示すように、ビル10は、主として空調装置11を備える。空調装置11は、ビル10におけるオフィスやロビーなど複数の人が集まる空間に対して、換気を行う。
空調装置11は、主として受取部12と環境提供部13とを備える。受取部12は、有線回線50経由で遠隔監視センター20から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取り、環境提供部13へ渡す。環境提供部13は、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、換気を行う。
<有線回線50の構成>
図1,図2に示すように、有線回線50は、ビル10と遠隔監視センター20とを接続する。有線回線50は、遠隔監視のための専用回線である。
<インターネット回線60の構成>
図1,図2に示すように、インターネット回線60は、遠隔監視センター20と公的情報機関30とを接続する。インターネット回線60は、通常のインターネット回線である。
<疾病情報データ31の構成>
図4に示すように、疾病情報データ31は、主として病名311と死亡率312とを備える。病名311は、疾病の名称を示している。死亡率312は、疾病により死亡に至る率を示している。
図5に示すように、疾病情報データ31は、病院名313と患者数315とさらに備える。病院名313は、疾病の報告があった病院の名称を示している。全国の合計を表す場合は、病院名313が、「全国」となる。患者数315は、疾病にかかった患者の数を示している。なお、図5の病名311は、図4の病名311と同様である。
<複数の人が集まるビル10の空間に対して環境提供システム1により換気が行われる処理の流れ>
複数の人が集まる図1に示すビル10の空間に対して環境提供システム1により換気が行われる処理の流れを、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
図3に示すステップS1では、図2に示す疾病情報データ31がアクセスされる。すなわち、遠隔監視センター20の制御装置21の取得部22により、公的情報機関30の疾病情報データ31がインターネット回線60経由でアクセスされる。
図3に示すステップS2では、疾病情報があるか否かが判断される。疾病情報があると判断された場合は、ステップS3へ進められ、疾病情報がないと判断された場合は、ステップS9へ進められる。
図3に示すステップS3では、疾病情報が取得される。すなわち、図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21の取得部22により、公的情報機関30の疾病情報データ31から、図4,図5に示す疾病情報が取得される。取得部22により、疾病情報が演算部23に渡される。
図3に示すステップS4では、疾病が対応すべき疾病であるか否かが判断される。疾病が対応すべき疾病である、つまり死亡率が所定の割合(例えば、10%)以上であると判断された場合は、図3に示すステップS5へ進められる。疾病が対応すべき疾病でない、つまり死亡率が所定の割合(例えば、10%)未満であると判断された場合は、ステップS9へ進められる。
図3に示すステップS5では、疾病の流行が発生しているか否かが判断される。疾病の流行が発生している、つまり全国の患者数が所定の人数(例えば、10000名)以上であると判断された場合は、図3に示すステップS6へ進められる。疾病の流行が発生していない、つまり全国の患者数が所定の人数(例えば、10000名)未満であると判断された場合は、ステップS9へ進められる。
図3に示すステップS6では、制御信号が生成される。すなわち、図2に示す演算部23により、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号が生成される。演算部23により、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号が受渡部24に渡される。
図3に示すステップS7では、制御信号が送信される。すなわち、図2に示す受渡部24により、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号が、ビル10の空調装置11に有線回線50経由で送信される。
図3に示すステップS8では、図2に示す空調装置11が制御される。すなわち、ビル10の空調装置11の受取部12により、有線回線50経由で遠隔監視センター20から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号が受け取られる。受取部12により、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号が環境提供部13へ渡される。空調装置11の環境提供部13により、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、換気が行われる。
図3に示すステップS9では、省エネルギーモードで図2に示す空調装置11が運転される。すなわち、空調装置11の環境提供部13により、省エネルギーモードで換気が行われる。
<環境提供システム1に関する特徴>
(1)
ここでは、図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、公的情報機関30の疾病情報データ31から疾病情報を取得し、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行う。
したがって、疾病情報に基づいてビル10の空調装置11を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気が行われる。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気が行われる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染が低減される。
(2)
ここでは、図4,図5に示すように、疾病が、空気感染する疾病である。そのため、複数の人が集まる図1に示すビル10の空間において、疾病が感染するおそれがある。図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得する。遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行う。
したがって、複数の人が集まるビル10の空間に対して、疾病情報に基づいて制御された換気が行われる。このため、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が低減される。
(3)
ここでは、図5に示すように、疾病情報が、疾病の患者数を含む。図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得する。遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行う。
したがって、疾病の患者数が全国で所定の人数(例えば、10000名)以上である場合に、遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病の流行が発生したと判断する。このため、疾病の流行の発生が容易に決められる。
(4)
ここでは、図4に示すように、疾病情報が、疾病による死亡率312を含む。図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得する。遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行う。
したがって、疾病による死亡率が所定の割合(例えば、10%)以上である場合に、遠隔監視センター20の制御装置21が、対応すべき疾病であると判断する。このため、死亡率の高い疾病にのみ対応するので、省エネルギー化が図られる。
(5)
ここでは、図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得する。遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行う。
したがって、疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、空間に対する換気量を増やして換気する。このため、空間における疾病の病原菌の濃度が低減されるので、疾病が流行したときに疾病の感染が低減される。
<第1実施形態の変形例>
(A)複数の人が集まる図2に示すビル10の空間に対して換気を行うのは、空調装置11でなくてもよい。すなわち、換気専用の装置でもよいし、外部から取り入れた外気と循環させる内気との混合割合を調整する装置であってもよいし、自然換気の量を調整する装置であってもよいし、ビル10の空間を正圧にして換気する装置であってもよいし、ビル10の空間を負圧にして換気する装置であってもよい。遠隔監視センター20の制御装置21とビル10の空調装置11とは、有線回線50により接続されている代わりに、無線回線により接続されていてもよく、有線回線と無線回線とにより接続されていてもよい。空調装置11により換気されるのは、ビル10でなくてもよい。すなわち、オフィス、ロビー、電車、飛行機、船、車、住宅、劇場、商店街など複数の人が集まる場所であればどんな場所であってもよい。図4に示す疾病情報データ31は、死亡率312の代わりに、疾病の危険度を含んでいてもよい。図5に示す疾病情報データ31は、患者数315の代わりに、疾病の死亡者数を含んでいてもよい。疾病情報は、公的情報機関30のかわりに、私的情報機関から取得してもよいし、病院から取得してもよいし、学校から取得してもよい。病院から疾病情報を取得する場合は、リアルタイムで疾病の患者数を把握することができる。学校から疾病情報を取得する場合は、リアルタイムで学級閉鎖の状況を把握することができる。なお、疾病情報は、疾病そのものの情報であり、例えば、花粉情報や気象情報のように疾病に間接的に関連した情報は含まない。
(B)制御装置が疾病情報を取得する方法は、ネットワーク60経由で情報を取得する方法の代わりに、直接的に情報が入力される方法でもよい。すなわち、遠隔監視センター20における制御装置21の管理者が、パソコンなどによりインターネット回線60経由で、公的情報機関30の疾病情報データ31にアクセスする。そして、遠隔監視センター20における制御装置21の管理者が、公的情報機関30の疾病情報データ31の情報をパソコンなどの表示画面で閲覧しながら、制御装置21へ疾病情報を入力することになる。
(C)疾病情報は、図2に示すビル10の空間の近くにおける疾病の情報でもよい。すなわち、図5に示すように、疾病情報データ31に、ビル10の近くにおける病院Aの患者数の情報が含まれていてもよい。この場合、遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得する。遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して換気を行う。したがって、ビル10の空間の近くで局所的に発生している疾病の情報であっても、遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病の流行が発生したと判断することが可能である。このため、ビル10の空間の近くで局所的に発生している疾病の流行への対応が迅速に行われる。
図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が取得する疾病情報データ31には、複数の疾病についての情報が含まれていてもよい。この場合、制御装置21が、複数の疾病に対して優先順位を決める。例えば、複数の疾病に対して、図4に示す死亡率312の高い順番に優先順位がつけられてもよいし、図5に示す患者数315の多い順番に優先順位がつけられてもよいし、疾病の危険度の高い順番に優先順位がつけられてもよいし、疾病の罹患率の高い順番に優先順位がつけられてもよい。
制御装置21が、疾病情報に優先順位の情報と疾病情報とに基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成する。具体的には、複数の疾病のうち優先順位が最も高いものについてのみ、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成してもよい。あるいは、複数の疾病のうち優先順位が高い順番に時分割的に、疾病情報に基づいて、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を順次的に生成してもよい。したがって、疾病情報データ31が複数の疾病についての情報を含む場合でも、効率よく疾病の感染を低減することができる。
(D)図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいてビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号を生成してもよい。この場合、ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して空気清浄を行う。したがって、疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する空気清浄能力を強化して空気清浄する。このため、ビル10の空間における疾病の病原菌の濃度が低減されるので、疾病が流行したときに疾病の感染が低減される。なお、換気と空気清浄とは同時に行われてもよい。
(E)図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいてビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号を生成してもよい。この場合、ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して加湿を行う。したがって、湿度に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する加湿量を増やして加湿する。このため、空間における疾病の病原菌の濃度が低減されるので、疾病が流行したときに疾病の感染が低減される。但し、加湿量は、ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)で示されている40%〜70%の範囲の湿度になるように制御されるものとする。なお、換気と空気清浄と加湿とのうち少なくとも2つ以上が、同時に行われてもよい。
(F)図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、疾病情報を取得し、疾病情報に基づいてビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号を生成してもよい。この場合、ビル10の空調装置11が、遠隔監視センター20の制御装置21から、ビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル10の空間に対して除湿を行う。したがって、乾燥に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する除湿量を増やして除湿する。このため、空間における疾病の病原菌の濃度が低減されるので、疾病が流行したときに疾病の感染が低減される。但し、除湿量は、ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)で示されている40%〜70%の範囲の湿度になるように制御されるものとする。なお、換気と空気清浄と除湿とのうち少なくとも2つ以上が、同時に行われてもよい。
(G)図6に示すように、環境提供システム1aは、入力装置16aと記憶装置25aとをさらに備えてもよい。この場合、入力装置16aに、空間に存在する複数の人の情報が入力される。例えば、図16に示すような情報が入力される。図16では、「(1)疾病の感染?」において、現在疾病に感染しているか否かが入力される。「(2)過去所定期間以内に疾病が流行した地域に行った?」において、最近疾病が流行した地域に行ったかどうかが入力される。ここで、所定期間は、1ヶ月でもいいし、1週間でもいいし、どのような期間でもよい。「(3)家族が疾病に感染?」において、家族に疾病に感染した人がいるか否かが入力される。「(4)症状は?」において、具体的な症状の内容が入力される。図6に示す遠隔管理センター20aの制御装置21の演算部23が、空間に存在する複数の人の情報を、空調装置11aの制御部14aと受取部12と有線回線50と受渡部24とを経由して受け取り、申告情報27aとして記憶装置25aに記憶させる。制御装置21の演算部23が、記憶装置25aを参照して、申告情報27aを取得する。制御装置21の演算部23が、申告情報27aに基づいて、疾病情報を推定する。制御装置21の演算部23が、推定した疾病情報に基づいて制御信号を生成する。疾病情報が、空間の近くにおける疾病の情報である。空調装置11aが、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空調装置11aが、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、換気を行う。したがって、空間に存在する複数の人の情報に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。なお、入力装置16aは、空間に存在する複数の人の情報を、空調装置11aを経由せずに制御装置21へ渡してもよい。また、記憶装置は、空調装置11aに備えられており、定期的に制御装置21へ情報が有線回線50経由で渡されるものであってもよい。
(H)図6に示すように、環境提供システム1aは、症状検知装置17aをさらに備えてもよい。この場合、症状検知装置17aが、空間に存在する複数の人の症状を検知する。制御装置21が、空間に存在する複数の人の症状の情報を、空調装置11aの制御部14aと受取部12と有線回線50とを経由して受け取る。制御装置21が、空間に存在する複数の人の症状に基づいて、疾病情報を推定する。制御装置21が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。疾病情報は、空間の近くにおける疾病の情報を含む。空調装置11aが、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空調装置11aが、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、換気を行う。したがって、空間に存在する複数の人の症状に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。なお、症状検知装置17aは、空間に存在する複数の人の情報を、空調装置11aを経由せずに制御装置21へ渡してもよい。空間に存在する複数の人の症状は、例えば、空間に存在する複数の人が発する咳の音であってもよいし、空間に存在する複数の人の体温であってもよいし、空間に存在する複数の人の顔色であってもよいし、空間に存在する複数の人の脳波であってもよいし、空間に存在する複数の人の心拍に関する情報であってもよいし、どのような症状であってもよい。
(I)図6に示すように、環境提供システム1aは、記憶装置25aをさらに備えてもよい。記憶装置25aに稼動スケジュール26aが記憶されてもよい。この場合、制御装置21が、稼働スケジュール26aの情報を記憶装置25aから受け取る。制御装置21が、疾病情報と稼働スケジュール26aとに基づいて制御信号を生成する。空調装置11aが、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空調装置11aが、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、換気を行う。したがって、空調装置11aの稼働スケジュール26aを記憶するので、空調装置11aの換気能力を強くすることを低減する時間帯を設定することが可能である。このため、空調装置11aの換気能力を強くした際に発生する室温の変化(室温の上昇又は室温の低下)による弊害を低減することができる。例えば、標準的な勤務時間(例えば、9:00〜12:00、13:00〜17:00)中は、空調装置11aの換気能力を強くしない時間帯として稼動スケジュール26aを決めておくことができる。あるいは、会議を行う時間帯のみ、空調装置11aの換気能力を強くしない時間帯として稼動スケジュール26aを決めておくことができる。なお、稼動スケジュール26aはあらかじめ記憶装置25aに記憶されていてもよい。あるいは、環境提供システム1aに入力装置16aがさらに備えられており、入力装置16aを介して稼動スケジュールが入力されてもよい。なお、空調装置11aは、加湿する能力を有していてもよい。この場合、空調装置11aの稼働スケジュール26aを記憶するので、空調装置11aの加湿能力を強くすることを低減する時間帯を設定することが可能である。このため、空調装置11aの加湿能力を強くした際に発生する不快指数の上昇による弊害を低減することができる。また、空調装置11aは、除湿する能力を有していてもよい。この場合、空調装置11aの稼働スケジュール26aを記憶するので、空調装置11aの除湿能力を強くすることを低減する時間帯を設定することが可能である。このため、空調装置11aの除湿能力を強くした際に発生する騒音による弊害を低減することができる。
(J)図6に示すように、環境提供システム1aは、記憶装置25aをさらに備えてもよい。記憶装置25aに相関情報28aが記憶されてもよい。ここで、相関情報28aは、図7に示すように、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、空調装置11aの換気量の情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率の情報である。図7に示す場合、疾病の流行の度合いが高いとき(例えば、疾病の患者数が全国で1万人以上のとき)の相関関係がグラフ51で示され、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)の相関関係がグラフ52で示され、疾病の流行の度合いが低いとき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人未満のとき)の相関関係がグラフ53で示される。疾病の罹患率に関する目標値である罹患目標値がRdで示されている。図7では、疾病の罹患率がRu〜Rbの範囲の値になったときに疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になったと判断される。疾病の流行の度合いが高いとき、図7のグラフ51が参照されることにより、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるようにするには換気量をKd1付近の値になるようにすればよいことが分かる。すなわち、換気量がKu1〜Kb1の範囲の値になるようにすれば、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になることが分かる。疾病の流行の度合いが低いとき、図7のグラフ53が参照されることにより、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるようにするには、換気量をKd3付近の値になるようにすればよいことが分かる。すなわち、換気量がKu3〜Kb3の範囲の値になるようにすれば、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になることが分かる。
この場合、疾病情報が、流行度情報を含む。ここで、流行度情報は、疾病の流行の度合いを示す情報である。図2に示す遠隔監視センター20の制御装置21が、流行度情報を取得する。制御装置が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成する。例えば、疾病の流行の度合いが高いことを流行度情報が示している場合、図7に示すグラフ51が参照されて、換気量がKu1〜Kb1の範囲の値になるべきであると判断され、Ku1〜Kb1の範囲の値に換気量を増加する旨の制御信号が生成される。例えば、疾病の流行の度合いが低いことを流行度情報が示している場合、図7に示すグラフ53が参照されて、換気量がKu3〜Kb3の範囲の値になるべきであると判断され、Ku3〜Kb3の範囲の値に換気量を増加する旨の制御信号が生成される。疾病が流行していると判断された場合、ビル10の空調装置11が、制御装置21から、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を受け取る。ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対して換気を行う。したがって、流行度情報と相関情報とに基づいて制御信号を生成するので、疾病の罹患率が疾病の流行度合いに応じて変わる場合でも、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値(Ru〜Rbの範囲の値)になるように制御信号を生成することができる。また、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値(Ru〜Rbの範囲の値)になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、ビル10の空間に対して換気を行うことができる。このため、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御装置21は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、相関情報28aのみに基づいて(流行度情報は考慮せずに)、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成してもよい。このとき、図6に示す相関情報28aには、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)の相関関係のみが記憶されていてもよい。すなわち、図7に示すグラフ52のみが相関情報28aに記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、ビル10の空間に対して換気を行うことができる。
また、罹患率情報(図7に示すグラフの縦軸)は、疾病の罹患率、疾病の罹患による生産性の低下率、疾病の罹患により発生する損害額(生産性の低下による逸失利益)、疾病の罹患により発生する医療費の増加率及び疾病の罹患により発生する医療費の増加額の少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。この場合、罹患率情報を詳細な情報とすることができるので、図6に示す相関情報28aに基づいて空調装置11を詳細に制御することができる。また、流行度情報は、全国における疾病の患者数であってもよいし、全国の人口に対する疾病の感染率であってもよいし、全国における疾病の患者数に疾病の死亡率を掛け合わせたものであってもよいし、疾病の流行の度合いを示す情報であればどのような情報であってもよい。
さらに、罹患目標値Rdは、遠隔監視センター20においてあらかじめ設定されたものであってもよいし、疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)と消費エネルギー量とのトレードオフにより演算部23であらかじめ決められたものであってもよい。例えば、疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)と消費エネルギー量とを掛け合わせた値が最小になるときの疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)が罹患目標値Rdとされてもよい。
(K)第1実施形態の変形例(J)において、制御装置21は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、相関情報28aに基づいて、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号を生成してもよい。この場合、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する空気清浄能力を適度に強化して空気清浄することができる。このため、ビル10の空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。この結果、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。なお、相関情報28aは、図7と同様の情報であるが、横軸が空調装置11aの換気量でなく空調装置11aの空気清浄能力を示すものになる点で第1実施形態の変形例(J)と異なる。
第1実施形態の変形例(J)において、制御装置21は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、相関情報28aに基づいて、ビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号を生成してもよい。この場合、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、湿度に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する加湿量を適度に増やして加湿することができる。このため、ビル10の空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に加湿量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。この結果、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。なお、相関情報28aは、図7と同様の情報であるが、横軸が空調装置11aの換気量でなく空調装置11aの加湿量を示すものになる点で第1実施形態の変形例(J)と異なる。
第1実施形態の変形例(J)において、制御装置21は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、相関情報28aに基づいて、ビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号を生成してもよい。この場合、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、乾燥に弱い病原菌による疾病の流行が発生したときに、ビル10の空調装置11が、ビル10の空間に対する除湿量を適度に増やして除湿することができる。このため、ビル10の空間における疾病の病原菌の濃度を低減することができるので、疾病が流行したときに疾病の感染を低減することができる。また、過剰に除湿量を増やすことが低減されるので、無駄な消費エネルギーの増加を抑えることができる。この結果、省エネルギー化を図りながら疾病の感染を低減することができる。なお、相関情報28aは、図7と同様の情報であるが、横軸が空調装置11aの換気量でなく空調装置11aの除湿量を示すものになる点で第1実施形態の変形例(J)と異なる。
(L)図6に示すように、環境提供システム1aは、存在検知装置15aをさらに備えてもよい。この場合、存在検知装置15aが、人の存在を検知する。制御装置21が、人の存在の情報を、空調装置11aの制御部14aと受取部12と有線回線50とを介して受け取る。制御装置21が、疾病情報と人の存在の情報とに基づいて制御信号を生成する。空調装置11aが、制御装置21から有線回線50を経由して制御信号を受け取る。空調装置11aが、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、換気を行う。したがって、人の存在を検知するので、人が不在の場合に空調装置11aの換気能力を無駄に強くすることを低減することができる。このため、省エネルギー化を図ることができる。なお、存在検知装置15aは、空間に存在する複数の人の情報を、空調装置11aを経由せずに制御装置21へ渡してもよい。
(M)図2に示す空調装置11の環境提供部13は、ビル10の空間に対して温熱環境を提供してもよい。この場合、図3に示すステップS9において、ビル10の空間に対して人間の体感温度が省エネルギーになる範囲内で適温になるように制御される。図3に示すステップS6において、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。具体的には、ビル10の空間に対する換気量とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量と人間の体感温度との相関関係の情報があらかじめ遠隔監視センター20に記憶されている。遠隔監視センター20の演算部23により、その相関関係の情報が参照され、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号に基づいて、人間の体感温度が適温になるように、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。図3に示すステップS7において、図2に示す受渡部24により、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号とが、ビル10の空調装置11に有線回線50経由で送信される。したがって、省エネルギー化を図りながら疾病の感染が低減されるとともに温熱環境の快適性を維持することができる。
上記変形例(D)において、図2に示す空調装置11の環境提供部13は、ビル10の空間に対して温熱環境を提供してもよい。この場合、図3に示すステップS9において、ビル10の空間に対して人間の体感温度が省エネルギーになる範囲内で適温になるように制御される。図3に示すステップS6において、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。具体的には、ビル10の空間に対する空気清浄能力とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量と人間の体感温度との相関関係の情報があらかじめ遠隔監視センター20に記憶されている。遠隔監視センター20の演算部23により、その相関関係の情報が参照され、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、人間の体感温度が適温になるように、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。図3に示すステップS7において、図2に示す受渡部24により、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号とが、ビル10の空調装置11に有線回線50経由で送信される。したがって、省エネルギー化を図りながら疾病の感染が低減されるとともに温熱環境の快適性を維持することができる。
上記変形例(E)において、図2に示す空調装置11の環境提供部13は、ビル10の空間に対して温熱環境を提供してもよい。この場合、図3に示すステップS9において、ビル10の空間に対して人間の体感温度が省エネルギーになる範囲内で適温になるように制御される。図3に示すステップS6において、ビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。具体的には、ビル10の空間に対する加湿量とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量と人間の体感温度との相関関係の情報があらかじめ遠隔監視センター20に記憶されている。遠隔監視センター20の演算部23により、その相関関係の情報が参照され、ビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号に基づいて、人間の体感温度が適温になるように、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。図3に示すステップS7において、図2に示す受渡部24により、ビル10の空間に対する加湿量を増やす旨の制御信号とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号とが、ビル10の空調装置11に有線回線50経由で送信される。したがって、省エネルギー化を図りながら疾病の感染が低減されるとともに温熱環境の快適性を維持することができる。
上記変形例(F)において、図2に示す空調装置11の環境提供部13は、ビル10の空間に対して温熱環境を提供してもよい。この場合、図3に示すステップS9において、ビル10の空間に対して人間の体感温度が省エネルギーになる範囲内で適温になるように制御される。図3に示すステップS6において、ビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。具体的には、ビル10の空間に対する除湿量とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量と人間の体感温度との相関関係の情報があらかじめ遠隔監視センター20に記憶されている。遠隔監視センター20の演算部23により、その相関関係の情報が参照され、ビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号に基づいて、人間の体感温度が適温になるように、ビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号が生成される。図3に示すステップS7において、図2に示す受渡部24により、ビル10の空間に対する除湿量を増やす旨の制御信号とビル10の空間に対する加熱量又は冷却量の制御信号とが、ビル10の空調装置11に有線回線50経由で送信される。したがって、省エネルギー化を図りながら疾病の感染が低減されるとともに温熱環境の快適性を維持することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る環境提供システム100を図8に示す。また、環境提供システム100の各構成要素の構成図を図9に示す。図8,図9において、図1,図2の環境提供システム1の構成要素と同様の構成要素は同じ番号で示してある。ここに示す環境提供システム100は、主として複数の人が集まるビル110の空間に対して換気を行うためのシステムである。
この環境提供システム100は、図8,図9に示すように、基本的な構造は第1実施形態と同様であり各構成要素は図2と同様であるが、遠隔監視センター20と有線回線50とが備えられていない点で構成が異なる。すなわち、図9に示すように、ビル110の空調装置111は、制御装置121をさらに備える。ビル110の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号は、空調装置111の内部配線を経由して、制御装置121の受渡部124から空調装置111の受取部112へ渡される点で、第1実施形態と異なる。
疾病情報に基づいてビル110の空調装置111を制御するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、複数の人が集まるビル110の空間に対して換気が行われる点は、第1実施形態と同様である。また、疾病の流行が発生していないときに省エネルギー化を達成できるように、複数の人が集まるビル110の空間に対して換気が行われる点も、第1実施形態と同様である。したがって、このような環境提供システム100によっても、省エネルギー化を図りながら疾病の感染が低減される。
<第2実施形態の変形例>
(A)制御装置121は、空調装置111と別に構成されていてもよい。この場合、制御装置121の受渡部124と空調装置111の受取部112とは、ビル110におけるLAN回線で接続されることになる。
(B)制御装置121には、図6に示す記憶装置25aと同様の記憶装置が接続されていてもよい。記憶装置には、図6と同様に、稼働スケジュールや申告情報や相関情報が記憶されていてもよい。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る空気清浄システム200の概念図を図10に示す。また、本発明の第3実施形態に係る空気清浄システム200の各構成要素の構成図を図11に示す。ここに示す空気清浄システム200は、主として複数の人が集まるビル210の空間に対して空気清浄を行うためのシステムである。
<空気清浄システム200の全体構成>
図10に示すように、この空気清浄システム200は、主としてビル210と遠隔監視センター220と公的情報機関30と有線回線50とインターネット回線60とを備える。ビル210と遠隔監視センター220とは、有線回線50を経由して通信する。遠隔監視センター220と公的情報機関30とは、インターネット回線60を経由して通信する。
<公的情報機関30の構成>
図11に示すように、公的情報機関30は、主として疾病情報データ31を備える。公的情報機関30は、疾病情報を収集し、疾病情報を集計し、その結果を疾病情報データ31として蓄積する。
<遠隔監視センター220>
図11に示すように、遠隔監視センター220は、主として制御装置21を備える。
制御装置21は、主として取得部22と演算部23と受渡部24とを備える。取得部22は、公的情報機関30の疾病情報データ31にインターネット回線60経由でアクセスし、疾病情報を取得する。取得部22は、疾病情報を演算部23に渡す。演算部23は、疾病情報から疾病が対応すべき疾病であるか否かを判断し、疾病が対応すべき疾病であると判断した場合に疾病が流行しているか否かをさらに判断する。疾病が流行していると判断した場合、演算部23は、疾病情報に基づいて、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を生成する。演算部23は、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を受渡部24に渡す。受渡部24は、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を、ビル210の空気清浄装置240に有線回線50経由で送信する。
<ビル210の構成>
図11に示すように、ビル210は、主として空気清浄装置240を備える。空気清浄装置240は、ビル210におけるオフィスやロビーなど複数の人が集まる空間に対して、空気清浄を行う。
空気清浄装置240は、主として受取部241と制御部242と環境提供部254とを備える。受取部241は、有線回線50経由で遠隔監視センター220から、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を受け取り、制御部242へ渡す。制御部242は、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を環境提供部254へ渡す。環境提供部254は、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタを用いて空気清浄を行う。
<有線回線50の構成>
図10,図11に示すように、有線回線50は、ビル210と遠隔監視センター220とを接続する。有線回線50は、遠隔監視のための専用回線である。
<インターネット回線60の構成>
図10,図11に示すように、インターネット回線60は、遠隔監視センター220と公的情報機関30とを接続する。インターネット回線60は、通常のインターネット回線である。
<環境提供部254の構成>
図11に示す環境提供部254は、図12に示すように、主として吸い込み口243,吸入路244,第1通風路245,第2通風路246,第1フィルタ247,第2フィルタ248,風路切換部249,第1吹き出し口251,第2吹き出し口252及びファン253を備える。ここでは、第1空気清浄部255が第1フィルタ247を含む。第2空気清浄部256が第2フィルタ248を含む。
図12に示すファン253と風路切換部249とが、制御装置21(図11参照)から、有線回線50(図11参照)と受取部241(図11参照)と制御部242(図11参照)とを経由して制御信号を受け取る。ファン253が、制御信号に基づいて稼働する。その結果、吸入路244に、吸い込み口243を介して吸入された空気が送り込まれる。風路切換部249が、制御信号に基づいて、第1状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)と第2状態(通常の状態であり実線の状態)とを切り換える。第1通風路245が、空気を第1フィルタ247へ導く。これにより、第1状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)において、空気を吸入路244から第1通風路245を介して第1フィルタ247へ導く。そして、第1フィルタ247で空気清浄された空気は、第1吹き出し口251を介して、複数の人が集まるビル210の空間に吹き出される。第2通風路246が、空気を第2フィルタ248へ導く。これにより、第2状態(通常の状態であり実線の状態)において、空気を吸入路244から第2通風路246を介して第2フィルタ248へ導く。そして、第2フィルタ248で空気清浄された空気は、第2吹き出し口252を介して、複数の人が集まるビル210の空間に吹き出される。ここで、第1フィルタ247の空気清浄能力が、第2フィルタ248の空気清浄能力よりも強い。
<疾病情報データ31の構成>
図4に示すように、疾病情報データ31は、主として病名311と死亡率312とを備える。病名311は、疾病の名称を示している。死亡率312は、疾病により死亡に至る率を示している。
図5に示すように、疾病情報データ31は、病院名313と患者数315とさらに備える。病院名313は、疾病の報告があった病院の名称を示している。全国の合計を表す場合は、病院名313が、「全国」となる。患者数315は、疾病にかかった患者の数を示している。なお、図4の病名311は、図4の病名311と同様である。
<複数の人が集まるビル210の空間に対して空気清浄システム200により空気清浄が行われる処理の流れ>
複数の人が集まる図10に示すビル210の空間に対して空気清浄システム200により空気清浄が行われる処理の流れを、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
図13に示すステップS1では、図11に示す疾病情報データ31がアクセスされる。すなわち、遠隔監視センター220の制御装置21の取得部22により、公的情報機関30の疾病情報データ31がインターネット回線60経由でアクセスされる。
図13に示すステップS2では、疾病情報があるか否かが判断される。疾病情報があると判断された場合は、ステップS3へ進められ、疾病情報がないと判断された場合は、ステップS14へ進められる。
図13に示すステップS3では、疾病情報が取得される。すなわち、図11に示す遠隔監視センター220の制御装置21の取得部22により、公的情報機関30の疾病情報データ31から、図4,図5に示す疾病情報が取得される。取得部22により、疾病情報が演算部23に渡される。
図13に示すステップS4では、疾病が対応すべき疾病であるか否かが判断される。疾病が対応すべき疾病である、つまり死亡率が所定の割合(例えば、10%)以上であると判断された場合は、図13に示すステップS5へ進められる。疾病が対応すべき疾病でない、つまり死亡率が所定の割合(例えば、10%)未満であると判断された場合は、ステップS14へ進められる。
図13に示すステップS5では、疾病の流行が発生しているか否かが判断される。疾病の流行が発生している、つまり全国の患者数が所定の人数(例えば、10000名)以上であると判断された場合は、図13に示すステップS11へ進められる。疾病の流行が発生していない、つまり全国の患者数が所定の人数(例えば、10000名)未満であると判断された場合は、ステップS14へ進められる。
図13に示すステップS11では、制御信号が生成される。すなわち、図11に示す演算部23により、疾病情報に基づいて、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が生成される。演算部23により、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が受渡部24に渡される。
図13に示すステップS12では、制御信号が送信される。すなわち、図11に示す受渡部24により、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が、ビル210の空気清浄装置240に有線回線50経由で送信される。
図13に示すステップS13では、図12に示す第1フィルタ247を用いて空気清浄が行われる。すなわち、ビル210の空気清浄装置240の受取部241により、有線回線50経由で遠隔監視センター220から、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が受け取られる。受取部241により、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が制御部242経由で環境提供部254へ渡される。環境提供部254により、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号に基づいて、図12に示す風路切換部249が第1状態の方向に切り換えられ、第1フィルタ247を用いて空気清浄が行われる。
図13に示すステップS14では、図12に示す第2フィルタ248を用いて空気清浄が行われる。すなわち、図11に示す環境提供部254により、図12に示す風路切換部249が第2状態の方向に切り換えられ、第2フィルタ248を用いて空気清浄が行われる。
<空気清浄システム200に関する特徴>
(1)
ここでは、図11に示す遠隔管理センター220の制御装置21が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。空気清浄装置240が、有線回線50経由で遠隔監視センター220の制御装置21から、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247及び第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病情報に基づいて空気清浄装置240を制御するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタ(図12に示す第1フィルタ247)を用いて空気清浄を行うことが可能である。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタ(図12に示す第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行うことが可能である。このため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することが可能である。
(2)
ここでは、図11に示す遠隔管理センター220の制御装置21が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。空気清浄装置240が、有線回線50経由で遠隔監視センター220の制御装置21から、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247及び第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。複数のフィルタが、第1フィルタ247(図12参照)と第2フィルタ248(図12参照)とを含む。第1フィルタ247(図12参照)の空気清浄能力が、第2フィルタ248(図12参照)の空気清浄能力よりも強い。
したがって、第1フィルタ247(図12参照)の空気清浄能力が第2フィルタ248(図12参照)の空気清浄能力よりも強いので、第2フィルタ248(図12参照)の運用コストが第1フィルタ247(図12参照)の運用コストよりも低いことが多くなる。このため、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタ248(図12参照)を用いて空気清浄を行うことが可能である。また、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタ247(図12参照)を用いて空気清浄を行うことが可能である。この結果、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することが可能である。
(3)
ここでは、図11に示す遠隔管理センター220の制御装置21が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。図12に示す空気清浄装置240の風路切換部249が、制御装置21(図11参照)から、有線回線50(図11参照)と受取部241(図11参照)と制御部242(図11参照)とを経由して制御信号を受け取る。空気清浄装置240の吸入路244に、吸入された空気が送り込まれる。空気清浄装置240の風路切換部249が、制御信号に基づいて、第1状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)と第2状態(通常の状態であり実線の状態)とを切り換える。第1通風路245が、空気を第1フィルタ247へ導く。これにより、第1状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)において、空気を吸入路244から第1通風路245を介して第1フィルタ247へ導く。第2通風路246が、空気を第2フィルタ248へ導く。これにより、第2状態(通常の状態であり実線の状態)において、空気を吸入路244から第2通風路246を介して第2フィルタ248へ導く。ここで、第1フィルタ247の空気清浄能力が、第2フィルタ248の空気清浄能力よりも強い。
したがって、疾病情報に基づいて第1状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)と第2状態(通常の状態であり実線の状態)とを切り換えるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタ247を用いて空気清浄を行うことが可能である。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタ248を用いて空気清浄を行うことが可能である。
(4)
ここでは、図11に示す遠隔管理センター220の制御装置21が、疾病情報を外部から取得する。制御装置21が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。空気清浄装置240が、制御装置21から制御信号を有線回線50経由で受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247及び第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。
したがって、疾病情報を外部から取得するので、疾病情報に基づいて制御信号を生成することが可能である。
<第3実施形態の変形例>
(A)遠隔監視センター220の制御装置21とビル210の空気清浄装置240とは、有線回線50により接続される代わりに、無線回線により接続されていてもよく、有線回線と無線回線とにより接続されていてもよい。空気清浄装置240により空気清浄されるのは、ビル210でなくてもよい。すなわち、オフィス、ロビー、電車、飛行機、船、車、住宅、劇場、商店街など複数の人が集まる場所であればどんな場所であってもよい。図4に示す疾病情報データ31は、死亡率312の代わりに、疾病の危険度を含んでいてもよい。図5に示す疾病情報データ31は、患者数315の代わりに、疾病の死亡者数を含んでいてもよい。疾病情報は、公的情報機関30のかわりに、私的情報機関から取得してもよいし、病院から取得してもよいし、学校から取得してもよい。病院から疾病情報を取得する場合は、リアルタイムで疾病の患者数を把握することができる。学校から疾病情報を取得する場合は、リアルタイムで学級閉鎖の状況を把握することができる。なお、疾病情報は、疾病そのものの情報であり、例えば、花粉情報や気象情報のように疾病に間接的に関連した情報は含まない。
(B)図11に示す制御装置21が疾病情報を取得する方法は、ネットワーク60経由で情報を取得する方法の代わりに、直接的に情報が入力される方法でもよい。すなわち、遠隔監視センター220における制御装置21の管理者が、パソコンなどによりインターネット回線60経由で、公的情報機関30の疾病情報データ31にアクセスする。そして、遠隔監視センター220における制御装置21の管理者が、公的情報機関30の疾病情報データ31の情報をパソコンなどの表示画面で閲覧しながら、制御装置21へ疾病情報を入力することになる。
(C)疾病情報は、図11に示すビル210の空間の近くにおける疾病の情報でもよい。すなわち、図4に示すように、疾病情報データ31に、ビル210の近くにおける病院Aの患者数の情報が含まれていてもよい。この場合、遠隔監視センター220の制御装置21が、疾病情報を取得する。遠隔監視センター220の制御装置21が、疾病情報に基づいて、疾病が流行していると判断される場合に、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を生成する。ビル210の空気清浄装置240が、遠隔監視センター220の制御装置21から、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を受け取る。ビル210の空気清浄装置240が、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル210の空間に対して空気清浄を行う。したがって、ビル210の空間の近くで局所的に発生している疾病の情報であっても、遠隔監視センター220の制御装置21が、疾病の流行が発生したと判断することが可能である。このため、ビル210の空間の近くで局所的に発生している疾病の流行への対応が迅速に行われる。また、大局的に疾病が発生しているが局所的に疾病が発生していないような場合に、空気清浄装置240の空気清浄能力が無駄に強くされることが低減されるので、省エネルギー化を図ることができる。
(D)図11に示すように、空気清浄システム200は、入力装置216と記憶装置225とをさらに備えてもよい。この場合、入力装置216に、空間に存在する複数の人の情報が入力される。例えば、図16に示すような情報が入力される。図16では、「(1)疾病の感染?」において、現在疾病に感染しているか否かが入力される。「(2)過去所定期間以内に疾病が流行した地域に行った?」において、最近疾病が流行した地域に行ったかどうかが入力される。ここで、所定期間は、1ヶ月でもいいし、1週間でもいいし、どのような期間でもよい。「(3)家族が疾病に感染?」において、家族に疾病に感染した人がいるか否かが入力される。「(4)症状は?」において、具体的な症状の内容が入力される。図11に示す遠隔管理センター220の制御装置21の演算部23が、空間に存在する複数の人の情報を、空気清浄装置240の制御部242と受取部241と有線回線50と受渡部24とを経由して受け取り、申告情報227として記憶装置225に記憶させる。制御装置21の演算部23が、記憶装置225を参照して、申告情報227を取得する。制御装置21の演算部23が、申告情報227に基づいて、疾病情報を推定する。制御装置21の演算部23が、推定した疾病情報に基づいて制御信号を生成する。疾病情報が、空間の近くにおける疾病の情報である。空気清浄装置240が、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247及び第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。したがって、空間に存在する複数の人の情報に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。なお、入力装置216は、空間に存在する複数の人の情報を、空気清浄装置240を経由せずに制御装置21へ渡してもよい。また、記憶装置は、空気清浄装置240に備えられており、定期的に制御装置21へ情報が有線回線50経由で渡されるものであってもよい。
(E)図11に示すように、空気清浄システム200は、症状検知装置217をさらに備えてもよい。この場合、症状検知装置217が、空間に存在する複数の人の症状を検知する。制御装置21が、空間に存在する複数の人の症状の情報を、空気清浄装置240の制御部242と受取部241と有線回線50とを経由して受け取る。制御装置21が、空間に存在する複数の人の症状に基づいて、疾病情報を推定する。制御装置21が、疾病情報に基づいて制御信号を生成する。疾病情報は、空間の近くにおける疾病の情報を含む。空気清浄装置240が、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247、第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。したがって、空間に存在する複数の人の症状に基づいて疾病情報を推定するので、空間の近くにおける疾病の情報を推定することができる。このため、空間の近くで局所的に発生している疾病の情報を把握することができる。なお、症状検知装置217は、空間に存在する複数の人の情報を、空気清浄装置240を経由せずに制御装置21へ渡してもよい。空間に存在する複数の人の症状は、例えば、空間に存在する複数の人が発する咳の音であってもよいし、空間に存在する複数の人の体温であってもよいし、空間に存在する複数の人の顔色であってもよいし、空間に存在する複数の人の脳波であってもよいし、空間に存在する複数の人の心拍に関する情報であってもよいし、どのような症状であってもよい。
(F)図17に示すように、風路切換部249aは、第3状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)と第2状態(通常の状態であり実線の状態)とを切り換えてもよい。この場合、図11に示す遠隔管理センター220の制御装置21が、疾病情報に基づいて、稼働する空気清浄部(図17に示す第1空気清浄部255、第2空気清浄部256)の数量を制御する制御信号を生成する。空気清浄装置240aの風路切換部249aが、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号を受け取った際に、第2状態(通常の状態であり実線の状態)から第3状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)の位置へと切り換える。これにより、第3状態(空気清浄能力を強める状態であり破線の状態)において、空気清浄部(図17に示す第1空気清浄部255、第2空気清浄部256)の数量が増加する。これらの点で第3実施形態と異なる。
また、複数の人が集まるビル210の空間に対して空気清浄システム200により空気清浄が行われる処理の流れが、次の点で第3実施形態と異なる。なお、図18において、第3実施形態と同様の処理は同じ番号で示してある。
図18に示すステップS21では、図17に示す第1フィルタ247及び第2フィルタ248を用いて空気清浄が行われる。すなわち、ビル210の図17に示す空気清浄装置240aの図11に示す受取部241により、有線回線50経由で遠隔監視センター220から、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が受け取られる。受取部241により、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号が制御部242経由で環境提供部254a(図17参照)へ渡される。環境提供部254a(図17参照)により、ビル210の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号に基づいて、図17に示す風路切換部249aが第3状態の方向に切り換えられ、第1フィルタ247及び第2フィルタ248を用いて空気清浄が行われる。すなわち、2つの空気清浄部(図17に示す第1空気清浄部255、第2空気清浄部256)を用いて空気清浄が行われる。
図18に示すステップS22では、図17に示す第2フィルタ248を用いて空気清浄が行われる。すなわち、環境提供部254a(図17参照)により、図17に示す風路切換部249が第2状態の方向に切り換えられ、第2フィルタ248を用いて空気清浄が行われる。すなわち、1つの空気清浄部(図17に示す第2空気清浄部256)を用いて空気清浄が行われる。
したがって、疾病情報に基づいて稼働する空気清浄部(図17に示す第1空気清浄部255、第2空気清浄部256)の数量を制御するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄に用いるフィルタの数を増加させることが可能である。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄に用いるフィルタの数を低減させることが可能である。なお、この場合、第1フィルタ247と第2フィルタ248とは、空気清浄能力が同じであってもよい。また、図18に示すステップS22において用いられるのは、第2フィルタ248の代わりに第1フィルタ247であってもよい。
(G)図11に示すように、空気清浄システム200は、記憶装置225をさらに備えてもよい。この場合、記憶装置225に稼動スケジュール226が記憶されてもよい。この場合、制御装置21が、稼働スケジュール226の情報を記憶装置225から受け取る。制御装置21が、疾病情報と稼働スケジュール226とに基づいて制御信号を生成する。空気清浄装置240が、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247、第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。したがって、空気清浄装置240の稼働スケジュール226を記憶するので、空気清浄装置240の空気清浄能力を強くすることを低減する時間帯を設定することが可能である。このため、空気清浄装置240の空気清浄能力を強くした際に発生する騒音による弊害を低減することができる。例えば、標準的な勤務時間(例えば、9:00〜12:00、13:00〜17:00)中は、空気清浄装置240の空気清浄能力を強くしない時間帯として稼動スケジュール226を決めておくことができる。あるいは、会議を行う時間帯のみ、空気清浄装置240の空気清浄能力を強くしない時間帯として稼動スケジュール226を決めておくことができる。なお、稼動スケジュール226はあらかじめ記憶装置225に記憶されていてもよい。あるいは、空気清浄システム200に入力装置216がさらに備えられており、入力装置216を介して稼動スケジュールが入力されてもよい。
(H)図11に示すように、空気清浄システム200は、記憶装置225をさらに備えてもよい。記憶装置225に相関情報228が記憶されていてもよい。ここで、相関情報228は、図14に示すように、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、空間に対する空気清浄能力の情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率の情報である。また、ビル210は、記憶装置218をさらに備えてもよい。記憶装置218に制御データベース219が記憶されていてもよい。
図14に示すように、相関情報228には、疾病の罹患率と空気清浄能力との関係が記憶されている。例えば、図14に示す場合、疾病の罹患率と空気清浄能力との関係は、疾病の流行の度合いが高いとき(例えば、疾病の患者数が全国で1万人以上のとき)についてグラフ54で示され、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)についてグラフ55で示され、疾病の流行の度合いが低いとき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人未満のとき)についてグラフ56で示される。疾病の罹患率に関する目標値である罹患目標値がRdで示されている。図14では、疾病の罹患率がRu〜Rbの範囲の値になったときに疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になったと判断される。疾病の流行の度合いが高いとき、図14のグラフ54を参照することにより、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるようにするには、空気清浄能力をCd1付近の値になるようにすればよいことが分かる。すなわち、空気清浄能力がCu1〜Cb1の範囲の値になるようにすれば、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になることが分かる。疾病の流行の度合いが低いとき、図14のグラフ56を参照することにより、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるようにするには、空気清浄能力をCd3付近の値になるようにすればよいことが分かる。すなわち、空気清浄能力がCu3〜Cb3の範囲の値になるようにすれば、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になることが分かる。
一方、図15に示すように、制御データベース219には、空気清浄能力と空気清浄装置240において用いられるフィルタとの関係が記憶されている。制御データベース219は、主として空気清浄能力欄191とフィルタ欄192とを備える。空気清浄能力欄191には、空気清浄能力の所定の値の範囲が記憶されている。フィルタ欄192には、空気清浄装置240において用いられるフィルタを識別するための情報が記憶されている。制御データベース219を参照することにより、空気清浄能力が所定の範囲の値になるようにするために用いるべきフィルタを特定することができる。例えば、空気清浄能力がCu1〜Cb1の範囲の値になるようにするために、フィルタ247(図12参照)を用いるべきであると特定される。例えば、空気清浄能力がCu3〜Cb3の範囲の値になるようにするために、フィルタ248(図12参照)を用いるべきであると特定される。これにより、空気清浄能力が強くて運用コストが高いフィルタ247(図12参照)が過剰に用いられることが低減される。
この場合、疾病情報が、流行度情報を含む。ここで、流行度情報は、疾病の流行の度合いを示す情報である。図11に示す遠隔監視センター220の制御装置21が、流行度情報を取得する。制御装置21が、記憶装置225を参照し、相関情報228を取得する。制御装置21が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、流行度情報と相関情報228とに基づいて制御信号を生成する。例えば、疾病の流行の度合いが高いことを流行度情報が示している場合、図14に示すグラフ54が参照されて空気清浄能力がCu1〜Cb1の範囲の値になるべきであると判断され、Cu1〜Cb1の範囲の値に空気清浄能力を増やす旨の制御信号が生成される。例えば、疾病の流行の度合いが低いことを流行度情報が示している場合、図14に示すグラフ56が参照されて空気清浄能力がCu3〜Cb3の範囲の値になるべきであると判断され、Cu3〜Cb3の範囲の値に空気清浄能力を増やす旨の制御信号が生成される。疾病が流行していると判断された場合、図11に示すビル10の空気清浄装置240が、制御装置21から、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号を有線回線50経由で受け取る。ビル10の空気清浄装置240が、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対して空気清浄行う。例えば、Cu1〜Cb1の範囲の値(図14参照)に空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、図15に示す制御データベース219が参照されて図12に示すフィルタ247を用いるべきであると判断され、フィルタ247を用いて空気清浄を行うように図11に示す環境提供部254が制御される。例えば、Cu3〜Cb3の範囲の値(図14参照)に空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、図15に示す制御データベース219が参照されて図12に示すフィルタ248を用いるべきであると判断され、フィルタ248を用いて空気清浄を行うように図11に示す環境提供部254が制御される。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御装置21は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、相関情報228のみに基づいて(流行度情報は考慮せずに)、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成してもよい。このとき、図11に示す相関情報228には、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)の相関関係のみが記憶されていてもよい。すなわち、図14に示すグラフ55のみが相関情報228に記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、ビル10の空間に対して換気を行うことができる。
図15に示す制御データベース219は、ビル210ではなく遠隔監視センター220の記憶装置225に記憶されていてもよい。この場合、制御装置21から空気清浄装置240へは、空気清浄能力の制御信号として、用いられるべきフィルタの情報が有線回線50経由で送信されることになる。
図14に示す相関情報228には、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)の相関関係のみが記憶されていてもよい。すなわち、図14に示すグラフ55のみが相関情報228に記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、ビル10の空間に対して換気を行うことができる。
また、罹患率情報は、疾病の罹患率、疾病の罹患による生産性の低下率、疾病の罹患により発生する損害額(生産性の低下による逸失利益)、疾病の罹患により発生する医療費の増加率及び疾病の罹患により発生する医療費の増加額の少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。この場合、罹患率情報を詳細な情報とすることができるので、相関情報に基づいて環境提供装置を詳細に制御することができる。また、流行度情報は、全国における疾病の患者数であってもよいし、全国の人口に対する疾病の感染率であってもよいし、全国における疾病の患者数に疾病の死亡率を掛け合わせたものであってもよいし、疾病の流行の度合いを示す情報であればどのような情報であってもよい。
さらに、罹患目標値Rdは、遠隔監視センター20においてあらかじめ設定されたものであってもよいし、疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)と消費エネルギー量とのトレードオフにより演算部23であらかじめ決められたものであってもよい。例えば、疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)と消費エネルギー量とを掛け合わせた値が最小になるときの疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)が罹患目標値Rdとされてもよい。
(I)第3実施形態の変形例(H)において、図11に示す制御装置21は、稼働する空気清浄部(図17に示す第1空気清浄部255、第2空気清浄部256)の数量を制御する制御信号を生成してもよい。このとき、図15に示すフィルタ欄192には、例えば、空気清浄能力が0〜Cu1のとき「フィルタ248」と記憶され、空気清浄能力がCu1〜∞のとき「フィルタ247,248」と記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
(J)図11に示すように、空気清浄システム200は、存在検知装置215をさらに備えてもよい。この場合、存在検知装置215が、人の存在を検知する。制御装置21が、人の存在の情報を、空気清浄装置240の制御部242と受取部241と有線回線50とを介して受け取る。制御装置21が、疾病情報と人の存在の情報とに基づいて制御信号を生成する。空気清浄装置240が、制御装置21から有線回線50を経由して制御信号を受け取る。空気清浄装置240が、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、複数のフィルタ(図12に示す第1フィルタ247、第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行う。したがって、人の存在を検知するので、人が不在の場合に空気清浄装置240の空気清浄能力を無駄に強くすることを低減することができる。このため、省エネルギー化を図ることができる。なお、存在検知装置215は、空間に存在する複数の人の情報を、空気清浄装置240を経由せずに制御装置21へ渡してもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る空気清浄システム300を図19に示す。また、空気清浄システム300の各構成要素の構成図を図20に示す。図19,図20において、図10,図11の空気清浄システム200の構成要素と同様の構成要素は同じ番号で示してある。ここに示す空気清浄システム300は、主として複数の人が集まるビル310の空間に対して空気清浄を行うためのシステムである。
この空気清浄システム300は、図19,図20に示すように、基本的な構造は第3実施形態と同様であり各構成要素は図11と同様であるが、図20に示すように、空気清浄装置340が複数の空気清浄機(第1空気清浄機340a及び第2空気清浄機340b)を有する点で第3実施形態と異なる。すなわち、空気清浄装置340の第1空気清浄機340aは、第1フィルタ247a(図21参照)を含む環境提供部354aを有する。空気清浄装置340の第2空気清浄機340bは、第2フィルタ247b(図示せず)を含む環境提供部354bを有する。空気清浄装置340の第1空気清浄機340aが、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空気清浄装置340の第2空気清浄機340bが、制御装置21から有線回線50経由で制御信号を受け取る。空気清浄装置340の第1空気清浄機340aが、制御信号に基づいて、複数の人が集まるビル310の空間に対して空気清浄を行う。空気清浄装置340の第2空気清浄機340bが、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して空気清浄を行う。第1空気清浄機340aの有する第1フィルタ247a(図21参照)の空気清浄能力が、第2空気清浄機340bの有する第2フィルタ247b(図示せず)の空気清浄能力よりも強い。したがって、疾病情報に基づいて第1空気清浄機340aと第2空気清浄機340bとを切り換えるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、第1フィルタ247a(図21参照)を用いて空気清浄を行うことが可能である。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、第2フィルタ247b(図示せず)を用いて空気清浄を行うことが可能である。また、第1空気清浄機340aは、図21に示すように、風路切換部249(図12参照)を有さず、吸入路344aと第1通風路とが共通である。第2空気清浄機340bも同様である。これらの点で第3実施形態と異なる。
なお、受取部241a,241bは、受取部241(図11参照)と同様である。制御部242a,242bは、制御部242(図11参照)と同様である。吸い込み口243a、第1吹き出し口251a及びファン253a(図21参照)は、吸い込み口243,第1吹き出し口251及びファン253(図12参照)と同様である。
疾病情報に基づいて図20に示す空気清浄装置340を制御するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタ(図21に示す第1フィルタ247a)を用いて空気清浄を行うことが可能である点は、第3実施形態と同様である。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタ(図示しない第2フィルタ247b)を用いて空気清浄を行うことが可能である点も、第3実施形態と同様である。したがって、このような空気清浄システム300によっても、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することが可能である。
<第4実施形態の変形例>
(A)第1空気清浄機340aは、複数存在してもよい。第2空気清浄機340bは、複数存在してもよい。
(B)図20に示す制御装置21は、疾病情報に基づいて、稼働する空気清浄機340a,340bの台数を制御する制御信号を生成してもよい。この場合、空気清浄装置340の複数の空気清浄機(第1空気清浄機340a及び第2空気清浄機340b)が、制御装置21から制御信号を受け取る。空気清浄装置340のそれぞれの空気清浄機340a,340bが、制御信号に基づいて、複数の人が集まる空間に対して、空気清浄を行う。したがって、疾病情報に基づいて稼働する空気清浄機340a,340bの台数を制御することができるので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄に用いるフィルタ247a(図21参照)の数を増加させることができる。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄に用いるフィルタ247a(図21参照)の数を低減させることができる。なお、それぞれの空気清浄機340a,340bは、1つのフィルタ247a(図21参照)を有していてもよいし、複数のフィルタ247a,・・・(図21参照)を有していてもよい。
(C)図20に示すように、空気清浄システム300は、記憶装置225をさらに備えてもよい。記憶装置225に相関情報228が記憶されていてもよい。ここで、相関情報228は、図14に示すように、制御情報と罹患率情報との相関関係についての情報である。制御情報は、空間に対する空気清浄能力の情報である。罹患率情報は、疾病の罹患率の情報である。また、ビル310は、記憶装置318をさらに備えてもよい。記憶装置318に制御データベース319が記憶されていてもよい。
図14に示すように、相関情報228には、疾病の罹患率と空気清浄能力との関係が記憶されている。例えば、図14に示す場合、疾病の罹患率と空気清浄能力との関係は、疾病の流行の度合いが高いとき(例えば、疾病の患者数が全国で1万人以上のとき)についてグラフ54で示され、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)についてグラフ55で示され、疾病の流行の度合いが低いとき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人未満のとき)についてグラフ56で示される。疾病の罹患率に関する目標値である罹患目標値がRdで示されている。図14では、疾病の罹患率がRu〜Rbの範囲の値になったときに疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になったと判断される。疾病の流行の度合いが高いとき、図14のグラフ54を参照することにより、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるようにするには、空気清浄能力をCd1付近の値になるようにすればよいことが分かる。すなわち、空気清浄能力がCu1〜Cb1の範囲の値になるようにすれば、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になることが分かる。疾病の流行の度合いが低いとき、図14のグラフ56を参照することにより、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるようにするには、空気清浄能力をCd3付近の値になるようにすればよいことが分かる。すなわち、空気清浄能力がCu3〜Cb3の範囲の値になるようにすれば、疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になることが分かる。
一方、図22に示すように、制御データベース319には、空気清浄能力と用いられるべき空気清浄機340a,340b,・・・との関係が記憶されている。図22に示す制御データベース319は、主として空気清浄能力欄193と空気清浄機欄194とを備える。空気清浄能力欄193には、空気清浄能力の所定の値の範囲が記憶されている。空気清浄機欄194には、用いられるべき空気清浄機340a,340b,・・・を識別するための情報が記憶されている。図22に示す制御データベース319を参照することにより、空気清浄能力が所定の範囲の値になるようにするために用いられるべき空気清浄機340a,340b,・・・を特定することができる。例えば、空気清浄能力がCu1〜Cb1の範囲の値になるようにするために、空気清浄機340a(図20参照)が用いられるべきであると特定される。例えば、空気清浄能力がCu3〜Cb3の範囲の値になるようにするために、空気清浄機340b(図20参照)が用いられるべきであると特定される。これにより、空気清浄能力が強くて運用コストが高いフィルタ247a(図21参照)が過剰に用いられることが低減される。
この場合、疾病情報が、流行度情報を含む。ここで、流行度情報は、疾病の流行の度合いを示す情報である。図20に示す遠隔監視センター220の制御装置21が、流行度情報を取得する。制御装置21が、記憶装置225を参照し、相関情報228を取得する。制御装置21が、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、流行度情報と相関情報228とに基づいて制御信号を生成する。例えば、疾病の流行の度合いが高いことを流行度情報が示している場合、図14に示すグラフ54が参照されて空気清浄能力がCu1〜Cb1の範囲の値になるべきであると判断され、Cu1〜Cb1の範囲の値に空気清浄能力を増やす旨の制御信号が生成される。例えば、疾病の流行の度合いが低いことを流行度情報が示している場合、図14に示すグラフ56が参照されて空気清浄能力がCu3〜Cb3の範囲の値になるべきであると判断され、Cu3〜Cb3の範囲の値に空気清浄能力を増やす旨の制御信号が生成される。疾病が流行していると判断された場合、図20に示すビル10の空気清浄機340a,340b,・・・が、制御装置21から、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号を有線回線50経由で受け取る。ビル10の空気清浄機340a,340b,・・・が、ビル10の空間に対する空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、ビル10の空間に対して空気清浄を行う。例えば、Cu1〜Cb1の範囲の値(図14参照)に空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、図22に示す制御データベース319が参照されて図20に示す空気清浄機340aが用いられるべきであると判断され、フィルタ247a(図21参照)が用いられて空気清浄が行われるように環境提供部354aが制御される。例えば、Cu3〜Cb3の範囲の値(図14参照)に空気清浄能力を増やす旨の制御信号に基づいて、図22に示す制御データベース319が参照されて図20に示す空気清浄機340bが用いられるべきであると判断され、フィルタ247b(図示せず)が用いられて空気清浄が行われるように環境提供部354bが制御される。
したがって、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の適度に強いフィルタを用いて空気清浄を行うことができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
なお、制御装置21は、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように、相関情報228のみに基づいて(流行度情報は考慮せずに)、ビル10の空間に対する換気量を増加する旨の制御信号を生成してもよい。このとき、図20に示す相関情報228には、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)の相関関係のみが記憶されていてもよい。すなわち、図14に示すグラフ55のみが相関情報228に記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、ビル10の空間に対して換気を行うことができる。
図22に示す制御データベース319は、ビル310ではなく遠隔監視センター220の記憶装置225に記憶されていてもよい。この場合、制御装置21から空気清浄機340a,340b,・・・へは、空気清浄能力の制御信号として、用いられるべき空気清浄機340a,340b,・・・の情報が有線回線50経由で送信されることになる。
図14に示す相関情報228には、疾病の流行の度合いが中位とき(例えば、疾病の患者数が全国で5千人〜1万人のとき)の相関関係のみが記憶されていてもよい。すなわち、図14に示すグラフ55のみが相関情報228に記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないようにしながら無駄な消費エネルギーの増加を抑えるように、ビル10の空間に対して換気を行うことができる。
また、罹患率情報は、疾病の罹患率、疾病の罹患による生産性の低下率、疾病の罹患により発生する損害額(生産性の低下による逸失利益)、疾病の罹患により発生する医療費の増加率及び疾病の罹患により発生する医療費の増加額の少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。この場合、罹患率情報を詳細な情報とすることができるので、相関情報に基づいて環境提供装置を詳細に制御することができる。また、流行度情報は、全国における疾病の患者数であってもよいし、全国の人口に対する疾病の感染率であってもよいし、全国における疾病の患者数に疾病の死亡率を掛け合わせたものであってもよいし、疾病の流行の度合いを示す情報であればどのような情報であってもよい。
さらに、罹患目標値Rdは、遠隔監視センター20においてあらかじめ設定されたものであってもよいし、疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)と消費エネルギー量とのトレードオフにより演算部23であらかじめ決められたものであってもよい。例えば、疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)と消費エネルギー量とを掛け合わせた値が最小になるときの疾病の罹患率(又は生産性の低下率など)が罹患目標値Rdとされてもよい。
(D)第4実施形態の変形例(C)において、図20に示す制御装置21は、稼働する空気清浄機(図20示す空気清浄機340a、空気清浄機340b)の数量を制御する制御信号を生成してもよい。このとき、図22に示す空気清浄機欄194には、例えば、空気清浄能力が0〜Cu1のとき「空気清浄機340b」と記憶され、空気清浄能力がCu1〜∞のとき「空気清浄機340a,340b」と記憶されていてもよい。この場合でも、疾病が流行したときの疾病の罹患率が罹患目標値Rd付近の値になるように制御信号を生成するので、疾病の流行が発生したときに、疾病の感染が進行しないように、空気清浄に用いるフィルタの数を適度に増加させることができる。この結果、過剰に空気清浄能力を強化することが低減されるので、無駄な運用コストの増加を抑えることができるため、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る空気清浄システム400を図23に示す。また、空気清浄システム400の各構成要素の構成図を図24に示す。図23,図24において、図10,図11の空調制御システム200の構成要素と同様の構成要素は同じ番号で示してある。ここに示す空気清浄システム400は、主として複数の人が集まるビル410の空間に対して空気清浄を行うためのシステムである。
この空気清浄システム400は、図23,図24に示すように、基本的な構造は第3実施形態と同様であり各構成要素は図11と同様であるが、遠隔監視センター220と有線回線50とが備えられていない点で構成が異なる。すなわち、図24に示すように、ビル410の空気清浄装置440は、制御装置421をさらに備える。ビル410の空間に対する空気清浄能力を強める旨の制御信号は、空気清浄装置440の内部配線を経由して、制御装置421の受渡部424から空気清浄装置440の受取部441へ渡される点で、第3実施形態と異なる。
疾病情報に基づいて図24に示す空気清浄装置440を制御するので、疾病の流行が発生したときに疾病の感染が進行しないように、空気清浄能力の強いフィルタ(図12に示す第1フィルタ247)を用いて空気清浄を行うことが可能である点は、第3実施形態と同様である。また、疾病の流行が発生していないときに運用コストを低減できるように、空気清浄能力の弱いフィルタ(図12に示す第2フィルタ248)を用いて空気清浄を行うことが可能である点も、第3実施形態と同様である。したがって、このような空気清浄システム400によっても、運用コストの低減化を図りながら疾病の感染を低減することが可能である。
<第5実施形態の変形例>
(A)制御装置421は、空気清浄装置440と別に構成されていてもよい。この場合、制御装置421の受渡部424と空気清浄装置440の受取部441とは、ビル410におけるLAN回線で接続されることになる。空気清浄装置440は、記憶装置225をさらに備えていてもよい。