JP4604252B2 - 複数色表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数色表示システムに係わりに、たとえば通信機器本体とアンテナとを分離し、かつアンテナの配置された側の筐体にインジケータとしての機能を具備させる場合に好適な複数色表示システムに関する。
通信機器本体とアンテナユニットを分離して、これらの間を同軸ケーブルで接続した通信機器が各種存在している。同軸ケーブルは、外界からの不要な電磁波を通信機器本体に伝達させないために用いられている。このような通信機器の一例を挙げると、アンテナ分離式ETC(Electronic Toll Collection)車載器、アンテナ分離式GPS(Global Positioning System)受信機器、インジケータ付き外付けアンテナを備えた無線LAN(Local Area Network)装置、あるいは携帯電話用のインジケータ付き外付けアンテナのようなものがある。
このような通信機器では、ユーザからアンテナユニットがよく見えても、これと同軸ケーブルで接続された通信機器本体が見えにくい場所に配置されることも多い。そこで、アンテナユニットには通信機器本体の状態を一目で分かるようにするためにインジケータが搭載されているのが通常である(たとえば特許文献1参照)。通信機器本体の各種の状態をアンテナユニット側のインジケータで表示するためには、これらの間に専用の信号線を設けることも可能であるが、両者の間には同軸ケーブルが接続されている。そこで、この同軸ケーブルに直流を重畳させて通信機器本体側の信号をアンテナユニット側のインジケータを表示することが本発明の関連技術として存在している。同軸ケーブルは、以上のような用途だけでなくアンテナユニット側に電波増幅用の増幅器を設けたときにこれに通信機器本体側から電源を供給するためにも使用されている。
図8は、アンテナユニット側にインジケータを設けるようにした通信機器の構成の一例を表わしたものである。本発明に関連するこの通信機器800は、通信機器本体801と、アンテナユニット802とを同軸ケーブル803で接続した構成となっている。同軸ケーブル803は、芯線811の周囲をシールド線812で覆ったものである。シールド線812は通信機器本体801とアンテナユニット803の双方で接地されている。
通信機器本体801は、同軸ケーブルの芯線811と直流阻止用のコンデンサ821を介して接続されたRF(Radio Frequency)受信・送信回路822を備えている。また、芯線811に一端を接続した直流分離用のインダクタ823の他端は、アンテナユニット802側のアンテナの接続を検出するためのアンテナ検出回路824と、直流重畳回路825および直流分離回路としてのコンデンサ826の一端にそれぞれ接続されている。コンデンサ826他端は接地されている。
直流重畳回路825は、アンテナユニット802側に同軸ケーブル803を介してインジケータ用の信号を重畳させるための回路である。この通信機器800では電源831の供給を受けるトランジスタスイッチ回路832を備えている。トランジスタスイッチ回路832には、表示用信号835が内部のトランジスタのオン・オフを制御する制御信号として供給されるようになっている。表示用信号835は、アンテナユニット802側での表示を制御するための図示しない表示制御回路から出力されるようになっている。トランジスタスイッチ回路832のオン・オフ制御される出力側は、電流制限抵抗838の一端に接続されている。電流制限抵抗838の他端側は直流分離用のインダクタ823の前記した他端側に接続されている。
直流重畳回路825で、表示用信号835が表示のためにオン状態となると、トランジスタスイッチ回路832がオンとなって、その間だけ電源831による所定の電位がインダクタ823の前記した他端側に現われる。
一方、アンテナユニット802は、同軸ケーブルの芯線811に内蔵アンテナ841を接続すると共に、直流分離用のインダクタ842の一端を接続している。このインダクタ842の他端には、一端を接地した直流分離用のコンデンサ843の他端と、一端を接地したアンテナ検出用抵抗844の他端と、インジケータ845の一端がそれぞれ接続されている。インジケータ845は、その一端側にこれを構成するLED(Light Emitting Diode)のアノード側を接続しており、カソード側は接地されている。
このような通信機器800で、RF受信・送信回路822はコンデンサ821および同軸ケーブル803の芯線811を介して内蔵アンテナ841と接続されている。したがって、内蔵アンテナ841の受信した電波はRF受信・送信回路822に送られて受信データの処理が行われる。また、RF受信・送信回路822の作成した送信データは内蔵アンテナ841に送られて、外部に電波が放出される。インジケータ845はLEDとなっており、表示用信号835によってトランジスタスイッチ回路832がオンになると、その間だけ点灯する。
実用新案登録第3057270号公報(第0006段落、図1)
ところで通信機器本体とアンテユニットが同軸ケーブルのみで接続されているときは、アンテナユニット側のインジケータが伝送されてくる信号の関係から1種類の状態表示を行うことしかできなかった。もちろん、同軸ケーブルの他にインジケータ用の信号線を更に配置する場合には、この信号線を使用して、より多くの状態表示を行うことができる。しかしながら、この場合には通信機器本体とアンテユニットを接続するケーブルがその分だけ太くなるだけでなく、コストもアップするという問題があった。
また、一般に表示用ユニット側に線路を増設せずに表示のための信号を伝送するとき、表示色の切り替えが困難であった。
そこで本発明の目的は、アンテナと通信機器本体の間に接続された同軸ケーブルを使用して、アンテナ側のユニットでインジケータを複数点灯させて表示を行うことのできる複数色表示システムを提供することにある。
本発明では、(イ)残像現象を利用して連続光として認識される予め定めた短い特定周期で論理を交互に反転させる方形波信号を生成する方形波信号生成手段と、(ロ)第1の表示を行う第1の表示指示信号を前記した方形波信号生成手段によって生成した方形波信号と論理積をとる第1の表示指示信号整形手段と、(ハ)第2の表示を行う第2の表示指示信号を前記した方形波信号生成手段によって生成した方形波信号の論理を反転したものと論理積をとる第2の表示指示信号整形手段と、(ニ)前記した第1の表示指示信号整形手段および第2の表示指示信号整形手段によって論理積をとることでそれぞれ整形した信号を、これら整形後の信号とは異なる無線通信用の信号の伝送用に設けられた1本の同軸ケーブルの一端にそれぞれ異なった極性の信号として重畳して前記した1本の同軸ケーブルの他端に接続された表示用ユニットに伝送する信号伝送手段と、(ホ)前記した表示用ユニット側に配置され、第1の極性の信号に対して第1の表示色で発色する第1の表示手段と、(へ)前記した表示用ユニット側に配置され、第1の極性と反対の第2の極性の信号に対して第1の表示色と異なる第2の表示色で発色する第2の表示手段とを複数色表示システムが具備する
以上説明したように本発明によれば、本来の信号に重畳する形で表示用のユニット側に、異なった信号特性の信号を表示のために伝送することにした。これにより、同軸ケーブルや他の線路を表示用に増設することなく、表示用のユニット側で複数色の表示が可能になる。このため、通信機器あるいは複数色表示システムで簡易に複数色の表示が可能になるだけでなく、線路を増設しないので、表示用のユニットとの線路の接続が従来のコネクタでそのまま可能であるという実用上の効果がある。
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例における通信機器の構成を表わしたものである。この通信機器100は、通信機器本体101と、アンテナユニット102とを同軸ケーブル103で接続した構成となっている。同軸ケーブル103は、芯線111の周囲をシールド線112で覆ったものである。シールド線112は通信機器本体101とアンテナユニット103の双方で接地されている。
通信機器本体101は、同軸ケーブルの芯線111と直流阻止用のコンデンサ121を介して接続されたRF(Radio Frequency)受信・送信回路122を備えている。また、芯線111に一端を接続した直流分離用のインダクタ123の他端は、アンテナユニット102側のアンテナの接続を検出するためのアンテナ検出回路124と、直流重畳回路125および直流分離回路としてのコンデンサ126の一端にそれぞれ接続されている。コンデンサ126他端は接地されている。
直流重畳回路125は、アンテナユニット102側に同軸ケーブル103を介してインジケータ用の信号を重畳させるための回路である。本実施例では正電源131の供給を受ける第1のトランジスタスイッチ回路132と、負電源133の供給を受ける第2のトランジスタスイッチ回路134の2種類のトランジスタによるスイッチ回路を備えている。第1のトランジスタスイッチ回路132には、第1の表示用信号135が内部のトランジスタのオン・オフを制御する制御信号として供給されるようになっている。また、第2のトランジスタスイッチ回路134には、第2の表示用信号136が内部のトランジスタのオン・オフを制御する制御信号として供給されるようになっている。これら第1および第2の表示用信号135は、アンテナユニット102側での表示を制御するための表示制御回路137から出力される。
第1のトランジスタスイッチ回路132のオン・オフ制御される出力側は、第1の電流制限抵抗138の一端に接続されている。同様に第2のトランジスタスイッチ回路134のオン・オフ制御される出力側は、第2の電流制限抵抗139の一端に接続されている。第1および第2の電流制限抵抗138、139の他端側は共に直流分離用のインダクタ123の前記した他端側に共通接続されている。
このような直流重畳回路125では、第1の表示用信号135が表示のためにオン状態となると、第1のトランジスタスイッチ回路132がオンとなって、その間だけ正電源131による正の電位がインダクタ123の前記した他端側に現われる。また、第2の表示用信号136が表示のためにオン状態となると、第2のトランジスタスイッチ回路134がオンとなって、その区間だけ負電源133による負の電位がインダクタ123の前記した他端側に現われることになる。
一方、アンテナユニット102は、同軸ケーブルの芯線111に内蔵アンテナ141を接続すると共に、直流分離用のインダクタ142の一端を接続している。このインダクタ142の他端には、一端を接地した直流分離用のコンデンサ143の他端と、一端を接地したアンテナ検出用抵抗144の他端と、第1および第2のインジケータ145、146のそれぞれ一端が接続されている。このうち第1のインジケータ145は、その一端側にこれを構成するLED(Light Emitting Diode)のアノード側を接続しており、カソード側は接地されている。これに対して、第2のインジケータ146は、その一端側にこれを構成するLEDのカソード側を接続しており、アノード側は接地されている。
このような第1の実施例の通信機器100で、RF受信・送信回路122はコンデンサ121および同軸ケーブル103の芯線111を介して内蔵アンテナ141と接続されている。したがって、内蔵アンテナ141の受信した電波はRF受信・送信回路122に送られて受信データの処理が行われる。また、RF受信・送信回路122の作成した送信データは内蔵アンテナ141に送られて、外部に電波が放出される。
ところで表示制御回路137は、通信機器本体101内の図示しない制御用のCPU(Central Processing Unit)が同じく図示しないROM(Read Only Memory)等のメモリに格納した制御プログラムを実行することによって、アンテナユニット102内の第1および第2のインジケータ145、146の表示制御を行うようになっている。本実施例で正電源131は+5V(ボルト)となっており、負電源133は−3.3Vとなっている。また、第1のインジケータ145は緑色の発色を行うLEDであり、第2のインジケータ146は赤色の発色を行うLEDとなっている。通信機器本体101内の第1の電流制限抵抗138は、第1のインジケータ145の点灯時の明るさを調整する抵抗であり、第2の電流制限抵抗139は、第2のインジケータ146の点灯時の明るさを調整する抵抗である。
図2は、この表示制御回路の表示制御の例を表わしたものである。図1と共に説明する。前記したCPUは、第1のインジケータ145による緑色の表示点灯制御に関してRF受信・送信回路122の受信感度が良好であるかどうか(ステップS201)と、データの送信中であるかどうか(ステップS202)のチェックを行うようになっている。また、第2のインジケータ146による赤色の表示点灯制御に関して、所定のデータエラーが発生したかどうか(ステップS203)と、受信感度が不良であるかどうか(ステップS204)のチェックを行うようになっている。
このうち、受信感度が良好であると判別されている状態では(ステップS201:Y)、表示制御回路137が第1の表示用信号135を連続的にオンにする(ステップS205)。これにより、正の電圧が同軸ケーブルの芯線111を伝送される送受信用の信号に重畳してアンテナユニット102側に伝送される。そして、インダクタ142を経由して第1および第2のインジケータ145、146の一端に印加される。この一端にはこのとき正の電圧が印加されるので、第1のインジケータ145のみが点灯し、緑色の連続光が出力される。これにより、ユーザは通信機器100が良好な受信状態にあることを知ることができる。
また、ユーザがデータの送信を行うような場合には(ステップS202:Y)、表示制御回路137が第1の表示用信号135をたとえば1秒間隔で送信中にオン・オフさせる(ステップS206)。これにより、正の電圧が断続的に同軸ケーブルの芯線111を伝送される送受信用の信号に重畳してアンテナユニット102側に伝送される。この結果、第1のインジケータ145のみが断続的に点灯し、緑色の光が点滅する。これにより、ユーザは通信機器100がデータの送信中であることを知ることができる。
更に、相手側の通信にデータエラーが検出された場合には(ステップS203:Y)、表示制御回路137が第2の表示用信号136を連続的にオンにする(ステップS207)。これにより、負の電圧が同軸ケーブルの芯線111を伝送される送受信用の信号に重畳してアンテナユニット102側に伝送される。そして、インダクタ142を経由して第1および第2のインジケータ145、146の一端に印加される。この一端にはこのとき負の電圧が印加されるので、第2のインジケータ146のみが点灯し、赤色の連続光が出力される。これにより、ユーザはデータエラーに関する障害の発生を知ることができる。
なお、本実施例で使用されているアンテナ検出回路124は、内蔵アンテナ141が何らかの原因でアンテナユニット102側で抜けた状態となったことを通信機器本体101側で検出する回路である。万が一、同軸ケーブル103の接続を忘れたり、外来的な要因で同軸ケーブル103が抜けた場合、通信機器本体101側から見て、プルダウン抵抗としてのアンテナ検出用抵抗144が存在しなくなるので、アンテナ検出回路124は内蔵アンテナ141の未接続を検知することができる。ただし、この場合には、アンテナユニット102に通信機器本体101側から電源131、133が供給されなくなり、第1のインジケータ145や第2のインジケータ146はその異常事態を表示することができない。そこで、このような事態が発生した場合、通信機器本体101内の図示しないブザー発話ユニットが鳴動してユーザに障害の発生を通知するようになっている。
また、図示しない無線基地局から離れすぎている等の理由で受信感度が不良な状態となっていると判別されている状態では(ステップS204:Y)、表示制御回路137が第2の表示用信号136をたとえば1秒間隔でオン・オフさせる(ステップS208)。これにより、負の電圧が断続的に同軸ケーブルの芯線111を伝送される送受信用の信号に重畳してアンテナユニット102側に伝送される。この結果、第2のインジケータ146のみが断続的に点灯し、赤色の光が点滅する。これにより、ユーザは通信機器100の受信状態が不良であることを知ることができる。
以上説明したように第1の実施例によれば、通信機器本体101の内部に正電源131と負電源133が備えられている場合、アンテナユニット102側にLEDを1個追加すると共に、通信機器本体101側の制御プログラムを変更するだけで、インジケータが表示色を使い分けた表示を行うことを安価に実現することができる。しかも通信機器本体101とアンテナユニット102の変更にとどまるので、将来、両者の間の接続ケーブルを交換しても、これによって表示に関する機能が制限されることはない。
図3は、本発明の第2の実施例における通信機器の構成を表わしたものである。図3に示した通信機器100Aで図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第2の実施例の通信機器本体101Aでは、直流重畳回路125Aの電源131Aと電源133Aが正のそれぞれ異なった電圧を出力するようになっている。この実施例では一方の電源131Aが+3.3Vを出力するようになっており、他方の電源133Aが+5Vを出力するようになっている。表示制御回路137Aから出力される第1の表示用信号135Aは、第1のトランジスタスイッチ回路132Aを構成するトランジスタのオン・オフを制御する制御信号としての電圧に設定されている。同様に、表示制御回路137Aから出力される第2の表示用信号136Aは、第2のトランジスタスイッチ回路134Aを構成するトランジスタのオン・オフを制御する制御信号としての電圧に設定されている。
また、第1のトランジスタスイッチ回路132Aの出力側に接続された第1の電流制限抵抗138Aおよび第2のトランジスタスイッチ回路134Aの出力側に接続された第2の電流制限抵抗139Aは、アンテナユニット102A側でたとえば直流分離用のインダクタ142以降の回路部分が何らかの原因で接地したような場合に、電源131Aあるいは電源133Aが直接接地される事態を防止する役割を持っている。
一方、アンテナユニット102Aでは、芯線111に一端を接続したインダクタ142の他端は、直流分離用のコンデンサ143とアンテナ検出用抵抗144に接続される他に、電圧検出器301の検出端子と、低電圧側制御トランジスタ302のエミッタと、第2のインジケータ用電流制限抵抗303の一端に接続されている。この第2のインジケータ用電流制限抵抗303の他端には第2のインジケータ146Aを構成するLEDのアノードが接続されており、カソードは高電圧側制御トランジスタ304を構成するNチャネルMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)のドレインDに接続されている。NチャネルMOS−FET304のソースSは接地されており、ゲートGは第1および第2の抵抗305、306の直列回路を介して、低電圧側制御トランジスタ302を構成するPチャネルバイポーラトランジスタのベースに接続されている。また、第1の抵抗305と第2の抵抗306の接続点307には、電圧検出器301の出力端子が接続されている。この接続点307は、電圧検出器301の検出結果に基づいてH(ハイ)インピーダンスあるいはL(ロー)インピーダンスに保たれるようになっている。
低電圧側制御トランジスタ302のコレクタには第1のインジケータ用電流制限抵抗308の一端が接続されており、その他端は第1のインジケータ145のアノードに接続されている。第1のインジケータ145のカソードは接地されている。すなわち、第1のインジケータ145はそのアノードとカソードの配列が第1の実施例と全く同一であるが、第2のインジケータ146Aの方は、第1の実施例の図1に示した第2のインジケータ146と比較するとアノードとカソードの配列が逆となっている。
このような第2の実施例の通信機器100Aで電圧検出器301はその検出端子に入力する電圧EINを検出して、これがしきい値ETHを超える場合に接続点307側をHインピーダンス状態とする。また、電圧EINがしきい値ETH以下の場合には接続点307側をLインピーダンス状態とする。ここでしきい値ETHは、通信機器本体101A側で電源131Aの+3.3Vの電圧が第1のトランジスタスイッチ回路132Aから出力されたときの電圧EIN1よりも高い電圧値であり、電源133Aの+5Vの電圧が第2のトランジスタスイッチ回路134Aから出力されたときの電圧EIN2よりも低い値であり、次の(1)式によって表わされる。
IN1≦ETH<EIN2……(1)
たとえば、しきい値ETHは、電圧EIN1と電圧EIN2を加算して2で割った値に設定される。
今、表示制御回路137Aから第1の表示用信号135Aが出力されたとする。すると、電圧検出器301の検出端子の検出する電圧は電圧EIN1であり、しきい値ETH以下となる。これにより、電圧検出器301は接続点307をLインピーダンスとする。この状態で低電圧側制御トランジスタ302はエミッタとコレクタの間がオンとなる。これにより、低電圧側制御トランジスタ302のコレクタを介して第1のインジケータ145に電流が流れ、緑色の発色で点灯が行われる。
このとき、低電圧側制御トランジスタ302のエミッタ側の接続点からプラス側の電圧が第2のインジケータ用電流制限抵抗303を介して、第2のインジケータ146Aを構成するLEDのアノードに印加される。しかしながら、第2のインジケータ146Aのカソード側に接続された高電圧側制御トランジスタ304がこの状態でオフとなっている。したがって、第2のインジケータ146Aはこの状態で点灯しない。
次に、表示制御回路137Aから第2の表示用信号136Aが出力された場合を説明する。この場合、電圧検出器301の検出端子の検出する電圧は電圧EIN2であり、しきい値ETHを超える。これにより、電圧検出器301は接続点307側をHインピーダンスの状態とする。この状態で低電圧側制御トランジスタ302はオフとなる。これにより、第1のインジケータ145は消灯状態となる。
このとき、低電圧側制御トランジスタ302のエミッタ側の接続点からプラス側の電圧が第2のインジケータ用電流制限抵抗303を介して、第2のインジケータ146Aを構成するLEDのアノードに印加される。この状態で高電圧側制御トランジスタ304はオンとなる。したがって、第2のインジケータ146Aに電流が流れ、赤色の発色で点灯が行われる。
この第2の実施例の通信機器100Aでは、第1のインジケータ145と第2のインジケータ146Aの一方が点灯しているとき他方が必ず消灯するという相補的な点灯制御が行われる。したがって、たとえば内蔵アンテナ141あるいは受信状態の正常と異常を択一的に表示したり、送信状態と受信状態を択一的に表示するといった用途に使用することができる。
以上説明した第2の実施例と異なって、電圧検出器301が、電源131A(たとえば+3.3V)の電圧と電源133A(たとえば+5V)の電圧のいずれが印加されているかをしきい値ETHで判別すると共に、これらのいずれの電圧も印加されていない状態(たとえば重畳分の電圧が0V)を他のしきい値で判別できるようにしてもよい。これにより、第1のインジケータ145と第2のインジケータ146Aをそれぞれが時間的に重複しない範囲で独立して点灯制御することができる。
この第2の実施例によれば、たとえば1種類の正の電源しか存在しないような場合であっても、抵抗回路による分圧等の手法によって複数の出力電圧の電源を簡易に作成することができ、インジケータの表示の多様性に役立てることができる。
図4は、本発明の第3の実施例における通信機器の構成を表わしたものである。図4に示した通信機器100Bで図3と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第3の実施例の通信機器本体101Bで、直流重畳回路125B内の表示制御回路137Bが第1の表示用信号135Aと第2の表示用信号136Aをそれぞれ出力する点で、図3に示した表示制御回路137Aと同一である。第1の表示用信号135Aを入力する第1のトランジスタスイッチ回路132Aおよび第2の表示用信号136Aを入力する第2のトランジスタスイッチ回路134Aも第2の実施例と変わりない。
しかしながら第3の実施例の通信機器本体101Bの場合には、第1の実施例の図1に示した負電源133に相当する負電源401が用意されており、これが図1に示した第2のトランジスタスイッチ回路134に対応する第3のトランジスタスイッチ回路402に供給されるようになっている。表示制御回路137Bは、この第3のトランジスタスイッチ回路402に第3の表示用信号403の供給も行うようになっている。第3のトランジスタスイッチ回路402の出力側には第3の電流制限抵抗404の一端が接続されており、その他端は第1の電流制限抵抗138Aおよび第2の電流制限抵抗139Aと共に、芯線111に一端を接続した直流分離用のインダクタ123の他端側に接続されている。
このような直流重畳回路125Bでは、一番目の電源131Aが+3.3Vを出力し、二番目の電源133Aが+5Vを出力する。三番目の負電源401は−3.3Vを出力する。もちろん、それぞれの電源131A、133A、401の出力する電圧はこれらに限定されるものではない。要は三番目の負電源401がアンテナユニット102B側がLEDを表示駆動するだけの電圧を出力するものであればよい。
一方、アンテナユニット102B側は、図3に示した第2の実施例のアンテナユニット102Aに第3のインジケータ411を追加した構成となっている。第3のインジケータ411はたとえば白色に発色するLEDで構成されており、そのカソード側が低電圧側制御トランジスタ302のエミッタ側に接続されている。第3のインジケータ411のアノード側は接地されている。
このような第3の実施例の通信機器100Bで、直流重畳回路125B内の表示制御回路137Bが第1の表示用信号135Aを出力した場合、および第2の表示用信号136Aを出力した場合の動作は第2の実施例と全く同様である。これらの場合、第3のインジケータ411のカソード側に正の電圧が印加される。したがって、第3のインジケータ411は消灯状態を保つことになる。
一方、表示制御回路137Bから第3の表示用信号403が出力されると、電圧検出器301の検出する電位に拘わらず低電圧側制御トランジスタ302はオフとなる。また、この状態では第1のインジケータ145および第2のインジケータ146Aとアノードとカソードの接続方向が逆となっている第3のインジケータ411が点灯する。したがって、第3の表示用信号403の出力されるタイミングで第3のインジケータ411が白色に発色することになる。この結果、表示制御回路137Bの制御によって、第1および第2の実施例よりも複雑な表示制御が可能になる。
図5は、本発明の第4の実施例における通信機器の構成を表わしたものである。図5に示した通信機器100Cで図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第4の実施例の通信機器本体101は、図1に示した第1の実施例と構成上で同一である。ただし、第4の実施例では第1の実施例でインジケータをLEDで構成していたものを白熱電球で構成している。したがって、正電源131および負電源133の出力電圧は、使用する白熱電球の特性に応じて適宜変更することになる。
第4の実施例でアンテナユニット102C側には、直流分離用のインダクタ142と直流分離用のコンデンサ143およびアンテナ検出用抵抗144の共通接続点501に第1のダイオード502のアノード側と第2のダイオード503のカソード側を接続している。第1のダイオード502のカソード側には、第1のインジケータ505を構成する第1の白熱電球のフィラメントの一端が接続されており、そのフィラメントの他端は接地されている。また、第2のダイオード503のアノード側には、第2のインジケータ506を構成する第2の白熱電球のフィラメントの一端が接続されており、そのフィラメントの他端は接地されている。
このような構成の第4の実施例の通信機器100Cによれば、LEDの代わりとして2つの白熱電球を点灯制御することができる。これら第1および第2のインジケータ505、506の発光する色を適宜選択することができることは当然である。また、通常の白熱電球の他に、ネオン電球、蛍光灯等の各種の発光手段を製品の特徴に応じて使い分けることができることも当然である。
図6は、本発明の第5の実施例における通信機器の構成を表わしたものである。図6に示した通信機器100Dで図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第5の実施例のアンテナユニット102は、図1に示した第1の実施例と構成上で同一である。ただし、本実施例では第1のインジケータ145と第2のインジケータ146の混合色を利用して、緑色と赤色およびこれらを混合した場合の黄色の合計3色を再現するようにしている。したがって、第1のインジケータ145と第2のインジケータ146の発色が重なるように両者を近接して配置することが好ましい。
通信機器本体101Dの方は、直流重畳回路125Dを構成する表示制御回路137Dから出力される第1および第2の表示用信号135D、136Dと、方形波生成回路601から出力される100HZの方形波信号602とがロジック回路603に供給されるようになっている。ロジック回路603は、第1の表示用信号135Dを一方の入力端子に入力する第1のアンド回路605と、第2の表示用信号136Dを一方の入力端子に入力する第2のアンド回路606と、方形波信号602の論理を反転させるインバータ607を備えている。インバータ607で反転させる前の方形波信号602は第1のアンド回路605の他方の入力端子の入力となり、反転後の方形波信号608は第2のアンド回路606の他方の入力端子の入力となるようになっている。
第1のトランジスタスイッチ回路132は、正電源131と、第1のアンド回路605から出力される第1のロジック出力信号611を入力するようになっている。第1のロジック出力信号611は方形波生成回路601から出力される100HZの方形波信号602との論理積をとった信号なので、100HZの周期で+5Vをオン・オフさせる信号を出力するようになっている。したがって表示制御回路137Dから第1の表示用信号135Dのみが出力される状態では、第1のインジケータ145のみが100HZの周期で点灯し、ユーザは残像によって緑色の連続光が出力されているように判別する。第1の電流制限抵抗138は輝度を適正な値に設定するために使用されている。
一方、第2のトランジスタスイッチ回路134は、負電源132と、第2のアンド回路606から出力される第2のロジック出力信号612を入力するようになっている。第2のロジック出力信号612は方形波生成回路601から出力される100HZの方形波信号602の論理をインバータ607によって反転させた(位相を180度ずらした)方形波信号608との論理積をとった信号である。したがって第2のロジック出力信号612は、第1のロジック出力信号611がオンのときにオフとなり、オフのときにオンとなる信号を出力するようになっている。このため表示制御回路137Dから第2の表示用信号136Dのみが出力される状態では、第2のインジケータ146のみが100HZの周期で点灯し、ユーザは残像によって赤色の連続光が出力されているように判別する。第2の電流制限抵抗139は輝度を適正な値に設定するために使用されている。
次に表示制御回路137Dから第1および第2の表示用信号135D、136Dが同時に出力される場合について説明する。この場合には、第1のインジケータ145と第2のインジケータ146が互い違いにオン・オフする。この結果、緑色と赤色の明色混合によって、ユーザは緑色と赤色の残像による加色混合で黄色が発色していると判別する。すなわち、本実施例では表示制御回路137Dが3種類の信号を切り替えて出力することで、2つのインジケータを使用して3色の表示を使い分けることができる。
なお、この第5の実施例で緑色と赤色をそれぞれ単独で発色させるときと、両者を共に交互に発光させて黄色に発色させるときとで輝度が相違するような場合には、第1および第2の表示用信号135D、136Dが同時に出力される場合を他のアンド回路で論理積をとり、このタイミングで第1および第2の電流制限抵抗138、139の抵抗値を調整するようにすればよい。このような回路は、第1および第2の電流制限抵抗138、139自体を可変抵抗にしたり、これらの電流制限抵抗138、139と並列に抵抗値調整用の抵抗とスイッチの直列回路を接続するといったような手法を採ることで実現することができる。
図7は、本発明の第6の実施例における通信機器の構成を表わしたものである。図7に示した通信機器100Eで図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第6の実施例で通信機器本体101は、第1の実施例と同一である。第6の実施例では外付けアンテナ701を使用しており、これをインジケータユニット702の外部に取り付けた構成となっている。したがって、同軸ケーブル103の一端を取り付けたインジケータユニット702内には内蔵アンテナ141(図1参照)が配置されていない。インジケータユニット702内のその他の構成はアンテナユニット102と同一であるので、その説明を省略する。
以上説明したように同軸ケーブル103は第6の実施例のように外付けアンテナ701に接続されていてもよいし、インジケータの配置された筐体に内蔵された内蔵アンテナ141であってもよい。もちろん、内蔵アンテナ141と外付けアンテナ701の両方を備えるような構成であってもよい。
本発明の第1の実施例における通信機器の構成を表わした回路図である。 第1の実施例における表示制御回路の表示制御の様子を表わした流れ図である。 本発明の第2の実施例における通信機器の構成を表わした回路図である。 本発明の第3の実施例における通信機器の構成を表わした回路図である。 本発明の第4の実施例における通信機器の構成を表わした回路図である。 本発明の第5の実施例における通信機器の構成を表わした回路図である。 本発明の第6の実施例における通信機器の構成を表わした回路図である。 アンテナユニット側にインジケータを設けるようにした通信機器の構成の一例を表わした回路図である。
符号の説明
100、100A、100B、100C、100D、100E 通信機器
101、101A、101B、101D 通信機器本体
102、102A、102B、102C アンテナユニット
103 同軸ケーブル
122 RF受信・送信回路
131 正電源
131A、133A 電源
132、132A 第1のトランジスタスイッチ回路
133、401 負電源
134、134A 第2のトランジスタスイッチ回路
137、137A、137B、137D 表示制御回路
141 内蔵アンテナ
145 第1のインジケータ
146、146A 第2のインジケータ
301 電圧検出器
302 低電圧側制御トランジスタ
304 高電圧側制御トランジスタ
402 第3のトランジスタスイッチ回路
411 第3のインジケータ
502 第1のダイオード
503 第2のダイオード
505 第1のインジケータ
506 第2のインジケータ
601 方形波生成回路
605 第1のアンド回路
606 第2のアンド回路
608 方形波信号
701 外付けアンテナ
702 インジケータユニット

Claims (5)

  1. 残像現象を利用して連続光として認識される予め定めた短い特定周期で論理を交互に反転させる方形波信号を生成する方形波信号生成手段と、
    第1の表示を行う第1の表示指示信号を前記方形波信号生成手段によって生成した方形波信号と論理積をとる第1の表示指示信号整形手段と、
    第2の表示を行う第2の表示指示信号を前記方形波信号生成手段によって生成した方形波信号の論理を反転したものと論理積をとる第2の表示指示信号整形手段と、
    前記第1の表示指示信号整形手段および第2の表示指示信号整形手段によって論理積をとることでそれぞれ整形した信号を、これら整形後の信号とは異なる無線通信用の信号の伝送用に設けられた1本の同軸ケーブルの一端にそれぞれ異なった極性の信号として重畳して前記1本の同軸ケーブルの他端に接続された表示用ユニットに伝送する信号伝送手段と、
    前記表示用ユニット側に配置され、第1の極性の信号に対して第1の表示色で発色する第1の表示手段と、
    前記表示用ユニット側に配置され、第1の極性と反対の第2の極性の信号に対して第1の表示色と異なる第2の表示色で発色する第2の表示手段
    とを具備することを特徴とする複数色表示システム。
  2. 前記第2の表示手段は前記第1の表示手段と近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の複数色表示システム。
  3. 前記方形波信号生成手段は、100HZの方形波信号を生成することを特徴とする請求項1記載の複数色表示システム。
  4. 前記第1の表示色と第2の表示色は、緑色と赤色であることを特徴とする請求項1記載の複数色表示システム。
  5. 前記表示用ユニットはアンテナ側のユニットであり、前記1本の同軸ケーブルは通信機器本体とアンテナを接続してることを特徴とする請求項1記載の複数色表示システム。
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