JP4603548B2 - Tfpi−2タンパク質を用いた卵巣子宮内膜症の診断法 - Google Patents
Tfpi−2タンパク質を用いた卵巣子宮内膜症の診断法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4603548B2 JP4603548B2 JP2006527768A JP2006527768A JP4603548B2 JP 4603548 B2 JP4603548 B2 JP 4603548B2 JP 2006527768 A JP2006527768 A JP 2006527768A JP 2006527768 A JP2006527768 A JP 2006527768A JP 4603548 B2 JP4603548 B2 JP 4603548B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tfpi
- protein
- endometriosis
- antibody
- expression
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/68—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
- G01N33/689—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids related to pregnancy or the gonads
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2800/00—Detection or diagnosis of diseases
- G01N2800/36—Gynecology or obstetrics
- G01N2800/364—Endometriosis, i.e. non-malignant disorder in which functioning endometrial tissue is present outside the uterine cavity
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Hematology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Reproductive Health (AREA)
- Pregnancy & Childbirth (AREA)
- Gynecology & Obstetrics (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
本明細書において、組織因子経路インヒビター(TFPI-2)が子宮内膜症の有力な診断標的および治療標的であることが示される。したがって本発明は、TFPI-2タンパク質を指標として用いた卵巣子宮内膜症の診断法、および診断に用いられるキットに関する。
子宮内膜症は一般的な婦人科疾患であり、生殖年齢の女性の少なくとも10%が罹患している(Rice (2002) Ann. N.Y. Acad. Sci. 955: 343-352)。子宮内膜症は、子宮内膜腺および間質が子宮外に存在することと定義される。その最も一般的な症状は、進行性月経困難症、性交疼痛症、慢性骨盤痛、および不妊症である。卵巣嚢胞を伴う子宮内膜症は、超音波検査または磁気共鳴映像法(MRI)などの技法により診断され得る;しかしながら、上記の症状は子宮内膜症に特異的ではないため、卵巣嚢胞を伴わない子宮内膜症は、外科的侵襲を行わずに診断するのは困難である(Rice (2002) Ann. N.Y. Acad. Sci. 955: 343-52)。例えば、卵巣癌の腫瘍マーカーの1つであるCA125の濃度は、子宮内膜症の女性の血清中で上昇する場合があるが、その特異性が低いことから(Evers et al. (1995) 「Progress Management of Endometriosis」 ed. Cautinho, Parthenon Publishing Groups, Carnforth, 175-84)、この疾患にとってそれほど有用なマーカーではない。さらに、主訴が月経困難症であって、身体的異常が認められない患者では、子宮内膜症を特発性月経困難症と区別することは困難である。
本発明は、ある種の遺伝子の発現が卵巣子宮内膜症と相関するという発見に基づく。より詳細には、本発明者らは、半定量RT-PCRおよび免疫組織化学法により(図1および5)、組織因子経路インヒビター-2(TFPI-2)遺伝子が子宮内膜嚢胞において過剰発現されることを発見した。
本明細書で用いる「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は、特に明記しない限り「少なくとも1つの」を意味する。
本発明は、卵巣子宮内膜症の診断法を提供する。本発明の方法に従って、卵巣子宮内膜症に罹患している対象を診断することができる。本発明の方法に従って診断される対象は、好ましくは、ヒト、非ヒト霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジーなど)、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウマ、およびウシを含む哺乳動物である。
本明細書において同定する、差次的に発現されるTFPI-2タンパク質はまた、卵巣子宮内膜症の治療経過のモニタリングも可能とする。本発明の方法によれば、血液または血清などの生物試料を、卵巣子宮内膜症の治療を受けている対象から採取する。評価法は、上記した本発明の卵巣子宮内膜症の診断法に類似した方法で行い得る。
本発明はさらに、血液などの対象由来生物試料中のTFPI-2タンパク質の発現レベルを対照レベルと比較することによる、卵巣子宮内膜症を有する対象の予後評価法を提供する。または、対象に由来する生物試料中のTFPI-2タンパク質の発現レベルを、一連の病期にわたって測定し、対象の予後を評価することができる。評価法は、上記した本発明の卵巣子宮内膜症の診断法に類似した方法で行い得る。
本発明はまた、上記の卵巣子宮内膜症の診断法を行うために用いられる1つまたは複数の材料(試薬および実験機器)を含むキットを提供する。好ましくは、キットは検出試薬、すなわちTFPI-2タンパク質に結合する1つまたは複数の抗体を含む。抗体(固体基質に結合してあるか、または基質に結合するための試薬と共に個別に包装される)などの試薬、対照試薬(陽性および/または陰性)、および/または抗体を検出する手段は、個別の容器中に包装されることが好ましい。
1. 組織調製
術前のインフォームドコンセントを行った後、産婦人科で嚢胞切除を受けた6名の患者から子宮内膜嚢胞を採取した。免疫組織化学法のため、切除直後に組織切片をO.C.T化合物(サクラ精機)中に封入した。
腹腔鏡下手術を行う1日前に、患者36名から血清を採取した。患者2名はrASRM I期に、13名はIII期に、および21名はIV期にあると分類された。対照として、4〜40歳の明らかに健常な女性12名および男性8名から血清試料を収集した。
以前に記載されている通りに、半定量RT-PCR実験を行った(Ono et al., (2000) Cancer Res. 60: 5007-11)。子宮内膜嚢胞を採取して全RNAを抽出し、先行研究に従って、全RNAを用いたT7に基づくRNA増幅を行った(Arimoto et al. (2003) Int. J. Oncol. 22: 551-60)。各試料に由来する増幅RNAの3 μg分割量を、ランダムプライマー(Roche)およびSuperscript II(Life Technologies, Inc)を用いて逆転写し、1本鎖cDNAを得た。各cDNA混合物を希釈し、次に以下のプライマーセットを用いてPCR増幅した
‐TFPI-2フォワードプライマー:5’-TGACAGCATGAGGAAACAAATC-3’(SEQ ID NO: 1) およびリバースプライマー:5’-ACGACCCCAAGA AATGAGTG-3’ (SEQ ID NO: 2);
‐GAPDHフォワードプライマー: 5’-CGACCACTTTGTCAAGCTCA-3’ (SEQ ID NO: 3) およびリバースプライマー:5’-GGTTGAGC ACAGGGTACTTTATT-3’ (SEQ ID NO: 4)。
GAPDHの発現を内部対照とした。産物強度が増幅の直線期内に確実に収まるように、PCR反応のサイクル数を最適化した。
種々のヒト組織に由来する2 μgのポリ(A)+ RNAを含む多組織ノーザンブロットメンブレン(Clontech)を、TFPI-2の32P標識部分cDNA断片とハイブリダイズさせた(TFPI-2フォワードプライマー:5’-GGAAAATTCGGAAGAAGCAA-3’ (SEQ ID NO: 5) およびリバースプライマー:5’-ACGACCCCAA GAAATGAGTG-3’ (SEQ ID NO: 2)。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件は、他所に記載されている(Nakagawa et al. (2000) Oncogene 19:210-6)。
シグナルペプチド(TFPI2:N末端の22残基)を含まないTFPI-2をコードするヒト cDNAクローン(GenBankアクセッション番号D29992)を大腸菌発現ベクターpET28a(Novagen)に挿入し、BL21-CodonPlus(登録商標)(DE3)-RILコンピテント細胞(Stratagene)に形質転換することで、組換えタンパク質を調製した。0.5 mMイソプロピルβ-D-チオガラクトシド(IPTG)で、37℃で3時間インキュベートしてタンパク質発現を誘導し、遠心して細胞を回収した。組換えTFPI-2を発現した大腸菌細胞のペレットを、6 M塩酸グアニジン、10 mM Tris、および10 mMイミダゾールを含む100 mMリン酸ナトリウム(無水)(pH 8.0)に溶解した。ヒスチジンタグ化TFPI-2タンパク質を、BD TALON(商標)Metal Affinity Resins(BD Biosciences)で精製した。次いで、6 M塩酸グアニジンを8 M尿素で交換した。希釈して尿素の濃度を4 Mに下げることにより、これらの精製組換えタンパク質をリフォールディングした。このタンパク質溶液をウサギに毎週注射し、10回免疫した後に抗血清を回収した(MBL)。精製組換えタンパク質を共有結合させたAffi-Gel 10(Bio-Rad)を用いるアフィニティクロマトグラフィーで、特異的抗体を単離した。
ヒト子宮内膜腺癌HEC-151細胞株は北里大学(日本、相模原市)から供与され、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むイーグル最小必須培地でこれを維持した。ヒト神経膠腫細胞株、Hs.683は、American Type Culture Collection(米国、バージニア州、マナッサス)から購入した。Hs.683細胞およびCos-7細胞は、10% FBSを含むダルベッコ改変イーグル培地で維持した。細胞は、5% CO2を含む加湿雰囲気中で37℃で維持した。
試料をSDS-PAGEにより還元条件下で分離し、Hybond(商標)ECL(商標)ニトロセルロース膜(Amersham Pharmacia Biotech)に転写した。ブロット後の膜をBlock Ace(商標)粉末(大日本製薬)でブロッキングし、ウサギ抗TFPI-2(0.34 μg/ml)特異的ポリクローナル抗体で処理した。洗浄した後、ブロットを西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ロバ抗ウサギIgG(Amersham Biosciences)で処理し、増強化学発光(ECL;Amersham Biosciences)で感光させた。
細胞をLab-Tek(登録商標)II Chamber Slide System(Nalge Nunc International)に再プレーティングし、次に4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液で固定し、0.1% Triton X-100のPBS溶液により4℃で3分間透過処理した。3% BSAのPBS溶液を用いて室温で1時間ブロッキングした後に、細胞をウサギ抗TFPI-2抗体(0.34 μg/ml)と共に室温で1時間インキュベートした。これらの抗体をローダミン結合ヤギ抗ウサギ二次抗体でそれぞれ染色し、BX51顕微鏡(Olympus)で観察した。以下の安定な形質転換体の項で説明するように、安定な形質転換体もまた、マウス抗myc 9E10モノクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology、0.2 μg/ml)と共にインキュベートし、FITC結合ウサギ抗マウス二次抗体で染色した。
パラホルムアルデヒドで固定され、パラフィンで包埋された、完成された組織切片をBiochain Institute, Incから購入した。製造業者の手順に従ってDAKO EnVision(商標)+ System、HRP(DAB)(Dako)を使用し、切片を染色した。ポリクローナル抗体は、2.5 μg/ml(抗TFPI-2抗体で用いた。免疫染色阻害のため、抗体を、抗原(1.5μg)として使用された対応する組換えタンパク質と共に4℃で一晩プレインキュベートした。
COS-7細胞を播種し、製造業者の手順に従って、FuGENE6 Transfection Reagent(Roche)を用いて、pcDNA3.1/myc-His(著作権)(-)-TFPI-2(Invitrogen)または対照としての空ベクターをトランスフェクションした。細胞を、0.4 mg/mlのG418を含む培地で最長3週間培養した。個々のクローンをクローニングシリンダーで単離した。TFPI-2を発現した細胞クローン(RT-PCR、ウエスタンブロッティング、および免疫蛍光染色により確認)を、0.4 mg/mlのG418を含む培地で維持し、さらなる試験に用いた。
TFPI-2の濃度は、ビオチン化抗TFPI-2ポリクローナル抗体を用いたELISAによって測定した。まず、100μlのウサギ抗TFPI-2抗体(50 mmol/l炭酸ナトリウム(pH 9.5)中、10μg/ml)を96ウェルマイクロタイトレーションプレート(Maxisorp Immunoplate、Nunc)の各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBS-0.1% Tween 20で3回洗浄した後、各ウェルを200μlPBS-2% BSAで37℃にて2時間ブロッキングした。次いで、プレートをPBS-Tween 20で再度3回洗浄した。次に、血清試料100μlを各ウェルに添加し、プレートを37℃で2時間インキュベートした。その後、プレートをPBS-Tween 20で3回洗浄し、100μlのビオチン標識抗TFPI-2抗体(PBS-1% BSA中、1μg/ml)を各ウェルに添加した。抗体のビオチン化は、製造業者の手順に準じてECL Protein Biotinylatieon Module(Amersham Biosciences)を用いて行った。37℃で2時間インキュベートした後、プレートをPBS-Tween 20で3回洗浄し、100μlのペルオキシダーゼ結合アビジン(DAKO、PBS-1% BSAで4000倍に希釈)により室温で2時間処理した。次いで、プレートをPBS-Tween 20で6回洗浄し、100μlのo-フェニレンジアミン(DAKO、蒸留水12 mlおよび30%過酸化水素5μl中4錠)を各ウェルに添加した。プレートを室温で適当な時間(3〜5分)インキュベートした後、100μlの0.5 mol/l硫酸を各ウェルに添加して、吸光度(A490)を測定した。試料中のTFPI-2の濃度は、組み換えTFPI-2濃度に対するA490の検量線から補間した。
cDNAマイクロアレイを用いて、患者23名の卵巣子宮内膜嚢胞において、23,040個の遺伝子の遺伝子発現プロファイルを解析した(Arimoto et al. (2003) Int. J. Oncol. 22:551-60)。上方制御される遺伝子のうち、分泌期にあって遺伝子のシグナル強度がカットオフ値より高かった、情報として参照できる9症例のすべてにおいて過剰発現され、かつ増殖期にある症例の50%を上回る症例において下方制御されることが見出されたTFPI-2タンパク質をコードする遺伝子に注目し、さらなる研究を行うために選択した。さらに、半定量RT-PCR解析を行い、分泌期におけるTFPI-2の発現上昇を確認した(図1)。
以前に記載されているようにTFPI-2が分泌タンパク質であるかどうかを調べるため、pcDNA3.1(-)-TFPI-2-myc-hisをCOS7細胞にトランスフェクションして、このタンパク質を安定に過剰発現する哺乳動物細胞の集団を確立した。いくつかの形質転換体における発現および細胞内局在性を、ウェスタンブロッティング(図2A)および免疫蛍光染色(図2B)により確認した。以前に記載されている通り、抗TFPI-2ポリクローナル抗体を伴ったTFPI-2センス形質転換体では、顕著な3本のTFPI-2バンド(約33、31、および27 kDa)が認められ、また対応するTFPI-2タンパク質は培養液(センス)中にも検出されたが、ベクタートランスフェクタント(モック)では認められなかった(図2A;左パネル)。さらに、抗TFPI-2ポリクローナル抗体を用いたウェスタンブロッティング(図2A、右パネル)および免疫蛍光染色(図2C)により、HEC-151細胞およびHs.683細胞においてTFPI-2タンパク質の内因性発現が検出されたことから、TFPI-2タンパク質が分泌タンパク質のように細胞質中に局在することが明らかにされた。これらの結果から、TFPI-2が分泌タンパク質であることが示唆される。
ノーザンブロット解析により、TFPI-2は初め、胎盤で特異的に発現されることが実証された(図3、上パネル)。次に、ヒト正常組織において免疫組織化学染色を行い、TFPI-2タンパク質が胎盤の合胞体栄養細胞層および脱落膜細胞で発現されることが実証された;静脈周囲の肝細胞および心筋細胞の細胞質では弱い発現が認められ、脳、腎臓、肺、および骨格筋では染色(すなわち発現)はほとんど認められなかった(図4A)。
TFPI-2が子宮内膜症の診断マーカーとなるかどうかの可能性をさらに試験するため、特異的TFPI-2ポリクローナル抗体を用いたELISAアッセイを行い、血清中のTFPI-2タンパク質の濃度を測定した。アッセイによって得られた用量反応曲線は、TFPI-2の20〜320 ng/mlの範囲にわたり直線的であった(図6A)。この検量線を用いて、ELISAによって検出される子宮内膜症患者の血清中のTFPI-2タンパク質の濃度を算出した。男性および非妊娠女性の血清中のTFPI-2濃度はどちらも1 ng/ml未満であることが報告されている(Butzow et al., (1998) Clin. Chem. 34: 1591-3)。さらに、この報告されている濃度に基づき、用量反応曲線が、本研究で対照として調査した健常男性8名および健常女性12名について測定された濃度を含む範囲内で直線的であることが確認された。36例の子宮内膜症血清試料のうち8例では、TFPI-2レベルが>20 ng/ml(範囲26.2〜66.3 ng/ml、中央値31.0 ng/ml)であったのに対し、20例の対照試料ではすべてのTFPI-2レベルが<20 ng/mlであった(図6B、p=0.023)。さらに、TFPI-2タンパク質は、rASRM IV期患者の21例の血清のうち6例で検出された(p=0.0097)。
本発明は、TFPI-2レベルが正常対照と比較して子宮内膜症患者の血清中で上昇しているという発見を含む。したがって、TFPI-2遺伝子およびタンパク質は、新規診断マーカー(すなわち、血液または血清)として有用性がある。TFPI-2レベルを指標として使用することで、本発明は子宮内膜症患者の診断法を提供する。
Claims (10)
- 対象から採取された血液または血液由来試料中のTFPI-2タンパク質の発現レベルを卵巣子宮内膜症のマーカーとして決定する段階を含む、対象における卵巣子宮内膜症のマーカーを検出する方法であって、前記マーカーは、その発現レベルが正常対照レベルと比較して増加している場合、該対象が卵巣子宮内膜症に罹患していることを示し、または該発現レベルが疾患対照レベルと比較して同等である場合には、該対象が卵巣子宮内膜症に罹患していることを示す方法。
- 発現レベルが免疫測定法によって決定される、請求項1記載の方法。
- 免疫測定法がELISAである、請求項2記載の方法。
- TFPI-2タンパク質に対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が、それぞれELISAの標識抗体および固定化抗体として用いられる、請求項3記載の方法。
- 血液由来試料が血清または血漿である、請求項1記載の方法。
- TFPI-2タンパク質に結合する1つまたは複数の抗体を含む、血中の卵巣子宮内膜症のマーカーを検出するためのキットであって、
(1) TFPI-2タンパク質に結合する、検出可能に標識された抗体、および(2) 固体基質上に固定化された、TFPI-2タンパク質に結合する抗体を含むキット。 - 検出可能に標識された抗体がポリクローナルであり、固体基質上に固定化された抗体がモノクローナルである、請求項6記載のキット。
- TFPI-2タンパク質に結合する1つまたは複数の抗体を含む、血中の卵巣子宮内膜症のマーカーを検出するためのキットであって、(1) TFPI-2タンパク質に結合する、検出可能に標識された抗体、(2) 固体基質上に固定化され得る、TFPI-2タンパク質に結合する抗体、および(3) 固体基質上に(2)の抗体を固定化するための試薬を含むキット。
- 検出可能に標識された抗体がポリクローナルであり、固体基質上に固定化され得る抗体がモノクローナルである、請求項8記載のキット。
- 正常対照試料および子宮内膜症対照試料のいずれかまたは両方をさらに含む、請求項6〜請求項9のいずれかに記載のキット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US50557203P | 2003-09-24 | 2003-09-24 | |
PCT/JP2004/013718 WO2005029089A2 (en) | 2003-09-24 | 2004-09-14 | Method of diagnosing ovarian endometriosis using tfpi-2 protein |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007506965A JP2007506965A (ja) | 2007-03-22 |
JP4603548B2 true JP4603548B2 (ja) | 2010-12-22 |
Family
ID=34375581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006527768A Expired - Fee Related JP4603548B2 (ja) | 2003-09-24 | 2004-09-14 | Tfpi−2タンパク質を用いた卵巣子宮内膜症の診断法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1668371B1 (ja) |
JP (1) | JP4603548B2 (ja) |
AT (1) | ATE557277T1 (ja) |
WO (1) | WO2005029089A2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2773766T3 (es) | 2008-12-19 | 2020-07-14 | Baxalta GmbH | Inhibidores de TFPI y métodos de uso |
MX2011009299A (es) | 2009-03-06 | 2011-10-11 | Mochida Pharm Co Ltd | Metodo para diagnosticar endometriosis y kits de diagnostico para endometriosis. |
AU2011227714B2 (en) | 2010-03-19 | 2014-09-04 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | TFPI inhibitors and methods of use |
JP6074676B2 (ja) * | 2011-08-19 | 2017-02-08 | 公立大学法人横浜市立大学 | 組織因子経路阻害因子2(tfpi2)測定による卵巣明細胞腺癌の検査方法および検査薬 |
DE102012002929A1 (de) | 2012-02-14 | 2013-08-14 | Jürgen Lewald | Minimalinvasives Verfahren für die Diagnose und die Therapieverlaufskontrolle der Endometriose |
AU2013235741C1 (en) | 2012-03-21 | 2017-12-21 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | TFPI inhibitors and methods of use |
WO2016084912A1 (ja) | 2014-11-27 | 2016-06-02 | 公立大学法人横浜市立大学 | 卵巣明細胞腺癌の検査方法及び検査薬 |
US20230122642A1 (en) * | 2020-02-26 | 2023-04-20 | Public University Corporation Yokohama City University | Method and reagent for detecting malignant ovarian tumors |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60321356D1 (de) * | 2002-08-30 | 2008-07-10 | Oncotherapy Science Inc | Verfahren zur diagnostik von eierstock endometriose |
-
2004
- 2004-09-14 AT AT04773337T patent/ATE557277T1/de active
- 2004-09-14 JP JP2006527768A patent/JP4603548B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2004-09-14 WO PCT/JP2004/013718 patent/WO2005029089A2/en active Application Filing
- 2004-09-14 EP EP04773337A patent/EP1668371B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2005029089A3 (en) | 2005-06-02 |
EP1668371B1 (en) | 2012-05-09 |
JP2007506965A (ja) | 2007-03-22 |
WO2005029089A2 (en) | 2005-03-31 |
ATE557277T1 (de) | 2012-05-15 |
WO2005029089A9 (en) | 2006-05-04 |
EP1668371A2 (en) | 2006-06-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2460075C2 (ru) | Биомаркеры рака | |
US20050214836A1 (en) | Method of diagnosing ovarian endometriosis | |
Wang et al. | OTUB1-catalyzed deubiquitination of FOXM1 facilitates tumor progression and predicts a poor prognosis in ovarian cancer | |
US7361474B2 (en) | Serum macrophage migration inhibitory factor (MIF) as marker for prostate cancer | |
EP1711618B1 (en) | Methods for detecting markers associated with endometrial disease or phase | |
US20070218512A1 (en) | Methods related to mmp26 status as a diagnostic and prognostic tool in cancer management | |
JP2007504463A (ja) | 卵巣癌用の診断マーカー | |
JP7319765B2 (ja) | 過敏性膀胱疾患の診断のためのバイオマーカー及びこれを利用した薬剤のスクリーニング方法 | |
JP2013534309A (ja) | 腎機能不全のバイオマーカーとしてのパールカン | |
EP1862804A1 (en) | Method for diagnosis of prostate cancer | |
US7268117B2 (en) | Compositions, kits, and methods for identification, assessment, prevention, and therapy of endometriosis | |
Jamnongkan et al. | Oxidized alpha-1 antitrypsin as a predictive risk marker of opisthorchiasis-associated cholangiocarcinoma | |
JP4603548B2 (ja) | Tfpi−2タンパク質を用いた卵巣子宮内膜症の診断法 | |
CA2497132A1 (en) | Method of diagnosing ovarian endometriosis | |
JP2012530253A (ja) | ペルオキシレドキシン4の診断的使用 | |
JP2019516104A (ja) | 子宮内膜がんのマーカーとしてのmmp9 | |
JP2019069980A (ja) | タウ機能不全を伴う神経障害を処置するための新規な治療ターゲットとしてのfkbp52−タウ相互作用 | |
JP2022521535A (ja) | 前立腺がんのバイオマーカとしてのbmmf1 repタンパク質の使用 | |
US20050176072A1 (en) | MTA1 is a predictive and prognostic factor in human breast cancer | |
EP2433139B1 (en) | Post-translation modified cardiac troponin t as a biomarker of a risk for heart failure | |
KR101923199B1 (ko) | 펩스타틴 a를 함유하는 소변 내 en2 진단용 조성물 | |
US9435813B2 (en) | Biomarkers of hemorrhagic shock | |
JP2008537101A (ja) | 薬物応答を予測するための前立腺特異的抗原の使用 | |
JP4795353B2 (ja) | 腫瘍疾患および慢性炎症性腸疾患の診断のための液性バイオマーカーとしてのカルバモイルリン酸合成酵素1(cps1)の使用 | |
JP2002510050A (ja) | 骨吸収速度を測定する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070906 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100331 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20100630 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100927 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101001 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |