JP2013534309A - 腎機能不全のバイオマーカーとしてのパールカン - Google Patents
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Abstract
【選択図】図7a
Description
本発明は、対象者における疾患及び状態、特に腎機能不全の予知、診断、予後予測及び/又はモニタリングに有用なタンパク質及び/又はペプチドに基づくバイオマーカー、並びに関連する方法、キット及びデバイスに関する。
多くの疾患及び状態において、予防的及び/又は治療的処置の好ましい転帰は、疾患又は状態の早期の及び/又は正確な予知、診断、予後及び/又はモニタリングと強く相関する。よって、処置の選択肢を手引きする疾患及び状態の早期で及び/又は正確な予知、診断、予後及び/又はモニタリングのための更なるそして好ましくは改善された方法が継続的に必要とされている。
腎機能不全は、腎臓の機能が不適切である疾患及び状態、例えば糸球体濾過速度の低下により証明されるような例えば急性又は慢性の腎臓機能の劣化を特徴とする、より具体的には急性又は慢性の腎臓排泄機能の低下を特徴とする疾患及び状態を包含する。腎機能不全は、異化廃棄生成物及びその他の有害若しくは毒性の物質の(全身での)蓄積並びに/又は体液若しくは電解質の著しい不均衡の発生が、その他の主要な臓器系の不全及び死を導くか、それに貢献するか又はそれを悪化させ得る生命を脅かす状態に発展することがある。
よって、本発明者らは、腎機能を評価するために有利な新しいバイオマーカーとしてのパールカンを実現した。
例えば、しかし限定されないが、それぞれ腎機能不全無し(すなわち正常腎機能)の予知若しくは診断を表す参照値又は腎機能不全についての良好な予後を表す参照値と比較して上昇(すなわち逸脱)した対象者からの試料中のパールカンの量は、それぞれ、対象者が腎機能不全を有しているか若しくは有するリスクにあることを示すか、又は対象者における腎機能不全についての不良な予後(例えば、慢性腎機能不全患者が末期腎臓疾患に向かって進行するという予後)を示す。
別の実施形態では、正常GFR又はeGFR 対 低下したGFR又はeGFRについての閾値は、約80〜約100ml/分/1.73m2の間、例えば約85〜約95ml/分/1.73m2の間、例えば85、86、87、88、89、90、91、92、93、94又は95ml/分/1.73m2、好ましくは90ml/分/1.73m2の値に設定でき、ここで、上記の閾値を超える値は正常GFR又はeGFRを反映し、上記の閾値未満の値は低下したGFR又はeGFRを表す。
よって、更に別の実施形態において、中間のGFR又はeGFR 対 低下したGFR又はeGFRについての閾値は、約50〜約70ml/分/1.73m2の間、例えば約55〜約65ml/分/1.73m2の間、例えば55、56、57、58、59、60、61、62、63、64又は65ml/分/1.73m2、好ましくは60ml/分/1.73m2の値に設定でき、ここで、上記の閾値を超える値は中間のGFR又はeGFRを反映し、上記の閾値未満の値は低下したGFR又はeGFRを表し、正常GFR又はeGFR 対 中間のGFR又はeGFRについての更なる閾値は、約80〜約100ml/分/1.73m2の間、例えば約85〜約95ml/分/1.73m2の間、例えば85、86、87、88、89、90、91、92、93、94又は95ml/分/1.73m2、好ましくは90ml/分/1.73m2の値に設定でき、ここで、上記の閾値を超える値は正常GFR又はeGFRを反映し、上記の閾値未満の値は中間のGFR又はeGFRを表す。
よって、ある態様は、対象者からの試料中のパールカンの量を測定することと、パールカンの上記の測定した量を上記の対象者のGFRに変換することとを含む、対象者の糸球体濾過速度(GFR)を決定するための方法を提供する。
よって、本明細書で開示する診断、予知、予後及び/又はモニタリング方法のある実施形態において、腎機能不全は、GFR低下を包含するか、それを示すか又はそれに相当することがある。
よって、ある実施形態において、腎機能不全を処置する治療は、術後及び/又は重篤な患者における血液透析、限外ろ過又は腹膜透析であってよい。
実施形態において、腎機能不全は、本明細書で用いる場合、急性腎不全(急性腎傷害)のことをいうことがある。別の実施形態では、腎機能不全は、本明細書で用いる場合、慢性腎不全(慢性腎臓疾患)のことをいうことがある。更なる実施形態では、腎機能不全は、本明細書で用いる場合、特に(しかし限定されないが)慢性腎臓疾患患者又は心不全患者における腎臓組織の線維症(腎線維症)と関連するか又はそれを原因とすることがある。
特に、有利には、本明細書で意図する腎機能不全は、急性腎機能不全又はAKIを含んでよい。本発明者らにより証明されるように、パールカンは、腎機能の突然の変化を検出できる。AKIは、一般的に、GFRの突然の下落を必然的に伴うので、(このような突然のGFRの変化に対して迅速に反応するマーカーとしての)パールカンの測定は、AKIの診断、予知、予後予測及び/又はモニタリングに特に適切であり得る。
よって、本明細書で教示する腎機能不全の診断、予知、予後予測及び/又はモニタリング方法において、対象者は、呼吸困難を示す(顕す)ことがある。好ましくは、呼吸困難は、急性呼吸困難であり得る。上記の方法は、特に、腎機能不全と関連するか又はそれを原因とする呼吸困難(を有する対象者)と、他の状態(例えば、限定することなく、COPD又は肺炎)と関連するか又はそれを原因とする呼吸困難(を有する対象者)とを区別することを可能にする。
よって、本明細書で教示する腎機能不全の診断、予知、予後予測及び/又はモニタリング方法において、対象者は、心不全、好ましくは急性非代償性心不全(AHF)を有していてもよいし又は有するリスクにあってもよい。このような方法は、なかでも、心拍出量の減少と関連するか若しくはそれを原因とする腎機能の急性の悪化を診断するか、又はAHFの処置の経過において腎機能をモニターすることを可能にする。
よって、対象者からの試料中のパールカンの量を測定することを含む、呼吸困難及び/又は急性心不全及び/又は腎機能不全の対象者における死亡を予知又は予後予測する方法も提供される。好ましくは、呼吸困難は急性呼吸困難であり得る。好ましくは、腎機能不全は慢性腎機能不全、特に慢性腎臓疾患であり得る。限定することなく、呼吸困難は、AHF及び/若しくは腎機能不全と関連するか又はそれを原因とすることがあるか、或いは呼吸困難は、AHF及び腎機能不全以外の状態と関連するか又はそれを原因とすることがあるか、或いは対象者は、呼吸困難の症状なしでAHF及び/又は腎機能不全であることがある。
死亡を予知又は予後予測する本発明の方法は、好ましくは、対象者が呼吸困難及び/又は急性心不全及び/又は腎機能不全を一旦表すか又はそれと診断された対象者について、より好ましくは、上記の疾患及び状態の初期(最初)の発症(presentation)又は診断の際に行うことができる。
例えば、限定することなく、所定の死亡(すなわち、予め決定された時間間隔内での死亡の所定の(例えば通常の)リスク又は見込み)の予知予後を表す参照値と比較して上昇(すなわち逸脱)した対象者からの試料中のパールカンの量は、対象者が上記の時間間隔内で死亡するリスクが比較的大きいことを示す。
限定することなく、死亡は、ある間隔内、例えば予知又は予後予測方法を行った時点から数ヶ月又は数年の間隔内、例えば予知又は予後予測方法を行った時点から約6ヶ月若しくは約1年以内、又は約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9若しくは約10年以内に対象者が死亡する見込みとして適切に表現できる。
対象者において死亡の見込みの増加が見出されることにより、対象者の疾患又は状態を処置するための治療上の決定が手引きできることが認識される。
よって、対象者からの試料中のパールカンレベルを測定することを含む、対象者における左室肥大(LVH)、心臓線維症(CF)、PE又はPAPのいずれかを予知、診断、予後予測及び/又はモニターする方法が提供される。
LVH、CF、PE又はPAPのいずれかの予知又は診断或いはLVH、CF、PE又はPAPの不良な予後は、パールカンのレベルの上昇と特に関連できる。
- マーカー(バイオマーカー)としてのパールカンの使用;
- 本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態についてのマーカー(バイオマーカー)としてのパールカンの使用;
- 診断、予知、予後及び/又はモニタリングのためのパールカンの使用;
- 本明細書で教示するいずれか1つの疾患又は状態の診断、予知、予後及び/又はモニタリングのためのパールカンの使用;
も提供され、ここで、特に、上記の状態又は疾患は、腎機能不全、腎不全と関連するか又はそれを原因とする呼吸困難、呼吸困難及び/又は急性心不全及び/又は腎機能不全の対象者の死亡の増加、左室肥大、心臓線維症、PE並びにPAPから選択できる。
よって、検査段階が、対象者からの試料中の1以上のそのようなその他のマーカーの有無及び/又は量を測定することを更に含む方法も本明細書において開示される。この点で、任意の既知又はまだ知られていない適切なマーカーを用いることができる。
(a)本明細書で教示する疾患若しくは状態の非存在の予知若しくは診断又はその良好な予後、或いは
(b)本明細書で教示する疾患若しくは状態の予知若しくは診断又はその不良な予後
を表し、
(i)パールカンの量を、
(i a)それぞれの疾患若しくは状態を有していないか又は有するリスクにないか又はそれらについての良好な予後を有する1以上の対象者からの1以上の試料、
(i b)それぞれの疾患若しくは状態を有しているか又は有するリスクにあるか又はそれらについての不良な予後を有する1以上の対象者からの1以上の試料
において測定することと、
(ii)
(ii a)(i a)において測定されたパールカンの量を、それぞれの疾患若しくは状態の非存在の予知若しくは診断を表すか又はそれらについての良好な予後を表す参照値として、或いは
(ii b)(i b)において測定されたパールカンの量を、それぞれの疾患若しくは状態の予知若しくは診断を表すか又はそれらについての不良な予後を表す参照値として
保存することとを含む方法を提供する。
上記の参照プロフィールが、
(a)それぞれの疾患若しくは状態の非存在の予知若しくは診断又はそれらについての良好な予後、或いは
(b)それぞれの疾患若しくは状態の予知若しくは診断又はそれらについての不良な予後
を表し、
(i)パールカンの量並びに上記の1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量を、
(i a)それぞれの疾患若しくは状態を有していないか若しくは有するリスクにないか又はそれらについての良好な予後を有する1以上の対象者からの1以上の試料、或いは
(i b)それぞれの疾患若しくは状態を有しているか又は有するリスクにあるか又はそれらについての不良な予後を有する1以上の対象者からの1以上の試料
において測定することと、
(ii)
(ii a)(i a)の測定を用いて、パールカンの量並びに上記の1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量のプロフィールを創出するか、或いは
(ii b)(i b)の測定を用いて、パールカンの量並びに上記の1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量のプロフィールを創出することと、
(iii)
(iii a)(ii a)のプロフィールを、それぞれの疾患若しくは状態の非存在の予知若しくは診断を表すか又はそれらについての良好な予後を表す参照プロフィールとして保存するか、或いは
(iii b)(ii b)のプロフィールを、それぞれの疾患若しくは状態の予知若しくは診断を表すか又はそれらについての不良な予後を表す参照プロフィールとして保存することと
を含む方法を提供する。
好ましくは、本発明の方法のいずれかにおいて意図する対象者は、ヒトであり得る。
よって、(a)パールカン及び/又はそのフラグメント、好ましくは既知量又は既知濃度の上記のパールカン及び/又はそのフラグメントと、(b)場合によって、好ましくは、1以上の他のバイオマーカー、好ましくは既知量又は既知濃度の上記の1以上のバイオマーカーとを含むタンパク質、ポリペプチド又はペプチドアレイ又はマイクロアレイが開示される。
ポータブルデバイス、例えばベッドサイドデバイスとして構成された、家庭又は臨床的状況で用いるための本明細書で教示するキットも開示される。
ある実施形態において、(ii)及び(iii)の部分の手段は、同じであってよく、よって、(i)対象者から試料を得る手段と、(ii)上記の試料中のパールカンの量を測定し、試料中の測定されたパールカンの量を視覚化する手段とを含む、対象者からの試料中のパールカンの量を測定できるポータブル検査デバイスを提供する。
反応領域は、捕捉パールカン特異的結合分子の1以上のバンドを、閾値量のパールカン特異的結合分子コンジュゲートが検出領域に移動することを妨げるのに十分な量で更に含むことができる。代わりに、上記のデバイスは、捕捉されたパールカン特異的結合分子コンジュゲートを閾値と比較するための手段を更に含む。
(1)医薬品として用いるため、好ましくは本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置において用いるための、パールカンのレベル及び/又は活性を調節できる物質;
(2)本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置のための医薬品の製造のための、パールカンのレベル及び/又は活性を調節できる物質の使用、或いは本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置のための、パールカンのレベル及び/又は活性を調節できる物質の使用;
(3)対象者に、治療又は予防有効量のパールカンのレベル及び/又は活性を調節できる物質を投与することを含む、処置を必要とする対象者における本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態を処置するための方法;
(4)上記の物質が、パールカンのレベル及び/又は活性を低減又は増加させることができ、好ましくはパールカンのレベル及び/又は活性を低減させることができる、上記の(1)〜(3)のいずれか1つに記載の主題。
(5)上記の物質がパールカンに特異的に結合できる、上記の(1)〜(4)のいずれか1つに記載の主題。
(6)上記の物質が、抗体又はそのフラグメント若しくは誘導体、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣物、アプタマー、フォトアプタマー又は化学物質、好ましくは有機分子、より好ましくは有機小分子である、上記の(1)〜(5)のいずれか1つに記載の主題。
(7)上記の物質が、パールカンの発現を低減又は阻害でき、好ましくは、上記の物質が、アンチセンス物質、リボザイム、又はRNA干渉を引き起こすことができる物質である、上記の(1)〜(4)のいずれか1つに記載の主題。
(8)上記の物質が、パールカンのレベル及び/又は活性を低減又は阻害でき、好ましくは、上記の物質が、天然パールカンに対してドミナントネガティブ活性を有するパールカンポリペプチドの組換え又は単離の欠失構築物である、上記の(1)〜(4)のいずれか1つに記載の主題。
(9)試験物質の群から、本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置に有用な可能性がある候補物質を選択するためのアッセイであって、試験物質が、パールカンのレベル及び/又は活性を調節できる、例えば増加又は低減、好ましくは低減できるかを決定することを含むアッセイ。
(10)非ヒト動物モデル、好ましくは非ヒト哺乳動物モデルに投与して、該モデルにおける本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の予防及び/又は治療効果をモニターするための組成物を調製するために、選択された候補物質を用いることを更に含む、上記の(9)に記載のアッセイ。
(11)上記の(10)に記載のアッセイにより単離された物質。
(12)予防及び/又は治療有効量の上記の(1)〜(8)又は(10)のいずれかに記載の1以上の物質、又は医薬的に許容されるそのNオキシド形、付加塩、プロドラッグ若しくは溶媒和物を含み、1以上の医薬的に許容される担体を更に含む医薬組成物又は製剤。
(13)上記の1以上の物質を、上記の1以上の医薬的に許容される担体と混和することを含む、上記の(12)に記載の医薬組成物又は製剤を製造するための方法。
代わりに、パールカン分子又はそのフラグメントのプロセシングを担う分子の阻害剤、例えばカテプシンL酵素(これは、パールカンのエンドレペリンフラグメントからLG3フラグメントを切断することが示されている)を構想できる。いくつかのCathL阻害剤は、市販で入手可能である。非限定的な例は、ZFF-FMK (Calbiochem)及びZFA-FMK (MP Biomedicals)であり、これらは、不可逆的細胞透過性CathL阻害剤である。
- 好ましくは本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置において用いる、医薬品として用いるためのパールカン;
- 本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置のための医薬品の製造のためのパールカンの使用;
- 本明細書で教示するいずれかの疾患又は状態の処置のためのパールカンの使用;
- 対象者に、治療又は予防有効量のパールカンを投与することを含む、処置を必要とする対象者における本明細書で教示するいずれか疾患又は状態を処置する方法;
も企図され、ここで、特に、上記の状態又は疾患は、腎機能不全、腎不全と関連するか又はそれを原因とする呼吸困難、呼吸困難及び/又は急性心不全及び/又は腎機能不全の対象者の死亡の増加、左室肥大、心臓線維症、PE並びにPAPから選択できる。
用語「含む(comprising)」、「含み(comprises)」及び「含む(comprised of)」は、本明細書で用いる場合、「含む(including)」、「含み(includes)」又は「含有する(containing)」、「含有し(contains)」と同義であり、包括的又は開放的であり、追加の言及していないメンバー、要素又は方法ステップを排除しない。
終点による数値範囲の言及は、それぞれの範囲内に包摂される全ての数値及び画分並びに言及される終点を含む。
そうでないと記載しない限り、技術的及び科学的用語を含む本発明を開示するために用いる全ての用語は、本発明が属する当該技術の当業者により一般的に理解される意味を有する。更なる手引きにより、本発明の教示をよりよく認識するために用語の定義を含め得る。
腎機能不全の徴候及び症状は、限定することなく、血中尿素及び/若しくは窒素レベルの増加;正常より低いクレアチニンクリアランス及び正常より高い血中クレアチニンレベル;正常より低い遊離水クリアランス;容量負荷及び腫脹;異常な酸レベル;血中カリウム、カルシウム及び/又はホスフェートの正常より高いレベル;排尿の変化(例えば容量、浸透圧);ミクロアルブミン尿症又はマクロアルブミン尿症;腎臓酵素、例えばガンマグルタミルシンセターゼの活性の変化;疲労;発疹又はそう痒;悪心;呼吸困難;腎臓サイズの減少;血尿並びに貧血の任意の1以上を含み得る。
急性腎機能不全又は不全は、以下に示すような「RIFLE」(リスク、傷害、不全、喪失、末期腎疾患(Risk, Injury, Failure, Loss, end-stage renal disease)ステージ分けシステムを用いて5つの異なるステージにステージ分け(分類、階級付け)できる(Lameireら、2005, Lancet 365: 417〜430に基づく)。
ステージ GFR(血清クレアチニンに基づく)基準 尿量基準
GFR=糸球体濾過速度
「リスク」 1.5倍増加した血清クレアチニン 6時間にわたって<0.5ml/kg/h
「傷害」 2.0倍増加した血清クレアチニン 12時間にわたって<0.5ml/kg/h
「不全」 3.0倍増加した血清クレアチニン 24時間にわたって<0.3ml/kg/h
又は>44 mM/Lの急性の上昇 又は12時間にわたって無尿
があった場合にクレアチニン>355 mM/L
「喪失」 4週間を超える持続性の急性腎不全 ----
「末期」 3ヶ月を超える末期腎疾患 ---
ステージ1:GFR≧90ml/分(正常又は上昇したGFR)
ステージ2:GFR = 60〜89ml/分(軽度のGFR低下)
ステージ3:GFR = 30〜59ml/分(中程度のGFR低下)
ステージ4:GFR = 15〜29ml/分(重度のGFR低下)
ステージ5:GFR<15ml/分(腎不全)
よって、本発明の診断、予知、予後及び/又はモニタリング方法は、好ましくは、上に列挙する型の患者において好ましく用いることができる。
心機能不全は、収縮期又は拡張期の機能不全、心臓律動の異常又は前負荷及び後負荷不整合と関連することがある。これは、頻繁に致命的であり、緊急の処置を必要とする。確立された分類によると、AHFは、それを示す患者のいくつかの独特の臨床的状態を含む:(I)急性非代償性うっ血性心不全、(II)高血圧症/高血圧緊急症を伴うAHF、(III)肺浮腫を伴うAHF、(IVa)心原性ショック/低心拍出症候群、(IVb)重症心原性ショック、(V)高心拍出量性心不全及び(VI)急性右心不全。詳細な臨床的説明、AHFの分類及び診断並びにKillip分類、Forrester分類及び「臨床的重症度」分類を含む更なるAHF分類システムのまとめについて、なかでも、Nieminenら、2005 (「Executive summary of the guidelines on the diagnosis and treatment of acute heart failure: the Task Force on Acute Heart Failure of the European Society of Cardiology.」Eur Heart J 26: 384〜416)及びその中の参考文献を参照されたい。
(1)妊娠後20週目に収縮期血圧(BP)>140mmHg及び拡張期BP>90mmHg(一般的に、4〜168時間離れた2回の機会に測定される)、
(2)蛋白尿の新しい発症(検尿のディップスティックで1+、24時間蓄尿中で>300mgのタンパク質又はタンパク質/クレアチニン比>0.3を有する1回の無作為の尿試料)、及び
(3)分娩後12週目までの高血圧症及び蛋白尿の消散。
本明細書で教示する疾患又は状態の良好な予後は、一般的に、好ましくは許容可能な期間内での疾患又は状態からの満足のいく部分的又は完全な回復の予想を包含し得る。そのようなものの良好な予後は、より一般的には、好ましくは所定の期間内でのそのようなものの更なる悪化(worsening)又は悪化(aggravating)がないとの予想を包含し得る。
本明細書で教示する疾患又は状態の不良な予後は、一般的に、標準以下の回復及び/又は満足でない遅い回復或いは実質的に回復がないこと又はそのようなものが更に悪化することの予想を包含し得る。
試料中の分子又は分析物の絶対量は、有利には、重量若しくはモル量、又はより一般的には濃度、例えば容量あたりの重量若しくは容量あたりのモルで表すことができる。
試料中の分子又は分析物の相対量は、有利には、上記の別の値に対する、例えば本明細書で教示する参照値に対する増加若しくは減少又は倍数増加若しくは倍数減少として表すことができる。第1パラメータと第2パラメータ(例えば第1の量と第2の量)との間の相対比較を行うことは、まず、上記の第1及び第2パラメータの絶対値を決定することを必要とすることがあるが、必ずしも必要でない。例えば、測定方法は、上記の第1及び第2パラメータについての定量可能な読み出し(例えばシグナル強度)を生成でき、上記の読み出しは、上記のパラメータの値の関数であり、上記の読み出しは、該読出しを各パラメータの絶対値にまず変換することを実際に必要とせずに、第1パラメータ 対 第2パラメータについての相対的な値を生成するように直接比較できる。
よって、パールカンへの本明細書における言及は、パールカンのフラグメントも包含できる。よって、パールカンを測定すること又はパールカンの量を測定することへの本明細書における言及は、パールカンタンパク質又はポリペプチドを測定すること、例えばパールカンの成熟及び/若しくはプロセシングされた可溶/分泌形(例えば血漿循環形)を測定すること、並びに/又はその1以上のフラグメント、例えばエンドレペリン及び/若しくはLG3を測定することを包含し得る。例えば、パールカン及び/又はその1以上のフラグメントは、例えばパールカンのC末端の端に結合する結合分子を用いることにより、集合的に測定でき、測定された量は、集合的に測定された種の全量に相当する。別の例では、パールカン及び/又はその1以上のフラグメント、例えばエンドレペリン及び/又はLG3は、それぞれ個別に測定できる。好ましくは、パールカンの上記のフラグメントは、パールカンの血漿循環形である。「パールカンの血漿循環形」又は短縮して「循環形」との表現は、血漿中を循環する全てのパールカンタンパク質又はそのフラグメントを包含し、すなわち、細胞又は膜結合型でない。いずれの理論に結び付けられることも望まないが、このような循環形は、天然プロセシングにより全長パールカンタンパク質から導くことができるか、又は上記の試料中で生じる既知の分解プロセスに起因できる。あるいくつかの状況では、循環形は、全長パールカンタンパク質であり得、これは、血漿に循環しているのが見出される。よって、上記の「循環形」は、試料中で循環している、すなわち上記の試料の細胞又は膜画分に結合していない任意のパールカンタンパク質若しくはパールカンの任意のプロセシングされた可溶形又はそれらのいずれか一方のフラグメントであり得る。例示的なフラグメントは、プロセシングされたエンドレペリン又はLG-3ペプチドであり得る。例えば、LG3ドメインがエンドレペリンドメインからカテプシンLにより、内皮細胞のアポトーシスプロセス中に切断されることが報告されている(Cailhierら, 2008, JBC Vol.283(40):27220〜27229)。
しかし、文献において、ヒト対象者の血液中のパールカンレベルは、腎機能不全の診断的価値のために用いられておらず、そのことについて示唆されてもいなかった。末期腎患者(Odaら, Clinica Chimica Alta 255(1996):119〜132)又は腎臓移植片の急性拒絶を原因とする慢性同種移植片腎症(O'Riordanら, 2008 Proteomics Clin. Appl. 2:1025〜1035)の尿中のパールカンフラグメントを検出した2つの出版物があるが、血液試料中のパールカンレベルが腎不全を示すことは予想できない。この出版物は、実際には、末期腎疾患の患者の尿からの低分子量タンパク質の新しい精製方法について報告している。上記のペプチドが診断マーカーであり得ることは示されていない。
更に、文脈からそうでないことが明らかでない限り、全般的に、任意のタンパク質、ポリペプチド又はペプチド及びそれらのフラグメントへの本明細書における言及は、例えばリン酸化、グリコシル化、脂質化、メチル化、システイン化、スルホン化、グルタチオン化、アセチル化、メチオニンスルホキシド又はメチオニンスルホンへのメチオニンの酸化などを含む発現後修飾を有するような上記のタンパク質、ポリペプチド又はペプチド及びフラグメントの改変形も包含し得る。
例えば、フラグメントは、対応する全長タンパク質の≧5連続アミノ酸の配列、又は≧10連続アミノ酸、又は≧20連続アミノ酸、又は≧30連続アミノ酸、例えば≧40連続アミノ酸、例えば≧50連続アミノ酸、例えば≧60、≧70、≧80、≧90、≧100、≧200、≧300、≧400、≧500若しくは≧600連続アミノ酸を含み得る。
用語「単離」は、本明細書で用いる場合、好ましくは、修飾語「精製」も包含できる。本明細書で用いる場合、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド及び/又はそのフラグメントに関する「精製」との用語は、絶対的な純粋性を必要としない。代わりに、これは、そのようなタンパク質、ポリペプチド、ペプチド及び/又はフラグメントが、その他のタンパク質に対するそれらの豊富さ(簡便には、質量若しくは重量又は濃度の点で表される)が生体試料中よりも大きい孤立環境にあることをいう。孤立環境とは、単一媒体、例えば単一溶液、ゲル、沈殿物、凍結乾燥物などのことをいう。精製ペプチド、ポリペプチド又はフラグメントは、例えば実験室又は組換え合成、クロマトグラフィー、調製電気泳動、遠心分離、沈殿、親和性精製などを含む既知の方法により得ることができる。
結合物質は、パールカンの血漿循環形及び細胞結合又は保持形の両方に結合できる。好ましくは、結合物質は、パールカンの血漿循環形に特異的に結合できるか又はそれを特異的に検出できる。
本明細書を通して用いる特異的結合物質は、なかでも、抗体、アプタマー、フォトアプタマー、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物又は小分子を含み得る。
本明細書で教示する免疫化により得られる又は得ることができる免疫血清は、本明細書で開示するパールカンのフラグメントの1以上に特異的に結合する抗体試剤を作製するために特に有用であり得る。
例えば、そのような方法は、イムノアッセイ法、質量分析法若しくはクロマトグラフィー法又はそれらの組み合わせを含み得る。
例えば、独特の参照値は、本明細書で教示する所定の疾患又は状態を有するリスク(例えば異常に上昇したリスク)の予知 対 上記の疾患又は状態を有さない又は通常のリスクの予知を表し得る。別の例では、独特の参照値は、このような疾患又は状態を有するリスクの程度が異なる予知を表し得る。
更に別の例では、独特の参照値は、本明細書で教示する所定の疾患又は状態についての良好な予後 対 上記の疾患又は状態の不良な予後を表し得る。更なる例において、独特の参照値は、そのような疾患又は状態についての様々に好ましい又は好ましくない予後を表し得る。
パールカンの量についての参照値は、他のバイオマーカーについて以前に用いられた既知の手順に従って確立できる。
例えば、本明細書で教示する所定の疾患又は状態の具体的な予知、診断及び/又は予後のためのパールカンの量の参照値は、上記の疾患又は状態の具体的な予知、診断及び/又は予後を特徴とする個体又は個体の集団からの試料中のパールカンの量を決定することにより確立できる(すなわち、腎機能不全の上記の予知、診断及び/又は予後が真である者について)。このような集団は、限定することなく、≧2、≧10、≧100又は数百以上の個体さえ含み得る。
第2の値からの第1の値の「逸脱」は、一般的に任意の方向(例えば増加:第1の値>第2の値;又は減少:第1の値<第2の値)及び任意の程度の変化を包含し得る。
例えば、逸脱は、限定することなく、比較を行う第2の値に対して、少なくとも約10% (約0.9倍以下)又は少なくとも約20% (約0.8倍以下)又は少なくとも約30% (約0.7倍以下)又は少なくとも約40% (約0.6倍以下)又は少なくとも約50% (約0.5倍以下)又は少なくとも約60% (約0.4倍以下)又は少なくとも約70% (約0.3倍以下)又は少なくとも約80% (約0.2倍以下)又は少なくとも約90% (約0.1倍以下)第1の値が減少することを包含し得る。
好ましくは、逸脱は、統計学的に有意な観察される変化のことをいうことがある。例えば、逸脱は、所定の集団における参照値の誤差範囲の外側(例えば標準偏差若しくは標準誤差で表されるか又は予め決定されたその倍数、例えば±1×SD若しくは±2×SD又は±1×SE若しくは±2×SE)の観察される変更のことをいうことがある。逸脱は、所定の集団における値により定義される参照範囲の外側(例えば該集団における値の≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧75%若しくは≧80%若しくは≧85%若しくは≧90%若しくは≧95%又は≧100%さえを含む範囲の外側)の値のことをいうこともある。
例えば、ある実施形態において、本明細書で教示する所定の疾患若しくは状態がないとの予知又は診断を表すか或いは上記の疾患又は状態についての良好な予後を表す参照値と比較して上昇した(好ましくは少なくとも約1.1倍上昇若しくは少なくとも約1.2倍上昇、より好ましくは少なくとも約1.3倍上昇、更により好ましくは少なくとも約1.4倍上昇、更により好ましくは少なくとも約1.5倍上昇、例えば約1.1倍〜3倍の間上昇若しくは約1.5倍〜2倍の間上昇した)対象者からの試料中のパールカンの量は、対象者が、上記の疾患又は状態を有するか又は有するリスクにあることを示すか、或いは対象者における疾患又は状態についての不良な予後を示す。
対象者からの試料中のパールカンの量と、本明細書で教示する所定の疾患又は状態のある予知、診断及び/又は予後を表す参照値との間に逸脱が見出されない場合、そのような逸脱無しは、該対象者における上記の疾患又は状態の予知、診断及び/又は予後が、参照値により表されるものと実質的に同じであるとの結論を示すか又はそのような結論に帰することができる。
上記の考察は、バイオマーカープロフィールについても同様に当てはめられる。
更なる例において、独特の参照プロフィールは、本明細書で教示する所定の疾患又は状態の診断 対 そのような疾患又は状態がないことの診断(例えば健常の、又は該疾患若しくは状態からの回復などの診断)を表すことができる。別の例では、独特の参照プロフィールは、様々な重度の上記の疾患又は状態の診断を表し得る。
更に別の例では、独特の参照プロフィールは、本明細書で教示する疾患又は状態の良好な予後 対 該疾患又は状態の不良な予後を表し得る。更なる例では、独特の参照プロフィールは、そのような疾患又は状態についての様々に好ましい又は好ましくない予後を表し得る。
例えば、本明細書で教示する所定の疾患又は状態の具体的な予知、診断及び/又は予後についてのパールカンの量並びに1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量の参照プロフィールは、上記の疾患又は状態の具体的な予知、診断及び/又は予後を特徴とする(すなわち、該疾患又は状態の予知、診断及び/又は予後が真である)1の個体又は個体の集団からの試料中のプロフィールを決定することにより確立できる。このような集団は、限定することなく、≧2、≧10、≧100又は数百以上の個体さえ含み得る。
更に、当該技術において既知の多重パラメータ分析を、必要な変更を加えて用いて、値及びそれから得られるプロフィールの群の間(例えば試料プロフィールと参照バイオマーカープロフィールとの間)の逸脱を決定できる。
試料プロフィールと本明細書で教示する所定の疾患又は状態のある予知、診断及び/又は予後を表す参照プロフィールとの間に逸脱が見出されない場合、そのような逸脱無しは、該対象者における上記の疾患又は状態の予知、診断及び/又は予後が、参照プロフィールにより表されるものと実質的に同じであるとの結論を示すか又はそのような結論に帰することができる。
家庭での検査キットは、患者に読出しを提供し、患者は、これを医師、応急手当ヘルパー又は病院の救急部門に伝えることができ、その後、適当な行動をとることができる。このような家庭での検査キットは、本明細書で教示するいずれか1つの疾患又は状態の病歴を有するか又はそれに罹患するリスクにある人々にとって特に興味がある。
a) 対象者から試料を得る手段
b) 上記の試料中の本明細書で教示する任意の1以上のマーカーの量を測定し、該試料中の1以上のマーカーの量が、ある閾値レベル若しくは値未満又はそれを超えるかを視覚化し、対象者が本明細書で教示する所定の疾患又は状態に罹患しているか否かを示すための手段又はデバイス。
本発明のいずれの実施形態においても、キット又はデバイスは、c) 医師、病院の救急部門又は応急手当ポストと直接交流して、ある人が上記の疾患又は状態に罹患しているか否かを示すための手段を更に含むことができる。
よって、本発明において示す閾値の値は、妊娠のほぼ同じ段階で採取された参照、すなわち非PE妊娠対象者における値であるとよりみなされ、PE対象者の妊娠前又は後の値であるとはあまり見られない。
非限定的な例は、固相に結合した上記の1以上のマーカーについての特異的結合分子を含むシステム、例えば当該技術において公知のラテラルフローストリップ又はディップスティックデバイスなどである。生化学的アッセイを行うためのある非限定的な例は、メンブレンの洗浄を必要としない組み合わせであるテストストリップと標識抗体とを用いることである。テストストリップは、例えば抗hCG 抗体が支持体上に存在し、hCGと複合して、尿のフローにより、視覚化を許容する固定化2次抗体へと運ばれる妊娠検査キットの分野において周知である。このような家庭での検査デバイス、システム又はキットのその他の非限定的な例は、例えば以下において見出すことができる;米国特許第6,107,045、6,974,706、5,108,889、6,027,944、6,482,156、6,511,814、5,824,268、5,726,010、6,001,658号又は米国特許出願第2008/0090305若しくは2003/0109067号。好ましい実施形態では、本発明は、ラテラルフローデバイス又はディップスティックを提供する。このようなディップスティックは、試料が適用されるストリップの一端から試料中の分析物の存在が測定されるそのようなストリップの他端へのキャピラリーフローによる試料の移動を可能にするテストストリップを含む。別の実施形態では、本発明は、試剤ストリップを含むデバイスを提供する。このような試剤ストリップは、1以上の試験パッドを含み、これは、試料で湿らせた場合に、分析物の存在下で色の変化を示し、及び/又は試料中のタンパク質の濃度を示す。
代わりに、参照値は、本明細書で教示する所定の疾患又は状態に罹患している対象者において決定して、これは、次いで、任意の1以上のマーカーの対象者個人の「リスクレベル」、すなわち対象者が上記の疾患又は状態にあるか又はそれにすぐに曝露されることを示す上記の1以上のマーカーのレベルを示すことができる。このリスクレベルは、疾患の進行をモニターするため又は処置の効果を評価するために興味深い。
例えば、調節が決定可能又は測定可能な変数に影響する場合、調節は、該調節がない参照状況と比較して、該変量の値の少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、例えば少なくとも約75%、更により好ましくは少なくとも約100%、例えば少なくとも約150%、200%、250%、300%、400%又は少なくとも約500%の増加を包含し得るか、或いは調節は、該調節がない参照状況と比較して、該変量の値の少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、少なくとも約30%、例えば少なくとも約40%、少なくとも約50%、例えば少なくとも約60%、少なくとも約70%、例えば少なくとも約80%、少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%、例えば少なくとも約96%、97%、98%、99%又は100%さえの減少又は低下を包含し得る。
標的、例えばパールカンタンパク質の「活性」への言及は、一般的に、標的の生物活性の任意の1以上の態様、例えば、限定することなく、例えば細胞、組織、器官又は生物内でのその生化学的活性、酵素活性、シグナル伝達活性及び/又は構造活性の任意の1以上の態様を包含し得る。
例えば、標的のレベルは、標的の発現を調節し、及び/又は発現される標的を調節することにより調節できる。標的の発現の調節は、例えば、標的をコードするヘテロ核RNA (hnRNA)、前駆mRNA (プレmRNA)、mRNA又はcDNAのレベルにて達成又は観察できる。例えば、そして限定することなく、標的の発現の減少は、当該技術において既知の方法、例えば細胞、組織、器官又は生物に、アンチセンス物質、例えばアンチセンスDNA若しくはRNAオリゴヌクレオチド、アンチセンス物質をコードする構築物又はRNA干渉物質、例えばsiRNA若しくはshRNA、又はリボザイム又はそのようなものをコードするベクターなどを、(例えばエレクトロポレーション、リポフェクションなどにより)トランスフェクト又は(例えばウイルスベクターを用いて)形質移入することにより達成できる。例えば、そして限定することなく、標的の発現の増加は、当該技術において既知の方法、例えば細胞、組織、器官又は生物に上記の標的をコードする組換え核酸を、該細胞、組織、器官又は生物における適切な発現レベルをもたらす調節配列の制御下で(例えばエレクトロポレーション、リポフェクションなどにより)トランスフェクト又は(例えばウイルスベクターを用いて)形質移入することにより達成できる。例えば、そして限定することなく、標的のレベルは、標的の形成の変化(例えばフォールディング又は複合体の形成を導く相互作用)及び/又は安定性(例えば複合体に会合するか又は複合体から解離する複合体構成要素の傾向)、標的の分解又は細胞局在などにより調節できる。
本明細書で用いる場合、「担体」又は「賦形剤」は、任意の及び全ての溶剤、希釈剤、バッファー(例えば中性緩衝食塩水又はリン酸緩衝食塩水)、可溶化剤、コロイド、分散媒、ビヒクル、充填剤、キレート化剤(例えばEDTA又はグルタチオン)、アミノ酸(例えばグリシン)、タンパク質、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香料、芳香付加剤(aromatisers)、増粘剤、デポー効果を達成するための物質、コーティング、抗真菌剤、防腐剤、抗酸化剤、等張性調節物質、吸収遅延剤などを含む。医薬的活性物質にこのような媒体及び物質を用いることは、当該技術において周知である。任意の従来の媒体又は物質が活性物質と相溶性でない場合を除いて、治療用組成物におけるそれらの使用が企図できる。
MASSTERCLASS実験構成
MASSterclassアッセイは、最終段階ペプチド定量システムとして安定同位体希釈法を用いる標的タンデム質量分析を用いる(多重反応モニタリング(MRM)及び単一反応モニタリング(SRM)ともよばれる)。標的ペプチドは、興味対象の特定タンパク質について特異的(すなわちプロテオタイプ的)であり、すなわち測定されるペプチドの量が、元の試料中のタンパク質の量に正比例する。複合試料中のバイオマーカー定量に必要な特異性及び感度に達するために、ペプチド分画を、最終段階定量ステップの前に行う。
- 血漿/血清試料
- ProteoPrepスピンカラム(Sigma Aldrich)を用い、抗アルブミン及び抗IgG抗体を用いる親和性捕捉を用いるヒトアルブミン及びIgGの枯渇(タンパク質レベルでの複雑さの低減)
- 既知量の同位体標識ペプチドの添加。このペプチドは、質量の差を生じるために組み込まれた1つの同位体標識アミノ酸を典型的に有する興味対象のプロテオタイプペプチドと同じアミノ酸配列を有する。プロセス全体の間に、標識ペプチドは、分子質量に基づく最終段階定量ステップ中以外は、内因性ペプチドと同一の化学的及びクロマトグラフィーにおける挙動を有する。
- トリプシン消化。枯渇血清/血漿試料中のタンパク質を、トリプシンを用いてペプチドに消化する。この酵素は、リシン又はアルギニンのC末端にプロリンが存在する場合を除いて、タンパク質をリシン及びアルギニンのC末端で切断する。消化の前に、タンパク質を煮沸により変性させ、これによりタンパク質分子は37℃にて16時間のインキュベーションの間にトリプシン活性がより近づきやすくなる。
- 第2のペプチドに基づく分画:フェニルHPLC (XBridge Phenyl;Waters)は、ペプチドを、ペプチド配列中に存在するアミノ酸の疎水性及び芳香族の性質に従って分離する。バックエンドC18分離を用いる直交性は、増加したpH値(pH 10)でカラムを操作することにより達成する。Gilarら2005, J Sep Sci 28(14): 1694〜1703により証明されるように、pHは、RP-HPLCにおけるペプチド選択性を変更するための各段に最も劇的なパラメータである。興味対象の各ペプチドは、フェニルカラムから特定の保持時間にて溶出され、これは、合成ペプチドホモログを用いるタンパク質アッセイ開発中に決定される。9つの標準ペプチドの混合物を試料分離のバッチの前に分離する外的対照システムを用いることにより、保持時間シフトを修正するために画分回収を調整することが可能になる。分画の程度は、試料中のタンパク質の濃度及び試料の複雑さに依存する。
- 逆相(C18)ナノLC (PepMap C18;Dionex)及びMS/MS:MRM (4000 QTRAP;ABI)/SRM (Vantage TSQ;Thermo Scientific)モードを用いるタンデム質量分析での更なる分離を含むLC-MS/MSに基づく定量。LCカラムは、質量分析計のソースヘッドに連結されたエレクトロスプレーの針に連結する。物質がカラムから溶出されるにつれ、分子はイオン化され、気相の質量分析計に入る。モニタリングされるペプチドは、第1四重極(Q1)を通過するように、その質量電荷比(m/z)に基づいて特異的に選択される。選択されたペプチドは、次いで、衝突セルとして用いられる第2四重極(Q2)においてフラグメンテーションされる。得られたフラグメントは、次いで、第3四重極(Q3)に入る。装置の設定により(アッセイ開発段階中に決定される)、1又は複数の特異的ペプチドフラグメント(又はいわゆるトランジション)のみが検出のために選択される。
- モニターするペプチドのm/zとこのペプチドのモニターするフラグメントのm/zとの組み合わせは、トランジションとよばれる。このプロセスは、1つの実験中の複数のトランジションについて行うことができる。内因性ペプチド(分析物)及びその対応する同位体標識合成ペプチド(内部標準物質)はともに、同じ保持時間にて溶出され、同じLC-MS/MS実験において測定される。
- MASSterclassの読出しは、分析物に特異的なピーク下面積と、合成同位体標識類似体(内部標準物質)に特異的なピーク下面積との比により定義される。MASSterclass読出しは、試料中のタンパク質の元の濃度に正比例する。MASSterclass読出しは、よって、異なる試料及び試料の群の間で比較できる。
- 25μLの血漿を、20mM NH4HCO3を結合/平衡化バッファーとして用いた以外は、製造業者のプロトコールに従って(ProteoPrepスピンカラム;Sigma Aldrich)、ヒトアルブミン及びIgGの枯渇に供する。
- 涸渇試料(225μL)を、95℃にて15分間変性させ、直ちに氷上で冷却する。
- 500 fmolの同位体標識ペプチド(カスタム調製「Heavy AQUA」ペプチド;Thermo Scientific)を試料に添加する。
- 20μgのトリプシンを試料に加え、37℃にて16時間消化を行う。
- 消化した試料を、まず、溶剤A(0.1%ギ酸)中で1/8、次いで250 amol/μLの全て同位体標識した興味対象ペプチド(カスタム調製「Heavy AQUA」 ペプチド;Thermo Scientific)を含有する同じ溶剤中で1/20に希釈した。
- 20μLの最終希釈物を、オンラインMS/MSを有する逆相NanoLCをMRM/SRMモードで用いて分離した:
- カラム: PepMap C18、75μm I.D.×25cm L、100Å孔径、5μm粒子サイズ
- 溶剤A: 0.1%ギ酸
- 溶剤B: 80%アセトニトリル、0.1%ギ酸
- 勾配:30分;2%〜55% 溶剤B
- MRMモードでのMS/MS: 方法は、分析物及び合成標識ペプチドについてのトランジションを含む。
- 用いたトランジションは、タンパク質アッセイ開発中に実験的に決定して選択した。
- 興味対象のトランジションのそれぞれは、興味対象のペプチドの決定された保持時間の3分前に開始して3分後に終了する期間にわたって測定して、各ピークが少なくとも15のデータ点を有することを確実にした。
- 未処理データを、LCQuanソフトウェア(Thermo Scientific)を用いて分析して定量した:同じC18保持時間での分析物(=パールカンペプチド)ピーク下面積及び内部標準物質(標識合成パールカンペプチド)ピーク下面積を、自動ピーク検出により決定した。これらは、手動で確認した。
- MASSterclass読出しは、分析物ピーク面積と内部標準物質ピーク面積の比により定義した。
測定した比は、ペプチドの示差的な量である。言い換えると、比は、ペプチドの正規化した濃度である。ペプチドの濃度は、質量分析計において測定した比に比例する。
本実施例では、呼吸困難患者の評価のためのパールカン測定の臨床的有用性を評価した。
本研究で用いた299の臨床試料は、最も優勢な症状として呼吸困難を有してBASEL大学病院のEDで診察を受けた治療継続患者についての前向き研究であるBASEL Vコホートの一部である(このコホートの一部は、Potockiら, Journal of Internal Medicine 2010 Jan;267(1):119〜29に記載される)。急性心不全の診断についての最も基準となるものは、90日フォローアップデータ及びBNPレベルを含む患者に関する全ての医療記録についての2人の別々の心臓病専門医の解釈に基づいた。これに基づいて、患者の56% (n=168)は、急性心不全イベントを有すると判定され、その他のものは非心不全呼吸困難と分類された。患者の人口統計、医療病歴、慢性の薬物療法、腎機能パラメータ、エコーパラメータ、確立された心臓及び炎症マーカーレベルを含む広範囲の臨床的及びマーカー変量を収集した(まとめについて表1を参照)。糸球体濾過速度は、腎疾患における食餌の改変(Modification of Diet in Renal Disease;MDRD)式を用いて算出した(Stevensら, New England Journal of Medicine 2006;354:2473〜83)。患者は、入院後少なくとも1年間フォローアップし、全ての原因の死亡を記録した。
特定のタンパク質の診断における正確性を、受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)を、Sullivan Pepe M (The statistical evaluation of medical tests for classification and prediction. 1993 Oxford University Press New York)におけるようにして測定することにより決定した。AUCについての推定及び信頼区間も、ノンパラメトリックアプローチ、すなわちブートストラッピングを用いて計算した(Efron B, Tibshirani RJ. Nonparametric confidence intervals. An introduction to the bootstrap. Monographs on statistics and applied probability. 1993; 57:75〜90 Chapman & Hall New York)。
急性呼吸困難患者(実施例2)をパールカンレベルについてスクリーニングすることにより、推定糸球体濾過速度(eGfr)、クレアチニンレベル及び血中尿素窒素(BUN)レベルでのSpearman順位相関についての低いp値並びに腎臓不全の病歴の有無についてのWilcoxonの低いp値により示されるように(表2にまとめる)、パールカンレベルが腎臓機能に関連する全ての入手可能な臨床パラメータと関連することが明確に示された。図2は、パールカンとeGfrとの相関を示し、これは、パールカンが糸球体濾過の良好な指標であることを示す。パールカンと濾過との相関は、Gfrについての既知の良好なマーカーであるシスタチンCとの相関により更に支持される。シスタチンCは、これらの試料中でMASSterclass技術を用いても測定した。パールカンとシスタチンC及びeGfrとの相関は、急性非代償性心不全の存在について補正した後に妥当なままである(表2)。
推定糸球体濾過速度は、腎臓がどれだけ良好に機能しているかについての良好な指標である。最短で3ヶ月間60未満のeGfrである患者を、慢性腎臓疾患(CKD)とみなした。研究下の急性呼吸困難母集団は、107名の低下したeGfrを有する患者 対 192名のより正常な糸球体濾過速度を有する患者を有する。
図4は、低下した(<60)、中間の(60〜90)及び正常(>90)推定糸球体濾過速度を有する患者においてMASSterclassにより測定されるパールカンの相対レベルを示す。低下したeGfrを有する患者を有する患者のうちのパールカンレベル中央値は、正常eGfr (>90)を有する患者より4.7倍高かった。パールカンレベルは、わずかに低下した腎臓機能を有する患者(eGfrが60〜90の間)においても上昇する。
パールカンとシスタチンC及びeGfrとの相関は、急性非代償性心不全の存在について補正した後に妥当なままである。AHF患者における相関は、パールカンが、心臓の急性代償不全(すなわち心拍出量の低下)によるeGfrの急性変化を検出できることを暗示する。
治療的介入により心拍出量及び腎機能を回復した後に、パールカンレベルもベースラインレベルに戻る。
研究下の急性呼吸困難患者のコホートにおいて、患者を、入院後少なくとも1年間フォローアップした。入院後1年にて、82/299の対象者(27%)が死亡した(全ての原因の死亡)。パールカン並びにその他の臨床的及びマーカー変量と死亡との関係を、異なる方法を用いて研究した。1年目での死亡を参照基準として用いる受信者動作特性分析を行い、曲線下面積の中央値を算出した。「生存」及び「死亡」患者におけるマーカーレベルの分布を、Wilcoxon順位和検定を用いて比較した。Kaplan Meier曲線は、パールカンレベルの関数として分割した群における、発症の後のフォローアップ期間全体にわたる死亡を比較した。
パールカンレベルを、心臓手術患者のコホート(n=100)において、手術前及び術後24時間の両方で更に研究した。患者は、50名の対照とマッチさせた、フォローアップ中にAKIを発症した50名の患者を含むように選択した。100名の患者のうち、12%がフォローアップ中に腎置換療法(RRT)を必要とした。表3は、本研究に含めた患者の特徴をまとめる。検出されたペプチドは、配列番号4及び6で表される。
パールカン分子の異なるドメイン/鎖を定量する異なるMASSterclassアッセイを構築した(表5及び図7を参照)。配列番号7に基づくアッセイは大きいパールカン分子に特異的である一方、配列番号4及び6に基づくアッセイは、パールカンの報告されている生物活性フラグメントであるLG3ペプチドを標的にする。LG3ペプチドを標的にするアッセイは、しかし、このペプチドに特異的でなく、エンドレペリン及びパールカン分子全体も定量する。
Claims (36)
- 対象者における腎機能不全の診断、予知、予後予測及び/又はモニタリング用又は腎機能不全治療のモニタリング用血液バイオマーカーとしてのパールカン又はそのフラグメントの使用。
- 前記フラグメントがパールカンのエンドレペリンドメインである請求項1に記載の使用。
- 前記フラグメントがパールカンのLG3ドメインである請求項1に記載の使用。
- 検査段階が対象者からの血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することを含む、対象者における腎機能不全を診断、予知、予後予測及び/又はモニターする方法。
- 前記フラグメントがパールカンのエンドレペリンドメインである請求項4に記載の方法。
- 前記フラグメントがパールカンのLG3ドメインである請求項4に記載の方法。
- (i)対象者からの血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することと、
(ii)(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量を、腎機能不全又は正常腎機能の既知の診断、予知及び/又は予後を表す、パールカン又はそのフラグメントの量の参照値と比較することと、
(iii)前記参照値からの(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量の逸脱又は逸脱無しを見出すことと、
(iv)逸脱又は逸脱無しの前記知見を、前記対象者における腎機能不全又は正常腎機能の具体的な診断、予知及び/又は予後に帰属させることと
を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。 - (i)2以上の逐次的な時点からの対象者の血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することと、
(ii)(i)で測定した試料間のパールカン又はそのフラグメントの量を比較することと、
(iii)(ii)で比較した試料間のパールカン又はそのフラグメントの量の逸脱又は逸脱無しを見出すことと、
(iv)逸脱又は逸脱無しの前記知見を、2以上の逐次的な時点間の対象者における腎機能又は腎機能不全の変化に帰属させることと
を含む、対象者の好ましくは医療処置経過中に腎機能不全をモニターするための請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 腎機能不全が糸球体濾過速度(GFR)又は推定糸球体濾過速度(eGFR)の低下を特徴とし、好ましくは正常GFR又はeGFRと低下したGFR又はeGFRとの間の閾値が約50〜約70ml/分/1.73m2の間、より好ましくは60ml/分/1.73m2の値に設定され、前記閾値を超える値が正常GFR又はeGFRを示し、前記閾値未満の値が低下したGFR又はeGFRを示す請求項4〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 腎機能不全が蛋白尿を特徴とするか、慢性同種移植片腎症であるか、II型糖尿病であるか、急性腎不全(急性腎傷害)であるか、慢性腎不全(慢性腎臓疾患)であるか、又は腎線維症に関連するか若しくは腎線維症を原因とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 正常腎機能の予知若しくは診断を表すか又は腎機能不全についての良好な予後を表す参照値と比較して上昇した対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量が、対象者が腎機能不全を有しているか若しくは有するリスクにあることを示すか又は対象者における腎機能不全について不良な予後を示す請求項4〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 対象者からの血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することと、パールカン又はそのフラグメントの前記測定した量を、前記対象者の糸球体濾過速度(GFR)に変換することとを含む、対象者のGFRを決定する方法。
- (i)対象者からの血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することと、
(ii)(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量を、腎機能不全又は正常腎機能の既知の診断、予知及び/又は予後を表す、パールカン又はそのフラグメントの量の参照値と比較することと、
(iii)前記参照値からの(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量の逸脱又は逸脱無しを見出すことと、
(iv)前記知見から、腎機能不全を処置する治療の必要性の有無を推論することと
を含む、対象者が腎機能不全を処置する治療を必要としているのか又はこれから必要とするか又は必要としていないのか又はこれからも必要としないのか(例えば、依然として必要としているのか又はもはや必要としないか)を決定する方法。 - 対象者が前記治療の早期の開始を必要としているのか又はこれから必要とするか又は必要としていないのか又はこれからも必要としないのかを決定するための請求項13に記載の方法。
- 腎機能不全を処置する治療が、低カリウム及び/又は低リン食、リンを低下させる薬物療法、赤血球生成刺激剤、鉄サプリメント、血圧薬物療法、ビタミンサプリメント、血液透析、限外ろ過、腹膜透析及び腎臓移植から選択される請求項13又は14に記載の方法。
- 腎機能不全を処置する治療が、術後の及び/又は重篤な患者における血液透析、限外ろ過又は腹膜透析である請求項14又は15に記載の方法。
- 慢性透析患者における透析の時期又はスケジュールが、前記患者において経時的に測定されたパールカン又はそのフラグメントの量の変化によって知らされる請求項15に記載の方法。
- (i)対象者からの血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定するステップと、
(ii)(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量を、死亡の既知の予知又は予後を表す、パールカンの量の参照値と比較するステップと、
(iii)参照値からの(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量の逸脱又は逸脱無しを見出すステップと、
(iv)逸脱又は逸脱無しの前記知見を、対象者における死亡の具体的な予知又は予後に帰属させるステップと
を含む、腎機能不全の対象者における死亡を予知する方法。 - 予め決定された時間間隔内での所定の死亡の予知又は予後を表す参照値と比較して上昇した対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量が、対象者が前記時間間隔内に死亡するリスクが比較的大きいことを示す請求項18に記載の方法。
- (i)対象者からの血液試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することと、
(ii)(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量を、蛋白尿の既知の予知、診断及び/又は予後を表す、パールカン又はそのフラグメントの量の参照値と比較することと、
(iii)参照値からの(i)で測定したパールカン又はそのフラグメントの量の逸脱又は逸脱無しを見出すことと、
(iv)逸脱又は逸脱無しの前記知見を、対象者における蛋白尿の具体的な予知、診断及び/又は予後に帰属させることと
を含む、対象者における蛋白尿を予知、診断、予後予測及び/又はモニターする方法。 - (i)2以上の逐次的な時点からの対象者の試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定することと、
(ii)(i)で測定した試料間のパールカン又はそのフラグメントの量を比較することと、
(iii)(ii)で比較した試料間のパールカン又はそのフラグメントの量の逸脱又は逸脱無しを見出すことと、
(iv)逸脱又は逸脱無しの前記知見を、2以上の逐次的な時点間の対象者における蛋白尿の変化に帰属させることと
を含む、対象者の好ましくは医療処置の経過中に蛋白尿をモニターするための請求項20に記載の方法。 - (i)2以上の逐次的な時点にて請求項20に記載の方法を対象者に適用して、対象者における蛋白尿の診断、予知及び/又は予後を前記逐次的な時点にて決定することと、
(ii)(i)で決定した前記逐次的な時点での対象者における蛋白尿の診断、予知及び/又は予後を比較することと、
(iii)(i)で決定した前記逐次的な時点での対象者における蛋白尿の診断、予知及び/又は予後の間の変化の有無を見出すことと
を含む、対象者の好ましくは医療処置の経過中に対象者における蛋白尿の診断、予知及び/又は予後の変化をモニターする方法。 - 蛋白尿無しの予知若しくは診断を表すか又は蛋白尿についての良好な予後を表す参照値と比較して上昇した対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量が、対象者が蛋白尿を有しているか若しくは有するリスクにあることを示すか又は対象者における蛋白尿についての不良な予後を示す請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 前記フラグメントがパールカンのエンドレペリンドメインである請求項12〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 前記フラグメントがパールカンのLG3ドメインである請求項12〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 検査段階が対象者からの試料中のそれぞれの疾患又は状態の診断、予知及び/又は予後予測に有用な1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量を測定することを更に含む請求項4〜25のいずれか1項に記載の方法。
- (i)対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量並びに前記1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量を測定することと、
(ii)(i)の測定を用いて、パールカン又はそのフラグメントの量並びに前記1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量についての対象者プロフィールを確立することと、
(iii)(ii)の前記対象者プロフィールを、パールカン又はそのフラグメントの量並びに前記1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量についての、それぞれの疾患又は状態の既知の診断、予知及び/又は予後を表す参照プロフィールと比較することと、
(iv)参照プロフィールからの(ii)の対象者プロフィールの逸脱又は逸脱無しを見出すことと、
(v)逸脱又は逸脱無しの前記知見を、対象者におけるそれぞれの疾患又は状態の具体的な診断、予知及び/又は予後に帰属させることと
を含む請求項26に記載の方法。 - 前記他のバイオマーカーが、クレアチニン、シスタチンC、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、ベータ-トレースタンパク質、腎臓傷害分子1(KIM-1)、インターロイキン-18(IL-18)、B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、プロB型ナトリウム利尿ペプチド(proBNP)、アミノ末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NTproBNP)、LTBP2及びC反応性ペプチド並びにそれらのいずれかのフラグメント又は前駆体からなる群より選択される請求項26又は27に記載の方法。
- パールカン又はそのフラグメントの量並びに/或いは1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量が、それぞれ、パールカン及び/又はそのフラグメントに特異的に結合できる結合物質、並びに前記1以上の他のバイオマーカーに特異的に結合できる結合物質を用いて測定される請求項4〜28のいずれか1項に記載の方法。
- パールカン又はそのフラグメントの量並びに/或いは1以上の他のバイオマーカーの有無及び/又は量が、イムノアッセイ技術を用いて、又は質量分析法を用いて、又はクロマトグラフィー法を用いて、又は前記方法の組み合わせを用いて、又はノザンブロッティング若しくは(定量)RT-PCRのようなRNA分析ツールを用いて測定される請求項4〜29のいずれか1項に記載の方法。
- (i)対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定する手段と、好ましくは更に(ii)腎機能不全の既知の診断、予知及び/又は予後を表す、パールカン若しくはそのフラグメントの量の参照値又は前記参照値を確立する手段とを含む、請求項4〜30のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
- (i)対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定する手段と、
(ii)デバイス中に参照値を保存する手段と、
(iii)得られた量を保存された参照値と比較する手段と、
(iv)試料中で測定されたパールカン又はそのフラグメントの量を視覚化する手段と
を含み、前記フラグメントが好ましくはパールカンのエンドレペリン又はLG3ドメインから選択される、対象者からの試料中のパールカン又はそのフラグメントの量を測定できる検査デバイス。 - 試験物質が、パールカン又はそのフラグメントのレベル及び/又は活性を調節、例えば増加又は低減、好ましくは低減できるかを決定することを含み、前記フラグメントが好ましくはパールカンのエンドレペリン又はLG3ドメインから選択される、試験物質の群から腎機能不全の処置に有用である可能性がある候補物質を選択するアッセイ。
- 前記物質が、抗体又はそのフラグメント若しくは誘導体、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣物、アプタマー、フォトアプタマー、化学物質、好ましくは有機分子、より好ましくは有機小分子である請求項33に記載のアッセイ。
- 前記物質が、パールカン又はそのフラグメントの発現を低減又は阻害するその能力について試験され、好ましくは、前記物質がアンチセンス物質、リボザイム、又はRNA干渉を引き起こすことができる物質である、請求項33又は34に記載のアッセイ。
- 薬剤を用いて、必要とする対象者におけるパールカン又はそのフラグメントの活性又は発現レベルを低減することを含み、前記フラグメントが好ましくはパールカンのエンドレペリン又はLG3ドメインから選択される、腎機能不全に罹患した対象者を処置する方法。
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