JP4601765B2 - 測温プローブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は測温プローブ装置に関する。本発明は、例えば、金属溶湯(鋳鉄溶湯、鋳鋼溶湯、銅溶湯、アルミ溶湯、亜鉛溶湯など)や雰囲気ガスの温度を測定する際に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属溶湯などの測温対象物の温度を測定する測温用のプローブ装置が提供されている。このプローブ装置は、耐熱材料で形成された長尺な耐熱管と耐熱管内の先端部に装備された温度検出部とをもつ測温用の検出体であるプローブと、耐熱管の先端部を露出させて耐熱管の外壁面を一体的に包囲する耐熱セラミックス材料で形成された保護スリーブとを備えている。
【0003】
保護スリーブは、耐熱管の損耗等を抑えて耐熱管を保護するためのものであり、前記したように、耐熱管の外壁面を一体的に包囲している。従来の測温プローブ装置によれば、保護スリーブとプローブとは分離できないように一体的に強固に接合されている。このプローブ装置を使用する際には、プローブの耐熱管の先端部を金属溶湯等の測温対象物に接触させる。これによりプローブの耐熱管の先端部に設けられている温度検出部により、測温対象物の温度を測定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この測温プローブ装置においては、一般的には、大容量の金属溶湯に直接接触する保護スリーブは、寿命が短い。殊に、保護スリーブが金属溶湯の湯面や湯面に浮遊しているスラグラインに直接触れる場合には、保護スリーブのうち湯面やスラグラインに直接触れる部位が損耗し易い。
【0005】
このため、保護スリーブが損耗したままの測温プローブ装置で測温を繰り返して実施することになり易く、保護スリーブによる保護性が低下する。よって、測温用のプローブに与える熱損傷(溶湯やスラグとの溶損、溶湯の流れによる摩耗、高温による劣化等が例示される)が大きくなり、高価な測温用のプローブの寿命が短くなり、測温コストの高騰化を誘発していた。
【0006】
即ち、保護スリーブの損耗が進行すると、プローブを構成する耐熱管に溶湯、スラグ、あるいは高温ガスが直接接触することになり、プローブを構成する耐熱管に、反応による溶損、溶湯の流れによる摩耗、高温ガスによる反応劣化が生じ、プローブを構成する耐熱管が損傷する。
【0007】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、保護スリーブの損傷が進行したとき、損傷した保護スリーブを交換できるようにし、高価な測温用のプローブの長寿命化に貢献できる測温プローブ装置を提供することを課題とするにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る測温プローブ装置は、耐熱材料で形成された長尺な耐熱管と耐熱管内の先端部に装備された温度検出部とをもつ測温用のプローブと、
耐熱管の先端部を露出させつつ測温用のプローブの外壁面を所定の隙間を介して包囲する内壁面と、内壁面で区画されたプローブ挿通孔とをもち、耐熱セラミックス材料で形成された保護スリーブとを備えた測温装置であって、
保護スリーブおよび測温用のプローブは互いに分離可能な別体とされており、測温用のプローブを保護スリーブのプローブ挿通孔に離脱可能に挿通し、耐熱管の先端部を露出させつつ測温用のプローブの外壁面を保護スリーブの内壁面で離脱可能に隙間を介して包囲する構成とし、
前記保護スリーブの外周面を離脱可能に周方向に保持し前記保護スリーブを離脱可能に測温用の前記プローブに保持する中間取付具が設けられており、前記保護スリーブの外周面は前記中間取付具に係脱可能に係合する被係合部をもち、この状態で使用し、
前記保護スリーブの損傷が進行したとき、前記中間取付具を前記保護スリーブの前記被係合部から離脱させて、測温用の前記プローブに対して前記保護スリーブを離脱して新しい前記保護スリーブと交換できるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
使用の際には、測温用のプローブを保護スリーブのプローブ挿通孔に挿通する。プローブを保護スリーブのプローブ挿通孔に挿通すれば、保護スリーブの寿命まで、保護スリーブをプローブに装着しておくことが好ましい。保護スリーブの寿命がきたとき、損傷した保護スリーブをプローブから離脱し、新しい保護スリーブと交換する。また、機械的衝撃等で保護スリーブにワレ、カケなどが生じたとしたも、保護スリーブのみを交換することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
プローブとは測温機能をもつ検出体を意味し、耐熱管と温度検出部とを備えている。プローブを構成する耐熱管はサーメットなどの耐熱材料で形成されている。サーメットは、測温の際の熱伝達率の向上に寄与できる金属相と、耐熱性の向上に寄与できる耐火物相との混合材料で構成されている。サーメットとしてはモリブデン−ジルコニア系を採用できる。
【0011】
プローブの温度検出部は耐熱管内の先端部に装備されており、熱電対の測温接点を採用でき、場合によっては光高温計等の他の測温手段を採用でき、要するに金属溶湯の温度を検出できる機能をもつものであればよい。熱電対としては測温できるものであれば良く、使用条件によって選択でき、白金-白金ロジウム系であっても、アルメル-クロメル系であっても、クロメル-コンスタンタン系であっても、鉄-コンスタンタン系であっても、銅-コンスタンタン系であっても良い。
【0012】
保護スリーブは耐熱管を包囲して保護するためのものであり、耐熱セラミックス材料で形成されている。耐熱セラミックス材料としては、アルミナ系、アルミナ−カーボン系、マグネシア系、マグネシア−カーボン系、シリカ系、ジルコニア系、ジルコニア−カーボン系、炭化珪素系、炭化珪素−カーボン系などの少なくとも1種を採用できる。保護スリーブとプローブの耐熱管とは同軸的配置であっても良いし、多少非同軸的配置であっても良い。後者の場合には、保護スリーブとプローブとの間にシール部材を配置することが好ましい。
【0013】
本発明においては必要に応じて、次の実施形態(1)〜(6)の少なくとも一つを採用することができる。
【0014】
(1)測温用のプローブおよび保護スリーブをそれぞれ支持する共通支持体が設けられており、測温用のプローブを共通支持体に支持する第1支持部と、保護スリーブを共通支持体に支持する第2支持部とが設けられている形態を採用できる。使用の際には、測温用のプローブと保護スリーブとは互いに独立して共通支持体に支持される。
【0015】
(2)保護スリーブを離脱可能に測温用のプローブに取り付ける中間取付具が設けられており、保護スリーブは中間取付具に係合する被係合部をもつ形態を採用できる。使用の際には、保護スリーブは中間取付具により測温用のプローブに離脱可能に吊持されている。
【0016】
(3)プローブと保護スリーブとの間の隙間にガスを供給して金属溶湯の隙間への進入を抑制するガス供給手段が設けられている形態を採用できる。この場合には、使用の際に、プローブと保護スリーブとの間の隙間にガスを供給する。これにより測温プローブ装置の先端部を金属溶湯に浸漬する場合であっても、金属溶湯が隙間に進入することを抑制でき、プローブの保護性を高めることができる。
【0017】
(4)使用の際には、測温用のプローブの外壁面と保護スリーブの内壁面との間の隙間の少なくとも一部に、凝着を抑える機能をもつ耐凝着性が良いシール材が介在している形態を採用できる。耐凝着性が良いシール材としては、使用時の熱の影響で硬化しないまたはあまり硬化しない耐熱材料で形成することができ、たとえば、粉粒状、繊維状、薄肉筒状等のカーボン材料を採用できる。また場合によっては、微小な粉粒状または繊維状の耐火材と硬化剤(水ガラスなど)とを混ぜ、硬化剤の量を少なくして配合して形成できる。
【0018】
(5)使用の際には、測温用のプローブの外壁面と保護スリーブの内壁面との間の隙間は、シール材を用いることなく、測温用のプローブの外壁面と保護スリーブの内壁面との間の隙間を空間のままとしておく形態を採用できる。一般的には、隙間幅が小さいならば、隙間に金属溶湯が侵入したとしても、侵入した金属溶湯の量は少量で済む。なお、隙間幅は溶湯の条件等に応じて適宜選択できる。
【0019】
ところで本発明装置によれば、使用の際には、プローブの耐熱管の先端部を測温対象物に接触させ、測温対象物の温度を測定する。測温対象物としては、金属溶湯などの液体、雰囲気ガスなどの気体、金属物や耐火物等の固体などを採用できる。金属溶湯等の液体を本発明装置によって測温する場合には、取鍋などの容器に保持されている金属溶湯等の液体の液面に上方から、本発明装置のプローブの耐熱管の先端部を浸漬させても良い。あるいは、金属溶湯などの液体を貯留している取鍋などの容器の壁部(例えば底部や側壁部)から、本発明装置のプローブの耐熱管の先端部を浸漬させても良い。金属溶湯としては鋳鉄系、鋳鋼系、合金鋼系等の鉄系溶湯、アルミニウム系、銅系等の非鉄系溶湯が例示される。
【0020】
(6)プローブの耐熱管の外壁面と保護スリーブの内壁面とは、同軸的配置とすることができる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)
以下、図1を参照して第1実施例を説明する。
【0022】
本実施例に係る測温プローブ装置1は、図1に示すように、外方向に延設されたフランジ状の第1支持部20をもつプローブ2と、アルミナ焼成品で形成された保護スリーブとして機能する厚肉保護スリーブ4とを備えている。プローブ2は測温機能をもつ検出体であり、軸長方向に配置され熱伝導性および耐熱を有するようにサーメット材料(Mo相−ZrO2相)の混合材料で形成された長尺な耐熱管21と、耐熱管21の先端部内に設けられた温度検出部としての測温接点22と、耐熱管21の基端部に設けられ信号線23を配線した配線部を有すると共に信号線23を導出するターミナルヘッド24とをもつ。
【0023】
耐熱管21の軸長方向にのびる中央孔の先端は、閉鎖部21cにより閉鎖されている。耐熱管21の軸長方向にのびる中央孔21kには、底部25cをもつ保護管25が挿入されている。保護管25の中央孔25kに長尺な絶縁管26が挿入されている。絶縁管26に形成された互いに独立して並走する一対の通孔27には白金系の熱電対28が挿入されている。熱電対28の先端は互いに結合し、温度検出部としての測温接点22を形成している。
【0024】
厚肉保護スリーブ4は円筒形状をなしており、プローブ2から容易に離脱できるようにプローブ2と物理的に別体であり、軸長方向に延設されたプローブ挿通孔40を区画する内壁面41と、外方に膨出する膨出部42を有する外気に対面する外壁面43とをもつ。厚肉保護スリーブ4の上端部の外面には、リング溝状の被係合部44が形成されている。被係合部44に、耐熱性をもつ金属で形成された中間取付具6が離脱可能に取り付けられている。中間取付具6は2分割方式とされており、横断面で実質的にC字形状をなす半割状の第1金具61および第2金具62で構成されている。第1金具61は、外方に延設されたフランジ状の第2支持部63と、厚肉保護スリーブ4の被係合部44に離脱可能に係合する係合部65をもつ。第2金具62も同様である。
【0025】
共通支持体7は横方向に延設されており、上下方向に貫通する測温孔73をもつ。共通支持体7は、金属溶湯の上方に位置が変わらないように固定的に配置された固定式であっても良いし、測温時に金属溶湯の上方に位置するように旋回する旋回アーム式であっても良い。共通支持体7の上面7cには部分的に、係止片状の第1取付部71および係止片状の第2取付部72が測温孔73の近傍に設けられている。
【0026】
組付の際には、耐凝着性の良い耐火材料としてのカーボン材料で形成されたシール材49をプローブ2の耐熱管21の外壁面(耐熱管21の外壁面のうち少なくとも寸法L相当を除く)に巻き付ける。このプローブ2を厚肉保護スリーブ4のプローブ挿通孔40に矢印Y1方向に離脱可能に挿通する。耐熱管21のうち測温接点22を包囲する先端部21eは、厚肉保護スリーブ4の下部の端4xから所定長L突出する。従って耐熱管21の先端部21eは厚肉保護スリーブ4で覆われておらず、露出している。その理由は測温接点22への熱伝達を迅速化して測温を速やかに行うためである。
【0027】
シール材49はプローブ2の耐熱管21と厚肉保護スリーブ4との間の隙間48をシールしている。よって隙間48に金属溶湯が進入することが抑えられる。よって、隙間48に進入した金属溶湯の凝固に起因するプローブ2の耐熱管21と厚肉保護スリーブ4との固着が抑えられる。また、進入した金属溶湯とプローブ2の耐熱管21との反応、進入した金属溶湯と厚肉保護スリーブ4との反応が抑えられる。
【0028】
上記したようにプローブ2を厚肉保護スリーブ4のプローブ挿通孔40に挿通したら、第1金具61および第2金具62の係合部65を厚肉保護スリーブ4の被係合部44にこれの半径方向内方つまり矢印X1方向に嵌めて離脱可能に取り付ける。前記した共通支持体7の測温孔73はこれの横側方が開口しているため、測温プローブ装置1を横方に移動させることにより共通支持体7の測温孔73に嵌めることができる。
【0029】
図1は測温プローブ装置1を共通支持体7の測温孔73に嵌めた状態を示す。この状態では、図1に示すように共通支持体7よりも下方に測温プローブ装置1の大部分が突き出る。この状態では、第1支持部20と第1取付部71との間に第1圧入部材71mを圧入するとともに、第2支持部63と第2取付部72との間に第2圧入部材72mを圧入する。これにより第1支持部20が共通支持体7に支持されると共に、第2支持部63が共通支持体7に支持される。即ち、プローブ2と厚肉保護スリーブ4とは互いに独立して共通支持体7に支持される。なお、圧入部材71m,72mは楔として機能する。
【0030】
測温の際には、耐熱管21の先端部21eが金属溶湯Mに液面M1から浸漬され、熱電対28の測温接点22により金属溶湯が測温される。測温の際には、耐火材料を損耗させ易い金属溶湯の湯面が厚肉保護スリーブ4に触れるため、厚肉保護スリーブ4が次第に損耗し、使用回数が増加すると寿命がくる。厚肉保護スリーブ4の寿命がきた場合には、寿命がきた古い厚肉保護スリーブ4のプローブ挿通孔40からプローブ2を離脱させる。そして、新しい厚肉保護スリーブ4のプローブ挿通孔40にプローブ2を挿通し、交換する。
【0031】
そのため、従来技術とは異なり、厚肉保護スリーブ4が損耗したままで測温せずとも良く、高価なプローブ2の長寿命化に貢献でき、測温コストの低減に貢献できる。
【0032】
本実施例では、寿命がきた厚肉保護スリーブ4をプローブ2から離脱させる際に、耐凝着性の良い耐火材料としてのカーボン材料で形成されたシール材49が設けられているため、プローブ2と厚肉保護スリーブ4との凝着を抑制でき、プローブ2から厚肉保護スリーブ4を容易に外すことができる。
【0033】
本実施例においては、プローブ2の第1支持部20および厚肉保護スリーブ4の第2支持部63が共通支持体7に互いに独立して共通支持体7に支持される。即ちプローブ2および厚肉保護スリーブ4が共通支持体7に互いに独立して支持される。そのため厚肉保護スリーブ4の重量が大きいときであっても、厚肉保護スリーブ4の重量がプローブ2に直接的に作用しないため、プローブ2の重量負荷が軽減される利点が得られる。
【0034】
(第2実施例)
図2に示す第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。同一機能を奏する部位には同一の符号を付する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。
【0035】
厚肉保護スリーブ4の上端部の外面にはリング溝状の被係合部44が形成されている。中間取付具6は半割形状をなす第1金具61および第2金具62で構成されており、厚肉保護スリーブ4を測温用のプローブ2に離脱可能に取り付けるものである。第1金具61および第2金具62は半径方向内方に突出する係合部65をもつ。係合部65は厚肉保護スリーブ4の被係合部44に離脱可能に係合する。第1金具61および第2金具62には側方に開口する径小の貫通孔67が形成されている。取付子としての取付ビス68を貫通孔67に挿通し、取付ビス68の先端がプローブ2の保持部2kの凹状の係止部2wに係止する。これにより中間取付具6がプローブ2の上部に離脱可能に取り付けられ、以てプローブ2の金属製の保持部2kに厚肉保護スリーブ4が中間取付具6を介して吊持される。
【0036】
使用の際には図2に示すようにプローブ2の上端部のフランジ状の第1支持部20は共通支持体7の上面7cに載せられる。
【0037】
本実施例においても、厚肉保護スリーブ4の寿命がきた場合には、寿命がきた厚肉保護スリーブ4をプローブ2から離脱させ、新しい厚肉保護スリーブ4と交換する。そのためプローブ2の損傷をほぼ先端部のみにすることができる。プローブ2の先端部は、溶湯の湯面位置、スラグライン位置に比較して、損傷速度がはるかに小さい。従って高価なプローブ2を長期にわたり使用し続けることができる。 寿命がきた厚肉保護スリーブ4をプローブ2から離脱させる際に、前記した実実施例と同様にシール材49はプローブ2から容易に外すことができるし、シール材49の凝着防止機能によりプローブ2の耐熱管21と厚肉保護スリーブ4とが互いに凝着することを抑え得る。そのため、新しい厚肉保護スリーブ4をプローブ2に取り付けることが容易となる。
【0038】
本実施例においては、プローブ2の金属製の保持部2kに厚肉保護スリーブ4が中間取付具6を介して吊持されるため、厚肉保護スリーブ4の重量がプローブ2のサーメット製の耐熱管21に作用せず、金属製で強度をもつ保持部2kに作用するため、サーメット製の耐熱管21の保護に有利となる。
【0039】
(第3実施例)
図3に示す第3実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。同一機能を奏する部位には同一の符号を付する。以下相違する部分を中心として説明する。厚肉保護スリーブ4の上端部の外面には、リング溝状の被係合部44が形成されている。中間取付具6は半割形状をなす互いに分離可能な第1金具61および第2金具62で構成されている。第1金具61および第2金具62に形成されている係合部65は、厚肉保護スリーブ4の被係合部44に離脱可能に係合する。第1金具61および第2金具62には凹状の第2係合部65xがそれぞれ形成されている。凹状の第2係合部65xは、プローブ2の金属製の保持部2kの外面に突出した凸状の部分2xと係合する。このように係合した状態でリング形状の締結部材6pにより、第1金具61および第2金具62は互いに離脱しないように保持される。これにより中間取付具6がプローブ2の金属製で強度をもつ保持部2kに取り付けられる。以てプローブ2の保持部2kに厚肉保護スリーブ4が中間取付具6を介して吊持される。
【0040】
プローブ2の上端部は旋回アーム状の共通支持体7Bの取付部7Dに支持されている。
【0041】
本実施例においても、厚肉保護スリーブ4の寿命がきた場合には、寿命がきた厚肉保護スリーブ4をプローブ2から離脱させ、新しい厚肉保護スリーブ4と交換する。そのため高価なプローブ2が保護され続け、高耐用となる。寿命がきた厚肉保護スリーブ4をプローブ2から離脱させる際に、シール材49はプローブ2から容易に外すことができるし、シール材49の凝着防止機能により厚肉保護スリーブ4がプローブ2の耐熱管21に凝着することを抑え得るため、新しい厚肉保護スリーブ4をプローブ2に取り付けることが容易となる。
【0042】
本実施例においては、プローブ2の金属製の保持部2kに厚肉保護スリーブ4が中間取付具6を介して吊持されるため、厚肉保護スリーブ4の重量がプローブ2のサーメット製の耐熱管21に作用せず、金属製で強度をもつ保持部2kに作用するため、サーメット製の耐熱管21の保護に有利となる。
【0043】
(第4実施例)
図4に示す第4実施例は図1に示す第1実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。同一の機能を奏する部位には同一の符号を付する。
以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。
【0044】
本実施例においては、厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間にはシール部材が設けられていない。その代わりに、ガス供給手段8が測温プローブ装置1に設けられている。ガス供給手段8は、厚肉保護スリーブ4の内壁面41とプローブ2の外壁面との間の隙間48にガスを吹き込み、ガス層を形成するものである。ガス供給手段8は、ガス源80と、ガス源80から延設されたガス通路81と、ガス通路81および隙間48に連通するガス吹出口82と、ガス通路81に設けられた開閉弁84とをもつ。ガス吹出口82から吹き出されたガスは、厚肉保護スリーブ4の内壁面41とプローブ2の外壁面との間の隙間48に吹き出され、所定の圧力で貯まる。隙間48のガスの圧力は、金属溶湯Mが隙間48内に進入することを抑え得る大きさとされている。ガスとしてはアルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス、空気などを採用できる。
【0045】
実施例に係る測温プローブ装置1の先端部を液面M1から金属溶湯Mに浸漬する直前にガスを隙間48に吹き出す方式、測温プローブ装置1の先端部を金属溶湯に浸漬する途中においてガスを隙間48に吹き出す方式、測温プローブ装置1の先端部を金属溶湯に浸漬した直後にガスを隙間48に吹き出す方式を適宜採用することができる。
【0046】
なお図2に示す実施例、第3に示す実施例においても、シール材に代えて、あるいは、シール材とともに上記したガス供給方式を採用することもできる。
【0047】
(第5実施例)
図5に示す第5実施例は、図1に示す第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。同一の機能を奏する部位には同一の符号を付する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。
【0048】
第5実施例では、厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間には、リング状をなす隙間48を埋めるシール部材が設けられていない。従って、厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間に形成されたリング状の隙間48は、空間のままである。
【0049】
本実施例では、測温の際には、測温プローブ装置を金属溶湯Mに浸漬するため、隙間48に金属溶湯Mが進入するおそれがある。しかし、浸漬時間が短時間であること、進入する金属溶湯は大容量ではなく少量であること、プローブ2は厚肉保護スリーブ4により覆われており、大容量の金属溶湯からの熱の影響を直接には受けにくいこと等により、厚肉保護スリーブ4が設けられていない形態に比較して、高価なプローブ2における過剰な熱損傷(溶湯やスラグとの反応や摩耗)を抑えることができる。
【0050】
また本実施例において、隙間48の隙間幅をかなり小さくすれば、隙間幅の小さな隙間48に金属溶湯Mが進入することはその粘性等により抑えられるため、金属溶湯Mによるプローブ2の熱損傷(溶湯との損傷)を抑えるのに有利となる。
【0051】
(第6実施例)
図6に示す第6実施例は、図2に示す第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的に同様の作用効果を奏する。同一の機能を奏する部位には同一の符号を付する。以下、第2実施例と相違する部分を中心として説明する。
【0052】
第6実施例においても、同軸的配置とされている厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間には、リング状の隙間48を埋めるシール部材が設けられていない。従って、厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間に形成された隙間48は、空間のままである。
【0053】
本実施例においても、測温の際には、測温プローブ装置を金属溶湯Mに浸漬するため、隙間48に金属溶湯Mが進入するおそれがある。しかし、浸漬時間が短時間であること、進入する金属溶湯は大容量ではなく少量であること、プローブ2は厚肉保護スリーブ4により覆われており、大容量の金属溶湯からの熱の影響を直接には受けにくいこと等により、厚肉保護スリーブ4が設けられていない形態に比較して、プローブ2における過剰な熱損傷(溶湯やスラグとの溶損、溶湯の流れによる摩耗、高温による劣化等)を抑えることができる。
【0054】
なお、隙間48の隙間幅は条件に応じて適宜設定することができる。本実施例では、隙間48に配置するシール材、隙間48に吹き込むガスを使用しないので、手間がかからず実施することができるメリットがある。勿論、プローブ2の耐用性を向上させ得る効果がある。
【0055】
(他の例)
その他、本発明装置は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で必要に応じて適宜変更して実施できるものである。
【0056】
シール材49は、厚肉保護スリーブ4の下端部とプローブ2の下端部との間のみをシールする構成としても良い。シール材49は上記したものに限らず、アルミナ繊維等のセラミックス繊維で形成したセラミックスシートなどをプローブ2に巻き付けることにして構成しても良い。またカーボン粉末を隙間48に装填し、これをシール材としても良い。
【0057】
本発明においては、厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間の隙間48にシール部材49を詰める方式と、厚肉保護スリーブ4とプローブ2との間の隙間48にガスを送給して貯める方式とを併有させても良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明装置によれば、保護スリーブの損傷が進行したとき、損傷が進行した保護スリーブをプローブから離脱し、新しい保護スリーブと交換することができる。そのため、保護スリーブの損耗度が高いままで測温せずともよく、高価なプローブの熱損傷(溶湯やスラグとの溶損、溶湯の流れによる摩耗、高温による劣化等)を防止することができ、高価なプローブの長寿命化に貢献でき、測温コストの低廉化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る測温プローブ装置を示す構成図である。
【図2】第2実施例に係る測温プローブ装置を示す構成図である。
【図3】第3実施例に係る測温プローブ装置を示す構成図である。
【図4】第4実施例に係る測温プローブ装置を示す構成図である。
【図5】第5実施例に係る測温プローブ装置を示す構成図である。
【図6】第6実施例に係る測温プローブ装置を示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1は測温プローブ装置、2はプローブ、21は耐熱管、22は測温接点(温度検出部)、4は保護スリーブ、6は中間取付具、7は共通支持体、73は測温孔を示す。
Claims (5)
- 耐熱材料で形成された長尺な耐熱管と前記耐熱管内の先端部に装備された温度検出部とをもつ測温用のプローブと、
前記耐熱管の先端部を露出させつつ前記測温用のプローブの外壁面を所定の隙間を介して包囲する内壁面と、前記内壁面で区画されたプローブ挿通孔とをもち、耐熱セラミックス材料で形成された保護スリーブとを備えた測温プローブ装置であって、
前記保護スリーブおよび測温用の前記プローブは互いに分離可能な別体とされており、
測温用の前記プローブを前記保護スリーブの前記プローブ挿通孔に離脱可能に挿通し、前記耐熱管の先端部を露出させつつ測温用の前記プローブの外壁面を前記保護スリーブの内壁面で離脱可能に所定の前記隙間を介して包囲する構成とし、
前記保護スリーブの外周面を離脱可能に周方向に保持し前記保護スリーブを離脱可能に測温用の前記プローブに保持する中間取付具が設けられており、前記保護スリーブの外周面は前記中間取付具に係脱可能に係合する被係合部をもち、この状態で使用し、
前記保護スリーブの損傷が進行したとき、前記中間取付具を前記保護スリーブの前記被係合部から離脱させて、測温用の前記プローブに対して前記保護スリーブを離脱して新しい前記保護スリーブと交換できるようにしたことを特徴とする測温プローブ装置。 - 請求項1において、前記プローブと前記保護スリーブとの間の前記隙間に、耐凝着性が良好なシール材を介在させたことを特徴とする測温プローブ装置。
- 請求項1において、前記プローブと前記保護スリーブとの間の前記隙間にガスを供給して金属溶湯の前記隙間への進入を抑制するガス供給手段が設けられていることを特徴とする測温プローブ装置。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、測温用の前記プローブおよび前記保護スリーブをそれぞれ支持する共通支持体が設けられており、測温用の前記プローブを前記共通支持体に支持する第1支持部と、前記保護スリーブを前記共通支持体に支持する第2支持部とが設けられており、使用の際に測温用の前記プローブと前記保護スリーブとは互いに独立して前記共通支持体に支持されることを特徴とする測温プローブ装置。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、使用の際に、前記保護スリーブは前記中間取付具により測温用の前記プローブに離脱可能に吊持されていることを特徴とする測温プローブ装置。
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