JP4601414B2 - 電池用セパレータとこれを用いる電池の製造方法 - Google Patents

電池用セパレータとこれを用いる電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池の製造に有用であると共に、そのように製造した電池の使用時の安全に寄与することができる電池用セパレータと、これを用いる電池の製造方法に関する。
従来、電池の製造方法として、正極シートと負極シートとの間にこれら電極間の短絡を防止するためのセパレータを挟んで積層し、又は正(負)極シート、セパレータ、負(正)極シート及びセパレータをこの順序に積層し、捲回して、電極シート/セパレータ積層体とし、この電極/セパレータ積層体を電池容器内に仕込んだ後、この電池容器内に電解液を注入して、封口する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、このような電池の製造方法においては、電極シート/セパレータ積層体の保管時や搬送時に電極シートとセパレータが相互にずり移動を起こしやすく、その結果、電池製造の生産性が低く、また、不良品が発生しやすい等の問題があった。また、このようにして得られた電池によれば、その使用時に電極が膨張又は収縮して、電極シートとセパレータとの間の密着性が悪くなって、電池特性が低下したり、また、内部短絡を生じて、電池が発熱昇温し、場合によっては、破壊するおそれさえあった。
他方、電池用セパレータのための多孔質フィルムは、従来、種々の製造方法によって製造されている。例えば、一つの方法として、ポリオレフィン樹脂からなるシートを製造し、これを高倍率延伸する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし、このように高倍率延伸して得られる多孔質膜からなる電池用セパレータは、電池が内部短絡等によって異常昇温した場合のような高温環境下においては、著しく収縮し、場合によっては、電極間の隔壁として機能しなくなるという問題がある。
そこで、電池の安全性を向上させるために、このような高温環境下での電池用セパレータの熱収縮率の低減が重要な課題とされている。この点に関して、高温環境下での電池用セパレータの熱収縮を抑制するために、例えば、超高分子量ポリエチレンと可塑剤を溶融混練し、ダイスからシート状に押し出した後、可塑剤を抽出、除去して、電池用セパレータに用いる多孔質膜を製造する方法も知られている(特許文献4参照)。しかし、この方法によれば、上記の方法と反対に、得られる多孔質膜は、延伸を経ていないので、強度において十分でない問題がある。
特開平09−161814号公報 特開平11−329439号公報 特開平09−012756号公報 特開平05−310989号公報
本発明は、従来の電池の製造における上述したような問題を解決するためになされたものであって、電池の製造に際しては、電極シートとセパレータとを仮接着して、電極シート/セパレータ積層体として、電極シートとセパレータの相互のずり移動なく、電池を効率よく製造することができ、しかも、電池の製造後は、イオン透過性と電気絶縁性のいずれにもすぐれるのみならず、電極シートとの間に強い接着を有する電極シート/セパレータ接合体として機能して、高性能で、しかも、安全性にすぐれる電池を与える電池用セパレータを提供することを目的とする。更に、本発明は、そのような電池用セパレータを用いる電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ヒドロキシ基と共にエポキシ基を有する架橋性ポリマーに上記ヒドロキシ基に対して反応性を有する多官能化合物からなる架橋剤を反応させ、架橋させてなる反応性ポリマーの発泡シート中にエポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルが分散されてなる電池用セパレータが提供される。
更に、本発明によれば、上記セパレータに電極シート積層し、圧着して、電極シート/セパレータ積層体を形成し、この積層体を電池容器内に仕込んだ後、この電池容器内に電解液を注入し、加熱して、エポキシ樹脂硬化剤を活性化して、反応性ポリマーをそのエポキシ基によって架橋、硬化させて、電極シートをセパレータに接着することを特徴とする電池の製造方法が提供される。
本発明による電池用セパレータは、ヒドロキシ基と共にエポキシ基を有する架橋性ポリマーに上記ヒドロキシ基に対して反応性を有する多官能化合物からなる架橋剤を反応させ、架橋させてなる反応性ポリマーの発泡シート中にエポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルが分散されてなるものである。
本発明によれば、必要に応じて、加熱しながら、このような反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータに電極シートを貼り合わせ、いわば仮接着して、電極シート/セパレータ積層体とするので、電極シートとセパレータとの間のずり移動なしに取り扱うことができ、電池の製造における作業性を高める一方、反応性ポリマーは、上記エポキシ樹脂硬化剤がマイクロカプセルから電解液中に溶出するまでは活性化しない(即ち、反応性ポリマー中のエポキシ基の硬化反応を引き起こさない)ので、保存性にもすぐれる。
更に、このような電極シート/セパレータを電池缶内に仕込んだ後、この電池缶内に電解液を注入し、加熱して、上記電極シート/セパレータ中の反応性ポリマーが担持しているエポキシ樹脂硬化剤を活性化させ、反応性ポリマーを架橋、硬化させ、かくして、電極シートとセパレータとを強く接着させ、電極シート/セパレータ接合体を形成させるので、得られる電池が特性にすぐれるのみならず、例えば、過充電のように電池が高温に加熱された場合にも、セパレータの熱収縮が小さいので、内部短絡の発生が抑えられて、安全性にすぐれる電池を得ることができる。
しかも、本発明の電池用セパレータは、ポリマーの発泡シートからなるので、これを電池容器内に仕込んだ後、電池容器内に電解液を注入すれば、電解液がセパレータに速やかに浸透し、いきわたるので、電池容器内への電解液の注入を速やかに行うことができる。また、本発明の電池用セパレータは、ポリマーの発泡シートからなるので、イオン透過性と電機絶縁性の双方にすぐれており、高性能の電池を与える。
本発明において、架橋性ポリマーとは、ヒドロキシ基と共にエポキシ基を有し、上記ヒドロキシ基に対して反応性を有する多官能化合物からなる架橋剤と反応することによって架橋し得るポリマーをいう。また、反応性ポリマーとは、上記架橋性ポリマーをそのヒドロキシ基を上記架橋剤と反応させて、架橋性ポリマーを架橋させたものをいう。従って、反応性ポリマーは、それ自体で既に架橋構造を有している。本発明による電池用セパレータは、このような反応性ポリマーの発泡シート中にエポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルが分散されてなるものである。
本発明において、上記架橋性ポリマーは、ヒドロキシ基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとその他のラジカル重合性モノマーとを常法に従ってラジカル共重合させることによって得ることができる。
このようなヒドロキシ基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとその他のラジカル重合性モノマーをラジカル共重合させるには、例えば、これらのモノマーを酢酸エチル、トルエン等の適宜の有機溶媒に溶解させ、重合開始剤として過酸化ベンゾイルやアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を用いて溶液重合を行えばよい。また、上記モノマーを水中でエマルション重合させてもよい。本発明によれば、このようにして得られる架橋性ポリマーは、その重量平均分子量が、通常、20万から300万の範囲にあることが好ましい。
上記ヒドロキシ基を有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、エポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記ヒドロキシ基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマー以外のその他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールアルキルエーテル等を挙げることができる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、好ましくは、アルキル基の炭素原子数が1〜20のメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。アルキル基は直鎖状でも分岐鎖でもよい。
(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリドン等を挙げることができる。また、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールアルキルエーテルとしては、オキシエチレン単位の数が3〜100、好ましくは、5〜30のメチルエーテル又はエチルエーテルが好ましく用いられる。
本発明において、上記(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルはアクリロイル又はメタクリロイルを意味するものとする。
更に、上記(メタ)アクリレート系モノマー以外にも、種々のビニルモノマーをその他のラジカル重合性モノマーとして用いることができる。このようなビニルモノマーとして、例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ビニレンカーボネート等を挙げることができる。
本発明において、架橋性ポリマーの製造において、上記エポキシ基を有するラジカル重合性モノマーは、全モノマー中の0.1〜30重量%の割合を占めることが好ましい。全モノマー中、エポキシ基を有するラジカル重合性モノマーの割合が0.1重量%よりも少ないときは、得られる架橋性ポリマーを発泡させ、架橋させてなる反応性ポリマーの発泡シートにエポキシ樹脂硬化剤を内包させたマイクロカプセルを分散させて電池用セパレータを形成し、これに電極シートを積層して、電極シート/セパレータ積層体を形成し、この積層体中の反応性ポリマーに電解液中でエポキシ樹脂硬化剤を作用させても、反応性ポリマーが十分に架橋、硬化しないので、電極シートをセパレータに強く接着させることができない。他方、全モノマー中、エポキシ基を有するラジカル重合性モノマーの割合が30重量%よりも多いときは、架橋性ポリマーの製造時にゲルが生成しやすいほか、上記電極シート/セパレータ中の反応性ポリマーを電解液中でエポキシ硬化剤にて架橋、硬化させる際に、架橋が過度となるためであるとみられるが、得られる電池の特性が低下する。
また、ヒドロキシ基を有するラジカル重合性モノマーは、全モノマー中、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。モノマー全量中、ヒドロキシ基を有するラジカル重合性モノマーの割合が0.1重量%よりも少ないときは、得られる架橋性ポリマーに架橋剤を反応させても、架橋性ポリマーの架橋度が小さすぎて、得られるセパレータ電極シートを積層し、これを電解液に接触させたとき、反応性ポリマーが電解液中に溶出しやすく、電極シート/セパレータが分離するおそれがある。他方、10重量%を越えるときは、得られる架橋性ポリマーに架橋剤を反応させたとき、架橋性ポリマーが過度に架橋するので、得られるセパレータに電極シートを圧着することが困難となるおそれがある。
本発明によれば、架橋性ポリマーは、通常、ガラス転移温度が−30℃から100℃の範囲にあることが好ましく、特に、0℃から80℃の範囲にあることが好ましい。しかし、架橋性ポリマーのガラス転移温度が0℃以下であるときは、このような架橋性ポリマーを用いて得られるセパレータに常温にて電極シートを圧着すれば、電極シートをセパレータに仮接着して、直ちに電極シート/セパレータ積層体を得ることができる利点がある。
架橋性ポリマーのガラス転移温度が0〜100℃の範囲にあるときは、このような架橋性ポリマーから得られるセパレータに電極シートを仮接着するには、通常、セパレータを加熱し、これに電極シートを圧着することが必要である。反面、架橋性ポリマーのガラス転移温度が0〜100℃の範囲にあるときは、特に、常温以上、最も好ましくは、50℃以上であるときは、セパレータは常温においてブロッキング性をもたないので、セパレータを積層したり、ロールに捲回したりする際に、その間に剥離シートを挟む必要がない利点がある。
本発明によれば、このような架橋性ポリマーを架橋剤と反応させ、架橋させて、反応性ポリマーとするには、多官能化合物からなる架橋剤が用いられる。このような架橋剤として、好ましくは、多官能イソシアネートが用いられる。多官能イソシアネート化合物としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族、芳香脂肪族、脂環族、脂肪族のジイソシアネートのほか、これらのジイソシアネートをトリメチロールプロパンのようなポリオールを付加させた所謂イソシアネートアダクト体も好ましく用いられる。このような多官能イソシアネートは、通常、架橋性ポリマー100重量部当たり、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。
本発明による電池用セパレータは、前述したような架橋性ポリマーを上記架橋剤にて架橋させてなる反応性ポリマーの発泡シートにエポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルを分散させてなるものであり、ここに、架橋性ポリマーを発泡させる手段、方法としては、発泡剤を用いる化学発泡が好ましく採用される。但し、架橋性ポリマーを発泡させる手段、方法は、このような発泡剤を用いるものに限定されるものではなく、例えば、架橋性ポリマーの溶液を高速攪拌して、気泡を溶液に抱き込ませ、このような溶液から架橋性ポリマーを製膜し、これを架橋させてもよい。また、炭酸ガス等の超臨界液を用いる発泡によることもできる。
発泡剤を用いる化学発泡においては、発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの発泡剤は、得られる発泡シートの発泡倍率等にもよるが、通常、架橋性ポリマー100重量部に対して、1〜20重量部の範囲で用いられ、また、用いる発泡剤や得られる発泡シートの発泡倍率等にもよるが、これらの発泡剤を配合した架橋性ポリマーを100〜200℃に加熱することによって発泡シートを得ることができる。
このように、発泡剤を用いる場合、発泡温度の調節、発生する気泡の均一化や微細化のために、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の発泡助剤、シリカ微粉末のような核剤、フッ素系界面活性剤、アルコールやポリオール化合物等を併用することができる。
また、本発明において、エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセルは、好ましくは、50℃以上の温度でエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤、即ち、50℃以上の温度で活性化する硬化剤を内包しており、この硬化剤を電解液中で溶出させるものである。このようなエポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセルとして、例えば、旭化成(株)製のノバキュアHX−3722やHX−3748が好ましく用いられる。本発明において、マイクロカプセル中のエポキシ樹脂硬化剤が電解液中で溶出する機構は必ずしも明らかではないが、電解液によってマイクロカプセル壁が溶解し、亀裂を生じて、マイクロカプセル内の硬化剤が電解液中に溶出するか、又はマイクロカプセル内に電解液が浸透し、マイクロカプセル内に浸透した電解液によって硬化剤が膨潤し、マイクロカプセル壁を破壊して、硬化剤が電解液中に溶出するものとみられる。上記マイクロカプセルに内包する硬化剤としては、例えば、酸無水物が用いられる。
本発明による電池用セパレータは、前述した架橋性ポリマーを架橋させてなる反応性ポリマーの発泡シートに前記エポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルを分散させてなるものであり、このようなセパレータは、種々の方法によって得ることができる。一例として、例えば、前述した架橋性ポリマーの溶液に上述したような架橋剤を溶解させると共に、例えば、化学発泡による場合は、上述したような発泡剤を配合し、得られた混合物の溶液を適宜の剥離性支持体、例えば、延伸ポリプロピレンフィルムや離型処理を施した紙等の上に流延した後、加熱して、架橋性ポリマー溶液中の溶媒を除去して、先ず、架橋性ポリマーと架橋剤と発泡剤とを含む混合物のシートを得る。次いで、このシートを、例えば、ガス不透過性のフィルムの間に挟んで加熱して、発泡剤を発泡させて、架橋性ポリマーの発泡シートを得ると共に、架橋性ポリマーを前記架橋剤と反応させ、架橋させることによって、かくして、反応性ポリマーの発泡シートにエポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルを分散させた電池用セパレータを得ることができる。必要に応じて、架橋性ポリマーの発泡シートを得た後、更に、架橋性ポリマーを後架橋させてもよい。
本発明によれば、このようにして得られる反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータは、発泡倍率が2〜20倍の範囲、厚みが5〜500μmの範囲、発泡径500μm以下、好ましくは、200μm以下であることが好ましい。ここに、発泡倍率とは、発泡前の架橋性ポリマーのシートの厚みに対する発泡後のシートの厚みの比率をいう。反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータの厚みが5μmよりも薄いときは、強度が不十分であって、電池において内部短絡を起こすおそれがある。しかし、厚みが500μmを越えるときは、電極間距離が大きすぎる結果、電池の内部抵抗が過大となる。
更に、本発明によるこのような反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータは、20〜100%の範囲のゲル分率を有し、好ましくは、25〜80%の範囲のゲル分率を有する。ここに、ゲル分率とは、架橋性ポリマーA重量部と多官能化合物B重量部と発泡剤とからなる混合物を剥離性支持体上に流延し、溶媒を除去した後、加熱して、架橋性ポリマーを発泡させながら、又は発泡させた後、一部、架橋させて、反応性ポリマーからなる発泡シートとし、この発泡シートを電池において用いる電解液のための非水溶媒に温度23℃で7日間浸漬し、次いで、上記非水溶媒を酢酸エチルやテトラヒドロフランのような易揮発性溶媒で置換して乾燥させた後、残存する反応性ポリマーをC重量部とすれば、(C/(A+B))×100(%)として定義される値である。
本発明において、20〜100%の範囲のゲル分率を有する反応性ポリマーの発泡シートを得るには、限定されるものではないが、前述したように、通常、架橋性ポリマー100重量部に対して、発泡剤と共に、多官能化合物を0.1〜10重量部の範囲で配合し、加熱して、架橋性ポリマーを発泡させ、更に、得られる反応性ポリマーが特性的に安定化するまで、架橋反応を行わせることによって得ることができる。架橋性ポリマーの架橋のための加熱温度やそのための反応時間は、用いる架橋性ポリマーや多官能化合物やその種類等にもよるが、実験によってこれら反応条件を定めることができる。例えば、50℃の温度で7日間、加熱、反応させれば、通常、架橋性ポリマーの多官能化合物による架橋反応を完結させて、得られる反応性ポリマーが特性的に安定化する。
更に、本発明によれば、反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータは、膨潤度が5倍以上、特に、10倍以上であることが好ましい。ここに、膨潤度とは、架橋性ポリマーA重量部と多官能化合物B重量部と発泡剤とからなる混合物を剥離性支持体上に流延し、溶媒を除去した後、所定の条件下に加熱して、架橋性ポリマーを発泡させながら、又は発泡させた後、一部、架橋させて、反応性ポリマーからなる発泡シートとし、この発泡シートを電池において用いる電解液のための非水溶媒に温度23℃で7日間浸漬したときの膨潤状態での重量をDとし、次いで、このセパレータを乾燥させた後、残存する反応性ポリマーをC重量部とすれば、D/Cとして定義される値である。この膨潤度は、架橋性ポリマーのモノマー組成や分子量分布、また、架橋性ポリマーの有する官能基量や用いる架橋剤量等によって適宜に調節することができる。本発明によれば、反応性ポリマーの膨潤度が5倍よりも小さいときは、得られる電池が特性に劣る場合がある。
このような反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータは、多官能化合物の不存在下においては、また、電解液と接触して、マイクロカプセル中のエポキシ樹脂硬化剤が活性化されるまでは、それ以上は、反応、架橋しないので、安定であって、長期間にわたって保存しても、変質することがない。
本発明によれば、このような反応性ポリマーの発泡シートにエポキシ樹脂硬化剤を内包させたマイクロカプセルを分散させてなるセパレータに、必要に応じて加熱下に、電極シートを圧着すれば、電極シートをセパレータに容易に仮接着して貼り合わせることができ、かくして、電極シート/セパレータ積層体を得ることができる。
本発明によれば、セパレータの表裏両面に電極シート、即ち、負極シートと正極シートをそれぞれ圧着し、仮接着し、貼り合わせて、電極シート/セパレータ積層体としてもよく、また、セパレータの一方の表面にのみ、電極シート、即ち、負極シート又は正極シートのいずれかを圧着し、仮接着して、電極シート/セパレータ積層体としてもよい。勿論、正(負)極シート/セパレータ/負(正)極シート/セパレータの構成を有する積層体とすることもできる。
本発明において、電極シート、即ち、負極シートと正極シートは、電池によって相違するが、一般に、集電体としての導電性基材上に活物質と、必要に応じて、導電剤とを、通常、フッ化ビニリデン樹脂をバインダーとして用いて、上記導電性基材上に固着させることによって得ることができる。
本発明によれば、このような電極シート/セパレータ積層体を用いることによって、電極シートとセパレータの相互のずり移動がなく、しかも、電池を効率よく製造することができ、電池の製造後は、上記セパレータは、電極シートと接合した電極シート/セパレータ接合体として、電池の安全性に寄与する。
即ち、電極シート/セパレータ積層体を電池容器内に仕込んだ後、この電池容器に電解液を注入し、加熱することによって、電極シート/セパレータ積層体の仮接着を維持したまま、反応性ポリマーを膨潤させると共に、反応性ポリマー中に分散させたマイクロカプセルからエポキシ樹脂硬化剤を溶出させ、活性化させて、反応性ポリマーをそのエポキシ基によって架橋、硬化させて、電極シートとセパレータとの間に一層強い接着を形成させ、かくして、電極シート/セパレータ接合体を得ることができる。
本発明によれば、反応性ポリマーは、前述したように、5〜100%の範囲のゲル分率を有するように、予め、架橋しているので、電極シート/セパレータ積層体を電解液中に浸漬しても、電解液中への反応性ポリマーの溶出が防止され、又は低減されるので、電極シートの接着に有効に用いられる。しかも、反応性ポリマーは5倍以上の膨潤度を有することから、セパレータとこれに仮接着した電極シートの界面でこれらを内包するように膨潤しつつ、エポキシ基の硬化反応によって架橋するので、電極シートがセパレータに一層強固に接着されて、電極シート/セパレータ接合体を与える。本発明によれば、反応性ポリマーは、このように、エポキシ基の硬化反応によって架橋した後も、膨潤度は架橋前とほぼ等しい。得られる電池の特性は、膨潤度が大きいほどすぐれている。
本発明によれば、このように、架橋性ポリマーを予め、架橋させてなる反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータの表面に電極を沿わせ、セパレータの変形等が生じないような温度に加熱しつつ、加圧し、好ましくは、電極シートをセパレータ中に一部、圧入して、いわば、電極シートをセパレータに仮接着して、電極シート/セパレータ積層体とし、その後、この積層体を電池容器に仕込んだ後、この電池容器中に電解液を注入し、反応性ポリマー中に分散させたマイクロカプセル中のエポキシ樹脂硬化剤を活性化させて、反応性ポリマーをそのエポキシ基によって、更に、架橋、硬化させて、電極シート/セパレータ接合体を得る。即ち、電極シートをセパレータにいわば本接着させるものである。
前述した電極シート/セパレータ積層体と同様に、本発明において、電極シート/セパレータ接合体は、負極シート/セパレータ/正極シート接合体のみならず、負極シート又は正極シートのいずれか一方の電極シート/セパレータ接合体や、また、正(負)極シート/セパレータ/負(正)極シート/セパレータなる構成をも含むものとする。
電解液は、電解質塩を溶剤に溶解してなる溶液である。電解質塩としては、例えば、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、第三級又は第四級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、過塩素酸等の無機酸、有機カルポン酸、有機スルホン酸、フッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を用いることができる。しかし、これらのなかでは、アルカリ金属イオン、特に、リチウムをカチオン成分とする電解質塩、例えば、過塩素酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム等が好ましく用いられる。
電解液のための溶剤としては、上記電解質塩を溶解するものであれぱ、どのようなものも用いることができるが、非水系の溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類が用いられる。これらの溶剤は、単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(架橋性ポリマーのガラス転移温度の測定)
架橋性ポリマーの溶液を剥離紙上にキャスティングし、乾燥させた後、厚さ0.2〜0.5mm、幅5mmのシートを得、このシートをチャック間距離10mmとし、セイコー電子工業(株)製DSM120を用いて、温度範囲は−50℃から200℃、昇温速度5℃/分で曲げモードにて10Hzで貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)を測定し、tanδ(E"/E')のピーク温度をガラス転移温度とした。
(電極の調製)
平均粒径15μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2) と黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデン樹脂を重量比85:10:5で混合し、これをN−メチル−2−ピロリドンに加えて、固形分濃度15重量%のスラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の表面に厚み200μmに塗布した後、80℃で1時間乾燥させた。その後、このアルミニウム箔の裏面にも、同様に、上記スラリーを厚み200μmに塗布し、120℃で2時間乾燥させた後、ロールプレスを通して、厚み200μmの正極シートを調製した。
黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデン樹脂を重量比95:5で混合し、これをN−メチル−2−ピロリドンに加えて、固形分濃度15重量%のスラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmの銅箔の表面に厚み200μmに塗布した後、80℃で1時間乾燥させた。その後、この銅箔の裏面にも、同様に、上記スラリーを厚み200μmに塗布し、120℃で2時間乾燥させた後、ロールプレスを通して、厚み200μmの負極シートを調製した。
(セパレータと電極シートとの接着性の評価)
所定の寸法に打ち抜いた正極シート/セパレータ/負極シート積層体に電解液(以下の実施例で用いるものと同じ。)を含浸させた後、ガラス板の間に挟み、電解液の揮発を抑えるために電解液の蒸気で飽和させたデシケータに入れ、温度50℃の恒温室中に7日間投入して、上記積層体のセパレータ中のエポキシ樹脂硬化剤を活性化させて、セパレータ(反応性ポリマー)を架橋反応させ、正負の電極シートをセパレータに接着させて、正極シート/セパレータ/負極シート接合体を得た。
このようにして得られた正極/セパレータ/負極シート接合体を1cm幅に裁断した後、電解液中に常温で24時間浸漬した。この後、湿った常態にて正極シート/セパレータ/負極シート接合体から正負の電極シートを剥がしたときに抵抗があるときを○とし、既に電極が剥がれているときを×とした。
(電池性能の評価)
0.2CmAのレートにて5回充放電を行った後、0.2CmAのレートで充電し、更に、この後、2.0CmAのレートで放電を行って、2.0CmAでの放電容量/0.2CmAのレートでの放電容量比にて放電負荷特性を評価した。
(電池の耐熱性)
電池を150℃1時間加熱した後、電極間の短絡の有無を調べて、短絡のないときを○、短絡のあったときを×とした。
(発泡シートにおける発泡径と発泡倍率)
発泡シートの表面の発泡10点を顕微鏡で観察し、その平均値を発泡径とした。また、発泡後のシートの厚みを発泡前のシートの厚みで除した値を発泡倍率とした。
実施例1
(架橋性ポリマーの調製)
メチルメタクリレート 15 重量部
N,N−ジメチルアクリルアミド 50 重量部
ブチルアクリレート 22 重量部
アクリロニトリル 10 重量部
グリシジルメタクリレート 3 重量部
4−ヒドロキシブチルアクリレート 0.5重量部
アゾビスイソブチロニトリル 0.2重量部
酢酸エチル 150 重量部
上記モノマーと重合開始剤と溶媒とを攪拌機と窒素導入管とコンデンサを備えた四つ口フラスコに仕込み、攪拌下にフラスコ内を窒素置換した。次いで、温水浴中、攪拌しながら、62℃で8時間重合を行い、更に、75℃に昇温して、この温度で3時間保持した後、酢酸エチルを加えて、濃度20重量%の架橋性ポリマーの溶液を得た。この架橋性ポリマーの重量平均分子量は6.0×105 であり、ガラス転移温度は65℃であった。
(セパレータと電池の製造)
エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル(旭化成(株)製ノバキュアHX3722)2.5g、トリメチロールプロパン1モル部にヘキサメチレンジイソシアネート3モル部を付加させてなる3官能イソシアネート0.2g、発泡剤(永和化成工業(株)製ネオセルボン1000S)5重量部、酸化亜鉛3重量部及びシリカ微粉末1重量部を上記架橋性ポリマーの酢酸エチル溶液に架橋性ポリマー100gに対して加えて、架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を得た。
この架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を剥離処理した厚み40μmのポリエステルフィルムからなる剥離性シート上に塗布し、70℃で乾燥させて、剥離性シート上に厚み3μmのシートを得た。この剥離性シート上のシートの上に更に上記と同じポリエステルフィルムからなる厚み40μmの剥離性シートを重ね合わせ、得られた積層物を150℃で10分間加熱して、発泡シートを得た。
この後、更に、これを50℃の恒温室内に3日間投入し、発泡シートの有する架橋性ポリマーのヒドロキシ基を上記3官能イソシアネートと反応させ、架橋させて、反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータを含む積層物を得た。
次いで、上記積層物から一方の剥離性シートを剥離、除去して、他方の剥離製シート上にセパレータを露出させ、このセパレータの表面に前記正極シートを重ね合わせ、温度85℃の加熱貼り合わせロールを用いて、正極シートをセパレータに圧着した。次いで、他方の剥離性シートを剥離、除去して、セパレータの裏面を露出させ、このセパレータの裏面に前記負極シートを重ね合わせ、同様にして、温度85℃の加熱貼り合わせロールを用いて、セパレータに負極シートを圧着し、かくして、負極シート/セパレータ/正極シート積層体(以下、電極シート/セパレータ積層体ということがある。)を得た。
(電池の組立てと電池性能の評価)
アルゴン置換したグローブボックス中、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合溶媒(容量比1/2)に1.2モル/L濃度となるように電解質塩六フッ化リン酸リチウム(LiPF6) を溶解させて、電解液を調製した。
上記電極シート/セパレータ積層体を正負電極板を兼ねる2016サイズのコイン型電池用缶に仕込み、上記電解液をこのコイン型電池の缶内に注入した後、電池用缶を封口して、仕掛品を製作した。この後、この仕掛品を温度50℃の恒温室中に7日間投入して、電極シート/セパレータ接合体を有するコイン型リチウムイオン二次電池を得た。
上記セパレータのゲル分率、厚み、発泡倍率、発泡径及び膨潤度を表1に示し、更に、上記電池の放電負荷特性と耐熱性と電池の製造に用いた上記電極シート/セパレータ積層体におけるセパレータと電極シートとの接着性を表1に示す。
実施例2
実施例1において得られた架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を剥離処理した厚み40μmのポリエステルフィルムからなる剥離性シート上に塗布し、70℃で乾燥させて、剥離性シート上に厚み12μmのシートを得た。この剥離性シート上のシートの上に更に上記と同じポリエステルフィルムからなる厚み40μmの剥離性シートを重ね合わせ、得られた積層物を150℃で10分間加熱して、発泡シートを得た。
以下、実施例1と同様にして、この発泡シートを用いて、電極シート/セパレータ積層体を得、これを用いて、電極シート/セパレータ接合体を有するコイン型リチウムイオン二次電池を得た。
上記セパレータのゲル分率、厚み、発泡倍率、発泡径及び膨潤度を表1に示し、更に、上記電池の放電負荷特性と耐熱性と電池の製造に用いた上記電極シート/セパレータ積層体におけるセパレータと電極シートとの接着性を表1に示す。
実施例3
実施例1において得られた架橋性ポリマーの酢酸エチル溶液に架橋性ポリマー100重量部に対して、エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル(旭化成(株)製ノバキュアHX3722)2.5重量部、トリメチロールプロパン1モル部にヘキサメチレンジイソシアネート3モル部を付加させてなる3官能イソシアネート3.0重量部、発泡剤(永和化成工業(株)製ネオセルボン1000S)5重量部、酸化亜鉛3重量部及びシリカ微粉末1重量部を加えて、架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を得た。
以下、実施例1と同様にして、発泡シートを得、これを用いて、電極シート/セパレータ積層体を得、これを用いて、電極シート/セパレータ接合体を有するコイン型リチウムイオン二次電池を得た。
上記セパレータのゲル分率、厚み、発泡倍率、発泡径及び膨潤度を表1に示し、更に、上記電池の放電負荷特性と耐熱性と電池の製造に用いた上記電極シート/セパレータ積層体におけるセパレータと電極シートとの接着性を表1に示す。
比較例1
実施例1において、前記3官能イソシアネートを用いることなしに、架橋性ポリマー/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を得た。即ち、実施例1において得られた架橋性ポリマーの酢酸エチル溶液に架橋性ポリマー100重量部に対して、エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル(旭化成(株)製ノバキュアHX3722)2.5重量部、発泡剤(永和化成工業(株)製ネオセルボン1000S)5重量部、酸化亜鉛3重量部及びシリカ微粉末1重量部を加えて、架橋性ポリマー/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を得た。
この架橋性ポリマー/発泡剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を剥離処理した厚み40μmのポリエステルフィルムからなる剥離性シート上に塗布し、70℃で乾燥させて、剥離性シート上に厚み3μmのシートを得た。この剥離性シート上のシートの上に更に上記と同じポリエステルフィルムからなる厚み40μmの剥離性シートを重ね合わせ、得られた積層物を150℃で10分間加熱して、発泡シートを得た。
この発泡シートの表裏に実施例1と同様にして正負極シートを圧着し、貼り合わせて、電極シート/セパレータ積層体を得、これを用いて、電極シート/セパレータ接合体を有するコイン型リチウムイオン二次電池を得た。
上記セパレータのゲル分率、厚み、発泡倍率、発泡径及び膨潤度を表1に示し、更に、上記電池の放電負荷特性と耐熱性と電池の製造に用いた上記電極シート/セパレータ積層体におけるセパレータと電極シートとの接着性を表1に示す。
比較例2
実施例1において、発泡剤を用いることなしに、架橋性ポリマー/架橋剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を得た。即ち、実施例1において得られた架橋性ポリマーの酢酸エチル溶液に架橋性ポリマー100重量部に対して、エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル(旭化成(株)製ノバキュアHX3722)2.5重量部、トリメチロールプロパン1モル部にヘキサメチレンジイソシアネート3モル部を付加させてなる3官能イソシアネート0.2重量部、酸化亜鉛3重量部及びシリカ微粉末1重量部を加えて、架橋性ポリマー/架橋剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を得た。
この架橋性ポリマー/架橋剤/エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセル混合物の溶液を剥離処理した厚み40μmのポリエステルフィルムからなる剥離性シート上に塗布し、70℃で乾燥させて、剥離性シート上に厚み3μmの架橋性ポリマーのシートを得た。この剥離性シート上の架橋性ポリマーのシートの上に更に上記と同じポリエステルフィルムからなる厚み40μmの剥離性シートを重ね合わせ、得られた積層物を50℃の恒温室内に3日間投入し、架橋性ポリマーのヒドロキシ基を上記3官能イソシアネートと反応させ、架橋させて、反応性ポリマーのシートからなるセパレータを含む積層物を得た。
次いで、実施例1と同様にして、上記積層物から電極シート/セパレータ積層体を得、これを用いて、電極シート/セパレータ接合体を有するコイン型リチウムイオン二次電池を得た。
上記セパレータのゲル分率、厚み、発泡倍率、発泡径及び膨潤度を表1に示し、更に、上記電池の放電負荷特性と耐熱性と電池の製造に用いた上記電極シート/セパレータ積層体におけるセパレータと電極シートとの接着性を表1に示す。
比較例3
実施例1において、エポキシ樹脂硬化剤マイクロカプセルを用いることなしに、架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤混合物の溶液を得た。即ち、実施例1において得られた架橋性ポリマーの酢酸エチル溶液に架橋性ポリマー100重量部に対して、トリメチロールプロパン1モル部にヘキサメチレンジイソシアネート3モル部を付加させてなる3官能イソシアネート0.2重量部、発泡剤(永和化成工業(株)製ネオセルボン1000S)5重量部、酸化亜鉛3重量部及びシリカ微粉末1重量部を加えて、架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤混合物の溶液を得た。
この架橋性ポリマー/架橋剤/発泡剤混合物の溶液を剥離処理した厚み40μmのポリエステルフィルムからなる剥離性シート上に塗布し、70℃で乾燥させて、剥離性シート上に厚み3μmのシートを得た。この剥離性シート上のシートの上に更に上記と同じポリエステルフィルムからなる厚み40μmの剥離性シートを重ね合わせ、得られた積層物を150℃で10分間加熱して、発泡シートを得た。
この後、更に、これを50℃の恒温室内に3日間投入し、発泡シートの有する架橋性ポリマーのヒドロキシ基を上記3官能イソシアネートと反応させ、架橋させて、反応性ポリマーの発泡シートからなるセパレータを含む積層物を得た。以下、実施例1と同様にして、上記積層物から電極シート/セパレータを調製し、これをコイン型リチウムイオン二次電池を得た。
上記セパレータのゲル分率、厚み、発泡倍率、発泡径及び膨潤度を表1に示し、更に、上記電池の放電負荷特性と耐熱性と電池の製造に用いた上記電極シート/セパレータ積層体におけるセパレータと電極シートとの接着性を表1に示す。
表1に示すように、本発明による電池用セパレータは、電極シートとの接着性にすぐれ、従って、耐熱性にすぐれる高性能の電池を与える。
これに対して、比較例1によれば、架橋性ポリマーは、予め、架橋されることなく、そのまま、発泡シートとされ、これに電極シートを圧着して電極シート/セパレータ積層体としたので、得られる電池は、セパレータと電極シートとの接着性に劣り、従って、耐熱性に劣っている。
比較例2によれば、セパレータが発泡シートからなるものではないので、電池特性に劣っている。比較例3によれば、反応性ポリマーは、電池容器内においてエポキシ基の反応による更なる架橋がないので、得られる電池は、セパレータと電極シートとの間に接着がなく、従って、耐熱性に劣っている。

Claims (3)

  1. ヒドロキシ基と共にエポキシ基を有する架橋性ポリマーに上記ヒドロキシ基に対して反応性を有する多官能化合物からなる架橋剤を反応させ、架橋させてなる反応性ポリマーの発泡倍率2〜20倍の範囲の発泡シート中にエポキシ樹脂硬化剤を内包したマイクロカプセルが分散されてなる電池用セパレータ。
  2. 架橋剤が多官能イソシアネートである請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. 請求項1又は2に記載のセパレータに電極シート積層し、圧着して、電極シート/セパレータ積層体を形成し、この積層体を電池容器内に仕込んだ後、この電池容器内に電解液を注入し、加熱して、エポキシ樹脂硬化剤を活性化して、反応性ポリマーをそのエポキシ基によって架橋、硬化させて、電極シートをセパレータに接着することを特徴とする電池の製造方法。

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