JP4600194B2 - 鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造及び鉄道車両用車輪 - Google Patents

鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造及び鉄道車両用車輪 Download PDF

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本発明は、主として鉄道車両用ブレーキディスクと車輪との締結に使用されるボルトの強度信頼性に優れ、長期間の使用に耐え得ることが可能なブレーキディスクの締結構造及びこの締結構造にて車輪の両側にブレーキディスクを締結させた鉄道車両用車輪に関するものである。
鉄道車両や自動車及び自動二輪車等の陸上輸送機械の制動装置として、ブロックブレーキ、ドラムブレーキ、ディスクブレーキなどが使用されている。そして、近年では、車両の高速化や大型化に伴い、ディスクブレーキが多用されるようになってきている。
ディスクブレーキとは、ブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦により制動力を得る装置である。通常、ボルトにより車軸または車輪に取り付けたドーナツ形の円盤状ディスクの摺動面に、ブレーキライニングを押し付けることにより制動力を得、車軸または車輪の回転を制動して車両の速度を制御する。この摺動面を有する円盤状のディスクをブレーキディスクと称する。
このブレーキディスクの中で、鉄道車両用ブレーキディスクには、側ディスクと軸マウントディスクがある。このうち側ディスクとは、車輪の側面に締結されるブレーキディスクであり、軸マウントディスクとは、車軸に締結されるブレーキディスクである。以下、本明細書において、ブレーキディスクと言うときは、側ディスクと軸マウントディスクの両者を指すものとする。
図12は従来型の鉄道車両用側ディスクの形状を示し、(a)はブレーキディスクの1/4を示す半径方向−周方向平面図、(b)は断面を示す半径方向−軸方向断面図である。同図(a)、(b)に示すように、一般にブレーキディスク1は、片側に摺動面2aを備える摺動部2と、車輪に締結するための締結孔3aを備える締結部3とから構成されている。
図13は従来型の鉄道車両用ブレーキディスクが車輪に取り付けられた状態を模式的に示す半径方向−軸方向断面図である。同図に示すように、ブレーキディスク1は、車輪4の両側面に締結部材であるボルト5aとナット5bによって締結され、車輪4と一体的に回転するように取付けられている。
そして、ブレーキディスク1の摺動面2aと対向する位置には、摺動面2aに対して接離移動可能なブレーキライニング6がそれぞれ取り付けられ、制動時には、ブレーキライニング6がブレーキディスク1側に接近移動して車輪4の両側面から強く狭圧し、この摩擦力によって車輪4を介して車軸の回転を制動して車両を停止させる。
ところで、新幹線等の高速鉄道車両では、ブレーキディスクの回転速度や慣性力が非常に大きいので、制動中のブレーキディスクの温度上昇は著しく大きくなる。そのため、ブレーキディスクの熱変形に伴う、以下の様々な問題が生じる。
1)締結ボルトへの著大な曲げ応力の発生
2)ブレーキディスクと車輪とのずれ、および、これに伴うアンバランス
3)ブレーキディスクのボルト孔周縁部の割れ・変形・陥没
このような問題を抑制するブレーキディスクの締結構造が、特許文献1〜特許文献3で開示されている。
特開平9−100852号公報 特開平10−115336号公報 特開平10−167067号公報
特許文献1で開示された技術は、特にアルミ複合材料のブレーキディスクを使用するに際し、アルミ複合材のクリープ変形しやすい特性、高熱膨張率という欠点を補い、この欠点に起因するボルト軸力の低下、ブレーキディスクと車輪とのずれといった問題を解決することを目的としている。
具体的には、図14に示すように、ブレーキディスク1の締結孔3aと車輪4のボルト孔4aにスプリングピン7を圧入して、ブレーキディスク1と車輪4を一体化させ、当初、ボルト5aに作用していたせん断応力をこのスプリングピン7によって負担している。さらに、ボルト5aおよびナット5bとブレーキディスク1との間に皿ばね8a,8bを挿入し、ボルト5aの軸力を一定に保っている。
また、特許文献2で開示された技術も、特にアルミ複合材料のブレーキディスクを使用するに際し、特許文献1と同様の欠点を補うものであり、この欠点に起因するブレーキディスクと車輪とのずれ、ブレーキディスクボルト孔周縁部の割れ・変形・陥没といった問題を解決することを目的としている。
具体的には、図15に示すように、ブレーキディスク1の締結孔3aを、内周側に開放した切欠形状とし、ボルト5aおよびナット5bとブレーキディスク1との間に皿ばね8cを挿入した構成とすることで、ブレーキディスク1の熱膨張に起因した、ブレーキディスク1の締結孔3a周縁部の割れ・変形・陥没を抑止させている。
また、特許文献3で開示された技術も、特にアルミ複合材料のブレーキディスクを使用するに際し、特許文献2と同様の欠点を補うものであり、同様の問題を解決することを目的としている。
具体的には、図16に示すように、ブレーキディスク1の締結孔3aと車輪4のボルト孔4aに、筒状部材9を挿入し、ボルト5aおよびナット5bとブレーキディスク1との間に皿ばね8dを挿入した構成とすることで、ブレーキディスク1の熱膨張に起因した、ブレーキディスク1の締結孔3a周縁部の割れ・変形・陥没を抑止させている。
ところで、近年、車両の高速化にともなって制動負荷が増大し、ブレーキディスクと車輪との締結に用いられるボルトの疲労損傷が問題となっている。このことから、ボルトを含むブレーキディスク締結部の疲労信頼性を向上させることが課題となっている。
ブレーキディスク締結ボルトの疲労信頼性を向上させるには、ボルト5aのねじ部5ad、幹部5aa、首下部5aeといった各部位(図13参照)について疲労強度を総合的に検討しなければならない。これらのうち、ねじ部5adおよび首下部5aeでは、その形状を変更することで応力集中を低減し、疲労強度を向上させることが可能である。一方、幹部5aaの疲労損傷は、車輪4のボルト孔4aとの接触にともなうフレッティング疲労損傷であるので、ボルトの形状変更のみではその疲労強度を向上させることができず、締結構造全体について検討する必要がある。
前記特許文献1〜3に開示された技術では、上述したようにボルト幹部のフレッティング疲労損傷を抑止することを目的としていない。前記特許文献1と3では、車輪のボルト孔とボルトとの間に、スプリングピンまたは筒状部材を挿入しているため、ボルトと車輪ボルト孔との直接的な接触は回避されるが、ボルトとスプリングピンまたは筒状部材との接触によりボルト幹部にフレッティング疲労損傷が生じるおそれがある。また、特許文献2では、従来と同様、車輪ボルト孔とボルトが直接接触するため、これによるフレッティング疲労損傷が生じるおそれがある。
本発明が解決しようとする問題点は、最近の車両の高速化にともなう制動負荷の増大に対応するためには、ブレーキディスク締結部の疲労信頼性、特にボルト幹部の強度信頼性のさらなる向上が必要であるという点である。
発明者らは、鉄道車両用ブレーキディスクと車輪との締結構造に関して、ブレーキの繰返しを想定した数値解析、ボルトの疲労試験を行い、研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
(1)制動時のボルトの応力変動は、ブレーキディスクおよび車輪の半径方向への曲げが主体であり、応力変動が大きいボルト幹部の内周側および外周側にて車輪ボルト孔との接触が生じると、フレッティング疲労損傷が生じること。
(2)ボルト幹部のフレッティング疲労損傷は、車輪ボルト孔との接触を回避することで抑止できること。
(3)ボルトと車輪ボルト孔との接触を回避するためには、ボルト幹部を細径化すれば良いが、細径化すると、ブレーキの繰返しにより車輪とブレーキディスクとの間に芯ずれが生じ、アンバランスが増大すること。
(4)前記アンバランスと、ボルト幹部のフレッティング疲労損傷を同時に抑止するためには、車輪のボルト孔の少なくとも3個以上を、当該車輪の半径方向に伸びた長孔とし、応力変動の大きいボルト幹部の内周側および外周側について、車輪ボルト孔との接触を回避すれば良いこと。
(5)ボルト幹部のフレッティング疲労損傷を、前記(4)に加えてさらに抑止するためには、車輪ボルト孔に対応する位置のボルト幹部中央とそれより細径の両側部分との段差を設け、その段差の角部を車輪ボルト穴周縁より内側の位置に配置すれば良いこと。
本発明の第1の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造は、以上の知見に基づいてなされたものであり、
特にボルト幹部の強度信頼性のさらなる向上を図るために、
ボルトとナットで車輪の側面にブレーキディスクを締結する締結構造であって、
前記ブレーキディスクを締結するために車輪に設けられたボルト孔のうち、少なくとも3個以上が、当該車輪の円周方向より半径方向に長さの長い、前記ボルトの幹部中央の直径に対し、短径が0mm〜2mm大きく、長径が2mm〜20mm大きい長孔であり、
この長孔となした車輪のボルト孔に、
ねじ部と幹部を備え、前記幹部の軸方向中央部分が、この中央部分を挟む前記幹部の軸方向両側部分より直径が大きく、前記幹部中央部分のボルト軸方向の長さが、車輪の前記ボルト孔の前記ボルト軸方向の長さよりも短いボルトが挿入されていることを最も主要な特徴としている。この本発明では、前記長孔とする3個の位置は特に限定しないが、できるだけ円周方向を均等に分割する位置に設けることが望ましく、120°ピッチで設けることが最も望ましい。
また、本発明の第2の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造は、
ボルトとナットで車輪の側面にブレーキディスクを締結する締結構造であって、
前記ブレーキディスクを締結するために車輪に設けられたボルト孔のうち、少なくとも3個以上が、当該車輪の円周方向より半径方向に長さが長い長孔であり、
この長孔となした車輪のボルト孔に、
ねじ部と幹部を備え、前記幹部の軸方向中央部分が、この中央部分を挟む前記幹部の軸方向両側部分より直径が大きく、前記幹部中央部分のボルト軸方向の長さが、車輪の前記ボルト孔の前記ボルト軸方向の長さよりも短いボルトが挿入されていることを最も主要な特徴としている。
以上の本発明の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造にて車輪の両側にブレーキディスクを締結させた本発明の鉄道車両用車輪は、長期間の使用にもブレーキディスク締結部の疲労損傷による不具合防止が可能となる。
本発明では、ブレーキディスクと車輪との締結に際し、ブレーキディスクの締結部、特にボルト幹部の強度信頼性を向上させることができるので、新幹線等の車両の高速化にともなって制動負荷が増大しても、ブレーキディスク締結部の疲労損傷による不具合を防止することができるという利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図11を用いて説明する。
A)制動時のボルトの発生応力について
発明者らは、研究の初期段階において、制動時のボルトの発生応力を明らかにするため、図2に示すモデルを用いて、有限要素法(FEM)による数値解析を行った。その結果、図3に模式的に示すように、ブレーキによる温度上昇時に、ブレーキディスク1が凸状に変形し、ボルト5aの幹部5aaの外周側(図3の紙面右側)が車輪4のボルト孔4aと接触し、ボルト5aに著大な曲げ応力が発生することが分った。
さらに、前記接触により、ボルト5aがブレーキディスク1の締結孔3aに対して内周側(図3の紙面左側)に位置ずれし、その後の冷却により、ボルト幹部5aaの内周側(図3の紙面左側)と車輪4のボルト孔4aとの間で再度接触することが分った。
フレッティング疲労損傷は、他の部材と接触した状態で大きな繰返し応力が発生する部位に生じやすいと言われていることから、車輪のボルト孔と接触するボルト幹部の内周側および外周側にて、フレッティング疲労損傷が生じやすいとの結論を得た。
B)ボルト幹部のフレッティング疲労損傷について
発明者らは、ボルト幹部のフレッティング疲労損傷を再現するために、図4に模式的に示す方法でボルト幹部5aaのフレッティング疲労試験を行った。本試験は、ボルト5aの幹部中央5abに、車輪4のボルト孔4aを半割にしたパッド10を、押付けフレーム11と押付けボルト12により押当てた状態で、軸方向に繰返し荷重を負荷するものである。この時、押付け荷重は、押付け力測定用ひずみゲージ13によって測定した。
図5は、軸方向の繰返し荷重を、平均荷重186kN、荷重振幅36kNとし、パッドの押付け荷重を7kNとしてフレッティング疲労試験した結果、1.23×10回の繰返し数で破断したボルトの外観写真である。これより、本試験にて、ボルト幹部にてフレッティング疲労損傷により疲労破壊していることが分る。
次に、同じ繰返し荷重の条件で、パッドの押付け荷重を変更してフレッティング疲労試験を行った。図6に各パッド押付け荷重に対する破断寿命を示す。この図6より、パッド押付け荷重が小さくなると破断寿命が長くなり、パッド押付け荷重が0、すなわち接触しない条件では疲労破壊しないことが分る。
以上より、ボルト幹部のフレッティング疲労損傷は、車輪のボルト孔との接触を回避することで抑止できるとの結論を得た。
C)ボルト幹部の細径化による接触回避について
発明者らは、前記B)の検討結果を踏まえ、ボルト幹部と車輪ボルト孔との接触を回避するため、ボルト幹部を細径化することを考えた。そこで、幹部5aaを細径化したボルト5aを用いて、ブレーキディスク1と車輪4とを締結した、図7に示す試験体を製作した。
これを、実体ブレーキ試験として、初速330km/hからのブレーキを20回繰返した。試験後、外観調査をしたところ、ボルトの折損は生じていなかったが、図8(b)に示すように、ブレーキディスク1と車輪4との間に芯ずれが生じていた。この試験体のアンバランス量(芯ずれしているものの質量×芯ずれ量)を静バランス測定機にて測定したところ、1433Nmmであった。このレベルのアンバランス量が発生すると、特に乗り心地の面で新幹線等の高速走行に耐えられない可能性がある。
D)アンバランスと、ボルト幹部のフレッティング疲労損傷を同時に抑止する方策について
発明者らは、前記B)とC)の検討結果を踏まえ、アンバランスと、ボルト幹部のフレッティング疲労損傷を同時に抑止する方策について検討した。その結果、図1に示すように車輪4のボルト孔4aを車輪半径方向に伸びた長孔とすれば、車輪4によるボルト4aの半径方向への拘束がなく、円周方向のみ拘束することで、ブレーキによる温度上昇で、ブレーキディスク1が半径方向に膨張・収縮しても、ブレーキディスク1と車輪4との芯ずれが生じ難いことが期待される。
この時、前記A)の検討で判明したように、応力変動が大きいボルト幹部の内周側および外周側にて、車輪4のボルト孔4aとの接触が回避されるため、フレッティング疲労損傷の抑止効果が期待される。
車輪4のボルト孔4aを車輪半径方向に伸びた長孔とした場合に、このボルト孔4aと、これに対応する位置のボルト5aの幹部中央5abとの寸法差を図1(b)に示す。図1(b)に示すように、ボルト5aの幹部中央5abの直径dに対し、ボルト孔4aの長孔の短径(車輪4の円周方向幅)を0mmから2mm大きくし、長孔の長径(車輪4の半径方向幅)を2mmから20mm大きくすれば良い。
ボルト5aの幹部中央5abの直径dに対し、ボルト孔4aの長孔の短径を0mmから2mm大きくするのは、0mm未満であるとボルト5aを挿入することができないからである。また、2mmを超えるとブレーキディスクと車輪との間に芯ずれが生じ、大きなアンバランスが生じるからである。
また、ボルト5aの幹部中央5abの直径dに対し、ボルト孔4aの長孔の長径を2mmから20mm大きくするのは、2mm未満であるとブレーキによる温度上昇でブレーキディスクが半径方向に膨張・収縮した場合に、ボルト5aの幹部中央5abが車輪ボルト孔4aに接触してフレッティング疲労による損傷が生じるおそれがあるからである。
ちなみに、図2の有限要素モデルを用いて数値解析を行った結果、車輪ボルト孔4aとボルト5aの幹部中央5abとの接触を考慮しない、すなわち車輪ボルト孔4aによるボルト5aの拘束がない条件では、ボルト5aの幹部中央5abが車輪4の半径方向に最大0.8mmシフトすることが分った。
このため、若干余裕を見て、ボルト5aの幹部中央5abに対する長孔長径の拡大量を最小2mm(半径にて1mm)とした。一方、ボルト5aの幹部中央5abの直径dに対する長孔長径の拡大量が20mmを超えると、長孔の縁が車輪板部の板厚変化部、または、ボス付け根部に近接するため、車輪4の強度上の問題が生じるおそれがある。
なお、前述の特許文献1に、車輪のボルト孔を長孔とする技術が開示されている。しかしながら、長孔とした前記ボルト孔とボルト幹部との間に、摺動部材とスプリングピンを挿入する構成となっているので、ボルト幹部とスプリングピンとの間に接触が生じる可能性が高く、フレッティング疲労損傷を抑止する効果は得られない。
E)さらなるフレッティング疲労損傷抑止策について
発明者らは、前記D)の検討で、ブレーキディスクと車輪との芯ずれによるアンバランスを抑止しつつ、ボルト幹部の内周側および外周側にて、車輪ボルト孔との接触が回避できる締結構造を見出した。
しかしながら、この構造では、ボルト幹部の車輪円周方向側面位置にて、車輪ボルト孔と接触する可能性がある。前記A)の検討により、ボルト幹部の車輪円周方向側面位置ではフレッティング疲労損傷が生じる可能性は低いが、その可能性をさらに低くして安全性を高めるため、ボルト幹部の形状を検討した。
図9及び図10に検討した形状を示す。図9は、車輪4のボルト孔4aに対応する位置のボルト5aの幹部中央5abの両側部分に、幹部中央5abより細径の段差を設けた形状、図10は、さらにその段差の角部5acを車輪4のボルト孔4aの周縁4bより内側(車輪の断面方向の中央部側)の位置に配置した形状である。
これらのボルトを、前記検討B)で行ったものと同じ繰返し荷重の条件で、押付け荷重を7kNとしたフレッティング疲労試験で評価した。結果として得られた破断寿命を図11に示す。
この図11より、図9のように段差を設けた形状では、段差を設けない形状より破断寿命が長くなっていることが分る。これは、段差を設けた形状では、フレッティング疲労損傷が生じるパッドとの接触端付近にて、応力が低減されているためである。また、段差の角部を内側に配置した図10の形状では、さらに寿命が長くなり、1×107回でも未破断であった。これは、段差の角部5acを内側に配置することによって、パッドがボルト5aの幹部中央5abの軸方向の変形を拘束するためである。
以上より、ボルト幹部のフレッティング疲労損傷をさらに抑止するためには、車輪のボルト孔に対応する位置のボルト幹部中央と、それより細径の軸方向両側部分との間に段差を設け、その段差の角部を車輪のボルト孔周縁より内側の位置に配置すれば良いとの結論を得た。
本発明のブレーキディスクの締結構造は以上の検討の結果に基づいてなされたものであり、図1に示したように、ブレーキディスク1を締結するために車輪4に設けられたボルト孔4aのうち、例えば120°ピッチで設けた3個を、当該車輪4の円周方向より半径方向が長い長孔とした構成である。
その際、長孔となした車輪4のボルト孔4aに、ねじ部5adと幹部5aaを備え、幹部5aaの軸方向中央5abが、この幹部中央5abを挟む幹部5aaの軸方向両側部分より直径が大きく、幹部中央5abのボルト軸方向の長さが、車輪4のボルト孔4aのボルト軸方向の長さより短いボルト5aを挿入することが望ましい。
また、以上の本発明の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造にて車輪4の両側にブレーキディスク1を締結させたものが本発明の鉄道車両用車輪である。
以下、本発明の実施例について説明する。
下記表1および表2に、製作した車輪、ボルトの明細を示す。表1および表2中のA〜Fは本発明例、G〜Iは比較例である。ブレーキディスクの形状は全て同じであり、外径は725mm、締結孔は、摺動面より内周側にて、385mmのピッチ円直径で、30°ピッチで12個設け、摺動面の裏側にフィンを設けている。
車輪は、リム部軸方向中央位置の外径が840mm、ボルト孔のピッチ円直径が385mmであり、本発明例のA〜Fと比較例Iでは、一部または全てのボルト孔を車輪半径方向に長い長孔となしている。
本発明例A,B,E,Fでは、車輪に設けた12個のボルト孔の内、120°ピッチの3個を長孔とし、本発明例Bでは前記ボルト孔寸法を、本発明例A,E,Fより若干大きめとした。また、本発明例CとDでは、前記ボルト孔の全12個を長孔とし、本発明例Cより本発明例Dの方がボルト孔寸法を若干大きめとした。
一方、比較例Iでは、12個の前記ボルト孔の内、180°ピッチの2個を長孔とし、ボルト孔寸法は本発明例A,E,Fと同じとした。また、比較例Gと比較例Hは、ボルト孔を長孔としなかった。
車輪のボルト孔を長孔とした本発明例A〜Fと比較例Iでは、長孔に挿入したボルトと長孔以外のボルト孔に挿入したボルトで、その幹部の形状を異ならせた。
すなわち、本発明例A〜Fと比較例Iでは、車輪のボルト孔に対応する位置のボルトの幹部中央の直径を26.5mmとし、長孔の短径に対して0.5mmまたは2mm小さい寸法とした。
また、本発明例EとFでは、ボルトの幹部中央の両側を、幹部中央より細径とした。さらに、本発明例Fでは、ボルト幹部の段差の角部が、車輪のボルト孔周縁より内側の位置に位置するようにした。
この時、本発明例A,B,E,Fと比較例Iでは、長孔以外のボルト孔には、当該ボルト孔の直径に対して7mm以上小さい直径のボルトを挿入した。
一方、比較例Gでは、ボルト孔に挿入したボルトの直径は、ボルト孔の直径よりわずか0.4mm小さいものとした。また、比較例Hでは、ボルト孔に挿入したボルトの直径は、ボルト孔の直径より8.5mm小さいものとした。
なお、表1および表2中の本発明例、比較例において、ブレーキディスクは、低合金鋼の鋼塊を熱間鍛造して熱処理した後、機械加工して製作した。また、ボルトは、低合金鋼の圧延材を冷間鍛造して熱処理した後、機械加工し、ねじ部を転造して製作した。また、車輪は、高炭素鋼の鋼塊を熱間鍛造して熱間圧延した後、熱処理し、機械加工して製作した。これらの製作方法は、全て現在使用されているブレーキディスク、ボルト、車輪の製作方法と同じである。
前記したブレーキディスク、車輪、ボルト(ナット・座金を含む)からなる締結構造の試験体について、実際に高速回転させて摺動面にブレーキライニングを押し当てて繰返し制動させるブレーキ耐久試験を行った。この時の条件は、ブレーキ初速を330km/hとしたブレーキを20回繰返すものとした。試験後、静バランス測定機を用いて試験体のアンバランス量を測定し、さらに、試験体を分解してボルト幹部の車輪ボルト孔との接触状況を調査した。その結果を下記表3に示す。
表3から分るように、本発明例の全てと比較例H,Iでは、ボルト幹部において車輪ボルト孔と接触した形跡はなかった。
一方、比較例Gでは、ボルト幹部において車輪ボルト孔と接触した形跡があり、ボルト幹部が黒っぽく変色してココアと呼ばれる摩耗粉が付着していた。
また、アンバランス量については、高速走行において許容されるアンバランス量が500Nmm以下であるのに対し、本発明例の全てと比較例Gのアンバランス量はこの許容アンバランス量以下であった。一方、比較例HとIのアンバランス量は、許容アンバランス量を超えるレベルであった。
以下、前記実施例の試験結果が得られた理由について述べる。
a) ボルト幹部の車輪ボルト孔との接触状況について
比較例Gは、車輪のボルト孔とボルト幹部との直径差が0.4mmしかない。従って、図3に示したように、ブレーキによる温度上昇時に、ブレーキディスクが凸状に変形してボルト幹部の外周側がボルト孔と接触し、この接触により、ボルトがブレーキディスクの締結孔に対して内周側に位置ずれし、その後、ボルト幹部の内周側とボルト孔との間で接触が生じたものと考えられる。このような接触が生じると、いずれフレッティング疲労損傷が生じると推定される。
b)アンバランス量について
比較例Hでアンバランス量が著大であったのは、ボルト孔とボルト幹部の直径差が大きいため、ブレーキ試験中のブレーキディスクの熱膨張・収縮の繰返しにより、ブレーキディスクと車輪との間に芯ずれが生じたためである。また、比較例Iでアンバランス量が大きかったのは、長孔が180°ピッチの2個しかなかったため、車輪に対しブレーキディスクが長孔の長手方向にずれたためである。
これに対し、本発明例A〜Fでは、長孔が3個以上あるため、ブレーキディスクの熱膨張・収縮によって、長孔に対しボルト位置が変位しても、ブレーキディスクと車輪との芯ずれが生じ難いと考えられる。なお、本発明例B,Dが、本発明例A,Cおよび比較例Gより、アンバランス量が若干大きいのは、長孔の短径と長孔に挿入したボルト幹部中央の直径との差が、若干大きいためと推定される。
c)ボルト幹部中央の段差と段差角部位置の影響について
本発明例Eと本発明例Fでは、ボルトの幹部中央の両側が、ボルトの幹部中央より細径となった段差が設けられており、さらに、本発明例Fでは、ボルト幹部の段差の角部が車輪のボルト孔周縁より内側の位置に配置されている。
この段差と段差角部位置の影響については、ここで行ったブレーキ試験では評価できていないが、上述したようにフレッティング疲労試験にてその有効性が確認されている。図9の段差を設けた形状とは、本発明例Eに用いたボルトと同形状であり、図10の段差の角部を内側に配置した形状とは、本発明例Fに用いたボルトと同形状である。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範囲内で、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
以上の本発明は、鉄道車両用のブレーキディスクに限らず、自動車や自動二輪車等のブレーキディスクであっても適用できる。
(a)は本発明を構成するブレーキディスクおよびその締結構造を示した図、(b)は車輪ボルト孔の長孔と車輪ボルト孔に対応する位置のボルト幹部中央との寸法差を示す図である。 数値解析に用いた有限要素分割について説明する図で、(a)は上方から見た斜視図、(b)は半径方向−軸方向断面図である。 数値解析の結果として、ブレーキ時のブレーキディスクとボルトの変形を模式的に示す図である。 フレッティング疲労試験を模式的に示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の矢視B−B図である。 フレッティング疲労試験で破断したボルトの外観写真である。 フレッティング疲労試験による各パッド押付け荷重に対する破断寿命を示した図である。 幹部を細径化したボルトを用いたブレーキディスクと車輪との締結構造を示した図である。 幹部を細径化したボルトを用いた場合のブレーキディスクと車輪との間に生じた芯ずれを示した図で、(a)は試験前、(b)は試験後を示した図である。 (a)は車輪のボルト孔に対応する位置のボルトの幹部中央の両側部分に細径の段差を設けた形状を検討した結果を示した図、(b)は(a)図の要部拡大図である。 (a)は車輪のボルト孔に対応する位置のボルトの幹部中央の両側部分に細径の段差を設け、さらにその段差の角部を車輪のボルト孔の周縁より内側の位置に配置した形状を検討した結果を示した図、(b)は(a)図の要部拡大図である。 フレッティング疲労試験による各幹部形状に対する破断寿命を示した図である。 従来型の鉄道車両用側ディスクの形状を示し、(a)はブレーキディスクの1/4を示す半径方向−周方向平面図、(b)は半径方向−軸方向断面図である。 従来型の鉄道車両用ブレーキディスクが車輪に取り付けられた状態を模式的に示す半径方向−軸方向断面図である。 特許文献1で開示された鉄道車両用ブレーキディスクの締結装置の1/2を示す半径方向−軸方向断面図である。 特許文献2で開示された鉄道車両用ブレーキディスクの要部の斜視図である。 特許文献3で開示された鉄道車両用ブレーキディスクの締結装置の1/2を示す半径方向−軸方向断面図である。
符号の説明
1 ブレーキディスク
2 摺動部
2a 摺動面
3 締結部
3a 締結孔
4 車輪
4a ボルト孔
4b 周縁
5a ボルト
5aa 幹部
5ab 幹部中央
5ac 角部
5ad ねじ部
5b ナット
6 ブレーキライニング

Claims (5)

  1. ボルトとナットで車輪の側面にブレーキディスクを締結する締結構造であって、
    前記ブレーキディスクを締結するために車輪に設けられたボルト孔のうち、少なくとも3個以上が、当該車輪の円周方向より半径方向に長さが長い、前記ボルトの幹部中央の直径に対し、短径が0mm〜2mm大きく、長径が2mm〜20mm大きい長孔であり、
    この長孔となした車輪のボルト孔に、
    ねじ部と幹部を備え、前記幹部の軸方向中央部分が、この中央部分を挟む前記幹部の軸方向両側部分より直径が大きく、前記幹部中央部分のボルト軸方向の長さが、車輪の前記ボルト孔の前記ボルト軸方向の長さよりも短いボルトが挿入されていることを特徴とする鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造にて車輪の両側にブレーキディスクを締結させた鉄道車両用車輪
  3. 前記鉄道車両用ブレーキディスクが低合金鋼製ブレーキディスクであることを特徴とする請求項に記載の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造。
  4. ボルトとナットで車輪の側面にブレーキディスクを締結する締結構造であって、
    記ブレーキディスクを締結するために車輪に設けられたボルト孔のうち、少なくとも3個以上が、当該車輪の円周方向より半径方向に長さが長い長孔であり、
    この長孔となした車輪のボルト孔に、
    ねじ部と幹部を備え、前記幹部の軸方向中央部分が、この中央部分を挟む前記幹部の軸方向両側部分より直径が大きく、前記幹部中央部分のボルト軸方向の長さが、車輪の前記ボルト孔の前記ボルト軸方向の長さよりも短いボルトが挿入されていることを特徴とする鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造
  5. 請求項4に記載の鉄道車両用ブレーキディスクの締結構造にて車輪の両側にブレーキディスクを締結させた鉄道車両用車輪。
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