JP4599914B2 - 鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電槽のセル仕切壁に設けた貫通孔を介して抵抗溶接でセル間接続する鉛蓄電池の製造方法に関する。
鉛蓄電池は、正極の活物質に二酸化鉛、負極の活物質に金属鉛、電解液に希硫酸を用いた電池である。一般に鉛蓄電池は、多孔性で絶縁性のセパレータを介して正極と負極を所定の枚数を積層して極板群を構成し、これらを電槽に収納してセルを構成し、希硫酸を注入して構成される。用途としては、自動車のエンジン始動用、電気自動車用、無停電電源装置用など幅広く使用されている。中でも移動用電源用途では、激しい衝撃や振動に見舞われるために、これら衝撃や振動に対する信頼性が重要視される。
鉛蓄電池は、単セル電圧が約2Vと低いため、電池の形態や用途にかかわらず、一般には複数のセルを集合し、必要に応じて直列あるいは並列にセル間接続することによって、所定の電圧や容量を形成するよう、一体化されたモノブロック構造として用いるのが普通である。
モノブロック構造では、上述したセル間接続部の信頼性を確保する必要がある。特に移動用電源用途では、衝撃や振動によりセル間接続部に大きな応力が集中し、セル間接続部自体が破断、変形したり、また、このような応力がセル間接続部の腐食を促進させる場合がある。その結果、セル間の接続が損なわれ、電池機能が損失してしまう。
従来、モノブロック構造の鉛蓄電池において、セル間接続の形成には抵抗溶接が広く用いられてきた。例えばポリプロピレン樹脂電槽内をセル間仕切り壁によりセル室に区画し、各セル室に極板群を収納し、セル間仕切壁に貫通孔を設け、極板群の同極性極板耳を集合溶接するストラップに一体に接続体を設け、隣接するセル室内に収納された極板群の接続体同士を貫通孔を通して突合せ、これら接続体を抵抗溶接によって接続する方法である。
このような抵抗溶接によるセル間接続は比較的自動化が容易で生産性に優れるため、車両の始動用蓄電池として広く用いられている。抵抗溶接では接続体同士の接触部に通電し、接触部の接触抵抗によるジュール熱によって、鉛合金製の接続体を一部融解し、両者を溶接する。ここで、溶接部にブローホールやクラックが発生した場合には、溶接部が腐食したり、電池への衝撃や振動で溶接部が破断するといった品質上の問題が発生する。したがって、溶接部にブローホールやクラックが発生しないよう、様々な検討が今日までなされてきた。
例えば特許文献1には、鉛蓄電池の抵抗溶接によるセル間接続において、接続体同士の加圧力を溶接当初の加圧力よりも高くすることにより、溶接部のブローホールとクラックの発生を抑制し、仕切壁と接続体間の液密性を向上できることが示されている。
特許文献1に示された構成によれば、溶接部のブローホールやクラックの発生をある程度まで抑制できるものの、接続体同士の接触抵抗のばらつきや、通電用端子と接続体との接触状態によって、溶接時の発熱量が変動し、溶接不十分となったり、反対に溶接過多となり、融解鉛が飛散するといった課題があった。
このような溶接過多を防止するために、抵抗溶接時の溶接電流を2段階に変化させ、後の溶接電流を前の溶接電流よりも小とすることが考えられる。溶接電流(I)を制御して抵抗溶接を行う場合、通電による単位時間当たりの発生熱量Qは通電端子間の抵抗値をRとすれば、ジュールの法則により式(1)与えられる。
Figure 0004599914
なお、通電端子間の抵抗値Rは通電端子−接続体間の接触抵抗、接続体自体の電気抵抗および接続体間の接触抵抗の和であらわされる。ここで接触抵抗は接続体や通電端子の表面状態によって著しく変化するものであり、例えば、長期間在庫された接続体表面には炭酸鉛や鉛酸化物が生成しており、これらにより、接触抵抗は増大し、通電端子間の抵抗値Rは増大する傾向にある。
また、接続体自体の抵抗値は抵抗率の温度依存性により、温度上昇とともに増大する。このように、通電端子間の抵抗値Rは接続体や通電端子の表面状態やその温度といった条件のばらつきによって増大する傾向にあり、その結果、溶接時に発生する熱量が増加し、過溶接となる傾向にあった。
一方、接続体として用いる鉛合金は、通常の液式鉛蓄電池においては、接続体はPb−Sb系合金が用いられている。Pb−Sb合金は溶接性も良好であり、各種鉛合金中でも比較的優れた機械的強度を有している。ところが、制御弁式鉛蓄電池では、電池系内にSbを存在させると液式に比較して負極の自己放電やサルフェ−ションが進行しやすくなるため、接続体合金としてSbを含まない鉛合金が用いられる。
そして、このSbを含まない鉛合金として数質量%のSnを含むPb−Sn合金が用いられてきた。Pb−Sn合金は耐食性に優れるという利点があるものの、冷却凝固の際に冷却方向に粒界が成長しやすい。そのためPb−Sb合金と比較して結晶粒界に沿ったクラックが発生しやすいという問題があった。
また、電池の小型化を目的として、セル間接続部の高さ寸法をより低くする試みがなされる中で、貫通孔の開口形状を従来の真円形状にかえて、楕円や長円形状とすることが検討されている。この場合、短径を上下方向とすることにより、接続部の高さが低くでき、電池の小型化に有利である。また、逆に電池の高さ寸法を同一とした場合、接続体の高さを低くした分、極板高さを高くでき、電池を高容量化できる。
ところが、貫通孔の形状を楕円や長円といった形状とした場合、真円形状の場合と比較して、溶接部でのブローホールやクラックの発生確率が増大していた。これは開口形状を変化させたことによる、溶接部の温度や冷却条件のばらつきに起因すると推測される。
特開平2−121257号公報
本発明は、上記したような、鉛蓄電池のセル間抵抗溶接において、接続体同士の接触状態のばらつきや温度ばらつきによって発生する過溶接を抑制し、かつ、接続体の合金組成や貫通孔の開口形状の変化によっても溶接部のブローホールやクラックの発生のない、信頼性にすぐれたセル間接続部を提供できる鉛蓄電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、仕切壁によって複数のセル室に区画された電槽の各セル室に極板群を収納し、互いに隣接する極板群において、これら極板群に設けたセル間接続用の接続体同士を前記貫通孔を介して突合せ、通電工程において、これら接続体間に通電し、接続体間を抵抗溶接する鉛蓄電池の製造方法であって、前記通電工程において、定電圧制御された第1の交流電圧V1を通電した後に、第1の交流電圧よりも低く、かつ、定電圧制御された第2の交流電圧V2を通電することを特徴とする鉛蓄電池の製造方法を示すものである。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の鉛蓄電池の製造方法において、前記第1の交流電圧V1の通電時間をT1、前記第2の交流電圧V2の通電時間をT2としたときに前記T2を前記T1よりも長く設定することを特徴とするものである。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2の鉛蓄電池の製造方法において、前記T2の前記T1に対する比率(T2/T1)を2.0〜9.0としたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1、2もしくは3の鉛蓄電池の製造方法において、前記接続体として実質上Sbを含まない、Pb−Sn合金を用いたことを特徴とするものである。
そして、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1、2、3もしくは4の鉛蓄電池の製造方法において、前記貫通孔の開口形状を楕円もしくは長円形状としたことを特徴とするものである。
本発明の鉛蓄電池の製造方法は上記の構成を有し、セル間の抵抗溶接における過溶接を抑制するとともに、セル間溶接内部にブローホール(空孔)やクラックのない信頼性に優れた鉛蓄電池を提供することができる。また、本発明の効果は、接続体合金としてSbを含まない、Pb−Sn合金を用いたり、貫通孔の開口形状を楕円や長円形状としても顕著に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のセル間溶接を行う直前の状態を示す図である。
電槽101内は仕切壁102によって複数のセル室103に区画されている。セル室103には、正極板104、負極板105、セパレータ106および同極性同士の極板耳を集合接続するストラップ107と、このストラップ107に一体に設けられたセル間接続のための接続体108で構成された極板群109が収納されている。そして、仕切壁102には貫通孔110が設けられており、仕切壁102を介して隣接する極板群109の接続体108が貫通孔110を通して対向した状態とする。
次に、接続体108の仕切壁102に対向しない面に対応して少なくとも一対の通電用電極111が配置される。それぞれの通電用電極は溶接用電源112に接続されている。そして、図2に示したように、通電用電極111の対で接続体108を挟み込むように加圧し、接続体108を通電用電極111の先端111aで押し出し変形させ、貫通孔110内で接続体108同士が接触した状態とする。そして、接続体108同士が貫通孔内において接触した状態で溶接用電源112から通電用電極111に溶接用の電力が供給する通電工程が行われる。
本発明では、この通電工程において、通電用電極111間に印加する溶接電圧を図3に示したパターンとする。すなわち、本発明では、通電用電極111間への溶接電力は定電圧制御で行われ、当初、交流電圧V1(第1の交流電圧)を通電した後に、V1よりも低い交流電圧V2(第2の交流電圧)で通電を行う。なお、通電工程中およびその後の冷却凝固が完了するまでの間、接続体と通電用電極111間の接触を保持し、かつ溶接部から融解鉛が流出しないよう、通電用電極111間同士は適切な加圧力で加圧されることは言うまでもない。
図3で示したパターンで通電後、通電用電極111を図1で示した当初の位置まで復帰させ、セル間溶接が終了する。セル間溶接終了後のセル間溶接部は図4に示したように、貫通孔110内が接続体108からの融解鉛で満たされており、接合部にはナゲット401が成長する。
そして、溶接終了後は電槽101の開口部に蓋(図示せず)を接合し、常法に従って後工程を経て鉛蓄電池を組み立てればよい。
本発明では、通電時の電圧を制御することにより、接続体108同士の接触抵抗や通電用電極111と接続体108との接触抵抗が上昇しても、通電時に発生するジュール熱の上昇を抑制できる。その結果としてセル間溶接部の過溶接を抑制することができる。一方、通電電流を定電流で制御する場合、接触抵抗の上昇により通電時のジュール熱が上昇し、過溶接になる危険性を有している。
本発明では、第1の溶接電圧(V1)を通電する段階において、接続体108同士の接触面を融解させる。ある程度まで融解が進行した後は、溶接部をこれ以上加熱して融解させる必要はない。必要以上の加熱は接続体の融解をさらに進行させ、過溶接、すなわち接続体の形状自体が損なわれたり、タレ鉛の原因となるためである。本発明は溶接電圧を第2の溶接電圧(V2)に下げることにより、発熱量を低下させ、過溶接を抑制する。そして、溶接部の温度を次第に低下させ、最終的に凝固させる。
一般的に金属の抵抗率は温度上昇とともに増加する。本発明のように、溶接電圧を定電圧制御することにより、溶接部の温度が上昇すると、溶接部の抵抗値が増大する。式(1)にオームの法則を適用することにより、単位時間当たりに発生するジュール熱は式(2)で示される通り、抵抗値に反比例する。したがって、溶接部の温度が上昇した場合、発生ジュール熱が抑制されることとなり、溶接部の温度上昇が抑制できる。
Figure 0004599914
一方、従来の定電流制御による場合、式(1)に示される通り、溶接部の温度上昇に伴う抵抗値の増大により、発生ジュール熱はさらに増加し、溶接部の温度を上昇させる方向に導かれ、過溶接の発生確率が増大する。
また、本発明では、溶接部の温度が低下し、抵抗値が減少した場合、式(2)からジュール熱は増大する方向となり、冷却速度を抑制する作用が生じる。一方、従来の定電流制御では式(1)から、定電圧制御とは反対の挙動を示し、溶接部の温度低下とともに、発生ジュール熱は低下し、冷却速度を高める作用が生じる。
したがって、本発明のように、溶接電圧を定電圧制御した場合、従来の定電流制御に比較して、後段の溶接中での溶接部の温度低下速度が緩やかになる。すなわち、溶接電圧を段階的に低下させることにより、過溶接を抑制しつつ、ナゲット401を十分に成長させ、溶接部に適切な強度を持たせることができる。
また、抵抗溶接では一般的に、通電中に通電用電極111の加圧力を保持し、ナゲット401を加圧状態とすることにより、ナゲット401中のブローホール(空孔)とクラックの発生を抑制することが行われている。ナゲット401の冷却凝固が急速に進行した場合、凝固時の体積収縮によりブローホールが残存したり、クラックが発生する。本発明では、ナゲット401の凝固が定電流法によりも緩やかに進行するため、この凝固期間中に通電用電極111間に適切な加圧力を加えることにより、ブローホールやクラックの抑制をより効果的に行うことができ、溶接部の品位を向上することができる。
なお、第1の溶接電圧(V1)と第1の溶接電圧での通電時間(T1)で融解鉛量が決定される。したがって、接続体同士を溶接するために必要な融解鉛量を確保するよう、第1の溶接電圧(V1)とその通電時間(T1)を設定する。一例として、厚み5.0mmの接続体同士を開口面積100mm2の貫通孔を介して溶接する場合、第1の溶接電圧(V1)を2.0〜2.4V程度、溶接時間を1/60秒程度の値を用いることができる。本発明のように、交流電圧を印加する場合、周波数60Hzであれば、1/60秒の通電時間(T1)は1サイクルに相当することになる。
第2の溶接電圧(V2)での溶接時間(T2)は溶接部の凝固に必要な時間を設定する。本発明のように、定電圧制御により溶接する場合、前記したように定電流制御によるものと比較して溶接部の冷却が緩やかに行われる。したがって、本発明においては、溶接時間(T2)を溶接時間(T1)よりも長く設定する方が、ナゲット中のブローホールや亀裂を抑制する上で好ましい。特に、これらの時間の比率(T2/T1)を2.0以上とすることにより、ナゲット中のブローホールやクラックの発生を顕著に抑制することができる。
なお、この時間比率(T2/T1)を大きくすることは冷却凝固時間が十分確保されることとなるので、本来、その上限を定める必要はない。ところが、時間(T2)を必要以上に長く設定することは溶接工程にかかる時間が増えるため、生産性の観点で好ましくない。時間比率(T2/T1)の値が10.0を超えた値とした場合でも、本発明の効果の程度に殆ど差異は認められないので、この時間比率を10.0以下に設定することが生産性の面で好ましい。
また、従来、接続体合金として、Sbを含まない、Pb−Sn合金を用いた場合、Pb−Sb合金を用いた場合に比較して、ナゲット中にブローホールやクラックが発生する確率が高くならざるを得なかったが、本発明の構成を用いれば、Pb−Sn合金を接続体合金として用いた場合においても、ナゲット中のブローホールやクラックの発生を抑制することができる。したがって、制御弁式鉛蓄電池のように、接続体合金にSbを含まない合金を用いざるを得ない場合、本発明の製造方法は接続体の信頼性を高める上で極めて有効な方法である。
また、本発明の方法は仕切壁102に設ける貫通孔110の開口形状に対する自由度が高い。従来から、貫通孔110の開口形状は実質上の真円に設定することによって、溶接部の特定の場所にブローホールやクラックが発生することを避けていた。ところが、電池の小型化や高容量化を目的として、貫通孔110の開口形状として上下方向を短辺とする楕円形や長円形とし、接続部の高さ寸法を短くすることが行われている。従来の溶接方法では、楕円形や長円形に溶接された溶接部の長辺の両側部と短辺の両側部とは熱的条件の差から冷却・凝固状態にばらつきが発生し、その結果、クラック等が発生しやすかった。本発明では2段目の溶接で緩やかに冷却・凝固を進行させるので、溶接部位の冷却・凝固状態のばらつきを緩和し、クラックの発生を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施例を示し、本発明の効果を説明する。
1. 実施例1
Pb−2.5wt%Sb合金の接続体とPb−2.5wt%Sn合金の接続体を作成し、図5および図6に示す条件でセル間の抵抗溶接を行った。なお、Pb−2.5wt%Sn合金中のSb量は10ppm以下であり、実質上、合金成分としてSbを含まないものを用いている。そして、接続体の厚みは5.0mm、仕切壁102の厚みを1.3mm、貫通孔110を半径6.0mmの円形とした。
1)溶接条件B1〜B10
溶接条件B1〜B10は本発明の実施形態による抵抗溶接条件である。溶接電圧を交流として、2段階にV1、V2の2段階に定電圧制御するものであり、V2<V1としている。それぞれの溶接電圧と溶接時間は図5に示した通りとした。なお、交流の周波数は60Hzとした。
2)溶接条件A1およびA2
溶接条件A1およびA2は、比較例の抵抗溶接条件である。ここでは本発明の実施形態から第2段目の溶接を行わず、第1段の定電圧制御のみで溶接を行っている。なお、溶接電圧・時間は図5に示した通りである。また、第1段の溶接電圧は本発明の実施形態と同様、交流の定電圧制御であり、周波数は60Hzとした。
3)溶接条件C1およびC2
溶接条件C1およびC2は、比較例の抵抗溶接条件である。ここでは本発明の実施形態同様、2段階の電圧制御による溶接を行うが、第1の溶接電圧V1と第2の溶接電圧V2との関係をV1<V2とし、本発明の実施形態(V1>V2)の逆とした。なお、第1の溶接電圧および第2の溶接電圧はそれぞれ周波数60Hzの交流であり、それぞれの電圧値および溶接時間(T1、T2)は図5に示した通りとした。なお、これら図5における溶接電圧の表示は実効値でなく、すべてピーク値で示している。
4)溶接条件DおよびE1〜E3
図6に示した溶接条件Dは、比較例の抵抗溶接条件である。溶接電流を周波数60Hzの交流とし、15000Aの定電流制御で2/60sec間抵抗溶接したものである。さらに、溶接条件E1〜E3は溶接条件Dの溶接に加えて7000Aの定電流制御で、10/60sec間抵抗溶接することによって、溶接電流を2段階で定電流制御したものである。なお、2段目も1段目と同様、周波数60Hzの交流を用いている。
図5および図6に示した溶接条件で接続体合金別にn=200の抵抗溶接を行い、溶接部の断面を研磨して、溶接部でのブローホールおよびクラックの発生確率を調査した。これらの結果を図5および図6に示した。
図5および図6に示した結果から、本発明によれば、溶接部のブローホールおよびクラックの発生確率を低いレベルに抑制できることがわかる。特に溶接時間(T2)を溶接時間(T1)より長くした好ましい本発明例においてはブローホールおよびクラックの発生確率はいずれも0%であった。
また、接続体合金との関係について考察すれば、特に比較例において、Pb−2.5wt%Snの接続体同士を抵抗溶接したものはPb−2.5wt%Sbの接続体同士を抵抗溶接したものに比較してブローホール、クラックともに発生確率が増加する傾向にあった。溶接部の断面をエッチングし、結晶状態を観察したところ、Pb−2.5wt%Snを用いた溶接部は接続体と通電用電極との接触面を冷却面として放射状に結晶が成長し、この結晶間の粒界に沿ってクラックが発生していた。また、クラックが顕著に発生しているものは溶接部の中央部にブローホールが残存していた。
一方、Pb−2.5wt%Sbの接続体同士を抵抗溶接したものの結晶状態はPb−2.5wt%Snを用いたもののような配向性はなく、結晶粒もより微細であり、クラックの発生の程度も低かった。
本発明例では、比較例においてよりブローホールやクラックが発生しやすいPb−Sn合金を接続体に用いた場合においても、ブローホールやクラックの発生を顕著に抑制できることがわかる。また、図6に示した定電流制御による溶接に比較しても顕著な効果が得られることがわかった。また、本発明による抵抗溶接では、1段の定電圧制御もしくは1段の定電流制御のものと比較して特にクラックの発生確率の面で差異があり、本発明における定電圧制御の2段目の溶接時にブローホールとクラックの発生を抑制している。
2. 実施例2
実施例2では、貫通孔の形状と本発明の効果におよぼす影響について試験を行った。ここでは接続体の合金組成としてPb−2.5wt%Snを用い、貫通孔の開口形状を実施例1の真円(半径6.0mm)に変えて、上下方向が4.0mmの短径、横方向を9.0mmの長径を有した楕円形状とした。このような形状は開口面積、すなわち接続部の面積を同一にしつつ、溶接部の高さ寸法を短くできるため、電池の小型化に有効である。
この開口形状が楕円形の貫通孔を仕切壁に設けた電槽を用い、図5およびに示した溶接条件と同じ条件で抵抗溶接を行った。このときの溶接部でのブローホールおよびクラックの発生確率を図7および図8に示す。なお、図7および図8には比較を容易にするため、図5および図6に示した実施例1での結果を合わせて併記した。
図7および図8に示した結果から、比較例においては仕切壁に設ける貫通孔の形状を真円から楕円とすることにより、ブローホールおよびクラックの発生確率は増加する。これは楕円形状とした場合に、溶接部位毎の溶接時の温度や冷却速度のばらつきが真円形状の場合と比較して大きく、冷却・凝固状態のばらつきが拡大され、ブローホールやクラックの発生確率を増大させていると推測できる。
一方、本発明例では、貫通孔の開口形状を楕円形に変化させてもブローホールやクラックの発生確率の増大は抑制されていることがわかった。これは前記したような第2の溶接電圧による溶接の間に溶接部の冷却凝固が緩やかに進行し、ブローホールやクラックの発生を抑制したものと推測できる。
以上のように、本発明の鉛蓄電池の製造方法によれば、抵抗溶接部のブローホールやクラックの発生を抑制し、信頼性の高いセル間接続部を備えた鉛蓄電池を提供できる。また、制御弁式鉛蓄電池において用いらざるを得ない、Pb−Sn合金の接続体においても本発明の効果を得ることができる。
さらには、本発明の効果は貫通孔の開口形状の差異によって影響されないので、従来ブローホールやクラックが発生しやすかった、楕円形の開口形状を用いた電池に好適である。このような電池では、楕円形の短径を上下方向とすることにより、セル間接続高さを抑制できるので、電池の小型化、ひいては同一寸法での極板高さを増加することができ、電池を高容量化できる。
本発明の鉛蓄電池の製造方法は、セル間接続を抵抗溶接で行う電池において、溶接部の信頼性を向上できることから、サイクル用途やトリクル用途といった用途を問わず、抵抗溶接を採用する鉛蓄電池すべてに適用することができる。
本発明の実施形態によるセル間溶接工程を示す図 本発明の実施形態によるセル間溶接工程を示す他の図 本発明の実施形態による通電パターンを示す図 セル間溶接部を示す図 実施例のクラック発生確率を示す図 実施例のクラック発生確率を示す他の図 実施例のクラック発生確率を示す他の図 実施例のクラック発生確率を示す他の図
符号の説明
101 電槽
102 仕切壁
103 セル室
104 正極板
105 負極板
106 セパレータ
107 ストラップ
108 接続体
109 極板群
110 貫通孔
111 通電用電極
111a 先端
112 溶接用電源
401 ナゲット

















Claims (5)

  1. 仕切壁によって複数のセル室に区画された電槽の各セル室に極板群を収納し、互いに隣接する極板群において、これら極板群に設けたセル間接続用の接続体同士を前記貫通孔を介して突合せ、通電工程において、これら接続体間に通電し、接続体間を抵抗溶接する鉛蓄電池の製造方法であって、前記通電工程において、定電圧制御された第1の交流電圧V1を通電した後に、第1の交流電圧よりも低く、かつ、定電圧制御された第2の交流電圧V2を通電することを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。
  2. 前記第1の交流電圧V1の通電時間をT1、前記第2の交流電圧V2の通電時間をT2としたときに前記T2を前記T1よりも長く設定することを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の製造方法。
  3. 前記T2の前記T1に対する比率(T2/T1)を2.0〜9.0としたことを特徴とする請求項2に記載の鉛蓄電池の製造方法。
  4. 前記接続体として実質上Sbを含まない、Pb−Sn合金を用いることを特徴とする請求項1、2もしくは3に記載の鉛蓄電池の製造方法。
  5. 前記貫通孔の開口形状を楕円もしくは長円形状としたことを特徴とする請求項1、2、3もしくは4に記載の鉛蓄電池の製造方法。
JP2004201516A 2004-07-08 2004-07-08 鉛蓄電池の製造方法 Expired - Fee Related JP4599914B2 (ja)

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