JP4599299B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
このような管に加わる、各種変位に起因する外力を吸収あるいは拡散は、一般的には、管同士の接続に用いられる管継手において行われている。
具体的には、管端同士に跨って設置する管継手と、管端あるいは管端外面との間に弾性伸縮性のパッキンを介在させるなどして、管接続部の密封性を保持するとともに、外力の吸収あるいは拡散を図るようにすることが行われている。
そこで、本発明の主たる課題は、継手の密封機能を発揮させつつ、配管系に生ずる様々な変位に伴う応力を吸収して配管系を外力から保護することができるとともに、取り付けの容易性に優れる管継手を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
両端から接続すべき管端が挿入されるスリーブと、このスリーブの各端面側にそれぞれ位置された環状の弾性伸縮性パッキンと、弾性伸縮性パッキンを押圧するための押輪と、この押輪を対面する他の押輪方向に移動せしめるとともに適当位置で保持する押輪移動保持手段と、を備え、
前記弾性伸縮性パッキンは、スリーブ端面に対面する先端からスリーブ外方側の後端に向かって円弧状の背面を形成しつつ窄まる断面略円弧形状をなし、
かつ前記先端に軸心方向に突出する先端側縁片を有しているととともに、後端縁からスリーブ方向に向かって先窄となるテーパー状の内周面を有し、
さらに、この内周面の先端側がスリーブ方向に突出する突出縁片の一部であり、その内周面の最小直径部となる前記突出縁片先端の内径が、前記押輪の移動前において、押輪またはスリーブの内径よりも大径であり、
前記押輪の移動に伴って、前記背面部が押圧されることにより、前記先端がスリーブ端面に接触して支持されるとともに、後端縁がスリーブ方向に移動せしめられつつ前記内周面が後端側から縮径して、前記内周面がスリーブ内に挿入された管の外面に接するように構成されている、ことを特徴とする管継手。
本発明では、環状のパッキンが弾性伸縮性であり、断面略円弧形状をなしている。そして、押輪の移動に伴う円弧背面部の押圧によって、先端がスリーブ端面に、内周面が管外面にそれぞれ圧接するように構成されている。すなわち、本発明における弾性伸縮性パッキンは、装着状態(使用状態)では先端が軸心方向に、他端が軸心と垂直な方向に、それぞれ向かってある程度収縮した伸縮可能状態で各部位に周接している。従って、この管継手(スリーブ)内に挿入された管が、各種変位によって外力を受けスリーブ内の管端が管軸方向あるいはこれと垂直方向等に移動したり、あるいは角度がずれたり、両管端の芯ずれ、振れなどが生じたりしても、パッキンが各方向に適宜さらなる収縮あるいは伸張して管の動きに追随し、もって圧接性(密封性)を保持しつつ前記外力の吸収あるいは拡散がなされる。なお、本発明における密封機能とは、水を対象とする水密機能、その他の液体を対象とする液密機能、気体を対象とする気密機能のほか、粉体を対象とする粉密機能を含む意味である。
さらに、本発明の弾性伸縮性パッキンは、スリーブ端面に接する先端に軸心方向に突出する先端側縁片を有し、管外面に接する内周面の先端側がスリーブ方向に突出する突出縁片の一部とされている。従って、管継手装着状態では、各縁片が、リップシール機能を果たす。
詳述すると、管外面とスリーブとの間を通ってきた水やガスなどの流体は、スリーブ端面にまで到達したさいに両縁片間に誘導される。そしてその流体の流入圧によって先端側縁片がスリーブ端面に押し付けられるように開き、突出縁片が管外面に押し付けられるように開き、いわゆるリップタイプのオートマチックシール機能(クローサージョイント機能とも呼ばれる)が発揮される。
このようなオートマチックシール機構であるため、弾性伸縮性パッキンは、両者(管外面とスリーブ端面)に対して強固に圧接している必要がなく、伸縮可能な余裕のある状態でスリーブ端面および管外面に接する構成とすることができる。また、高寿命であり押輪の増締め頻度も少ないものとなる。
また、本発明は、押輪の移動のみによって、パッキンの管外面への圧接と開放とが選択される。従って、装着にあたって接続すべき管端を適当位置まで挿入して押輪の移動を行うだけで、両管端を簡易に連結することができる。
前記押輪の押圧面が、弾性伸縮性パッキンの背面円弧形状に沿う形状に形成されている請求項1記載の管継手。
請求項2記載の発明は、押輪の押圧面をパッキンの背面円弧形状に沿う形状としたことにより、弾性伸縮性パッキンが当該押輪の押圧面に沿って誘導されつつ撓むように変形されるため、押輪の移動に起因するパッキンの意図しない形状への変形が防止される。
前記押輪移動保持手段が、押輪の周方向に間隔を開けて複数設けられた貫通孔と、少なくとも両端部に雄螺子部を有する棒状部材と、この両端の雄螺子部にそれぞれ螺合されるナットとを備え、
前記棒状部材が、対面する押輪に貫通孔間に掛け渡されているとともにスリーブ外周囲に位置され、かつ、ナットが、押輪の外方から前記雄螺子部に螺合されている、請求項1または2記載の管継手。
請求項3記載の発明は、両端の押輪間にスリーブがパッキン介在状態で位置せしめられるため、押輪とスリーブとの連結が不要である。従って、押輪がスリーブに規制されることなく別個に軸心垂直方向にも移動されるようにすることができ、もって、パッキンが押輪とスリーブとの連結によって規制を受けることなく変形でき、より管に加わる外力の吸収、拡散性を発揮できるものとなる。
また、請求項3記載の発明は、一方側のナットの締め付けあるいは開放によって、押輪を移動させることも可能である。もってより簡易にパッキンの管外面への圧接と開放とが選択可能である。
また、現場での取り付けに際して、管端に全部品を完成状態で仮固定して移動、出荷することがより容易にできるとともに、取り付けるにあたっては、接続すべき他の管(仮固定されていない管端)の管端を両端から適当位置まで挿入してナット締めを行うだけで、両管端を極めて簡易に密封状態に連結することができる。
前記弾性伸縮性パッキンの、内周面の最小直径部となる前記突出縁片先端の内径が、押輪またはスリーブの内径よりも大径である請求項1〜3の何れか1項に記載の管継手。
弾性伸縮性パッキンの内周面の最小径部の内径を、押輪またはスリーブの内径よりも大径としたため、接続すべき管端を当該パッキンの内周を通しつつスリーブ内に容易に挿入できる。
装着機構としては、まずナット42,42を緩めた状態で、管継手両端からスリーブ内に接続すべき管端を挿入された状態にする。ナット42,42を緩めた状態では、弾性伸縮性パッキン20,20、押輪30,30、スリーブ10の内径は、接続すべき管P1,P2よりも大径であるため、管端の挿入は容易になすことが可能である。
本発明においては、押輪移動保持手段は、図示はしないが、例えば、スリーブ端に外周面側に突出するフランジ部を形成するとともに、このフランジ部にボルト孔を形成し、このボルト孔と押輪の貫通孔とに両端部あるいは全部に螺子が切られたボルトを掛け渡し、その両端螺子部にナットを螺合して締め付けることにより、押輪を移動保持するものとすることができる。この形態では、スリーブ両端の押輪をそれぞれ関連無くスリーブ方向におのおの移動せしめることが可能である。
Claims (4)
- 両端から接続すべき管端が挿入されるスリーブと、このスリーブの各端面側にそれぞれ位置された環状の弾性伸縮性パッキンと、弾性伸縮性パッキンを押圧するための押輪と、この押輪を対面する他の押輪方向に移動せしめるとともに適当位置で保持する押輪移動保持手段と、を備え、
前記弾性伸縮性パッキンは、スリーブ端面に対面する先端からスリーブ外方側の後端に向かって円弧状の背面を形成しつつ窄まる断面略円弧形状をなし、
かつ前記先端に軸心方向に突出する先端側縁片を有しているととともに、後端縁からスリーブ方向に向かって先窄となるテーパー状の内周面を有し、
さらに、この内周面の先端側がスリーブ方向に突出する突出縁片の一部であり、
前記押輪の移動に伴って、前記背面部が押圧されることにより、前記先端がスリーブ端面に接触して支持されるとともに、後端縁がスリーブ方向に移動せしめられつつ前記内周面が後端側から縮径して、前記内周面がスリーブ内に挿入された管の外面に接するように構成されている、ことを特徴とする管継手。 - 前記押輪の押圧面が、弾性伸縮性パッキンの背面円弧形状に沿う形状に形成されている請求項1記載の管継手。
- 前記押輪移動保持手段が、押輪の周方向に間隔を開けて複数設けられた貫通孔と、少なくとも両端部に雄螺子部を有する棒状部材と、この両端の雄螺子部にそれぞれ螺合されるナットとを備え、
前記棒状部材が、対面する押輪に貫通孔間に掛け渡されているとともにスリーブ外周囲に位置され、かつ、ナットが、押輪の外方から前記雄螺子部に螺合されている、請求項1または2記載の管継手。 - 前記弾性伸縮性パッキンの、内周面の最小直径部となる前記突出縁片先端の内径が、押輪またはスリーブの内径よりも大径である請求項1〜3の何れか1項に記載の管継手。
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- 2006-01-13 JP JP2006005945A patent/JP4599299B2/ja active Active
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