JP4596641B2 - イオン付着質量分析の方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はイオン付着質量分析の方法および装置に関し、特に、解離を生じさせることなく、例えば低濃度の被検出ガスの成分・濃度を測定するのに適したイオン付着質量分析の方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン付着質量分析装置(Ion Attachment Mass Spectrometer)は、解離を発生させずに被検出ガスを質量分析することができるという利点を有している。従来、Hodge(Analytical Chemistry vol.48 No.6 P825(1976))やBombick(Analytical Chemistry vol.56 No.3 P396(1984))、藤井(Analytical Chemistry vol.61 No.9 P1026、Chemical Physics Letters vol.191 No.1.2 P162(1992)、特開平6−11485号公報)によって、イオン付着質量分析装置の報告がなされている。
【0003】
図9に従来のイオン付着質量分析装置の基本的構成の例を概略的に示す。図9において、イオン化室11と差動排気室12と質量分析室13がカスケードに連結されて装置容器10が形成されている。差動排気室12と質量分析室13にそれぞれ差動排気室用真空ポンプ14と質量分析室用真空ポンプ15が付設されている。イオン化室11と差動排気室12の間には第1アパーチャ16が配置され、差動排気室12と質量分析室13の間には第2アパーチャ17が配置されている。イオン化室11にはイオン放出体18とリペラ19からなる放出機構20が設けられ、さらに放出機構20に放出機構制御電源21が付設される。イオン化室11には、試料ガス導入機構22と第三体ガス導入機構23とが接続され、それぞれにより試料ガスと第三体ガスが導入される。試料ガス導入機構22において、24は試料ガスボンベ、25はバルブであり、第三体ガス導入機構23において、26は第三体ガスボンベ、27はバルブである。作動排気室12には集束レンズ28が配置される。29は金属イオンおよび金属イオンが付着した被検出ガスの軌跡を示している。質量分析室13にはQポール型質量分析器30が配置されている。Qポール型質量分析器30の出口側にはイオン収集器31が設けられている。イオン収集器31の出力部はデータ処理器32が接続されている。
【0004】
上記放出機構20のイオン放出体18はアルカリ金属の酸化物を含む材料、例えば、Li酸化物とSi酸化物とAl酸化物の混合物から形成されている。装置容器10の軸線上に設置されたイオン放出体18が放出機構制御電源21に基づく給電によって約600℃に加熱されると、Li+などの正電荷の金属イオンが空間に放出される。この金属イオンは電界とガスの流れによって第1アパーチャ16の開口16aの方に進む。その途中で、金属イオンは、試料ガス導入機構22によりイオン化室11内に導入されている被検出ガスに付着する。こうして金属イオンが付着してイオン化した被検出ガスが生成される。例えば、H2OであればH2OLi+となり、その質量数は、H2Oの18amu(原子質量単位)にLiの7amuが加えられた25amuとなる。このようにして全体として正の電荷を持つイオンとなった被検出ガスは、そのまま進み、開口16aを通過する。前述の軌跡29は、かかる金属イオンと当該金属イオンが付着した被検出ガスの軌跡を示している。
【0005】
被検出ガスの分子に金属イオンが付着する場合には、ガス分子の電荷の偏りのある場所に非常に穏やかに付着(会合)し、解離の発生はほとんどない。しかしながら、結合エネルギが小さい分Li+の再脱離が起きやすい。これを防ぐため第三体ガス導入機構23によりイオン化室11の圧力を10〜1000Pa(通常100Pa)にしてガスとの衝突により余剰エネルギを吸収させなければならない。第三体ガスは、比較的金属イオンが付着しにくいN2などの不活性ガスが用いられる。金属イオンが安定して付着した被検出ガスは、集束レンズ28が設置されている差動排気室12を経由して質量分析室13に入り、Qポール質量分析器30により質量ごとに分別されて検出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示された従来のイオン付着質量分析装置を用いて低濃度の被検出ガスを検出する場合には、干渉ピークが生じ、この干渉ピークに隠れて被検出ガスの信号測定が不可能となることがあった。このときの干渉ピークが生じる原因としては、(1)第三体ガス同士の多量体、(2)第三体ガスと高濃度成分の多量体、(3)表面電離イオン、(4)金属イオンの同位体の4つがあった。
【0007】
ここで「多量体」とはガス分子が2つ(二量体)あるいはそれ以上結合したものである。例えば、水の場合、通常はH2Oであるが、二量体では(H2O)2となり、窒素の場合には通常はN2であるが二量体では(N2)2となる。イオン付着質量分析法では、実際には多量体が存在しなくても、イオン化の過程で多量体をわずかに形成してしまうという問題がある。例えば、水の場合、通常のH2OLi+だけでなく二量体である(H2O)2Li+も出現し、窒素の場合には通常のN2Li+だけでなく二量体である(N2)2Li+も出現することになる。
【0008】
また「表面電離イオン」とは、ガスが、加熱された表面に触れることにより一部の原子が奪われてできるイオンである。イオン付着質量分析法では、ガスによっては、加熱されたイオン放出体18の表面で表面電離イオンを生成してしまうという問題がある。例えばジメチルフタレート(C10H10O4=194amu)の場合、本来の質量数からOCH3(31amu)だけ少なくなった163amuのものが出現する。
【0009】
「同位体」とは、同じ元素であって質量数が異なるものである。Liの場合にはその質量数はほとんど7amuであるが、質量数6amuのものも7.5%程度存在する。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題を解決することにあり、イオン付着により被検出ガスをイオン化し当該被検出ガスの質量分析を行う場合において干渉ピークの発生を防止し、正確な質量分析を行えるようにしたイオン付着質量分析の方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るイオン付着質量分析の方法および装置は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0013】
第1のイオン付着質量分析方法(請求項1に対応)は、イオン化室に導入された被検出ガスに対して第三体ガスの雰囲気でイオン放出体から放出された正電荷の金属イオンを付着させ、被検出ガスを金属イオンでイオン化した後に質量分析器により質量分析の測定を行う方法であり、異なる第三体ガスに基づいて複数の測定を行い、これらの測定で得られたデータから第三体ガスに起因する干渉ピークを区別することで特徴づけられる。
【0015】
第2のイオン付着質量分析方法(請求項2に対応)は、イオン化室に導入された被検出ガスに対して第三体ガスの雰囲気でイオン放出体から放出された正電荷の金属イオンを付着させ、被検出ガスを金属イオンでイオン化した後に質量分析器により質量分析の測定を行う方法であり、イオン放出体を複数異なるものを用意し、異なるイオン放出体によって複数の測定を行い、これらのデータからイオン放出体に起因する干渉ピークを区別することで特徴づけられる。
【0017】
第1のイオン付着質量分析装置(請求項3に対応)は、正電荷の金属イオンを放出するイオン放出体と、被検出ガスに金属イオンを付着させるイオン化室と、イオン化室に第三体ガスを導入する第三体ガス導入機構と、金属イオンが付着した被検出ガスを質量分離・検出する質量分析器を備え、かつ質量分析器から与えられるデータを処理するデータ処理器を備えると共に、第三体ガス導入機構は、複数種類の第三体ガスが用意され、複数種類の第三体ガスのうち1種類の第三体ガスを選択して導入するように構成され、さらにデータ処理器は、異なる複数種類の第三体ガスに基づく複数の測定データから第三体ガスに起因する干渉ピークを区別する処理を行うように構成される。
【0019】
第2のイオン付着質量分析装置(請求項4に対応)は、上記の第1のイオン付着質量分析装置の前提構成を有し、さらに、イオン放出体は、前記金属イオンの異なる複数種類のイオン放出体が用意され、複数種類のイオン放出体の1つが選択され、金属イオンが放出されて測定が行われ、データ処理器が、異なるイオン放出体に基づく複数の測定によるデータからイオン放出体に起因する干渉ピークを区別するように構成される。
【0020】
第5のイオン付着質量分析装置(請求項9に対応)は、上記の第2のイオン付着質量分析装置において、上記の複数種類のイオン放出体は、イオンが流れる軸上からはずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0021】
【作用】
本発明に係るイオン付着質量分析の方法および装置によれば、通常はフラグメントの発生の少ないLi+を一次イオンとして使用しつつ、干渉ピークが発生した場合には、第三体ガス同士の多量体、および、第三体ガスと高濃度成分の多量体による干渉ピークを排除するため、被検出ガスの種類や測定目的に応じて、予め用意した複数種類の第三体ガスの中から1種類の第三体ガスを選択して使用する。さらにイオン放出体表面で電離イオン、および、金属イオンの同位体による干渉ピークを排除するためには、同じく被検出ガスの種類や測定目的に応じて、予め用意した複数種類のイオン放出体の中から1種類のイオン放出体を選択して使用する。
【0022】
イオン付着質量分析装置を用いて例えば低濃度の被検出ガスを検出する場合には、前述のごとく、第三体ガス同士の多量体、第三体ガスと高濃度成分の多量体、表面電離イオン、金属イオンの同位体が原因となって、質量分析で得られた測定データにおいて干渉ピークが生じ、当該干渉ピークに隠れて被検出ガスの信号測定が不可能となることがあったが、本発明では干渉ピークの発生を排除することにより測定を可能にする。干渉ピークの発生を排除するための手段として、干渉ピークの発生原因を考慮して、第1に被検出イオンと同一の位置に出現するニ量体イオンの質量を変えてシフトさせ、第2に金属イオンを付着させイオン化したもののみをシフトさせ、あるいは第3に同位体イオンを生成させないようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1を参照して本発明に係るイオン付着質量分析の方法と装置の実施形態を説明する。このイオン付着質量分析装置の基本的構成は、図9を参照して説明した従来装置の基本的構成と同じである。図1において、図9で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
【0025】
基本的構成を説明する。図において、イオン化室11と差動排気室12と質量分析室13がカスケードに連結され、装置全体として装置容器10が形成されている。差動排気室12と質量分析室13のそれぞれに真空ポンプ14,15が付設されている。イオン化室11と差動排気室12の間に第1アパーチャ16、差動排気室12と質量分析室13の間に第2アパーチャ17が配置されている。イオン化室11にはイオン放出体18とリペラ19からなる放出機構20が設けられ、放出機構20に放出機構制御電源21が付設される。イオン化室11には、試料ガス導入機構22とが接続され、これにより試料ガスが導入される。試料ガス導入機構22は試料ガスボンベ24とバルブ25を含む。この実施形態の場合には、試料ガスは低濃度の試料ガスである。作動排気室12には集束レンズ28が配置される。図中、金属イオンおよび金属イオンが付着した被検出ガスの軌跡29が示されている。質量分析室13にはQポール型質量分析器30、イオン収集器31が設けられている。イオン収集器31の出力部はデータ処理器50が接続されている。このデータ処理器50は、イオン収集器31から与えられる検出信号に基づいて測定データを処理する機能と共に、バルブの開閉動作を制御する機能を有している。
【0026】
放出機構20のイオン放出体18は、従来技術の箇所で説明した通り、例えばLi酸化物とSi酸化物とAl酸化物の混合物から形成される。装置容器10の軸線上に設置されたイオン放出体18が放出機構制御電源21に基づく給電によって約600℃に加熱されると、Li+などの正電荷の金属イオンが空間に放出される。この金属イオンは電界とガスの流れによって第1アパーチャ16の開口16aの方に進む。その途中で、金属イオンは、試料ガス導入機構22によりイオン化室11内に導入されている被検出ガスに付着する。こうして金属イオンが付着してイオン化した被検出ガスが生成される。基本的な構成に関してその他の作用は、図9を参照して説明した従来装置と実質的に同じである。
【0027】
上記の基本的構成を有するイオン付着質量分析装置において、特徴的構成を説明する。本実施形態に係るイオン付着質量分析装置では、複数種類、例えば3種類の第三体ガス(A,B,C)のうちのいずれか1種類の第三体ガスをイオン化室11に導入するように構成された第三体ガス導入機構51が設けられる。第三体ガス導入機構51は、3つの第三体ガスボンベ52a,52b,52cと、各第三体ガスボンベのガス導入管に設けられたバルブ53a,53b,53cを備えている。第三体ガスボンベ52a,52b,52cの各々には種類の異なる第三体ガスA,B,Cが収容されている。また各第三体ガスA,B,Cのイオン化室11への導入または導入停止を行うバルブ53a,53b,53cの各々の開閉動作は上記データ処理器50によって自動的に制御され、バルブ53a,53b,53cは測定状況に応じて適宜なタイミングで開閉される。これにより1種類の第三体ガスが選択され、イオン化室11に導入される。
【0028】
上記のごとく、本実施形態によるイオン付着質量分析装置は、基本的な構成・動作はすべて図9で説明した従来装置と同じであり、3種類の第三体ガスのうち1種類の第三体ガスを選択して導入できるように構成された第三体ガス導入機構51の点に特徴がある。本実施形態に係るイオン付着質量分析装置によれば、被検出ガスの種類や測定目的に応じて、特に低濃度の被検出ガスを測定する場合に、予め用意した複数種類、例えば3種類の第三体ガスA,B,Cの中から1つの第三体ガスを適宜に選択して使用し、被検出ガスに対する干渉が原因で信号測定ができない状態が発生するのを防止する。本実施形態の構成では、一例として予め3つの第三体ガスボンベ52a,52b,52cを装置に備えておき、3つのバルブ53a,53b,53cのうち1つを開くことにより、1種類の第三体ガスのみをイオン付着の反応を生じさせるイオン化室11に導入する。
【0029】
さらに第三体ガスを変更しても干渉が起きる場合、あるいは、干渉が発生しているかどうか不明な場合には、データ処理器50により第三体ガス導入機構51におけるバルブ53a,53b,53cの開閉動作を制御し、これにより順次に異なる第三体ガスをイオン化室11に導入し、異なる第三体ガスを用いて複数の測定を行い、これらの測定データに基づいて第三体ガスに起因する干渉ピークを区別するように構成される。
【0030】
次に、上記のイオン付着質量分析装置に基づく分析方法の具体例を、場合に分けて、図を参照して詳述する。
【0031】
図2は第三体ガス同士のニ量体が発生して干渉ピークが生じる場合の例を示している。上記イオン付着質量分析装置に基づく分析方法では、第三体ガス同士の二量体による干渉ピークを排除することができる。
【0032】
図2において、(1)はイオン化室すなわち反応室に存在する被検出ガスと第三体ガスAによる仮想スペクトルを示し、(2)はイオン付着後のスペクトルを示し、(3)は実際のスペクトル(第三体ガスAを使用する)を示し、(4)はニ量体による干渉回避(第三体ガスBに変更して使用する)を示している。スペクトルを表示するグラフでは、横軸に質量数、縦軸に信号強度を示している。また上記「仮想スペクトル」とは、イオン化が行われる前のガス本来のスペクトルである。イオン化をしなければガスの計測を行えないので、あくまで仮想的となる。第三体ガスAの質量数がaであれば、横軸のaの位置に第三体ガスAのピーク54が出現する。第三体ガスAが例えばN2であれば、横軸での質量数aは28となる。また55は、被検出ガスのスペクトルが分布して生じる領域であり、各被検出ガスについてピーク55a,55b,55c,55dを含む。
【0033】
実際に計測を行うために金属イオンを付着させたスペクトルは、図2(2)に示すごとくなる。図2(2)に示されたすべてのピーク54,55a〜55dは、付着された金属イオンの質量数(=i)の分だけ高質量側(右側)にシフトしている。すなわち図2(2)において第三体ガスAによるピーク54の横軸における質量数はa+iとなる。例えば、第三体ガスAがN2、金属イオンがLiであれば、28+7=35となる。多量体が発生しないとすると、さらに最初から第三体ガスAと同種の被検出ガスがない限り、この状態では干渉は生じない。
【0034】
しかし、イオン付着質量分析法によれば、実際にはイオン化の過程で多量体が形成される。第三体ガスA同士で二量体を形成した場合を示したのが、図2(3)である。56はニ量体のピークを示し、当該ピークの出現位置は質量数で示すと、2a+iとなり、丁度同じ位置に被検出ガスが存在すると、干渉の状態(図中57の状態、「干渉ピーク」という)が生成される。一般に第三体ガスは、比較的金属イオンが付着しにくく、二量体となるのはさらに少ないとはいえ、低濃度の被検出ガスを測定する場合には大きな問題となる。
【0035】
そこで図1に示したイオン付着質量分析装置では、データ処理器50の制御機能に基づき、最初に開いていたバルブ53aを閉じて第三体ガスAのイオン化室11への導入を停止し、次にバルブ53bを開いて第三体ガスBをイオン化室11へ導入する。こうして、干渉ピークの発生を排除するため、第三体ガスの種類をAからBへ変え、質量数bの第三体ガスBを用いることにする。このようにすると、図2(4)に示されるごとくイオン付着された第三体ガスBのピーク58(質量数b+i)に対して、その二量体に係るピーク59の出現位置は質量数2b+iの位置となり、被検出ガスのピーク55bと干渉しなくなる。
【0036】
イオン化室11に導入される第三体ガスの種類は、通常、データ処理器50により、そこで得られる測定結果を判定することにより、干渉が生じていると判定するときに、予め定められた手順に従って選択される。
【0037】
図3は第三体ガスと高濃度成分のニ量体が発生して干渉ピークが生じる場合の例を示している。上記イオン付着質量分析装置に基づく分析方法では、第三体ガスと高濃度成分の二量体による干渉ピークを排除することができる。
【0038】
図3は実質的に図2に対応し、図3の(1)〜(4)はそれぞれ図2の(1)〜(4)に対応している。図3の(1)〜(4)において、横軸は質量数、縦軸は信号強度を示している。図3において、図2で説明した要素には同一の符号を付して前述の説明を参酌することとし、ここでは詳細な説明を省略する。この例でも最初は第三体ガスAが使用されている。図3(1)は、第三体ガスAによるピーク54、および被検出ガスのピーク55a〜55dが生じている領域55の中に質量数cの高濃度な成分によるピーク60が存在している場合の本来の仮想スペクトルの分布を示している。図3(2)は多量体がない場合でのイオン付着後のスペクトルの分布を示し、図3(3)は第三体ガスと高濃度成分との二量体がある実際のスペクトルの分布を示す。この二量体に係るピーク61は質量数a+i+cの位置に出現する。このとき、丁度同じ位置に低濃度の被検出ガスのピーク55dがあると、状態62に示すごとく干渉ピークとなる。そこで、図4(4)に示すごとく、使用する第三体ガスを、上記の第三体ガスAから質量数がbである第三体ガスB(ピーク58で示される)に変更すると、このときの二量体に係るピーク63の出現位置はa+i+cとなり、被検出ガスのピーク55dと干渉しなくなる。
【0039】
上記の干渉62を避けるための第三体ガスの種類のAからBへの変更は、前述の例と同様に、図1に示されたイオン付着質量分析装置においてデータ処理器50による制御機能に基づいて実行される。
【0040】
図4は第三体ガス同士の二量体と三量体のいずれでも干渉が発生し、干渉ピークが生じる場合の例を示している。上記イオン付着質量分析装置に基づく分析方法では、第三体ガス同士の二量体と三量体による干渉ピークを排除することができる。第三体ガス同士の二量体、三量体のいずれでも干渉する場合において、被検出ガスのピークのみのスペクトルを導出するための手段について説明する。
【0041】
図4は実質的に図2に対応している。図4の(1)〜(3)において、横軸は質量数、縦軸は信号強度を示している。図4において、図2で説明した要素には同一の符号を付して前述の説明を参酌することとする。上記イオン付着質量分析装置において、最初、第三体ガスAを用いて質量分析の測定を行い、その後に第三体ガスBを用いて質量分析の測定を行う。図4(1)は第三体ガスAによる実際のスペクトル、図4(2)は第三体ガスBによる実際のスペクトルである。図4の(1)と(2)に示されるように、第三体ガスA,Bのいずれにおいても自身のピーク54,58の他、多量体は、二量体のピーク56,59だけでなく、三量体のピーク64,65も発生する。図4(1)では第三体ガスAのニ量体のピーク56の部分が干渉ピークとなっており、図4(2)では第三体ガスBの三量体のピーク65の部分が干渉ピークとなっている。また、被検出ガスのピークの感度は第三体ガスの種類によっても変化するので、図4(2)では被検出ガスのピーク(符号▲3▼,▲4▼,▲6▼,▲8▼,▲9▼で示された位置に示されたもの)が全体に小さくなっている。図4の(1)と(2)では、横軸において、各ピークの発生場所に対応させて▲1▼〜▲9▼の符号が示されている。
【0042】
上記本実施形態に係るイオン付着質量分析装置では、図4の(1)と(2)に示されるような測定されたこれらの2つのスペクトルから、以下のようにして被検出ガスのピークのみのスペクトルを導出する。
【0043】
まず図4(1)のスペクトルから干渉が発生していないピークを選択する。第三体ガスAの分子量から二量体および三量体の出現位置は判明するので、その大きさは不明であるものの、干渉66,67が起きているピークを確定することは可能である。そこで、図4(1)の▲3▼,▲6▼,▲8▼,▲9▼が干渉が発生していないピークであると判断できる。図4(2)でも同様にして▲3▼,▲4▼,▲6▼,▲8▼が干渉が発生していないピークと判断されるので、両者共通で干渉が発生していないピークは▲3▼,▲6▼,▲8▼となる。図4の(1)と(2)の▲3▼,▲6▼,▲8▼のピークの大きさを比較すると、第三体ガスA,Bに依存する感度の差が判明する。そこで、▲3▼,▲4▼,▲6▼,▲8▼については図4(2)のピークを、また▲9▼については、図4(1)の▲9▼を当該感度差で校正したピークを使用すれば、図4(3)に示すように、すべての被検出ガスのピークを導出することができる。
【0044】
次に図5を参照して本発明に係るイオン付着質量分析の方法と装置の他の実施形態を説明する。図5において、上記の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。この実施形態では第三体ガス導入機構71は1種類の第三体ガスのみ(この例では第三体ガスAとする)を導入するように構成され、1つの第三体ガスボンベ72とバルブ73が設けられている。この構成は図9を参照して説明した従来装置の構成と同じである。この実施形態の特徴的部分は放出機構20にある。この放出機構20は複数種類、例えば2種類のイオン放出体18a,18bが設けられている。イオン放出体18aからは金属イオンfが放出され、イオン放出体18bからは金属イオンgが放出されるものとする。イオン放出体18a,18bには背面部にリペラ19a,19bが配置されている。これらのイオン放出体を含む放出機構20に対して放出機構制御電源21が設けられている。放出機構制御電源21は、2種類のイオン放出体18a,18bのいずれか1つのイオン放出体を選択して、電力を供給し、イオンを放出させるように構成されている。なお本実施形態の場合、データ処理器50は、前述のごときデータ処理の機能と共に、放出機構制御電源21の給電動作を制御する機能を有している。これにより放出機構制御電源21は、状況および必要に応じていずれかのイオン放出体に電力を供給する。
【0045】
被検出ガスの種類や測定目的に応じて、例えば低濃度の被検出ガスを分析する場合に、予め用意した2種類のイオン放出体18a,18bの中から1つのイオン放出体を選択して使用し、被検出ガスに対する干渉が発生しないようにする。すなわち、予め2つのイオン放出体18a,18bをイオンが流れる軸(軌跡29に一致する線)からずらして配置しておき、そのうち1つを放出機構制御電源21から通電を行うことにより加熱し、これにより1種類の金属イオンのみを放出する。軸からずれた位置にあるイオン放出体から放出された金属イオンであっても、ガスの流れに乗って移動するので、計測には問題は生じない。
【0046】
またイオン放出体を変更しても干渉が起きる場合、干渉が発生しているかどうか不明な場合には、データ処理器50により、放出機構制御電源21から給電されるイオン放出体を切換えるように制御し、順次に異なるイオン放出体による複数の測定を行い、これらのデータからイオン放出体に起因する干渉ピークを区別する。
【0047】
次に、上記の他の実施形態に係るイオン付着質量分析装置に基づく分析法の具体例を、場合に分けて、図を参照して詳述する。
【0048】
図6は表面電離イオンのために干渉ピークが生じる場合の例を示している。上記イオン付着質量分析装置に基づく分析方法では、表面電離イオンに起因する干渉ピークを排除することができる。表面電離イオンによる干渉ピークを排除するための手段について説明する。
【0049】
図6は実質的に上記の図2に対応し、図6の(1)〜(4)はそれぞれ図2の(1)〜(4)に対応している。図6の(1)〜(4)において、横軸は質量数、縦軸は信号強度を示している。図6において、図2で説明した要素には同一の符号を付して前述の説明を参酌することとし、ここでは詳細な説明を省略する。図6(1)は、被検出ガス55の中に質量数eの低濃度の被検出ガス55aが存在している場合の本来の仮想スペクトルの分布を示している。図6(2)は質量数ifの金属イオンを使用し表面電離なしの場合でのイオン付着後のスペクトルの分布を示し、先の被検出ガス55aが質量数e+ifの位置に出現している。図6(3)は表面電離がある実際のスペクトルの分布を示し、表面電離ピーク74が質量数dの位置に出現している。そのため、e+if=dとすると、干渉ピーク75が生じる。そこで、図6(4)に示すごとく、質量数igの金属イオンに変更すると、表面電離を除き、被検出ガスに関するすべてのピークがigだけシフトして干渉が生じなくなる。
【0050】
上記のごとく金属イオンの変更について、図5に示したイオン付着質量分析装置において、2つのイオン放出体18a,18bのうちいずれかに切換えるための選択動作が行われる。
【0051】
図7は金属イオンの同位体ために干渉ピークが生じる場合の例を示している。上記イオン付着質量分析装置に基づく分析方法では、金属イオンの同位体に起因する干渉ピークを排除することができる。金属イオンの同位体による干渉ピークを排除するための手段について説明する。
【0052】
図7は実質的に図2に対応し、図7の(1)〜(4)はそれぞれ図2の(1)〜(4)に対応している。図7の(1)〜(4)において、横軸は質量数、縦軸は信号強度を示している。図7において、図2で説明した要素には同一の符号を付して前述の説明を参酌することとし、ここでは詳細な説明を省略する。図7(1)は本来の仮想スペクトルの分布を示し、図7(2)は同位体なしの場合での質量数ifの金属イオン付着後のスペクトルの分布を示し、第三体ガスAが質量数a+ifの位置だけに出現している。図7(3)は質量数if'の同位体がある実際のスペクトルの分布を示し、同位体による第三体ガスのピーク76が質量数a+if'にも出現している。従って、丁度同じ位置に低濃度の被検出ガスのピーク55aがあると、干渉ピーク77が生じる。そこで、図7(4)に示すごとく、同位体のない別の金属イオンに変更すると、同位体ピーク76がなくなり、その結果、干渉がなくなる。なお、変更する金属イオンとしては、同じ金属イオンであるが、同位体を分離・除去したものとすることもできる。
【0053】
上記の金属イオンの同位体ために生じる干渉ピークをなくす分析方法に関しては、前述の図5に示されたイオン付着質量分析装置において、イオン放出体18bから放出される金属イオンgは同位体がないものであることが必要である。
【0054】
図8は表面電離ピークでいずれもが干渉を発生し、干渉ピークが生じる場合の例を示している。上記のイオン付着質量分析装置に基づく分析方法では、表面電離ピークによる干渉ピークを排除することができる。表面電離ピークでいずれのイオン放出体でも干渉する場合、被検出ガスのピークのみのスペクトルを導出するための手段について説明する。
【0055】
図8は実質的に図2、さらに上記の図4に対応している。図8の(1)〜(3)において、横軸は質量数、縦軸は信号強度を示している。図8において、図2および図4で説明した要素には同一の符号を付して前述の説明を参酌することとする。図8(1)は第三体ガスAを用いてイオン放出体18aによる実際のスペクトル、図8(2)は第三体ガスAを用いてイオン放出体18bによる実際のスペクトルである。図8(1)では符号▲4▼で示された被検出ガスのピークで表面電離ピーク78による干渉79が生じている。これに対して図8(2)では別の被検出ガスの表面電離ピーク80(符号▲3▼に対応)に対して干渉81が起きている。また被検出ガスのピークの感度は第三体ガスの種類によっても変化する。
【0056】
図8の(1)と(2)に示された、測定された2つのスペクトルに基づいて、以下のようにして被検出ガスのピークのみのスペクトルを導出する。多量体の場合とは異なり、表面電離ピークはどこに出現するかは不明である。そこで、第三体ガス以外のピークについて、図8における(1)と(2)で対応する各ピークの大きさの比率を算出する。図8の(1)と(2)では、金属イオンの分子量の差だけシフトしているので、対応するピークは容易に確定できる。▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼,▲7▼のうち▲3▼,▲4▼以外は概ね同じ比率となるので、▲3▼,▲4▼に干渉が起きていることが判断される。表面電離では同じ場所に出現するので、▲3▼は図8(1)に、▲4▼は図8(2)に被検出ピークが示されていると判断される。このようにして、図8(3)に示したように、すべての被検出ガスのピークを導出することができる。
【0057】
上記の第1の実施形態では複数の第三体ガスボンベを用意したが、これに限らず複数の第三体ガスが反応室に導入できればよい。複数種類の第三体ガスの切換えの仕方としては、前述のごとく自動で、あるいは手動で行うことが可能である。第三体ガスとしては、窒素(N2)やアルゴン(Ar)が使用される。
【0058】
上記の第2の実施形態ではイオン放出体を軸からずれた位置に配置したが、これに限らず、複数のイオン放出が金属イオンを選択して放出できればよい。例えば、軸上の位置を変えて配置することもできる。また、使用するイオン放出体を選択するのに加熱の有無としたが、これに限らず、複数のイオン放出が金属イオンを選択して放出できればよい。例えば、リペラへの印加電圧を変化させることもできる。
【0059】
上記の実施形態の説明では、第三体ガスに起因する干渉とイオン放出体に起因する干渉とを別の装置で説明したが、これらに関する構成を一体化した装置であってもよい。
【0060】
各実施形態において、金属イオンとしてはLi+に限定されず、K+,Na+,Rb+,Cs+,Al+,Ga+,In+などに適用できる。同位体のない(存在が極めて低い)金属イオンとしてはNaが使用される。また質量分別器としてはQポール型を使用したが、これに限定されず、三次元(3D)型、磁場セクター型、TOF(飛行時間)型、ICR(イオンサイクロトロンレゾナンス)型も使用することができる。
【0061】
さらに上記実施形態では、測定すべき試料としてはすべてガス状のもので説明したが、試料自体は固定でも液体でもかまわない。固体や液体の試料が何らかの手段でガス状にされ、そのガスを分析するものであればかまわない。また本装置を他の成分分離装置、例えばガスクロマトグラフや液体クロマトグラフに接続して、ガスクロマトグラフ/質量分析装置(GC/MS)、液体クロマト/質量分析装置(LC/MS)とすることもできる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、イオン付着質量分析装置を用いて例えば低濃度の被検出ガスを検出する場合に、基本的な構成として、第三体ガスの切換えまたはイオン放出体の切換えを行って、被検出イオンと同一の位置に出現するニ量体イオンの質量を変えてシフトさせ、金属イオンを付着させイオン化したもののみをシフトさせ、または同位体イオンを生成させないようにしたため、干渉ピークの発生を防止することができ、正確な質量分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン付着質量分析装置の実施形態を示す構成図である。
【図2】第三体ガス同士の多量体による干渉と当該干渉の防止を説明する図である。
【図3】第三体ガスと高濃度成分の多量体による干渉と当該干渉の防止を説明する図である。
【図4】被検出ピークのみのスペクトルの導出(第三体ガス同士の多量体)を説明する図である。
【図5】本発明に係るイオン付着質量分析装置の他の実施形態を示す構成図である。
【図6】表面電離イオンによる干渉と当該干渉の防止を説明する図である。
【図7】金属イオンの同位体による干渉と当該干渉の防止を説明する図である。
【図8】被検出ピークのみのスペクトルの導出(表面電離ピーク)を説明する図である。
【図9】従来のイオン付着質量分析装置の構成図である。
【符号の説明】
10 装置容器
11 イオン化室
12 差動排気室
13 質量分析室
14,15 真空ポンプ
18 イオン放出体
18a,18b イオン放出体
22 試料ガス導入機構
30 Qポール型質量分析器
31 イオン収集器
51 第三体ガス導入機構
52a,52b,52c 第三体ガスボンベ
53a,53b,53c バルブ
71 第三体ガス導入機構
Claims (5)
- イオン化室に導入された被検出ガスに対して第三体ガスの雰囲気でイオン放出体から放出された正電荷の金属イオンを付着させ、前記被検出ガスを前記金属イオンでイオン化した後に質量分析器により質量分析の測定を行うイオン付着質量分析方法において、
異なる前記第三体ガスに基づいて複数の前記測定を行い、これらの測定で得られたデータから前記第三体ガスに起因する干渉ピークを区別することを特徴とするイオン付着質量分析方法。 - イオン化室に導入された被検出ガスに対して第三体ガスの雰囲気でイオン放出体から放出された正電荷の金属イオンを付着させ、前記被検出ガスを前記金属イオンでイオン化した後に質量分析器により質量分析の測定を行うイオン付着質量分析方法において、
前記イオン放出体を複数異なるものを用意し、異なる前記イオン放出体によって複数の測定を行い、これらのデータからイオン放出体に起因する干渉ピークを区別することを特徴とするイオン付着質量分析方法。 - 正電荷の金属イオンを放出するイオン放出体と、被検出ガスに前記金属イオンを付着させるイオン化室と、前記イオン化室に第三体ガスを導入する第三体ガス導入機構と、前記金属イオンが付着した前記被検出ガスを質量分離・検出する質量分析器と、この質量分析器から与えられるデータを処理するデータ処理器とを備えるイオン付着質量分析装置において、
前記第三体ガス導入機構は、複数種類の第三体ガスが用意され、前記複数種類の第三体ガスのうち1種類の第三体ガスを選択して導入するように構成され、
前記データ処理器は、異なる前記複数種類の第三体ガスに基づく複数の測定データから第三体ガスに起因する干渉ピークを区別する処理を行うことを特徴とするイオン付着質量分析装置。 - 正電荷の金属イオンを放出するイオン放出体と、被検出ガスに前記金属イオンを付着させるイオン化室と、前記イオン化室に第三体ガスを導入する第三体ガス導入機構と、前記金属イオンが付着した前記被検出ガスを質量分離・検出する質量分析器と、この質量分析器から与えられるデータを処理するデータ処理器とを備えるイオン付着質量分析装置において、
前記イオン放出体は、前記金属イオンの異なる複数種類のイオン放出体が用意され、
前記複数種類のイオン放出体の1つが選択され、前記金属イオンが放出されて測定が行われ、
前記データ処理器が、異なるイオン放出体に基づく複数の前記測定によるデータから前記イオン放出体に起因する干渉ピークを区別する、
ことを特徴としたイオン付着質量分析装置。 - 前記複数種類の前記イオン放出体は、イオンが流れる軸上からはずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項4記載のイオン付着質量分析装置。
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