JP4596615B2 - 回転駆動装置の保持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転駆動装置の保持機構に係り、特に、回転駆動装置を周囲の部材により保持するための回転駆動装置の保持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のバンパーに取り付けられ、自動車の車体と周囲の物体との距離とを容易に目視できるようにした、いわゆる、コーナーポール装置がある。このようなコーナーポール装置には、自動車の意匠を考慮して伸縮可能にしたものがある。
【0003】
図22に従来のコーナーポール装置の一例の構成図、図23に従来のコーナーポール装置の一例の要部の構成図を示す。
【0004】
コーナーポール装置300は、伸縮嵌合管301、可撓性線材302、減速機構303、モータ304、制御部305、給電部306、照明装置307から構成される。
【0005】
伸縮嵌合管301は、径の異なるn本の管体301−1〜301−nを伸縮可能に嵌合させた構成とされている。
【0006】
可撓性線材302は、導電性ケーブル311の周囲に樹脂312を被覆した構成とされ、樹脂312には、全長にわたってラック313が形成されている。可撓性線材302の一端は伸縮嵌合管301の最上段の管体301−1に固定される。また、可撓性線材302のラック313は、減速機構303に係合される。
【0007】
減速機構303は、モータ304により駆動され、可撓性線材302を矢印A方向に移動させる。減速機構303により可撓性線材302が矢印A1方向に移動されることにより、伸縮嵌合管301が矢印B1方向に押し出されて、上昇する。また、減速機構303により可撓性線材302が矢印A2方向に移動されることにより、伸縮嵌合管301が矢印B2方向に引き込まれて、下降する。モータ304は、制御部305により回転方向が制御される。モータ304の回転方向が制御されることにより、可撓性線材302の移動方向が切換り、伸縮嵌合管301の伸縮が制御される。また、導電性ケーブル311の一端は管体301−1に固定された照明装置307に接続されている。給電部306は、可撓性線材302の他端で、導電性ケーブル311に接触し、導電性ケーブル311を介して照明装置307に電流を供給する。なお、伸縮嵌合管301は、接地されており、照明装置307に供給された電流は、伸縮嵌合管301を通って接地に流れる。
【0008】
このとき、従来、モータ304はケース320に直接保持されていた。
【0009】
なお、伸縮嵌合管301の下降時には、下降完了時の衝撃を吸収するために、ケース302と伸縮嵌合管301の最下段の管体301−nとの間にゴムリング330を配置していた。伸縮嵌合管301の下降完了時、管体301−nの最下端に取り付けられた樹脂キャップ301aがゴムリング330に突き当たることにより、衝撃が吸収される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来のモータの保持機構では、モータの回転振動や回転ロック時の衝撃がケースに直接伝達されるため、ノイズが大きいなどの問題点があった。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、回転駆動体からのノイズを低減できる回転駆動体の保持構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転駆動装置の保持構造は、回転軸を回転させる回転駆動体と、該回転駆動体の回転を規制するための側面に突き当たる突き当て部材と、前記突き当て部材と前記回転駆動体の回転を規制するための側面との間に介在され、前記回転駆動体の回転により前記回転駆動体と前記突き当て部材との間に生じる衝撃を緩衝させる衝撃緩衝部材とを有し、前記回転駆動体の回転がロックした時に、前記回転駆動体の前記回転を規制するための側面が前記衝撃緩衝部材を介して前記突き当て部材に突き当たり、前記ロック時の衝撃を緩衝する構造とするとともに、前記回転駆動体を保持する保持部材を有し、前記回転駆動体と前記保持部材との間に設けられ、前記回転駆動体の振動の前記保持部材への伝達を緩衝させる振動緩衝部材を、前記衝撃緩衝部材と当該衝撃緩衝部材よりも薄厚の接続部を介して一体に形成したことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、回転駆動体の前記回転を規制するための側面が突き当て部材に突き当たり、ロック時の衝撃を緩衝する構造とすることにより、回転駆動体の回転軸がロックしたときに、その反作用により回転駆動体が回転し、回転駆動体の回転を規制するための側面が衝撃緩衝部材を介して突き当て部材に衝突し、回転ロック時の衝撃を吸収できる。よって、回転軸より先に緩衝材を設ける必要がなくなる。また、回転駆動体の突き当て部材への振動の伝達を防止できる。よって、回転駆動体からのノイズを低減できる。
【0014】
また、本発明は、回転駆動体を保持する保持部材と回転駆動体との間に設けられ、回転駆動体の振動の保持部材への伝達を緩衝させる振動緩衝部材を、衝撃緩衝部材と一体に形成してなる。
【0015】
本発明によれば、ロック時の回転による衝撃を吸収する衝撃緩衝部材と回転駆動体から保持部材への振動の伝達を防止する振動緩衝部とを一つの部材で構成することにより、部品点数を低減できるため、コストを低減できるとともに、組み立て性を向上できる。
【0016】
さらに、本発明は、衝撃緩衝部材を、回転駆動体の回転を規制するための側面と前記突き当て部材との間に所定の空間が形成される形状とし、回転駆動体が回転したときに回転駆動体の回転を規制するための側面によって押圧され、所定の空間を変形させつつ、弾性変形させる形状としてなる。
【0017】
本発明によれば、空間を変形させながら弾性変形するので、衝撃を効率よく吸収できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施例の正面図、図2に本発明の一実施例の裏面図、図3に本発明の一実施例の右側面図、図4に本発明の一実施例の上面図を示す。
【0019】
本実施例の伸縮嵌合管駆動装置1は、伸縮嵌合管2、可撓性線材3、駆動部4から構成される。
【0020】
伸縮嵌合管2は、径の異なる金属製の6本の管体6−1〜6−6を所定の範囲で摺動可能に係合させた構成とされている。伸縮嵌合管2の最先端の管体6−6には、可撓性線材3の一端が固定される。また、伸縮嵌合管2の最先端の管体6−6には、照明装置7が内蔵される。伸縮嵌合管2は、可撓性線材3の移動により伸縮される。
【0021】
可撓性線材3は、導電性ケーブル3aを樹脂3bで被覆した構成とされており、樹脂3bには、全長に亘ってラック8が形成されている。ラック8は、駆動部4に係合される。駆動部4は、ラック8に噛合し、可撓性線材3を矢印A方向に移動させる。なお、導電性ケーブル3aは、可撓性線材3の終端部で外部に露出しており、導電性ケーブル3aには、終端部から電力が供給可能な構成とされている。照明装置7には、導電性ケーブル3aを通して電力が供給される。照明装置7は、導電性ケーブル3aからの電力により発光する。このとき、伸縮嵌合管2は接地されており、照明装置7からの電流の経路となる。
【0022】
可撓性線材3が矢印A1方向に移動することにより管体6−6が矢印B1方向に押圧される。管体6−6が矢印B1方向に押圧されることにより、伸縮嵌合管2は伸長する。可撓性線材3が矢印A2方向に移動することにより管体6−6が矢印B2方向に引き込まれる。管体6−6が矢印B2方向に引き込まれることにより、伸縮嵌合管2は短縮する。
【0023】
駆動部4は、ケース11及びカバー12、13により形成される空間内に収納される。
【0024】
次に駆動部4について詳細に説明する。
【0025】
図5に本発明の一実施例の駆動部のカバーを取り外した状態の正面図、図6に本発明の一実施例の駆動部のカバーを取り外した状態の裏面図を示す。すなわち、図5は、図1においてケース11からカバー12を取り外した状態の図であり、図6は、図2においてケース11からカバー13を取り外した状態の図である。
【0026】
また、図7に本発明の一実施例のケースの構成図を示す。図7(A)は正面図、図7(B)は側面図を示す。
【0027】
ケース11の正面側には、モータ21、ギア22、23、回路基板24が実装される。また、ケース11の裏面側には、ギア25、照明用接点部材26,27が実装されるとともに、端子部28が形成されている。また、ケース11の裏面側には、可撓性線材3をガイドするガイド部29及び伸縮嵌合管2を収納するための伸縮嵌合管収納部30が形成されている。
【0028】
モータ21は、ゴムブッシュ31を介してケース11に形成されたモータ保持部41,42に装着される。モータ21は、接続ケーブル51、52を介して回路基板24に接続され、回路基板24からの駆動信号に応じて回転軸51を回転させる。モータ21の回転軸51には、ウォームギア54が圧入され、固定されている。ウォームギア54は、ギア22に噛合する。
【0029】
ギヤ22は、ケース11に植設された軸43に回転自在に保持される。ギア22は、第1ギア部22a及び第2ギア部22bから構成される。第1ギア部22aは、ウォームギア54に噛合し、第2ギア部22bは、ギア23に噛合する。
【0030】
ギア23は、ケース11の軸受部44に装着される。軸受部44は、ケース11の正面側から裏面側に貫通する貫通孔45を有する。ギア23の軸55は、ゴムブッシュ56を介して貫通孔45を貫通する。軸55は、裏面側でギア25と係合される。ギア25は、軸55に係合され、ギア22とともに回転される。ギア25には、可撓性線材3のラック8が噛合する。ギア25の回転により、可撓性線材3が矢印A方向に移動される。
【0031】
以上の構成により、モータ21の回転は、ウォームギア54、ギア22、ギア23、ギア25を伝達して、ラック8に作用し、可撓性線材3を移動させる。
【0032】
また、回路基板24は、プリント配線基板上に電気・電子部品を実装し、電気・電子部品を一体に樹脂モールドした構成とされている。回路基板24は、ケース11の正面側の収納部分の底面部分に装着される。回路基板24は、ねじ61を貫通させて、ケース11の底面に形成されたねじ孔46に螺入することにより固定される。ねじ孔46の周辺には、金属板47が形成されている。
【0033】
なお、ねじ孔46の周辺は、モールド樹脂により被覆されず、プリント配線板が表出するようにモールドは行なわれる。金属板47は、ケース11に埋設されており、裏面側の端子部28に接続されている。回路基板24には、ねじ61を貫通させる部分に端子62が形成されており、回路基板24は、端子部62を介して外部との接続が行なわれる。なお、モールド樹脂としては、ホットメルト材が用いられる。また、ホットメルト材は、例えば、高温タイプのポリアミド樹脂などがあげられる。
【0034】
端子部28には、接続ケーブル63が接続される。接続ケーブル63は、ケース11の外部に延出され、外部回路に接続される。
【0035】
照明用接点部材26は、ねじ64によりケース11のガイド部29に固定される。ケース11のねじ64の螺入部分の周囲には、金属板65が埋設されている。金属板65は、端子部28に接続されており、照明用接点部材26には、端子部28から照明用電源が供給される。照明用接点部材26は、可撓性線材3が矢印A2方向に引き出され、伸縮嵌合管2が伸長され、可撓性線材3の終端部に達すると、導体性ケーブル3aに接触する。また、照明用接点部材27は、ケース11の伸縮嵌合管収納部30に表出して設けられており、伸縮嵌合管2に接触する。照明用接点部材27は、ケース11に埋設された金属板66に接触して固定されている。金属板66は、端子部28に接続されており、端子部28を介して接地される。
【0036】
次に本発明の要部であるモータ21及びゴムブッシュ31について詳細に説明する。
【0037】
図8に本発明の一実施例のゴムブッシュの構成図を示す。図8(A)はゴムブッシュ31の平面図、図8(B)はゴムブッシュ31の横断面図、図8(C)はゴムブッシュ31の縦断面図を示す。また、図9に本発明の一実施例のゴムブッシュのモータへの組み付け図を示す。図9(A)はゴムブッシュ31をモータ21に組み付け後の平面図、図9(B)はゴムブッシュ31をモータ21に組み付けた後の左側面、図9(C)はゴムブッシュ31をモータ21に組み付けた後の正面図を示す。
【0038】
ゴムブッシュ31は、回転振動緩衝部71、72及びロック衝撃緩衝部73、接続部74がゴム材により一体に形成されている。回転振動緩衝部71、72は、モータ21の軸受部21a、21bとケース11のモータ保持部41,42との間に間挿され、モータ21の回転による振動がケース11に伝達されるのを防止する。
【0039】
ロック衝撃緩衝部73は、平面部73a及びリブ部73bから構成される。平面部73aは、回転振動緩衝部71と回転振動緩衝部72とを接続する。リブ部73bは、平面部73a上のモータ21の回転軸方向に平行に5本形成されている。また、リブ部73bの断面形状は、略三角形状とされている。ロック衝撃緩衝部73は、モータ21とカバー12の内壁との間に間挿され、モータ21の回転軸51がロックされたときに、モータ21本体が回転し、カバー12の内壁に衝突するときの衝撃を緩衝するものである。
【0040】
接続部74は、回転振動緩衝部71、72とロック衝撃緩衝部73との間を接続するものであり、ロック衝撃緩衝部73の平面部73aの厚さより薄く構成されている。したがって、接続部74で伸縮、折り曲げが容易になるので、ゴムブッシュ31のモータ21への組付けが容易になる。
【0041】
なお、本実施例では、リブ部73bはモータ21の回転軸方向に延在しているが、モータ21の回転軸方向に直行する方向に延在させるようにしてもよい。
【0042】
ここで、カバー12について説明する。
【0043】
図10に本発明の一実施例のカバーの構成図を示す。図10(A)はカバー12の内面側の平面図、図10(B)はカバー12の側面図を示す。
【0044】
カバー12の内面側には、モータ保持部81、82、モータ突き当て部83が形成されている。モータ保持部81、82は、ケース11のモータ保持部41,42とでモータ21の軸受部21a、21bをゴムブッシュ31の回転振動緩衝部71,72を介して挟持する。
【0045】
モータ突き当て部83は、ゴムブッシュ31のロック衝撃緩衝部73bを介してモータ21の側面が突き当てられ、モータ21本体の回転を防止する。
【0046】
次に、ゴムブッシュ31の作用について説明する。
【0047】
図11、図12、図13に本発明の一実施例のモータの組み付け時の断面図を示す。
【0048】
モータ21は、ケース11のモータ保持部41、42及びカバー12のモータ保持部81,82により保持された状態で、側面がゴムブッシュ31のロック衝撃緩衝部73を介してカバー12のモータ突き当て部83に突き当たる。
【0049】
このとき、モータ21がロックしない状態では、ロック衝撃緩衝部73のリブ部73bは、つぶれされない状態でモータ突き当て部83に接触する。
【0050】
次に、モータ21の回転軸51がロックした場合について説明する。
【0051】
図14に本発明の一実施例のモータがロックしたときのゴムブッシュの状態を示す図を示す。
【0052】
モータ21の回転軸51が矢印C方向に回転することにより、可撓性線材3が矢印A2方向に移動され、伸縮嵌合管2が短縮する。伸縮嵌合管2が短縮し、最下端まで下降すると、可撓性線材3がロックされる。可撓性線材3がロックされることにより、モータ21の回転軸51がロックされる。モータ21の回転軸51がロックされることにより、モータ21の本体が矢印D方向に回転する。
【0053】
このとき、ゴムブッシュ31のロック衝撃緩衝部73のリブ部73bがつぶれてロックによる衝撃を吸収する。このとき、単なるゴムの弾性ではなく、ロック衝撃緩衝部73のリブ部73bがつぶれるまでの空間を利用して衝撃を吸収できるので、効率的にロックによる衝撃を吸収できる。
【0054】
本実施例によれば、ゴムブッシュ31によりモータ21の回転振動のケース11、カバー12への伝達を低減できるとともに、モータ21のロック時の衝撃を吸収できるため、装置全体のノイズを低減できる。
【0055】
また、本実施例によれば、リブ部73bがつぶれる空間を利用することにより効率的に衝撃を吸収できるので、ロック衝撃緩衝部73を平板状のゴム材で形成した場合よりゴム材の厚さを薄くできる。このため、モータ21とケース12との間の空間を小さくできるため、装置の薄型化を実現できる。
【0056】
さらに、本実施例によれば、ゴムブッシュ31は、振動緩衝部71,72とロック衝撃緩衝部73とが一体に形成されているため、部品点数を低減できるため、コストを低下させることができるとともに、組み立て性を向上できる。
【0057】
なお、本実施例によれば、モータ21のロックを緩衝することにより、従来、伸縮嵌合管2の下端とケース11とに設けていたゴムリングを廃止できる。
【0058】
なお、本実施例のゴムブッシュ31はロック衝撃緩衝部73にリブ部73bを設けることにより、ロック衝撃を効率よく吸収できるようにしたが、ロック衝撃緩衝部にR凸部をつけることによりロック衝撃の吸収を行なうようにしてもよい。
【0059】
図15に本発明の一実施例のゴムブッシュの変形例の構成図を示す。図15(A)は本変形例のゴムブッシュの平面図、図15(B)は本変形例のゴムブッシュの断面図を示す。図16に本発明の一実施例の変形例のゴムブッシュのモータへの組み付け図を示す。図16(A)はゴムブッシュ100をモータ21に組み付け後の平面図、図16(B)はゴムブッシュ100をモータ21に組み付けた後の左側面、図16(C)はゴムブッシュ100をモータ21に組み付けた後の正面図を示す。同図中、図8、図9と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
本変形例のゴムブッシュ100は、ロック衝撃緩衝部101の形状が図8、図9のゴムブッシュ73とは相違する。本変形例のゴムブッシュ100のロック衝撃緩衝部101は、略中央部にR凸部102が形成されている。R凸部102は、ロック衝撃緩衝部101の形状を形成時にR状に形成したものであり、形状自体がR状とされている。このため、ゴムブッシュ100をモータ21に組み付けた状態で、モータ21の側面とのゴムブッシュ100との間に間隙が形成される。
【0061】
図17、図18に本発明の一実施例の変形例のモータの組み付け時の断面図を示す。同図中、図11、図12と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0062】
本変形例では、モータ21がロックしない状態では、図17、図18に示すようにゴムブッシュ100のロック緩衝部101のうちR凸部102の形成部分以外は、モータ21の側面に当接し、R凸部102はつぶれされない状態でモータ突き当て部83に接触する。
【0063】
図19に本発明の一実施例のモータがロックしたときのゴムブッシュの状態を示す図を示す。同図中、図13と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0064】
モータ21の回転軸51がロックされ、モータ21の本体が矢印D方向に回転する。このとき、ゴムブッシュ100のロック衝撃緩衝部101のR凸部102がつぶれてロックによる衝撃を吸収する。このとき、リブ部73bと同様に単なるゴムの弾性ではなく、ロック衝撃緩衝部101のR凸部102がつぶれるまでの空間を利用して衝撃を吸収できるので、効率的にロックによる衝撃を吸収できる。
【0065】
本実施例によれば、ゴムブッシュ31による作用効果と同様な効果が得られる。
【0066】
なお、本変形例では、R凸部102は一つであるが、モータ21の側面に渡って、複数設けるようにしてもよい。また、ロック衝撃緩衝部101を波型に形成することも考えられる。
【0067】
さらに、上記実施例では、ロック衝撃緩衝部をリブ部又はR凸部とした例について説明したが、これに限定されることはなく、モータ21とモータ突き当て部83との間にわずかな空間が形成され、空間を変形させつつ弾性変形することにより、ロック衝撃を効率よく吸収できるような形状であればよい。
【0068】
なお、本実施例では、回路基板24を樹脂によりモールドしたが、モータ21、ゴムブッシュ31、100を回路基板24とともに一体に樹脂によりモールドするようにしてもよい。
【0069】
図20、図21に本発明の一実施例の変形例の断面図を示す。同図中、図11、図12と同一構成部分同一符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
本変形例は、回路基板24のモールド樹脂によりモータ21を一体にモールドした構成としている。
【0071】
モールド樹脂200は、回路基板24上の電気・電子素子及びモータ21を一体に被覆している。このとき、モータ21は、ゴムブッシュ31部分がモールド樹脂200が被覆されないようにモールドされる。すなわち、ゴムブッシュ31は、外側に表出するようにモールドされる。
【0072】
このように、モータ21を樹脂モールドすることにより、ケース11、及びカバー12への振動の伝わりを低減できる。また、モールド樹脂により防湿性を向上させることができる。
【0073】
なお、本変形例の組み付け方法は、まず、回路基板24とモータ21とを型に配置し、モールドした後、回路基板24とモータ21との一体形成部品をケース11に実装し、カバー12を取り付けるようにする。
【0074】
なお、回路基板24、モータ21をケース11及びカバー12内に組み付けた後、ケース11及びカバー12内に樹脂を流し込む、いわゆる、ポッティングにより樹脂モールドするようにしてもよい。
【0075】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、請求の範囲の記載を逸脱することなく、種々の変形例が可能であることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、回転駆動体の前記回転を規制するための側面が突き当て部材に突き当たり、ロック時の衝撃を緩衝する構造とすることにより、回転駆動体の回転軸がロックしたときに、その反作用により回転駆動体が回転し、回転駆動体の回転を規制するための側面が衝撃緩衝部材を介して突き当て部材に衝突し、回転ロック時の衝撃を吸収できる。よって、回転軸より先に緩衝材を設ける必要がなくなる。また、回転駆動体の突き当て部材への振動の伝達を防止できる。よって、回転駆動体からのノイズを低減できるなどの特長を有する。
【0077】
また、本発明によれば、ロック時の回転による衝撃を吸収する衝撃緩衝部材と回転駆動体から保持部材への振動の伝達を防止する振動緩衝部とを一つの部材で構成することにより、部品点数を低減できるため、コストを低減できるとともに、組み立て性を向上できるなどの特長を有する。
【0078】
さらに、本発明によれば、空間を変形させながら弾性変形するので、衝撃を効率よく吸収できる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の正面図である。
【図2】本発明の一実施例の裏面図である。
【図3】本発明の一実施例の右側面図である。
【図4】本発明の一実施例の上面図である。
【図5】本発明の一実施例の駆動部のカバーを取り外した状態の正面図である。
【図6】本発明の一実施例の駆動部のカバーを取り外した状態の裏面図である。
【図7】本発明の一実施例のケースの構成図である。
【図8】本発明の一実施例のゴムブッシュの構成図である。
【図9】本発明の一実施例のゴムブッシュのモータへの組み付け図である。
【図10】本発明の一実施例のカバーの構成図である。
【図11】本発明の一実施例のモータの組み付け時の断面図である。
【図12】本発明の一実施例のモータの組み付け時の断面図である。
【図13】本発明の一実施例のモータの組み付け時の断面図である。
【図14】本発明の一実施例のモータがロックしたときのゴムブッシュの状態を示す図である。
【図15】本発明の一実施例のゴムブッシュの変形例の構成図である。
【図16】本発明の一実施例の変形例のゴムブッシュのモータへの組み付け図である。
【図17】本発明の一実施例の変形例のモータの組み付け時の断面図である。
【図18】本発明の一実施例の変形例のモータの組み付け時の断面図である。
【図19】本発明の一実施例のモータがロックしたときのゴムブッシュの状態を示す図である。
【図20】本発明の一実施例の変形例の断面図である。
【図21】本発明の一実施例の変形例の断面図である。
【図22】従来のコーナーポール装置の一例の構成図である。
【図23】従来のコーナーポール装置の一例の要部の構成図である。
【符号の説明】
1 伸縮嵌合管駆動装置、2 伸縮嵌合管、3 可撓性線材、4 駆動部、 6−1〜6−6 管体、7 照明装置、8 ラック、11 ケース、12,13カバー、21 モータ、31、100 ゴムブッシュ、41、42、81、82 モータ保持部、83 突き当て部、71 、72 回転振動緩衝部、73、101 ロック衝撃緩衝部、73a 平面部、73b リブ部、102 R凸部
Claims (2)
- 回転軸を回転させる回転駆動体と、
該回転駆動体の回転を規制するための側面に突き当たる突き当て部材と、
前記突き当て部材と前記回転駆動体の回転を規制するための側面との間に介在され、前記回転駆動体の回転により前記回転駆動体と前記突き当て部材との間に生じる衝撃を緩衝させる衝撃緩衝部材とを有し、
前記回転駆動体の回転がロックした時に、前記回転駆動体の前記回転を規制するための側面が前記衝撃緩衝部材を介して前記突き当て部材に突き当たり、前記ロック時の衝撃を緩衝する構造とするとともに、
前記回転駆動体を保持する保持部材を有し、
前記回転駆動体と前記保持部材との間に設けられ、前記回転駆動体の振動の前記保持部材への伝達を緩衝させる振動緩衝部材を、前記衝撃緩衝部材と当該衝撃緩衝部材よりも薄厚の接続部を介して一体に形成したことを特徴とする回転駆動装置の保持構造。 - 前記衝撃緩衝部材は、前記回転駆動体の回転を規制するための側面と前記突き当て部材との間に所定の空間が形成される形状とされており、前記回転駆動体が回転したときに前記回転駆動体の回転を規制するための側面によって前記突き当て部材方向に押圧され、前記所定の空間を変形させつつ、弾性変形することを特徴とする請求項1記載の回転駆動装置の保持構造。
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