JP4594645B2 - インターリーブ伝送における送信装置、及び受信装置 - Google Patents

インターリーブ伝送における送信装置、及び受信装置 Download PDF

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Description

本発明は、インターリーブ伝送における送信装置、及び受信装置に係り、特に、インターリーブ時間を短縮するための送信装置、及び受信装置に関する。
近年では、広帯域を利用した情報伝送が検討されており、例えば、21GHz帯(21.4〜22.0GHz,帯域幅600MHz)は、現行の12GHz帯のBSデジタル方向でサービスされているHDTV(High Definition Television)の約4倍の走査線に相当する走査線4000本級の超高精細映像による放送サービス等を可能にする。
しかしながら、21GHz帯は12GHz帯に比べて降雨等による電波の減衰が大きいことが知られており、回線の信頼性を向上させるための電波の減衰対策が必要となる。
そこで、例えば、伝送路上における降雨減衰等を改善する技術として長周期インターリーブ方式が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。長周期インターリーブ方式とは、「降雨が短時間に集中して発生する傾向がある」という性質に着目し、降雨が短時間に集中して発生することで生じた部分的な連続誤りを降雨の発生時間よりも十分に長い時間にわたって拡散し、誤り訂正処理により元の信号に復元するものである。
ここで、従来方式におけるインターリーブ伝送システムの構成例について図を用いて説明する。図1は、従来におけるインターリーブ伝送システムの概略構成を示す一例の図である。
図1において、インターリーブ伝送システム10は、送信装置11と、受信装置12とを有するよう構成されており、送信装置11から送信される電波は、放送衛星13を介して衛星伝搬路により受信装置12に送信される。
送信装置11は、RS(Reed Solomon)符号化部21と、長周期インターリーバ22と、変調部23と、送信アンテナ24とを有するよう構成されている。また、受信装置12は、受信アンテナ25と、復調部26と、長周期デインターリーバ27と、RS復号化部28とを有するよう構成されている。なお、図1に示す長周期インターリーバ22及び長周期デインターリーバ27において、データの書き込み、読み出しを行うためのデータ蓄積手段として、メモリやハードディスク等を有する。
まず、送信装置11において、パケットデータがRS符号化部21に入力される。RS符号化部21は、受信側において降雨減衰等によって生じるデータの欠落を訂正させるためのパリティを付加してRS符号化を行う。また、RS符号化部21は、RS符号化後の伝送パケットを長周期インターリーバ22に出力する。
長周期インターリーバ22は、入力されるデータに対して予め設定されるインターリーブ時間分の書き込みを行う。次に、長周期インターリーバ22は、蓄積されたデータを書き込んだ方向とは異なる方向に読み出し、変調部23に出力する。変調部23は、長周期インターリーバ22から読み出された伝送パケットを、変調を行うアプリケーションや衛星伝送路等に適した方式で変調し、例えば所定の搬送波周波数の電波として送信アンテナ24から送信させる。
ここで、送信された電波は、放送衛星13を中継し、伝送路の途中で強い降雨等があったとして、降雨減衰の影響を受けて受信装置12に送信される。
受信装置12では、降雨減衰の影響を受けた電波を受信アンテナ25により受信し復調部26に出力する。復調部26は、復調部入力周波数へ周波数変換した後、変調部での変調方式を検出し、長周期デインターリーバ27に出力する。
長周期デインターリーバ27は、復調された伝送パケットを入力した後、予め設定されたインターリーブ時間分の書き込みを行い、送信装置11のフレーム構成と同じになるように再配置する。また、長周期デインターリーバ27は、蓄積されたデータを書き込み方向と異なる方向に読み出し、RS復号化部28に出力する。RS復号化部28は、入力したデータに付加されたパリティにより誤り訂正を行った後、パケットデータとして出力(再生)する。
ここで、上述した長周期インターリーバ22に蓄積される伝送フレームの構成について図を用いて説明する。図2は、従来の長周期インターリーバに蓄積される伝送フレーム構成の一例を示す図である。図2に示す伝送フレームは、X軸方向にRS符号長Kバイトの伝送パケットが、Y軸方向に伝送パケット数L個が配置された構成からなる。また、Kは符号ブロック長を、Mは情報ブロック長を示す。また、このRS符号の符号化率はM/Kで表される。また、情報ブロックに付加されるパリティN(=K−M)を使用して誤りの検出及び訂正を行う。
RS符号化部21におけるRS符号化後の伝送パケットは、長周期インターリーバ22において、図2に示す矢印31の順にしたがって予め設定されるインターリーブ時間分(図2においては、K×Lバイト)の書き込みが行われる。また、伝送フレーム分の書き込みが終了した後、長周期インターリーバ22は、図2に示す矢印32の順にしたがって蓄積されたデータの読み出しを行う。
ここで、伝送フレーム構成として、データの読み出し方向であるY軸方向のLを極めて大きな値に設定すれば、蓄積容量は増加してしまうが、インターリーブ時間を長くできるという特徴を有する。
また、上述した長周期デインターリーバ27に蓄積される伝送フレームの構成について図を用いて説明する。図3は、従来の長周期デインターリーバに蓄積される伝送フレーム構成の一例を示す図である。なお、図3における各符号(K,L,M,N)は、図2と同様である。
復調部26により、復調された伝送パケットは、送信側と同じフレーム構成になるように図3に示す矢印33の順にしたがって、予め設定されたインターリーブ時間分(図3において、K×Lバイト分)のデータが書き込まれる。
ここで、送信側では、図3に示すように伝送途中で降雨減衰等によって生じたデータ欠損(欠落)がY軸方向に連続して発生することになる。しかしながら、これをX軸で見た場合、データ欠落は1/Lバイトになりデインターリーブ後にはその誤りがLパケット分に分散される。したがって、各パケットに含まれる誤り数は少なくなりデータ欠落部分がRS符号による訂正能力範囲内にあれば、RS復号時に送信信号を再現することができる。
また、データを読み出す際には、図3に示す矢印34の順にしたがってK×Lバイト分のデータを読み出し、RS復号化部28に出力され、RS復号化部28により、例えば受信符号多項式R(x)を生成してパケットデータの復号を行う。ここで、RS復号時における受信符号多項式R(x)の生成過程について図を用いて説明する。図4は、RS復号時における受信符号多項式R(x)の生成過程を説明するための一例の図である。図4では、一例として、情報ブロック188バイト、検査ブロック16バイトからなるパケットにおいて、連続する2バイト(188バイト、189バイト)のパケットが欠落した場合について受信符号多項式R(x)の生成過程を説明する。
まず、送信側の符号多項式F(x)が以下に示す(1)式であるとすると、受信側での符号多項式R(x)は以下に示す(2)式で表される。
Figure 0004594645
Figure 0004594645
ここで、一般にRSの符号化、復号化には、「0」,「1」という2つの元を持ち、mod2の和と積の演算が定義されているガロア体GF(2)に仮想的な根αを付加するGF(2)ガロア拡大体が使用され計算される。また、GF(2)では、2(P:正の整数)個の元があり、その元の間で自由に四則演算が行える。
そこで、上述した(2)式の受信符号多項式R(x)にガロア拡大体GF(2)の元である根α〜α15を代入し、シンドローム値S0〜S15を算出する。
Figure 0004594645
次に、誤り位置多項式を導出するため、以下に示す(4)式に上述した(3)式の値を代入して連立方程式(4)’を解き、σ〜σの解を求める。ここで、σは誤りの位置を表す変数であり、tは最大訂正可能なブロック数である。
Figure 0004594645
次に、以下に示す(5)式にσ〜σの解を代入して、誤り位置多項式σ(x)を導出する。
Figure 0004594645
Figure 0004594645
その後、誤り位置の罫線を行うため、σ(x)を0にするxの値を算出する。xに代入する値は、α〜α255である。図4に示す例では、左から数えて188、189バイト目に誤りが発生しているため、σ(x)=0となる条件は、x=α187、α188のときとなる。このαのべき乗の値に1を加えたものが誤り位置となる。
次に、誤りの値の計算を行う。その導出式は、以下に示す(7)式のようになる。ここで、Yは誤りの大きさ(値)を表す変数である。
Figure 0004594645
最後に、上述した(7)式に(6)式を代入して以下に示す(8)式の連立方程式からσ〜σの解を求める。
Figure 0004594645
以上の処理により、(8)式に示す連立方程式からY〜Yが算出される。つまり、σに対応した誤り位置をYで置き換えれば、誤り訂正が行われたことになる。
上述した誤り訂正と誤り検出のアルゴリズムを用いることにより、データを復号することができる。なお、上述した(3)式のシンドロームが全て0になった場合は、誤りが発生していない場合であり、シンドロームが全て0にならなかった場合は、どこかで誤りが発生していることになる。
特開2003−101419号公報 橋本明記,亀井雅,山▲崎▼雷太、川口豊、「長周期インターリーブ伝送方式」、電子情報通信学会技術研究報告、SAT2001−93、pp.69−76、Jan.2002
ところで、伝送するパケットフレームがRS(K,M)、N=K−Mの場合、N/2バイト以上の誤りが発生した場合、そのまま復号すると正常データに復元することができない。したがって、データを少ない検査ブロック長で正常に復元するためには、インターリーブ時間を長くして誤りデータを十分に分散させる必要がある。しかしながら、インターリーブ時間が長くなると、受信側に大容量の蓄積が必要となる。
しかしながら、従来方式において、降雨遮断等によるデータ誤りを復元して、100%のサービス時間率を達成するためには、例えば、遮断時間Y=30分に対して、符号ブロック長K=204バイト,情報ブロック長M=188バイト,情報ブロックに付加される検査ブロック(パリティ)N=16バイトとしたとき、Y/(N/2/K)=30/(16/2/204)=765分のインターリーブ時間が必要となる。
また、上述した条件において、データの蓄積容量は、伝送レートが20Mbpsの場合、20(Mbps)×765(分)×60(秒)/8(ビット)=114GBもの膨大な容量が必要となってしまう。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、誤り訂正能力を向上させ、インターリーブ時間を短縮するためのインターリーブ伝送における送信装置、及び受信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
請求項1に記載された発明は、予め設定される時間に基づいてインターリーブされた伝送パケットを送信する送信装置において、入力されるパケットデータから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれたパケットデータを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第1のインターリーバと、前記第1のインターリーバから読み出されたパケットデータに受信側で訂正させるためのパリティを付加して符号化を行い、符号化された伝送パケットを出力する第1の符号化手段と、
前記第1の符号化手段から出力された伝送パケットから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれた伝送パケットを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第2のインターリーバと、前記第2のインターリーバから出力された伝送パケットのうち、消失させるパケット長を予め設定される伝送路の減衰状態又は受信側における誤り訂正能力に対応させて調整するデータバッファ手段と、前記データバッファ手段から出力された伝送パケットを受信側でパケット単位に消失させるためのパリティを付加して符号化を行う第2の符号化手段とを備え、前記第1及び第2のインターリーバは、それぞれ、入力されるパケットデータ又は伝送パケットの何れかのデータを蓄積する、書き込み速度、読み出し速度、及び蓄積容量が同一の複数の蓄積手段と、前記複数の蓄積手段に対して前記データの書き込み、読み出しを交互に行うための切り替えを行う切替手段と、前記複数の蓄積手段及び前記切替手段を制御して、前記複数の蓄積手段のうちの一方の蓄積手段でデータの書き込みを行っている最中に、他方の蓄積手段でデータの読み出しを行い、前記複数の蓄積手段から交互に連続した前記データを出力させるための制御手段とを含み、前記第2の符号化手段により得られる伝送パケットは、複数の符号を合成した積符号からなるフレーム構成を有することを特徴とする。
送信側において、一方の符号で誤り位置検出を行い、更にもう一方の符号で消失訂正を行うことで誤り訂正能力を向上することができる。これにより、所望のサービス時間率の達成に必要なインターリーブ時間を短縮させることができる。また、伝送路の減衰状態や所望する誤り訂正能力等に応じて送信側で消失させるパケット長を調整することができる。これにより、例えば、RS符号化の際の情報ブロック長を短く設定することができるため、RS符号化の演算時間を短縮することができる。また、蓄積手段を複数有することにより、例えば一方の蓄積手段でデータの書き込みを行っている最中に、もう一方の蓄積手段でデータの読み出しを行うことができる。これにより、データの停滞を防止することができる。更に、複数の符号の合成である積符号の関係にすることで、書き込みと読み出しとが異なる方向で行われるインターリーブ方式において誤り訂正能力を向上することができる。
請求項2に記載された発明は、前記請求項1に記載の送信装置から伝送され、予め設定される時間に基づいてインターリーブされた複数の符号を合成した積符号からなるフレーム構成を有する伝送パケットを受信する受信装置において、前記伝送パケットに対してデータの誤りを検出し、検出結果に基づいてパケット単位で復号又は消失を行う第1の復号化手段と、前記第1の復号化手段から出力された伝送パケットから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれた伝送パケットを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第1のデインターリーバと、前記第1のデインターリーバにより得られる伝送パケットのうち、消失されたパケットの誤り訂正のみを行う第2の復号化手段と、前記第2の復号化手段から出力されたパケットデータから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれたパケットデータを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第2のデインターリーバとを備え、前記第1及び第2のデインターリーバは、それぞれ、入力される伝送パケット又はパケットデータの何れかのデータを蓄積する、書き込み速度、読み出し速度、及び蓄積容量が同一の複数の蓄積手段と、前記複数の蓄積手段に対して前記データの書き込み、読み出しを交互に行うための切り替えを行う切替手段と、前記複数の蓄積手段及び前記切替手段を制御して、前記複数の蓄積手段のうちの一方の蓄積手段でデータの書き込みを行っている最中に、他方の蓄積手段でデータの読み出しを行い、前記複数の蓄積手段から交互に連続した前記データを出力させるための制御手段とを含み、前記第1の復号化手段は、入力された伝送パケットの誤り検出を行い、誤り数が訂正できる数を超えている場合、復号は行わずにパケット単位で消去することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、第1の復号化手段により、誤り位置検出を行い、検出結果に基づいて対応するパケット単位に消去することで、第2の復号化手段は誤り検出位置を容易に特定でき消失訂正のみを行うだけでよいため、誤り訂正能力を向上することができる。これにより、所望のサービス時間率の達成に必要なインターリーブ時間を短縮することができる。また、検出処理に有する時間を省略することで、復号時間を短縮することができる。更に、蓄積手段を複数有することにより、一方の蓄積手段でデータの書き込みを行っている最中に、他方の蓄積手段でデータの読み出しを行うことができる。これにより、データの停滞を防止することができる。
本発明によれば、誤り訂正能力を向上させ、所望のサービス時間率の達成に必要なインターリーブ時間を短縮させることができる。
<本発明の概要>
本発明は、長周期インターリーブに用いるパケットのフレーム構成を複数の符号の合成である積符号の関係にして、一方の符号で誤り位置検出を行い、もう一方の符号で消失訂正を行う。
ここで、積符号について図を用いて説明する。図5は、積符号を説明するための一例の図である。積符号は、二つのブロック符号C1(K,M)、C2(k,m)が与えられた場合、図5に示すようにK行k列の2次元配列に配置し、各列のM個の情報ブロックを符号化し、次に各行のm個の情報ブロックを符号化して全体として長さKkの符号語が得られ、この符号は(Kk,Mm)と表すことができる。これをC1、C2の積符号という。なお、C1、C2の符号化の順序を入れ替えても得られる符号語Cは同じである。
本発明では、図5に示すフレーム構成とすることにより、C1とC2の符号の合成である積符号の関係にして、例えば、C1で消失化を行い、C2で消失訂正を行うことで、誤り訂正能力を向上させインターリーブ時間の短縮を実現する。
ここで、消失とは、誤り訂正時に「0」か「1」かの判定が困難な時に無理に判定することはせず、そのデータを消失したものとして扱うことをいう。また、消失訂正とは、符号内の消失位置がわかっているデータに対して訂正処理のみを行うことをいう。
<実施形態>
以下に、上記のような特徴を有する本発明におけるインターリーブ伝送システム、送信装置、及び受信装置を好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<システム構成>
図6は、本発明におけるインターリーブ伝送システムの概略構成を示す一例の図である。図6に示すインターリーブ伝送システム60は、送信装置61と、受信装置62とを有するよう構成されており、送信装置61から送信される電波は、放送衛星63を介して衛星伝搬路により受信装置62に送信される。
送信装置61は、長周期インターリーバ71と、第1RS符号化部72と、第2RS符号化部73と、変調部74と、送信アンテナ75とを有するよう構成されている。また、受信装置62は、受信アンテナ76と、復調部77と、第1RS復号化部78と、長周期デインターリーバ79と、第2RS復号化部80とを有するよう構成されている。なお、図6に示す長周期インターリーバ71及び長周期デインターリーバ79において、データの書き込み、読み出しを行うためのデータ蓄積手段として、メモリやハードディスク等を有する。
まず、送信装置61において、パケットデータが長周期インターリーバ71に入力されると、長周期インターリーバ71は、予め設定された時間分のデータの書き込みを行う。また、長周期インターリーバ71は、蓄積したデータを書き込み方向とは異なる方向で読み出し、第1RS符号化部72に出力する。第1RS符号化部72は、伝送中に降雨減衰等によって生じるデータの欠落を、送信側において訂正させるためのパリティを付加してRS符号化を行う。
次に、第1RS符号化部72は、RS符号化した伝送パケットを長周期インターリーバ71に出力する。長周期インターリーバ71は、第1RS符号化部72から入力した伝送パケットに対して予め設定されるインターリーブ時間分の書き込みを行う。また、長周期インターリーバ71は、蓄積したデータを書き込み方向と異なる方向に読み出し、第2RS符号化部73に出力する。
第2RS符号化部73は、伝送中の降雨減衰等によって生じた欠落部分を送信側において消失させるためのRS符号化を行う。また、第2RS符号化部73は、符号化した伝送パケットを変調部74に出力する。変調部74は、入力した伝送パケットの変調を行うアプリケーションや衛星伝送路等に適した方式で変調し、例えば所定の搬送波周波数の電波として送信アンテナ75により送信させる。なお、変調部74における変調方式は、位相変調に限らない。
ここで、放送衛星63を中継したデータは、伝送路の途中で強い降雨等があるとして、電波減衰の影響を受け、受信装置62に送信される。
受信装置62では、降雨減衰の影響を受けた電波を受信アンテナ76で受信し、受信したデータを復調部77に出力する。復調部77は、入力した伝送パケットの変調方式に対応した方式で復調を行う。また、復調部入力周波数へ周波数変換を行う。更に、復調部77は、復調後のデータを第1RS復号化部78に出力する。
第1RS復号化部78は、入力したデータの誤り検出を行い、検出された結果に基づいてRS復号化又は消失化を行う。具体的には、入力したデータの誤り検出を行い、誤り数が訂正できる数を超えている場合、RS復号化は行わずにパケット単位で消失化を行う。なお、消失化したパケット部分は、NULL等の初期値などがセットされることになる。
また、第1RS復号化部78において消失されないデータは復号化されて長周期デインターリーバ79に出力される。長周期デインターリーバ79は、入力したデータを予め設定されるインターリーブ時間分書き込み、送信側と同様のフレーム構成で再配置する。また、長周期デインターリーバ79は、蓄積したデータを書き込み方向とは異なる方向に読み出し、第2RS復号化部80へ出力する。
第2RS復号化部80は、入力したデータの誤り訂正(消失訂正)を行う。また、第2RS復号化部80は、復号後のデータを長周期デインターリーバ79に出力する。
長周期デインターリーバ79は、第2RS復号化部80より入力したデータを所定時間分書き込む。また、長周期デインターリーバ79は、蓄積したデータを書き込み方向と異なる方向に読み出しパケットデータとして出力(再生)される。
上述したように、第1RS符号化部72及び第2RS符号化部73を用いて、複数の符号の合成である積符号の関係にして、第1RS復号化部78及び第2RS復号化部80を用いて誤り訂正能力を向上させ、長周期インターリーバ71及び長周期デインターリーバ79で分散された誤りデータを元の信号に復元することができる。
<送信装置機能構成>
次に、本実施形態における送信装置61の具体的な機能構成例のついて、図を用いて説明する。なお、後述する機能構成ではパケットデータの一例としてMPEG(Moving Picture Experts Group)パケットを送信する例を示すが、本発明において適用可能なパケットデータはこの限りではない。
図7は、本実施形態における送信装置の機能構成の一例を示す図である。図7に示す送信装置61は、第1データ切替手段101と、第1データ蓄積手段102と、第2データ蓄積手段103と、第1制御手段104と、第2データ切替手段105と、第1RS符号化手段106と、第3データ切替手段107と、第3データ蓄積手段108と、第4データ蓄積手段109と、第2制御手段110と、第4データ切替手段111と、データバッファ手段112と、第2RS符号化手段113と、変調手段114と、送信手段115とを有するよう構成されている。
ここで、図7において、第1データ切替手段101と、第1データ蓄積手段102と、第2データ蓄積手段103と、第1制御手段104と、第2データ切替手段105と、第3データ切替手段107と、第3データ蓄積手段108と、第4データ蓄積手段109と、第2制御手段110と、第4データ切替手段111と、データバッファ手段112とは、長周期インターリーバに設けられる機能である。
また、第1データ蓄積手段102と、第2データ蓄積手段103と、第3データ蓄積手段108と、第4データ蓄積手段109とは、データの書き込み速度、読み出し速度、蓄積容量が全て同一であるものとする。
また、第1データ蓄積手段102及び第2データ蓄積手段103は、所定時間分の書き込みが終了した時点、また第3データ蓄積手段108及び第4データ蓄積手段109は、インターリーブ時間分のデータの書き込みが終了した時点で、第1データ蓄積手段102もしくは第2データ蓄積手段103は、制御信号の電圧Highを第1制御手段104に出力し、第3データ蓄積手段108もしくは第4データ蓄積手段109は、制御信号の電圧Highを第2制御手段110に出力する。
このように、第1データ蓄積手段102及び第2データ蓄積手段103と、第3データ蓄積手段108及び第4データ蓄積手段109とがそれぞれ対になっている理由は、ダブルバッファ構成にしてお互いの書き込みと読み出しのタイミングを逆にして交互に繰り返すことで、データの停滞を防止するためである。なお、データ蓄積手段は、2つに限らず複数あればよい。
また、第1データ切替手段101及び第3データ切替手段107は、それぞれ第1制御手段104及び第2制御手段110からの制御信号の電圧Highを受信したとき、入力されるデータを図7に示すSide1に出力し、制御信号の電圧Lowを受信したとき、入力されるデータを図7に示すSide2に出力するスイッチの役割を果たす。
一方、第2データ切替手段105及び第4データ切替手段111は、それぞれ第1制御手段104及び第2制御手段110からの制御信号の電圧Highを受信したとき、図7に示すSide2からのデータに切り替えて出力し、制御信号の電圧Lowを受信したとき、図7に示すSide1からのデータに切り替えて出力する。
更に、第1制御手段104は、第1データ蓄積手段102と、第2データ蓄積手段103と、第1データ切替手段101と、第2データ切替手段105とにおける動作を制御する。具体的には、第1データ蓄積手段102又は第2データ蓄積手段103からの制御信号の電圧Highを受け付ける度に、各部へ同一の制御信号の電圧HighもしくはLowを切り替えて出力する。
同様に、第2制御手段110は、第3データ蓄積手段108と、第4データ蓄積手段109と、第3データ切替手段107と、第4データ切替手段111とにおける動作を制御する。具体的には、第3データ蓄積手段108又は第4データ蓄積手段109からの制御信号の電圧Highを受け付ける度に、各部へ同一の制御信号の電圧HighもしくはLowを切り替えて出力する。
また、第1RS符号化手段106は、降雨減衰等により生じるデータの欠落を受信側にて訂正させるためのパリティを付加してRS符号化を行う。また、データバッファ手段112は、RS符号の情報ブロック分の蓄積を行う。また、第2RS符号化手段113は、降雨減衰等により生じるデータの欠落部分を消失させるためのパリティを付加してRS符号化を行う。変調手段114は、アプリケーションや衛星伝送路に適した方式で変調を行う。更に、送信手段115は、変調手段114により変調されたデータを送信する。
ここで、具体的な動作内容について説明する。例えば、第1制御手段104及び第2制御手段110の制御信号の電圧がHighの状態である場合、第1切替手段101は、データ出力先として図7に示すSide1が選択され、第1データ蓄積手段102にMPEGパケットを出力する。ここで、第1データ蓄積手段102に蓄積されるフレーム構成例について、図を用いて説明する。
図8は、送信側における第1データ蓄積手段に蓄積されるフレーム構成の一例を示す図である。図8に示すように、第1データ蓄積手段102は、入力したMPEGパケットを矢印35の方向にしたがって、所定時間分(図8においては、M(Y軸)×L(X軸)バイト[byte]分)を書き込む。なお、Fnは最小インターリーブフレームを示す。
第1データ蓄積手段102は、伝送フレーム分の書き込みが終了した後、第1制御手段104に制御信号の電圧Highを送信し、第1制御手段104からの制御信号Lowを受信するまで待機する。
次に、第1データ蓄積手段102は、第1制御手段104からの制御信号の電圧Lowを受信後、図8に示す矢印36の順にしたがって、蓄積された所定時間分のMPEGパケットを出力する。
また、第2データ切替部105は、第1制御手段104からの制御信号の電圧Lowを受信すると、Side1からのデータを出力し、第1データ蓄積手段102から読み出されたMPEGパケットが第1RS符号化手段106に出力される。
なお、第1制御手段104の制御信号の電圧がLowに切り替わることで、第1データ切替手段101に入力されるMPEGパケットは、第2データ蓄積手段103で所定時間分書き込まれる。
第1RS符号化手段106は、入力したMPEGパケットを、情報ブロック長をMバイトとしたとき検査ブロックをNバイトとして、符号ブロック長KバイトのRS符号化を行う。RS符号化後の伝送パケットは、第2制御手段110からの制御信号の電圧Highを受信した第3データ切替部107において、Side1に出力される。ここで、第3データ蓄積手段108に蓄積されるフレーム構成例について、図を用いて説明する。
図9は、送信側における第3データ蓄積手段に蓄積されるフレーム構成の一例を示す図である。図9に示すように、第3データ蓄積手段108は、伝送パケットを矢印37の方向にしたがって、入力した伝送フレーム分(図9においては、K×Lバイト[byte]分)を書き込む。また、第3データ蓄積手段108は、伝送フレーム分の書き込みが終了後、第2制御手段110に制御信号の電圧Highを送信して、第2制御手段110からの制御信号の電圧Lowを受信後、図9に示す矢印38の順にしたがって、蓄積された時間分(K×Lバイト分)のデータを読み出し、データバッファ手段112に出力する。
データバッファ手段112は、mバイトのFIFO(First In First Out)を用いてmバイト単位での伝送パケットの入出力を行う。これは、RS符号化の際の情報ブロック長を伝送路の減衰状態や所望の誤り訂正能力等に応じて調整することができる。例えば、RS符号化の際の情報ブロック長を短く設定することにより、RS符号化の演算時間を短縮することができる。
データバッファ手段112は、mバイト単位の伝送パケットを第2RS符号化手段113へ出力する。第2RS符号化手段113は、情報ブロックをmバイトとして検査ブロック長nバイト、符号ブロック長kバイトにより、RS符号化を行う。
ここで、第2RS符号化手段113にて符号化された後のフレーム構成例について、図を用いて説明する。図10は、RS符号化後のフレーム構成の一例を示す図である。図10は、X軸方向にRS符号長kバイト×Fn個の伝送パケットと、Y軸方向にRS符号長Kバイトの伝送パケットが配置された構成となっている。
この伝送フレームは、k×Kバイトの小さな伝送フレームをFn個多重しているということもでき、RS符号長kバイトとRS符号長Kバイトとは共に積符号の関係になっているため、例えば、nバイトでデータの消失化を行い、Nバイトで消失訂正を行うことができる。
なお、上述したように、データバッファ手段112が、mバイト程度のFIFOを想定した場合、X軸方向においてkバイト毎にRS符号化することができ、k×Fnバイト全体をRS符号長とする場合に比べてRS符号化の演算時間を短縮することができる。
ここで、データの書き込み方向・読み出し方向の具体例について図を用いて説明する。図11は、データの書き込み方向・読み出し方向の具体例を説明する一例の図である。
図11に示すよう、X軸方向にRS符号長200[バイト]×400個の伝送パケットと、Y軸方向にRS符号長400[バイト]の伝送パケットが配置されたフレーム構成は、400×200バイトの小さな伝送フレームを400個多重していると考えることができる。例えば、今、連続的なデータ誤り80000バイトが発生したとする。仮に、データの書き込み・読み出しを、図11に示す矢印39−1の順にしたがって200バイト×400で折り返したときと、図11に示す矢印39−2の順にしたがって200バイトで折り返した場合で比較してみると、矢印39−1の場合はY軸方向で見たとき、その誤り割合を1/400にすることができ、誤りデータを効率的に復元することができるが、矢印39−2の場合は400×200の小さな伝送フレームが全てデータ誤りとなりデータを復元することができない。従って、データの読み出し方向と書き込み方向は矢印39−1に示すように行うことが望ましい。
第2RS符号化手段113は、RS符号化した伝送パケットを変調手段114に出力する。変調手段114は、入力された伝送パケットに変調を行った後、送信手段115に出力し、送信手段115は変調された信号を電波として送信する。
<受信装置機能構成>
次に、本実施形態における受信装置62の機能構成例のついて、図を用いて説明する。なお、後述する機能構成ではパケットデータの一例としてMPEGパケットを受信する例を示すが、本発明において適用可能なパケットはこの限りではない。
図12は、本実施形態における受信装置の機能構成の一例を示す図である。図12に示す受信装置62は、受信手段121と、復調手段122と、データバッファ手段123と、データ消失手段124と、第1データ切替手段125と、第1制御手段126と、第1データ蓄積手段127と、第2データ蓄積手段128と、第2データ切替手段129と、データ消失訂正手段130と、第3データ切替手段131と、第2制御手段132と、第3データ蓄積手段133と、第4データ蓄積手段134と、第4データ切替手段135とを有するよう構成されている。
ここで、図12において、データバッファ手段123と、第1データ切替手段125と、第1制御手段126と、第1データ蓄積手段127と、第2データ蓄積手段128と、第2データ切替手段129と、第3データ切替手段131と、第2制御手段132と、第3データ蓄積手段133と、第4データ蓄積手段134と、第4データ切替手段135とは、長周期デインターリーバに設けられる機能である。また、データ消失手段124と、データ消失訂正手段130とは、RS復号化部に設けられる機能である。
更に、第1データ蓄積手段127と、第2データ蓄積手段128と、第3データ蓄積手段133と、第4データ蓄積手段134とは、データの書き込み速度、読み出し速度、蓄積容量が全て同一であるものとする。
受信手段121は、放送衛星63等により送信装置61から送信された電波を受信する。また、復調手段122は、受信手段121より入力された伝送パケットを復調する。データバッファ手段123は、例えば送信側と同じ数百バイト程度のFIFOを想定しており、RS復号化に必要な演算時間を短縮するために予め設定されるデータの蓄積を行う。
データ消失手段124は、伝送パケットのデータの誤り検出を行い、検出結果に基づいて対応するパケットの復号又は消去を行う。また、データ消失訂正手段130は、消失されたデータに対して誤り訂正処理を行う。
また、第1データ蓄積手段127及び第2データ蓄積手段128は、インターリーブ時間分の書き込みが終了した時点、また第3データ蓄積手段133及び第4データ蓄積手段134は、所定時間分のデータの書き込みが終了した時点で、第1データ蓄積手段127もしくは第2データ蓄積手段128は、制御信号の電圧Highを第1制御手段126に出力し、第3データ蓄積手段133もしくは第4データ蓄積手段134は、制御信号の電圧Highを第2制御手段132に出力する。
このように、第1データ蓄積手段127と、第2データ蓄積手段128と、第3データ蓄積手段133及び第4データ蓄積手段134とがそれぞれ対になっている理由は、上述した送信装置と同様にダブルバッファ構成にしてデータの停滞を防止するためである。なお、データ蓄積手段は、2つに限らず複数であればよい。
また、第1データ切替手段125及び第3データ切替手段131は、それぞれ第1制御手段126及び第2制御手段132からの制御信号の電圧Highを受信したとき、入力されるデータを図12に示すSide1に出力し、制御信号の電圧Lowを受信したとき、入力されるデータを図7に示すSide2に出力するスイッチの役割を果たす。
一方、第2データ切替手段129及び第4データ切替手段135は、それぞれ第1制御手段126及び第2制御手段132からの制御信号の電圧Highを受信したとき、図12に示すSide2からのデータに切り替えて出力し、制御信号の電圧Lowを受信したとき、図12に示すSide1からのデータに切り替えて出力する。
更に、第1制御手段126は、第1データ蓄積手段127と、第2データ蓄積手段128と、第1データ切替手段125と、第2データ切替手段129とにおける動作を制御する。具体的には、第1データ蓄積手段127又は第2データ蓄積手段128からの制御信号の電圧Highを受け付ける度に、各部へ同一の制御信号の電圧HighもしくはLowを切り替えて出力する。
同様に、第2制御手段132は、第3データ蓄積手段133と、第4データ蓄積手段134と、第3データ切替手段131と、第4データ切替手段135とにおける動作を制御する。具体的には、第3データ蓄積手段133又は第4データ蓄積手段134からの制御信号の電圧Highを受け付ける度に、各部へ同一の制御信号の電圧HighもしくはLowを切り替えて出力する。
ここで、具体的な動作内容について説明する。受信手段121は、放送衛星63等により送信装置61から送信された電波を受信し、復調手段122に出力する。また、復調手段122は、受信手段121より入力された受信信号を送信側の変調方式に対応させて復調する。また、復調手段122は、復調したデータをデータバッファ手段123に出力する。
データバッファ手段123は、予め設定されたデータ分の蓄積を行う。また、データバッファ手段123は、蓄積されたデータをデータ消失手段124に出力する。
データ消失手段124は、入力された伝送パケット(RS[k,m]符号、n=k−m)に対して上述した(6)式により、σ(x)=0となる誤り位置xを検出する。
次に、検出結果に基づいてパケット単位にRS復号又は消失を行う。ここで、上述の内容を具体的に説明すると、例えば、σ=0となるαの数がn/2個以上の場合には、RS復号は行わず、符号ブロック長にあたるパケット単位の全てのデータを消失させて、そのパケットのデータを出力しないようにする(ただし、このとき蓄積手段への書き込み位置はカウントアップしており、消失したパケット部分には、NULL等の初期値等がセットされる。)。
通常、RS符号では、誤りの検出を行ってから誤りの訂正を行うため、検査ブロックnに対してn/2バイトで誤りの検出、残りのn/2バイトで誤りの訂正を行う。しかしながら、消失位置がわかっていればnバイトの全データを復元する消失訂正が可能である。消失訂正ができれば、単に誤り位置の検出と訂正を行う通常のRS復号方式に比べて2倍のデータ数を訂正できることになる。
データ消失手段124にてデータ消失化が行われた後のデータは、例えば第1の制御手段126からの制御電圧Highを受けた第1データ切替手段125により、Side1に切り替えられて第1データ蓄積手段127へ出力される。
ここで、受信側における第1データ蓄積手段に蓄積される伝送パケットのフレーム構成例について、図を用いて説明する。図13は、受信側における第1データ蓄積手段に蓄積される伝送パケットのフレーム構成の一例を示す図である。
第1データ蓄積手段127は、入力された伝送パケットを図13に示す矢印40の順にしたがって、インターリーブ時間分(図13においては、K×Lバイト分)書き込む。なお、伝送途中で降雨減衰等によって生じたデータ欠落は消失パケットとして図13の斜線で示すようにX軸方向に連続して発生していることになるが、これをY軸方向で見た場合、パケットの消失に対してデータ欠落は1/Lバイトにすぎず、更にデータがパケット単位で消失化していることで、誤り位置を容易に特定することができ、従来方式と比べて効果的に誤り訂正を行うことができる。
次に、第1データ蓄積手段127は、伝送フレーム分の書き込みが終了した後、第1制御手段126に制御信号の電圧Highを送信して、第1制御手段126からの制御信号の電圧Lowを受信するまで待機する。また、第1データ蓄積手段127は、第1制御手段126からの制御電圧Lowを受信後、図13に示す矢印41の順にしたがってインターリーブ時間分(K×Lバイト分)の伝送パケットを読み出す。
その後、第1データ蓄積手段127により出力されたデータは、第2データ切替手段129によりデータ消失訂正手段130に出力される。データ消失訂正手段130は、入力されたデータの消失訂正を行う。つまり、符号内の消失位置がわかっているデータに対して訂正処理のみを行う。なお、第1データ蓄積手段127にて蓄積されていない消失した伝送パケットは、この消失位置が誤り位置をみなすことができるため、上述した(4)式を使用した誤り位置多項式の導出が不要になる。
ここで、上述の内容について図を用いて説明する。図14は、RS復号時の受信多項式生成過程を説明するための図である。なお、図14において消失されたデータは、186〜188バイト目として説明する。
図14に示す受信符号多項式R(x)に186〜188バイト目に対応するxの項が存在しないため、受信多項式自体を確認するだけで誤り位置を特定することができる。
これにより、上述した(4)式を省略した(3)式、(6)式を用いて計算を行うことで、σ〜σ2tを算出し、上述した(7)式を解くことで、2t(=N)バイトまでの誤り訂正が可能となる。したがって、従来方式のRS符号の訂正能力に比べて2倍の訂正能力を有しているということができる。
データ消失訂正手段130は、積符号の残りのパリティ(符号)により消失訂正を行い、消失訂正後のMPEGパケットを第3データ切替手段131に出力する。第3データ切替手段131は、第2制御手段132からの制御電圧Highを受けてSide1に切り替えてMPEGパケットを出力する。ここで、第3データ蓄積手段133に蓄積されるMPEGパケットのフレーム構成例について、図を用いて説明する。
図15は、受信側における第3蓄積手段に蓄積されるフレーム構成例を示す一例の図である。第3データ蓄積手段133は、図15に示す矢印42の順にしたがって、予め設定されたフレーム分(M×Lバイト分)を書き込む。また、第3データ蓄積手段133は、MPEGデータの蓄積が終了後、第2制御手段132に制御信号の電圧Highを送信して、第2制御手段132からの制御信号の電圧を受信後、図15に示す矢印43の順にしたがって、第3データ蓄積手段133に蓄積されたデータ(M×Lバイト)のデータを読み出し、第4データ切替手段135により、MPEGパケットを出力(再生)する。
上述したように、長周期インターリーブ方式の伝送フレーム構成を、複数の符号の合成である積符号の関係にして、一方の符号で誤り位置検出を行い、更にもう一方の符号で消失訂正を行うことで誤り訂正能力を向上し、従来方式と同じ情報の伝送効率で比較したとき、所望のサービス時間率の達成に必要なインターリーブ時間の短縮を実現することができる。
<従来と本発明との比較>
ここで、従来方式と本発明を適用した伝送方式との比較を、伝送効率を同条件にしたインターリーブ時間とサービス時間率との測定結果に基づいて説明する。
なお、従来方式として、RS[204,150]符号(情報の伝送効率74%)を使用し、本発明を適用した伝送では、RS[204,188]符号(情報の伝送効率92%)とRS[204,163]符号(情報の伝送効率80%)を用いた。
また、降雨減衰データとして、2002年5月〜2003年4月の期間を使用し、現行の12GHz帯BSデジタル放送の伝送方式に長周期インターリーブ方式を適用した。
更に、BSデジタル放送用伝送パラメータは、衛星EIRP(Equivalent Isotropically Radiated Power)を59dBWとし、変調方式をTC8PSK(Trellis Coded 8 Phase Shift Keying)とし、降雨マージンを4.8dBとし、変調速度を28.86Mbaudとし、受信アンテナ径を45cm(効率:70%)とした。
上述した条件に基づいて測定したインターリーブ時間とサービス時間率との関係を図16に示す。図16に示すように、従来方式と本発明を適用した伝送方式のインターリーブ時間を比較した場合、本発明を適用した伝送方式は、従来の伝送方式に比べて、例えば、サービス時間率99.98%を達成するのに必要なインターリーブ時間を約3時間程度短縮させることができる。
また、従来方式は、降雨遮断によるデータ誤りを復元して、100%のサービス時間率を達成するために遮断時間Y=30分に対して、765分のインターリーブ時間を必要とし、データ蓄積部の蓄積容量は伝送レート20Mbpsの場合に114GBが必要であった。
しかしながら、本発明における長周期インターリーブのフレーム構成を複数の符号の合成である積符号の関係にして、一方の符号で誤り位置検出を行い、もう一方の符号で消失訂正を行うことにより、誤り訂正能力を向上し、K=204,M=188,N=16と条件が同じ場合でも、Y/(N/K)=30/(16/204)=383分とインターリーブ時間を短縮することができる。更に、蓄積容量は、20×383×60/8=57GBと約1/2に削減することができる。
上述したように本発明によれば、所望のサービス時間率の達成に必要なインターリーブ時間を短縮することができる。具体的には、インターリーブ方式の伝送フレーム構成を、複数の符号の合成である積符号の関係にして、一方の符号で誤り位置検出を、更にもう一方の符号で消失訂正を行うことで誤り訂正能力を向上することができる。また、更に蓄積容量も削減することができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
従来におけるインターリーブ伝送システムの概略構成を示す一例の図である。 従来の長周期インターリーバに蓄積される伝送フレーム構成の一例を示す図である。 従来の長周期デインターリーバに蓄積される伝送フレーム構成の一例を示す図である。 RS復号時における受信符号多項式R(x)の生成過程を説明するための一例の図である。 積符号を説明するための一例の図である。 本発明におけるインターリーブ伝送システムの概略構成を示す一例の図である。 本実施形態における送信装置の機能構成の一例を示す図である。 送信側における第1データ蓄積手段に蓄積されるフレーム構成の一例を示す図である。 送信側における第3データ蓄積手段に蓄積されるフレーム構成の一例を示す図である。 RS符号化後のフレーム構成の一例を示す図である。 データの書き込み方向・読み出し方向の具体例を説明する一例の図である。 本実施形態における受信装置の機能構成の一例を示す図である。 受信側における第1データ蓄積手段に蓄積される伝送パケットのフレーム構成の一例を示す図である。 RS復号時の受信多項式生成過程を説明するための図である。 受信側における第3蓄積手段に蓄積されるフレーム構成例を示す一例の図である。 インターリーブ時間とサービス時間率との関係を示す図である。
符号の説明
10,60 インターリーブ伝送システム
11,61 送信装置
12,62 受信装置
13,63 放送衛星
21 RS符号化部
22,71 長周期インターリーバ
23,74 変調部
24,75 送信アンテナ
25,76 受信アンテナ
26,77 復調部
27,79 長周期デインターリーバ
28 RS復号化部
31〜43 矢印
72 第1RS符号化部
73 第2RS符号化部
78 第1RS復号化部
80 第2RS復号化部
101,125 第1データ切替手段
102,127 第1データ蓄積手段
103,128 第2データ蓄積手段
104,126 第1制御手段
105,129 第2データ切替手段
106 第1RS符号化手段
107,131 第3データ切替手段
108,133 第3データ蓄積手段
109,134 第4データ蓄積手段
110,132 第2制御手段
111,135 第4データ切替手段
112,123 データバッファ手段
113 第2RS符号化手段
114 変調手段
121 受信手段
122 復調手段
124 データ消失手段
130 データ消失訂正手段

Claims (2)

  1. 予め設定される時間に基づいてインターリーブされた伝送パケットを送信する送信装置において、
    入力されるパケットデータから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれたパケットデータを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第1のインターリーバと、
    前記第1のインターリーバから読み出されたパケットデータに受信側で訂正させるためのパリティを付加して符号化を行い、符号化された伝送パケットを出力する第1の符号化手段と、
    前記第1の符号化手段から出力された伝送パケットから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれた伝送パケットを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第2のインターリーバと、
    前記第2のインターリーバから出力された伝送パケットのうち、消失させるパケット長を予め設定される伝送路の減衰状態又は受信側における誤り訂正能力に対応させて調整するデータバッファ手段と、
    前記データバッファ手段から出力された伝送パケットを受信側でパケット単位に消失させるためのパリティを付加して符号化を行う第2の符号化手段とを備え、
    前記第1及び第2のインターリーバは、それぞれ、入力されるパケットデータ又は伝送パケットの何れかのデータを蓄積する、書き込み速度、読み出し速度、及び蓄積容量が同一の複数の蓄積手段と、前記複数の蓄積手段に対して前記データの書き込み、読み出しを交互に行うための切り替えを行う切替手段と、前記複数の蓄積手段及び前記切替手段を制御して、前記複数の蓄積手段のうちの一方の蓄積手段でデータの書き込みを行っている最中に、他方の蓄積手段でデータの読み出しを行い、前記複数の蓄積手段から交互に連続した前記データを出力させるための制御手段とを含み、
    前記第2の符号化手段により得られる伝送パケットは、複数の符号を合成した積符号からなるフレーム構成を有することを特徴とする送信装置。
  2. 前記請求項1に記載の送信装置から伝送され、予め設定される時間に基づいてインターリーブされた複数の符号を合成した積符号からなるフレーム構成を有する伝送パケットを受信する受信装置において、
    前記伝送パケットに対してデータの誤りを検出し、検出結果に基づいてパケット単位で復号又は消失を行う第1の復号化手段と、
    前記第1の復号化手段から出力された伝送パケットから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれた伝送パケットを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第1のデインターリーバと、
    前記第1のデインターリーバにより得られる伝送パケットのうち、消失されたパケットの誤り訂正のみを行う第2の復号化手段と、
    前記第2の復号化手段から出力されたパケットデータから予め設定された時間分のデータの書き込みを行い、書き込まれたパケットデータを書き込み方向とは異なる方向で読み出しを行う第2のデインターリーバとを備え、
    前記第1及び第2のデインターリーバは、それぞれ、入力される伝送パケット又はパケットデータの何れかのデータを蓄積する、書き込み速度、読み出し速度、及び蓄積容量が同一の複数の蓄積手段と、前記複数の蓄積手段に対して前記データの書き込み、読み出しを交互に行うための切り替えを行う切替手段と、前記複数の蓄積手段及び前記切替手段を制御して、前記複数の蓄積手段のうちの一方の蓄積手段でデータの書き込みを行っている最中に、他方の蓄積手段でデータの読み出しを行い、前記複数の蓄積手段から交互に連続した前記データを出力させるための制御手段とを含み、
    前記第1の復号化手段は、入力された伝送パケットの誤り検出を行い、誤り数が訂正できる数を超えている場合、復号は行わずにパケット単位で消去することを特徴とする受信装置。
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