JP4593453B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置の筐体において、特に、筐体に取り付けられる蓋体の取付構造を工夫した画像形成装置に関する。
従来から、画像形成装置であるコピー機やプリンター等では、印字装置や定着装置等の内部機構に紙が詰まるジャム等が発生したとき、或いはインクやトナー等を充填するときに、蓋体を開けて内部の作業等を行うことがある。この蓋体の例えば下縁部は、筐体の開口部の下縁部等に取り付けられたヒンジに取り付けられ、蓋体の上縁部と筐体の開口部の上縁部には、通常時の蓋体による閉鎖状態を維持する開閉機構が設けられている。
開閉機構の一方は蓋体側に設けられる掛止爪であり、開閉機構の他方は筐体側に設けられる爪受け部である。蓋体には、開口部を開ける際に前述の開閉機構のロックを解除するために、ロック解除機構が設けられている。ロック解除機構は例えば、前述の掛止爪か若しくは爪受け部のどちらかを回動させる等して、掛止爪と爪受け部とを離間させるように、例えば、掛止爪と蓋体の取っ手とをリンクさせて構成される。
蓋体に設けた掛止爪を回動可能とするために、蓋体に対して回動可能な板状の掛止爪部材の外周縁部に掛止爪を形成し、掛止爪部材と蓋体との間にスプリング等の付勢部材を介在させており、このスプリングの弾性によって掛止爪部材が蓋体に対して一定の姿勢をとるようになっている。また、掛止爪部材には回動動作の力を受けるための把手部が設けられ、この把手部が蓋体部から突出し、筐体の外側から把手部を把握して蓋体の開閉操作を行うことができるようになっている。
特開2004−196511号公報 特開2004−138775号公報
しかしながら、上述の画像形成装置の掛止爪部材は、掛止爪を形成した支持板部と、この支持板部を蓋体に支持するためのヒンジ固定部や、スプリング、把手部等が別体で構成され、部品の点数や組立等の作業工数が多いので、コストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、蓋体の開閉状態をロックする開閉機構の構造をより簡単且つ組立工程の少ないものとして、低コストなものとすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1の画像形成装置は、画像形成装置の筐体に形成した開口部に、前記開口部を開閉する蓋体を設け、前記開口部の内面側に爪部を設け、該爪部によって前記蓋体の閉鎖状態を維持する画像形成装置であって、前記蓋体に、前記爪部に掛止可能なロック板部を設け、当該ロック板部に、前記蓋体に回動可能に保持される回動軸と、前記爪部に掛止して前記蓋体の閉鎖状態をロックする掛止爪と、自由端部が前記蓋体に当接して前記掛止爪を前記爪部に押し当てる弾性を有するスプリング部と、前記蓋体から筐体外側に露出する把手部とを一体に設け、前記スプリング部は、「S」字形状、「Z」字形状の何れかからなる湾曲した板部によって構成されていることを特徴とする。
本願の請求項の画像形成装置は、請求項1の画像形成装置において、前記スプリング部は、前記ロック板部の両端部に形成されていることを特徴とする。
本願の請求項の画像形成装置は、請求項1、2の何れかの画像形成装置において、前記スプリング部は、前記ロック板部の両端部間の何れかに1以上形成されていることを特徴とする。
本願の請求項の画像形成装置は、請求項1乃至請求項の何れかの画像形成装置において、前記蓋体に前記回動軸を保持する保持穴部が形成され、前記回動軸の断面は長径と短径とを有する非円形断面形状を有し、該保持穴部の奥部に前記回動軸の長径部分が軸回り方向に回転可能な円弧部を有すると共に、前記保持穴部の前記回動軸の挿入口から前記円弧部の間の幅は前記回動軸の短径より大きく且つ前記回動軸の長径より小さく設定されていることを特徴とする。
本願の請求項の画像形成装置は、請求項の画像形成装置において、前記回動軸の前記非円形断面形状は、D字断面形状であることを特徴とする。
本願の請求項の画像形成装置は、請求項1乃至請求項の何れかの画像形成装置において、前記画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの何れかであることを特徴とする。
本願の請求項1の画像形成装置によれば、筐体の開口部を閉鎖した蓋体に、開口部の閉鎖状態を維持するロック板部を設け、このロック板部に、回動軸、掛止爪、可撓性板部及び把手部を一体に設けたので、部品点数や作業工数が少なくなり、低コストになると共に、樹脂により一体成形すると軽量化できる。
また、スプリング部が「S」字形状又は「Z」字形状からなる湾曲した板部によって構成されているので、スプリング部の基部から自由端部までの直線距離は短くても撓む範囲が長くなり、撓むときの変形量を大きく取ることができる。これにより、蓋体及び爪部を押す力を必要以上に大きくすることなくロック板部と爪部の掛止状態を十分に維持できるとともに、ロック板部の回動領域を大きくすることができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置及び筐体用蓋体の開閉機構並びにロック部材を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかるロック部材を示し、図2はロック部材の回動軸及びスプリング部近傍の構成を示す。図3は蓋体へのロック部材の支持状態を示し、図4は蓋体におけるロック部材の配備状態を示す。また、図5はロック部材と蓋体並びに開口部内の爪部との掛止状態を示し、図6は蓋体側の保持穴の形状を示す。図7は画像形成装置としての複写機の正面図、図8は複写機の手差しトレイとなる蓋体の構成を示す。画像形成装置としては複写機を用いているが、プリンターやファクシミリでも良い。
図7、図8に示すように、複写機1の筐体2の側面部には手差し用紙を挿入する開口部3が形成されており、この開口部3に複写機1の内部調整用の蓋体4が取付軸5を介して取り付けられている。この発明では、画像形成装置の蓋体としては、例えば、内部調整のための蓋体4の代わりに手差しトレイでも良く、手差しトレイの開閉機構にロック部材を適用しても良い。
蓋体4は図4に示すように両側面部下部に筐体2の開口部3の内側縁部に回動可能に保持される回動軸5が突設されている。蓋体4の上部は上縁板部6が蓋体4と一体に形成されているが、この実施の形態では説明のために蓋体4から分離させている。蓋体4の上部にはロック部材7が配備されている。ロック部材7と爪部8は蓋体4の開閉機構を構成する。
このロック部材7は、図5に示すように、開口部3の内側天井部に突設される爪部8の掛止部8Aに掛止される。筐体側の爪部8は掛止部8Aと凹部8Bを備えており、凹部8Bにロック部材7の掛止爪9が挿入されると、掛止爪9が掛止部8Aに掛止され、蓋体4が開口部3を閉鎖する状態が維持される。
把手部13は図5、図7の矢印A方向に持ち上げるとロック部材7が矢印B方向に回動して掛止爪9が凹部8Bから退避し、掛止爪9が掛止部8Aから離脱し、蓋体4の径差状態が解放されて蓋体4が開く。
この実施の形態では、ロック部材7は、例えば、ABS樹脂やアクリル樹脂等のプラスチックで一体に成形される。図1はロック部材7の形状を示す。ロック部材7は、開口部3の上縁部に沿って水平に延びる板状のロック板部10を有する。ロック板部10には掛止爪9と回動軸11とスプリング部12並びに把手部13が一体に形成されている。
掛止爪9はロック板部10の長手方向の両端部にそれぞれ形成されている。掛止爪9は爪部8の凹部8Bより小さな形状を有し、凹部8B内部に挿入可能な大きさとなるように形成されている。
ロック板部10の左右側部には回動軸11が突出している。各々の回動軸11はアルファベット文字「D」のような断面形状を有している。回動軸11の非円形断面形状は、このような「D」字形状に限らず、長径と短径とを有する楕円断面や非対称楕円でもよい。
蓋体4の左右側縁部の内側には図1の一点鎖線に示すような保持板部14がそれぞれ縦方向に向かって突設されており、この保持板部14に、図6に示すように、回動軸11を保持するための保持穴部15がそれぞれ斜めに下がるように傾斜して形成されている。保持穴部15の奥部は径の大きな円形部15Aとされ、保持穴部15の入り口及び挿入路15Bは回動軸11の「D」字断面の横(短径)の長さより長く、「D」字断面の縦(長径)の長さより短く設定されている。これによって、回動軸11が保持穴部15から抜け難くなっている。
ロック板部10はこの回動軸11によって蓋体4に対して上下に回動可能とされ、掛止爪9が爪部8の凹部8Bに対して進入して掛止部8Aに掛止されたり、凹部8Bから離間して蓋体4の掛止状態を解除したり出来るようになっている。
スプリング部12は、この実施の形態では、「S」字形状に湾曲しており、ロック板部10の両端部にそれぞれ形成されている。スプリング部12の自由端部は蓋体4の内側壁面に当たってロック板部10の掛止爪9を爪部8側に向かって押し上げる弾性力を発生させるものである。このスプリング部12は「Z」字形状に屈曲していても良い。
このようにスプリング部12が屈曲若しくは湾曲して形成されているので、スプリング部12の撓む領域を大きく取ることができ、ロック板部10の回動領域、特に、掛止爪9の回動領域を大きく取ることができる。よって、従来、蓋体にスプリングを設けてロック板部を開口部の爪部側に付勢していたが、可撓性板部であるスプリング部12を一体に形成することで、スプリングを装着する部位やネジ・ワッシャ・固定金具が不要となり、組み立て作業工数や部品点数が顕著に少なくなる。また、ロック板部10を把手部13によって図5、図7の矢印A方向に回動させるときに、僅かに把手部13を動かしただけで掛止爪9が爪部8から外れてしまうことがない。さらに、スプリング部12が「S」字形状、「Z」字形状の何れかからなる湾曲した板部で形成されているので、基部から自由端部までの直線距離は短くても撓む範囲を長くして、撓むときの変形量を大きく取ることができ、蓋体4及び爪部8を押す力を必要以上に大きくすることなくロック板部10と爪部8の掛止状態を十分に維持できると共に、ロック板部10の回動領域を大きくすることができる。
また、スプリング部12はロック板部10の両端部に形成されているので、捻りに対する反力を大きく取ることができ、ロック板部10の掛止爪9を筐体4側の開口部の爪部8に掛止させておく力を大きくできる。
更に、掛止爪9が爪部8を強く押しつけるほど、スプリング部12の弾性力をあまり強くする必要がなく、掛止爪9や爪部8の摩耗が極力少なくなるようになっている。スプリング部12の自由端部は、蓋体4の内壁面に当接するために、丸い断面となるように形成されており、スプリング部12自身及び蓋体4の内壁面4Aの摩耗を防止している。なお、このスプリング部12はロック板部10の中間部に1以上設けても良い。スプリング部12がロック板部10の両端部間の何れかに1以上設けられていると、開口部や蓋体の形状に応じてスプリング部12を設定できる。
ロック板部10には一対の挿入穴16が形成され、その一対の挿入穴16の間に軸17が形成されている。この軸17は蓋体4の内壁面に設けた図示しない「U」字形状の軸受突起に保持され、回動軸11と同軸上に位置するように対応している。
蓋体4の保持穴部15にロック板部10の回動軸11を挿入した後に、回動軸11を保持穴部15の奥部の円弧部に位置させると、ロック板部10の回動によって回動軸11が保持穴部15から抜けなくなり、ロック板部10が蓋体4に対して回動自在に装着される。
しかも、回動軸11の非円形断面形状がD字形状であるので、ロック板部10が挿入し易く、回動が滑らかである。この開閉機構を、複写機、プリンタ、ファクシミリに適用すると、蓋体4を軽量化できるので、装置内部の点検やトナー交換或いはジャム解消の際に蓋体の開閉する手間も楽になる。また、画像形成装置以外の他の装置等に適用すると、筐体開口部を蓋体4によって閉鎖する機構を低コストなものにすることができ、樹脂で一体成形することにより軽量化することもできる。ロック板部10を樹脂で成形することで、スプリング部12も樹脂で形成され、ロック板部12にスプリングを取り付ける必要がなく、部品点数や作業工数を減少でき、部品コストを大幅に低廉化できる。
上記の実施の形態では、複写機を例とする画像形成装置の蓋体4に開閉装置としてロック部材7を適用しているが、上記の実施の形態に限るものではなく、蓋体4の開閉装置として、画像形成装置以外の装置例えばコンピュータのドアや車両或いは建物の内装設備のドアやカバー等のロック部材7として適用することもできる。
本発明の実施形態にかかる画像形成装置の蓋体のロック部材の斜視図。 図1のロック部材の端部の掛止部及び回動軸並びにスプリング部の組み付け状態を示す部分斜視図。 図1のロック部材を蓋体の保持板部に保持させた状態の斜視図。 蓋体に開閉装置としてのロック部材を設けた状態を示す分解斜視図。 蓋体にロック部材を取り付けた状態を示す図。 蓋体の保持板部にロック部材を取り付ける状態を示す図。 画像形成装置としての複写機に蓋体が設置される状態を正面側から示す説明図。 画像形成装置としての複写機に蓋体が設置される状態を側面から示す説明図。
符号の説明
1 複写機(画像形成装置)
2 筐体
3 開口部
4 蓋体
5 回動軸
7 ロック部材
8 爪部
9 掛止部
10 ロック板部
11 回動軸
12 スプリング部
13 把手部

Claims (6)

  1. 画像形成装置の筐体に形成した開口部に、前記開口部を開閉する蓋体を設け、前記開口部の内面側に爪部を設け、該爪部によって前記蓋体の閉鎖状態を維持する画像形成装置であって、
    前記蓋体に、前記爪部に掛止可能なロック板部を設け、
    当該ロック板部に、
    前記蓋体に回動可能に保持される回動軸と、
    前記爪部に掛止して前記蓋体の閉鎖状態をロックする掛止爪と、
    自由端部が前記蓋体に当接して前記掛止爪を前記爪部に押し当てる弾性を有するスプリング部と、
    前記蓋体から筐体外側に露出する把手部とを一体に設け
    前記スプリング部は、「S」字形状、「Z」字形状の何れかからなる湾曲した板部によって構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記スプリング部は、前記ロック板部の両端部に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1、2の何れかの画像形成装置において、
    前記スプリング部は、前記ロック板部の両端部間の何れかに1以上形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかの画像形成装置において、
    前記蓋体に前記回動軸を保持する保持穴部が形成され、前記回動軸の断面は長径と短径とを有する非円形断面形状を有し、該保持穴部の奥部に前記回動軸の長径部分が軸回り方向に回転可能な円弧部を有すると共に、前記保持穴部の前記回動軸の挿入口から前記円弧部の間の幅は前記回動軸の短径より大きく且つ前記回動軸の長径より小さく設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    前記回動軸の前記非円形断面形状は、D字断面形状であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかの画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの何れかであることを特徴とする画像形成装置。
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