JP4593096B2 - 内視鏡用処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿入して操作する内視鏡用処置具に関する。
硬性内視鏡用処置具には、先端側に設けられた先端作動部を進退操作するスライダが基端側に設けられており、スライダには、操作の際に指が係合可能な孔状の指受け部が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、軟性内視鏡の鉗子チャンネルに挿通して使用する内視鏡用処置具には、処置具を操作する部分に指をかけて操作するための指受け部材が設けられている。
このような処置具として、鉗子チャンネル内に挿通後、操作部を鉗子口から立設させて垂れ下がらない状態とし、内視鏡操作者による安定的な操作を可能とする内視鏡用処置具が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−131451号公報 (第1図) 実開平3−53211号公報 (第1図)
しかしながら、上記従来の内視鏡用処置具を鉗子口に立設して操作する際、操作部の親指用の指受け部が上方に、人差し指・中指用の指受け部が下方に位置する。このため操作部に手をかけたとき、楽な姿勢となる手の指の配置とは逆の配置となるため、図8に示すように、手首を曲げた状態で操作部を握らなければならず、術者の手への負担、操作の煩わしさを生じていた。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、無理なく握ることが可能で操作しやすい操作部を備える内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため以下の手段を採用する。
本発明に係る内視鏡用処置具は、内視鏡の鉗子口から鉗子チャンネル内に挿通される可撓性の操作管部と、該操作管部の先端に接続された処置具先端部と、前記操作管部の基端に接続され前記処置具先端部を操作する操作部とを備え、前記操作管部の内部には、進退操作によって前記処置具先端部を駆動する操作ワイヤ部が配設され、前記操作部が、前記操作管部の基端に一端が固定され操作管部が鉗子チャンネルに挿通された状態で鉗子口から立設される本体と、前記操作ワイヤ部の基端と接続され前記本体の一端と他端との間で進退自在なスライダ部とを備え、前記スライダ部における前記操作ワイヤ部の軸線上に、前記操作部を操作する操作者の親指が挿通可能な親指孔部を有する第1の指受け部が1つ設けられ、前記本体の他端に、前記操作者の親指以外の指のうち1以上を係合させるための第2の指受け部が設けられ、前記第1の指受け部は、前記第2の指受け部よりも前記操作管部側に配置されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、上記の構成を備えているので、鉗子チャンネル内に挿通した場合、操作部が鉗子口から垂れ下がることなく上方に立設した状態で取り付けることができる。その際、第1の指受け部が1つ設けられているので、これに親指を係合し、第2の指受け部にその他の指を係合すると、本体の一端側と他端側とにそれぞれ親指とその他の指とを配した状態でスライダ部を両指間でスライド操作して処置具先端部を操作することができる。このとき、下方に親指が配され上方にその他の指が配されるので、手を自然に上にあげた状態で手首をひねることなく、自然に、かつ、楽な姿勢でスライド操作を行うことができる。
さらに、より自然な状態で第1の指受け部に親指を係合でき、第2の指受け部にその他の指を係合できる。したがって、楽な姿勢でスライド操作を行うことができる。
本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記第1の指受け部が親指が挿通可能な親指孔部を備え、前記第2の指受け部がその他の指が挿通可能な一つ又は複数の孔部を備え、前記孔部全体の中心と前記親指孔部の中心とを結ぶ直線が、前記スライダ部の進退方向に沿って配されていることが好ましい。
この内視鏡用処置具は、上記の構成を備えているので、親指とその他の指とをスライダ部のスライド方向に沿って動かすことによりスライダ部の操作が容易になるとともに、操作の際に無駄な力を入れる必要がなく、より楽な姿勢で操作することができる。
本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記本体の先端に、前記鉗子チャンネルと嵌合可能な剛性部が設けられていることが好ましい。
この内視鏡用処置具は、上記の構成を備えているので、剛性部を鉗子口に挿入して鉗子チャンネルと嵌合させると操作部を鉗子口に固定状態とすることができ、鉗子口から立設させた操作部を安定した状態で操作することができる。
本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記本体の先端に、前記鉗子口に着脱可能な取付部が設けられていることが好ましい。
この内視鏡用処置具は、上記の構成を備えているので、取付部を鉗子口に取り付けて固定することによって、操作部をより安定した状態で鉗子口から立設させることができる。
本発明に係る内視鏡用処置具は、前記内視鏡用処置具であって、前記親指孔部は、前記本体の中心軸上に位置し前記本体を貫通していることが好ましい。
本発明に係る内視鏡用処置具によれば、処置の際に操作部が握りやすく操作しやすくなるので,術者の手への負担が減って操作性を向上することができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る鉗子(内視鏡用処置具)1は、内視鏡2の鉗子口3から鉗子チャンネル5内に挿通される可撓性の操作管部6と、操作管部6の先端に接続された一対の鉗子片(処置具先端部)7、8と、操作管部6の基端に接続され一対の鉗子片7、8を開閉操作する操作部10とを備えている。
操作管部6の内部には、進退操作によって一対の鉗子片7、8を駆動する操作ワイヤ部11が配設されている。
操作部10は、操作管部6の基端に一端12aが固定され操作管部6が鉗子チャンネル5に挿通された状態で鉗子口3から立設される本体12と、操作ワイヤ部11の基端と接続され本体12の一端12a側と他端12b側との間で進退自在なスライダ部13とを備えている。
スライダ部13は板状に形成されるとともに、親指と係合可能な第1の指受け部15を備えており、本体12の中心軸C上、かつ、操作ワイヤ部11上に親指が挿通可能な親指孔部16が備えられている。親指孔部16の大きさは、例えば、径が30mm程度が好ましい。
本体12は、中央の一部が一端12a側から他端12b側に向かって刳り貫かれており、幅方向両端部が、操作ワイヤ部11を中央に挟んでこれと平行に延びる2本の平行なレール17、18とされている。
本体12の先端である一端12aには、鉗子チャンネル5と嵌合可能な剛性部20が設けられており、図3(a)に示すように、剛性部20の先端に操作管部6の基端が接続されている。また、他端12bには、人差し指や中指等のその他の指が係合可能な円筒状の第2の指受け部21が本体12の中心軸C上に設けられている。
スライダ部13は、2本のレール17、18間を横断するとともにこれらに係合されて配されており、レール17、18上を滑って進退操作される。
なお、図3(b)に示すように、剛性部20の内部に貫通して操作管部6が配されているものでもよい。
次に、本実施形態に係る鉗子1の操作方法について説明する。
まず、鉗子1を一対の鉗子片7、8側から鉗子口3に挿入して操作管部6を鉗子チャンネル5内に挿通させて、剛性部20を鉗子チャンネル5内に嵌合する。これによって、操作部10が鉗子口3から垂れ下がらず、その上方に立設した状態で取り付けられる。
鉗子1を操作する場合、手をあげた際の状態でそのまま第1の指受け部15に親指を係合し、第2の指受け部21にこれを間に挟むように人差し指と中指とを係合する。
こうして、本体12の一端12a側に配された親指と他端12b側に配された人差し指と中指との間でスライダ部13をスライド操作することによって、一対の鉗子片7、8を開閉操作させることができる。
この鉗子1によれば、操作部10を鉗子口3から立設した状態で操作しても、操作部の下方に親指が配され、上方に人差し指と中指とが配されるため、従来のように手首をひねることなく、自然、かつ、楽な姿勢でスライダ部のスライド操作を確実に行うことができる。
また、指の操作方向が、スライダ部13のスライド方向に沿ったものとなって、スライダ部13の操作が容易になるとともに操作の際に無駄な力を入れずに操作することができる。
さらに、剛性部20を鉗子口3に挿入することによって鉗子チャンネルと嵌合させるため、鉗子口3から操作部10を立設させて安定した操作をすることができる。
次に、第2の実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では、操作部10の本体の中心軸上に第1の指受け部15と第2の指受け部21とが配設されているが、第2の実施形態に係る鉗子22では、操作部23の本体25における第2の指受け部26が、人差し指が挿通可能な人差し指用孔部(孔部)27と中指が挿通可能な中指用孔部(孔部)28とを備え、人差し指用孔部27と中指用孔部28との全体の中心C1と親指孔部16の中心C2とを結ぶ直線Lが、本体25と親指孔部16とが干渉しない程度に本体25の中心軸Cから離間した位置で中心軸Cと平行に配され、親指孔部16、人差し指用孔部27、及び中指用孔部28が同一の平面上に配されるとともに、各孔の中心軸が中心軸C及び直線Lを含む面に対して鉛直方向とされているとした点である。
本体25は、棒状に形成されるとともに、中央の一部が一端25a側から他端25b側に向かって刳り貫かれており、幅方向両端部に、それぞれ軸方向に平行に延びる第1のレール31と第2のレール32とが形成されている。
スライダ部30は、第1のレール31位置から第2のレール32位置を横断してさらに離間した位置まで本体25の幅方向に拡がって板状に形成されるとともに、第1のレール31と第2のレール32とにそれぞれ係合されて配されており、各レール上を滑って進退操作される。
スライダ部30には、親指と係合可能な第1の指受け部15が設けられており、第2のレール32から離間した位置に親指が挿通可能な親指孔部16が備えられている。
本体25の一端25aには、鉗子チャンネル5と嵌合可能な剛性部20が設けられている。また、他端25bには、第2の指受け部26が第2のレール32方向に板状に張り出して設けられている。
人差し指用孔部27と中指用孔部28とは、本体25の中心軸C及び直線Lと鉛直方向に直列にそれぞれ配されるとともに直線Lに対して線対称に配され、中指用孔部28が人差し指孔部27よりも中心軸Cから遠方位置に配されている。
次に、本実施形態に係る鉗子22の操作方法について説明する。
まず、鉗子22を、第1の実施形態と同様に、剛性部20を鉗子チャンネル5内に嵌合して、操作部23を鉗子口3から上方に立設した状態で取り付ける。
鉗子22を操作する場合、第1の指受け部15の親指孔部16に親指を係合し、第2の指受け部26の人差し指用孔部27及び中指用孔部28にそれぞれ人差し指と中指とを係合する。
こうして、本体25の一端25a側に配された親指と他端25b側に配された人差し指と中指との間でスライダ部30をスライド操作することによって、一対の鉗子片7、8を開閉操作させることができる。
なお、人差し指用孔部27及び中指用孔部28には、人差し指、中指だけでなく、薬指や小指を係合させてもよい。
この鉗子22によれば、第1の実施形態と同様の作用・効果を得ることができるが、第2の指受け部26に人差し指用孔部27及び中指用孔部28が形成され、それぞれの位置が上述の位置に配されているので、人差し指及び中指もそれぞれの孔部に係合させた状態で、スライダ部の操作がより容易になるとともに操作の際に無駄な力を入れる必要がなく、より楽な姿勢で操作することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、第2の指受け部26が人差し指用孔部27と中指用孔部28とを備えているとしているが、孔部は2つに限らず、これらをつなげて一つの大きな長孔としてもよく、また3つ以上配設しても構わない。
また、本体の先端に、鉗子口3に着脱可能な取付部が設けられているとしてもよい。
この場合、取付部を鉗子口3に取り付けて固定することによって、操作部をより安定した状態で鉗子口3から立設させることができる
さらに、内視鏡用処置具として高周波処置具を使用する場合、高周波電流を印加するためのプラグ33を図7に示すようにスライダ部35に配設することによって、上述と同様な操作が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用処置具を示す一部断面を含む側面図である。 図1のX−X断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用処置具の剛性部を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用処置具の操作方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用処置具の操作部を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用処置具の操作方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用処置具の操作部のその他の例を示す側面図である。 従来の処置具の操作方法を示す説明図である。
符号の説明
1、22 鉗子(内視鏡用処置具)
2 内視鏡
3 鉗子口
5 鉗子チャンネル
6 操作管部
7、8 鉗子片(処置具先端部)
10、23 操作部
12、25 本体
12a、25a 一端
12b、25b 他端
13、30、35 スライダ部
15 第1の指受け部
16 親指孔部
20 剛性部
21 第2の指受け部
27 人差し指用孔部(孔部)
28 中指用孔部(孔部)

Claims (4)

  1. 内視鏡の鉗子口から鉗子チャンネル内に挿通される可撓性の操作管部と、
    該操作管部の先端に接続された処置具先端部と、
    前記操作管部の基端に接続され前記処置具先端部を操作する操作部とを備え、
    前記操作管部の内部には、進退操作によって前記処置具先端部を駆動する操作ワイヤ部が配設され、
    前記操作部が、前記操作管部の基端に一端が固定され操作管部が鉗子チャンネルに挿通された状態で鉗子口から立設される本体と、
    前記操作ワイヤ部の基端と接続され前記本体の一端と他端との間で進退自在なスライダ部とを備え、
    前記スライダ部における前記操作ワイヤ部の軸線上に、前記操作部を操作する操作者の親指が挿通可能な親指孔部を有する第1の指受け部が1つ設けられ、
    前記本体の他端に、前記操作者の親指以外の指のうち1以上を係合させるための第2の指受け部が設けられ、
    前記第1の指受け部は、前記第2の指受け部よりも前記操作管部側に配置されている
    ことを特徴とする内視鏡用処置具。
  2. 前記本体の先端に、前記鉗子チャンネルと嵌合可能な剛性部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
  3. 前記本体の先端に、前記鉗子口に着脱可能な取付部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡用処置具。
  4. 前記親指孔部は、前記本体の中心軸上に位置し前記本体を貫通していることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の内視鏡用処置具。
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