JP4592992B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱交換器に関し、特にカークーラー用の凝縮器(コンデンサ)として好適な熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばカークーラー用の凝縮器として、いわゆるマルチフロータイプと呼ばれるアルミニウム(その合金を含む、以下同じ)製の熱交換器が好んで使用される傾向がある。この熱交換器は、垂直に配置される一対の筒状のヘッダー間に、端部が両ヘッダーに連通接続された複数本の扁平状熱交換チューブが並列状に配置されるとともに、前記複数本の熱交換チューブの各間及び最外側の熱交換チューブの外側にフィンが配置されている。更に、最外側のフィンの外側には、フィンを保護するためのサイドプレートが配置されている。また、ヘッダーの端部には、該端部開口部を閉塞するためのヘッダーキャップが装着されている。両ヘッダー間に配置された熱交換器構成部材(熱交換チューブ、フィン等)は、一般にコア部と呼ばれている。
【0003】
このような熱交換器は、熱交換チューブ、フィン、ヘッダー、サイドプレート等の各熱交換器構成部材を相互に組み合わせ、更にサイドプレートの外側回りで縛るようにバンディングし、その仮組状態で炉中にて一括ろう付して製造されている。
【0004】
ところで、一般にサイドプレートには、熱交換器を車体等の取付け部に取り付けて固定するための取付け片が付設されるため、該サイドプレートは熱交換器から容易に外れないよう強固に接合される必要がある。
【0005】
そこで、サイドプレートを強固に接合するために、従来、サイドプレートは、その端部をヘッダーキャップの閉塞板部の外面に重ね合わせて組み付けたり、端部をヘッダーの外周面に当接させて組み付けたり、端部をヘッダーの外周面に該ヘッダー外周壁部を貫通して穿設された差込み孔内に差し込んで組み付けたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サイドプレートの端部をヘッダーキャップの閉塞板部の外面に重ね合わせて組み付ける場合には、サイドプレートの端部の位置が左右方向及び前後方向にずれ易いため、組付けの際にサイドプレートのこれらの方向における位置決めが困難であるし、更にバンディングやろう付の際にサイドプレートのこれらの方向の位置ずれが生じるという難点があった。
【0007】
サイドプレートの端部をヘッダーの外周面に当接させて組み付ける場合には、サイドプレートの端部が上下方向に動き易いため、組付けの際にサイドプレートの上下方向の位置決めが困難であるし、更にバンディングやろう付の際にサイドプレートの上下方向の位置ずれが生じるという難点があった。さらに、サイドプレートの端部がヘッダー外周面から離れ易いため、ろう付時において、もし仮に熱交換器のコア部がろう付熱を受けることによって左右方向に伸びると、サイドプレートの端部がヘッダー外周面から簡単に離れてしまい、この結果、接合不良が生じるという難点があった。一方、熱交換器のコア部がろう付熱を受けて左右方向に縮もうとしても、サイドプレートによってこの縮みが阻害されてしまい、この結果、熱交換器のコア部が歪んでしまうという難点があった。
【0008】
サイドプレートの端部をヘッダー外周面に穿設された差込み孔内に差し込んで組み付ける場合には、ろう付時において、もし仮に熱交換器のコア部がろう付熱を受けることによって左右方向に伸びると、サイドプレートの端部が差込み孔から抜出する恐れがあり、この結果、差込み孔からヘッダー内部を流通する冷媒(作動流体)が漏出するという問題が発生する。一方、熱交換器のコア部がろう付熱を受けて左右方向に縮もうとしても、サイドプレートによってこの縮みが阻害されてしまい、この結果、熱交換器のコア部が歪んでしまうという難点があった。
【0009】
この発明は、上述した難点を解消するためになされたもので、その目的は、サイドプレートの組付けの際に、該サイドプレートの位置決めを容易に行うことができ、更に仮組状態の熱交換器の接合時に生じることのあるコア部の熱伸縮が吸収された、寸法精度の高いコア部を備えた熱交換器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、互いに平行に配置された筒状のヘッダー間に、端部が両ヘッダーに連通接続された複数本の熱交換チューブが並列状に配置されるとともに、前記複数本の熱交換チューブの最外側の熱交換チューブの外側に配置されたフィンの外側に、サイドプレートが配置された熱交換器であって、サイドプレートの端部に、内面側に曲がった第1屈曲部を介して第1折曲板部と、該第1折曲板部の先端部に第1屈曲部の曲がり方向とは反対方向に曲がった第2屈曲部を介して第2折曲板部と、が形成されるとともに、第2折曲板部の先端部に張出して設けられた差込み舌片部がヘッダーの外周面に設けられた差込み孔内に差し込まれた状態で、第2折曲板部がヘッダーに接合されていることを特徴としている。
【0011】
この熱交換器においては、サイドプレートの差込み舌片部がヘッダーの差込み孔内に差し込まれていることにより、サイドプレートの組付け時において、サイドプレートの上下方向及び前後方向の位置決めを容易に行えるようになるし、バンディング時において、サイドプレートの上下方向及び前後方向の位置ずれについてもその発生を防止できるようになる。
【0012】
また、サイドプレートの端部に、第1屈曲部を介して第1折曲板部と、該第1折曲板部の先端部に第2屈曲部を介して第2折曲板部と、が形成されることにより、接合時において、熱交換器のコア部の左右方向の熱伸縮が第1屈曲部及び第2屈曲部において吸収されるようになり、この結果、コア部の寸法精度が高くなり、また作動流体の漏出問題についてもその発生が防止されるようになる。
【0013】
この発明に係る熱交換器において、第2折曲板部の先端部における差込み舌片部両側の縁部がヘッダーの外周面にその周方向に沿って当接した状態で、第2折曲板部がヘッダーに接合されていることが、望ましい。
【0014】
この場合には、サイドプレートの組付け時において、差込み舌片部を差込み孔内に差し込む際に、第2折曲板部の先端部における差込み舌片部両側の縁部がヘッダーの外周面に当接するようになり、このため、サイドプレートの左右方向の位置決めを容易に行えるようになるし、バンディング時において、サイドプレートの左右方向の位置ずれについてもその発生が防止されるようになる。更には、第2折曲板部の先端部における差込み舌片部両側の縁部がヘッダー外周面にその周方向に沿って当接した状態で、接合されることにより、接合強度が向上する。
【0015】
この発明に係る熱交換器において、第1屈曲部の曲がり半径R1が、第1折曲板部の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されていることが、望ましい。
【0016】
その理由は次の通りである。すなわち、R1がtに対して20%未満では、コア部の熱伸縮に伴い第1屈曲部で応力集中が発生してしまい、このため、コア部の熱伸縮を第1屈曲部で十分に吸収できなくなる恐れがあり、ひいてはコア部の熱伸縮の吸収時に第1屈曲部に微細な割れが発生する等して第1屈曲部での曲げ強さや引張強さ等の機械的強度が低下してしまい、熱交換器を車体等の取付け部に取り付けたときに、サイドプレートが第1屈曲部で破断する恐れがある。一方、R1がtに対して100%を超えると、第1屈曲部におけるコア部の熱伸縮の吸収量が低下してしまい、コア部の熱伸縮を第1屈曲部で十分に吸収できなくなる恐れがある。したがって、R1はtに対して20〜100%の範囲内に設定されていることが望ましい。特に、R1はtに対して20〜50%の範囲内に設定されていることが望ましい。
【0017】
この発明に係る熱交換器において、第2屈曲部の曲がり半径R2が、第1折曲板部の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されていることが、望ましい。
【0018】
この場合も上述したR1が所定範囲内に設定された理由と同じであり、これを簡単に述べると、R2がtに対して20%未満では、コア部の熱伸縮に伴い第2屈曲部で応力集中が発生してしまい、このため、コア部の熱伸縮を第2屈曲部で十分に吸収できなくなる恐れがある。一方、R2がtに対して100%を超えると、第2屈曲部におけるコア部の熱伸縮の吸収量が小さく、このためコア部の熱伸縮を第2屈曲部で十分に吸収できなくなる恐れがある。したがって、R2はtに対して20〜100%の範囲内に設定されていることが望ましい。特に、R2はtに対して20〜50%の範囲内に設定されていることが望ましい。
【0019】
さらに、この発明に係る熱交換器において、第1屈曲部の曲がり角θ1が90°未満(特に望ましくは45〜85°の範囲内)に設定されていることが、望ましい。このように設定することにより、コア部の熱伸縮を第1屈曲部で確実に吸収できるようになる。さらに、第2屈曲部の曲がり角θ2が90°未満(特に望ましくは45〜85°の範囲内)に設定されていることが、望ましい。このように設定することにより、コア部の熱伸縮を第2屈曲部で確実に吸収できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1〜図4はこの発明に係る熱交換器の実施形態について示している。
【0022】
この熱交換器(1)は、アルミニウム製のカークーラー用凝縮器として用いられるものであって、いわゆるマルチフロータイプと呼ばれるものである。
【0023】
この熱交換器(1)は、図1に示すように、上下方向に延びるとともに互いに平行に配置された左右一対の円筒状の中空ヘッダー(2)(2)間に、端部が両ヘッダー(2)(2)に連通接続され左右方向に延びた多数本の扁平状熱交換チューブ(3)…が所定間隔おきに並列状に配置されており、前記多数本の熱交換チューブ(3)の各間及び最外側の熱交換チューブ(3)の外側にフィン(4)が配置されている。そして、両ヘッダー(2)(2)間に配置された多数本の熱交換チューブ(3)及びフィン(4)をコア部とするものである。また、最外側のフィン(4)の更に外側には、フィン(4)を保護するための板棒状のアルミニウム製サイドプレート(10)が配置されている。さらに、各ヘッダー(2)の端部には、円形状の閉塞板部の外周縁部に外周壁部が一体形成されてなるアルミニウム製ヘッダーキャップ(7)が外嵌状態に装着されており、これにより該ヘッダー(2)の端部開口部がヘッダーキャップ(7)によって閉塞されている。
【0024】
この熱交換器(1)において、各熱交換チューブ(3)は、アルミニウム製の扁平多孔中空押出形材から製作されたものであり、各フィン(4)は、両面又は片面にろう材層がクラッドされたアルミニウムブレージングシートをコルゲート状に屈成して製作されたものである。また、各ヘッダー(2)は、片面又は両面にろう材層がクラッドされたアルミニウムブレージングシートを側縁部突合せ状態に円形パイプ状に屈曲して形成されたものである。
【0025】
なお、図1において、(5)は冷媒を熱交換チューブ(3)群に沿って蛇行状に流通させるための板状仕切り部材、(6)(6)は冷媒入口及び出口用ユニオンである。
【0026】
これら熱交換器構成部材は、互いに組み合わされて仮組状態にされ、更にバンドによってバンディングされた状態で、炉中にて一括ろう付けされることにより、互いにろう付接合されて一体化されるものである。
【0027】
この熱交換器(1)において、サイドプレート(10)の端部には、図3及び図4に示すように、曲がり半径R1及び曲がり角θ1で内面側に曲がった第1屈曲部(11)を介して第1折曲板部(12)が一体に折り曲げ形成されるとともに、該第1折曲板部(12)の先端部に第1屈曲部(11)の曲がり方向とは反対方向に曲がり半径R2及び曲がり角θ2で曲がった第2屈曲部(13)を介して第2折曲板部(14)が一体に折り曲げ形成されている。更に、第2折曲板部(14)の先端部の幅方向中間部には、差込み舌片部(15)が張出して一体形成されている。この実施形態では、第1屈曲部(11)の曲がり角θ1と第2屈曲部(13)の曲がり角θ2とは同じ値に設定されており、第2折曲板部(14)はサイドプレート(10)の長さ方向と平行に形成されている。また、第2折曲板部(14)の先端部における差込み舌片部(15)両側の縁部(14a)(14a)は、ヘッダー(2)の外周面に周方向に沿ってぴったりと当接し得るように形成されている。また、この第1折曲板部(12)及び第2折曲板部(14)の幅はともに、ヘッダー(2)の外径φに対して同寸又は小寸に設定されている。
【0028】
さらに、このサイドプレート(10)の長さ方向中間部における第1屈曲部(11)の近傍位置の一側縁部には、車体等の取付け部に熱交換器(1)を取り付けて固定するための取付け片部(17)が、外面側に立上り状に折り曲げられて一体に形成されている。(17a)は取付け片部(17)に穿設されたボルト挿通孔である。
【0029】
このサイドプレート(10)において、第1折曲板部(12)及び第2折曲板部(14)は、プレス曲げ加工により折り曲げ形成されたものである。このように加工することにより、これら両折曲板部(12)(14)を容易に形成することができる。
【0030】
一方、ヘッダー(2)の外周面におけるフィン(4)側に向いた面には、周方向に延びた前記差込み舌片部用差込み孔(9)が該ヘッダー(2)の外周壁部(8)を貫通して穿設されている。そして、この差込み孔(9)内にサイドプレート(10)の差込み舌片部(15)がぴったりと差し込まれるとともに、第2折曲板部(14)の先端部における差込み舌片部(15)両側の縁部(14a)(14a)がヘッダー(2)の外周面にその周方向に沿って面接触状態で当接し、この状態で、第2折曲板部(14)の差込み舌片部(15)及び縁部(14a)(14a)が、それぞれ、ヘッダー(2)の差込み孔(9)外周面部及びヘッダー(2)の外周面にろう付接合されている。さらに、サイドプレート(10)内面がフィン(4)にろう付接合されている。
【0031】
而して、このサイドプレート(10)は次のようにして熱交換器(1)に接合一体化されたものである。
【0032】
まず、サイドプレート(10)の差込み舌片部(15)をヘッダー(2)の差込み孔(9)内に差し込むとともに、第2折曲板部(14)の先端部における差込み舌片部(15)両側の縁部(14a)(14a)をヘッダー(2)の外周面に当接させる。こうしてサイドプレート(10)を組み付ける。サイドプレート(10)の差込み舌片部(15)を差込み孔(9)内に差し込むことにより、該サイドプレート(10)の上下方向及び前後方向の位置決めが行われ、また第2折曲板部(14)の先端部における差込み舌片部(15)両側の縁部(14a)(14a)をヘッダー(2)外周面に当接させることにより、該サイドプレート(10)の左右方向の位置決めが行われるようになる。
【0033】
次いで、仮組状態の熱交換器を上述したようにバンドによってバンディングする。このバンディング時において、サイドプレート(10)は差込み舌片部(15)がヘッダー(2)の差込み孔(9)内に差し込まれているから、サイドプレート(10)の上下方向及び前後方向の位置ずれが発生する恐れがないし、更に第2折曲板部(14)の先端部の縁部(14a)(14a)がヘッダー(2)外周面に当接されているから、サイドプレート(10)の左右方向の位置ずれについても発生する恐れがない。次いで、このバンディング状態で、炉中にて一括ろう付けすることにより、サイドプレート(10)の第2折曲板部(14)をヘッダー(2)にろう付接合する。これにより、所望する熱交換器(1)が得られる。
【0034】
以上の構成の熱交換器(1)において、サイドプレート(10)は、差込み舌片部(15)が差込み孔(9)内に差し込まれた状態でヘッダー(2)にろう付接合されていることはもとより、第2折曲板部(14)の先端部の縁部(14a)(14a)についてもヘッダー(2)外周面に周方向に沿ってろう付接合されているから、単に差込み舌片部(15)が差込み孔(9)内に差し込まれた状態でヘッダー(2)にろう付接合されているものよりも、第2折曲板部(14)の先端部の縁部(14a)(14a)がヘッダー(2)外周面にろう付接合されている分、サイドプレート(2)の接合強度が高くなっている。したがって、この熱交換器(1)を、取付け片部(17)を介して車体等の取付け部(図示せず)に取り付けて固定した場合であっても、サイドプレート(10)が走行時の振動により熱交換器(1)から不本意に外れる不具合を確実に防止することができ、熱交換器(1)を強固に固定することができる。
【0035】
さらに、この熱交換器(1)においては、上述したように、サイドプレート(10)の端部には、第1屈曲部(11)を介して第1折曲板部(12)が形成されるとともに、該第1折曲板部(12)の先端部に第2屈曲部(13)を介して第2折曲板部(14)が形成されているから、ろう付接合時において、ろう付熱による熱交換器(1)のコア部の左右方向の熱伸縮を第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)において吸収できるようになり、この結果、コア部の寸法精度が高くなるし、また冷媒の漏出問題についてもその発生が防止されるようになる。その理由を図3を参照して説明する。なお、同図では、説明の便宜上、サイドプレート(10)の肉厚寸法及び各部位の長さ寸法を誇張して示している。
【0036】
すなわち、ろう付接合時において、もし仮に熱交換器(1)のコア部が左右方向に縮む場合には、このコア部の縮み力を受けて第1折曲板部(12)は、第1屈曲部(11)において曲がり角θ1が増加する方向に屈曲され且つ第2屈曲部(13)において曲がり角θ2が増加する方向に屈曲されるようになり、この結果、コア部の縮みが第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)において吸収されるようになる。一方、熱交換器(1)のコア部が左右方向に伸びる場合には、このコア部の伸び力を受けて第1折曲板部(12)は、第1屈曲部(11)において曲がり角θ1が減少する方向に屈曲され且つ第2屈曲部(13)において曲がり角θ2が減少する方向に屈曲されるようになり、この結果、コア部の伸びが第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)において吸収されるようになる。したがって、このように熱交換器(1)のコア部が熱伸縮した場合であっても、この熱伸縮が第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)で吸収されて当該熱伸縮に伴うコア部の歪みが防止されるようになり、もって寸法精度の高いコア部が形成されるものとなる。その上、熱交換器(1)のコア部が左右方向に伸びる場合であっても、このコア部の伸びに追従して第1折曲板部(12)が第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)において屈曲されるようになり、このため、差込み孔(9)からヘッダー(2)内を流通する冷媒が漏出する不具合についてもその発生が防止されるようになる。
【0037】
このサイドプレート(10)において、第1屈曲部(11)の曲がり半径R1及び第2屈曲部(13)の曲がり半径R2は、いずれも、第1屈曲部(11)の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されている。したがって、R1及びR2がいずれもtに対して20%以上に設定されているから、ろう付接合時において、熱交換器(1)のコア部の熱伸縮に伴い発生する第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)での応力集中が緩和されており、このためコア部の熱伸縮を確実に吸収することができる。さらに、R1及びR2がいずれもtに対して100%以下に設定されているから、第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)におけるコア部の熱伸縮の吸収量が大きく、このためコア部の熱伸縮を第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)で十分に吸収することができる。
【0038】
実際に、tに対するR1及びR2の大きさを様々に変えたサイドプレート(10)を準備し、これらを熱交換器(1)に組み付けて炉内にてろう付接合したところ、R1及びR2がいずれもtに対して20〜100%の範囲内に設定されたサイドプレート(10)によれば、コア部の歪み量が小さく、寸法精度の高いコア部を形成することができた。更には、R1及びR2がいずれもtに対して20〜50%の範囲内に設定されたサイドプレート(10)によれば、コア部の歪み量が極めて小さく、寸法精度の極めて高いコア部を形成することができた。これに対して、R1及びR2がいずれもtに対して20〜100%の範囲外に設定されたサイドプレート(10)では、コア部の歪み量が大きく、コア部の寸法精度が低かった。
【0039】
また、この熱交換器(1)において、第1屈曲部(11)の曲がり角θ1及び第2屈曲部(13)の曲がり角θ2は、いずれも、90°未満(特に望ましくは45〜85°の範囲内)に設定されていることが望ましい。このように設定することにより、コア部の熱伸縮を第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)で更に確実に吸収することができるようになる。
【0040】
また、この熱交換器において、第1折曲板部(12)の肉厚tは、特に限定されるものではなく、熱交換器(1)を取付け片部(17)を介して車体等の取付け部に取り付けた場合に、走行時の振動等により容易に破断しないような機械的強度を有する肉厚寸法に設定されていれば良いが、熱交換チューブ(3)の厚さH(図4参照)が2.0mm以下の場合においては、tは1〜2.5mmの範囲内に設定されていることが特に望ましい。tをこの範囲内に設定することにより、第1折曲板部(12)は所望する機械的強度を有するものとなることはもとより、コア部の熱伸縮を第1屈曲部(11)及び第2屈曲部(13)でより一層確実に吸収することができるようになるからである。なお、サイドプレート(10)の第1屈曲部(11)、第2屈曲部(13)及び第2折曲板部(14)についても、Hが2.0mm以下の場合には、いずれも、肉厚が1〜2.5mmの範囲内に設定されていることが同様の理由により望ましい。
【0041】
また、この熱交換器(1)において、差込み孔(9)の幅W(図4参照)は、ヘッダー(2)の外径φに対して15〜80%に設定されていることが望ましい。すなわち、Wがφに対して15%未満では、当該差込み孔(9)内に差し込まれる差込み舌片部(15)の幅が小さくなり、このため第2折曲板部(14)とヘッダー(2)との接合強度が低くなるからである。一方、Wがφに対して80%を超えると、差込み孔(9)の幅が大きくなり、冷媒が漏出し易くなるからである。したがって、Wはφに対して15〜80%(特に望ましくは15〜45%)の範囲内に設定されていることが望ましい。
【0042】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に示すものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0043】
例えば、請求項1の発明に係る熱交換器においては、図5に示すように、第2折曲板部(14)の先端部における差込み舌片部(15)両側の縁部(14a')(14a')は、第2折曲板部(14)が先窄み状になるようハ字状に形成されていても良い。
【0044】
また、同図に示すように、差込み舌片部(15)は、先端に進むにつれて肉厚が薄肉になるように形成されていても良い。このように肉厚を形成することにより、差込み舌片部(15)を差込み孔(9)内に容易に差込み得るようになる。更に、同図に示すように、差込み舌片部(15)の両側縁部の先端角部は、面取り加工されていても良い。このように加工することにより、差込み舌片部(15)を差込み孔(9)内により一層容易に差込み得るようになる。
【0045】
【発明の効果】
上述の次第で、この発明によれば、第2折曲板部の先端部に張出して形成された差込み舌片部がヘッダーの外周面に設けられた差込み孔内に差し込まれた状態で、第2折曲板部がヘッダーに接合されているから、サイドプレートの組付け時において、サイドプレートの上下方向及び前後方向の位置決めを容易に行うことができ、更には、バンディング時において、サイドプレートの上下方向及び前後方向の位置ずれについてもその発生を防止することができる。
【0046】
さらに、サイドプレートの端部に、内面側に曲がった第1屈曲部を介して第1折曲板部と、該第1折曲板部の先端部に第1屈曲部の曲がり方向とは反対方向に曲がった第2屈曲部を介して第2折曲板部と、が形成されているから、サイドプレートの接合時において、熱交換器のコア部の左右方向の熱伸縮を第1屈曲部及び第2屈曲部において吸収することができ、このため、優れた寸法精度を有するコア部を具備した熱交換器を提供することができる。しかも、サイドプレートの接合時において、もじ仮に熱交換器のコア部が左右方向に伸びた場合であっても、このコア部の伸びに追従して第1折曲板部が第1屈曲部及び第2屈曲部において屈曲されるようになり、このため、差込み孔から作動流体が漏出する不具合についてもその発生を防止することができるようになる。
【0047】
また、第2折曲板部の先端部における差込み舌片部両側の縁部がヘッダーの外周面にその周方向に沿って当接した状態で、第2折曲板部がヘッダーの外周面に接合されている場合には、差込み舌片部を差込み孔内に差し込む際に、第2折曲板部の先端部における差込み舌片部両側の縁部がヘッダーの外周面に周方向に沿って当接するようになり、このため、サイドプレートの左右方向の位置決めを容易に行うことができる。しかも、バンディング時において、サイドプレートの左右方向の位置ずれについてもその発生を防止することができる。その上、第2折曲板部の先端部における差込み切片部両側の縁部がヘッダー外周面に周方向に沿って当接した状態で、接合されているから、単に差込み舌片部が差込み孔内に差し込まれた状態で接合されている構造のものよりも、接合強度を高くすることができる。
【0048】
また、第1屈曲部の曲がり半径R1が、第1折曲板部の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されている場合には、接合時において、熱交換器のコア部の熱伸縮に伴い発生する第1屈曲部での応力集中を緩和することができ、このため、コア部の熱伸縮を確実に吸収することができる。しかも、第1屈曲部におけるコア部の熱伸縮の吸収量が大きく、このためコア部の熱伸縮を第1屈曲部で十分に吸収することができる。したがって、より一層優れた寸法精度を有するコア部を具備した熱交換器を提供することができる。
【0049】
また、第2屈曲部の曲がり半径R2が、第1折曲板部の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されている場合についても、上記と同様の効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る熱交換器を示す正面図である。
【図2】同熱交換器の要部斜視図である。
【図3】同熱交換器の要部の一部切欠き正面図である。
【図4】同熱交換器の要部分解斜視図である。
【図5】同熱交換器の変形例を示す要部分解斜視図である。
【符号の説明】
1…熱交換器
2…ヘッダー
3…熱交換チューブ
4…フィン
9…差込み孔
10…サイドプレート
11…第1屈曲部
12…第1折曲板部
13…第2屈曲部
14…第2折曲板部
15…差込み舌片部

Claims (2)

  1. 互いに平行に配置された筒状のヘッダー(2)(2)間に、端部が両ヘッダーに連通接続された複数本の熱交換チューブ(3)が並列状に配置されるとともに、前記複数本の熱交換チューブの最外側の熱交換チューブの外側に配置されたフィン(4)の外側に、サイドプレート(10)が配置された熱交換器(1)であって、
    サイドプレート(10)の端部に、内面側に曲がった第1屈曲部(11)を介して第1折曲板部(12)と、該第1折曲板部の先端部に第1屈曲部の曲がり方向とは反対方向に曲がった第2屈曲部(13)を介して第2折曲板部(14)と、が形成されるとともに、
    第2折曲板部(14)の先端部に張出して形成された差込み舌片部(15)がヘッダー(2)の外周面に設けられた差込み孔(9)内に差し込まれた状態で、第2折曲板部(14)がヘッダー(2)に接合されており、
    第1屈曲部(11)の曲がり半径R1が、第1折曲板部(12)の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されるとともに、
    第2屈曲部(13)の曲がり半径R2が、第1折曲板部(12)の肉厚tに対して20〜100%の範囲内に設定されており、
    第1屈曲部(11)の曲がり角θ1が45〜85°の範囲内に設定されるとともに、
    第2屈曲部(13)の曲がり角θ2が45〜85°の範囲内に設定されており、
    熱交換チューブ(3)の厚さHが2.0mm以下であり、
    第1折曲板部(12)の肉厚tが1〜2.5mmの範囲内に設定されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 第2折曲板部(14)の先端部における差込み舌片部(15)両側の縁部(14a)(14a)がヘッダー(2)の外周面にその周方向に沿って当接した状態で、第2折曲板部(14)がヘッダー(2)に接合されている請求項1記載の熱交換器。
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