JP4592665B2 - プラント制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラント制御装置に係り、特に、運転時のプラント形状を反映したモデルを用いて制御を行うことのできるプラント制御装置に関する。
プラント制御の分野ではPID制御を基本とする制御ロジックが主流となっている。また、ニューラルネットワークに代表される教師付き学習方法、あるいは強化学習法などの教師なし学習方法などを利用することにより、プラントの特性に柔軟に対応できる制御技術も多数提案されている。
強化学習法は制御対象などの環境との試行錯誤的な相互作用を通じて、環境から得られる計測信号が望ましいものとなるように、環境への操作信号を生成する学習制御の枠組みである。これにより、成功事例が予め準備できない場合においても、望ましい状態を定義しておくだけで、自ら環境に応じて望ましい行動を学習することができる。
強化学習では、環境から得られる計測信号を用いて計算される評価値を手がかりに、現状態から将来までに得られる評価値の期待値が最大となるように、環境への操作信号を生成する。このような学習機能を実装する方法としては、例えば非特許文献1に述べられているActor-Critic、Q学習、実時間Dynamic Programmingなどのアルゴリズムが知られている。
また、上述の手法を発展させた強化学習の枠組みとして、Dyna-アーキテクチャと呼ばれる枠組みが非特許文献1に紹介されている。これは、制御対象を模擬するモデルを対象にどのような操作信号を生成するのが良いかを予め学習し、この学習結果を用いて制御対象に印加する操作信号を決定する方法である。また、制御対象とモデルの誤差を小さくするモデル調整機能を持っている。
一方、数値解析技術の進歩により、燃焼反応をある程度計算で再現することが可能となっている(例えば特許文献1参照)。また、これを用いて、すなわち試行錯誤運転の代わりにプラントの燃焼反応のシミュレータを用いてプラントの運転を模擬することによりプラントを制御するモデルを構築することが知られている。
強化学習(Reinforcement Learning)、三上貞芳・皆川雅章共訳、森北出版株式会社、2000年12月20日出版 特開2003−281462
前述の強化学習法は制御対象の特性、制御方法が事前に定式化できない場合に有効である。しかし、プラントの運転制御においては、モデル構築までに試行錯誤運転による実績を集める時間が必要になる。したがって、その間に製品品質が低下し、ロスが多くなる可能性がある。また、試行錯誤運転は、プラント排出物の性状変動による環境への影響も考えられる。これらの問題に対して有効なモデル構築方法については、知られていない。
また、燃焼反応の数値解析を実施するには、ボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、空気流量、燃料流量などのパラメータが必要である。このうち、ボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置については、設計値を用いることができる。しかし、この値が現実のプラントのものと異なっていると、精度の高いモデルを構築することはできない。実際にプラントを運転すると、ボイラ本体は内部の燃焼により熱膨張し、高さや幅が、例えば数cm〜数十cm伸びる場合がある。
また、ボイラの上部が建物に固定されている場合には、ボイラ本体にあけられたバーナの穴の位置が熱膨張により、例えば数cm〜数十cm下がる場合がある。バーナは床に固定されているので、穴との相対位置が変化する。このとき、バーナと穴との隙間から供給される空気流量は、穴との隙間が狭くなった側で減少し、穴との隙間が広くなった側で増加する。このような空気流量の変化は、燃焼反応に大きな影響を与える可能性がある。
このほかに、ボイラ本体形状の経年変化、据付時に発生した設計値との誤差、設計データが不明なボイラを制御する場合も考えられる。
以上のような場合には、例えば数値解析に用いた設計値と運転中の実機では、ボイラ本体の形状パラメータは異なることになる。すなわち、数値解析による物理量の計算値は実機データと一致していない。したがって、数値解析結果を用いて構築したプラントを制御するモデルの精度は十分でなく、制御の性能が低下する可能性がある。
すなわち、熱膨張、経年変化のあるボイラ、あるいは設計データの不明なボイラを性能よく制御するには、運転時のボイラ本体の形状データを取得し、取得したデータを用いて制御モデルを構築することが必要である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、プラントを制御するモデルの構築に際して、運転時のボイラ形状を反映させることにより、性能のよいプラント制御技術を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
ボイラの熱膨張による形状変化量を格納した熱膨張データベース、および該データベースを参照してボイラ形状を計算する計算手段を備え、ボイラ運転時にボイラの形状に関するデータを取得するボイラ形状解析手段と、
前記ボイラ形状解析手段が取得したボイラの形状に関するデータをもとにボイラの物理現象を数値解析するためのボイラの形状に関するパラメータを算出する計測情報処理手段と、
算出された前記形状に関するパラメータを用いて数値解析に用いる、空気流量および計算の単位であるメッシュ間隔を含む解析条件を設定する解析条件設定手段と、
設定された解析条件にしたがってボイラに供給する空気流量に対する発生CO濃度またはNOx濃度を数値解析する数値解析手段と、
数値解析手段により得られた解析結果をもとに、各操作条件におけるプロセス値が各操作量の変化に対して連続するように近似した連続モデルを作成し、作成した連続モデルを用いて強化学習を実施して制御モデルを設定する制御モデル設定手段と、
設定した制御モデルとプラントから取得した運転データを用いてプラントに対する操作量を演算する操作量演算手段を備えた。
本発明は、以上の構成を備えるため、運転時のボイラ形状を反映したモデルを用いた、高性能のプラント制御技術を提供することができる。
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプラント制御装置の全体構成を説明する図である。
プラント1としては、ここでは火力発電プラントを構成するボイラにおいて、空気流量を操作して、排出されるCO濃度(またはNOx濃度)を最小にする制御モデルを構築する場合を例に説明する。
まず、ボイラ形状解析手段2は、ボイラ本体の形状に関するデータを取得する手段である。熱膨張によるボイラ本体形状の変化について知識が与えられている場合には、熱膨張データベース16を参照する。なお、後述するように、実際にボイラ形状を測定する場合には、複数方向からボイラ本体を撮影するために設置された複数のカメラ、あるいはボイラ本体周囲に設置され上下方向に移動してボイラの形状を測定するスキャナ装置で構成する。
計測情報処理手段3は、ボイラ形状解析手段2により入力されたデータまたは画像をもとに、ボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置など、ボイラ形状に関するパラメータを計算する。
解析条件設定手段4は、計測情報処理手段3で得られたボイラ形状に関するパラメータを用いて、数値解析に用いる空気流量、バーナとバーナの穴とのずれによる空気流量の補正値、計算の単位であるメッシュの間隔などの解析条件を設定する。
数値解析手段5は、プラントの運転を模擬するシミュレータである。数値解析の方法としては、例えば、前記特許文献1による方法を用いればよい。ここでは、ボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置、石炭の種類、空気流量、燃料流量などの操作条件をもとに、プラント運転時に発生するCO濃度などを計算する。解析結果は空気流量に対するCO濃度の値として得られ、数値解析データベース6に格納される。
数値解析データベース6には、数値解析手段5により得られた解析結果が格納されている。初期状態としては、設計値を用いて数値解析を実施した結果が格納されている。
図2は、数値解析の結果を説明する図である。図2に示すように、空気流量に対するCOあるいはNOxの濃度のデータが与えられている。
図1において、制御モデル設定手段7は、数値解析データベース6に格納された空気流量に対するCO濃度の離散的な関係を用いて、パラメータの変化に対して連続的な関係となるように近似する連続モデルを作成する。次に、連続モデルを用いて強化学習を実施することにより、空気流量を操作する制御モデルを設定する。
制御モデルデータベース8には、制御モデル設定手段7によって得られた制御モデルが格納されている。初期状態としては、設計値を用いで構築された制御モデルが格納されている。
図3は、制御モデルデータベース格納されたデータを説明する図であり、図に示すように、空気流量に対する空気流量の操作量が制御モデルとして与えられている。
図1において、操作量演算手段9は、外部入力インターフェース11から出力された運転データと制御モデルデータベース8の制御モデルを用いて、操作すべき空気流量の値を計算する。図3に示すモデルを用いた場合、例えば空気流量が0.45mのとき、空気流量を+0.05mとするように制御する。計算された制御信号は減算器13に出力される。
基本制御指令演算手段10は、例えば、PID制御ロジックで構成される制御装置で、プラントの空気流量などを操作するための基本制御指令信号を出力する。外部入力インターフェース11は、プラント1から出力された信号を入力し、減算器13へ出力する。必要に応じて人が操作するためのキーボードやディスプレイを備えてもよい。
外部出力インターフェース12は、加算器14で出力された信号を入力し、プラント1に出力して空気流量を操作する。必要に応じて人が操作するためのキーボードやディスプレイを備えてもよい。
減算器13は、基本制御指令演算手段10の出力信号と操作量演算処理9の出力信号を入力し、2つの信号の差を計算して出力する。また、切替器15により基本制御指令演算手段10のみによる運転(切換器を上側に切り替える)を行うこともできる。
加算器14は、基本制御指令演算手段10の出力信号と減算器13の出力信号を入力し、2つの信号の和を計算して出力する。減算器13と加算器14により、プラントへの出力信号は、基本制御指令演算手段10の出力信号を操作量演算手段9の出力信号により補正した信号とする。熱膨張データベース16には、ボイラの熱膨張に関するデータが格納されている。
図4は、熱膨張データベースの例を示す図である。図に示すように、ボイラ本体の温度に対して、ボイラの各部分の熱膨張による移動距離が与えられている。
図5は、プラント制御装置の処理手順を説明する図である。まず、ステップ101において、ボイラ形状解析手段2および計測情報処理手段3により数値解析に必要なボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置などのパラメータを取得する。
ステップ102において、計算あるいは測定したボイラの寸法、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置について、設計値との誤差を計算し、ステップ103において、予め設定されたしきい値を超えるかどうか判定する。
いずれのパラメータの誤差もあるしきい値、例えば設計値の0.1%以下であれば、数値解析の結果は実際のボイラ形状を反映したものであると判断できる。この場合、設計値を用いて設定した制御モデルを用いて空気流量の操作量を計算する(ステップ107)。
しかし、いずれかのパラメータの誤差がしきい値を超える場合には、数値解析に用いるパラメータとしては適切でない。この場合、ステップ104において、計算あるいは測定したボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置を用いて数値解析を実施する。この結果、図2のように空気流量に対するCO濃度の値を得る。
数値解析はできるだけ細かい間隔で実施するのが望ましいが、各点の計算にはある程度の時間がかかるため、現実的には離散的なデータしか得られない。データのない点を補間するため、ステップ105において、パラメータの変化に対して連続的な関係となるように近似する連続モデルを作成する。このとき、連続モデルと数値解析結果との誤差が大きい場合には、図11に示すように、誤差の大きい部分に数値解析の結果を追加して、連続モデルを修正してもよい。また、運転データが得られる場合には、図12に示すように、運転データを追加して、連続モデルを修正することにより実機の運転特性を反映することができる。連続モデルの作成に際しては、多項式近似、ニューラルネットワークを用いた方法などを用いることができる。図10〜12の破線はデータ点を多項式近似して連続モデルを作成した結果である。連続モデルにより空気流量に対して連続的にCO濃度を推定することができる。
ステップ106において、作成された連続モデルを用いて強化学習を実施する。その結果、図3のように空気流量に対してCO濃度を最小にするように空気流量操作量を表す制御モデルを構築できる。得られた制御モデルは熱膨張時のボイラ形状を反映しているので、性能のよい制御ができる。
ステップ107では、前記制御モデルを用いて操作量を計算する。例えば、図3の制御モデルを用いれば、空気流量が0.45mのとき空気流量操作量を+0.05mとする。
ステップ108では、プラントへ操作信号を出力し、プラントを制御する。なお、ステップ101〜108の手順は定期的あるいはボイラの運転状況の変化ごとに実施する。
以上説明したように、ボイラ本体の熱膨張、経年変化などにより、設計時と運転時とで形状が異なる場合においても、運転時の形状を反映した制御モデルを構築することができる。このため、常に高性能の制御を実施することができる。本発明を火力プラントのボイラに適用する場合、NOx、COなどの環境負荷物質の発生量が増加するリスクを低減させることができる。
図6は、図5に示すステップ101(ボイラ形状パラメータ取得処理)の詳細を説明する図である。
運転時(熱膨張時)のボイラ本体の形状を取得する方法としては、(1)ボイラ本体の温度およびボイラの各部分に関する熱膨張のデータから計算する方法、(2)ボイラの形状を実際に測定する方法がある。
(1)の方法を用いる場合には、熱膨張データベースを参照し、ボイラ各部分の熱膨張時の位置を計算し、ボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置などのパラメータを得ることができる。
図6は、前記(2)の方法(複数のカメラ画像を用いる)を用いる場合の詳細について説明する図である。カメラから入力した画像を用いて寸法を計測するに際しては、撮影した画像から特徴点を抽出し、複数の画像間での特徴点の視差を解析することにより寸法を計算することができる。
まず、ステップ201において、ボイラを撮影するために設置された複数のカメラの座標、向き、縮尺などのパラメータを取得する。
ステップ202において、カメラから観測されるボイラ本体に特徴点を設定する。特徴点はボイラ本体の形状を得るために必要な位置に設定する。
図8は、特徴点の例を示す図である。図に示すように、特徴点 (X1,Y1,Z1)と特徴点(X2,Y2,Z2)からボイラの高さ、特徴点(X2,Y2,Z2)と特徴点(X3,Y3,Z3)からボイラの幅、特徴点(X4,Y4,Z4)からバーナの位置、特徴点(X5,Y5,Z5)からアフタエアポートの位置を得ることができる。なお、バーナの穴とアフタエアポートの穴はバーナとアフタエアポートに隠れて観測できない場合がある。この場合は、バーナとアフタエアポート近傍のボイラ本体上に特徴点を選ぶことにより穴の位置を計算することができる。
ステップ203において、設定した特徴点R(i)=(Xi,Yi,Zi)に設計値を初期値として代入する。
ステップ204において、カメラのパラメータを用いて特徴点R(i)=(Xi,Yi,Zi)からカメラ画像へ投影した座標r(i)=(xi,yi)を計算する。カメラが複数ある場合にはカメラごとに投影した座標を計算する。
ステップ205では、カメラ画像内に投影されたボイラの特徴点r0(i)=(x0i,y0i)を抽出する。特徴点の抽出方法としては、予め設定されたテンプレート画像とカメラ画像とを照合する方法が一般的である。カメラ画像から得られた座標r0(i)と、設計値をカメラ画像に投影した座標r(i)の差が熱膨張により変化した量である。したがって、r0(i)に最も近いr'(i)を与えるR'(i)を求めれば観測されているボイラの特徴点座標を得ることができる。
ステップ206において、すべてのカメラ画像内の特徴点の座標について、
Figure 0004592665
を最小にするr'(i)を与えるR'(i)を最小二乗法により計算する。この結果得られたR'(i)が観測されたボイラの特徴点座標である。
ステップ207において、特徴点R'(i)からボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置を計算する。
カメラ画像から計算できる寸法はボイラ外形に関する寸法であるが、燃焼反応の数値解析にはボイラ内側の寸法が必要である。このため、ステップ208において、壁の厚さ、保温材の厚さを差し引いてボイラ内側の寸法を計算する。
以上の手順により、カメラ画像から熱膨張後のボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置を計算することができる。
図7は、図5に示すステップ104(ボイラの形状パラメータを用いて、燃焼反応の数値解析を実施する処理)の詳細を説明する図である。
ステップ301では、ボイラ本体の寸法から、ボイラ全領域のメッシュ間隔を計算する。メッシュ間隔は燃焼反応を数値計算するときの計算単位である。例えば、x, y, z方向にそれぞれ0.5m単位に空間を分割する。
なお、バーナやアフタエアポート付近では燃焼反応が激しく、他の部分に比べて詳細に計算する必要がある。したがって、ステップ302において、バーナおよびアフタエアポート付近のメッシュ間隔を詳細に設定する。例えば、バーナおよびアフタエアポート付近の3mの範囲ではx, y, z方向にそれぞれ0.1m単位に空間を分割する。
ステップ303において、ステップ301および302で設定された間隔で、数値解析のための計算メッシュを作成する。
図9は、作成されたメッシュの例を示す図である。熱膨張後のボイラ本体の形状を用いてメッシュを作成することにより、寸法や位置が変化しても適切にメッシュを作成できる。
ステップ304において、数値解析に用いる空気流量のパラメータを設定する。空気流量を操作してCO濃度を制御するためには、空気流量の変化に対するCO濃度の変化を知ることが必要である。したがって、複数の空気流量の値を設定する。なお、熱膨張により、バーナとバーナの穴の中心位置がずれている場合には、バーナ上側と下側とで空気流量が異なるので、補正処理を施して数値解析に用いる。
ステップ305において、設定された空気流量に対して燃焼反応の数値解析を実施し、ステップ306において、計算結果として空気流量に対するCO濃度の値を出力する。
図10は、計算結果として空気流量に対するCO濃度の値を示す図である。図中の点は、空気流量0.3mから0.7mまでを間隔を0.1mで計算した結果である。
次に、設計データが不明なボイラ、あるいは設計と大きく形状が異なったボイラを制御する場合の処理について説明する。
図13はこのような場合における処理手順を説明する図である。まず、ステップ401において、ボイラ形状解析手段および計測情報処理手段により数値解析に必要なボイラ本体の寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置などのパラメータを取得する。
設計データの不明なボイラの形状を得る方法は前述の第1の実施形態と同様にカメラで撮影した画像から特徴点を抽出し、複数の画像間での特徴点の視差を解析することで寸法を計算できる。
ステップ402では、測定したボイラの寸法、バーナの位置、アフタエアポートの位置、バーナの穴の位置、アフタエアポートの穴の位置を用いて数値解析を実施する。この結果、例えば、図2のように空気流量に対するCO濃度の値を得る。
計算結果の例を図10に示す。図中の点は、空気流量0.3mから0.7mまでを間隔0.1mで計算した結果である。
数値解析はできるだけ細かい間隔で実施するのが望ましいが、各点の計算にはある程度の時間がかかるため、現実的には離散的なデータしか得られない。点のない部分を補間するために、ステップ403において、パラメータの変化に対して連続的な関係となるように近似する連続モデルを作成する。
連続モデルの作成には、多項式近似、ニューラルネットワークを用いた方法などがある。図10の破線はデータ点を多項式近似して連続モデルを作成した結果である。連続モデルにより空気流量に対して連続的にCO濃度を推定できる。
ステップ404において、作成された連続モデルを用いて強化学習を実施する。その結果、例えば、図3のように空気流量に対する空気流量操作量を与える制御モデルを構築できる。得られた制御モデルは測定されたボイラ形状を反映しているので、性能のよい制御ができる。
ステップ405において、制御モデルを用いて操作量を計算する。例えば、図3の制御モデルを用いれば、空気流量が0.45mのとき空気流量操作量を+0.05mとする。
ステップ406において、プラントへ操作信号を出力し、プラントを制御する。
このように、設計データが不明なボイラにおいても、実際の形状を測定して制御モデルを構築するので、性能のよい制御ができる。本発明を火力プラントのボイラに適用する場合、NOx、COなどの環境負荷物質の発生増加リスクを低減させることができる。
以上説明したように、ボイラの形状を反映した制御モデルを構築するので、ボイラの熱膨張、経年変化などにより設計時と運転時とで形状に変化が発生した場合においても、形状変化を反映した制御モデルを構築することができる。このため、常に性能のよい制御が実現できる。また、設計データが不明なボイラにおいても、実際の形状を測定して制御モデルを構築するので、性能のよい制御ができる。また、本発明を火力プラントのボイラに適用する場合、NOx、COなどの環境負荷物質の発生増加リスクを低減することができる。
本発明の実施形態に係るプラント制御装置の全体構成を説明する図である。 数値解析の結果を説明する図である。 制御モデルデータベース格納されたデータを説明する図である。 熱膨張データベースの例を示す図である。 プラント制御装置の処理手順を説明する図である。 図5に示すステップ101(ボイラ形状パラメータ取得処理)の詳細を説明する図である。 図5に示すステップ104(ボイラの形状パラメータを用いて、燃焼反応の数値解析を実施する処理)の詳細を説明する図である。 ボイラにおける特徴点の例を示す図である。 作成されたメッシュの例を示す図である。 計算結果として空気流量に対するCO濃度の値を示す図である。 連続モデルを修正する例を示す図である。 運転データを追加して連続モデルを修正する例を示す図である。 設計データが不明なボイラ、あるいは設計と大きく形状が異なったボイラを制御する場合の処理について説明する図である。
符号の説明
1 プラント
2 ボイラ形状解析手段
3 計測情報処理手段
4 解析条件設定手段
5 数値解析手段
6 数値解析データベース
7 制御モデル設定手段
8 制御モデルデータベース
9 操作量演算手段
10 基本制御指令演算手段
11 外部入力インターフェース
12 外部出力インターフェース
13 減算器
14 加算器
15 切替器
16 熱膨張データベース

Claims (2)

  1. ボイラの熱膨張による形状変化量を格納した熱膨張データベース、および該データベースを参照してボイラ形状を計算する計算手段を備え、ボイラ運転時にボイラの形状に関するデータを取得するボイラ形状解析手段と、
    前記ボイラ形状解析手段が取得したボイラの形状に関するデータをもとにボイラの物理現象を数値解析するためのボイラの形状に関するパラメータを算出する計測情報処理手段と、
    算出された前記形状に関するパラメータを用いて数値解析に用いる、空気流量および計算の単位であるメッシュ間隔を含む解析条件を設定する解析条件設定手段と、
    設定された解析条件にしたがってボイラに供給する空気流量に対する発生CO濃度またはNOx濃度を数値解析する数値解析手段と、
    数値解析手段により得られた解析結果をもとに、各操作条件におけるプロセス値が各操作量の変化に対して連続するように近似した連続モデルを作成し、作成した連続モデルを用いて強化学習を実施して制御モデルを設定する制御モデル設定手段と、
    設定した制御モデルとプラントから取得した運転データを用いてプラントに対する操作量を演算する操作量演算手段を備えたことを特徴とするプラント制御装置。
  2. 複数方向からボイラの形状を撮影する複数のカメラおよび該カメラで撮影した画像から特徴点を抽出し、複数の画像間での特徴点の視差を解析することによりボイラの形状を計算する計算手段を備え、ボイラ運転時にボイラの形状に関するデータを取得するボイラ形状解析手段と、
    前記ボイラ形状解析手段が取得したボイラの形状に関するデータをもとにボイラの物理現象を数値解析するためのボイラの形状に関するパラメータを算出する計測情報処理手段と、
    算出された前記形状に関するパラメータを用いて数値解析に用いる、空気流量および計算の単位であるメッシュ間隔を含む解析条件を設定する解析条件設定手段と、
    設定された解析条件にしたがってボイラに供給する空気流量に対する発生CO濃度またはNOx濃度を数値解析する数値解析手段と、
    数値解析手段により得られた解析結果をもとに、各操作条件におけるプロセス値が各操作量の変化に対して連続するように近似した連続モデルを作成し、作成した連続モデルを用いて強化学習を実施して制御モデルを設定する制御モデル設定手段と、
    設定した制御モデルとプラントから取得した運転データを用いてプラントに対する操作量を演算する操作量演算手段を備えたことを特徴とするプラント制御装置。
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