JP4592065B2 - 消化ガス中のシロキサン化合物除去システムおよび除去方法 - Google Patents

消化ガス中のシロキサン化合物除去システムおよび除去方法 Download PDF

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本発明は、消化ガス中のシロキサン化合物除去システムおよび除去方法に関し、より特定的には、消化ガスと溶媒とを気液接触させることにより消化ガスに含まれるシロキサン化合物を除去するシステムおよび方法に関する。
消化ガス(バイオガス)は、下水汚泥や工場廃水等の有機性廃棄物を嫌気性消化させることにより得られるガスであり、メタンガスを約60%含有することから、燃料として有効利用することが求められている。しかし、消化ガスにはシロキサン(有機ケイ酸)化合物が含まれていることから、その利用状況は、いまだ十分であるとは言えない。
シロキサン化合物は、特に、下水汚泥により生じた消化ガスに多く含まれている。近年、下水処理施設で処理された下水には、シャンプーやリンスなどの頭髪仕上げ剤、カーワックス等の撥水剤などが含まれており、これらに含まれているシリコン系化合物が下水を介して汚泥中に混入している。シロキサン化合物は、その多くは水に不溶であるために汚泥に吸着した形で下水中に存在するが、その一部は、汚泥を嫌気性消化したときに、消化ガス側に揮発する。ここで、消化ガスに含まれるシロキサン化合物は、主として重合度4〜6の環状物質である。
このようなシロキサン化合物を含む消化ガスを、ガスタービンやガスエンジンなどの発電機用燃料として用いると、燃焼により二酸化ケイ素(シリカ:SiO2)が生じる。この二酸化ケイ素が発電機の燃焼部等に固着すると、発電効率の低下や機器トラブルが発生する。従って、消化ガスを発電燃料として利用するためには、発電機等に供給する前段でシロキサン化合物を除去する必要がある。
消化ガス中のシロキサン化合物を除去する精製装置としては、活性炭などの多孔質吸着剤を用いた消化ガス精製装置が広く知られている(例えば、特許文献1および2)。また、消化ガスを油と接触させることにより、シロキサン化合物を油で抽出して消化ガスを精製する方法(特許文献3)なども提案されている。
特開2002−58997号公報 特開2002−58996号公報 特開2003−286496号公報
しかしながら、吸着剤を用いた消化ガス精製装置では、吸着剤の使用期間に限りがあるという問題がある。例えば、吸着剤が活性炭である場合には、一度シロキサン化合物を吸着してしまうと、吸着性能を再生することができず、また、再生可能な吸着剤であっても、吸着性能を100%回復することはない。そのため、吸着剤の交換時期を把握する必要があるが、消化ガスに含まれるシロキサン化合物濃度は変動しやすいことから、吸着剤の交換時期を特定することが難しい。また、吸着剤は、それ自体が高価であるため、コストがかかる。さらに、使用後の吸着剤は、廃棄物として処理されることから、環境負荷が大きいという問題もある。
また、消化ガスを油と接触させる方法では、シロキサン化合物を抽出した油を簡易な方法で再生処理することができないという問題がある。消化ガスには、多量の水分が含まれていることから、消化ガスと接触させた油には多量の水が凝縮する。そのため、特許文献3では、消化ガスと接触させた油から油水分離により水分を除去したうえで、この油を活性炭充填層に通じることで油の再生処理を行っている。
しかしながら、この方法は操作が煩雑であり、しかも上記と同様にコストがかかり、廃棄物が増えるという問題がある。また、上記の再生処理では油水分離を必須の事項としているため、アルコール類のように水溶性、あるいは容易に油水分離できない油に対しては、油の再生処理を行うことができない。そのため、このような油を溶媒として用いるときには、一度使用しただけで油を廃棄する必要があり、適宜、溶媒を補充しなければならないことからコストがかかる。さらに、再生処理できない油は廃油として処理されるが、廃油を自然環境中に放出することは環境負荷が大きく、好ましくない。
それ故に、本発明は、簡易な方法で、かつ廃棄物量を低減でき、しかもランニングコストの良い、消化ガス中のシロキサン化合物除去システムおよび除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する発明は、消化ガスに含まれるシロキサン化合物を除去するためのシステムに向けられている。このシステムは、消化ガス精製装置、処理液分離装置、処理液供給管路、および溶媒供給管路を備えている。消化ガス精製装置は、シロキサン化合物を含有する消化ガスを、溶媒としてのエタノールと気液接触させることにより、シロキサン化合物を溶媒中に抽出する。また、処理液分離装置は、消化ガス精製装置で使用した処理液を、エタノールとシロキサン化合物とに分離する。また、溶媒としてのエタノールは、処理液供給管路および溶媒供給管路を介して、消化ガス精製装置と処理液分離装置との間で循環して利用される。
これにより、エタノールはシロキサン化合物を抽出しやすい物質であるため、消化ガスと溶媒とを気液接触させるだけで、消化ガス中のシロキサン化合物を容易に除去できる。また、シロキサン化合物とエタノールとは、沸点差が大きいことから両者を容易に分離できる。そのため、シロキサン化合物を除去したエタノールを、溶媒として再利用することが可能となり、エタノールを、消化ガス精製装置と処理液分離装置との間で循環させて利用することで、廃棄物量の低減およびランニングコストの低減が実現できる。
消化ガス精製装置としては、溶媒を貯留する貯留槽と、貯留槽の底部に設けられた散気装置とを備え、貯留槽に蓄えられた溶媒中に散気装置により消化ガスを散気して、溶媒と消化ガスとを気液接触させる装置が好適に使用できる。このような消化ガス精製装置は、消化ガスと溶媒とを効率良く気液接触させることができる。散気装置は、気泡径が10〜20μmの微細気泡を発生させる微細気泡発生装置であると、より一層、消化ガスと溶媒との接触効率を高めることが可能となる。
消化ガス精製装置は、溶媒を25℃以下に冷却するための冷却機構をさらに備えることが好ましい。これにより、溶媒であるエタノールの揮発を防ぐことができ、エタノールの損失を低減できる。また、消化ガス精製装置は、0.1〜1.0MPaの雰囲下で消化ガスと溶媒とを気液接触させることが好ましい。これによりエタノールの揮発を抑制できることに加えて、消化ガスに含まれる二酸化炭素、硫化水素などが液化しやすくなり、より精製された消化ガスを得ることが可能となる。
本発明に係る消化ガスの処理システムでは、上記した構成により消化ガス中のシロキサン化合物をほぼ除去することができる。しかし、より低い消化ガス中のシロキサン化合物濃度が要求される場合には、上記したシロキサン化合物精製装置の後段に、シロキサン化合物を吸着する多孔質吸着剤が充填された消化ガス精製装置をさらに備えた構成とする。これにより、消化ガス中のシロキサン化合物濃度をより低減できる。また、吸着剤が充填された消化ガス精製装置には、あらかじめ大部分のシロキサン化合物が除去された状態の消化ガスが供給されるため、この装置に供給される消化ガスのシロキサン化合物濃度はほぼ一定となる。したがって、吸着剤の寿命が長くなり、交換時期も特定できるようになる。
また、消化ガス精製装置の前段に、消化ガス中の水分を除去する水分除去機構をさらに備えた構成とすると、乾燥した消化ガスがエタノールと気液接触するため、エタノールに水が混入することがなくなり、エタノールの補充を低減できる。
消化ガス精製装置で処理された消化ガスは、燃料として利用され、消化ガス精製装置に備えられた処理ガス供給管路を介して燃料として供給される。この消化ガスは、ガスタービンやガスエンジンなどの発電用燃料としてだけでなく、燃料電池用燃料などとしても利用できる。
また、本発明は、消化ガス中のシロキサン化合物除去方法にも向けられており、この除去方法では、シロキサン化合物を含有する消化ガスを、エタノールを溶媒として用いた消化ガス精製装置に導入し、消化ガスと溶媒とを気液接触させることによりシロキサン化合物を溶媒中に抽出する消化ガス精製工程と、消化ガス精製工程で使用した処理液を、処理液分離装置に導入して、エタノールとシロキサン化合物とに分離する処理液分離工程とを備える。溶媒としてのエタノールは、消化ガス精製工程で使用した後、少なくともその一部を処理液分離工程で分離処理し、処理液分離工程で生じたエタノールを消化ガス精製装置に導入することにより、消化ガス精製工程と処理液分離工程との間で循環させて利用する。
これにより、消化ガス中のシロキサン化合物を容易に除去することができ、消化ガスを、ガスタービンやガスエンジンなどの発電機用燃料として好適に使用することが可能となる。また、溶媒としてのエタノールは、繰り返し再生利用できることから、ランニングコストが良く、しかも廃棄物量および環境負荷の低減が図れる。
以上のように本発明によれば、シロキサン化合物を含む消化ガスをエタノールと気液接触させることで、シロキサン化合物をエタノール中に抽出できる。また、シロキサン化合物とエタノールとは沸点の差が大きいため、シロキサン化合物を抽出したエタノールは、分留などの簡易な方法で再生でき、シロキサン化合物の吸着溶媒として再利用できる。したがって、廃棄されるエタノール量を削減して環境負荷を抑えることができ、しかも溶媒として補充するエタノール量も少ないことからコストの低減が図れる、消化ガス中のシロキサン化合物除去システムおよび除去方法が実現できる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、消化ガス中のシロキサン化合物除去システムを示す模式図である。図1に示す除去システムは、ガスタンク1、ガスコンプレッサ2、エアドライヤ3、ドレントラップ4、処理ガス供給管路5、消化ガス精製装置6、処理液供給管路7、処理液分離装置8、溶媒供給管路9、精製ガス供給管路10、および発電機11を備える。
ガスタンク1は、消化ガスを貯留する。消化ガスは、例えば、下水処理場にて集積した下水に濃縮その他の処理を施し、これにより得られた下水汚泥を嫌気性消化することにより生じる。本実施形態では、このようにして発生したガスに、脱硫処理や脱塩処理などの前処理を従来公知の手法により施したものを、消化ガスとしてガスタンク1に貯留する。
ガスタンク1に貯留される消化ガスは、水分を多く含むため、そのままの状態で使用すると、後述の消化ガス精製装置6において水分がエタノール中に混入する。そのため、消化ガス精製装置6に導入される前段で水分除去を行うことが好ましい。具体的には、消化ガス中の水分量が1.0%以下となるように水分除去を行うことが好ましい。ここでは、消化ガス中の水分除去機構として、ガスコンプレッサ2とエアドライヤ3とを用いる。
まず、消化ガスをガスコンプレッサ2およびエアドライヤ3に供給して、水分を除去する。ガスコンプレッサ2は、ガスタンク1から供給された消化ガスを圧縮し、エアドライヤ3は、圧縮された消化ガスを乾燥処理する。ガスコンプレッサ2およびエアドライヤ3で生じる凝縮水(ドレン)は、ドレン回収管路4aおよび4bを介してドレントラップ4に排出される。
消化ガスは、ガスコンプレッサ2により圧縮されることで、ほとんどの水分が除去される。このとき、上記した前処理で処理しきれなかった二酸化炭素や硫化水素なども水分中に溶出する。エアドライヤ3の温度は、消化ガス精製装置6で用いるエタノールの温度よりも低温であることが望ましい。これは、エアドライヤ3により乾燥処理した消化ガスの温度が、消化ガス精製装置6で用いるエタノールの温度よりも高くなると、消化ガス精製装置6内でエタノールが揮発しやすくなるためである。
処理ガス供給管路5は、圧縮処理および乾燥処理を行なった消化ガスを消化ガス精製装置6に導入する。消化ガス精製装置6は、導入された消化ガスを溶媒と気液接触させることにより、シロキサン化合物を溶媒中に抽出する。溶媒には、安価で環境負荷の小さいエタノールを用いる。エタノールは、シロキサン化合物を容易に抽出できるうえ、シロキサン化合物との沸点差が大きいことから、後述のように、容易に抽出したシロキサン化合物を分離して、再生できる。
消化ガス精製装置6は、溶媒6aとしてのエタノールを貯留する貯留槽6bと、貯留槽6bの底部に設置された散気装置6cとを備える。散気装置6cは、導入された消化ガスを溶媒6a中に散気するものであればよいが、気泡径が1mm以下である気泡を放出するものが好適に使用できる。中でも、気泡径が10〜20μm程度の微細気泡を発生する微細気泡発生装置であると、消化ガスと溶媒との接触効率をさらに高めることができる。
消化ガス精製装置6には、エタノールの揮発を防ぐために、冷却機構を設けてエタノールの温度を25℃以下とすることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、10℃以下とすることがさらに好ましい。冷却機構は特に限定されるものではなく、消化ガス精製装置6に別途、冷凍機などを設けて直接的にエタノールを冷却するものであってもよく、あるいは、消化ガス精製装置6に冷却媒体を介して熱交換する熱交換機を設けて間接的にエタノールを冷却するものであってもよい。
また、貯留槽6bの内部は、飽和蒸気圧との関係からできるだけ高圧雰囲気下とすることが好ましい。これにより、エタノールの揮発を抑制できるとともに、シロキサン化合物の除去効率を高めることができる。貯留槽6b内の圧力は、できるだけ高いことが望ましい、装置の耐久性や圧力容器法などとの関連により、0.1〜1.0MPaの範囲とすることが好ましい。
ただし、精製処理した消化ガスを直接的に発電機11に供給する場合には、燃料供給用の比例弁が0.5MPaを超えるとスタッキングを生じることがある。このような場合には、装置内の圧力を0.5MPa以下とすることが好ましい。あるいは、貯留槽6b内の圧力を挙げて、例えば、1.0MPaまで昇圧してシロキサン化合物を凝集除去した後、消化ガスを0.5MPa以下に降圧したうえで燃料として利用することが好ましい。
なお、エタノールは揮発性が高いため、蒸発して処理後の消化ガスとともに発電機11に流れてしまう懸念がある。しかし、消化ガス精製装置6の温度および圧力を上記のような範囲に調整することで、エタノールの揮発を抑制できる。より好ましくは、消化ガス精製装置6の内部圧力を約0.4MPa以上1.0MPa以下とし、内部温度を10℃以下に保つことで、エタノールの揮発を抑制できる。
処理液分離装置8は、シロキサン化合物を抽出した溶媒からシロキサン化合物を分離除去することにより、溶媒としてのエタノールを再生する。ここで、エタノールとシロキサン化合物とは、両者の沸点の差が大きいため、分留などの簡易な操作により分離できる。例えば、大気圧雰囲気下でのエタノールの沸点は約75℃である。これに対し、シロキサン化合物、具体的にはシロキサン化合物の大部分を占めるD4体の沸点は約170℃であり、D5体の沸点は約210℃である。したがって、処理液分離装置8においては、供給された処理液を75〜80℃程度の低温で加熱することにより、エタノールを分留できる。分離されたシロキサン化合物は、廃棄する。
処理液供給管路7は、消化ガス精製装置6と処理液分離装置8とを繋ぐ管路であり、ここでは、貯留槽6bの底部から引き抜いた溶媒の一部を、処理液分離装置8に供給する。溶媒供給管路9は、処理液分離装置8と消化ガス精製装置6とを繋ぐ管路であり、処理液分離装置8で得られたエタノールを貯留槽6bに導入する。精製ガス供給管路10は、消化ガス精製装置6にて精製された消化ガスを、ガスタービンやガスエンジンなどの発電機11に燃料として供給する。
以下に、上記のように構成されたシロキサン化合物除去システムを用いた消化ガスの処理方法について、一例を挙げて説明する。ここでは、発電機11としてガスタービンを用いる場合の処理について説明する。消化ガスをガスタービン用燃料として利用するには、消化ガス中のシロキサン化合物濃度を100ppb以下にする必要がある。未処理の消化ガス中のシロキサン化合物濃度は、1,000〜10,000ppb程度である。
まず、ガスタンク1に、脱硫処理などの前処理が施された消化ガスを貯留する。ガスタンク1内の圧力は、約2KPaである。ガスタンク1内の消化ガスをガスコンプレッサ2に導入し、約0.4MPaまで圧縮処理する。これにより、消化ガスに含まれる水分の多くが凝縮する。凝縮水(ドレン)は、ドレン回収管4aを介してドレントラップ4に排出される。
次に、圧縮した消化ガスをエアドライヤ3に導入して、乾燥処理を施す。エアドライヤ3の温度は、消化ガス精製装置6で使用する溶媒6aの温度よりも低温となるようにすることが望ましい。エアドライヤ3で生じた凝縮水は、ドレン回収管4bを介してドレントラップ4に排出される。
ドレンを除去した消化ガスは、処理ガス供給管路5を介して消化ガス精製装置6に導入される。この消化ガスは、散気装置6cによって散気され、溶媒6aであるエタノールと気液接触する。これにより、消化ガス中のシロキサン化合物は、エタノールに抽出される。シロキサン化合物が除去された消化ガスは、精製ガス供給管路10を介して発電機11へ供給される。
シロキサン化合物を抽出した溶媒6aの少なくとも一部は、処理液供給管路7を介して処理液分離装置8に導入される。ここでは、貯留槽6bに蓄えられた溶媒6aを底部から引き抜いて処理液分離装置8に導入している。処理液分離装置8では、分留によりエタノールとシロキサン化合物とが分離される。ここで、分離されたシロキサン化合物は、廃棄される。一方、シロキサン化合物が除去されたエタノールは、溶媒供給管路9を介して消化ガス精製装置6へ導入され、溶媒として再利用される。
このように、本実施形態においては、溶媒であるエタノールを消化ガス精製装置6と処理液分離装置8との間で循環させて利用している。これにより、エタノールの損失を抑えることができ、コストおよび廃棄物の低減が実現できる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す除去システムと同様に構成されたシステムにおいて、精製処理前後の消化ガスに含まれるシロキサン化合物濃度を測定した。消化ガスには、窒素ガスにシロキサン化合物を1,900〜14,000ppbの範囲で含有させた模擬ガスを用い、温度は30℃とした。
消化ガス精製装置6としては、貯留槽6bの底部に散気装置6cとして微細気泡発生装置(バブルタンクT−50)を設置したものを用いた。細気泡発生装置は、気泡径10〜20μmの微細気泡を発生するものである。貯留槽6bには、液温25℃のエタノールを30リットル入れた。消化ガス精製装置6内の圧力は、1atmとした。この消化ガス精製装置6に、上記の消化ガス(模擬ガス)を、0.5ml/minの速さで供給し、精製処理前後のシロキサン化合物濃度を測定した。
精製処理前の消化ガス中のシロキサン化合物濃度は、処理ガス供給管路5の途中に設けられたサンプリングコック5aを介して消化ガスを回収して測定した。また、精製処理後の消化ガス中のシロキサン化合物濃度は、精製ガス供給管路10の途中に設けられたサンプリングコック10aを介して消化ガスを回収して測定した。図2は、得られた測定結果を示すグラフである。
図2に示すように、精製処理前の消化ガス中のシロキサン化合物濃度が1,900〜14,000ppbであったのに対し、精製処理後の消化ガス中のシロキサン化合物濃度は、いずれも10ppb以下となっていた。また、精製処理前のシロキサン化合物濃度が10,000ppb未満の場合には、精製処理後の消化ガス中のシロキサン化合物濃度は5ppb以下となっており、ガスタービンやガスエンジンといった発電機11の燃料としてでだけでなく、燃料電池の燃料としても好適に使用できるレベルであった。
(実施例2)
消化ガス精製装置6で使用する溶媒の温度が、シロキサン化合物の除去性能に与える影響を調べるために、以下のような実験を行った。まず、容量1リットルのメスシリンダー(口径65mm、高さ420mm)を容器として用い、この容器に散気装置6cとして空気石を設置した。空気石は、気泡径0.5〜3.0mmの気泡を発生する。消化ガスは、上記実施例で用いたものと同じものである。
容器内には、エタノールを1000ミリリットル入れた。供給する消化ガスの温度は25℃であり、この消化ガスを0.5ml/minの条件下で容器内に導入し、エタノールと気液接触させた。エタノールの温度は、3℃、13℃、25℃の3種類に変化させた。そして、精製処理前後の消化ガス中のシロキサン化合物濃度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
Figure 0004592065
消化ガス精製装置は、例えば、図1において、消化ガス精製装置6と発電機11との間に設けられる。そして、上記実施形態の方法により処理した後の消化ガスを、この吸着剤を用いた消化ガス精製装置に供給することで、より一層、消化ガス中のシロキサン化合
表1に示すように、消化ガス精製装置6で使用するエタノールの温度を低くすることで、シロキサン化合物の除去性能を向上できることが明らかとなった。また、エタノールの温度が低いほどエタノールの揮発を抑制できた。なお、溶媒として用いたエタノールは、上記の実験中、ほとんど損失がなく、補充を要するものではなかった。
なお、上記実施形態では、消化ガスをガスタービンやガスエンジンなどの発電機11の燃料として利用する例を挙げて説明したが、本発明は、燃料電池などの発電機11にも適用できる。例えば、燃料電池の一種である固体酸化物形燃料電池(SOFG)などのように、作動温度が高温であるものの燃料として消化ガスを利用する場合には、同様にシロキサン化合物を除去することが必要になるが、このような場合にも、本発明は適用できる。
また、ガスタービンなどでの利用において、メーカ保証値などの理由から、より低濃度のシロキサン化合物濃度が求められているときには、エタノールと消化ガスとを気液接触させる消化ガス精製装置6の後段に、活性炭などのシロキサン化合物を吸着する微多孔吸着剤を充填した充填層を有する消化ガス精製装置を設ける。この消化ガス精製装置の構成は、従来公知のものと同様である。このような物濃度を低減できる。
このような構成では、あらかじめ大部分のシロキサン化合物を除去した後(例えば、シロキサン化合物濃度を100ppb以下)に吸着剤が充填された充填層を通過させているため、充填剤の使用量を低減できるとともに、充填剤の寿命を長くできる。また、充填層の入口側におけるシロキサン化合物の濃度がある程度一定となるため、充填剤の交換時期も把握できる。
また、上記実施形態では、消化ガス精製装置として、散気装置を備えたバブリング型の消化ガス精製装置を用いた例を挙げて説明したが、消化ガス精製装置はこれに限定されるものではなく、消化ガスとエタノールとが気液接触するものであれば良い。気液接触の方法としては、向流または並流のいずれであっても良い。具体的には、スプレー塔、噴霧室、充填塔、濡れ壁などの構成が挙げられる。これらの消化ガス精製装置は、多段式に配置されていてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るシロキサン化合物除去システムを模式的に示した図 同実施形態の実施例1に係る消化ガス中のシロキサン化合物濃度の測定結果を示すグラフ
符号の説明
1 ガスタンク
2 ガスコンプレッサ
3 エアドライヤ
4 ドレントラップ
4a,4b ドレン回収管路
5 ガス供給管路
5a サンプリングコック(処理前濃度)
6 消化ガス精製装置
6a エタノール
6b 貯留槽
6c 散気装置
7 処理液供給管路
8 処理液分離装置
9 溶媒供給管路
10 精製ガス供給管路
10a サンプリングコック(処理後濃度)
11 発電機

Claims (10)

  1. 消化ガスに含まれるシロキサン化合物を除去するためのシステムであって、
    シロキサン化合物を含有する消化ガスを、溶媒としてのエタノールと気液接触させることにより、前記シロキサン化合物を前記溶媒中に抽出する消化ガス精製装置と、
    前記消化ガス精製装置で使用した処理液を、エタノールとシロキサン化合物とに分離する処理液分離装置と、
    前記消化ガス精製装置で使用した処理液の少なくとも一部を、前記処理液分離装置に導入する処理液供給管路と、
    前記処理液分離装置で分離したエタノールを、前記消化ガス精製装置に導入する溶媒供給管路とを備え、
    前記溶媒を、前記処理液供給管路および前記溶媒供給管路を介して、前記消化ガス精製装置と前記処理液分離装置との間で循環させて利用することを特徴とする、消化ガス中のシロキサン化合物除去システム。
  2. 前記消化ガス精製装置は、
    溶媒を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽の底部に設けられた散気装置とを含み、
    前記貯留槽に蓄えられた溶媒中に前記散気装置により消化ガスを散気することにより、前記溶媒と前記消化ガスとを気液接触させることを特徴とする、請求項1に記載のシロキサン化合物除去システム。
  3. 前記散気装置は、気泡径が10〜20μmである微細気泡を発生させる微細気泡発生装置であることを特徴とする、請求項2に記載の消化ガス中のシロキサン化合物除去システム。
  4. 前記消化ガス精製装置は、前記溶媒を25℃以下に冷却するための冷却機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の消化ガス中のシロキサン化合物除去システム。
  5. 前記消化ガス精製装置は、0.1〜1.0MPaの雰囲下で前記消化ガスと前記溶媒とを気液接触させることを特徴とする、請求項1に記載の消化ガス中のシロキサン化合物除去システム。
  6. 前記消化ガス精製装置の後段に、シロキサン化合物を吸着する多孔質吸着剤が充填された消化ガス精製装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシロキサン化合物除去システム。
  7. 前記消化ガス精製装置の前段に、消化ガス中の水分を除去する水分除去機構をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシロキサン化合物除去システム。
  8. 前記消化ガス精製装置で処理された消化ガスは、燃料として利用され、
    前記消化ガス精製装置は、処理された消化ガスを燃料として供給するための処理ガス供給管路を有することを特徴とする、請求項1に記載のシロキサン化合物除去システム。
  9. 消化ガスに含まれるシロキサン化合物を除去するための方法であって、
    シロキサン化合物を含有する消化ガスを、エタノールを溶媒として用いた消化ガス精製装置に導入し、前記消化ガスと前記溶媒とを気液接触させることにより前記シロキサン化合物を前記溶媒中に抽出する消化ガス精製工程と、
    前記消化ガス精製工程で使用された処理液を、処理液分離装置に導入して、エタノールとシロキサン化合物とに分離する処理液分離工程とを備え、
    前記溶媒としてのエタノールは、前記消化ガス精製工程で使用した後、少なくともその一部を前記処理液分離工程で分離処理し、当該処理液分離工程で生じたエタノールを前記消化ガス精製装置に溶媒として導入することにより、前記消化ガス精製工程と前記処理液分離工程との間で循環させて利用することを特徴とする、消化ガス中のシロキサン化合物除去方法。
  10. 前記消化ガスに含まれる水分をあらかじめ除去した後、当該消化ガスを前記消化ガス精製装置に導入することを特徴とする、請求項9に記載の消化ガス中のシロキサン化合物除去方法。
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